- 21
- アウトサイドヒッター
FIVBバレーボールネーションズリーグ2021
-
- VOLLEYBALL
- BEACH VOLLEYBALL
- YEAR
-
- 2024
- 2023
- 2022
- 2021
- 2020
- 2019
- 2018
- 2017
- 2016
- 2015
- 2014
RESULTS
試合結果・予選
ファイナルラウンドの順位はこちら(「試合結果・ファイナルラウンド」をお選びください)
日本の試合結果
6月20日 日本×セルビア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
12勝3敗
3
25
25
25
–
–
セルビア
4勝11敗
0
12
22
15
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
昨日の試合でファイナルラウンドへの出場権を獲得した日本、これまでの試合とはスターティングメンバーを大きく代えて予選ラウンド最終セルビア戦に臨んだ。主にサイド攻撃を展開するセルビアに対し、ブロックでしっかりとプレッシャーをかけ、スパイクミスを誘った日本。さらに奥村麻依選手のサービスエースや鍋谷友理枝選手のスパイクなどで8-1と一気にこのセットの主導権を握った。その後も芥川愛加選手のブロード攻撃や石井優希選手の相手コートの穴を突くフェイントなどで5連続得点し、14-3と相手に一切の隙を与えない。鍋谷選手のブロックアウトで16-5、2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた後も、ミスの少ない緻密なバレーで得点を重ねた。関菜々巳選手の絶妙なトスから芥川選手のBクイック、鍋谷選手のサービスエースで20-8と20点台に乗り、最後は関選手のサービスエースで25-12。日本が第1セットを先取した。
第2セット
このセットも序盤から主導権を握った日本、鍋谷選手のサービスエースや林琴奈選手のダイレクトスパイクなどで5連続得点し、7-2と大きくリードした。8-3で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた後、セルビアのスパイカー陣が徐々に調子を上げ得点したが、日本も石井選手の針の穴を通すようなストレートスパイクなどで対抗し、サイドアウトの応酬となった。鍋谷選手のブロック得点やセルビアの連続ミスで16-9と2回目のテクニカルタイムアウトも奪った日本は、さらに林選手の鋭いスパイクや石井選手のブロックアウトなどで18-13と依然リードを保った。相手のミスで20点目を取り、その後も奥村選手の自らサーブレシーブをして展開したクイック攻撃やサービスエースなどで3連続得点し23-16。終盤、日本のミスやセルビアのサービスエースで24-22まで詰め寄られるも、タイムアウトを要求し流れを切った日本。最後は林選手がブロックアウトで決め25-22。日本がセットを連取し、この試合に王手をかけた。
第3セット
第1・第2セットの流れのままこの試合をものにしたい日本、立ち上がりは両ミドルブロッカーが奮闘し、芥川選手のサービスエースや、奥村選手のキルブロックなどで得点、7-1と一気にリードを広げた。その後も、関選手の相手ブロッカーに的を絞らせない巧みなトス回し、林選手のサービスエースや石井選手の1枚ブロックでのシャットアウトなどで7-2から怒涛の7連続得点を挙げ14-2とさらに突き放した。芥川選手のブロード攻撃で16-4と2回目のテクニカルタイムアウトを迎え、その後セルビアに連続失点を喫したが、石井選手の相手の意表を突くフェイントで1点を返し、相手のスパイクミスで19-8。終盤もミスを出すことなく、鍋谷選手のスパイクや林選手のブロックアウトなどで得点を重ね、最後は石井選手がスパイクを相手ブロックにねじ込み25-15。セットカウント3-0でセルビアを破った日本は、ファイナルラウンドへの弾みとなる勝利を手にした。
【コメント】
石井優希選手
「今日は、今までなかなか出番がなかったメンバーで初めて作ったチームだったが、このようなゲームで終えられて良かった。試合内容としては、日本のサーブが序盤から走って、相手にコンビネーションを作らせなかったことが大きな勝因だったと思う。ファイナルラウンドはトーナメント戦で、これからの3日間の過ごし方がとても大事だと思う。コンディションを整える選手は整えて、練習でも今日も含めたコンビネーションの精度やサーブレシーブの連携、一つ一つの質などの細かいところを調整して初戦に臨みたいと思う」
予選ラウンド最終結果
1位: アメリカ 14勝1敗 ※ファイナルラウンド進出
2位: ブラジル 13勝2敗 ※ファイナルラウンド進出
3位: 日本 12勝3敗 ※ファイナルラウンド進出
4位: トルコ 11勝4敗 ※ファイナルラウンド進出
5位: 中国 10勝5敗
6位: ドミニカ共和国 9勝6敗(勝点29)
7位: オランダ 9勝6敗(勝点25)
8位: ロシア 8勝7敗(勝点24)
9位: ベルギー 8勝7敗(勝点19)
10位: ドイツ 5勝10敗(勝点16)
11位: ポーランド 5勝10敗(勝点15)
12位: イタリア 4勝11敗(勝点16)
13位: セルビア 4勝11敗(勝点14)
14位: カナダ 3勝12敗(勝点11)
15位: 韓国 3勝12敗(勝点10)
16位: タイ 2勝13敗
6月19日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
11勝3敗
3
25
19
26
25
–
ドイツ
5勝9敗
1
23
25
24
15
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
この試合に勝利すればファイナルラウンド進出が決まる日本は立ち上がりから、古賀紗理那選手・黒後愛選手のスパイクでラリーを制すると、島村春世選手のブロード攻撃や古賀選手のサービスエースで8-5と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。しかし、ドイツの鋭いサーブでレシーブを乱され、ブロックで連続得点されるなどして5連続失点を喫し、9-10と逆転を許してしまう。しかし中盤に入ってからは、石川真佑選手と古賀選手の両レフトに籾井あき選手がトスを集め得点し、16-13と日本が3点リードした状態で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、両チーム攻守ともに譲らず、一進一退の攻防が続いたが、山田二千華選手の相手コートに叩きつけるBクイックで得点すると、21-20でリリーフサーバーとして林琴奈選手を投入。ここから古賀選手の相手の意表を突くフェイントなどで連続得点し、23-20とドイツを突き放した。その後ドイツに連続失点を喫するも、最後は古賀選手のブロックで25-23と第1セットを先取した。
第2セット
序盤はお互いにサイドアウトを取り合ったが、島村選手のブロード攻撃と石川選手のブロックアウトで連続得点した日本の勢いに、危機を察知したドイツは4-3で早くもタイムアウトを要求。日本の流れを切ってきたドイツに、スパイクやブロックを決められ6-8とリードを奪われた。しかし、ドイツにサーブミスが出ると島村選手の切れ味鋭いブロード攻撃や古賀選手のサービスエースなどで4連続得点し14-13と逆転に成功。石川選手の相手のブロード攻撃をシャットアウトするブロックやコートの中に切り込むスパイクなどで得点する日本に対し、ドイツもブロックやパイプ攻撃で対抗し、サイドアウトの応酬となった。しかし17-19の場面でドイツがチャレンジを要求して成功、17-20と3点ビハインドになった。このチャレンジ成功から流れを掴んだドイツに、サーブで攻められ連続失点を喫した。日本は黒後選手のブロックなどで応戦するも最後はスパイクミスで19-25。第2セットはドイツに取り返された。
第3セット
セットカウント1-1で迎える第3セット、序盤セッターの籾井選手は島村選手と山田選手の両ミドルブロッカーにトスを集め、ブロード攻撃やBクイックで得点を重ねた。しかし、ドイツに連続ブロックが出ると、さらにサービスエースも決められ6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後サイドアウトの応酬となったが、中盤ドイツのタッチネットと石川選手のスパイクで得点し12-12と同点に追いついた。しかし、ドイツにブロックやサービスエースが出ると3連続失点を喫し、16-19と離されてしまう。そのタイミングで日本はタイムアウトを要求し立て直しを図った。18-20の場面で林選手をリリーフサーバーで投入、島村選手のブロード攻撃などで第1セット同様連続得点し、20-20の同点とした。さらに21-21の場面でセッターの田代佳奈美選手を投入しここでも連続得点を奪った。黒後選手のスパイクでセットポイントを獲得し、その後ドイツにサービスエースなどを決められデュースに持ち込まれたが、最後は山田選手のサービスエースで26-24。第3セットを取り返し、この試合に王手をかけた。
第4セット
立ち上がりから古賀選手のサーブが走り、加えて島村選手のブロード攻撃、石川選手のスパイクで主導権を握った日本は、8-4とリードした状態で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。さらに島村選手のサービスエースや、籾井選手のサーブから山田選手がダイレクトスパイクを決めるなど、気迫のこもったサーブでドイツの守備を圧倒し、12-5とリードを大きく広げた。その後もドイツにミスが続き、日本の流れで試合は進行した。籾井選手の体を張ったレシーブや黒後選手のスパイクで16-10と2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた後も、黒後選手の強烈なバックアタックや島村選手のブロード攻撃でさらに得点を重ね19-11とした。21-13でセッターを田代選手に代えると、石川選手のブロックの間を射抜くスパイクなどで得点を重ね、24-15とマッチポイントを迎えた。最後はドイツのミスで25-15、第4セットを終始リードする展開を作った日本が、セットカウント3-1でドイツに勝利した。
この勝利をもって、ネーションズリーグ予選ラウンドでの日本の4位以上が確定し、ファイナルラウンドへの進出が決定した。
【コメント】
島村春世選手
「チームの出来は全体として50点くらい。自分たちの小さなミスや数字に表れないミスがとても多くて、相手のミスに助けられていたというような試合展開だった。ファイナルを決めるためにまずこの一戦を戦わないとファイナル進出がまだなかったし、(予選ラウンド)3位か4位のどちらになるかで1位のアメリカと戦うかどうか決まるので、この一戦は3-0もしくは3-1の(勝点)3ポイントで勝ちたいという気持ちだった。明日のセルビア戦はファイナルに向けての一戦だと思っているので、ファイナルに向けて良い入りができるように、3-0で3ポイント獲得して試合に勝つというのが目標。そのためには、こちらがサーブで攻めて相手を崩し、セルビアはミドルブロッカーが強く調子に乗せてしまうと良いゲームをされてしまう印象があるので、そのミドルブロッカーを使わせないようにしてサイドで勝負できるように戦いたいと思う」
6月18日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
10勝3敗
3
18
24
25
25
15
ドミニカ共和国
7勝6敗
2
25
26
22
15
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ファイナルラウンド進出に向けて大きな一戦となるドミニカ共和国戦、立ち上がり荒木絵里香選手のサーブでドミニカ共和国の守備を崩し、古賀紗理那選手のスパイクで得点。その後も籾井あき選手のワンハンドトスから島村春世選手がクイック攻撃、黒後愛選手がサービスエースを決めるなどでさらに4連続得点を挙げ、8-4で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。しかし、高さとパワーのあるドミニカ共和国のサイドからの攻撃に対応できず、7連続失点を喫し、一気に9-11と逆転を許してしまう。その後、ドミニカ共和国がリードしたまま試合が進行したが、小幡真子選手がコートのはるか外まで走りボールを繋ぎ、それを黒後選手がストレートへ渾身スパイクを決め得点。さらに島村選手の相手レフトをシャットアウトするキルブロックで16-16と同点に追いついた。しかし、終盤にドミニカ共和国の強烈なスパイクとブロックで5連続得点を決められ、最後は日本のスパイクミスで18-25と第1セットを先取された。
第2セット
序盤、セッターの籾井選手はチームの要である古賀選手にボールを集め得点を重ねるが、ドミニカ共和国も攻撃の手を緩めず両チーム譲らないシーソーゲームとなった。7-8でテクニカルタイムアウトを迎えた後も均衡した状態が続いた。日本はリリーフサーバーで林琴奈選手を投入、その林選手がサーブ後にワンハンドでレシーブを上げ、そのラリーを石川真佑選手のブロックでものにするなどドミニカ共和国に流れを渡さなかった。中盤以降、セッターの籾井選手は荒木選手・島村選手の両ミドルブロッカーにトスを集め、相手ブロッカーに的を絞らせないトス回しで得点を重ねた。15-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎え、その後も島村選手のブロード攻撃やブロックで得点し19-18と逆転に成功。終盤は、石川選手がスパイクで奮闘し、ドミニカ共和国のパワースパイクに応戦した。相手にセットポイントを奪われた後も籾井選手は荒木選手のクイック攻撃を使うなど強気なトス回しを魅せ、試合をデュースに持ち込んだが、最後は第1セット同様日本のスパイクミスで24-26。接戦をものにできずセットを連取された。
第3セット
後がない日本であったが、スタートからドミニカ共和国にクイック攻撃やブロックの上からスパイクを決められ0-3とリードを許した。その後、荒木選手のサービスエースや島村選手のブロックで同点に追いつくも、ラリー中は防戦一方となり主導権を握れない。黒後選手のクロスへのバックアタックなどで応戦するが、6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎え、ドミニカ共和国リードのまま中盤に突入した。しかしその後、荒木選手のダイレクトスパイクやクイック攻撃で得点すると、黒後選手のバックアタックが決まり、13-12と逆転に成功。ドミニカ共和国も持ち味のパワーのあるスパイクで得点するが、2回目のテクニカルタイムアウトは16-15と日本がリードし迎えた。その後も石川選手の強烈なスパイクが決まり、19-17とした時点でドミニカ共和国はタイムアウトを要求。20-20で一時同点に追いつかれるも、日本もタイムアウトを要求し、立て直しに成功。最後は古賀選手の鋭いスパイクが決まり、25-22で第3セットを取り返した。
第4セット
第3セットを取り勢いに乗った日本は序盤、島村選手のブロード攻撃で得点すると、井上琴絵選手の好レシーブから石川選手のスパイク、古賀選手のサービスエースなどで怒涛の7連続得点、10-3とこのセットの主導権を握った。その後も黒後選手のバックアタックや荒木選手のクイック攻撃、ドミニカ共和国のミスで14-4と依然リードをキープ。一時ドミニカ共和国に3連続失点し、日本がタイムアウトを要求する場面があったが、その後はリズムを取り戻し、黒後選手のブロックアウトで16-8、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。終盤に入ってからも古賀選手のレフトからの速い攻撃や連続ブロック得点で22-10とさらに点差を広げた。古賀選手のスパイクでセットポイントを獲得し、その後ミスやドミニカ共和国の強烈なスパイクで連続失点を喫するも、最後は黒後選手がスパイクをきっちり決め25-15。セットカウント0-2から巻き返し、この試合をファイナルセットへと持ち込んだ。
第5セット
この試合の勝負が決まるファイナルセット、序盤は古賀選手・黒後選手のスパイクで得点を重ねる日本に対し、ドミニカ共和国も両サイドからの攻撃で対抗し、一進一退の攻防が繰り広げられた。しかし、ドミニカ共和国のパワーのあるスパイクに苦戦し、さらにコンビミスが出てしまい、5-7とリードを許した。1点を返し6-7の場面で、日本はリリーフサーバーとして林選手を投入。その林選手がチームの期待に応えるサービスエースで得点すると、石川選手のスパイクが立て続けに決まり、9-7と4連続得点で逆転に成功。その後もセッターの田代佳奈美選手、リリーフサーバーで鍋谷友理枝選手を投入し、さらにリズム良く得点を重ねた。黒後選手の連続スパイク、ドミニカ共和国のミスでマッチポイントを握ると、最後は島村選手のブロード攻撃が決まり15-11。第5セットを総力戦で制した日本が、セットカウント3-2でドミニカ共和国に勝利した。
【コメント】
籾井あき選手
「(1・2セット目はスパイカーが)2枚の時にブレイクされることが多かった。パイプと前衛のコンビネーションが1・2セット目はできず、前衛のスパイカーに負荷がかかっていた。3セット目からはライト側のバックアタックやパイプを混ぜていくように変えた。(5セット目は)リリーフサーバーで入った林選手のサーブポイントや、黒後選手のスパイクが上がってきていたので、そこが大きかったと思う。15点という点数で限られていて、出だしから得点を重ねなければならなかったので、調子の良い選手に(トスを)上げた。限られた選手だけだと相手も対応してくるので、両サイドということを意識して(トスを)上げた。反省としては真ん中の選手(ミドルブロッカー)をうまく生かせていなかったので、次の試合からは生かして、全員が生きるようなバレーをしていきたいと思う。今日戦ったドミニカ共和国とはオリンピックでも戦うことになっているので勝利は大きかったが、してはいけないミスがまだあり、相手のミスに救われることもあった。ただ、勝てて良かった」
6月14日 日本×ベルギー 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
9勝3敗
3
23
25
25
25
–
ベルギー
5勝7敗
1
25
22
21
21
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
予選ラウンド11戦を終えて5位の日本は、同9位ベルギーとの対戦を迎えた。
序盤はお互いにサイドアウトを取り合う展開となったが、要所で古賀紗理那選手のパイプ攻撃や石川真佑選手の安定したスパイクが決まり、8-6と日本がリード。ところが相手エースに連続で得点を挙げられ、8-10と逆転を喫した。そのタイミングで中田久美監督は1回目のタイムアウトを要求。その後、古賀選手のレフトから狙いをすましたストレートスパイクなどで反撃するも、15-19とベルギーに先行された。しかし、全員でボールを落とさない粘り強いレシーブから黒後愛選手がライトからスパイクを決め、石川選手のサービスエースなども決まり、20-19と逆転に成功。この勢いのままこのセットを取りたい日本であったが、終盤の大事な場面でサービスエースを3連続で取られ、23-25。第1セットを先取された。
第2セット
このセットを取り、試合を振り出しに戻したい日本は序盤、古賀選手のスパイクなどで得点し、4-2とリードする。日本の良いムードに危機感を感じたベルギーベンチは、すぐにタイムアウトを要求。その後も相手リベロのセットミスや、石川選手のスパイクで8-5とリードしたまま1回目のテクニカルタイムアウトを取った。その後も古賀選手、石川選手の両レフトスパイカーで得点を重ね、16-13で折り返しを迎えた。途中、相手セッターが足首を捻り交代する場面があったが、代わってコートに入ったセッターとライトのコンビ攻撃を阻止することができず、16-16の同点に。中盤はシーソーゲームの展開となり、日本は本日スターティングメンバーに起用された山田二千華選手のライトへのブロード攻撃などで応戦した。終盤、籾井あき選手のサーブで相手布陣を崩し、チャンスボールから黒後選手がスパイクを決めるなどで得点。最後はキャプテン・荒木絵里香選手がセッター・籾井選手との見事なコンビネーションでクイック攻撃を決め、25-22。セットを奪い返し、セットカウントを1-1のイーブンにした。
第3セット
スタートから荒木選手が相手リベロの前を狙ったサーブで攻め、古賀選手が相手エースの強烈なスパイクを自ら拾い、スパイクを決めるなどして得点を重ねた。ネット際のボールをうまく籾井選手が処理し、さらに石川選手がレフトからストレートに強烈なスパイクを決め、8-8と同点に。その後は、ストレート・クロス・ブロックを利用したスパイクを放つ古賀選手と、高さのあるベルギーのエース・ヘルボッツ選手(背番号3番)による得点の奪い合いとなった。中盤、山田選手のブロード攻撃などで得点を重ねるも、ベルギーもレフトからのブロックアウトなどで得点し16-16と再び同点。しかし、荒木選手のクイック攻撃と相手エースをシャットアウトするブロックで連続得点し、19-17とリードを奪った。ベルギーベンチはたまらずタイムアウトを要求したが、その後も黒後選手がライトからスパイクを決め、最後はベルギーのサーブミスで25-21。第3セットを取り、この試合に王手をかけた。
第4セット
開始直後、荒木選手が相手エースをブロックし、幸先よく第4セットに突入した。黒後選手が相手ブロックを利用したスパイクで得点、また山田選手がブロックで相手攻撃を緩め、チャンスボールからブロード攻撃を仕掛けるなど、速い攻撃でリズム良く連続得点し、8-5と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。途中ブロックの際、籾井選手が指を痛め、セッターを田代佳奈美選手と交代するも、相手にミスが続き12-8と依然としてリードを維持。また、交代で入った田代選手がワンハンドトスで絶妙なハンドリングを魅せ、レフトからやや中央に切り込んだ古賀選手の鮮やかなスパイクでさらに日本を勢いづけた。さらに古賀選手が相手布陣をよく見たフェイントも織り交ぜ、16-13と2回目のテクニカルタイムアウトもリードしたまま迎えた。しかし、相手エース・ヘルボッツ選手のパイプ攻撃に連続失点を喫し17-17の同点にされ、日本ベンチはタイムアウトを要求。その後、お互いに一歩も譲らずサイドアウトを取り合うも、古賀選手が相手ブロックの上を抜くストレートスパイクを決め、20-19と日本は再びリードした。相手のスパイク・サーブミスで22-20となった場面で、セッターの籾井選手がコートに戻った。互いにボールを落とさない長いラリーを、古賀選手がうまく相手ブロックを利用したスパイクで弾き出して24点目を取り、最後は山田選手のブロード攻撃が決まり25-21。第4セットもものにした日本は、セットカウント3-1でベルギーに勝利し、9勝目(勝点25)を挙げた。
【コメント】
荒木絵里香選手
「難しいゲームをチームみんなで勝つことができて嬉しい。相手の高さのあるブロックとサーブに苦しんだが、自分たちの速い攻撃やディフェンス力で突破することができた。(連敗を防ぐ策として)毎試合チームで集中してゲームに向かっており、チーム全体で戦う意識がこういう勝ち方に繋がっていると思う。(ベルギー戦でのキー選手は)セッターの籾井(あき)。(ベルギー戦に向けた対策は)自分たちのディフェンス力を生かすことをみんなで意識し、ラリーに持ち込んで相手を苦しくさせるように粘り強く戦おうという意識で戦った。(ベルギーの高い攻撃力に対して4セット目は)3番の選手を中心に攻撃が絞られていき、トータルディフェンス(ブロックとレシーブ)の部分を機能させることができたと感じる。(今週の3連戦を振り返って)欧米の高いチームとの3連戦で、自分たちの課題が見つかり、良いところもたくさん出たと思うので、来週以降に繋げていけるように頑張りたい。(オリンピックの最終目標は)金メダルを獲ること」
6月13日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
8敗3敗
0
23
24
20
–
–
アメリカ
11勝
3
25
26
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
スターティングメンバーをこれまでの試合から大きく代え臨んだ第1セット、序盤から石川真佑選手のパイプ攻撃や石井優希選手のサービスエースで得点を重ねる日本に対し、アメリカはサーブミスが目立つも、クイック攻撃を軸としたコンビバレーを展開。シーソーゲームで試合が進むが、日本のタッチネットで6-8、1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、黒後愛選手のエンドラインぎりぎりを狙ったスパイクやサービスエース、石井選手のブロックの間を射抜くスパイクで応戦するも、アメリカの高い打点から繰り出されるスパイクで長いラリーをものにできず、流れを掴めない。12-16の場面で、日本はリリーフサーバーで鍋谷友理枝選手を投入し、勢いをもたらしたいところであったが、アメリカにレフトからのスパイクで日本のブロックを弾き飛ばされるなどして4連続失点を喫した。しかし終盤、石井選手のブロックアウトで得点すると、アメリカの連続スパイクミスや黒後選手のサービスエースなどで怒涛の6連続得点を挙げ22-23まで詰め寄った。しかし、あと一歩が及ばず最後はライトからの強烈なスパイクを決められ23-25で第1セットを先取された。
第2セット
スターティングメンバーを石川選手から林琴奈選手に代え臨んだ第2セット、黒後選手のクロススパイクや奥村麻依選手のファインレシーブを石井選手がコート中央へのフェイントでものにするなどで、スタートから主導権を握った。さらに石井選手の相手エースをシャットアウトするキルブロックや島村春世選手のブロード攻撃で8-6と、1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤もこのセットからスタートに起用された林選手のブロックを巧みにかわすストレートへのスパイクや、黒後選手のサービスエースなどで得点し、日本のペースで試合が進行した。林選手のプッシュ攻撃で16-13とし、2回目のテクニカルタイムアウトも取った日本、この勢いのままこのセットを奪いたいところであったが、徐々に高さで勝るアメリカのスパイクや強烈なサーブが牙をむき、19-19と同点に追いつかれた。その後、お互いが20点台に乗り、1点を争うシーソーゲームとなった。アメリカの強烈なスパイクや高いブロックに対し、井上琴絵選手のファインレシーブや島村選手のブロード攻撃で応戦し、このセットをデュースに持ち込んだ。しかし、アメリカの高いブロックに阻まれ、最後はブロード攻撃を決められ24-26でセットを連取された。
第3セット
後がない日本であったが、アメリカのアウトサイドヒッター陣から繰り出されるパワフルなスパイクにディフェンスを崩され、序盤からリードを許し5-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後ミスもあり、より点差を離されてしまう。この悪い流れを断ち切るべく、日本はセッターの関菜々巳選手と鍋谷選手を2枚替えで投入。直後、その鍋谷選手がライトからクロスへ鋭いスパイクを決め、ここから流れを引き寄せたい日本。林選手のストレートスパイクとエンドライン上を狙った巧みなスパイクで連続得点し、アメリカに13-16まで迫った。しかしその後、アメリカにスパイクやブロックを決められ3連続失点を喫し、13-19と再びリードを広げられた。終盤、日本は林選手のスパイクや島村選手のブロード攻撃で反撃のきっかけを掴みに行こうとするも、最後はレフトから強烈なスパイクを叩き込まれ20-25。セットカウント0-3のストレートでアメリカに敗れた。
【コメント】
石井優希選手
「アメリカのサーブがとても良く、パスが崩れてしまいサイドアウトからの展開がうまく取れず、ハイセットになる場面が増えてしまった。苦しい展開をこちら(日本)が作ってしまったという印象。(再びアメリカと対戦することになるとしたら)日本のサーブをもっと攻撃的なサーブにして、相手をハイセットにさせるような展開を作れたらいい。アメリカの攻撃はとても速く、いい状態を作られると相手のミドルブロッカーに(クイックで)切られる場面が多かったので、それをなくすためにもサーブがキーになると思う。日本がファイナルラウンドに進むためには(これから)1敗もできないと思うし、1セット落とすことさえも厳しい状況になっていくと思う。今日の試合は今日の試合として切り替え、明日のメンバーはどうなるか分からないが、チーム力で戦っていきたい。(次の試合への課題は)昨日まである程度メンバーを固めて戦ってきたが、控えのメンバーがどれだけいい試合をできるか、いい仕事をできるかで今後も変わっていくと思う。日本は特にチーム力を大事にしなければならないチームだと思うのでそこを頑張りたいと思う。(ネーションズリーグを通じてチームとして向上させていきたいことは)オリンピックに繋げるためにも、日本の武器であるサーブレシーブからの展開を、1本で決めきる徹底や、繋ぎの精度などの数字に表れない部分の丁寧さ、そういったところを突き詰めたい。この大会がオリンピックへの自信に繋がる大会にしなければならないと思う」
6月12日 日本×トルコ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
8敗2敗
3
25
25
17
25
–
トルコ
8勝2敗
1
17
20
25
19
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
第10戦は、予選ラウンド9試合を終えて8勝を挙げている2位のトルコを相手に迎えた。日本はここまで7勝を挙げて5位と、トルコを勝利数では1つ差で追いかけている。
序盤、スタートに起用された島村春世選手やキャプテン・荒木絵里香選手のクイック攻撃やブロックで9-9と両チーム互角の攻防となった。その後フェイントの応酬になるが、お互いにボールを落とさず長いラリーが続いた。しかし、黒後愛選手が強弱をつけたスパイクで連続得点を決めると、石川真佑選手がサービスエースを決め、12-9とリードする。さらに攻守で要の古賀紗理那選手が、バックからもパイプ攻撃を仕掛け連続得点し、16-11で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後も、黒後選手が相手リベロからサービスエースを奪い、18-11とさらにリードを広げた。終盤は荒木選手のクイック攻撃でサイドアウトを淡々と取り、最後は荒木選手がサーブで攻めてダイレクトで返ってきたボールを古賀選手が相手コートに押し込み、25-17で1セット目を先取した。
第2セット
開始直後、石川選手の目の覚めるようなサービスエースで幸先の良いスタートを切った日本。序盤から、黒後選手、石川選手の強烈なスパイクや相手ブロックを巧みに利用したスパイクで5連続得点し11-6とリードした。トルコベンチはたまらずタイムアウトを要求したが、その後もリベロ・小幡真子選手の好レシーブが随所に見られ、繋いだボールを古賀選手のスパイクで得点を挙げるなど、日本らしい粘りのあるバレーで3連続得点。2回目のテクニカルタイムアウト後には荒木選手のサービスエースで17-9とし、日本のペースで試合が流れた。決定率の高い島村選手のセンターからライトへ回り込むブロード攻撃が決まりだし20-13とリードをキープ。終盤、日本の攻撃がトルコの高いブロックに阻まれる場面もあったが、最後は1セット目に続き古賀選手のスパイクが決まり、25-20でセットを連取した。
第3セット
後がないトルコは、センターからのクイック攻撃を軸に反撃を開始した。サイドからの高さのある攻撃に対しても日本の守備陣が対応できず、6-12とリードを奪われた。日本ベンチは石井優希選手をコートに送り込み、その石井選手が相手の虚をつくフェイントを決めたが、11-21と差が縮まらない。さらにセッターの田代佳奈美選手も投入し、なんとか流れを変えようとした日本。黒後選手・古賀選手のスパイク、荒木選手のブロックで反撃するも、17-25で3セット目はトルコに奪われた。
第4セット
高さのあるトルコのクイック攻撃を荒木選手が1枚ブロックで仕留め1点目を挙げると、続いて石川選手がサーブで相手守備陣営を崩し、古賀選手がダイレクトスパイクを決めるなど序盤からリズム良く得点を重ねた。その後も古賀選手の見事なクロススパイク、島村選手の小気味よいクイック攻撃や黒後選手のバックアタックも決まり、8-4でテクニカルタイムアウトを取った。中盤に入り荒木選手がクイック攻撃で相手ブロックを弾き飛ばし、さらにブロックで得点を重ねた。セッターの籾井あき選手も相手エースをブロックでシャットアウト、島村選手とのコンビネーションもうまく組み立て16-12とし、日本ペースでゲームを展開した。古賀選手、黒後選手、石川選手の両サイドからの攻撃でさらに得点し、20-14でトルコベンチは2回目のタイムアウトを要求。しかし、小幡選手がフェイントボールに反応、それを古賀選手がスパイクで決め、さらには好調の島村選手がブロード攻撃を決めるなどして24点目を取った。最後は相手のミスで25-19と第4セットをものにし、セットカウント3-1でトルコに勝利した。
【コメント】
島村春世選手
「今日の1戦は順位的にも近いトルコ相手で、気迫で(向かって)来るだろうというチームのミーティングのもと、私たちも気迫を出してやっていこう、気持ちを出して戦っていこう、というのを1セット目のスタートでしっかり出せたことが今日の勝利に繋がったと思う。トルコの素晴らしいミドルブロッカー陣のスパイクは同じポジションとして尊敬できるところがあるので、(自分も)攻撃を頑張りたいと思った。みんながタフに動けていたところも勝因だった。3セット目は、パスは返っているけどスパイクが決まらないことから、パスも崩れてしまうという悪循環になってしまった。相手のブロックも高いのでそこのドツボにはまっていった。4セット目はもう一回気迫を出し、プレーというよりは気持ちを前面に出していくことで、パスも返るようになり、スパイクも工夫して決めることができた。(次に対戦する)アメリカは全勝で来ており、私たちはチャレンジャーとしての試合運びができると思うので、全勝のアメリカ相手に自分の力がどれだけ通用するのか、自分たちの戦略がどうはまるのかを探しながら、楽しみに戦いたいと思う」
6月8日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
7勝2敗
3
22
22
25
25
16
ポーランド
3勝6敗
2
25
25
22
23
14
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤は両チームともにサーブレシーブからの攻撃を淡々と決めきり、1点取られては1点返すようなサイドアウトの応酬となった。しかし、石川真佑選手のブロックアウトとポーランドのスパイクミスで連続得点し、8-7と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤に入ってからも両チーム1点を争う展開に。日本のキャプテン・荒木絵里香選手が鋭いBクイックを決めるとポーランドもクイック攻撃で切り返す、ポーランドのブロックが決まると、すぐさま古賀紗理那選手がブロックで得点するというような、一進一退の攻防が繰り広げられた。しかしポーランドにブロックを決められ、15-16と2回目のテクニカルタイムアウトはポーランドが取った。その後石川選手のブロックアウトや黒後愛選手のクロスへのスパイクなどで得点を重ねるも、ポーランドも角度のあるクイック攻撃などで応戦。しかし、終盤に連続失点を喫し、日本ベンチはタイムアウトを要求。ここから巻き返しを図りたいところであったが最後はサーブミスで22-25。第1セットを先取された。
第2セット
このセットも序盤から古賀選手がスパイクを決めるとポーランドもブロックアウトで応戦するというような1点を争う展開となった。しかし相手のミスで得点すると、山田二千華選手が相手ミドルブロッカーのクイック攻撃をシャットアウトし、さらに古賀選手のレフトサイドからコート中央へ切り込む攻撃もあり、3連続得点で9-7と日本がリードする。その後も黒後選手のファインレシーブから古賀選手のスパイク、山田選手のサービスエースなどで、12-8とさらにポーランドを突き放した。しかし、ポーランドに3連続ブロックを決められると、スパイクミスもあり15-15の同点まで追いつかれてしまう。なんとか石川選手のスパイクでその流れを切り、16-15で2回目のテクニカルタイムアウトを取った日本は、チャレンジの成功や、荒木選手のサーブで相手守備を崩し黒後選手がクロスへの強烈なスパイクを決めるなどして、20-18で先に20点台に乗った。この勢いのまま行きたい日本であったが、ポーランドのクイック攻撃や中央へのフェイントを拾うことができず、4連続失点を喫し、20-22と土壇場で逆転を許してしまう。その後、黒後選手のスパイクやリリーフサーバーで鍋谷友理枝選手の投入、山田選手のブロックで巻き返しを図るも、最後はライトからバックアタックを決められ25-22と2セットを連取された。
第3セット
後がない日本は荒木選手の気迫のこもったブロックでスタート切ると、黒後選手や古賀選手のスパイクで流れを作り5-2、ポーランドベンチは早くもタイムアウトを要求した。さらに日本はスパイクなどで得点を重ね、8-4と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤も日本のペースで試合は進行。山田選手のBクイックや相手パイプ攻撃を真下に叩き落すブロック、石川選手のブロックアウトや黒後選手の相手コートをよく見たフェイントで16-13と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。終盤、ポーランドはライトからの打点の高いスパイクで詰め寄ろうとするが、古賀選手のクロスへの鋭いスパイクや、ブロックをうまくかわすパイプ攻撃で得点し、24-20と先にセットポイントに到達した。ここから2点を返されるも、最後は石川選手がスパイクを決めきり25-22で1セットを取り返した。
第4セット
このセットも取り試合をフルセットに持ち込みたい日本は、古賀選手のアタックライン付近に打ち込むキレのあるスパイクで1点目を先取すると、石川選手のエンドラインぎりぎりへのスパイクやブロックアウトで得点を重ねた。対するポーランドもブロックやレフトからの角度のあるスパイクで応戦。しかし古賀選手のスパイクが決まり、8-7と1回目のテクニカルタイムアウトを日本が奪った。中盤、一時逆転を許した日本であったが、荒木選手のクイック攻撃などで3連続得点。さらに石川選手のサービスエースもあり、16-14と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。18-18で同点に追いつかれたが、黒後選手のサイドラインへのスパイクやキャプテン・荒木選手のブロード攻撃とブロックで得点し、さらに古賀選手のクロスへのスパイクで24-22とセットポイント。ポーランドに1点を返されるも、相手の強烈なスパイクを小幡真子選手が籾井あき選手にしっかり返球し、最後は古賀選手が打ち切り25-23。セットカウント0-2から2セットを連取し、この試合をファイナルセットへと持ち込んだ。
第5セット
15点で決着がつくファイナルセット、日本は古賀選手のスパイクで1点目を先取するが、ポーランドも両サイドからのスパイクで得点し、お互い一歩も譲らないラリーを展開。しかし、ポーランドのブロックアウトや日本のスパイクミスで4-6とリードを許してしまう。1点を返し、5-6の1点ビハインドの場面、日本はここでリリーフサーバーとして鍋谷選手を投入。その鍋谷選手がチームの期待に応えるサービスエースで6-6の同点、さらに石川選手のブロックで7-6と逆転に成功。しかし、ポーランドの高い打点から繰り出されるスパイクが日本ブロックを次々と弾き飛ばし、10-12と終盤で逆転されてしまう。ここで日本ベンチはタイムアウトを要求。選手・スタッフ全員で鼓舞し合い、コートに戻った日本は黒後選手・古賀選手のスパイクで連続得点し、12-12の同点とした。さらに古賀選手のサーブで相手を崩し、山田選手がネット際で押し込み、14-13とマッチポイントを先に握ったのは日本。この後ポーランドに1点を返されデュースに持ち込まれたが、石川選手のスパイクで得点し、最後はポーランドのスパイクミスで16-14。ファイナルセットを制した日本、セットカウント3-2のフルセットでポーランドに勝利した。
【コメント】
古賀紗理那選手
「今日はフルセットで勝ててほっとした。最後のセットはチームで一丸となって戦おうと最初に話して、それを体現できたことが勝利につながったと思う。最初は(スパイクを)叩き込まれることが多く失点が多かったが、フロントとバックの関係性を見直し、修正できたことが勝利したポイントだと思う。1本目を上げる人、2本目にトスを上げてくれる人のおかげで私たち(スパイカー)が決めることができるので、そういった気持ちも込めて戦っている。勝つことでチームや個人の自信につながると思うので、そこをモチベーションに(練習を)している。(荒木キャプテンについて)常に私たちがしっかりプレーができるように声掛けをしてくれることはもちろん、私たちの声掛けに対しても優しい眼差しで反応してくれるので、本当にすごいキャプテンだと思っている」
6月7日 日本×カナダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
6勝2敗
3
25
25
25
–
–
カナダ
2勝6敗
0
16
15
15
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
石川真佑選手のサービスエースから始まった第1セット、カナダのスパイクミスと黒後愛選手のブロックアウトで0-3とし、日本は序盤からこの試合の主導権を握った。さらに、小幡真子選手がブロックの横から抜けてくるスパイクをセッター・籾井あき選手に絶妙なパスで返球、それを山田二千華選手がクイック攻撃で決めきるという、昨日のオランダ戦で黒後選手が課題に挙げたブロックディフェンスが型にはまり、3-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤も流れを渡さなかった日本は、全員で繋いだボールを石川選手がブロックアウトで決めるなどして11-16で2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後も山田選手のクイック攻撃や黒後選手のサービスエースなどでリズムに乗ると、終盤には山田選手と籾井選手の2連続シャットアウトで23-16。中盤以降カナダに一度も連続得点を許さなかった日本、最後は石川選手が相手レシーバーを弾き飛ばすスパイクを繰り出し、25-16で第1セットを先取した。
第2セット
このセットを取り、試合を振り出しに戻したいカナダは序盤、コートの幅を広く使った攻撃を展開。2-4と、このセットは先行されてしまう。その後もミスが連発するなど、6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。しかし、石川選手のブロックアウトでその流れを切ると、古賀紗理那選手がブロックの間を狙いコースを打ち分け、さらに石川選手がサービスエースを決め、9-8と逆転に成功。ここで弾みをつけた日本は、古賀選手のアタックライン内側へのキレのあるスパイクや好調の山田選手のブロード攻撃、籾井選手のブロックなどで怒涛の6連続得点をたたき出した。一気にたたみかけたい日本は終盤、セッター・関菜々巳選手を投入すると、テンポの良いセットアップから黒後選手、石川選手、今大会初スタメンの芥川愛加選手が次々と決め、相手のミスもありセットポイント。最後は古賀選手が相手の意表を突くフェイントで得点し、5連続得点で25-15。2セットを連取した。
第3セット
2セットを連取しこの試合に王手をかけた日本、このセットも石川選手のサービスエースから幸先の良いスタートを切ると、山田選手のコート奥を狙ったクイック攻撃や籾井選手のブロックなどで得点。黒後選手のクロスへのスパイクも決まり、8-6と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤、スパイクミスや被ブロックで一時同点に追いつかれるも、カナダのスパイクミスや古賀選手のスパイクなどで14-11とし、カナダベンチはたまらずタイムアウトを要求。しかし日本の勢いはさらに増し、黒後選手のスパイクや石川選手のコートコーナーを狙いすましたパイプ攻撃、古賀選手のブロックの間を打ち抜くスパイクで、18-11まで一気に引き離した。終盤も籾井選手のクイック攻撃を積極的に使う強気なトス回しで得点を重ねると、22-15の場面で第2セット同様セッター・関選手を投入。ここから芥川選手のクイック攻撃、黒後選手の相手の意表を突くコート奥へのプッシュ攻撃、古賀選手のパイプ攻撃、そして最後は石川選手のブロックにねじ込むような強烈なスパイクで得点し25-15。全セット相手に20点を取らせず、セットカウント3-0のストレートでカナダに勝利した。
【コメント】
石川真佑選手
「自分たちのミスをもう少し減らすべきであった。自分たちの良いバレーができたところもあったが、ミスをしないことがどの試合でも大事になってくる。ストレートで勝てたことは大きいと思う。(毎日の試合で大変なことは)3日空いてから3連戦はきついが、自分たちで3試合の中で修正していくことが大事になってくると思う。個人的にサーブは良かったが、スパイクを決めきれない場面があったので、(ポーランド戦に向けて)サーブで狙われてもレシーブからスパイクを決めることを意識してやっていきたい」
6月6日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
5勝2敗
0
22
20
23
–
–
オランダ
5勝2敗
3
25
25
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ここまで5勝1敗で4位につけている日本は、前週のロシア戦で勝利した同様のスターティングメンバーでオランダ戦に臨んだ。前半はミスが連続してしまい4-8でリードを奪われた。井上琴絵選手の好レシーブが随所に見られたが、日本のスパイクがオランダの高いブロックにつかまり、リズムをつかめないまま9-16で2回目のテクニカルタイムアウトも取られた。後半、キャプテン・荒木絵里香選手のクイック攻撃とブロック、黒後愛選手のバックライトからの攻撃で反撃したものの、22-25で第1セットを奪われた。
第2セット
序盤は、黒後選手、古賀紗理那選手のスパイクが決まり、4-1と日本のペースで試合が流れた。しかし、サーブで陣営を崩され7-8でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤は好調の黒後選手がライトから強烈なスパイクで相手ミドルブロッカーのブロックを弾き飛ばし、さらに古賀選手がレフトからコースを巧みに打ち分けて14-12と逆転に成功。オランダベンチは、たまらずタイムアウトを要求した。その後オランダの高い打点から繰り出されるフェイントボールを拾いきれず16-19と再びリードを奪われた。しかし、後半に入りセッター・籾井あき選手は、好調の黒後選手にトスを集め、それに黒後選手が気迫のスパイクで応え20-22まで追い上げた。だが、最後はオランダにサービスエースを決められ20-25で2セット連取された。
第3セット
後がない日本は、古賀選手のスパイク、山田二千華選手、荒木選手の連続ブロックで必死に巻き返しを図ったものの、10-16でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤では、途中起用のリベロ・小幡真子選手が相手パイプ攻撃の強打をファインレシーブし、それをうまく繋いで黒後選手がバックライトからコート深くに強打を決めた。日本らしい粘りでラリーをものにした後、依然点差はあるものの連続得点を上げ15-18まで追い上げると、オランダベンチはすかさずタイムアウトを要求。その後、相手のミスや石川選手の高いブロックを利用したブロックアウトで得点を重ねた。そしてキャプテン・荒木選手の執念のブロックで相手エースをシャットアウトし、22-22の同点に追いついた。しかし一歩及ばず、最後は高さのあるクロススパイクを決められ、23-25。第3セットも取られ、セットカウント0-3でオランダに敗れた。
【コメント】
黒後愛選手
「相手が苦し紛れに落としてきたフェイントに対し、しっかり拾って攻撃まで展開できなかった。自分たちのディフェンスの甘さがあった。(次の試合に向けて)もう一度ブロックディフェンスの確認とアタッカーの打ちどころを考えていかないといけない」
6月2日 日本×ロシア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
5勝1敗
3
25
25
25
–
–
ロシア
3勝3敗
0
20
21
21
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日地元イタリアにフルセットの末勝利し、昨日終了時点で4勝1敗(勝点11)、4位に位置していた。対戦相手のロシアは昨日時点で8位(勝点8)だったが、今大会出場チームの中で平均身長が最も高い。中田久美監督は、2019年女子U20(ジュニア)世界選手権大会初優勝主軸メンバーで今大会初出場のミドルブロッカー・山田二千華選手、リベロには井上琴絵選手をスターティングメンバーに起用した。最初から長いラリーが続いたが、セッター・籾井あき選手はライトの黒後愛選手にトスを集めテンポ良く得点を重ね、6-2とリードした。中盤は古賀紗理那選手と石川真佑選手の両レフトがそれぞれ相手の高いブロックを巧みに利用し、コースを丁寧に打ち分け、安定的に得点を重ねた。終盤は石川選手にトスを集め強烈なクロススパイクで23-19とし、その後キャプテン・荒木絵里香選手が相手エースをブロックでし止め、25点目は副キャプテン・古賀選手の狙いをすましたスパイクがエンドラインぎりぎりに決まり1セット目を先取した。
第2セット
スタートからレフトの古賀選手、石川選手が好調で、山田選手のブロックも決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。相手のサーブで攻められ8-9と逆転されたが、荒木選手のクイック攻撃、サービスエースなどで12-10と再びリードを奪った。中盤は日本のミスもあり、14-15で日本のベンチはタイムアウトを要求。タイムアウト明けは、古賀選手がコート深くを狙ったクロススパイクを決め、レシーブで粘るロシアからのチャンスボールを山田選手がクイック攻撃でものにし、16-15、2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後、ロシアのサーブミスにも救われ21-19。ネット際で荒木選手が相手オポジットエースのナタリア・ゴンチャロワ選手(194cm)とのボールの押し合いに競り勝ちブロックポイントを上げ、さらには古賀選手が巧みなブロックアウトで立て続けに長いラリーを制した。最後は相手のサーブミスで25-21、2セットを連取した。
第3セット
3セット目はいきなり石川選手のサーブがさく裂。好調の古賀選手がサイドからのスパイクを確実に決め、8-5と日本のペースで試合が進んだ。中盤は黒後選手のライトからのスパイクや要所での山田選手のテンポ良いクイック攻撃が決まった。途中出場の林琴奈選手が相手フェイントを粘り強く拾うと、田代佳奈美選手がアンダーハンドで絶妙なトスを繋ぎ、そのボールを石川選手が相手コートに叩き込み15-13。古賀選手のサービスエースもあり、16-13とリードを保ったまま試合は後半へ突入した。終盤、籾井選手は石川選手にボールを集めつつ要所ではミドルブロッカー・荒木選手、山田選手のクイック攻撃を織り交ぜ22-19とした。相手ミスでマッチポイトを迎えた日本、最後は今日の試合で20得点をマークした石川選手のスパイクが決まり、25-21。セットカウント3-0のストレートで勝利を収めた。
【コメント】
荒木絵里香選手
「一昨日のブラジル戦ですごく悔しい負け方をしたが、チームとしてやることをもう一回整理してこの2戦を戦い抜けたことは次に繋がるゲームになったと思う。今日はアウトサイドヒッター陣の決定力が素晴らしかった。ブロックフォローなどの細かい繋ぎもうまくできたと思う。(今日大活躍の古賀選手について)チームの軸として攻守で安定していて本当に素晴らしかったと思う。若い選手が勢いをもたらしてくれ、チームが活性化していると思うので、さらに良くしていきたい。(次の試合に向けて)最善の準備を尽くしていくことが大事だと思うので、休養も取りつつ、対策も含めて良い準備をしていきたい」
6月1日 日本×イタリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
4勝1敗
3
27
25
16
21
15
イタリア
5敗
2
25
19
25
25
13
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本はタイ戦、中国戦と同じメンバーでスタートした。序盤、高い打点から長いコースへと放たれるイタリアの強打に苦しみ4-8と追う展開となった。キャプテン・荒木絵里香選手のブロックや古賀紗理那選手のスパイクなどで徐々に点差を詰め、13-15からは石川真佑選手がブロック、スパイクで得点し同点に追いついた。終盤には古賀選手の強打やサービスエースで24-22と点差を開き、デュースに持ち込まれたが最後は荒木選手がブロックを決めて27-25とセットを先取した。
第2セット
荒木選手のクイック攻撃、古賀選手のスパイクが決まって立ち上がりからリードを奪う。しかし、イタリアも連続ブロックやサービスエースで得点し、なかなか突き放すことができない。ネットインのサービスエースを決められて14-15と逆転を許したが、長いラリーを古賀選手のフェイントでものにし、すぐさま再逆転。その後は小幡真子選手や石川選手、荒木選手らの活躍で着実に得点を重ね、25-19でセット連取に成功した。
第3セット
第2セット途中からコートに入った奥村麻依選手がそのまま出場。古賀選手が攻守に奮闘するが、相手サーブに攻め込まれてミスが出てしまい、5-8、6-13とリズムをつかめない。田代佳奈美選手や石井優希選手、林琴奈選手を投入して挽回を図るが、イタリアの効果的な選手交代とサーブを前に16-25でこのセットを落とした。
第4セット
第3セットのスターティングメンバーに戻して臨んだ序盤は、荒木選手が連続サービスエースを決めたものの一進一退。18-18からは相手のアウトサイドヒッター、特にレフトからの強打を防ぎきれず得点を重ねられ、黒後愛選手のポイントも及ばず21-25。勝負はファイナルセットへ。
第5セット
最終セットもお互いに好プレーの連続で一歩も譲らず、10-10まで均衡が保たれた。しかしここから古賀選手が強打を決めると、次のラリーでは相手オポジットを2枚ブロックでしとめて12-10と2点差をつけた。このリードを守った日本が15-13でイタリアに勝利し、4勝目を手にした。
【コメント】
古賀紗理那選手
「3、4セット目でミスが目立ったことがフルセットの原因だと思う。チームとしてもう一回修正していきたい。(イタリアは)パワーが私たちとは全然違う印象で、ファイナルセットまでいってしまったが、今日は絶対に勝つんだ、という気持ちで戦っていた。特に昨日、ブラジルに0-3で負けてしまっていたので、チームとして修正して戦っていこうと今日のミーティングで話していた。その意味でも絶対に落とせない試合だった」
5月31日 日本×ブラジル 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝1敗
0
15
19
21
–
–
ブラジル
3勝1敗
3
25
25
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤、日本は古賀紗理那選手、石川真佑選手のスパイクで着実に得点を重ねたが、高さで勝るブラジルのコーナーを狙うスパイクやブロックに苦しめられ、5-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。テクニカルタイムアウト後もブラジルの強烈なバックアタックなどでさらに点差を広げられてしまう。13-19の場面、流れを変えたい日本は、2枚替えで関菜々巳選手と林琴奈選手を投入。その関選手の丁寧なセットから古賀選手の鋭いスパイクや、2枚替えでコートに戻った黒後愛選手のブロックにねじ込むようなスパイクが決まり、ここから反撃といきたいところだったが、20点以降に連続得点を決められ、最後はサービスエースで15-25と第1セットを奪われた。
第2セット
奥村麻依選手のクイック攻撃と古賀選手の苦しい体勢から気迫のこもったスパイクで2点を先取した。しかし、ブラジルの好レシーブやブロックの上から繰り出されるスパイクなどで4-8と、このセットもブラジルに1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。その後も高さとパワーを生かしたブラジルのバレーに苦しめられ、じりじりと点差をつけられた。しかし、中盤に黒後選手の好レシーブから古賀選手のスパイク、籾井あき選手の十分でない体勢から丁寧に上げたアンダートスを石川選手が決めきるなどして得点を重ね、さらに島村春世選手のサービスエースで15-18と3点差まで追い上げた。この流れのまま点差を縮めたい日本は、ブラジルが先に20点台に乗った後もこのセットから出場したリベロ・小幡真子選手が体を張ったレシーブで食らいつき、奥村選手のブロック、石川選手のサービスエースで追い上げを図った。しかし最後はブラジルにスパイクを決められ、19-25で第2セットも落とした。
第3セット
なんとしてでもこのセットを取りたい日本は序盤、奥村選手のブロックや島村選手のブロード攻撃など、両ミドルブロッカーの得点により流れを作り、石川選手、黒後選手の相手ブロックを巧く使ったスパイクなどで4連続得点し8-5とこの試合初めてテクニカルタイムアウトを取った。その後、ブラジルに3連続得点を許すも、古賀選手のパイプ攻撃でその流れを切り、さらに島村選手のコミットブロックもあり13-13と、中盤まではシーソーゲームとなった。しかし、ブラジルの強打を拾い上げる粘りと角度あるスパイクなどで4連続失点を喫し、14-17と離されてしまった。終盤日本は17-21でタイムアウトを要求、黒後選手と古賀選手のスパイクによる得点から立て直しを図りたいところだったが、最後はストレートに強烈なスパイクを決められ、21-25。セットカウント0-3でブラジルに敗れた。
【コメント】
籾井あき選手
「戦う以前に自分たちの勝つという気持ちをあまり出せていなかった。押されている感じだったのがまずは敗因だったと思う。サーブレシーブからのコンビネーションの精度に関して、パスが返っても決まらないことが多かったので、サーブレシーブ・アタックでサイドアウトを1回で切ることが大切だったと思う。(イタリアに勝つための改善点は)相手以前にまずは自分たちの精度を上げていけるようにしていきたい。私の場合はコンビネーションの精度、サーブも今日はミスが多かったので改善していきたい」
5月27日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝
3
25
25
27
–
–
韓国
1勝2敗
0
18
18
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ネーションズリーグ第3戦となる韓国戦で中田久美監督はミドルブロッカーに今大会初出場の奥村麻依選手をスターティングメンバーに起用した。序盤その奥村選手のブロックポイントとサービスエースなどで5-2と幸先の良いスタートを切った。8-3で先にテクニカルタイムアウトを取った日本は、その後韓国に3連続得点を許すも、石川真佑選手・古賀紗理那選手・黒後愛選手のアウトサイドヒッター陣が奮闘し、相手に流れを渡さないまま試合は進んだ。さらに奥村選手のブロード攻撃などで20-16とし、韓国はたまらずタイムアウトを要求した。この後も相手に一切の隙を見せなかった日本、最後は古賀選手の強烈なスパイクで25-18と第1セットを先取した。
第2セット
このセットも序盤は奥村選手のサービスエースから流れを掴んだ日本は、古賀選手のブロックや石川選手のスパイクなどで8-4とし、先にテクニカルタイムアウトを取った。中盤、小幡真子選手のスパイカーを救うブロックフォローや石川選手と古賀選手の威力あるスパイクで得点を量産し、16-9とさらに突き放した。19-12でセッターの田代選手を投入した日本は、島村春世選手のクイック攻撃やクイック攻撃を囮に使う時間差攻撃などの多彩なコンビネーションで相手ブロッカーを翻弄し、このセットに拍車をかけた。最後は相手のサーブミスで25-18と2セットを連取し、この試合に王手をかけた。
第3セット
3セット目、後がなくなった韓国は日本でもプレー経験のあるエースのキム・ヨンギョン選手にボールを集め、2-8と日本は序盤から苦しい展開となった。しかし、2度の長いラリーを石川選手のブロックポイントと鋭いスパイクで制すと、黒後選手のスパイクや奥村選手のブロックポイントで怒涛の5連続ポイントをたたき出し、12-13まで詰め寄った。しばらく韓国リードで試合は進んだが、籾井選手のサービスエースで23-22とついに逆転に成功。しかし、相手も一歩も引かず先にセットポイントを握ったのは韓国。ここでチームを救ったのは奥村選手気迫のブロックであった。24-24と試合をデュースに持ち込み、最後は古賀選手の3連続得点で27-25。3セット目も取った日本が韓国相手にセットカウント3-0で勝利を収めた。
【コメ
【コメント】
中田久美監督
「ここまで2連勝していて、対韓国戦ということで、チームとして大事な試合になると思っていた。ストレートで勝てて良かった。(石川選手と黒後選手について)今日は韓国の弱点を石川はうまくついていけたと感じる。まだ取りこぼしやミスも多かったが、黒後も冷静に判断していた」
石川真佑選手
「自分たちのバレーをしようと(試合に)入り、1セット目・2セット目はいい流れがあった。3セット目の出だしはいい流れを作れなかったと思う。(開幕3連勝について)いい入りができたので、このままのいい流れを次の3試合に続けていきたい」
5月26日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2勝
3
25
25
25
–
–
中国
1勝1敗
0
13
19
17
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日タイに快勝した同じメンバーでスタートした。序盤は石川真佑選手のスパイクが良く決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は若い中国選手のミスが目立ち16-13とリードを広げた。その後は、ネット際の巧みなプッシュ攻撃や好調な石川選手の強烈なサイドからのスパイク、古賀紗理那選手のパイプ攻撃も加わり中国を圧倒した。終盤は怒涛の10連続得点をたたき出し、最後はキャプテン荒木絵里香選手のブロックが決まり、25-13で第1セットを奪った。
第2セット
前半は、日本のテンポの良い攻撃でリズム良く得点を重ねた。古賀選手、石川選手のレフトサイドからの角度あるスパイクが決まり、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトを取った。終盤は古賀選手の軟打や黒後愛選手のライトからの攻撃が良く決まった。また、石川選手の強烈なストレートスパイクなどで得点を重ね、最後は黒後選手のスパイクで相手ブロックを弾き飛ばし、25-19で2セットを連取した。
第3セット
第3セットに入っても日本の攻撃は緩まず、荒木選手、黒後選手のサーブで相手守備を翻弄した。島村春世選手のブロード攻撃の決定率が高く、10-3と先行する。中盤サイドアウトの応酬となったが、籾井あき選手のコートの幅をフルに使ったトスワークにより、黒後選手のバックライトからの攻撃を引き出し、それぞれのアタッカーがより一層小気味良い攻撃を繰り広げた。20-12とさらにリードを広げ、終盤はリベロ小幡真子選手とセッター籾井選手の好レシーブや、長いラリーに終止符を打つ黒後選手のスパイクで24点目をもぎ取った。最後は今日の試合で高得点をマークした石川選手のジャンプサーブが決まり、25-17で中国代表に勝利した。
【コメント】
黒後愛選手
「(中国戦に向けた)対策というよりは、セッターの籾井とのコンビネーションを、籾井自身が気にしてくれていたので、自分ももっとやらないといけないと思った」
5月25日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1勝
3
25
25
25
–
–
タイ
1敗
0
15
17
16
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
2019年9月のワールドカップ以降、約1年8か月ぶりの国際大会で、中田久美監督は日本代表初選出のセッター・籾井あき選手をスターティングメンバーとして起用した。前半は島村春世選手の小気味良いクイック攻撃やアウトサイドヒッターの古賀紗理那選手、石川真佑選手の安定したスパイクで終始リードを奪った。最後は黒後愛選手が2連続スパイクを決めて、25-15で第1セットを奪った。
第2セット
前半はお互いにクイック攻撃の応酬でサイドアウトの奪い合いとなったが、日本はキャプテンの荒木絵里香選手のクイック攻撃と、要所での石川選手のスパイクなどで16-10として、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は古賀選手のサービスエースなどで19-10と大きくリード。終盤にタイのチャレンジが成功し2得点されるも、最後は荒木選手のクイック攻撃とサービスエースにより、25-17で2セットを連取した。
第3セット
序盤、この試合で決定率の高い島村選手のクイック攻撃を軸に得点を重ねた。長いラリーを古賀選手の豪快なパイプ攻撃で制し、さらには籾井選手のブロックポイントで10-5とリードした。中盤、相手ブロックに阻まれ連続失点を喫すると、10-9と迫られる。14-13になったところで、日本ベンチは田代佳奈美選手と林琴奈選手を2枚替えで投入。その林選手のスパイクや石川選手の強烈なクロススパイクが連続で決まり、20-15と再びリードを広げた。終盤には、荒木選手がダイレクトスパイクとブロックを決めると、最後は黒後選手が相手エースをシャットアウトして、25-16で大事な初戦を制した。
【コメント】
荒木絵里香選手
「久々の公式戦で(試合が)できることを幸せに感じるし、いいスタートを切れてよかった。この大会とオリンピックに向けて長い合宿をしてきたので、しっかりとその成果を出せた」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 12勝3敗 |
3 | 25 | 25 | 25 | – | – |
セルビア 4勝11敗 |
0 | 12 | 22 | 15 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
昨日の試合でファイナルラウンドへの出場権を獲得した日本、これまでの試合とはスターティングメンバーを大きく代えて予選ラウンド最終セルビア戦に臨んだ。主にサイド攻撃を展開するセルビアに対し、ブロックでしっかりとプレッシャーをかけ、スパイクミスを誘った日本。さらに奥村麻依選手のサービスエースや鍋谷友理枝選手のスパイクなどで8-1と一気にこのセットの主導権を握った。その後も芥川愛加選手のブロード攻撃や石井優希選手の相手コートの穴を突くフェイントなどで5連続得点し、14-3と相手に一切の隙を与えない。鍋谷選手のブロックアウトで16-5、2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた後も、ミスの少ない緻密なバレーで得点を重ねた。関菜々巳選手の絶妙なトスから芥川選手のBクイック、鍋谷選手のサービスエースで20-8と20点台に乗り、最後は関選手のサービスエースで25-12。日本が第1セットを先取した。
第2セット
このセットも序盤から主導権を握った日本、鍋谷選手のサービスエースや林琴奈選手のダイレクトスパイクなどで5連続得点し、7-2と大きくリードした。8-3で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた後、セルビアのスパイカー陣が徐々に調子を上げ得点したが、日本も石井選手の針の穴を通すようなストレートスパイクなどで対抗し、サイドアウトの応酬となった。鍋谷選手のブロック得点やセルビアの連続ミスで16-9と2回目のテクニカルタイムアウトも奪った日本は、さらに林選手の鋭いスパイクや石井選手のブロックアウトなどで18-13と依然リードを保った。相手のミスで20点目を取り、その後も奥村選手の自らサーブレシーブをして展開したクイック攻撃やサービスエースなどで3連続得点し23-16。終盤、日本のミスやセルビアのサービスエースで24-22まで詰め寄られるも、タイムアウトを要求し流れを切った日本。最後は林選手がブロックアウトで決め25-22。日本がセットを連取し、この試合に王手をかけた。
第3セット
第1・第2セットの流れのままこの試合をものにしたい日本、立ち上がりは両ミドルブロッカーが奮闘し、芥川選手のサービスエースや、奥村選手のキルブロックなどで得点、7-1と一気にリードを広げた。その後も、関選手の相手ブロッカーに的を絞らせない巧みなトス回し、林選手のサービスエースや石井選手の1枚ブロックでのシャットアウトなどで7-2から怒涛の7連続得点を挙げ14-2とさらに突き放した。芥川選手のブロード攻撃で16-4と2回目のテクニカルタイムアウトを迎え、その後セルビアに連続失点を喫したが、石井選手の相手の意表を突くフェイントで1点を返し、相手のスパイクミスで19-8。終盤もミスを出すことなく、鍋谷選手のスパイクや林選手のブロックアウトなどで得点を重ね、最後は石井選手がスパイクを相手ブロックにねじ込み25-15。セットカウント3-0でセルビアを破った日本は、ファイナルラウンドへの弾みとなる勝利を手にした。
【コメント】
石井優希選手
「今日は、今までなかなか出番がなかったメンバーで初めて作ったチームだったが、このようなゲームで終えられて良かった。試合内容としては、日本のサーブが序盤から走って、相手にコンビネーションを作らせなかったことが大きな勝因だったと思う。ファイナルラウンドはトーナメント戦で、これからの3日間の過ごし方がとても大事だと思う。コンディションを整える選手は整えて、練習でも今日も含めたコンビネーションの精度やサーブレシーブの連携、一つ一つの質などの細かいところを調整して初戦に臨みたいと思う」
予選ラウンド最終結果
1位: アメリカ 14勝1敗 ※ファイナルラウンド進出
2位: ブラジル 13勝2敗 ※ファイナルラウンド進出
3位: 日本 12勝3敗 ※ファイナルラウンド進出
4位: トルコ 11勝4敗 ※ファイナルラウンド進出
5位: 中国 10勝5敗
6位: ドミニカ共和国 9勝6敗(勝点29)
7位: オランダ 9勝6敗(勝点25)
8位: ロシア 8勝7敗(勝点24)
9位: ベルギー 8勝7敗(勝点19)
10位: ドイツ 5勝10敗(勝点16)
11位: ポーランド 5勝10敗(勝点15)
12位: イタリア 4勝11敗(勝点16)
13位: セルビア 4勝11敗(勝点14)
14位: カナダ 3勝12敗(勝点11)
15位: 韓国 3勝12敗(勝点10)
16位: タイ 2勝13敗
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 11勝3敗 |
3 | 25 | 19 | 26 | 25 | – |
ドイツ 5勝9敗 |
1 | 23 | 25 | 24 | 15 | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
この試合に勝利すればファイナルラウンド進出が決まる日本は立ち上がりから、古賀紗理那選手・黒後愛選手のスパイクでラリーを制すると、島村春世選手のブロード攻撃や古賀選手のサービスエースで8-5と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。しかし、ドイツの鋭いサーブでレシーブを乱され、ブロックで連続得点されるなどして5連続失点を喫し、9-10と逆転を許してしまう。しかし中盤に入ってからは、石川真佑選手と古賀選手の両レフトに籾井あき選手がトスを集め得点し、16-13と日本が3点リードした状態で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、両チーム攻守ともに譲らず、一進一退の攻防が続いたが、山田二千華選手の相手コートに叩きつけるBクイックで得点すると、21-20でリリーフサーバーとして林琴奈選手を投入。ここから古賀選手の相手の意表を突くフェイントなどで連続得点し、23-20とドイツを突き放した。その後ドイツに連続失点を喫するも、最後は古賀選手のブロックで25-23と第1セットを先取した。
第2セット
序盤はお互いにサイドアウトを取り合ったが、島村選手のブロード攻撃と石川選手のブロックアウトで連続得点した日本の勢いに、危機を察知したドイツは4-3で早くもタイムアウトを要求。日本の流れを切ってきたドイツに、スパイクやブロックを決められ6-8とリードを奪われた。しかし、ドイツにサーブミスが出ると島村選手の切れ味鋭いブロード攻撃や古賀選手のサービスエースなどで4連続得点し14-13と逆転に成功。石川選手の相手のブロード攻撃をシャットアウトするブロックやコートの中に切り込むスパイクなどで得点する日本に対し、ドイツもブロックやパイプ攻撃で対抗し、サイドアウトの応酬となった。しかし17-19の場面でドイツがチャレンジを要求して成功、17-20と3点ビハインドになった。このチャレンジ成功から流れを掴んだドイツに、サーブで攻められ連続失点を喫した。日本は黒後選手のブロックなどで応戦するも最後はスパイクミスで19-25。第2セットはドイツに取り返された。
第3セット
セットカウント1-1で迎える第3セット、序盤セッターの籾井選手は島村選手と山田選手の両ミドルブロッカーにトスを集め、ブロード攻撃やBクイックで得点を重ねた。しかし、ドイツに連続ブロックが出ると、さらにサービスエースも決められ6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後サイドアウトの応酬となったが、中盤ドイツのタッチネットと石川選手のスパイクで得点し12-12と同点に追いついた。しかし、ドイツにブロックやサービスエースが出ると3連続失点を喫し、16-19と離されてしまう。そのタイミングで日本はタイムアウトを要求し立て直しを図った。18-20の場面で林選手をリリーフサーバーで投入、島村選手のブロード攻撃などで第1セット同様連続得点し、20-20の同点とした。さらに21-21の場面でセッターの田代佳奈美選手を投入しここでも連続得点を奪った。黒後選手のスパイクでセットポイントを獲得し、その後ドイツにサービスエースなどを決められデュースに持ち込まれたが、最後は山田選手のサービスエースで26-24。第3セットを取り返し、この試合に王手をかけた。
第4セット
立ち上がりから古賀選手のサーブが走り、加えて島村選手のブロード攻撃、石川選手のスパイクで主導権を握った日本は、8-4とリードした状態で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。さらに島村選手のサービスエースや、籾井選手のサーブから山田選手がダイレクトスパイクを決めるなど、気迫のこもったサーブでドイツの守備を圧倒し、12-5とリードを大きく広げた。その後もドイツにミスが続き、日本の流れで試合は進行した。籾井選手の体を張ったレシーブや黒後選手のスパイクで16-10と2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた後も、黒後選手の強烈なバックアタックや島村選手のブロード攻撃でさらに得点を重ね19-11とした。21-13でセッターを田代選手に代えると、石川選手のブロックの間を射抜くスパイクなどで得点を重ね、24-15とマッチポイントを迎えた。最後はドイツのミスで25-15、第4セットを終始リードする展開を作った日本が、セットカウント3-1でドイツに勝利した。
この勝利をもって、ネーションズリーグ予選ラウンドでの日本の4位以上が確定し、ファイナルラウンドへの進出が決定した。
【コメント】
島村春世選手
「チームの出来は全体として50点くらい。自分たちの小さなミスや数字に表れないミスがとても多くて、相手のミスに助けられていたというような試合展開だった。ファイナルを決めるためにまずこの一戦を戦わないとファイナル進出がまだなかったし、(予選ラウンド)3位か4位のどちらになるかで1位のアメリカと戦うかどうか決まるので、この一戦は3-0もしくは3-1の(勝点)3ポイントで勝ちたいという気持ちだった。明日のセルビア戦はファイナルに向けての一戦だと思っているので、ファイナルに向けて良い入りができるように、3-0で3ポイント獲得して試合に勝つというのが目標。そのためには、こちらがサーブで攻めて相手を崩し、セルビアはミドルブロッカーが強く調子に乗せてしまうと良いゲームをされてしまう印象があるので、そのミドルブロッカーを使わせないようにしてサイドで勝負できるように戦いたいと思う」
6月18日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
10勝3敗
3
18
24
25
25
15
ドミニカ共和国
7勝6敗
2
25
26
22
15
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ファイナルラウンド進出に向けて大きな一戦となるドミニカ共和国戦、立ち上がり荒木絵里香選手のサーブでドミニカ共和国の守備を崩し、古賀紗理那選手のスパイクで得点。その後も籾井あき選手のワンハンドトスから島村春世選手がクイック攻撃、黒後愛選手がサービスエースを決めるなどでさらに4連続得点を挙げ、8-4で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。しかし、高さとパワーのあるドミニカ共和国のサイドからの攻撃に対応できず、7連続失点を喫し、一気に9-11と逆転を許してしまう。その後、ドミニカ共和国がリードしたまま試合が進行したが、小幡真子選手がコートのはるか外まで走りボールを繋ぎ、それを黒後選手がストレートへ渾身スパイクを決め得点。さらに島村選手の相手レフトをシャットアウトするキルブロックで16-16と同点に追いついた。しかし、終盤にドミニカ共和国の強烈なスパイクとブロックで5連続得点を決められ、最後は日本のスパイクミスで18-25と第1セットを先取された。
第2セット
序盤、セッターの籾井選手はチームの要である古賀選手にボールを集め得点を重ねるが、ドミニカ共和国も攻撃の手を緩めず両チーム譲らないシーソーゲームとなった。7-8でテクニカルタイムアウトを迎えた後も均衡した状態が続いた。日本はリリーフサーバーで林琴奈選手を投入、その林選手がサーブ後にワンハンドでレシーブを上げ、そのラリーを石川真佑選手のブロックでものにするなどドミニカ共和国に流れを渡さなかった。中盤以降、セッターの籾井選手は荒木選手・島村選手の両ミドルブロッカーにトスを集め、相手ブロッカーに的を絞らせないトス回しで得点を重ねた。15-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎え、その後も島村選手のブロード攻撃やブロックで得点し19-18と逆転に成功。終盤は、石川選手がスパイクで奮闘し、ドミニカ共和国のパワースパイクに応戦した。相手にセットポイントを奪われた後も籾井選手は荒木選手のクイック攻撃を使うなど強気なトス回しを魅せ、試合をデュースに持ち込んだが、最後は第1セット同様日本のスパイクミスで24-26。接戦をものにできずセットを連取された。
第3セット
後がない日本であったが、スタートからドミニカ共和国にクイック攻撃やブロックの上からスパイクを決められ0-3とリードを許した。その後、荒木選手のサービスエースや島村選手のブロックで同点に追いつくも、ラリー中は防戦一方となり主導権を握れない。黒後選手のクロスへのバックアタックなどで応戦するが、6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎え、ドミニカ共和国リードのまま中盤に突入した。しかしその後、荒木選手のダイレクトスパイクやクイック攻撃で得点すると、黒後選手のバックアタックが決まり、13-12と逆転に成功。ドミニカ共和国も持ち味のパワーのあるスパイクで得点するが、2回目のテクニカルタイムアウトは16-15と日本がリードし迎えた。その後も石川選手の強烈なスパイクが決まり、19-17とした時点でドミニカ共和国はタイムアウトを要求。20-20で一時同点に追いつかれるも、日本もタイムアウトを要求し、立て直しに成功。最後は古賀選手の鋭いスパイクが決まり、25-22で第3セットを取り返した。
第4セット
第3セットを取り勢いに乗った日本は序盤、島村選手のブロード攻撃で得点すると、井上琴絵選手の好レシーブから石川選手のスパイク、古賀選手のサービスエースなどで怒涛の7連続得点、10-3とこのセットの主導権を握った。その後も黒後選手のバックアタックや荒木選手のクイック攻撃、ドミニカ共和国のミスで14-4と依然リードをキープ。一時ドミニカ共和国に3連続失点し、日本がタイムアウトを要求する場面があったが、その後はリズムを取り戻し、黒後選手のブロックアウトで16-8、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。終盤に入ってからも古賀選手のレフトからの速い攻撃や連続ブロック得点で22-10とさらに点差を広げた。古賀選手のスパイクでセットポイントを獲得し、その後ミスやドミニカ共和国の強烈なスパイクで連続失点を喫するも、最後は黒後選手がスパイクをきっちり決め25-15。セットカウント0-2から巻き返し、この試合をファイナルセットへと持ち込んだ。
第5セット
この試合の勝負が決まるファイナルセット、序盤は古賀選手・黒後選手のスパイクで得点を重ねる日本に対し、ドミニカ共和国も両サイドからの攻撃で対抗し、一進一退の攻防が繰り広げられた。しかし、ドミニカ共和国のパワーのあるスパイクに苦戦し、さらにコンビミスが出てしまい、5-7とリードを許した。1点を返し6-7の場面で、日本はリリーフサーバーとして林選手を投入。その林選手がチームの期待に応えるサービスエースで得点すると、石川選手のスパイクが立て続けに決まり、9-7と4連続得点で逆転に成功。その後もセッターの田代佳奈美選手、リリーフサーバーで鍋谷友理枝選手を投入し、さらにリズム良く得点を重ねた。黒後選手の連続スパイク、ドミニカ共和国のミスでマッチポイントを握ると、最後は島村選手のブロード攻撃が決まり15-11。第5セットを総力戦で制した日本が、セットカウント3-2でドミニカ共和国に勝利した。
【コメント】
籾井あき選手
「(1・2セット目はスパイカーが)2枚の時にブレイクされることが多かった。パイプと前衛のコンビネーションが1・2セット目はできず、前衛のスパイカーに負荷がかかっていた。3セット目からはライト側のバックアタックやパイプを混ぜていくように変えた。(5セット目は)リリーフサーバーで入った林選手のサーブポイントや、黒後選手のスパイクが上がってきていたので、そこが大きかったと思う。15点という点数で限られていて、出だしから得点を重ねなければならなかったので、調子の良い選手に(トスを)上げた。限られた選手だけだと相手も対応してくるので、両サイドということを意識して(トスを)上げた。反省としては真ん中の選手(ミドルブロッカー)をうまく生かせていなかったので、次の試合からは生かして、全員が生きるようなバレーをしていきたいと思う。今日戦ったドミニカ共和国とはオリンピックでも戦うことになっているので勝利は大きかったが、してはいけないミスがまだあり、相手のミスに救われることもあった。ただ、勝てて良かった」
6月14日 日本×ベルギー 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
9勝3敗
3
23
25
25
25
–
ベルギー
5勝7敗
1
25
22
21
21
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
予選ラウンド11戦を終えて5位の日本は、同9位ベルギーとの対戦を迎えた。
序盤はお互いにサイドアウトを取り合う展開となったが、要所で古賀紗理那選手のパイプ攻撃や石川真佑選手の安定したスパイクが決まり、8-6と日本がリード。ところが相手エースに連続で得点を挙げられ、8-10と逆転を喫した。そのタイミングで中田久美監督は1回目のタイムアウトを要求。その後、古賀選手のレフトから狙いをすましたストレートスパイクなどで反撃するも、15-19とベルギーに先行された。しかし、全員でボールを落とさない粘り強いレシーブから黒後愛選手がライトからスパイクを決め、石川選手のサービスエースなども決まり、20-19と逆転に成功。この勢いのままこのセットを取りたい日本であったが、終盤の大事な場面でサービスエースを3連続で取られ、23-25。第1セットを先取された。
第2セット
このセットを取り、試合を振り出しに戻したい日本は序盤、古賀選手のスパイクなどで得点し、4-2とリードする。日本の良いムードに危機感を感じたベルギーベンチは、すぐにタイムアウトを要求。その後も相手リベロのセットミスや、石川選手のスパイクで8-5とリードしたまま1回目のテクニカルタイムアウトを取った。その後も古賀選手、石川選手の両レフトスパイカーで得点を重ね、16-13で折り返しを迎えた。途中、相手セッターが足首を捻り交代する場面があったが、代わってコートに入ったセッターとライトのコンビ攻撃を阻止することができず、16-16の同点に。中盤はシーソーゲームの展開となり、日本は本日スターティングメンバーに起用された山田二千華選手のライトへのブロード攻撃などで応戦した。終盤、籾井あき選手のサーブで相手布陣を崩し、チャンスボールから黒後選手がスパイクを決めるなどで得点。最後はキャプテン・荒木絵里香選手がセッター・籾井選手との見事なコンビネーションでクイック攻撃を決め、25-22。セットを奪い返し、セットカウントを1-1のイーブンにした。
第3セット
スタートから荒木選手が相手リベロの前を狙ったサーブで攻め、古賀選手が相手エースの強烈なスパイクを自ら拾い、スパイクを決めるなどして得点を重ねた。ネット際のボールをうまく籾井選手が処理し、さらに石川選手がレフトからストレートに強烈なスパイクを決め、8-8と同点に。その後は、ストレート・クロス・ブロックを利用したスパイクを放つ古賀選手と、高さのあるベルギーのエース・ヘルボッツ選手(背番号3番)による得点の奪い合いとなった。中盤、山田選手のブロード攻撃などで得点を重ねるも、ベルギーもレフトからのブロックアウトなどで得点し16-16と再び同点。しかし、荒木選手のクイック攻撃と相手エースをシャットアウトするブロックで連続得点し、19-17とリードを奪った。ベルギーベンチはたまらずタイムアウトを要求したが、その後も黒後選手がライトからスパイクを決め、最後はベルギーのサーブミスで25-21。第3セットを取り、この試合に王手をかけた。
第4セット
開始直後、荒木選手が相手エースをブロックし、幸先よく第4セットに突入した。黒後選手が相手ブロックを利用したスパイクで得点、また山田選手がブロックで相手攻撃を緩め、チャンスボールからブロード攻撃を仕掛けるなど、速い攻撃でリズム良く連続得点し、8-5と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。途中ブロックの際、籾井選手が指を痛め、セッターを田代佳奈美選手と交代するも、相手にミスが続き12-8と依然としてリードを維持。また、交代で入った田代選手がワンハンドトスで絶妙なハンドリングを魅せ、レフトからやや中央に切り込んだ古賀選手の鮮やかなスパイクでさらに日本を勢いづけた。さらに古賀選手が相手布陣をよく見たフェイントも織り交ぜ、16-13と2回目のテクニカルタイムアウトもリードしたまま迎えた。しかし、相手エース・ヘルボッツ選手のパイプ攻撃に連続失点を喫し17-17の同点にされ、日本ベンチはタイムアウトを要求。その後、お互いに一歩も譲らずサイドアウトを取り合うも、古賀選手が相手ブロックの上を抜くストレートスパイクを決め、20-19と日本は再びリードした。相手のスパイク・サーブミスで22-20となった場面で、セッターの籾井選手がコートに戻った。互いにボールを落とさない長いラリーを、古賀選手がうまく相手ブロックを利用したスパイクで弾き出して24点目を取り、最後は山田選手のブロード攻撃が決まり25-21。第4セットもものにした日本は、セットカウント3-1でベルギーに勝利し、9勝目(勝点25)を挙げた。
【コメント】
荒木絵里香選手
「難しいゲームをチームみんなで勝つことができて嬉しい。相手の高さのあるブロックとサーブに苦しんだが、自分たちの速い攻撃やディフェンス力で突破することができた。(連敗を防ぐ策として)毎試合チームで集中してゲームに向かっており、チーム全体で戦う意識がこういう勝ち方に繋がっていると思う。(ベルギー戦でのキー選手は)セッターの籾井(あき)。(ベルギー戦に向けた対策は)自分たちのディフェンス力を生かすことをみんなで意識し、ラリーに持ち込んで相手を苦しくさせるように粘り強く戦おうという意識で戦った。(ベルギーの高い攻撃力に対して4セット目は)3番の選手を中心に攻撃が絞られていき、トータルディフェンス(ブロックとレシーブ)の部分を機能させることができたと感じる。(今週の3連戦を振り返って)欧米の高いチームとの3連戦で、自分たちの課題が見つかり、良いところもたくさん出たと思うので、来週以降に繋げていけるように頑張りたい。(オリンピックの最終目標は)金メダルを獲ること」
6月13日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
8敗3敗
0
23
24
20
–
–
アメリカ
11勝
3
25
26
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
スターティングメンバーをこれまでの試合から大きく代え臨んだ第1セット、序盤から石川真佑選手のパイプ攻撃や石井優希選手のサービスエースで得点を重ねる日本に対し、アメリカはサーブミスが目立つも、クイック攻撃を軸としたコンビバレーを展開。シーソーゲームで試合が進むが、日本のタッチネットで6-8、1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、黒後愛選手のエンドラインぎりぎりを狙ったスパイクやサービスエース、石井選手のブロックの間を射抜くスパイクで応戦するも、アメリカの高い打点から繰り出されるスパイクで長いラリーをものにできず、流れを掴めない。12-16の場面で、日本はリリーフサーバーで鍋谷友理枝選手を投入し、勢いをもたらしたいところであったが、アメリカにレフトからのスパイクで日本のブロックを弾き飛ばされるなどして4連続失点を喫した。しかし終盤、石井選手のブロックアウトで得点すると、アメリカの連続スパイクミスや黒後選手のサービスエースなどで怒涛の6連続得点を挙げ22-23まで詰め寄った。しかし、あと一歩が及ばず最後はライトからの強烈なスパイクを決められ23-25で第1セットを先取された。
第2セット
スターティングメンバーを石川選手から林琴奈選手に代え臨んだ第2セット、黒後選手のクロススパイクや奥村麻依選手のファインレシーブを石井選手がコート中央へのフェイントでものにするなどで、スタートから主導権を握った。さらに石井選手の相手エースをシャットアウトするキルブロックや島村春世選手のブロード攻撃で8-6と、1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤もこのセットからスタートに起用された林選手のブロックを巧みにかわすストレートへのスパイクや、黒後選手のサービスエースなどで得点し、日本のペースで試合が進行した。林選手のプッシュ攻撃で16-13とし、2回目のテクニカルタイムアウトも取った日本、この勢いのままこのセットを奪いたいところであったが、徐々に高さで勝るアメリカのスパイクや強烈なサーブが牙をむき、19-19と同点に追いつかれた。その後、お互いが20点台に乗り、1点を争うシーソーゲームとなった。アメリカの強烈なスパイクや高いブロックに対し、井上琴絵選手のファインレシーブや島村選手のブロード攻撃で応戦し、このセットをデュースに持ち込んだ。しかし、アメリカの高いブロックに阻まれ、最後はブロード攻撃を決められ24-26でセットを連取された。
第3セット
後がない日本であったが、アメリカのアウトサイドヒッター陣から繰り出されるパワフルなスパイクにディフェンスを崩され、序盤からリードを許し5-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後ミスもあり、より点差を離されてしまう。この悪い流れを断ち切るべく、日本はセッターの関菜々巳選手と鍋谷選手を2枚替えで投入。直後、その鍋谷選手がライトからクロスへ鋭いスパイクを決め、ここから流れを引き寄せたい日本。林選手のストレートスパイクとエンドライン上を狙った巧みなスパイクで連続得点し、アメリカに13-16まで迫った。しかしその後、アメリカにスパイクやブロックを決められ3連続失点を喫し、13-19と再びリードを広げられた。終盤、日本は林選手のスパイクや島村選手のブロード攻撃で反撃のきっかけを掴みに行こうとするも、最後はレフトから強烈なスパイクを叩き込まれ20-25。セットカウント0-3のストレートでアメリカに敗れた。
【コメント】
石井優希選手
「アメリカのサーブがとても良く、パスが崩れてしまいサイドアウトからの展開がうまく取れず、ハイセットになる場面が増えてしまった。苦しい展開をこちら(日本)が作ってしまったという印象。(再びアメリカと対戦することになるとしたら)日本のサーブをもっと攻撃的なサーブにして、相手をハイセットにさせるような展開を作れたらいい。アメリカの攻撃はとても速く、いい状態を作られると相手のミドルブロッカーに(クイックで)切られる場面が多かったので、それをなくすためにもサーブがキーになると思う。日本がファイナルラウンドに進むためには(これから)1敗もできないと思うし、1セット落とすことさえも厳しい状況になっていくと思う。今日の試合は今日の試合として切り替え、明日のメンバーはどうなるか分からないが、チーム力で戦っていきたい。(次の試合への課題は)昨日まである程度メンバーを固めて戦ってきたが、控えのメンバーがどれだけいい試合をできるか、いい仕事をできるかで今後も変わっていくと思う。日本は特にチーム力を大事にしなければならないチームだと思うのでそこを頑張りたいと思う。(ネーションズリーグを通じてチームとして向上させていきたいことは)オリンピックに繋げるためにも、日本の武器であるサーブレシーブからの展開を、1本で決めきる徹底や、繋ぎの精度などの数字に表れない部分の丁寧さ、そういったところを突き詰めたい。この大会がオリンピックへの自信に繋がる大会にしなければならないと思う」
6月12日 日本×トルコ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
8敗2敗
3
25
25
17
25
–
トルコ
8勝2敗
1
17
20
25
19
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
第10戦は、予選ラウンド9試合を終えて8勝を挙げている2位のトルコを相手に迎えた。日本はここまで7勝を挙げて5位と、トルコを勝利数では1つ差で追いかけている。
序盤、スタートに起用された島村春世選手やキャプテン・荒木絵里香選手のクイック攻撃やブロックで9-9と両チーム互角の攻防となった。その後フェイントの応酬になるが、お互いにボールを落とさず長いラリーが続いた。しかし、黒後愛選手が強弱をつけたスパイクで連続得点を決めると、石川真佑選手がサービスエースを決め、12-9とリードする。さらに攻守で要の古賀紗理那選手が、バックからもパイプ攻撃を仕掛け連続得点し、16-11で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後も、黒後選手が相手リベロからサービスエースを奪い、18-11とさらにリードを広げた。終盤は荒木選手のクイック攻撃でサイドアウトを淡々と取り、最後は荒木選手がサーブで攻めてダイレクトで返ってきたボールを古賀選手が相手コートに押し込み、25-17で1セット目を先取した。
第2セット
開始直後、石川選手の目の覚めるようなサービスエースで幸先の良いスタートを切った日本。序盤から、黒後選手、石川選手の強烈なスパイクや相手ブロックを巧みに利用したスパイクで5連続得点し11-6とリードした。トルコベンチはたまらずタイムアウトを要求したが、その後もリベロ・小幡真子選手の好レシーブが随所に見られ、繋いだボールを古賀選手のスパイクで得点を挙げるなど、日本らしい粘りのあるバレーで3連続得点。2回目のテクニカルタイムアウト後には荒木選手のサービスエースで17-9とし、日本のペースで試合が流れた。決定率の高い島村選手のセンターからライトへ回り込むブロード攻撃が決まりだし20-13とリードをキープ。終盤、日本の攻撃がトルコの高いブロックに阻まれる場面もあったが、最後は1セット目に続き古賀選手のスパイクが決まり、25-20でセットを連取した。
第3セット
後がないトルコは、センターからのクイック攻撃を軸に反撃を開始した。サイドからの高さのある攻撃に対しても日本の守備陣が対応できず、6-12とリードを奪われた。日本ベンチは石井優希選手をコートに送り込み、その石井選手が相手の虚をつくフェイントを決めたが、11-21と差が縮まらない。さらにセッターの田代佳奈美選手も投入し、なんとか流れを変えようとした日本。黒後選手・古賀選手のスパイク、荒木選手のブロックで反撃するも、17-25で3セット目はトルコに奪われた。
第4セット
高さのあるトルコのクイック攻撃を荒木選手が1枚ブロックで仕留め1点目を挙げると、続いて石川選手がサーブで相手守備陣営を崩し、古賀選手がダイレクトスパイクを決めるなど序盤からリズム良く得点を重ねた。その後も古賀選手の見事なクロススパイク、島村選手の小気味よいクイック攻撃や黒後選手のバックアタックも決まり、8-4でテクニカルタイムアウトを取った。中盤に入り荒木選手がクイック攻撃で相手ブロックを弾き飛ばし、さらにブロックで得点を重ねた。セッターの籾井あき選手も相手エースをブロックでシャットアウト、島村選手とのコンビネーションもうまく組み立て16-12とし、日本ペースでゲームを展開した。古賀選手、黒後選手、石川選手の両サイドからの攻撃でさらに得点し、20-14でトルコベンチは2回目のタイムアウトを要求。しかし、小幡選手がフェイントボールに反応、それを古賀選手がスパイクで決め、さらには好調の島村選手がブロード攻撃を決めるなどして24点目を取った。最後は相手のミスで25-19と第4セットをものにし、セットカウント3-1でトルコに勝利した。
【コメント】
島村春世選手
「今日の1戦は順位的にも近いトルコ相手で、気迫で(向かって)来るだろうというチームのミーティングのもと、私たちも気迫を出してやっていこう、気持ちを出して戦っていこう、というのを1セット目のスタートでしっかり出せたことが今日の勝利に繋がったと思う。トルコの素晴らしいミドルブロッカー陣のスパイクは同じポジションとして尊敬できるところがあるので、(自分も)攻撃を頑張りたいと思った。みんながタフに動けていたところも勝因だった。3セット目は、パスは返っているけどスパイクが決まらないことから、パスも崩れてしまうという悪循環になってしまった。相手のブロックも高いのでそこのドツボにはまっていった。4セット目はもう一回気迫を出し、プレーというよりは気持ちを前面に出していくことで、パスも返るようになり、スパイクも工夫して決めることができた。(次に対戦する)アメリカは全勝で来ており、私たちはチャレンジャーとしての試合運びができると思うので、全勝のアメリカ相手に自分の力がどれだけ通用するのか、自分たちの戦略がどうはまるのかを探しながら、楽しみに戦いたいと思う」
6月8日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
7勝2敗
3
22
22
25
25
16
ポーランド
3勝6敗
2
25
25
22
23
14
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤は両チームともにサーブレシーブからの攻撃を淡々と決めきり、1点取られては1点返すようなサイドアウトの応酬となった。しかし、石川真佑選手のブロックアウトとポーランドのスパイクミスで連続得点し、8-7と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤に入ってからも両チーム1点を争う展開に。日本のキャプテン・荒木絵里香選手が鋭いBクイックを決めるとポーランドもクイック攻撃で切り返す、ポーランドのブロックが決まると、すぐさま古賀紗理那選手がブロックで得点するというような、一進一退の攻防が繰り広げられた。しかしポーランドにブロックを決められ、15-16と2回目のテクニカルタイムアウトはポーランドが取った。その後石川選手のブロックアウトや黒後愛選手のクロスへのスパイクなどで得点を重ねるも、ポーランドも角度のあるクイック攻撃などで応戦。しかし、終盤に連続失点を喫し、日本ベンチはタイムアウトを要求。ここから巻き返しを図りたいところであったが最後はサーブミスで22-25。第1セットを先取された。
第2セット
このセットも序盤から古賀選手がスパイクを決めるとポーランドもブロックアウトで応戦するというような1点を争う展開となった。しかし相手のミスで得点すると、山田二千華選手が相手ミドルブロッカーのクイック攻撃をシャットアウトし、さらに古賀選手のレフトサイドからコート中央へ切り込む攻撃もあり、3連続得点で9-7と日本がリードする。その後も黒後選手のファインレシーブから古賀選手のスパイク、山田選手のサービスエースなどで、12-8とさらにポーランドを突き放した。しかし、ポーランドに3連続ブロックを決められると、スパイクミスもあり15-15の同点まで追いつかれてしまう。なんとか石川選手のスパイクでその流れを切り、16-15で2回目のテクニカルタイムアウトを取った日本は、チャレンジの成功や、荒木選手のサーブで相手守備を崩し黒後選手がクロスへの強烈なスパイクを決めるなどして、20-18で先に20点台に乗った。この勢いのまま行きたい日本であったが、ポーランドのクイック攻撃や中央へのフェイントを拾うことができず、4連続失点を喫し、20-22と土壇場で逆転を許してしまう。その後、黒後選手のスパイクやリリーフサーバーで鍋谷友理枝選手の投入、山田選手のブロックで巻き返しを図るも、最後はライトからバックアタックを決められ25-22と2セットを連取された。
第3セット
後がない日本は荒木選手の気迫のこもったブロックでスタート切ると、黒後選手や古賀選手のスパイクで流れを作り5-2、ポーランドベンチは早くもタイムアウトを要求した。さらに日本はスパイクなどで得点を重ね、8-4と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤も日本のペースで試合は進行。山田選手のBクイックや相手パイプ攻撃を真下に叩き落すブロック、石川選手のブロックアウトや黒後選手の相手コートをよく見たフェイントで16-13と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。終盤、ポーランドはライトからの打点の高いスパイクで詰め寄ろうとするが、古賀選手のクロスへの鋭いスパイクや、ブロックをうまくかわすパイプ攻撃で得点し、24-20と先にセットポイントに到達した。ここから2点を返されるも、最後は石川選手がスパイクを決めきり25-22で1セットを取り返した。
第4セット
このセットも取り試合をフルセットに持ち込みたい日本は、古賀選手のアタックライン付近に打ち込むキレのあるスパイクで1点目を先取すると、石川選手のエンドラインぎりぎりへのスパイクやブロックアウトで得点を重ねた。対するポーランドもブロックやレフトからの角度のあるスパイクで応戦。しかし古賀選手のスパイクが決まり、8-7と1回目のテクニカルタイムアウトを日本が奪った。中盤、一時逆転を許した日本であったが、荒木選手のクイック攻撃などで3連続得点。さらに石川選手のサービスエースもあり、16-14と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。18-18で同点に追いつかれたが、黒後選手のサイドラインへのスパイクやキャプテン・荒木選手のブロード攻撃とブロックで得点し、さらに古賀選手のクロスへのスパイクで24-22とセットポイント。ポーランドに1点を返されるも、相手の強烈なスパイクを小幡真子選手が籾井あき選手にしっかり返球し、最後は古賀選手が打ち切り25-23。セットカウント0-2から2セットを連取し、この試合をファイナルセットへと持ち込んだ。
第5セット
15点で決着がつくファイナルセット、日本は古賀選手のスパイクで1点目を先取するが、ポーランドも両サイドからのスパイクで得点し、お互い一歩も譲らないラリーを展開。しかし、ポーランドのブロックアウトや日本のスパイクミスで4-6とリードを許してしまう。1点を返し、5-6の1点ビハインドの場面、日本はここでリリーフサーバーとして鍋谷選手を投入。その鍋谷選手がチームの期待に応えるサービスエースで6-6の同点、さらに石川選手のブロックで7-6と逆転に成功。しかし、ポーランドの高い打点から繰り出されるスパイクが日本ブロックを次々と弾き飛ばし、10-12と終盤で逆転されてしまう。ここで日本ベンチはタイムアウトを要求。選手・スタッフ全員で鼓舞し合い、コートに戻った日本は黒後選手・古賀選手のスパイクで連続得点し、12-12の同点とした。さらに古賀選手のサーブで相手を崩し、山田選手がネット際で押し込み、14-13とマッチポイントを先に握ったのは日本。この後ポーランドに1点を返されデュースに持ち込まれたが、石川選手のスパイクで得点し、最後はポーランドのスパイクミスで16-14。ファイナルセットを制した日本、セットカウント3-2のフルセットでポーランドに勝利した。
【コメント】
古賀紗理那選手
「今日はフルセットで勝ててほっとした。最後のセットはチームで一丸となって戦おうと最初に話して、それを体現できたことが勝利につながったと思う。最初は(スパイクを)叩き込まれることが多く失点が多かったが、フロントとバックの関係性を見直し、修正できたことが勝利したポイントだと思う。1本目を上げる人、2本目にトスを上げてくれる人のおかげで私たち(スパイカー)が決めることができるので、そういった気持ちも込めて戦っている。勝つことでチームや個人の自信につながると思うので、そこをモチベーションに(練習を)している。(荒木キャプテンについて)常に私たちがしっかりプレーができるように声掛けをしてくれることはもちろん、私たちの声掛けに対しても優しい眼差しで反応してくれるので、本当にすごいキャプテンだと思っている」
6月7日 日本×カナダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
6勝2敗
3
25
25
25
–
–
カナダ
2勝6敗
0
16
15
15
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
石川真佑選手のサービスエースから始まった第1セット、カナダのスパイクミスと黒後愛選手のブロックアウトで0-3とし、日本は序盤からこの試合の主導権を握った。さらに、小幡真子選手がブロックの横から抜けてくるスパイクをセッター・籾井あき選手に絶妙なパスで返球、それを山田二千華選手がクイック攻撃で決めきるという、昨日のオランダ戦で黒後選手が課題に挙げたブロックディフェンスが型にはまり、3-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤も流れを渡さなかった日本は、全員で繋いだボールを石川選手がブロックアウトで決めるなどして11-16で2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後も山田選手のクイック攻撃や黒後選手のサービスエースなどでリズムに乗ると、終盤には山田選手と籾井選手の2連続シャットアウトで23-16。中盤以降カナダに一度も連続得点を許さなかった日本、最後は石川選手が相手レシーバーを弾き飛ばすスパイクを繰り出し、25-16で第1セットを先取した。
第2セット
このセットを取り、試合を振り出しに戻したいカナダは序盤、コートの幅を広く使った攻撃を展開。2-4と、このセットは先行されてしまう。その後もミスが連発するなど、6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。しかし、石川選手のブロックアウトでその流れを切ると、古賀紗理那選手がブロックの間を狙いコースを打ち分け、さらに石川選手がサービスエースを決め、9-8と逆転に成功。ここで弾みをつけた日本は、古賀選手のアタックライン内側へのキレのあるスパイクや好調の山田選手のブロード攻撃、籾井選手のブロックなどで怒涛の6連続得点をたたき出した。一気にたたみかけたい日本は終盤、セッター・関菜々巳選手を投入すると、テンポの良いセットアップから黒後選手、石川選手、今大会初スタメンの芥川愛加選手が次々と決め、相手のミスもありセットポイント。最後は古賀選手が相手の意表を突くフェイントで得点し、5連続得点で25-15。2セットを連取した。
第3セット
2セットを連取しこの試合に王手をかけた日本、このセットも石川選手のサービスエースから幸先の良いスタートを切ると、山田選手のコート奥を狙ったクイック攻撃や籾井選手のブロックなどで得点。黒後選手のクロスへのスパイクも決まり、8-6と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤、スパイクミスや被ブロックで一時同点に追いつかれるも、カナダのスパイクミスや古賀選手のスパイクなどで14-11とし、カナダベンチはたまらずタイムアウトを要求。しかし日本の勢いはさらに増し、黒後選手のスパイクや石川選手のコートコーナーを狙いすましたパイプ攻撃、古賀選手のブロックの間を打ち抜くスパイクで、18-11まで一気に引き離した。終盤も籾井選手のクイック攻撃を積極的に使う強気なトス回しで得点を重ねると、22-15の場面で第2セット同様セッター・関選手を投入。ここから芥川選手のクイック攻撃、黒後選手の相手の意表を突くコート奥へのプッシュ攻撃、古賀選手のパイプ攻撃、そして最後は石川選手のブロックにねじ込むような強烈なスパイクで得点し25-15。全セット相手に20点を取らせず、セットカウント3-0のストレートでカナダに勝利した。
【コメント】
石川真佑選手
「自分たちのミスをもう少し減らすべきであった。自分たちの良いバレーができたところもあったが、ミスをしないことがどの試合でも大事になってくる。ストレートで勝てたことは大きいと思う。(毎日の試合で大変なことは)3日空いてから3連戦はきついが、自分たちで3試合の中で修正していくことが大事になってくると思う。個人的にサーブは良かったが、スパイクを決めきれない場面があったので、(ポーランド戦に向けて)サーブで狙われてもレシーブからスパイクを決めることを意識してやっていきたい」
6月6日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
5勝2敗
0
22
20
23
–
–
オランダ
5勝2敗
3
25
25
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ここまで5勝1敗で4位につけている日本は、前週のロシア戦で勝利した同様のスターティングメンバーでオランダ戦に臨んだ。前半はミスが連続してしまい4-8でリードを奪われた。井上琴絵選手の好レシーブが随所に見られたが、日本のスパイクがオランダの高いブロックにつかまり、リズムをつかめないまま9-16で2回目のテクニカルタイムアウトも取られた。後半、キャプテン・荒木絵里香選手のクイック攻撃とブロック、黒後愛選手のバックライトからの攻撃で反撃したものの、22-25で第1セットを奪われた。
第2セット
序盤は、黒後選手、古賀紗理那選手のスパイクが決まり、4-1と日本のペースで試合が流れた。しかし、サーブで陣営を崩され7-8でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤は好調の黒後選手がライトから強烈なスパイクで相手ミドルブロッカーのブロックを弾き飛ばし、さらに古賀選手がレフトからコースを巧みに打ち分けて14-12と逆転に成功。オランダベンチは、たまらずタイムアウトを要求した。その後オランダの高い打点から繰り出されるフェイントボールを拾いきれず16-19と再びリードを奪われた。しかし、後半に入りセッター・籾井あき選手は、好調の黒後選手にトスを集め、それに黒後選手が気迫のスパイクで応え20-22まで追い上げた。だが、最後はオランダにサービスエースを決められ20-25で2セット連取された。
第3セット
後がない日本は、古賀選手のスパイク、山田二千華選手、荒木選手の連続ブロックで必死に巻き返しを図ったものの、10-16でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤では、途中起用のリベロ・小幡真子選手が相手パイプ攻撃の強打をファインレシーブし、それをうまく繋いで黒後選手がバックライトからコート深くに強打を決めた。日本らしい粘りでラリーをものにした後、依然点差はあるものの連続得点を上げ15-18まで追い上げると、オランダベンチはすかさずタイムアウトを要求。その後、相手のミスや石川選手の高いブロックを利用したブロックアウトで得点を重ねた。そしてキャプテン・荒木選手の執念のブロックで相手エースをシャットアウトし、22-22の同点に追いついた。しかし一歩及ばず、最後は高さのあるクロススパイクを決められ、23-25。第3セットも取られ、セットカウント0-3でオランダに敗れた。
【コメント】
黒後愛選手
「相手が苦し紛れに落としてきたフェイントに対し、しっかり拾って攻撃まで展開できなかった。自分たちのディフェンスの甘さがあった。(次の試合に向けて)もう一度ブロックディフェンスの確認とアタッカーの打ちどころを考えていかないといけない」
6月2日 日本×ロシア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
5勝1敗
3
25
25
25
–
–
ロシア
3勝3敗
0
20
21
21
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日地元イタリアにフルセットの末勝利し、昨日終了時点で4勝1敗(勝点11)、4位に位置していた。対戦相手のロシアは昨日時点で8位(勝点8)だったが、今大会出場チームの中で平均身長が最も高い。中田久美監督は、2019年女子U20(ジュニア)世界選手権大会初優勝主軸メンバーで今大会初出場のミドルブロッカー・山田二千華選手、リベロには井上琴絵選手をスターティングメンバーに起用した。最初から長いラリーが続いたが、セッター・籾井あき選手はライトの黒後愛選手にトスを集めテンポ良く得点を重ね、6-2とリードした。中盤は古賀紗理那選手と石川真佑選手の両レフトがそれぞれ相手の高いブロックを巧みに利用し、コースを丁寧に打ち分け、安定的に得点を重ねた。終盤は石川選手にトスを集め強烈なクロススパイクで23-19とし、その後キャプテン・荒木絵里香選手が相手エースをブロックでし止め、25点目は副キャプテン・古賀選手の狙いをすましたスパイクがエンドラインぎりぎりに決まり1セット目を先取した。
第2セット
スタートからレフトの古賀選手、石川選手が好調で、山田選手のブロックも決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。相手のサーブで攻められ8-9と逆転されたが、荒木選手のクイック攻撃、サービスエースなどで12-10と再びリードを奪った。中盤は日本のミスもあり、14-15で日本のベンチはタイムアウトを要求。タイムアウト明けは、古賀選手がコート深くを狙ったクロススパイクを決め、レシーブで粘るロシアからのチャンスボールを山田選手がクイック攻撃でものにし、16-15、2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後、ロシアのサーブミスにも救われ21-19。ネット際で荒木選手が相手オポジットエースのナタリア・ゴンチャロワ選手(194cm)とのボールの押し合いに競り勝ちブロックポイントを上げ、さらには古賀選手が巧みなブロックアウトで立て続けに長いラリーを制した。最後は相手のサーブミスで25-21、2セットを連取した。
第3セット
3セット目はいきなり石川選手のサーブがさく裂。好調の古賀選手がサイドからのスパイクを確実に決め、8-5と日本のペースで試合が進んだ。中盤は黒後選手のライトからのスパイクや要所での山田選手のテンポ良いクイック攻撃が決まった。途中出場の林琴奈選手が相手フェイントを粘り強く拾うと、田代佳奈美選手がアンダーハンドで絶妙なトスを繋ぎ、そのボールを石川選手が相手コートに叩き込み15-13。古賀選手のサービスエースもあり、16-13とリードを保ったまま試合は後半へ突入した。終盤、籾井選手は石川選手にボールを集めつつ要所ではミドルブロッカー・荒木選手、山田選手のクイック攻撃を織り交ぜ22-19とした。相手ミスでマッチポイトを迎えた日本、最後は今日の試合で20得点をマークした石川選手のスパイクが決まり、25-21。セットカウント3-0のストレートで勝利を収めた。
【コメント】
荒木絵里香選手
「一昨日のブラジル戦ですごく悔しい負け方をしたが、チームとしてやることをもう一回整理してこの2戦を戦い抜けたことは次に繋がるゲームになったと思う。今日はアウトサイドヒッター陣の決定力が素晴らしかった。ブロックフォローなどの細かい繋ぎもうまくできたと思う。(今日大活躍の古賀選手について)チームの軸として攻守で安定していて本当に素晴らしかったと思う。若い選手が勢いをもたらしてくれ、チームが活性化していると思うので、さらに良くしていきたい。(次の試合に向けて)最善の準備を尽くしていくことが大事だと思うので、休養も取りつつ、対策も含めて良い準備をしていきたい」
6月1日 日本×イタリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
4勝1敗
3
27
25
16
21
15
イタリア
5敗
2
25
19
25
25
13
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本はタイ戦、中国戦と同じメンバーでスタートした。序盤、高い打点から長いコースへと放たれるイタリアの強打に苦しみ4-8と追う展開となった。キャプテン・荒木絵里香選手のブロックや古賀紗理那選手のスパイクなどで徐々に点差を詰め、13-15からは石川真佑選手がブロック、スパイクで得点し同点に追いついた。終盤には古賀選手の強打やサービスエースで24-22と点差を開き、デュースに持ち込まれたが最後は荒木選手がブロックを決めて27-25とセットを先取した。
第2セット
荒木選手のクイック攻撃、古賀選手のスパイクが決まって立ち上がりからリードを奪う。しかし、イタリアも連続ブロックやサービスエースで得点し、なかなか突き放すことができない。ネットインのサービスエースを決められて14-15と逆転を許したが、長いラリーを古賀選手のフェイントでものにし、すぐさま再逆転。その後は小幡真子選手や石川選手、荒木選手らの活躍で着実に得点を重ね、25-19でセット連取に成功した。
第3セット
第2セット途中からコートに入った奥村麻依選手がそのまま出場。古賀選手が攻守に奮闘するが、相手サーブに攻め込まれてミスが出てしまい、5-8、6-13とリズムをつかめない。田代佳奈美選手や石井優希選手、林琴奈選手を投入して挽回を図るが、イタリアの効果的な選手交代とサーブを前に16-25でこのセットを落とした。
第4セット
第3セットのスターティングメンバーに戻して臨んだ序盤は、荒木選手が連続サービスエースを決めたものの一進一退。18-18からは相手のアウトサイドヒッター、特にレフトからの強打を防ぎきれず得点を重ねられ、黒後愛選手のポイントも及ばず21-25。勝負はファイナルセットへ。
第5セット
最終セットもお互いに好プレーの連続で一歩も譲らず、10-10まで均衡が保たれた。しかしここから古賀選手が強打を決めると、次のラリーでは相手オポジットを2枚ブロックでしとめて12-10と2点差をつけた。このリードを守った日本が15-13でイタリアに勝利し、4勝目を手にした。
【コメント】
古賀紗理那選手
「3、4セット目でミスが目立ったことがフルセットの原因だと思う。チームとしてもう一回修正していきたい。(イタリアは)パワーが私たちとは全然違う印象で、ファイナルセットまでいってしまったが、今日は絶対に勝つんだ、という気持ちで戦っていた。特に昨日、ブラジルに0-3で負けてしまっていたので、チームとして修正して戦っていこうと今日のミーティングで話していた。その意味でも絶対に落とせない試合だった」
5月31日 日本×ブラジル 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝1敗
0
15
19
21
–
–
ブラジル
3勝1敗
3
25
25
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤、日本は古賀紗理那選手、石川真佑選手のスパイクで着実に得点を重ねたが、高さで勝るブラジルのコーナーを狙うスパイクやブロックに苦しめられ、5-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。テクニカルタイムアウト後もブラジルの強烈なバックアタックなどでさらに点差を広げられてしまう。13-19の場面、流れを変えたい日本は、2枚替えで関菜々巳選手と林琴奈選手を投入。その関選手の丁寧なセットから古賀選手の鋭いスパイクや、2枚替えでコートに戻った黒後愛選手のブロックにねじ込むようなスパイクが決まり、ここから反撃といきたいところだったが、20点以降に連続得点を決められ、最後はサービスエースで15-25と第1セットを奪われた。
第2セット
奥村麻依選手のクイック攻撃と古賀選手の苦しい体勢から気迫のこもったスパイクで2点を先取した。しかし、ブラジルの好レシーブやブロックの上から繰り出されるスパイクなどで4-8と、このセットもブラジルに1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。その後も高さとパワーを生かしたブラジルのバレーに苦しめられ、じりじりと点差をつけられた。しかし、中盤に黒後選手の好レシーブから古賀選手のスパイク、籾井あき選手の十分でない体勢から丁寧に上げたアンダートスを石川選手が決めきるなどして得点を重ね、さらに島村春世選手のサービスエースで15-18と3点差まで追い上げた。この流れのまま点差を縮めたい日本は、ブラジルが先に20点台に乗った後もこのセットから出場したリベロ・小幡真子選手が体を張ったレシーブで食らいつき、奥村選手のブロック、石川選手のサービスエースで追い上げを図った。しかし最後はブラジルにスパイクを決められ、19-25で第2セットも落とした。
第3セット
なんとしてでもこのセットを取りたい日本は序盤、奥村選手のブロックや島村選手のブロード攻撃など、両ミドルブロッカーの得点により流れを作り、石川選手、黒後選手の相手ブロックを巧く使ったスパイクなどで4連続得点し8-5とこの試合初めてテクニカルタイムアウトを取った。その後、ブラジルに3連続得点を許すも、古賀選手のパイプ攻撃でその流れを切り、さらに島村選手のコミットブロックもあり13-13と、中盤まではシーソーゲームとなった。しかし、ブラジルの強打を拾い上げる粘りと角度あるスパイクなどで4連続失点を喫し、14-17と離されてしまった。終盤日本は17-21でタイムアウトを要求、黒後選手と古賀選手のスパイクによる得点から立て直しを図りたいところだったが、最後はストレートに強烈なスパイクを決められ、21-25。セットカウント0-3でブラジルに敗れた。
【コメント】
籾井あき選手
「戦う以前に自分たちの勝つという気持ちをあまり出せていなかった。押されている感じだったのがまずは敗因だったと思う。サーブレシーブからのコンビネーションの精度に関して、パスが返っても決まらないことが多かったので、サーブレシーブ・アタックでサイドアウトを1回で切ることが大切だったと思う。(イタリアに勝つための改善点は)相手以前にまずは自分たちの精度を上げていけるようにしていきたい。私の場合はコンビネーションの精度、サーブも今日はミスが多かったので改善していきたい」
5月27日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝
3
25
25
27
–
–
韓国
1勝2敗
0
18
18
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ネーションズリーグ第3戦となる韓国戦で中田久美監督はミドルブロッカーに今大会初出場の奥村麻依選手をスターティングメンバーに起用した。序盤その奥村選手のブロックポイントとサービスエースなどで5-2と幸先の良いスタートを切った。8-3で先にテクニカルタイムアウトを取った日本は、その後韓国に3連続得点を許すも、石川真佑選手・古賀紗理那選手・黒後愛選手のアウトサイドヒッター陣が奮闘し、相手に流れを渡さないまま試合は進んだ。さらに奥村選手のブロード攻撃などで20-16とし、韓国はたまらずタイムアウトを要求した。この後も相手に一切の隙を見せなかった日本、最後は古賀選手の強烈なスパイクで25-18と第1セットを先取した。
第2セット
このセットも序盤は奥村選手のサービスエースから流れを掴んだ日本は、古賀選手のブロックや石川選手のスパイクなどで8-4とし、先にテクニカルタイムアウトを取った。中盤、小幡真子選手のスパイカーを救うブロックフォローや石川選手と古賀選手の威力あるスパイクで得点を量産し、16-9とさらに突き放した。19-12でセッターの田代選手を投入した日本は、島村春世選手のクイック攻撃やクイック攻撃を囮に使う時間差攻撃などの多彩なコンビネーションで相手ブロッカーを翻弄し、このセットに拍車をかけた。最後は相手のサーブミスで25-18と2セットを連取し、この試合に王手をかけた。
第3セット
3セット目、後がなくなった韓国は日本でもプレー経験のあるエースのキム・ヨンギョン選手にボールを集め、2-8と日本は序盤から苦しい展開となった。しかし、2度の長いラリーを石川選手のブロックポイントと鋭いスパイクで制すと、黒後選手のスパイクや奥村選手のブロックポイントで怒涛の5連続ポイントをたたき出し、12-13まで詰め寄った。しばらく韓国リードで試合は進んだが、籾井選手のサービスエースで23-22とついに逆転に成功。しかし、相手も一歩も引かず先にセットポイントを握ったのは韓国。ここでチームを救ったのは奥村選手気迫のブロックであった。24-24と試合をデュースに持ち込み、最後は古賀選手の3連続得点で27-25。3セット目も取った日本が韓国相手にセットカウント3-0で勝利を収めた。
【コメ
【コメント】
中田久美監督
「ここまで2連勝していて、対韓国戦ということで、チームとして大事な試合になると思っていた。ストレートで勝てて良かった。(石川選手と黒後選手について)今日は韓国の弱点を石川はうまくついていけたと感じる。まだ取りこぼしやミスも多かったが、黒後も冷静に判断していた」
石川真佑選手
「自分たちのバレーをしようと(試合に)入り、1セット目・2セット目はいい流れがあった。3セット目の出だしはいい流れを作れなかったと思う。(開幕3連勝について)いい入りができたので、このままのいい流れを次の3試合に続けていきたい」
5月26日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2勝
3
25
25
25
–
–
中国
1勝1敗
0
13
19
17
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日タイに快勝した同じメンバーでスタートした。序盤は石川真佑選手のスパイクが良く決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は若い中国選手のミスが目立ち16-13とリードを広げた。その後は、ネット際の巧みなプッシュ攻撃や好調な石川選手の強烈なサイドからのスパイク、古賀紗理那選手のパイプ攻撃も加わり中国を圧倒した。終盤は怒涛の10連続得点をたたき出し、最後はキャプテン荒木絵里香選手のブロックが決まり、25-13で第1セットを奪った。
第2セット
前半は、日本のテンポの良い攻撃でリズム良く得点を重ねた。古賀選手、石川選手のレフトサイドからの角度あるスパイクが決まり、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトを取った。終盤は古賀選手の軟打や黒後愛選手のライトからの攻撃が良く決まった。また、石川選手の強烈なストレートスパイクなどで得点を重ね、最後は黒後選手のスパイクで相手ブロックを弾き飛ばし、25-19で2セットを連取した。
第3セット
第3セットに入っても日本の攻撃は緩まず、荒木選手、黒後選手のサーブで相手守備を翻弄した。島村春世選手のブロード攻撃の決定率が高く、10-3と先行する。中盤サイドアウトの応酬となったが、籾井あき選手のコートの幅をフルに使ったトスワークにより、黒後選手のバックライトからの攻撃を引き出し、それぞれのアタッカーがより一層小気味良い攻撃を繰り広げた。20-12とさらにリードを広げ、終盤はリベロ小幡真子選手とセッター籾井選手の好レシーブや、長いラリーに終止符を打つ黒後選手のスパイクで24点目をもぎ取った。最後は今日の試合で高得点をマークした石川選手のジャンプサーブが決まり、25-17で中国代表に勝利した。
【コメント】
黒後愛選手
「(中国戦に向けた)対策というよりは、セッターの籾井とのコンビネーションを、籾井自身が気にしてくれていたので、自分ももっとやらないといけないと思った」
5月25日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1勝
3
25
25
25
–
–
タイ
1敗
0
15
17
16
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
2019年9月のワールドカップ以降、約1年8か月ぶりの国際大会で、中田久美監督は日本代表初選出のセッター・籾井あき選手をスターティングメンバーとして起用した。前半は島村春世選手の小気味良いクイック攻撃やアウトサイドヒッターの古賀紗理那選手、石川真佑選手の安定したスパイクで終始リードを奪った。最後は黒後愛選手が2連続スパイクを決めて、25-15で第1セットを奪った。
第2セット
前半はお互いにクイック攻撃の応酬でサイドアウトの奪い合いとなったが、日本はキャプテンの荒木絵里香選手のクイック攻撃と、要所での石川選手のスパイクなどで16-10として、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は古賀選手のサービスエースなどで19-10と大きくリード。終盤にタイのチャレンジが成功し2得点されるも、最後は荒木選手のクイック攻撃とサービスエースにより、25-17で2セットを連取した。
第3セット
序盤、この試合で決定率の高い島村選手のクイック攻撃を軸に得点を重ねた。長いラリーを古賀選手の豪快なパイプ攻撃で制し、さらには籾井選手のブロックポイントで10-5とリードした。中盤、相手ブロックに阻まれ連続失点を喫すると、10-9と迫られる。14-13になったところで、日本ベンチは田代佳奈美選手と林琴奈選手を2枚替えで投入。その林選手のスパイクや石川選手の強烈なクロススパイクが連続で決まり、20-15と再びリードを広げた。終盤には、荒木選手がダイレクトスパイクとブロックを決めると、最後は黒後選手が相手エースをシャットアウトして、25-16で大事な初戦を制した。
【コメント】
荒木絵里香選手
「久々の公式戦で(試合が)できることを幸せに感じるし、いいスタートを切れてよかった。この大会とオリンピックに向けて長い合宿をしてきたので、しっかりとその成果を出せた」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 10勝3敗 |
3 | 18 | 24 | 25 | 25 | 15 |
ドミニカ共和国 7勝6敗 |
2 | 25 | 26 | 22 | 15 | 11 |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ファイナルラウンド進出に向けて大きな一戦となるドミニカ共和国戦、立ち上がり荒木絵里香選手のサーブでドミニカ共和国の守備を崩し、古賀紗理那選手のスパイクで得点。その後も籾井あき選手のワンハンドトスから島村春世選手がクイック攻撃、黒後愛選手がサービスエースを決めるなどでさらに4連続得点を挙げ、8-4で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。しかし、高さとパワーのあるドミニカ共和国のサイドからの攻撃に対応できず、7連続失点を喫し、一気に9-11と逆転を許してしまう。その後、ドミニカ共和国がリードしたまま試合が進行したが、小幡真子選手がコートのはるか外まで走りボールを繋ぎ、それを黒後選手がストレートへ渾身スパイクを決め得点。さらに島村選手の相手レフトをシャットアウトするキルブロックで16-16と同点に追いついた。しかし、終盤にドミニカ共和国の強烈なスパイクとブロックで5連続得点を決められ、最後は日本のスパイクミスで18-25と第1セットを先取された。
第2セット
序盤、セッターの籾井選手はチームの要である古賀選手にボールを集め得点を重ねるが、ドミニカ共和国も攻撃の手を緩めず両チーム譲らないシーソーゲームとなった。7-8でテクニカルタイムアウトを迎えた後も均衡した状態が続いた。日本はリリーフサーバーで林琴奈選手を投入、その林選手がサーブ後にワンハンドでレシーブを上げ、そのラリーを石川真佑選手のブロックでものにするなどドミニカ共和国に流れを渡さなかった。中盤以降、セッターの籾井選手は荒木選手・島村選手の両ミドルブロッカーにトスを集め、相手ブロッカーに的を絞らせないトス回しで得点を重ねた。15-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎え、その後も島村選手のブロード攻撃やブロックで得点し19-18と逆転に成功。終盤は、石川選手がスパイクで奮闘し、ドミニカ共和国のパワースパイクに応戦した。相手にセットポイントを奪われた後も籾井選手は荒木選手のクイック攻撃を使うなど強気なトス回しを魅せ、試合をデュースに持ち込んだが、最後は第1セット同様日本のスパイクミスで24-26。接戦をものにできずセットを連取された。
第3セット
後がない日本であったが、スタートからドミニカ共和国にクイック攻撃やブロックの上からスパイクを決められ0-3とリードを許した。その後、荒木選手のサービスエースや島村選手のブロックで同点に追いつくも、ラリー中は防戦一方となり主導権を握れない。黒後選手のクロスへのバックアタックなどで応戦するが、6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎え、ドミニカ共和国リードのまま中盤に突入した。しかしその後、荒木選手のダイレクトスパイクやクイック攻撃で得点すると、黒後選手のバックアタックが決まり、13-12と逆転に成功。ドミニカ共和国も持ち味のパワーのあるスパイクで得点するが、2回目のテクニカルタイムアウトは16-15と日本がリードし迎えた。その後も石川選手の強烈なスパイクが決まり、19-17とした時点でドミニカ共和国はタイムアウトを要求。20-20で一時同点に追いつかれるも、日本もタイムアウトを要求し、立て直しに成功。最後は古賀選手の鋭いスパイクが決まり、25-22で第3セットを取り返した。
第4セット
第3セットを取り勢いに乗った日本は序盤、島村選手のブロード攻撃で得点すると、井上琴絵選手の好レシーブから石川選手のスパイク、古賀選手のサービスエースなどで怒涛の7連続得点、10-3とこのセットの主導権を握った。その後も黒後選手のバックアタックや荒木選手のクイック攻撃、ドミニカ共和国のミスで14-4と依然リードをキープ。一時ドミニカ共和国に3連続失点し、日本がタイムアウトを要求する場面があったが、その後はリズムを取り戻し、黒後選手のブロックアウトで16-8、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。終盤に入ってからも古賀選手のレフトからの速い攻撃や連続ブロック得点で22-10とさらに点差を広げた。古賀選手のスパイクでセットポイントを獲得し、その後ミスやドミニカ共和国の強烈なスパイクで連続失点を喫するも、最後は黒後選手がスパイクをきっちり決め25-15。セットカウント0-2から巻き返し、この試合をファイナルセットへと持ち込んだ。
第5セット
この試合の勝負が決まるファイナルセット、序盤は古賀選手・黒後選手のスパイクで得点を重ねる日本に対し、ドミニカ共和国も両サイドからの攻撃で対抗し、一進一退の攻防が繰り広げられた。しかし、ドミニカ共和国のパワーのあるスパイクに苦戦し、さらにコンビミスが出てしまい、5-7とリードを許した。1点を返し6-7の場面で、日本はリリーフサーバーとして林選手を投入。その林選手がチームの期待に応えるサービスエースで得点すると、石川選手のスパイクが立て続けに決まり、9-7と4連続得点で逆転に成功。その後もセッターの田代佳奈美選手、リリーフサーバーで鍋谷友理枝選手を投入し、さらにリズム良く得点を重ねた。黒後選手の連続スパイク、ドミニカ共和国のミスでマッチポイントを握ると、最後は島村選手のブロード攻撃が決まり15-11。第5セットを総力戦で制した日本が、セットカウント3-2でドミニカ共和国に勝利した。
【コメント】
籾井あき選手
「(1・2セット目はスパイカーが)2枚の時にブレイクされることが多かった。パイプと前衛のコンビネーションが1・2セット目はできず、前衛のスパイカーに負荷がかかっていた。3セット目からはライト側のバックアタックやパイプを混ぜていくように変えた。(5セット目は)リリーフサーバーで入った林選手のサーブポイントや、黒後選手のスパイクが上がってきていたので、そこが大きかったと思う。15点という点数で限られていて、出だしから得点を重ねなければならなかったので、調子の良い選手に(トスを)上げた。限られた選手だけだと相手も対応してくるので、両サイドということを意識して(トスを)上げた。反省としては真ん中の選手(ミドルブロッカー)をうまく生かせていなかったので、次の試合からは生かして、全員が生きるようなバレーをしていきたいと思う。今日戦ったドミニカ共和国とはオリンピックでも戦うことになっているので勝利は大きかったが、してはいけないミスがまだあり、相手のミスに救われることもあった。ただ、勝てて良かった」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 9勝3敗 |
3 | 23 | 25 | 25 | 25 | – |
ベルギー 5勝7敗 |
1 | 25 | 22 | 21 | 21 | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
予選ラウンド11戦を終えて5位の日本は、同9位ベルギーとの対戦を迎えた。
序盤はお互いにサイドアウトを取り合う展開となったが、要所で古賀紗理那選手のパイプ攻撃や石川真佑選手の安定したスパイクが決まり、8-6と日本がリード。ところが相手エースに連続で得点を挙げられ、8-10と逆転を喫した。そのタイミングで中田久美監督は1回目のタイムアウトを要求。その後、古賀選手のレフトから狙いをすましたストレートスパイクなどで反撃するも、15-19とベルギーに先行された。しかし、全員でボールを落とさない粘り強いレシーブから黒後愛選手がライトからスパイクを決め、石川選手のサービスエースなども決まり、20-19と逆転に成功。この勢いのままこのセットを取りたい日本であったが、終盤の大事な場面でサービスエースを3連続で取られ、23-25。第1セットを先取された。
第2セット
このセットを取り、試合を振り出しに戻したい日本は序盤、古賀選手のスパイクなどで得点し、4-2とリードする。日本の良いムードに危機感を感じたベルギーベンチは、すぐにタイムアウトを要求。その後も相手リベロのセットミスや、石川選手のスパイクで8-5とリードしたまま1回目のテクニカルタイムアウトを取った。その後も古賀選手、石川選手の両レフトスパイカーで得点を重ね、16-13で折り返しを迎えた。途中、相手セッターが足首を捻り交代する場面があったが、代わってコートに入ったセッターとライトのコンビ攻撃を阻止することができず、16-16の同点に。中盤はシーソーゲームの展開となり、日本は本日スターティングメンバーに起用された山田二千華選手のライトへのブロード攻撃などで応戦した。終盤、籾井あき選手のサーブで相手布陣を崩し、チャンスボールから黒後選手がスパイクを決めるなどで得点。最後はキャプテン・荒木絵里香選手がセッター・籾井選手との見事なコンビネーションでクイック攻撃を決め、25-22。セットを奪い返し、セットカウントを1-1のイーブンにした。
第3セット
スタートから荒木選手が相手リベロの前を狙ったサーブで攻め、古賀選手が相手エースの強烈なスパイクを自ら拾い、スパイクを決めるなどして得点を重ねた。ネット際のボールをうまく籾井選手が処理し、さらに石川選手がレフトからストレートに強烈なスパイクを決め、8-8と同点に。その後は、ストレート・クロス・ブロックを利用したスパイクを放つ古賀選手と、高さのあるベルギーのエース・ヘルボッツ選手(背番号3番)による得点の奪い合いとなった。中盤、山田選手のブロード攻撃などで得点を重ねるも、ベルギーもレフトからのブロックアウトなどで得点し16-16と再び同点。しかし、荒木選手のクイック攻撃と相手エースをシャットアウトするブロックで連続得点し、19-17とリードを奪った。ベルギーベンチはたまらずタイムアウトを要求したが、その後も黒後選手がライトからスパイクを決め、最後はベルギーのサーブミスで25-21。第3セットを取り、この試合に王手をかけた。
第4セット
開始直後、荒木選手が相手エースをブロックし、幸先よく第4セットに突入した。黒後選手が相手ブロックを利用したスパイクで得点、また山田選手がブロックで相手攻撃を緩め、チャンスボールからブロード攻撃を仕掛けるなど、速い攻撃でリズム良く連続得点し、8-5と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。途中ブロックの際、籾井選手が指を痛め、セッターを田代佳奈美選手と交代するも、相手にミスが続き12-8と依然としてリードを維持。また、交代で入った田代選手がワンハンドトスで絶妙なハンドリングを魅せ、レフトからやや中央に切り込んだ古賀選手の鮮やかなスパイクでさらに日本を勢いづけた。さらに古賀選手が相手布陣をよく見たフェイントも織り交ぜ、16-13と2回目のテクニカルタイムアウトもリードしたまま迎えた。しかし、相手エース・ヘルボッツ選手のパイプ攻撃に連続失点を喫し17-17の同点にされ、日本ベンチはタイムアウトを要求。その後、お互いに一歩も譲らずサイドアウトを取り合うも、古賀選手が相手ブロックの上を抜くストレートスパイクを決め、20-19と日本は再びリードした。相手のスパイク・サーブミスで22-20となった場面で、セッターの籾井選手がコートに戻った。互いにボールを落とさない長いラリーを、古賀選手がうまく相手ブロックを利用したスパイクで弾き出して24点目を取り、最後は山田選手のブロード攻撃が決まり25-21。第4セットもものにした日本は、セットカウント3-1でベルギーに勝利し、9勝目(勝点25)を挙げた。
【コメント】
荒木絵里香選手
「難しいゲームをチームみんなで勝つことができて嬉しい。相手の高さのあるブロックとサーブに苦しんだが、自分たちの速い攻撃やディフェンス力で突破することができた。(連敗を防ぐ策として)毎試合チームで集中してゲームに向かっており、チーム全体で戦う意識がこういう勝ち方に繋がっていると思う。(ベルギー戦でのキー選手は)セッターの籾井(あき)。(ベルギー戦に向けた対策は)自分たちのディフェンス力を生かすことをみんなで意識し、ラリーに持ち込んで相手を苦しくさせるように粘り強く戦おうという意識で戦った。(ベルギーの高い攻撃力に対して4セット目は)3番の選手を中心に攻撃が絞られていき、トータルディフェンス(ブロックとレシーブ)の部分を機能させることができたと感じる。(今週の3連戦を振り返って)欧米の高いチームとの3連戦で、自分たちの課題が見つかり、良いところもたくさん出たと思うので、来週以降に繋げていけるように頑張りたい。(オリンピックの最終目標は)金メダルを獲ること」
6月13日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
8敗3敗
0
23
24
20
–
–
アメリカ
11勝
3
25
26
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
スターティングメンバーをこれまでの試合から大きく代え臨んだ第1セット、序盤から石川真佑選手のパイプ攻撃や石井優希選手のサービスエースで得点を重ねる日本に対し、アメリカはサーブミスが目立つも、クイック攻撃を軸としたコンビバレーを展開。シーソーゲームで試合が進むが、日本のタッチネットで6-8、1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、黒後愛選手のエンドラインぎりぎりを狙ったスパイクやサービスエース、石井選手のブロックの間を射抜くスパイクで応戦するも、アメリカの高い打点から繰り出されるスパイクで長いラリーをものにできず、流れを掴めない。12-16の場面で、日本はリリーフサーバーで鍋谷友理枝選手を投入し、勢いをもたらしたいところであったが、アメリカにレフトからのスパイクで日本のブロックを弾き飛ばされるなどして4連続失点を喫した。しかし終盤、石井選手のブロックアウトで得点すると、アメリカの連続スパイクミスや黒後選手のサービスエースなどで怒涛の6連続得点を挙げ22-23まで詰め寄った。しかし、あと一歩が及ばず最後はライトからの強烈なスパイクを決められ23-25で第1セットを先取された。
第2セット
スターティングメンバーを石川選手から林琴奈選手に代え臨んだ第2セット、黒後選手のクロススパイクや奥村麻依選手のファインレシーブを石井選手がコート中央へのフェイントでものにするなどで、スタートから主導権を握った。さらに石井選手の相手エースをシャットアウトするキルブロックや島村春世選手のブロード攻撃で8-6と、1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤もこのセットからスタートに起用された林選手のブロックを巧みにかわすストレートへのスパイクや、黒後選手のサービスエースなどで得点し、日本のペースで試合が進行した。林選手のプッシュ攻撃で16-13とし、2回目のテクニカルタイムアウトも取った日本、この勢いのままこのセットを奪いたいところであったが、徐々に高さで勝るアメリカのスパイクや強烈なサーブが牙をむき、19-19と同点に追いつかれた。その後、お互いが20点台に乗り、1点を争うシーソーゲームとなった。アメリカの強烈なスパイクや高いブロックに対し、井上琴絵選手のファインレシーブや島村選手のブロード攻撃で応戦し、このセットをデュースに持ち込んだ。しかし、アメリカの高いブロックに阻まれ、最後はブロード攻撃を決められ24-26でセットを連取された。
第3セット
後がない日本であったが、アメリカのアウトサイドヒッター陣から繰り出されるパワフルなスパイクにディフェンスを崩され、序盤からリードを許し5-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後ミスもあり、より点差を離されてしまう。この悪い流れを断ち切るべく、日本はセッターの関菜々巳選手と鍋谷選手を2枚替えで投入。直後、その鍋谷選手がライトからクロスへ鋭いスパイクを決め、ここから流れを引き寄せたい日本。林選手のストレートスパイクとエンドライン上を狙った巧みなスパイクで連続得点し、アメリカに13-16まで迫った。しかしその後、アメリカにスパイクやブロックを決められ3連続失点を喫し、13-19と再びリードを広げられた。終盤、日本は林選手のスパイクや島村選手のブロード攻撃で反撃のきっかけを掴みに行こうとするも、最後はレフトから強烈なスパイクを叩き込まれ20-25。セットカウント0-3のストレートでアメリカに敗れた。
【コメント】
石井優希選手
「アメリカのサーブがとても良く、パスが崩れてしまいサイドアウトからの展開がうまく取れず、ハイセットになる場面が増えてしまった。苦しい展開をこちら(日本)が作ってしまったという印象。(再びアメリカと対戦することになるとしたら)日本のサーブをもっと攻撃的なサーブにして、相手をハイセットにさせるような展開を作れたらいい。アメリカの攻撃はとても速く、いい状態を作られると相手のミドルブロッカーに(クイックで)切られる場面が多かったので、それをなくすためにもサーブがキーになると思う。日本がファイナルラウンドに進むためには(これから)1敗もできないと思うし、1セット落とすことさえも厳しい状況になっていくと思う。今日の試合は今日の試合として切り替え、明日のメンバーはどうなるか分からないが、チーム力で戦っていきたい。(次の試合への課題は)昨日まである程度メンバーを固めて戦ってきたが、控えのメンバーがどれだけいい試合をできるか、いい仕事をできるかで今後も変わっていくと思う。日本は特にチーム力を大事にしなければならないチームだと思うのでそこを頑張りたいと思う。(ネーションズリーグを通じてチームとして向上させていきたいことは)オリンピックに繋げるためにも、日本の武器であるサーブレシーブからの展開を、1本で決めきる徹底や、繋ぎの精度などの数字に表れない部分の丁寧さ、そういったところを突き詰めたい。この大会がオリンピックへの自信に繋がる大会にしなければならないと思う」
6月12日 日本×トルコ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
8敗2敗
3
25
25
17
25
–
トルコ
8勝2敗
1
17
20
25
19
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
第10戦は、予選ラウンド9試合を終えて8勝を挙げている2位のトルコを相手に迎えた。日本はここまで7勝を挙げて5位と、トルコを勝利数では1つ差で追いかけている。
序盤、スタートに起用された島村春世選手やキャプテン・荒木絵里香選手のクイック攻撃やブロックで9-9と両チーム互角の攻防となった。その後フェイントの応酬になるが、お互いにボールを落とさず長いラリーが続いた。しかし、黒後愛選手が強弱をつけたスパイクで連続得点を決めると、石川真佑選手がサービスエースを決め、12-9とリードする。さらに攻守で要の古賀紗理那選手が、バックからもパイプ攻撃を仕掛け連続得点し、16-11で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後も、黒後選手が相手リベロからサービスエースを奪い、18-11とさらにリードを広げた。終盤は荒木選手のクイック攻撃でサイドアウトを淡々と取り、最後は荒木選手がサーブで攻めてダイレクトで返ってきたボールを古賀選手が相手コートに押し込み、25-17で1セット目を先取した。
第2セット
開始直後、石川選手の目の覚めるようなサービスエースで幸先の良いスタートを切った日本。序盤から、黒後選手、石川選手の強烈なスパイクや相手ブロックを巧みに利用したスパイクで5連続得点し11-6とリードした。トルコベンチはたまらずタイムアウトを要求したが、その後もリベロ・小幡真子選手の好レシーブが随所に見られ、繋いだボールを古賀選手のスパイクで得点を挙げるなど、日本らしい粘りのあるバレーで3連続得点。2回目のテクニカルタイムアウト後には荒木選手のサービスエースで17-9とし、日本のペースで試合が流れた。決定率の高い島村選手のセンターからライトへ回り込むブロード攻撃が決まりだし20-13とリードをキープ。終盤、日本の攻撃がトルコの高いブロックに阻まれる場面もあったが、最後は1セット目に続き古賀選手のスパイクが決まり、25-20でセットを連取した。
第3セット
後がないトルコは、センターからのクイック攻撃を軸に反撃を開始した。サイドからの高さのある攻撃に対しても日本の守備陣が対応できず、6-12とリードを奪われた。日本ベンチは石井優希選手をコートに送り込み、その石井選手が相手の虚をつくフェイントを決めたが、11-21と差が縮まらない。さらにセッターの田代佳奈美選手も投入し、なんとか流れを変えようとした日本。黒後選手・古賀選手のスパイク、荒木選手のブロックで反撃するも、17-25で3セット目はトルコに奪われた。
第4セット
高さのあるトルコのクイック攻撃を荒木選手が1枚ブロックで仕留め1点目を挙げると、続いて石川選手がサーブで相手守備陣営を崩し、古賀選手がダイレクトスパイクを決めるなど序盤からリズム良く得点を重ねた。その後も古賀選手の見事なクロススパイク、島村選手の小気味よいクイック攻撃や黒後選手のバックアタックも決まり、8-4でテクニカルタイムアウトを取った。中盤に入り荒木選手がクイック攻撃で相手ブロックを弾き飛ばし、さらにブロックで得点を重ねた。セッターの籾井あき選手も相手エースをブロックでシャットアウト、島村選手とのコンビネーションもうまく組み立て16-12とし、日本ペースでゲームを展開した。古賀選手、黒後選手、石川選手の両サイドからの攻撃でさらに得点し、20-14でトルコベンチは2回目のタイムアウトを要求。しかし、小幡選手がフェイントボールに反応、それを古賀選手がスパイクで決め、さらには好調の島村選手がブロード攻撃を決めるなどして24点目を取った。最後は相手のミスで25-19と第4セットをものにし、セットカウント3-1でトルコに勝利した。
【コメント】
島村春世選手
「今日の1戦は順位的にも近いトルコ相手で、気迫で(向かって)来るだろうというチームのミーティングのもと、私たちも気迫を出してやっていこう、気持ちを出して戦っていこう、というのを1セット目のスタートでしっかり出せたことが今日の勝利に繋がったと思う。トルコの素晴らしいミドルブロッカー陣のスパイクは同じポジションとして尊敬できるところがあるので、(自分も)攻撃を頑張りたいと思った。みんながタフに動けていたところも勝因だった。3セット目は、パスは返っているけどスパイクが決まらないことから、パスも崩れてしまうという悪循環になってしまった。相手のブロックも高いのでそこのドツボにはまっていった。4セット目はもう一回気迫を出し、プレーというよりは気持ちを前面に出していくことで、パスも返るようになり、スパイクも工夫して決めることができた。(次に対戦する)アメリカは全勝で来ており、私たちはチャレンジャーとしての試合運びができると思うので、全勝のアメリカ相手に自分の力がどれだけ通用するのか、自分たちの戦略がどうはまるのかを探しながら、楽しみに戦いたいと思う」
6月8日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
7勝2敗
3
22
22
25
25
16
ポーランド
3勝6敗
2
25
25
22
23
14
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤は両チームともにサーブレシーブからの攻撃を淡々と決めきり、1点取られては1点返すようなサイドアウトの応酬となった。しかし、石川真佑選手のブロックアウトとポーランドのスパイクミスで連続得点し、8-7と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤に入ってからも両チーム1点を争う展開に。日本のキャプテン・荒木絵里香選手が鋭いBクイックを決めるとポーランドもクイック攻撃で切り返す、ポーランドのブロックが決まると、すぐさま古賀紗理那選手がブロックで得点するというような、一進一退の攻防が繰り広げられた。しかしポーランドにブロックを決められ、15-16と2回目のテクニカルタイムアウトはポーランドが取った。その後石川選手のブロックアウトや黒後愛選手のクロスへのスパイクなどで得点を重ねるも、ポーランドも角度のあるクイック攻撃などで応戦。しかし、終盤に連続失点を喫し、日本ベンチはタイムアウトを要求。ここから巻き返しを図りたいところであったが最後はサーブミスで22-25。第1セットを先取された。
第2セット
このセットも序盤から古賀選手がスパイクを決めるとポーランドもブロックアウトで応戦するというような1点を争う展開となった。しかし相手のミスで得点すると、山田二千華選手が相手ミドルブロッカーのクイック攻撃をシャットアウトし、さらに古賀選手のレフトサイドからコート中央へ切り込む攻撃もあり、3連続得点で9-7と日本がリードする。その後も黒後選手のファインレシーブから古賀選手のスパイク、山田選手のサービスエースなどで、12-8とさらにポーランドを突き放した。しかし、ポーランドに3連続ブロックを決められると、スパイクミスもあり15-15の同点まで追いつかれてしまう。なんとか石川選手のスパイクでその流れを切り、16-15で2回目のテクニカルタイムアウトを取った日本は、チャレンジの成功や、荒木選手のサーブで相手守備を崩し黒後選手がクロスへの強烈なスパイクを決めるなどして、20-18で先に20点台に乗った。この勢いのまま行きたい日本であったが、ポーランドのクイック攻撃や中央へのフェイントを拾うことができず、4連続失点を喫し、20-22と土壇場で逆転を許してしまう。その後、黒後選手のスパイクやリリーフサーバーで鍋谷友理枝選手の投入、山田選手のブロックで巻き返しを図るも、最後はライトからバックアタックを決められ25-22と2セットを連取された。
第3セット
後がない日本は荒木選手の気迫のこもったブロックでスタート切ると、黒後選手や古賀選手のスパイクで流れを作り5-2、ポーランドベンチは早くもタイムアウトを要求した。さらに日本はスパイクなどで得点を重ね、8-4と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤も日本のペースで試合は進行。山田選手のBクイックや相手パイプ攻撃を真下に叩き落すブロック、石川選手のブロックアウトや黒後選手の相手コートをよく見たフェイントで16-13と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。終盤、ポーランドはライトからの打点の高いスパイクで詰め寄ろうとするが、古賀選手のクロスへの鋭いスパイクや、ブロックをうまくかわすパイプ攻撃で得点し、24-20と先にセットポイントに到達した。ここから2点を返されるも、最後は石川選手がスパイクを決めきり25-22で1セットを取り返した。
第4セット
このセットも取り試合をフルセットに持ち込みたい日本は、古賀選手のアタックライン付近に打ち込むキレのあるスパイクで1点目を先取すると、石川選手のエンドラインぎりぎりへのスパイクやブロックアウトで得点を重ねた。対するポーランドもブロックやレフトからの角度のあるスパイクで応戦。しかし古賀選手のスパイクが決まり、8-7と1回目のテクニカルタイムアウトを日本が奪った。中盤、一時逆転を許した日本であったが、荒木選手のクイック攻撃などで3連続得点。さらに石川選手のサービスエースもあり、16-14と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。18-18で同点に追いつかれたが、黒後選手のサイドラインへのスパイクやキャプテン・荒木選手のブロード攻撃とブロックで得点し、さらに古賀選手のクロスへのスパイクで24-22とセットポイント。ポーランドに1点を返されるも、相手の強烈なスパイクを小幡真子選手が籾井あき選手にしっかり返球し、最後は古賀選手が打ち切り25-23。セットカウント0-2から2セットを連取し、この試合をファイナルセットへと持ち込んだ。
第5セット
15点で決着がつくファイナルセット、日本は古賀選手のスパイクで1点目を先取するが、ポーランドも両サイドからのスパイクで得点し、お互い一歩も譲らないラリーを展開。しかし、ポーランドのブロックアウトや日本のスパイクミスで4-6とリードを許してしまう。1点を返し、5-6の1点ビハインドの場面、日本はここでリリーフサーバーとして鍋谷選手を投入。その鍋谷選手がチームの期待に応えるサービスエースで6-6の同点、さらに石川選手のブロックで7-6と逆転に成功。しかし、ポーランドの高い打点から繰り出されるスパイクが日本ブロックを次々と弾き飛ばし、10-12と終盤で逆転されてしまう。ここで日本ベンチはタイムアウトを要求。選手・スタッフ全員で鼓舞し合い、コートに戻った日本は黒後選手・古賀選手のスパイクで連続得点し、12-12の同点とした。さらに古賀選手のサーブで相手を崩し、山田選手がネット際で押し込み、14-13とマッチポイントを先に握ったのは日本。この後ポーランドに1点を返されデュースに持ち込まれたが、石川選手のスパイクで得点し、最後はポーランドのスパイクミスで16-14。ファイナルセットを制した日本、セットカウント3-2のフルセットでポーランドに勝利した。
【コメント】
古賀紗理那選手
「今日はフルセットで勝ててほっとした。最後のセットはチームで一丸となって戦おうと最初に話して、それを体現できたことが勝利につながったと思う。最初は(スパイクを)叩き込まれることが多く失点が多かったが、フロントとバックの関係性を見直し、修正できたことが勝利したポイントだと思う。1本目を上げる人、2本目にトスを上げてくれる人のおかげで私たち(スパイカー)が決めることができるので、そういった気持ちも込めて戦っている。勝つことでチームや個人の自信につながると思うので、そこをモチベーションに(練習を)している。(荒木キャプテンについて)常に私たちがしっかりプレーができるように声掛けをしてくれることはもちろん、私たちの声掛けに対しても優しい眼差しで反応してくれるので、本当にすごいキャプテンだと思っている」
6月7日 日本×カナダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
6勝2敗
3
25
25
25
–
–
カナダ
2勝6敗
0
16
15
15
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
石川真佑選手のサービスエースから始まった第1セット、カナダのスパイクミスと黒後愛選手のブロックアウトで0-3とし、日本は序盤からこの試合の主導権を握った。さらに、小幡真子選手がブロックの横から抜けてくるスパイクをセッター・籾井あき選手に絶妙なパスで返球、それを山田二千華選手がクイック攻撃で決めきるという、昨日のオランダ戦で黒後選手が課題に挙げたブロックディフェンスが型にはまり、3-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤も流れを渡さなかった日本は、全員で繋いだボールを石川選手がブロックアウトで決めるなどして11-16で2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後も山田選手のクイック攻撃や黒後選手のサービスエースなどでリズムに乗ると、終盤には山田選手と籾井選手の2連続シャットアウトで23-16。中盤以降カナダに一度も連続得点を許さなかった日本、最後は石川選手が相手レシーバーを弾き飛ばすスパイクを繰り出し、25-16で第1セットを先取した。
第2セット
このセットを取り、試合を振り出しに戻したいカナダは序盤、コートの幅を広く使った攻撃を展開。2-4と、このセットは先行されてしまう。その後もミスが連発するなど、6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。しかし、石川選手のブロックアウトでその流れを切ると、古賀紗理那選手がブロックの間を狙いコースを打ち分け、さらに石川選手がサービスエースを決め、9-8と逆転に成功。ここで弾みをつけた日本は、古賀選手のアタックライン内側へのキレのあるスパイクや好調の山田選手のブロード攻撃、籾井選手のブロックなどで怒涛の6連続得点をたたき出した。一気にたたみかけたい日本は終盤、セッター・関菜々巳選手を投入すると、テンポの良いセットアップから黒後選手、石川選手、今大会初スタメンの芥川愛加選手が次々と決め、相手のミスもありセットポイント。最後は古賀選手が相手の意表を突くフェイントで得点し、5連続得点で25-15。2セットを連取した。
第3セット
2セットを連取しこの試合に王手をかけた日本、このセットも石川選手のサービスエースから幸先の良いスタートを切ると、山田選手のコート奥を狙ったクイック攻撃や籾井選手のブロックなどで得点。黒後選手のクロスへのスパイクも決まり、8-6と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤、スパイクミスや被ブロックで一時同点に追いつかれるも、カナダのスパイクミスや古賀選手のスパイクなどで14-11とし、カナダベンチはたまらずタイムアウトを要求。しかし日本の勢いはさらに増し、黒後選手のスパイクや石川選手のコートコーナーを狙いすましたパイプ攻撃、古賀選手のブロックの間を打ち抜くスパイクで、18-11まで一気に引き離した。終盤も籾井選手のクイック攻撃を積極的に使う強気なトス回しで得点を重ねると、22-15の場面で第2セット同様セッター・関選手を投入。ここから芥川選手のクイック攻撃、黒後選手の相手の意表を突くコート奥へのプッシュ攻撃、古賀選手のパイプ攻撃、そして最後は石川選手のブロックにねじ込むような強烈なスパイクで得点し25-15。全セット相手に20点を取らせず、セットカウント3-0のストレートでカナダに勝利した。
【コメント】
石川真佑選手
「自分たちのミスをもう少し減らすべきであった。自分たちの良いバレーができたところもあったが、ミスをしないことがどの試合でも大事になってくる。ストレートで勝てたことは大きいと思う。(毎日の試合で大変なことは)3日空いてから3連戦はきついが、自分たちで3試合の中で修正していくことが大事になってくると思う。個人的にサーブは良かったが、スパイクを決めきれない場面があったので、(ポーランド戦に向けて)サーブで狙われてもレシーブからスパイクを決めることを意識してやっていきたい」
6月6日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
5勝2敗
0
22
20
23
–
–
オランダ
5勝2敗
3
25
25
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ここまで5勝1敗で4位につけている日本は、前週のロシア戦で勝利した同様のスターティングメンバーでオランダ戦に臨んだ。前半はミスが連続してしまい4-8でリードを奪われた。井上琴絵選手の好レシーブが随所に見られたが、日本のスパイクがオランダの高いブロックにつかまり、リズムをつかめないまま9-16で2回目のテクニカルタイムアウトも取られた。後半、キャプテン・荒木絵里香選手のクイック攻撃とブロック、黒後愛選手のバックライトからの攻撃で反撃したものの、22-25で第1セットを奪われた。
第2セット
序盤は、黒後選手、古賀紗理那選手のスパイクが決まり、4-1と日本のペースで試合が流れた。しかし、サーブで陣営を崩され7-8でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤は好調の黒後選手がライトから強烈なスパイクで相手ミドルブロッカーのブロックを弾き飛ばし、さらに古賀選手がレフトからコースを巧みに打ち分けて14-12と逆転に成功。オランダベンチは、たまらずタイムアウトを要求した。その後オランダの高い打点から繰り出されるフェイントボールを拾いきれず16-19と再びリードを奪われた。しかし、後半に入りセッター・籾井あき選手は、好調の黒後選手にトスを集め、それに黒後選手が気迫のスパイクで応え20-22まで追い上げた。だが、最後はオランダにサービスエースを決められ20-25で2セット連取された。
第3セット
後がない日本は、古賀選手のスパイク、山田二千華選手、荒木選手の連続ブロックで必死に巻き返しを図ったものの、10-16でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤では、途中起用のリベロ・小幡真子選手が相手パイプ攻撃の強打をファインレシーブし、それをうまく繋いで黒後選手がバックライトからコート深くに強打を決めた。日本らしい粘りでラリーをものにした後、依然点差はあるものの連続得点を上げ15-18まで追い上げると、オランダベンチはすかさずタイムアウトを要求。その後、相手のミスや石川選手の高いブロックを利用したブロックアウトで得点を重ねた。そしてキャプテン・荒木選手の執念のブロックで相手エースをシャットアウトし、22-22の同点に追いついた。しかし一歩及ばず、最後は高さのあるクロススパイクを決められ、23-25。第3セットも取られ、セットカウント0-3でオランダに敗れた。
【コメント】
黒後愛選手
「相手が苦し紛れに落としてきたフェイントに対し、しっかり拾って攻撃まで展開できなかった。自分たちのディフェンスの甘さがあった。(次の試合に向けて)もう一度ブロックディフェンスの確認とアタッカーの打ちどころを考えていかないといけない」
6月2日 日本×ロシア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
5勝1敗
3
25
25
25
–
–
ロシア
3勝3敗
0
20
21
21
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日地元イタリアにフルセットの末勝利し、昨日終了時点で4勝1敗(勝点11)、4位に位置していた。対戦相手のロシアは昨日時点で8位(勝点8)だったが、今大会出場チームの中で平均身長が最も高い。中田久美監督は、2019年女子U20(ジュニア)世界選手権大会初優勝主軸メンバーで今大会初出場のミドルブロッカー・山田二千華選手、リベロには井上琴絵選手をスターティングメンバーに起用した。最初から長いラリーが続いたが、セッター・籾井あき選手はライトの黒後愛選手にトスを集めテンポ良く得点を重ね、6-2とリードした。中盤は古賀紗理那選手と石川真佑選手の両レフトがそれぞれ相手の高いブロックを巧みに利用し、コースを丁寧に打ち分け、安定的に得点を重ねた。終盤は石川選手にトスを集め強烈なクロススパイクで23-19とし、その後キャプテン・荒木絵里香選手が相手エースをブロックでし止め、25点目は副キャプテン・古賀選手の狙いをすましたスパイクがエンドラインぎりぎりに決まり1セット目を先取した。
第2セット
スタートからレフトの古賀選手、石川選手が好調で、山田選手のブロックも決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。相手のサーブで攻められ8-9と逆転されたが、荒木選手のクイック攻撃、サービスエースなどで12-10と再びリードを奪った。中盤は日本のミスもあり、14-15で日本のベンチはタイムアウトを要求。タイムアウト明けは、古賀選手がコート深くを狙ったクロススパイクを決め、レシーブで粘るロシアからのチャンスボールを山田選手がクイック攻撃でものにし、16-15、2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後、ロシアのサーブミスにも救われ21-19。ネット際で荒木選手が相手オポジットエースのナタリア・ゴンチャロワ選手(194cm)とのボールの押し合いに競り勝ちブロックポイントを上げ、さらには古賀選手が巧みなブロックアウトで立て続けに長いラリーを制した。最後は相手のサーブミスで25-21、2セットを連取した。
第3セット
3セット目はいきなり石川選手のサーブがさく裂。好調の古賀選手がサイドからのスパイクを確実に決め、8-5と日本のペースで試合が進んだ。中盤は黒後選手のライトからのスパイクや要所での山田選手のテンポ良いクイック攻撃が決まった。途中出場の林琴奈選手が相手フェイントを粘り強く拾うと、田代佳奈美選手がアンダーハンドで絶妙なトスを繋ぎ、そのボールを石川選手が相手コートに叩き込み15-13。古賀選手のサービスエースもあり、16-13とリードを保ったまま試合は後半へ突入した。終盤、籾井選手は石川選手にボールを集めつつ要所ではミドルブロッカー・荒木選手、山田選手のクイック攻撃を織り交ぜ22-19とした。相手ミスでマッチポイトを迎えた日本、最後は今日の試合で20得点をマークした石川選手のスパイクが決まり、25-21。セットカウント3-0のストレートで勝利を収めた。
【コメント】
荒木絵里香選手
「一昨日のブラジル戦ですごく悔しい負け方をしたが、チームとしてやることをもう一回整理してこの2戦を戦い抜けたことは次に繋がるゲームになったと思う。今日はアウトサイドヒッター陣の決定力が素晴らしかった。ブロックフォローなどの細かい繋ぎもうまくできたと思う。(今日大活躍の古賀選手について)チームの軸として攻守で安定していて本当に素晴らしかったと思う。若い選手が勢いをもたらしてくれ、チームが活性化していると思うので、さらに良くしていきたい。(次の試合に向けて)最善の準備を尽くしていくことが大事だと思うので、休養も取りつつ、対策も含めて良い準備をしていきたい」
6月1日 日本×イタリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
4勝1敗
3
27
25
16
21
15
イタリア
5敗
2
25
19
25
25
13
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本はタイ戦、中国戦と同じメンバーでスタートした。序盤、高い打点から長いコースへと放たれるイタリアの強打に苦しみ4-8と追う展開となった。キャプテン・荒木絵里香選手のブロックや古賀紗理那選手のスパイクなどで徐々に点差を詰め、13-15からは石川真佑選手がブロック、スパイクで得点し同点に追いついた。終盤には古賀選手の強打やサービスエースで24-22と点差を開き、デュースに持ち込まれたが最後は荒木選手がブロックを決めて27-25とセットを先取した。
第2セット
荒木選手のクイック攻撃、古賀選手のスパイクが決まって立ち上がりからリードを奪う。しかし、イタリアも連続ブロックやサービスエースで得点し、なかなか突き放すことができない。ネットインのサービスエースを決められて14-15と逆転を許したが、長いラリーを古賀選手のフェイントでものにし、すぐさま再逆転。その後は小幡真子選手や石川選手、荒木選手らの活躍で着実に得点を重ね、25-19でセット連取に成功した。
第3セット
第2セット途中からコートに入った奥村麻依選手がそのまま出場。古賀選手が攻守に奮闘するが、相手サーブに攻め込まれてミスが出てしまい、5-8、6-13とリズムをつかめない。田代佳奈美選手や石井優希選手、林琴奈選手を投入して挽回を図るが、イタリアの効果的な選手交代とサーブを前に16-25でこのセットを落とした。
第4セット
第3セットのスターティングメンバーに戻して臨んだ序盤は、荒木選手が連続サービスエースを決めたものの一進一退。18-18からは相手のアウトサイドヒッター、特にレフトからの強打を防ぎきれず得点を重ねられ、黒後愛選手のポイントも及ばず21-25。勝負はファイナルセットへ。
第5セット
最終セットもお互いに好プレーの連続で一歩も譲らず、10-10まで均衡が保たれた。しかしここから古賀選手が強打を決めると、次のラリーでは相手オポジットを2枚ブロックでしとめて12-10と2点差をつけた。このリードを守った日本が15-13でイタリアに勝利し、4勝目を手にした。
【コメント】
古賀紗理那選手
「3、4セット目でミスが目立ったことがフルセットの原因だと思う。チームとしてもう一回修正していきたい。(イタリアは)パワーが私たちとは全然違う印象で、ファイナルセットまでいってしまったが、今日は絶対に勝つんだ、という気持ちで戦っていた。特に昨日、ブラジルに0-3で負けてしまっていたので、チームとして修正して戦っていこうと今日のミーティングで話していた。その意味でも絶対に落とせない試合だった」
5月31日 日本×ブラジル 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝1敗
0
15
19
21
–
–
ブラジル
3勝1敗
3
25
25
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤、日本は古賀紗理那選手、石川真佑選手のスパイクで着実に得点を重ねたが、高さで勝るブラジルのコーナーを狙うスパイクやブロックに苦しめられ、5-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。テクニカルタイムアウト後もブラジルの強烈なバックアタックなどでさらに点差を広げられてしまう。13-19の場面、流れを変えたい日本は、2枚替えで関菜々巳選手と林琴奈選手を投入。その関選手の丁寧なセットから古賀選手の鋭いスパイクや、2枚替えでコートに戻った黒後愛選手のブロックにねじ込むようなスパイクが決まり、ここから反撃といきたいところだったが、20点以降に連続得点を決められ、最後はサービスエースで15-25と第1セットを奪われた。
第2セット
奥村麻依選手のクイック攻撃と古賀選手の苦しい体勢から気迫のこもったスパイクで2点を先取した。しかし、ブラジルの好レシーブやブロックの上から繰り出されるスパイクなどで4-8と、このセットもブラジルに1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。その後も高さとパワーを生かしたブラジルのバレーに苦しめられ、じりじりと点差をつけられた。しかし、中盤に黒後選手の好レシーブから古賀選手のスパイク、籾井あき選手の十分でない体勢から丁寧に上げたアンダートスを石川選手が決めきるなどして得点を重ね、さらに島村春世選手のサービスエースで15-18と3点差まで追い上げた。この流れのまま点差を縮めたい日本は、ブラジルが先に20点台に乗った後もこのセットから出場したリベロ・小幡真子選手が体を張ったレシーブで食らいつき、奥村選手のブロック、石川選手のサービスエースで追い上げを図った。しかし最後はブラジルにスパイクを決められ、19-25で第2セットも落とした。
第3セット
なんとしてでもこのセットを取りたい日本は序盤、奥村選手のブロックや島村選手のブロード攻撃など、両ミドルブロッカーの得点により流れを作り、石川選手、黒後選手の相手ブロックを巧く使ったスパイクなどで4連続得点し8-5とこの試合初めてテクニカルタイムアウトを取った。その後、ブラジルに3連続得点を許すも、古賀選手のパイプ攻撃でその流れを切り、さらに島村選手のコミットブロックもあり13-13と、中盤まではシーソーゲームとなった。しかし、ブラジルの強打を拾い上げる粘りと角度あるスパイクなどで4連続失点を喫し、14-17と離されてしまった。終盤日本は17-21でタイムアウトを要求、黒後選手と古賀選手のスパイクによる得点から立て直しを図りたいところだったが、最後はストレートに強烈なスパイクを決められ、21-25。セットカウント0-3でブラジルに敗れた。
【コメント】
籾井あき選手
「戦う以前に自分たちの勝つという気持ちをあまり出せていなかった。押されている感じだったのがまずは敗因だったと思う。サーブレシーブからのコンビネーションの精度に関して、パスが返っても決まらないことが多かったので、サーブレシーブ・アタックでサイドアウトを1回で切ることが大切だったと思う。(イタリアに勝つための改善点は)相手以前にまずは自分たちの精度を上げていけるようにしていきたい。私の場合はコンビネーションの精度、サーブも今日はミスが多かったので改善していきたい」
5月27日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝
3
25
25
27
–
–
韓国
1勝2敗
0
18
18
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ネーションズリーグ第3戦となる韓国戦で中田久美監督はミドルブロッカーに今大会初出場の奥村麻依選手をスターティングメンバーに起用した。序盤その奥村選手のブロックポイントとサービスエースなどで5-2と幸先の良いスタートを切った。8-3で先にテクニカルタイムアウトを取った日本は、その後韓国に3連続得点を許すも、石川真佑選手・古賀紗理那選手・黒後愛選手のアウトサイドヒッター陣が奮闘し、相手に流れを渡さないまま試合は進んだ。さらに奥村選手のブロード攻撃などで20-16とし、韓国はたまらずタイムアウトを要求した。この後も相手に一切の隙を見せなかった日本、最後は古賀選手の強烈なスパイクで25-18と第1セットを先取した。
第2セット
このセットも序盤は奥村選手のサービスエースから流れを掴んだ日本は、古賀選手のブロックや石川選手のスパイクなどで8-4とし、先にテクニカルタイムアウトを取った。中盤、小幡真子選手のスパイカーを救うブロックフォローや石川選手と古賀選手の威力あるスパイクで得点を量産し、16-9とさらに突き放した。19-12でセッターの田代選手を投入した日本は、島村春世選手のクイック攻撃やクイック攻撃を囮に使う時間差攻撃などの多彩なコンビネーションで相手ブロッカーを翻弄し、このセットに拍車をかけた。最後は相手のサーブミスで25-18と2セットを連取し、この試合に王手をかけた。
第3セット
3セット目、後がなくなった韓国は日本でもプレー経験のあるエースのキム・ヨンギョン選手にボールを集め、2-8と日本は序盤から苦しい展開となった。しかし、2度の長いラリーを石川選手のブロックポイントと鋭いスパイクで制すと、黒後選手のスパイクや奥村選手のブロックポイントで怒涛の5連続ポイントをたたき出し、12-13まで詰め寄った。しばらく韓国リードで試合は進んだが、籾井選手のサービスエースで23-22とついに逆転に成功。しかし、相手も一歩も引かず先にセットポイントを握ったのは韓国。ここでチームを救ったのは奥村選手気迫のブロックであった。24-24と試合をデュースに持ち込み、最後は古賀選手の3連続得点で27-25。3セット目も取った日本が韓国相手にセットカウント3-0で勝利を収めた。
【コメ
【コメント】
中田久美監督
「ここまで2連勝していて、対韓国戦ということで、チームとして大事な試合になると思っていた。ストレートで勝てて良かった。(石川選手と黒後選手について)今日は韓国の弱点を石川はうまくついていけたと感じる。まだ取りこぼしやミスも多かったが、黒後も冷静に判断していた」
石川真佑選手
「自分たちのバレーをしようと(試合に)入り、1セット目・2セット目はいい流れがあった。3セット目の出だしはいい流れを作れなかったと思う。(開幕3連勝について)いい入りができたので、このままのいい流れを次の3試合に続けていきたい」
5月26日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2勝
3
25
25
25
–
–
中国
1勝1敗
0
13
19
17
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日タイに快勝した同じメンバーでスタートした。序盤は石川真佑選手のスパイクが良く決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は若い中国選手のミスが目立ち16-13とリードを広げた。その後は、ネット際の巧みなプッシュ攻撃や好調な石川選手の強烈なサイドからのスパイク、古賀紗理那選手のパイプ攻撃も加わり中国を圧倒した。終盤は怒涛の10連続得点をたたき出し、最後はキャプテン荒木絵里香選手のブロックが決まり、25-13で第1セットを奪った。
第2セット
前半は、日本のテンポの良い攻撃でリズム良く得点を重ねた。古賀選手、石川選手のレフトサイドからの角度あるスパイクが決まり、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトを取った。終盤は古賀選手の軟打や黒後愛選手のライトからの攻撃が良く決まった。また、石川選手の強烈なストレートスパイクなどで得点を重ね、最後は黒後選手のスパイクで相手ブロックを弾き飛ばし、25-19で2セットを連取した。
第3セット
第3セットに入っても日本の攻撃は緩まず、荒木選手、黒後選手のサーブで相手守備を翻弄した。島村春世選手のブロード攻撃の決定率が高く、10-3と先行する。中盤サイドアウトの応酬となったが、籾井あき選手のコートの幅をフルに使ったトスワークにより、黒後選手のバックライトからの攻撃を引き出し、それぞれのアタッカーがより一層小気味良い攻撃を繰り広げた。20-12とさらにリードを広げ、終盤はリベロ小幡真子選手とセッター籾井選手の好レシーブや、長いラリーに終止符を打つ黒後選手のスパイクで24点目をもぎ取った。最後は今日の試合で高得点をマークした石川選手のジャンプサーブが決まり、25-17で中国代表に勝利した。
【コメント】
黒後愛選手
「(中国戦に向けた)対策というよりは、セッターの籾井とのコンビネーションを、籾井自身が気にしてくれていたので、自分ももっとやらないといけないと思った」
5月25日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1勝
3
25
25
25
–
–
タイ
1敗
0
15
17
16
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
2019年9月のワールドカップ以降、約1年8か月ぶりの国際大会で、中田久美監督は日本代表初選出のセッター・籾井あき選手をスターティングメンバーとして起用した。前半は島村春世選手の小気味良いクイック攻撃やアウトサイドヒッターの古賀紗理那選手、石川真佑選手の安定したスパイクで終始リードを奪った。最後は黒後愛選手が2連続スパイクを決めて、25-15で第1セットを奪った。
第2セット
前半はお互いにクイック攻撃の応酬でサイドアウトの奪い合いとなったが、日本はキャプテンの荒木絵里香選手のクイック攻撃と、要所での石川選手のスパイクなどで16-10として、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は古賀選手のサービスエースなどで19-10と大きくリード。終盤にタイのチャレンジが成功し2得点されるも、最後は荒木選手のクイック攻撃とサービスエースにより、25-17で2セットを連取した。
第3セット
序盤、この試合で決定率の高い島村選手のクイック攻撃を軸に得点を重ねた。長いラリーを古賀選手の豪快なパイプ攻撃で制し、さらには籾井選手のブロックポイントで10-5とリードした。中盤、相手ブロックに阻まれ連続失点を喫すると、10-9と迫られる。14-13になったところで、日本ベンチは田代佳奈美選手と林琴奈選手を2枚替えで投入。その林選手のスパイクや石川選手の強烈なクロススパイクが連続で決まり、20-15と再びリードを広げた。終盤には、荒木選手がダイレクトスパイクとブロックを決めると、最後は黒後選手が相手エースをシャットアウトして、25-16で大事な初戦を制した。
【コメント】
荒木絵里香選手
「久々の公式戦で(試合が)できることを幸せに感じるし、いいスタートを切れてよかった。この大会とオリンピックに向けて長い合宿をしてきたので、しっかりとその成果を出せた」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 8敗3敗 |
0 | 23 | 24 | 20 | – | – |
アメリカ 11勝 |
3 | 25 | 26 | 25 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
スターティングメンバーをこれまでの試合から大きく代え臨んだ第1セット、序盤から石川真佑選手のパイプ攻撃や石井優希選手のサービスエースで得点を重ねる日本に対し、アメリカはサーブミスが目立つも、クイック攻撃を軸としたコンビバレーを展開。シーソーゲームで試合が進むが、日本のタッチネットで6-8、1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、黒後愛選手のエンドラインぎりぎりを狙ったスパイクやサービスエース、石井選手のブロックの間を射抜くスパイクで応戦するも、アメリカの高い打点から繰り出されるスパイクで長いラリーをものにできず、流れを掴めない。12-16の場面で、日本はリリーフサーバーで鍋谷友理枝選手を投入し、勢いをもたらしたいところであったが、アメリカにレフトからのスパイクで日本のブロックを弾き飛ばされるなどして4連続失点を喫した。しかし終盤、石井選手のブロックアウトで得点すると、アメリカの連続スパイクミスや黒後選手のサービスエースなどで怒涛の6連続得点を挙げ22-23まで詰め寄った。しかし、あと一歩が及ばず最後はライトからの強烈なスパイクを決められ23-25で第1セットを先取された。
第2セット
スターティングメンバーを石川選手から林琴奈選手に代え臨んだ第2セット、黒後選手のクロススパイクや奥村麻依選手のファインレシーブを石井選手がコート中央へのフェイントでものにするなどで、スタートから主導権を握った。さらに石井選手の相手エースをシャットアウトするキルブロックや島村春世選手のブロード攻撃で8-6と、1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤もこのセットからスタートに起用された林選手のブロックを巧みにかわすストレートへのスパイクや、黒後選手のサービスエースなどで得点し、日本のペースで試合が進行した。林選手のプッシュ攻撃で16-13とし、2回目のテクニカルタイムアウトも取った日本、この勢いのままこのセットを奪いたいところであったが、徐々に高さで勝るアメリカのスパイクや強烈なサーブが牙をむき、19-19と同点に追いつかれた。その後、お互いが20点台に乗り、1点を争うシーソーゲームとなった。アメリカの強烈なスパイクや高いブロックに対し、井上琴絵選手のファインレシーブや島村選手のブロード攻撃で応戦し、このセットをデュースに持ち込んだ。しかし、アメリカの高いブロックに阻まれ、最後はブロード攻撃を決められ24-26でセットを連取された。
第3セット
後がない日本であったが、アメリカのアウトサイドヒッター陣から繰り出されるパワフルなスパイクにディフェンスを崩され、序盤からリードを許し5-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後ミスもあり、より点差を離されてしまう。この悪い流れを断ち切るべく、日本はセッターの関菜々巳選手と鍋谷選手を2枚替えで投入。直後、その鍋谷選手がライトからクロスへ鋭いスパイクを決め、ここから流れを引き寄せたい日本。林選手のストレートスパイクとエンドライン上を狙った巧みなスパイクで連続得点し、アメリカに13-16まで迫った。しかしその後、アメリカにスパイクやブロックを決められ3連続失点を喫し、13-19と再びリードを広げられた。終盤、日本は林選手のスパイクや島村選手のブロード攻撃で反撃のきっかけを掴みに行こうとするも、最後はレフトから強烈なスパイクを叩き込まれ20-25。セットカウント0-3のストレートでアメリカに敗れた。
【コメント】
石井優希選手
「アメリカのサーブがとても良く、パスが崩れてしまいサイドアウトからの展開がうまく取れず、ハイセットになる場面が増えてしまった。苦しい展開をこちら(日本)が作ってしまったという印象。(再びアメリカと対戦することになるとしたら)日本のサーブをもっと攻撃的なサーブにして、相手をハイセットにさせるような展開を作れたらいい。アメリカの攻撃はとても速く、いい状態を作られると相手のミドルブロッカーに(クイックで)切られる場面が多かったので、それをなくすためにもサーブがキーになると思う。日本がファイナルラウンドに進むためには(これから)1敗もできないと思うし、1セット落とすことさえも厳しい状況になっていくと思う。今日の試合は今日の試合として切り替え、明日のメンバーはどうなるか分からないが、チーム力で戦っていきたい。(次の試合への課題は)昨日まである程度メンバーを固めて戦ってきたが、控えのメンバーがどれだけいい試合をできるか、いい仕事をできるかで今後も変わっていくと思う。日本は特にチーム力を大事にしなければならないチームだと思うのでそこを頑張りたいと思う。(ネーションズリーグを通じてチームとして向上させていきたいことは)オリンピックに繋げるためにも、日本の武器であるサーブレシーブからの展開を、1本で決めきる徹底や、繋ぎの精度などの数字に表れない部分の丁寧さ、そういったところを突き詰めたい。この大会がオリンピックへの自信に繋がる大会にしなければならないと思う」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 8敗2敗 |
3 | 25 | 25 | 17 | 25 | – |
トルコ 8勝2敗 |
1 | 17 | 20 | 25 | 19 | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
第10戦は、予選ラウンド9試合を終えて8勝を挙げている2位のトルコを相手に迎えた。日本はここまで7勝を挙げて5位と、トルコを勝利数では1つ差で追いかけている。
序盤、スタートに起用された島村春世選手やキャプテン・荒木絵里香選手のクイック攻撃やブロックで9-9と両チーム互角の攻防となった。その後フェイントの応酬になるが、お互いにボールを落とさず長いラリーが続いた。しかし、黒後愛選手が強弱をつけたスパイクで連続得点を決めると、石川真佑選手がサービスエースを決め、12-9とリードする。さらに攻守で要の古賀紗理那選手が、バックからもパイプ攻撃を仕掛け連続得点し、16-11で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後も、黒後選手が相手リベロからサービスエースを奪い、18-11とさらにリードを広げた。終盤は荒木選手のクイック攻撃でサイドアウトを淡々と取り、最後は荒木選手がサーブで攻めてダイレクトで返ってきたボールを古賀選手が相手コートに押し込み、25-17で1セット目を先取した。
第2セット
開始直後、石川選手の目の覚めるようなサービスエースで幸先の良いスタートを切った日本。序盤から、黒後選手、石川選手の強烈なスパイクや相手ブロックを巧みに利用したスパイクで5連続得点し11-6とリードした。トルコベンチはたまらずタイムアウトを要求したが、その後もリベロ・小幡真子選手の好レシーブが随所に見られ、繋いだボールを古賀選手のスパイクで得点を挙げるなど、日本らしい粘りのあるバレーで3連続得点。2回目のテクニカルタイムアウト後には荒木選手のサービスエースで17-9とし、日本のペースで試合が流れた。決定率の高い島村選手のセンターからライトへ回り込むブロード攻撃が決まりだし20-13とリードをキープ。終盤、日本の攻撃がトルコの高いブロックに阻まれる場面もあったが、最後は1セット目に続き古賀選手のスパイクが決まり、25-20でセットを連取した。
第3セット
後がないトルコは、センターからのクイック攻撃を軸に反撃を開始した。サイドからの高さのある攻撃に対しても日本の守備陣が対応できず、6-12とリードを奪われた。日本ベンチは石井優希選手をコートに送り込み、その石井選手が相手の虚をつくフェイントを決めたが、11-21と差が縮まらない。さらにセッターの田代佳奈美選手も投入し、なんとか流れを変えようとした日本。黒後選手・古賀選手のスパイク、荒木選手のブロックで反撃するも、17-25で3セット目はトルコに奪われた。
第4セット
高さのあるトルコのクイック攻撃を荒木選手が1枚ブロックで仕留め1点目を挙げると、続いて石川選手がサーブで相手守備陣営を崩し、古賀選手がダイレクトスパイクを決めるなど序盤からリズム良く得点を重ねた。その後も古賀選手の見事なクロススパイク、島村選手の小気味よいクイック攻撃や黒後選手のバックアタックも決まり、8-4でテクニカルタイムアウトを取った。中盤に入り荒木選手がクイック攻撃で相手ブロックを弾き飛ばし、さらにブロックで得点を重ねた。セッターの籾井あき選手も相手エースをブロックでシャットアウト、島村選手とのコンビネーションもうまく組み立て16-12とし、日本ペースでゲームを展開した。古賀選手、黒後選手、石川選手の両サイドからの攻撃でさらに得点し、20-14でトルコベンチは2回目のタイムアウトを要求。しかし、小幡選手がフェイントボールに反応、それを古賀選手がスパイクで決め、さらには好調の島村選手がブロード攻撃を決めるなどして24点目を取った。最後は相手のミスで25-19と第4セットをものにし、セットカウント3-1でトルコに勝利した。
【コメント】
島村春世選手
「今日の1戦は順位的にも近いトルコ相手で、気迫で(向かって)来るだろうというチームのミーティングのもと、私たちも気迫を出してやっていこう、気持ちを出して戦っていこう、というのを1セット目のスタートでしっかり出せたことが今日の勝利に繋がったと思う。トルコの素晴らしいミドルブロッカー陣のスパイクは同じポジションとして尊敬できるところがあるので、(自分も)攻撃を頑張りたいと思った。みんながタフに動けていたところも勝因だった。3セット目は、パスは返っているけどスパイクが決まらないことから、パスも崩れてしまうという悪循環になってしまった。相手のブロックも高いのでそこのドツボにはまっていった。4セット目はもう一回気迫を出し、プレーというよりは気持ちを前面に出していくことで、パスも返るようになり、スパイクも工夫して決めることができた。(次に対戦する)アメリカは全勝で来ており、私たちはチャレンジャーとしての試合運びができると思うので、全勝のアメリカ相手に自分の力がどれだけ通用するのか、自分たちの戦略がどうはまるのかを探しながら、楽しみに戦いたいと思う」
6月8日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
7勝2敗
3
22
22
25
25
16
ポーランド
3勝6敗
2
25
25
22
23
14
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤は両チームともにサーブレシーブからの攻撃を淡々と決めきり、1点取られては1点返すようなサイドアウトの応酬となった。しかし、石川真佑選手のブロックアウトとポーランドのスパイクミスで連続得点し、8-7と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤に入ってからも両チーム1点を争う展開に。日本のキャプテン・荒木絵里香選手が鋭いBクイックを決めるとポーランドもクイック攻撃で切り返す、ポーランドのブロックが決まると、すぐさま古賀紗理那選手がブロックで得点するというような、一進一退の攻防が繰り広げられた。しかしポーランドにブロックを決められ、15-16と2回目のテクニカルタイムアウトはポーランドが取った。その後石川選手のブロックアウトや黒後愛選手のクロスへのスパイクなどで得点を重ねるも、ポーランドも角度のあるクイック攻撃などで応戦。しかし、終盤に連続失点を喫し、日本ベンチはタイムアウトを要求。ここから巻き返しを図りたいところであったが最後はサーブミスで22-25。第1セットを先取された。
第2セット
このセットも序盤から古賀選手がスパイクを決めるとポーランドもブロックアウトで応戦するというような1点を争う展開となった。しかし相手のミスで得点すると、山田二千華選手が相手ミドルブロッカーのクイック攻撃をシャットアウトし、さらに古賀選手のレフトサイドからコート中央へ切り込む攻撃もあり、3連続得点で9-7と日本がリードする。その後も黒後選手のファインレシーブから古賀選手のスパイク、山田選手のサービスエースなどで、12-8とさらにポーランドを突き放した。しかし、ポーランドに3連続ブロックを決められると、スパイクミスもあり15-15の同点まで追いつかれてしまう。なんとか石川選手のスパイクでその流れを切り、16-15で2回目のテクニカルタイムアウトを取った日本は、チャレンジの成功や、荒木選手のサーブで相手守備を崩し黒後選手がクロスへの強烈なスパイクを決めるなどして、20-18で先に20点台に乗った。この勢いのまま行きたい日本であったが、ポーランドのクイック攻撃や中央へのフェイントを拾うことができず、4連続失点を喫し、20-22と土壇場で逆転を許してしまう。その後、黒後選手のスパイクやリリーフサーバーで鍋谷友理枝選手の投入、山田選手のブロックで巻き返しを図るも、最後はライトからバックアタックを決められ25-22と2セットを連取された。
第3セット
後がない日本は荒木選手の気迫のこもったブロックでスタート切ると、黒後選手や古賀選手のスパイクで流れを作り5-2、ポーランドベンチは早くもタイムアウトを要求した。さらに日本はスパイクなどで得点を重ね、8-4と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤も日本のペースで試合は進行。山田選手のBクイックや相手パイプ攻撃を真下に叩き落すブロック、石川選手のブロックアウトや黒後選手の相手コートをよく見たフェイントで16-13と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。終盤、ポーランドはライトからの打点の高いスパイクで詰め寄ろうとするが、古賀選手のクロスへの鋭いスパイクや、ブロックをうまくかわすパイプ攻撃で得点し、24-20と先にセットポイントに到達した。ここから2点を返されるも、最後は石川選手がスパイクを決めきり25-22で1セットを取り返した。
第4セット
このセットも取り試合をフルセットに持ち込みたい日本は、古賀選手のアタックライン付近に打ち込むキレのあるスパイクで1点目を先取すると、石川選手のエンドラインぎりぎりへのスパイクやブロックアウトで得点を重ねた。対するポーランドもブロックやレフトからの角度のあるスパイクで応戦。しかし古賀選手のスパイクが決まり、8-7と1回目のテクニカルタイムアウトを日本が奪った。中盤、一時逆転を許した日本であったが、荒木選手のクイック攻撃などで3連続得点。さらに石川選手のサービスエースもあり、16-14と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。18-18で同点に追いつかれたが、黒後選手のサイドラインへのスパイクやキャプテン・荒木選手のブロード攻撃とブロックで得点し、さらに古賀選手のクロスへのスパイクで24-22とセットポイント。ポーランドに1点を返されるも、相手の強烈なスパイクを小幡真子選手が籾井あき選手にしっかり返球し、最後は古賀選手が打ち切り25-23。セットカウント0-2から2セットを連取し、この試合をファイナルセットへと持ち込んだ。
第5セット
15点で決着がつくファイナルセット、日本は古賀選手のスパイクで1点目を先取するが、ポーランドも両サイドからのスパイクで得点し、お互い一歩も譲らないラリーを展開。しかし、ポーランドのブロックアウトや日本のスパイクミスで4-6とリードを許してしまう。1点を返し、5-6の1点ビハインドの場面、日本はここでリリーフサーバーとして鍋谷選手を投入。その鍋谷選手がチームの期待に応えるサービスエースで6-6の同点、さらに石川選手のブロックで7-6と逆転に成功。しかし、ポーランドの高い打点から繰り出されるスパイクが日本ブロックを次々と弾き飛ばし、10-12と終盤で逆転されてしまう。ここで日本ベンチはタイムアウトを要求。選手・スタッフ全員で鼓舞し合い、コートに戻った日本は黒後選手・古賀選手のスパイクで連続得点し、12-12の同点とした。さらに古賀選手のサーブで相手を崩し、山田選手がネット際で押し込み、14-13とマッチポイントを先に握ったのは日本。この後ポーランドに1点を返されデュースに持ち込まれたが、石川選手のスパイクで得点し、最後はポーランドのスパイクミスで16-14。ファイナルセットを制した日本、セットカウント3-2のフルセットでポーランドに勝利した。
【コメント】
古賀紗理那選手
「今日はフルセットで勝ててほっとした。最後のセットはチームで一丸となって戦おうと最初に話して、それを体現できたことが勝利につながったと思う。最初は(スパイクを)叩き込まれることが多く失点が多かったが、フロントとバックの関係性を見直し、修正できたことが勝利したポイントだと思う。1本目を上げる人、2本目にトスを上げてくれる人のおかげで私たち(スパイカー)が決めることができるので、そういった気持ちも込めて戦っている。勝つことでチームや個人の自信につながると思うので、そこをモチベーションに(練習を)している。(荒木キャプテンについて)常に私たちがしっかりプレーができるように声掛けをしてくれることはもちろん、私たちの声掛けに対しても優しい眼差しで反応してくれるので、本当にすごいキャプテンだと思っている」
6月7日 日本×カナダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
6勝2敗
3
25
25
25
–
–
カナダ
2勝6敗
0
16
15
15
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
石川真佑選手のサービスエースから始まった第1セット、カナダのスパイクミスと黒後愛選手のブロックアウトで0-3とし、日本は序盤からこの試合の主導権を握った。さらに、小幡真子選手がブロックの横から抜けてくるスパイクをセッター・籾井あき選手に絶妙なパスで返球、それを山田二千華選手がクイック攻撃で決めきるという、昨日のオランダ戦で黒後選手が課題に挙げたブロックディフェンスが型にはまり、3-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤も流れを渡さなかった日本は、全員で繋いだボールを石川選手がブロックアウトで決めるなどして11-16で2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後も山田選手のクイック攻撃や黒後選手のサービスエースなどでリズムに乗ると、終盤には山田選手と籾井選手の2連続シャットアウトで23-16。中盤以降カナダに一度も連続得点を許さなかった日本、最後は石川選手が相手レシーバーを弾き飛ばすスパイクを繰り出し、25-16で第1セットを先取した。
第2セット
このセットを取り、試合を振り出しに戻したいカナダは序盤、コートの幅を広く使った攻撃を展開。2-4と、このセットは先行されてしまう。その後もミスが連発するなど、6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。しかし、石川選手のブロックアウトでその流れを切ると、古賀紗理那選手がブロックの間を狙いコースを打ち分け、さらに石川選手がサービスエースを決め、9-8と逆転に成功。ここで弾みをつけた日本は、古賀選手のアタックライン内側へのキレのあるスパイクや好調の山田選手のブロード攻撃、籾井選手のブロックなどで怒涛の6連続得点をたたき出した。一気にたたみかけたい日本は終盤、セッター・関菜々巳選手を投入すると、テンポの良いセットアップから黒後選手、石川選手、今大会初スタメンの芥川愛加選手が次々と決め、相手のミスもありセットポイント。最後は古賀選手が相手の意表を突くフェイントで得点し、5連続得点で25-15。2セットを連取した。
第3セット
2セットを連取しこの試合に王手をかけた日本、このセットも石川選手のサービスエースから幸先の良いスタートを切ると、山田選手のコート奥を狙ったクイック攻撃や籾井選手のブロックなどで得点。黒後選手のクロスへのスパイクも決まり、8-6と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤、スパイクミスや被ブロックで一時同点に追いつかれるも、カナダのスパイクミスや古賀選手のスパイクなどで14-11とし、カナダベンチはたまらずタイムアウトを要求。しかし日本の勢いはさらに増し、黒後選手のスパイクや石川選手のコートコーナーを狙いすましたパイプ攻撃、古賀選手のブロックの間を打ち抜くスパイクで、18-11まで一気に引き離した。終盤も籾井選手のクイック攻撃を積極的に使う強気なトス回しで得点を重ねると、22-15の場面で第2セット同様セッター・関選手を投入。ここから芥川選手のクイック攻撃、黒後選手の相手の意表を突くコート奥へのプッシュ攻撃、古賀選手のパイプ攻撃、そして最後は石川選手のブロックにねじ込むような強烈なスパイクで得点し25-15。全セット相手に20点を取らせず、セットカウント3-0のストレートでカナダに勝利した。
【コメント】
石川真佑選手
「自分たちのミスをもう少し減らすべきであった。自分たちの良いバレーができたところもあったが、ミスをしないことがどの試合でも大事になってくる。ストレートで勝てたことは大きいと思う。(毎日の試合で大変なことは)3日空いてから3連戦はきついが、自分たちで3試合の中で修正していくことが大事になってくると思う。個人的にサーブは良かったが、スパイクを決めきれない場面があったので、(ポーランド戦に向けて)サーブで狙われてもレシーブからスパイクを決めることを意識してやっていきたい」
6月6日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
5勝2敗
0
22
20
23
–
–
オランダ
5勝2敗
3
25
25
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ここまで5勝1敗で4位につけている日本は、前週のロシア戦で勝利した同様のスターティングメンバーでオランダ戦に臨んだ。前半はミスが連続してしまい4-8でリードを奪われた。井上琴絵選手の好レシーブが随所に見られたが、日本のスパイクがオランダの高いブロックにつかまり、リズムをつかめないまま9-16で2回目のテクニカルタイムアウトも取られた。後半、キャプテン・荒木絵里香選手のクイック攻撃とブロック、黒後愛選手のバックライトからの攻撃で反撃したものの、22-25で第1セットを奪われた。
第2セット
序盤は、黒後選手、古賀紗理那選手のスパイクが決まり、4-1と日本のペースで試合が流れた。しかし、サーブで陣営を崩され7-8でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤は好調の黒後選手がライトから強烈なスパイクで相手ミドルブロッカーのブロックを弾き飛ばし、さらに古賀選手がレフトからコースを巧みに打ち分けて14-12と逆転に成功。オランダベンチは、たまらずタイムアウトを要求した。その後オランダの高い打点から繰り出されるフェイントボールを拾いきれず16-19と再びリードを奪われた。しかし、後半に入りセッター・籾井あき選手は、好調の黒後選手にトスを集め、それに黒後選手が気迫のスパイクで応え20-22まで追い上げた。だが、最後はオランダにサービスエースを決められ20-25で2セット連取された。
第3セット
後がない日本は、古賀選手のスパイク、山田二千華選手、荒木選手の連続ブロックで必死に巻き返しを図ったものの、10-16でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤では、途中起用のリベロ・小幡真子選手が相手パイプ攻撃の強打をファインレシーブし、それをうまく繋いで黒後選手がバックライトからコート深くに強打を決めた。日本らしい粘りでラリーをものにした後、依然点差はあるものの連続得点を上げ15-18まで追い上げると、オランダベンチはすかさずタイムアウトを要求。その後、相手のミスや石川選手の高いブロックを利用したブロックアウトで得点を重ねた。そしてキャプテン・荒木選手の執念のブロックで相手エースをシャットアウトし、22-22の同点に追いついた。しかし一歩及ばず、最後は高さのあるクロススパイクを決められ、23-25。第3セットも取られ、セットカウント0-3でオランダに敗れた。
【コメント】
黒後愛選手
「相手が苦し紛れに落としてきたフェイントに対し、しっかり拾って攻撃まで展開できなかった。自分たちのディフェンスの甘さがあった。(次の試合に向けて)もう一度ブロックディフェンスの確認とアタッカーの打ちどころを考えていかないといけない」
6月2日 日本×ロシア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
5勝1敗
3
25
25
25
–
–
ロシア
3勝3敗
0
20
21
21
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日地元イタリアにフルセットの末勝利し、昨日終了時点で4勝1敗(勝点11)、4位に位置していた。対戦相手のロシアは昨日時点で8位(勝点8)だったが、今大会出場チームの中で平均身長が最も高い。中田久美監督は、2019年女子U20(ジュニア)世界選手権大会初優勝主軸メンバーで今大会初出場のミドルブロッカー・山田二千華選手、リベロには井上琴絵選手をスターティングメンバーに起用した。最初から長いラリーが続いたが、セッター・籾井あき選手はライトの黒後愛選手にトスを集めテンポ良く得点を重ね、6-2とリードした。中盤は古賀紗理那選手と石川真佑選手の両レフトがそれぞれ相手の高いブロックを巧みに利用し、コースを丁寧に打ち分け、安定的に得点を重ねた。終盤は石川選手にトスを集め強烈なクロススパイクで23-19とし、その後キャプテン・荒木絵里香選手が相手エースをブロックでし止め、25点目は副キャプテン・古賀選手の狙いをすましたスパイクがエンドラインぎりぎりに決まり1セット目を先取した。
第2セット
スタートからレフトの古賀選手、石川選手が好調で、山田選手のブロックも決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。相手のサーブで攻められ8-9と逆転されたが、荒木選手のクイック攻撃、サービスエースなどで12-10と再びリードを奪った。中盤は日本のミスもあり、14-15で日本のベンチはタイムアウトを要求。タイムアウト明けは、古賀選手がコート深くを狙ったクロススパイクを決め、レシーブで粘るロシアからのチャンスボールを山田選手がクイック攻撃でものにし、16-15、2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後、ロシアのサーブミスにも救われ21-19。ネット際で荒木選手が相手オポジットエースのナタリア・ゴンチャロワ選手(194cm)とのボールの押し合いに競り勝ちブロックポイントを上げ、さらには古賀選手が巧みなブロックアウトで立て続けに長いラリーを制した。最後は相手のサーブミスで25-21、2セットを連取した。
第3セット
3セット目はいきなり石川選手のサーブがさく裂。好調の古賀選手がサイドからのスパイクを確実に決め、8-5と日本のペースで試合が進んだ。中盤は黒後選手のライトからのスパイクや要所での山田選手のテンポ良いクイック攻撃が決まった。途中出場の林琴奈選手が相手フェイントを粘り強く拾うと、田代佳奈美選手がアンダーハンドで絶妙なトスを繋ぎ、そのボールを石川選手が相手コートに叩き込み15-13。古賀選手のサービスエースもあり、16-13とリードを保ったまま試合は後半へ突入した。終盤、籾井選手は石川選手にボールを集めつつ要所ではミドルブロッカー・荒木選手、山田選手のクイック攻撃を織り交ぜ22-19とした。相手ミスでマッチポイトを迎えた日本、最後は今日の試合で20得点をマークした石川選手のスパイクが決まり、25-21。セットカウント3-0のストレートで勝利を収めた。
【コメント】
荒木絵里香選手
「一昨日のブラジル戦ですごく悔しい負け方をしたが、チームとしてやることをもう一回整理してこの2戦を戦い抜けたことは次に繋がるゲームになったと思う。今日はアウトサイドヒッター陣の決定力が素晴らしかった。ブロックフォローなどの細かい繋ぎもうまくできたと思う。(今日大活躍の古賀選手について)チームの軸として攻守で安定していて本当に素晴らしかったと思う。若い選手が勢いをもたらしてくれ、チームが活性化していると思うので、さらに良くしていきたい。(次の試合に向けて)最善の準備を尽くしていくことが大事だと思うので、休養も取りつつ、対策も含めて良い準備をしていきたい」
6月1日 日本×イタリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
4勝1敗
3
27
25
16
21
15
イタリア
5敗
2
25
19
25
25
13
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本はタイ戦、中国戦と同じメンバーでスタートした。序盤、高い打点から長いコースへと放たれるイタリアの強打に苦しみ4-8と追う展開となった。キャプテン・荒木絵里香選手のブロックや古賀紗理那選手のスパイクなどで徐々に点差を詰め、13-15からは石川真佑選手がブロック、スパイクで得点し同点に追いついた。終盤には古賀選手の強打やサービスエースで24-22と点差を開き、デュースに持ち込まれたが最後は荒木選手がブロックを決めて27-25とセットを先取した。
第2セット
荒木選手のクイック攻撃、古賀選手のスパイクが決まって立ち上がりからリードを奪う。しかし、イタリアも連続ブロックやサービスエースで得点し、なかなか突き放すことができない。ネットインのサービスエースを決められて14-15と逆転を許したが、長いラリーを古賀選手のフェイントでものにし、すぐさま再逆転。その後は小幡真子選手や石川選手、荒木選手らの活躍で着実に得点を重ね、25-19でセット連取に成功した。
第3セット
第2セット途中からコートに入った奥村麻依選手がそのまま出場。古賀選手が攻守に奮闘するが、相手サーブに攻め込まれてミスが出てしまい、5-8、6-13とリズムをつかめない。田代佳奈美選手や石井優希選手、林琴奈選手を投入して挽回を図るが、イタリアの効果的な選手交代とサーブを前に16-25でこのセットを落とした。
第4セット
第3セットのスターティングメンバーに戻して臨んだ序盤は、荒木選手が連続サービスエースを決めたものの一進一退。18-18からは相手のアウトサイドヒッター、特にレフトからの強打を防ぎきれず得点を重ねられ、黒後愛選手のポイントも及ばず21-25。勝負はファイナルセットへ。
第5セット
最終セットもお互いに好プレーの連続で一歩も譲らず、10-10まで均衡が保たれた。しかしここから古賀選手が強打を決めると、次のラリーでは相手オポジットを2枚ブロックでしとめて12-10と2点差をつけた。このリードを守った日本が15-13でイタリアに勝利し、4勝目を手にした。
【コメント】
古賀紗理那選手
「3、4セット目でミスが目立ったことがフルセットの原因だと思う。チームとしてもう一回修正していきたい。(イタリアは)パワーが私たちとは全然違う印象で、ファイナルセットまでいってしまったが、今日は絶対に勝つんだ、という気持ちで戦っていた。特に昨日、ブラジルに0-3で負けてしまっていたので、チームとして修正して戦っていこうと今日のミーティングで話していた。その意味でも絶対に落とせない試合だった」
5月31日 日本×ブラジル 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝1敗
0
15
19
21
–
–
ブラジル
3勝1敗
3
25
25
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤、日本は古賀紗理那選手、石川真佑選手のスパイクで着実に得点を重ねたが、高さで勝るブラジルのコーナーを狙うスパイクやブロックに苦しめられ、5-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。テクニカルタイムアウト後もブラジルの強烈なバックアタックなどでさらに点差を広げられてしまう。13-19の場面、流れを変えたい日本は、2枚替えで関菜々巳選手と林琴奈選手を投入。その関選手の丁寧なセットから古賀選手の鋭いスパイクや、2枚替えでコートに戻った黒後愛選手のブロックにねじ込むようなスパイクが決まり、ここから反撃といきたいところだったが、20点以降に連続得点を決められ、最後はサービスエースで15-25と第1セットを奪われた。
第2セット
奥村麻依選手のクイック攻撃と古賀選手の苦しい体勢から気迫のこもったスパイクで2点を先取した。しかし、ブラジルの好レシーブやブロックの上から繰り出されるスパイクなどで4-8と、このセットもブラジルに1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。その後も高さとパワーを生かしたブラジルのバレーに苦しめられ、じりじりと点差をつけられた。しかし、中盤に黒後選手の好レシーブから古賀選手のスパイク、籾井あき選手の十分でない体勢から丁寧に上げたアンダートスを石川選手が決めきるなどして得点を重ね、さらに島村春世選手のサービスエースで15-18と3点差まで追い上げた。この流れのまま点差を縮めたい日本は、ブラジルが先に20点台に乗った後もこのセットから出場したリベロ・小幡真子選手が体を張ったレシーブで食らいつき、奥村選手のブロック、石川選手のサービスエースで追い上げを図った。しかし最後はブラジルにスパイクを決められ、19-25で第2セットも落とした。
第3セット
なんとしてでもこのセットを取りたい日本は序盤、奥村選手のブロックや島村選手のブロード攻撃など、両ミドルブロッカーの得点により流れを作り、石川選手、黒後選手の相手ブロックを巧く使ったスパイクなどで4連続得点し8-5とこの試合初めてテクニカルタイムアウトを取った。その後、ブラジルに3連続得点を許すも、古賀選手のパイプ攻撃でその流れを切り、さらに島村選手のコミットブロックもあり13-13と、中盤まではシーソーゲームとなった。しかし、ブラジルの強打を拾い上げる粘りと角度あるスパイクなどで4連続失点を喫し、14-17と離されてしまった。終盤日本は17-21でタイムアウトを要求、黒後選手と古賀選手のスパイクによる得点から立て直しを図りたいところだったが、最後はストレートに強烈なスパイクを決められ、21-25。セットカウント0-3でブラジルに敗れた。
【コメント】
籾井あき選手
「戦う以前に自分たちの勝つという気持ちをあまり出せていなかった。押されている感じだったのがまずは敗因だったと思う。サーブレシーブからのコンビネーションの精度に関して、パスが返っても決まらないことが多かったので、サーブレシーブ・アタックでサイドアウトを1回で切ることが大切だったと思う。(イタリアに勝つための改善点は)相手以前にまずは自分たちの精度を上げていけるようにしていきたい。私の場合はコンビネーションの精度、サーブも今日はミスが多かったので改善していきたい」
5月27日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝
3
25
25
27
–
–
韓国
1勝2敗
0
18
18
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ネーションズリーグ第3戦となる韓国戦で中田久美監督はミドルブロッカーに今大会初出場の奥村麻依選手をスターティングメンバーに起用した。序盤その奥村選手のブロックポイントとサービスエースなどで5-2と幸先の良いスタートを切った。8-3で先にテクニカルタイムアウトを取った日本は、その後韓国に3連続得点を許すも、石川真佑選手・古賀紗理那選手・黒後愛選手のアウトサイドヒッター陣が奮闘し、相手に流れを渡さないまま試合は進んだ。さらに奥村選手のブロード攻撃などで20-16とし、韓国はたまらずタイムアウトを要求した。この後も相手に一切の隙を見せなかった日本、最後は古賀選手の強烈なスパイクで25-18と第1セットを先取した。
第2セット
このセットも序盤は奥村選手のサービスエースから流れを掴んだ日本は、古賀選手のブロックや石川選手のスパイクなどで8-4とし、先にテクニカルタイムアウトを取った。中盤、小幡真子選手のスパイカーを救うブロックフォローや石川選手と古賀選手の威力あるスパイクで得点を量産し、16-9とさらに突き放した。19-12でセッターの田代選手を投入した日本は、島村春世選手のクイック攻撃やクイック攻撃を囮に使う時間差攻撃などの多彩なコンビネーションで相手ブロッカーを翻弄し、このセットに拍車をかけた。最後は相手のサーブミスで25-18と2セットを連取し、この試合に王手をかけた。
第3セット
3セット目、後がなくなった韓国は日本でもプレー経験のあるエースのキム・ヨンギョン選手にボールを集め、2-8と日本は序盤から苦しい展開となった。しかし、2度の長いラリーを石川選手のブロックポイントと鋭いスパイクで制すと、黒後選手のスパイクや奥村選手のブロックポイントで怒涛の5連続ポイントをたたき出し、12-13まで詰め寄った。しばらく韓国リードで試合は進んだが、籾井選手のサービスエースで23-22とついに逆転に成功。しかし、相手も一歩も引かず先にセットポイントを握ったのは韓国。ここでチームを救ったのは奥村選手気迫のブロックであった。24-24と試合をデュースに持ち込み、最後は古賀選手の3連続得点で27-25。3セット目も取った日本が韓国相手にセットカウント3-0で勝利を収めた。
【コメ
【コメント】
中田久美監督
「ここまで2連勝していて、対韓国戦ということで、チームとして大事な試合になると思っていた。ストレートで勝てて良かった。(石川選手と黒後選手について)今日は韓国の弱点を石川はうまくついていけたと感じる。まだ取りこぼしやミスも多かったが、黒後も冷静に判断していた」
石川真佑選手
「自分たちのバレーをしようと(試合に)入り、1セット目・2セット目はいい流れがあった。3セット目の出だしはいい流れを作れなかったと思う。(開幕3連勝について)いい入りができたので、このままのいい流れを次の3試合に続けていきたい」
5月26日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2勝
3
25
25
25
–
–
中国
1勝1敗
0
13
19
17
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日タイに快勝した同じメンバーでスタートした。序盤は石川真佑選手のスパイクが良く決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は若い中国選手のミスが目立ち16-13とリードを広げた。その後は、ネット際の巧みなプッシュ攻撃や好調な石川選手の強烈なサイドからのスパイク、古賀紗理那選手のパイプ攻撃も加わり中国を圧倒した。終盤は怒涛の10連続得点をたたき出し、最後はキャプテン荒木絵里香選手のブロックが決まり、25-13で第1セットを奪った。
第2セット
前半は、日本のテンポの良い攻撃でリズム良く得点を重ねた。古賀選手、石川選手のレフトサイドからの角度あるスパイクが決まり、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトを取った。終盤は古賀選手の軟打や黒後愛選手のライトからの攻撃が良く決まった。また、石川選手の強烈なストレートスパイクなどで得点を重ね、最後は黒後選手のスパイクで相手ブロックを弾き飛ばし、25-19で2セットを連取した。
第3セット
第3セットに入っても日本の攻撃は緩まず、荒木選手、黒後選手のサーブで相手守備を翻弄した。島村春世選手のブロード攻撃の決定率が高く、10-3と先行する。中盤サイドアウトの応酬となったが、籾井あき選手のコートの幅をフルに使ったトスワークにより、黒後選手のバックライトからの攻撃を引き出し、それぞれのアタッカーがより一層小気味良い攻撃を繰り広げた。20-12とさらにリードを広げ、終盤はリベロ小幡真子選手とセッター籾井選手の好レシーブや、長いラリーに終止符を打つ黒後選手のスパイクで24点目をもぎ取った。最後は今日の試合で高得点をマークした石川選手のジャンプサーブが決まり、25-17で中国代表に勝利した。
【コメント】
黒後愛選手
「(中国戦に向けた)対策というよりは、セッターの籾井とのコンビネーションを、籾井自身が気にしてくれていたので、自分ももっとやらないといけないと思った」
5月25日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1勝
3
25
25
25
–
–
タイ
1敗
0
15
17
16
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
2019年9月のワールドカップ以降、約1年8か月ぶりの国際大会で、中田久美監督は日本代表初選出のセッター・籾井あき選手をスターティングメンバーとして起用した。前半は島村春世選手の小気味良いクイック攻撃やアウトサイドヒッターの古賀紗理那選手、石川真佑選手の安定したスパイクで終始リードを奪った。最後は黒後愛選手が2連続スパイクを決めて、25-15で第1セットを奪った。
第2セット
前半はお互いにクイック攻撃の応酬でサイドアウトの奪い合いとなったが、日本はキャプテンの荒木絵里香選手のクイック攻撃と、要所での石川選手のスパイクなどで16-10として、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は古賀選手のサービスエースなどで19-10と大きくリード。終盤にタイのチャレンジが成功し2得点されるも、最後は荒木選手のクイック攻撃とサービスエースにより、25-17で2セットを連取した。
第3セット
序盤、この試合で決定率の高い島村選手のクイック攻撃を軸に得点を重ねた。長いラリーを古賀選手の豪快なパイプ攻撃で制し、さらには籾井選手のブロックポイントで10-5とリードした。中盤、相手ブロックに阻まれ連続失点を喫すると、10-9と迫られる。14-13になったところで、日本ベンチは田代佳奈美選手と林琴奈選手を2枚替えで投入。その林選手のスパイクや石川選手の強烈なクロススパイクが連続で決まり、20-15と再びリードを広げた。終盤には、荒木選手がダイレクトスパイクとブロックを決めると、最後は黒後選手が相手エースをシャットアウトして、25-16で大事な初戦を制した。
【コメント】
荒木絵里香選手
「久々の公式戦で(試合が)できることを幸せに感じるし、いいスタートを切れてよかった。この大会とオリンピックに向けて長い合宿をしてきたので、しっかりとその成果を出せた」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 7勝2敗 |
3 | 22 | 22 | 25 | 25 | 16 |
ポーランド 3勝6敗 |
2 | 25 | 25 | 22 | 23 | 14 |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤は両チームともにサーブレシーブからの攻撃を淡々と決めきり、1点取られては1点返すようなサイドアウトの応酬となった。しかし、石川真佑選手のブロックアウトとポーランドのスパイクミスで連続得点し、8-7と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤に入ってからも両チーム1点を争う展開に。日本のキャプテン・荒木絵里香選手が鋭いBクイックを決めるとポーランドもクイック攻撃で切り返す、ポーランドのブロックが決まると、すぐさま古賀紗理那選手がブロックで得点するというような、一進一退の攻防が繰り広げられた。しかしポーランドにブロックを決められ、15-16と2回目のテクニカルタイムアウトはポーランドが取った。その後石川選手のブロックアウトや黒後愛選手のクロスへのスパイクなどで得点を重ねるも、ポーランドも角度のあるクイック攻撃などで応戦。しかし、終盤に連続失点を喫し、日本ベンチはタイムアウトを要求。ここから巻き返しを図りたいところであったが最後はサーブミスで22-25。第1セットを先取された。
第2セット
このセットも序盤から古賀選手がスパイクを決めるとポーランドもブロックアウトで応戦するというような1点を争う展開となった。しかし相手のミスで得点すると、山田二千華選手が相手ミドルブロッカーのクイック攻撃をシャットアウトし、さらに古賀選手のレフトサイドからコート中央へ切り込む攻撃もあり、3連続得点で9-7と日本がリードする。その後も黒後選手のファインレシーブから古賀選手のスパイク、山田選手のサービスエースなどで、12-8とさらにポーランドを突き放した。しかし、ポーランドに3連続ブロックを決められると、スパイクミスもあり15-15の同点まで追いつかれてしまう。なんとか石川選手のスパイクでその流れを切り、16-15で2回目のテクニカルタイムアウトを取った日本は、チャレンジの成功や、荒木選手のサーブで相手守備を崩し黒後選手がクロスへの強烈なスパイクを決めるなどして、20-18で先に20点台に乗った。この勢いのまま行きたい日本であったが、ポーランドのクイック攻撃や中央へのフェイントを拾うことができず、4連続失点を喫し、20-22と土壇場で逆転を許してしまう。その後、黒後選手のスパイクやリリーフサーバーで鍋谷友理枝選手の投入、山田選手のブロックで巻き返しを図るも、最後はライトからバックアタックを決められ25-22と2セットを連取された。
第3セット
後がない日本は荒木選手の気迫のこもったブロックでスタート切ると、黒後選手や古賀選手のスパイクで流れを作り5-2、ポーランドベンチは早くもタイムアウトを要求した。さらに日本はスパイクなどで得点を重ね、8-4と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤も日本のペースで試合は進行。山田選手のBクイックや相手パイプ攻撃を真下に叩き落すブロック、石川選手のブロックアウトや黒後選手の相手コートをよく見たフェイントで16-13と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。終盤、ポーランドはライトからの打点の高いスパイクで詰め寄ろうとするが、古賀選手のクロスへの鋭いスパイクや、ブロックをうまくかわすパイプ攻撃で得点し、24-20と先にセットポイントに到達した。ここから2点を返されるも、最後は石川選手がスパイクを決めきり25-22で1セットを取り返した。
第4セット
このセットも取り試合をフルセットに持ち込みたい日本は、古賀選手のアタックライン付近に打ち込むキレのあるスパイクで1点目を先取すると、石川選手のエンドラインぎりぎりへのスパイクやブロックアウトで得点を重ねた。対するポーランドもブロックやレフトからの角度のあるスパイクで応戦。しかし古賀選手のスパイクが決まり、8-7と1回目のテクニカルタイムアウトを日本が奪った。中盤、一時逆転を許した日本であったが、荒木選手のクイック攻撃などで3連続得点。さらに石川選手のサービスエースもあり、16-14と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。18-18で同点に追いつかれたが、黒後選手のサイドラインへのスパイクやキャプテン・荒木選手のブロード攻撃とブロックで得点し、さらに古賀選手のクロスへのスパイクで24-22とセットポイント。ポーランドに1点を返されるも、相手の強烈なスパイクを小幡真子選手が籾井あき選手にしっかり返球し、最後は古賀選手が打ち切り25-23。セットカウント0-2から2セットを連取し、この試合をファイナルセットへと持ち込んだ。
第5セット
15点で決着がつくファイナルセット、日本は古賀選手のスパイクで1点目を先取するが、ポーランドも両サイドからのスパイクで得点し、お互い一歩も譲らないラリーを展開。しかし、ポーランドのブロックアウトや日本のスパイクミスで4-6とリードを許してしまう。1点を返し、5-6の1点ビハインドの場面、日本はここでリリーフサーバーとして鍋谷選手を投入。その鍋谷選手がチームの期待に応えるサービスエースで6-6の同点、さらに石川選手のブロックで7-6と逆転に成功。しかし、ポーランドの高い打点から繰り出されるスパイクが日本ブロックを次々と弾き飛ばし、10-12と終盤で逆転されてしまう。ここで日本ベンチはタイムアウトを要求。選手・スタッフ全員で鼓舞し合い、コートに戻った日本は黒後選手・古賀選手のスパイクで連続得点し、12-12の同点とした。さらに古賀選手のサーブで相手を崩し、山田選手がネット際で押し込み、14-13とマッチポイントを先に握ったのは日本。この後ポーランドに1点を返されデュースに持ち込まれたが、石川選手のスパイクで得点し、最後はポーランドのスパイクミスで16-14。ファイナルセットを制した日本、セットカウント3-2のフルセットでポーランドに勝利した。
【コメント】
古賀紗理那選手
「今日はフルセットで勝ててほっとした。最後のセットはチームで一丸となって戦おうと最初に話して、それを体現できたことが勝利につながったと思う。最初は(スパイクを)叩き込まれることが多く失点が多かったが、フロントとバックの関係性を見直し、修正できたことが勝利したポイントだと思う。1本目を上げる人、2本目にトスを上げてくれる人のおかげで私たち(スパイカー)が決めることができるので、そういった気持ちも込めて戦っている。勝つことでチームや個人の自信につながると思うので、そこをモチベーションに(練習を)している。(荒木キャプテンについて)常に私たちがしっかりプレーができるように声掛けをしてくれることはもちろん、私たちの声掛けに対しても優しい眼差しで反応してくれるので、本当にすごいキャプテンだと思っている」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 6勝2敗 |
3 | 25 | 25 | 25 | – | – |
カナダ 2勝6敗 |
0 | 16 | 15 | 15 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
石川真佑選手のサービスエースから始まった第1セット、カナダのスパイクミスと黒後愛選手のブロックアウトで0-3とし、日本は序盤からこの試合の主導権を握った。さらに、小幡真子選手がブロックの横から抜けてくるスパイクをセッター・籾井あき選手に絶妙なパスで返球、それを山田二千華選手がクイック攻撃で決めきるという、昨日のオランダ戦で黒後選手が課題に挙げたブロックディフェンスが型にはまり、3-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤も流れを渡さなかった日本は、全員で繋いだボールを石川選手がブロックアウトで決めるなどして11-16で2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後も山田選手のクイック攻撃や黒後選手のサービスエースなどでリズムに乗ると、終盤には山田選手と籾井選手の2連続シャットアウトで23-16。中盤以降カナダに一度も連続得点を許さなかった日本、最後は石川選手が相手レシーバーを弾き飛ばすスパイクを繰り出し、25-16で第1セットを先取した。
第2セット
このセットを取り、試合を振り出しに戻したいカナダは序盤、コートの幅を広く使った攻撃を展開。2-4と、このセットは先行されてしまう。その後もミスが連発するなど、6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。しかし、石川選手のブロックアウトでその流れを切ると、古賀紗理那選手がブロックの間を狙いコースを打ち分け、さらに石川選手がサービスエースを決め、9-8と逆転に成功。ここで弾みをつけた日本は、古賀選手のアタックライン内側へのキレのあるスパイクや好調の山田選手のブロード攻撃、籾井選手のブロックなどで怒涛の6連続得点をたたき出した。一気にたたみかけたい日本は終盤、セッター・関菜々巳選手を投入すると、テンポの良いセットアップから黒後選手、石川選手、今大会初スタメンの芥川愛加選手が次々と決め、相手のミスもありセットポイント。最後は古賀選手が相手の意表を突くフェイントで得点し、5連続得点で25-15。2セットを連取した。
第3セット
2セットを連取しこの試合に王手をかけた日本、このセットも石川選手のサービスエースから幸先の良いスタートを切ると、山田選手のコート奥を狙ったクイック攻撃や籾井選手のブロックなどで得点。黒後選手のクロスへのスパイクも決まり、8-6と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤、スパイクミスや被ブロックで一時同点に追いつかれるも、カナダのスパイクミスや古賀選手のスパイクなどで14-11とし、カナダベンチはたまらずタイムアウトを要求。しかし日本の勢いはさらに増し、黒後選手のスパイクや石川選手のコートコーナーを狙いすましたパイプ攻撃、古賀選手のブロックの間を打ち抜くスパイクで、18-11まで一気に引き離した。終盤も籾井選手のクイック攻撃を積極的に使う強気なトス回しで得点を重ねると、22-15の場面で第2セット同様セッター・関選手を投入。ここから芥川選手のクイック攻撃、黒後選手の相手の意表を突くコート奥へのプッシュ攻撃、古賀選手のパイプ攻撃、そして最後は石川選手のブロックにねじ込むような強烈なスパイクで得点し25-15。全セット相手に20点を取らせず、セットカウント3-0のストレートでカナダに勝利した。
【コメント】
石川真佑選手
「自分たちのミスをもう少し減らすべきであった。自分たちの良いバレーができたところもあったが、ミスをしないことがどの試合でも大事になってくる。ストレートで勝てたことは大きいと思う。(毎日の試合で大変なことは)3日空いてから3連戦はきついが、自分たちで3試合の中で修正していくことが大事になってくると思う。個人的にサーブは良かったが、スパイクを決めきれない場面があったので、(ポーランド戦に向けて)サーブで狙われてもレシーブからスパイクを決めることを意識してやっていきたい」
6月6日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
5勝2敗
0
22
20
23
–
–
オランダ
5勝2敗
3
25
25
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ここまで5勝1敗で4位につけている日本は、前週のロシア戦で勝利した同様のスターティングメンバーでオランダ戦に臨んだ。前半はミスが連続してしまい4-8でリードを奪われた。井上琴絵選手の好レシーブが随所に見られたが、日本のスパイクがオランダの高いブロックにつかまり、リズムをつかめないまま9-16で2回目のテクニカルタイムアウトも取られた。後半、キャプテン・荒木絵里香選手のクイック攻撃とブロック、黒後愛選手のバックライトからの攻撃で反撃したものの、22-25で第1セットを奪われた。
第2セット
序盤は、黒後選手、古賀紗理那選手のスパイクが決まり、4-1と日本のペースで試合が流れた。しかし、サーブで陣営を崩され7-8でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤は好調の黒後選手がライトから強烈なスパイクで相手ミドルブロッカーのブロックを弾き飛ばし、さらに古賀選手がレフトからコースを巧みに打ち分けて14-12と逆転に成功。オランダベンチは、たまらずタイムアウトを要求した。その後オランダの高い打点から繰り出されるフェイントボールを拾いきれず16-19と再びリードを奪われた。しかし、後半に入りセッター・籾井あき選手は、好調の黒後選手にトスを集め、それに黒後選手が気迫のスパイクで応え20-22まで追い上げた。だが、最後はオランダにサービスエースを決められ20-25で2セット連取された。
第3セット
後がない日本は、古賀選手のスパイク、山田二千華選手、荒木選手の連続ブロックで必死に巻き返しを図ったものの、10-16でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤では、途中起用のリベロ・小幡真子選手が相手パイプ攻撃の強打をファインレシーブし、それをうまく繋いで黒後選手がバックライトからコート深くに強打を決めた。日本らしい粘りでラリーをものにした後、依然点差はあるものの連続得点を上げ15-18まで追い上げると、オランダベンチはすかさずタイムアウトを要求。その後、相手のミスや石川選手の高いブロックを利用したブロックアウトで得点を重ねた。そしてキャプテン・荒木選手の執念のブロックで相手エースをシャットアウトし、22-22の同点に追いついた。しかし一歩及ばず、最後は高さのあるクロススパイクを決められ、23-25。第3セットも取られ、セットカウント0-3でオランダに敗れた。
【コメント】
黒後愛選手
「相手が苦し紛れに落としてきたフェイントに対し、しっかり拾って攻撃まで展開できなかった。自分たちのディフェンスの甘さがあった。(次の試合に向けて)もう一度ブロックディフェンスの確認とアタッカーの打ちどころを考えていかないといけない」
6月2日 日本×ロシア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
5勝1敗
3
25
25
25
–
–
ロシア
3勝3敗
0
20
21
21
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日地元イタリアにフルセットの末勝利し、昨日終了時点で4勝1敗(勝点11)、4位に位置していた。対戦相手のロシアは昨日時点で8位(勝点8)だったが、今大会出場チームの中で平均身長が最も高い。中田久美監督は、2019年女子U20(ジュニア)世界選手権大会初優勝主軸メンバーで今大会初出場のミドルブロッカー・山田二千華選手、リベロには井上琴絵選手をスターティングメンバーに起用した。最初から長いラリーが続いたが、セッター・籾井あき選手はライトの黒後愛選手にトスを集めテンポ良く得点を重ね、6-2とリードした。中盤は古賀紗理那選手と石川真佑選手の両レフトがそれぞれ相手の高いブロックを巧みに利用し、コースを丁寧に打ち分け、安定的に得点を重ねた。終盤は石川選手にトスを集め強烈なクロススパイクで23-19とし、その後キャプテン・荒木絵里香選手が相手エースをブロックでし止め、25点目は副キャプテン・古賀選手の狙いをすましたスパイクがエンドラインぎりぎりに決まり1セット目を先取した。
第2セット
スタートからレフトの古賀選手、石川選手が好調で、山田選手のブロックも決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。相手のサーブで攻められ8-9と逆転されたが、荒木選手のクイック攻撃、サービスエースなどで12-10と再びリードを奪った。中盤は日本のミスもあり、14-15で日本のベンチはタイムアウトを要求。タイムアウト明けは、古賀選手がコート深くを狙ったクロススパイクを決め、レシーブで粘るロシアからのチャンスボールを山田選手がクイック攻撃でものにし、16-15、2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後、ロシアのサーブミスにも救われ21-19。ネット際で荒木選手が相手オポジットエースのナタリア・ゴンチャロワ選手(194cm)とのボールの押し合いに競り勝ちブロックポイントを上げ、さらには古賀選手が巧みなブロックアウトで立て続けに長いラリーを制した。最後は相手のサーブミスで25-21、2セットを連取した。
第3セット
3セット目はいきなり石川選手のサーブがさく裂。好調の古賀選手がサイドからのスパイクを確実に決め、8-5と日本のペースで試合が進んだ。中盤は黒後選手のライトからのスパイクや要所での山田選手のテンポ良いクイック攻撃が決まった。途中出場の林琴奈選手が相手フェイントを粘り強く拾うと、田代佳奈美選手がアンダーハンドで絶妙なトスを繋ぎ、そのボールを石川選手が相手コートに叩き込み15-13。古賀選手のサービスエースもあり、16-13とリードを保ったまま試合は後半へ突入した。終盤、籾井選手は石川選手にボールを集めつつ要所ではミドルブロッカー・荒木選手、山田選手のクイック攻撃を織り交ぜ22-19とした。相手ミスでマッチポイトを迎えた日本、最後は今日の試合で20得点をマークした石川選手のスパイクが決まり、25-21。セットカウント3-0のストレートで勝利を収めた。
【コメント】
荒木絵里香選手
「一昨日のブラジル戦ですごく悔しい負け方をしたが、チームとしてやることをもう一回整理してこの2戦を戦い抜けたことは次に繋がるゲームになったと思う。今日はアウトサイドヒッター陣の決定力が素晴らしかった。ブロックフォローなどの細かい繋ぎもうまくできたと思う。(今日大活躍の古賀選手について)チームの軸として攻守で安定していて本当に素晴らしかったと思う。若い選手が勢いをもたらしてくれ、チームが活性化していると思うので、さらに良くしていきたい。(次の試合に向けて)最善の準備を尽くしていくことが大事だと思うので、休養も取りつつ、対策も含めて良い準備をしていきたい」
6月1日 日本×イタリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
4勝1敗
3
27
25
16
21
15
イタリア
5敗
2
25
19
25
25
13
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本はタイ戦、中国戦と同じメンバーでスタートした。序盤、高い打点から長いコースへと放たれるイタリアの強打に苦しみ4-8と追う展開となった。キャプテン・荒木絵里香選手のブロックや古賀紗理那選手のスパイクなどで徐々に点差を詰め、13-15からは石川真佑選手がブロック、スパイクで得点し同点に追いついた。終盤には古賀選手の強打やサービスエースで24-22と点差を開き、デュースに持ち込まれたが最後は荒木選手がブロックを決めて27-25とセットを先取した。
第2セット
荒木選手のクイック攻撃、古賀選手のスパイクが決まって立ち上がりからリードを奪う。しかし、イタリアも連続ブロックやサービスエースで得点し、なかなか突き放すことができない。ネットインのサービスエースを決められて14-15と逆転を許したが、長いラリーを古賀選手のフェイントでものにし、すぐさま再逆転。その後は小幡真子選手や石川選手、荒木選手らの活躍で着実に得点を重ね、25-19でセット連取に成功した。
第3セット
第2セット途中からコートに入った奥村麻依選手がそのまま出場。古賀選手が攻守に奮闘するが、相手サーブに攻め込まれてミスが出てしまい、5-8、6-13とリズムをつかめない。田代佳奈美選手や石井優希選手、林琴奈選手を投入して挽回を図るが、イタリアの効果的な選手交代とサーブを前に16-25でこのセットを落とした。
第4セット
第3セットのスターティングメンバーに戻して臨んだ序盤は、荒木選手が連続サービスエースを決めたものの一進一退。18-18からは相手のアウトサイドヒッター、特にレフトからの強打を防ぎきれず得点を重ねられ、黒後愛選手のポイントも及ばず21-25。勝負はファイナルセットへ。
第5セット
最終セットもお互いに好プレーの連続で一歩も譲らず、10-10まで均衡が保たれた。しかしここから古賀選手が強打を決めると、次のラリーでは相手オポジットを2枚ブロックでしとめて12-10と2点差をつけた。このリードを守った日本が15-13でイタリアに勝利し、4勝目を手にした。
【コメント】
古賀紗理那選手
「3、4セット目でミスが目立ったことがフルセットの原因だと思う。チームとしてもう一回修正していきたい。(イタリアは)パワーが私たちとは全然違う印象で、ファイナルセットまでいってしまったが、今日は絶対に勝つんだ、という気持ちで戦っていた。特に昨日、ブラジルに0-3で負けてしまっていたので、チームとして修正して戦っていこうと今日のミーティングで話していた。その意味でも絶対に落とせない試合だった」
5月31日 日本×ブラジル 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝1敗
0
15
19
21
–
–
ブラジル
3勝1敗
3
25
25
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤、日本は古賀紗理那選手、石川真佑選手のスパイクで着実に得点を重ねたが、高さで勝るブラジルのコーナーを狙うスパイクやブロックに苦しめられ、5-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。テクニカルタイムアウト後もブラジルの強烈なバックアタックなどでさらに点差を広げられてしまう。13-19の場面、流れを変えたい日本は、2枚替えで関菜々巳選手と林琴奈選手を投入。その関選手の丁寧なセットから古賀選手の鋭いスパイクや、2枚替えでコートに戻った黒後愛選手のブロックにねじ込むようなスパイクが決まり、ここから反撃といきたいところだったが、20点以降に連続得点を決められ、最後はサービスエースで15-25と第1セットを奪われた。
第2セット
奥村麻依選手のクイック攻撃と古賀選手の苦しい体勢から気迫のこもったスパイクで2点を先取した。しかし、ブラジルの好レシーブやブロックの上から繰り出されるスパイクなどで4-8と、このセットもブラジルに1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。その後も高さとパワーを生かしたブラジルのバレーに苦しめられ、じりじりと点差をつけられた。しかし、中盤に黒後選手の好レシーブから古賀選手のスパイク、籾井あき選手の十分でない体勢から丁寧に上げたアンダートスを石川選手が決めきるなどして得点を重ね、さらに島村春世選手のサービスエースで15-18と3点差まで追い上げた。この流れのまま点差を縮めたい日本は、ブラジルが先に20点台に乗った後もこのセットから出場したリベロ・小幡真子選手が体を張ったレシーブで食らいつき、奥村選手のブロック、石川選手のサービスエースで追い上げを図った。しかし最後はブラジルにスパイクを決められ、19-25で第2セットも落とした。
第3セット
なんとしてでもこのセットを取りたい日本は序盤、奥村選手のブロックや島村選手のブロード攻撃など、両ミドルブロッカーの得点により流れを作り、石川選手、黒後選手の相手ブロックを巧く使ったスパイクなどで4連続得点し8-5とこの試合初めてテクニカルタイムアウトを取った。その後、ブラジルに3連続得点を許すも、古賀選手のパイプ攻撃でその流れを切り、さらに島村選手のコミットブロックもあり13-13と、中盤まではシーソーゲームとなった。しかし、ブラジルの強打を拾い上げる粘りと角度あるスパイクなどで4連続失点を喫し、14-17と離されてしまった。終盤日本は17-21でタイムアウトを要求、黒後選手と古賀選手のスパイクによる得点から立て直しを図りたいところだったが、最後はストレートに強烈なスパイクを決められ、21-25。セットカウント0-3でブラジルに敗れた。
【コメント】
籾井あき選手
「戦う以前に自分たちの勝つという気持ちをあまり出せていなかった。押されている感じだったのがまずは敗因だったと思う。サーブレシーブからのコンビネーションの精度に関して、パスが返っても決まらないことが多かったので、サーブレシーブ・アタックでサイドアウトを1回で切ることが大切だったと思う。(イタリアに勝つための改善点は)相手以前にまずは自分たちの精度を上げていけるようにしていきたい。私の場合はコンビネーションの精度、サーブも今日はミスが多かったので改善していきたい」
5月27日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝
3
25
25
27
–
–
韓国
1勝2敗
0
18
18
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ネーションズリーグ第3戦となる韓国戦で中田久美監督はミドルブロッカーに今大会初出場の奥村麻依選手をスターティングメンバーに起用した。序盤その奥村選手のブロックポイントとサービスエースなどで5-2と幸先の良いスタートを切った。8-3で先にテクニカルタイムアウトを取った日本は、その後韓国に3連続得点を許すも、石川真佑選手・古賀紗理那選手・黒後愛選手のアウトサイドヒッター陣が奮闘し、相手に流れを渡さないまま試合は進んだ。さらに奥村選手のブロード攻撃などで20-16とし、韓国はたまらずタイムアウトを要求した。この後も相手に一切の隙を見せなかった日本、最後は古賀選手の強烈なスパイクで25-18と第1セットを先取した。
第2セット
このセットも序盤は奥村選手のサービスエースから流れを掴んだ日本は、古賀選手のブロックや石川選手のスパイクなどで8-4とし、先にテクニカルタイムアウトを取った。中盤、小幡真子選手のスパイカーを救うブロックフォローや石川選手と古賀選手の威力あるスパイクで得点を量産し、16-9とさらに突き放した。19-12でセッターの田代選手を投入した日本は、島村春世選手のクイック攻撃やクイック攻撃を囮に使う時間差攻撃などの多彩なコンビネーションで相手ブロッカーを翻弄し、このセットに拍車をかけた。最後は相手のサーブミスで25-18と2セットを連取し、この試合に王手をかけた。
第3セット
3セット目、後がなくなった韓国は日本でもプレー経験のあるエースのキム・ヨンギョン選手にボールを集め、2-8と日本は序盤から苦しい展開となった。しかし、2度の長いラリーを石川選手のブロックポイントと鋭いスパイクで制すと、黒後選手のスパイクや奥村選手のブロックポイントで怒涛の5連続ポイントをたたき出し、12-13まで詰め寄った。しばらく韓国リードで試合は進んだが、籾井選手のサービスエースで23-22とついに逆転に成功。しかし、相手も一歩も引かず先にセットポイントを握ったのは韓国。ここでチームを救ったのは奥村選手気迫のブロックであった。24-24と試合をデュースに持ち込み、最後は古賀選手の3連続得点で27-25。3セット目も取った日本が韓国相手にセットカウント3-0で勝利を収めた。
【コメ
【コメント】
中田久美監督
「ここまで2連勝していて、対韓国戦ということで、チームとして大事な試合になると思っていた。ストレートで勝てて良かった。(石川選手と黒後選手について)今日は韓国の弱点を石川はうまくついていけたと感じる。まだ取りこぼしやミスも多かったが、黒後も冷静に判断していた」
石川真佑選手
「自分たちのバレーをしようと(試合に)入り、1セット目・2セット目はいい流れがあった。3セット目の出だしはいい流れを作れなかったと思う。(開幕3連勝について)いい入りができたので、このままのいい流れを次の3試合に続けていきたい」
5月26日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2勝
3
25
25
25
–
–
中国
1勝1敗
0
13
19
17
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日タイに快勝した同じメンバーでスタートした。序盤は石川真佑選手のスパイクが良く決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は若い中国選手のミスが目立ち16-13とリードを広げた。その後は、ネット際の巧みなプッシュ攻撃や好調な石川選手の強烈なサイドからのスパイク、古賀紗理那選手のパイプ攻撃も加わり中国を圧倒した。終盤は怒涛の10連続得点をたたき出し、最後はキャプテン荒木絵里香選手のブロックが決まり、25-13で第1セットを奪った。
第2セット
前半は、日本のテンポの良い攻撃でリズム良く得点を重ねた。古賀選手、石川選手のレフトサイドからの角度あるスパイクが決まり、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトを取った。終盤は古賀選手の軟打や黒後愛選手のライトからの攻撃が良く決まった。また、石川選手の強烈なストレートスパイクなどで得点を重ね、最後は黒後選手のスパイクで相手ブロックを弾き飛ばし、25-19で2セットを連取した。
第3セット
第3セットに入っても日本の攻撃は緩まず、荒木選手、黒後選手のサーブで相手守備を翻弄した。島村春世選手のブロード攻撃の決定率が高く、10-3と先行する。中盤サイドアウトの応酬となったが、籾井あき選手のコートの幅をフルに使ったトスワークにより、黒後選手のバックライトからの攻撃を引き出し、それぞれのアタッカーがより一層小気味良い攻撃を繰り広げた。20-12とさらにリードを広げ、終盤はリベロ小幡真子選手とセッター籾井選手の好レシーブや、長いラリーに終止符を打つ黒後選手のスパイクで24点目をもぎ取った。最後は今日の試合で高得点をマークした石川選手のジャンプサーブが決まり、25-17で中国代表に勝利した。
【コメント】
黒後愛選手
「(中国戦に向けた)対策というよりは、セッターの籾井とのコンビネーションを、籾井自身が気にしてくれていたので、自分ももっとやらないといけないと思った」
5月25日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1勝
3
25
25
25
–
–
タイ
1敗
0
15
17
16
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
2019年9月のワールドカップ以降、約1年8か月ぶりの国際大会で、中田久美監督は日本代表初選出のセッター・籾井あき選手をスターティングメンバーとして起用した。前半は島村春世選手の小気味良いクイック攻撃やアウトサイドヒッターの古賀紗理那選手、石川真佑選手の安定したスパイクで終始リードを奪った。最後は黒後愛選手が2連続スパイクを決めて、25-15で第1セットを奪った。
第2セット
前半はお互いにクイック攻撃の応酬でサイドアウトの奪い合いとなったが、日本はキャプテンの荒木絵里香選手のクイック攻撃と、要所での石川選手のスパイクなどで16-10として、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は古賀選手のサービスエースなどで19-10と大きくリード。終盤にタイのチャレンジが成功し2得点されるも、最後は荒木選手のクイック攻撃とサービスエースにより、25-17で2セットを連取した。
第3セット
序盤、この試合で決定率の高い島村選手のクイック攻撃を軸に得点を重ねた。長いラリーを古賀選手の豪快なパイプ攻撃で制し、さらには籾井選手のブロックポイントで10-5とリードした。中盤、相手ブロックに阻まれ連続失点を喫すると、10-9と迫られる。14-13になったところで、日本ベンチは田代佳奈美選手と林琴奈選手を2枚替えで投入。その林選手のスパイクや石川選手の強烈なクロススパイクが連続で決まり、20-15と再びリードを広げた。終盤には、荒木選手がダイレクトスパイクとブロックを決めると、最後は黒後選手が相手エースをシャットアウトして、25-16で大事な初戦を制した。
【コメント】
荒木絵里香選手
「久々の公式戦で(試合が)できることを幸せに感じるし、いいスタートを切れてよかった。この大会とオリンピックに向けて長い合宿をしてきたので、しっかりとその成果を出せた」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 5勝2敗 |
0 | 22 | 20 | 23 | – | – |
オランダ 5勝2敗 |
3 | 25 | 25 | 25 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ここまで5勝1敗で4位につけている日本は、前週のロシア戦で勝利した同様のスターティングメンバーでオランダ戦に臨んだ。前半はミスが連続してしまい4-8でリードを奪われた。井上琴絵選手の好レシーブが随所に見られたが、日本のスパイクがオランダの高いブロックにつかまり、リズムをつかめないまま9-16で2回目のテクニカルタイムアウトも取られた。後半、キャプテン・荒木絵里香選手のクイック攻撃とブロック、黒後愛選手のバックライトからの攻撃で反撃したものの、22-25で第1セットを奪われた。
第2セット
序盤は、黒後選手、古賀紗理那選手のスパイクが決まり、4-1と日本のペースで試合が流れた。しかし、サーブで陣営を崩され7-8でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤は好調の黒後選手がライトから強烈なスパイクで相手ミドルブロッカーのブロックを弾き飛ばし、さらに古賀選手がレフトからコースを巧みに打ち分けて14-12と逆転に成功。オランダベンチは、たまらずタイムアウトを要求した。その後オランダの高い打点から繰り出されるフェイントボールを拾いきれず16-19と再びリードを奪われた。しかし、後半に入りセッター・籾井あき選手は、好調の黒後選手にトスを集め、それに黒後選手が気迫のスパイクで応え20-22まで追い上げた。だが、最後はオランダにサービスエースを決められ20-25で2セット連取された。
第3セット
後がない日本は、古賀選手のスパイク、山田二千華選手、荒木選手の連続ブロックで必死に巻き返しを図ったものの、10-16でテクニカルタイムアウトを取られた。中盤では、途中起用のリベロ・小幡真子選手が相手パイプ攻撃の強打をファインレシーブし、それをうまく繋いで黒後選手がバックライトからコート深くに強打を決めた。日本らしい粘りでラリーをものにした後、依然点差はあるものの連続得点を上げ15-18まで追い上げると、オランダベンチはすかさずタイムアウトを要求。その後、相手のミスや石川選手の高いブロックを利用したブロックアウトで得点を重ねた。そしてキャプテン・荒木選手の執念のブロックで相手エースをシャットアウトし、22-22の同点に追いついた。しかし一歩及ばず、最後は高さのあるクロススパイクを決められ、23-25。第3セットも取られ、セットカウント0-3でオランダに敗れた。
【コメント】
黒後愛選手
「相手が苦し紛れに落としてきたフェイントに対し、しっかり拾って攻撃まで展開できなかった。自分たちのディフェンスの甘さがあった。(次の試合に向けて)もう一度ブロックディフェンスの確認とアタッカーの打ちどころを考えていかないといけない」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 5勝1敗 |
3 | 25 | 25 | 25 | – | – |
ロシア 3勝3敗 |
0 | 20 | 21 | 21 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日地元イタリアにフルセットの末勝利し、昨日終了時点で4勝1敗(勝点11)、4位に位置していた。対戦相手のロシアは昨日時点で8位(勝点8)だったが、今大会出場チームの中で平均身長が最も高い。中田久美監督は、2019年女子U20(ジュニア)世界選手権大会初優勝主軸メンバーで今大会初出場のミドルブロッカー・山田二千華選手、リベロには井上琴絵選手をスターティングメンバーに起用した。最初から長いラリーが続いたが、セッター・籾井あき選手はライトの黒後愛選手にトスを集めテンポ良く得点を重ね、6-2とリードした。中盤は古賀紗理那選手と石川真佑選手の両レフトがそれぞれ相手の高いブロックを巧みに利用し、コースを丁寧に打ち分け、安定的に得点を重ねた。終盤は石川選手にトスを集め強烈なクロススパイクで23-19とし、その後キャプテン・荒木絵里香選手が相手エースをブロックでし止め、25点目は副キャプテン・古賀選手の狙いをすましたスパイクがエンドラインぎりぎりに決まり1セット目を先取した。
第2セット
スタートからレフトの古賀選手、石川選手が好調で、山田選手のブロックも決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。相手のサーブで攻められ8-9と逆転されたが、荒木選手のクイック攻撃、サービスエースなどで12-10と再びリードを奪った。中盤は日本のミスもあり、14-15で日本のベンチはタイムアウトを要求。タイムアウト明けは、古賀選手がコート深くを狙ったクロススパイクを決め、レシーブで粘るロシアからのチャンスボールを山田選手がクイック攻撃でものにし、16-15、2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後、ロシアのサーブミスにも救われ21-19。ネット際で荒木選手が相手オポジットエースのナタリア・ゴンチャロワ選手(194cm)とのボールの押し合いに競り勝ちブロックポイントを上げ、さらには古賀選手が巧みなブロックアウトで立て続けに長いラリーを制した。最後は相手のサーブミスで25-21、2セットを連取した。
第3セット
3セット目はいきなり石川選手のサーブがさく裂。好調の古賀選手がサイドからのスパイクを確実に決め、8-5と日本のペースで試合が進んだ。中盤は黒後選手のライトからのスパイクや要所での山田選手のテンポ良いクイック攻撃が決まった。途中出場の林琴奈選手が相手フェイントを粘り強く拾うと、田代佳奈美選手がアンダーハンドで絶妙なトスを繋ぎ、そのボールを石川選手が相手コートに叩き込み15-13。古賀選手のサービスエースもあり、16-13とリードを保ったまま試合は後半へ突入した。終盤、籾井選手は石川選手にボールを集めつつ要所ではミドルブロッカー・荒木選手、山田選手のクイック攻撃を織り交ぜ22-19とした。相手ミスでマッチポイトを迎えた日本、最後は今日の試合で20得点をマークした石川選手のスパイクが決まり、25-21。セットカウント3-0のストレートで勝利を収めた。
【コメント】
荒木絵里香選手
「一昨日のブラジル戦ですごく悔しい負け方をしたが、チームとしてやることをもう一回整理してこの2戦を戦い抜けたことは次に繋がるゲームになったと思う。今日はアウトサイドヒッター陣の決定力が素晴らしかった。ブロックフォローなどの細かい繋ぎもうまくできたと思う。(今日大活躍の古賀選手について)チームの軸として攻守で安定していて本当に素晴らしかったと思う。若い選手が勢いをもたらしてくれ、チームが活性化していると思うので、さらに良くしていきたい。(次の試合に向けて)最善の準備を尽くしていくことが大事だと思うので、休養も取りつつ、対策も含めて良い準備をしていきたい」
6月1日 日本×イタリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
4勝1敗
3
27
25
16
21
15
イタリア
5敗
2
25
19
25
25
13
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本はタイ戦、中国戦と同じメンバーでスタートした。序盤、高い打点から長いコースへと放たれるイタリアの強打に苦しみ4-8と追う展開となった。キャプテン・荒木絵里香選手のブロックや古賀紗理那選手のスパイクなどで徐々に点差を詰め、13-15からは石川真佑選手がブロック、スパイクで得点し同点に追いついた。終盤には古賀選手の強打やサービスエースで24-22と点差を開き、デュースに持ち込まれたが最後は荒木選手がブロックを決めて27-25とセットを先取した。
第2セット
荒木選手のクイック攻撃、古賀選手のスパイクが決まって立ち上がりからリードを奪う。しかし、イタリアも連続ブロックやサービスエースで得点し、なかなか突き放すことができない。ネットインのサービスエースを決められて14-15と逆転を許したが、長いラリーを古賀選手のフェイントでものにし、すぐさま再逆転。その後は小幡真子選手や石川選手、荒木選手らの活躍で着実に得点を重ね、25-19でセット連取に成功した。
第3セット
第2セット途中からコートに入った奥村麻依選手がそのまま出場。古賀選手が攻守に奮闘するが、相手サーブに攻め込まれてミスが出てしまい、5-8、6-13とリズムをつかめない。田代佳奈美選手や石井優希選手、林琴奈選手を投入して挽回を図るが、イタリアの効果的な選手交代とサーブを前に16-25でこのセットを落とした。
第4セット
第3セットのスターティングメンバーに戻して臨んだ序盤は、荒木選手が連続サービスエースを決めたものの一進一退。18-18からは相手のアウトサイドヒッター、特にレフトからの強打を防ぎきれず得点を重ねられ、黒後愛選手のポイントも及ばず21-25。勝負はファイナルセットへ。
第5セット
最終セットもお互いに好プレーの連続で一歩も譲らず、10-10まで均衡が保たれた。しかしここから古賀選手が強打を決めると、次のラリーでは相手オポジットを2枚ブロックでしとめて12-10と2点差をつけた。このリードを守った日本が15-13でイタリアに勝利し、4勝目を手にした。
【コメント】
古賀紗理那選手
「3、4セット目でミスが目立ったことがフルセットの原因だと思う。チームとしてもう一回修正していきたい。(イタリアは)パワーが私たちとは全然違う印象で、ファイナルセットまでいってしまったが、今日は絶対に勝つんだ、という気持ちで戦っていた。特に昨日、ブラジルに0-3で負けてしまっていたので、チームとして修正して戦っていこうと今日のミーティングで話していた。その意味でも絶対に落とせない試合だった」
5月31日 日本×ブラジル 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝1敗
0
15
19
21
–
–
ブラジル
3勝1敗
3
25
25
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤、日本は古賀紗理那選手、石川真佑選手のスパイクで着実に得点を重ねたが、高さで勝るブラジルのコーナーを狙うスパイクやブロックに苦しめられ、5-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。テクニカルタイムアウト後もブラジルの強烈なバックアタックなどでさらに点差を広げられてしまう。13-19の場面、流れを変えたい日本は、2枚替えで関菜々巳選手と林琴奈選手を投入。その関選手の丁寧なセットから古賀選手の鋭いスパイクや、2枚替えでコートに戻った黒後愛選手のブロックにねじ込むようなスパイクが決まり、ここから反撃といきたいところだったが、20点以降に連続得点を決められ、最後はサービスエースで15-25と第1セットを奪われた。
第2セット
奥村麻依選手のクイック攻撃と古賀選手の苦しい体勢から気迫のこもったスパイクで2点を先取した。しかし、ブラジルの好レシーブやブロックの上から繰り出されるスパイクなどで4-8と、このセットもブラジルに1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。その後も高さとパワーを生かしたブラジルのバレーに苦しめられ、じりじりと点差をつけられた。しかし、中盤に黒後選手の好レシーブから古賀選手のスパイク、籾井あき選手の十分でない体勢から丁寧に上げたアンダートスを石川選手が決めきるなどして得点を重ね、さらに島村春世選手のサービスエースで15-18と3点差まで追い上げた。この流れのまま点差を縮めたい日本は、ブラジルが先に20点台に乗った後もこのセットから出場したリベロ・小幡真子選手が体を張ったレシーブで食らいつき、奥村選手のブロック、石川選手のサービスエースで追い上げを図った。しかし最後はブラジルにスパイクを決められ、19-25で第2セットも落とした。
第3セット
なんとしてでもこのセットを取りたい日本は序盤、奥村選手のブロックや島村選手のブロード攻撃など、両ミドルブロッカーの得点により流れを作り、石川選手、黒後選手の相手ブロックを巧く使ったスパイクなどで4連続得点し8-5とこの試合初めてテクニカルタイムアウトを取った。その後、ブラジルに3連続得点を許すも、古賀選手のパイプ攻撃でその流れを切り、さらに島村選手のコミットブロックもあり13-13と、中盤まではシーソーゲームとなった。しかし、ブラジルの強打を拾い上げる粘りと角度あるスパイクなどで4連続失点を喫し、14-17と離されてしまった。終盤日本は17-21でタイムアウトを要求、黒後選手と古賀選手のスパイクによる得点から立て直しを図りたいところだったが、最後はストレートに強烈なスパイクを決められ、21-25。セットカウント0-3でブラジルに敗れた。
【コメント】
籾井あき選手
「戦う以前に自分たちの勝つという気持ちをあまり出せていなかった。押されている感じだったのがまずは敗因だったと思う。サーブレシーブからのコンビネーションの精度に関して、パスが返っても決まらないことが多かったので、サーブレシーブ・アタックでサイドアウトを1回で切ることが大切だったと思う。(イタリアに勝つための改善点は)相手以前にまずは自分たちの精度を上げていけるようにしていきたい。私の場合はコンビネーションの精度、サーブも今日はミスが多かったので改善していきたい」
5月27日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝
3
25
25
27
–
–
韓国
1勝2敗
0
18
18
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ネーションズリーグ第3戦となる韓国戦で中田久美監督はミドルブロッカーに今大会初出場の奥村麻依選手をスターティングメンバーに起用した。序盤その奥村選手のブロックポイントとサービスエースなどで5-2と幸先の良いスタートを切った。8-3で先にテクニカルタイムアウトを取った日本は、その後韓国に3連続得点を許すも、石川真佑選手・古賀紗理那選手・黒後愛選手のアウトサイドヒッター陣が奮闘し、相手に流れを渡さないまま試合は進んだ。さらに奥村選手のブロード攻撃などで20-16とし、韓国はたまらずタイムアウトを要求した。この後も相手に一切の隙を見せなかった日本、最後は古賀選手の強烈なスパイクで25-18と第1セットを先取した。
第2セット
このセットも序盤は奥村選手のサービスエースから流れを掴んだ日本は、古賀選手のブロックや石川選手のスパイクなどで8-4とし、先にテクニカルタイムアウトを取った。中盤、小幡真子選手のスパイカーを救うブロックフォローや石川選手と古賀選手の威力あるスパイクで得点を量産し、16-9とさらに突き放した。19-12でセッターの田代選手を投入した日本は、島村春世選手のクイック攻撃やクイック攻撃を囮に使う時間差攻撃などの多彩なコンビネーションで相手ブロッカーを翻弄し、このセットに拍車をかけた。最後は相手のサーブミスで25-18と2セットを連取し、この試合に王手をかけた。
第3セット
3セット目、後がなくなった韓国は日本でもプレー経験のあるエースのキム・ヨンギョン選手にボールを集め、2-8と日本は序盤から苦しい展開となった。しかし、2度の長いラリーを石川選手のブロックポイントと鋭いスパイクで制すと、黒後選手のスパイクや奥村選手のブロックポイントで怒涛の5連続ポイントをたたき出し、12-13まで詰め寄った。しばらく韓国リードで試合は進んだが、籾井選手のサービスエースで23-22とついに逆転に成功。しかし、相手も一歩も引かず先にセットポイントを握ったのは韓国。ここでチームを救ったのは奥村選手気迫のブロックであった。24-24と試合をデュースに持ち込み、最後は古賀選手の3連続得点で27-25。3セット目も取った日本が韓国相手にセットカウント3-0で勝利を収めた。
【コメ
【コメント】
中田久美監督
「ここまで2連勝していて、対韓国戦ということで、チームとして大事な試合になると思っていた。ストレートで勝てて良かった。(石川選手と黒後選手について)今日は韓国の弱点を石川はうまくついていけたと感じる。まだ取りこぼしやミスも多かったが、黒後も冷静に判断していた」
石川真佑選手
「自分たちのバレーをしようと(試合に)入り、1セット目・2セット目はいい流れがあった。3セット目の出だしはいい流れを作れなかったと思う。(開幕3連勝について)いい入りができたので、このままのいい流れを次の3試合に続けていきたい」
5月26日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2勝
3
25
25
25
–
–
中国
1勝1敗
0
13
19
17
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日タイに快勝した同じメンバーでスタートした。序盤は石川真佑選手のスパイクが良く決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は若い中国選手のミスが目立ち16-13とリードを広げた。その後は、ネット際の巧みなプッシュ攻撃や好調な石川選手の強烈なサイドからのスパイク、古賀紗理那選手のパイプ攻撃も加わり中国を圧倒した。終盤は怒涛の10連続得点をたたき出し、最後はキャプテン荒木絵里香選手のブロックが決まり、25-13で第1セットを奪った。
第2セット
前半は、日本のテンポの良い攻撃でリズム良く得点を重ねた。古賀選手、石川選手のレフトサイドからの角度あるスパイクが決まり、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトを取った。終盤は古賀選手の軟打や黒後愛選手のライトからの攻撃が良く決まった。また、石川選手の強烈なストレートスパイクなどで得点を重ね、最後は黒後選手のスパイクで相手ブロックを弾き飛ばし、25-19で2セットを連取した。
第3セット
第3セットに入っても日本の攻撃は緩まず、荒木選手、黒後選手のサーブで相手守備を翻弄した。島村春世選手のブロード攻撃の決定率が高く、10-3と先行する。中盤サイドアウトの応酬となったが、籾井あき選手のコートの幅をフルに使ったトスワークにより、黒後選手のバックライトからの攻撃を引き出し、それぞれのアタッカーがより一層小気味良い攻撃を繰り広げた。20-12とさらにリードを広げ、終盤はリベロ小幡真子選手とセッター籾井選手の好レシーブや、長いラリーに終止符を打つ黒後選手のスパイクで24点目をもぎ取った。最後は今日の試合で高得点をマークした石川選手のジャンプサーブが決まり、25-17で中国代表に勝利した。
【コメント】
黒後愛選手
「(中国戦に向けた)対策というよりは、セッターの籾井とのコンビネーションを、籾井自身が気にしてくれていたので、自分ももっとやらないといけないと思った」
5月25日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1勝
3
25
25
25
–
–
タイ
1敗
0
15
17
16
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
2019年9月のワールドカップ以降、約1年8か月ぶりの国際大会で、中田久美監督は日本代表初選出のセッター・籾井あき選手をスターティングメンバーとして起用した。前半は島村春世選手の小気味良いクイック攻撃やアウトサイドヒッターの古賀紗理那選手、石川真佑選手の安定したスパイクで終始リードを奪った。最後は黒後愛選手が2連続スパイクを決めて、25-15で第1セットを奪った。
第2セット
前半はお互いにクイック攻撃の応酬でサイドアウトの奪い合いとなったが、日本はキャプテンの荒木絵里香選手のクイック攻撃と、要所での石川選手のスパイクなどで16-10として、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は古賀選手のサービスエースなどで19-10と大きくリード。終盤にタイのチャレンジが成功し2得点されるも、最後は荒木選手のクイック攻撃とサービスエースにより、25-17で2セットを連取した。
第3セット
序盤、この試合で決定率の高い島村選手のクイック攻撃を軸に得点を重ねた。長いラリーを古賀選手の豪快なパイプ攻撃で制し、さらには籾井選手のブロックポイントで10-5とリードした。中盤、相手ブロックに阻まれ連続失点を喫すると、10-9と迫られる。14-13になったところで、日本ベンチは田代佳奈美選手と林琴奈選手を2枚替えで投入。その林選手のスパイクや石川選手の強烈なクロススパイクが連続で決まり、20-15と再びリードを広げた。終盤には、荒木選手がダイレクトスパイクとブロックを決めると、最後は黒後選手が相手エースをシャットアウトして、25-16で大事な初戦を制した。
【コメント】
荒木絵里香選手
「久々の公式戦で(試合が)できることを幸せに感じるし、いいスタートを切れてよかった。この大会とオリンピックに向けて長い合宿をしてきたので、しっかりとその成果を出せた」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 4勝1敗 |
3 | 27 | 25 | 16 | 21 | 15 |
イタリア 5敗 |
2 | 25 | 19 | 25 | 25 | 13 |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本はタイ戦、中国戦と同じメンバーでスタートした。序盤、高い打点から長いコースへと放たれるイタリアの強打に苦しみ4-8と追う展開となった。キャプテン・荒木絵里香選手のブロックや古賀紗理那選手のスパイクなどで徐々に点差を詰め、13-15からは石川真佑選手がブロック、スパイクで得点し同点に追いついた。終盤には古賀選手の強打やサービスエースで24-22と点差を開き、デュースに持ち込まれたが最後は荒木選手がブロックを決めて27-25とセットを先取した。
第2セット
荒木選手のクイック攻撃、古賀選手のスパイクが決まって立ち上がりからリードを奪う。しかし、イタリアも連続ブロックやサービスエースで得点し、なかなか突き放すことができない。ネットインのサービスエースを決められて14-15と逆転を許したが、長いラリーを古賀選手のフェイントでものにし、すぐさま再逆転。その後は小幡真子選手や石川選手、荒木選手らの活躍で着実に得点を重ね、25-19でセット連取に成功した。
第3セット
第2セット途中からコートに入った奥村麻依選手がそのまま出場。古賀選手が攻守に奮闘するが、相手サーブに攻め込まれてミスが出てしまい、5-8、6-13とリズムをつかめない。田代佳奈美選手や石井優希選手、林琴奈選手を投入して挽回を図るが、イタリアの効果的な選手交代とサーブを前に16-25でこのセットを落とした。
第4セット
第3セットのスターティングメンバーに戻して臨んだ序盤は、荒木選手が連続サービスエースを決めたものの一進一退。18-18からは相手のアウトサイドヒッター、特にレフトからの強打を防ぎきれず得点を重ねられ、黒後愛選手のポイントも及ばず21-25。勝負はファイナルセットへ。
第5セット
最終セットもお互いに好プレーの連続で一歩も譲らず、10-10まで均衡が保たれた。しかしここから古賀選手が強打を決めると、次のラリーでは相手オポジットを2枚ブロックでしとめて12-10と2点差をつけた。このリードを守った日本が15-13でイタリアに勝利し、4勝目を手にした。
【コメント】
古賀紗理那選手
「3、4セット目でミスが目立ったことがフルセットの原因だと思う。チームとしてもう一回修正していきたい。(イタリアは)パワーが私たちとは全然違う印象で、ファイナルセットまでいってしまったが、今日は絶対に勝つんだ、という気持ちで戦っていた。特に昨日、ブラジルに0-3で負けてしまっていたので、チームとして修正して戦っていこうと今日のミーティングで話していた。その意味でも絶対に落とせない試合だった」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 3勝1敗 |
0 | 15 | 19 | 21 | – | – |
ブラジル 3勝1敗 |
3 | 25 | 25 | 25 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
序盤、日本は古賀紗理那選手、石川真佑選手のスパイクで着実に得点を重ねたが、高さで勝るブラジルのコーナーを狙うスパイクやブロックに苦しめられ、5-8と1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。テクニカルタイムアウト後もブラジルの強烈なバックアタックなどでさらに点差を広げられてしまう。13-19の場面、流れを変えたい日本は、2枚替えで関菜々巳選手と林琴奈選手を投入。その関選手の丁寧なセットから古賀選手の鋭いスパイクや、2枚替えでコートに戻った黒後愛選手のブロックにねじ込むようなスパイクが決まり、ここから反撃といきたいところだったが、20点以降に連続得点を決められ、最後はサービスエースで15-25と第1セットを奪われた。
第2セット
奥村麻依選手のクイック攻撃と古賀選手の苦しい体勢から気迫のこもったスパイクで2点を先取した。しかし、ブラジルの好レシーブやブロックの上から繰り出されるスパイクなどで4-8と、このセットもブラジルに1回目のテクニカルタイムアウトを取られた。その後も高さとパワーを生かしたブラジルのバレーに苦しめられ、じりじりと点差をつけられた。しかし、中盤に黒後選手の好レシーブから古賀選手のスパイク、籾井あき選手の十分でない体勢から丁寧に上げたアンダートスを石川選手が決めきるなどして得点を重ね、さらに島村春世選手のサービスエースで15-18と3点差まで追い上げた。この流れのまま点差を縮めたい日本は、ブラジルが先に20点台に乗った後もこのセットから出場したリベロ・小幡真子選手が体を張ったレシーブで食らいつき、奥村選手のブロック、石川選手のサービスエースで追い上げを図った。しかし最後はブラジルにスパイクを決められ、19-25で第2セットも落とした。
第3セット
なんとしてでもこのセットを取りたい日本は序盤、奥村選手のブロックや島村選手のブロード攻撃など、両ミドルブロッカーの得点により流れを作り、石川選手、黒後選手の相手ブロックを巧く使ったスパイクなどで4連続得点し8-5とこの試合初めてテクニカルタイムアウトを取った。その後、ブラジルに3連続得点を許すも、古賀選手のパイプ攻撃でその流れを切り、さらに島村選手のコミットブロックもあり13-13と、中盤まではシーソーゲームとなった。しかし、ブラジルの強打を拾い上げる粘りと角度あるスパイクなどで4連続失点を喫し、14-17と離されてしまった。終盤日本は17-21でタイムアウトを要求、黒後選手と古賀選手のスパイクによる得点から立て直しを図りたいところだったが、最後はストレートに強烈なスパイクを決められ、21-25。セットカウント0-3でブラジルに敗れた。
【コメント】
籾井あき選手
「戦う以前に自分たちの勝つという気持ちをあまり出せていなかった。押されている感じだったのがまずは敗因だったと思う。サーブレシーブからのコンビネーションの精度に関して、パスが返っても決まらないことが多かったので、サーブレシーブ・アタックでサイドアウトを1回で切ることが大切だったと思う。(イタリアに勝つための改善点は)相手以前にまずは自分たちの精度を上げていけるようにしていきたい。私の場合はコンビネーションの精度、サーブも今日はミスが多かったので改善していきたい」
5月27日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3勝
3
25
25
27
–
–
韓国
1勝2敗
0
18
18
25
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ネーションズリーグ第3戦となる韓国戦で中田久美監督はミドルブロッカーに今大会初出場の奥村麻依選手をスターティングメンバーに起用した。序盤その奥村選手のブロックポイントとサービスエースなどで5-2と幸先の良いスタートを切った。8-3で先にテクニカルタイムアウトを取った日本は、その後韓国に3連続得点を許すも、石川真佑選手・古賀紗理那選手・黒後愛選手のアウトサイドヒッター陣が奮闘し、相手に流れを渡さないまま試合は進んだ。さらに奥村選手のブロード攻撃などで20-16とし、韓国はたまらずタイムアウトを要求した。この後も相手に一切の隙を見せなかった日本、最後は古賀選手の強烈なスパイクで25-18と第1セットを先取した。
第2セット
このセットも序盤は奥村選手のサービスエースから流れを掴んだ日本は、古賀選手のブロックや石川選手のスパイクなどで8-4とし、先にテクニカルタイムアウトを取った。中盤、小幡真子選手のスパイカーを救うブロックフォローや石川選手と古賀選手の威力あるスパイクで得点を量産し、16-9とさらに突き放した。19-12でセッターの田代選手を投入した日本は、島村春世選手のクイック攻撃やクイック攻撃を囮に使う時間差攻撃などの多彩なコンビネーションで相手ブロッカーを翻弄し、このセットに拍車をかけた。最後は相手のサーブミスで25-18と2セットを連取し、この試合に王手をかけた。
第3セット
3セット目、後がなくなった韓国は日本でもプレー経験のあるエースのキム・ヨンギョン選手にボールを集め、2-8と日本は序盤から苦しい展開となった。しかし、2度の長いラリーを石川選手のブロックポイントと鋭いスパイクで制すと、黒後選手のスパイクや奥村選手のブロックポイントで怒涛の5連続ポイントをたたき出し、12-13まで詰め寄った。しばらく韓国リードで試合は進んだが、籾井選手のサービスエースで23-22とついに逆転に成功。しかし、相手も一歩も引かず先にセットポイントを握ったのは韓国。ここでチームを救ったのは奥村選手気迫のブロックであった。24-24と試合をデュースに持ち込み、最後は古賀選手の3連続得点で27-25。3セット目も取った日本が韓国相手にセットカウント3-0で勝利を収めた。
【コメ
【コメント】
中田久美監督
「ここまで2連勝していて、対韓国戦ということで、チームとして大事な試合になると思っていた。ストレートで勝てて良かった。(石川選手と黒後選手について)今日は韓国の弱点を石川はうまくついていけたと感じる。まだ取りこぼしやミスも多かったが、黒後も冷静に判断していた」
石川真佑選手
「自分たちのバレーをしようと(試合に)入り、1セット目・2セット目はいい流れがあった。3セット目の出だしはいい流れを作れなかったと思う。(開幕3連勝について)いい入りができたので、このままのいい流れを次の3試合に続けていきたい」
5月26日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2勝
3
25
25
25
–
–
中国
1勝1敗
0
13
19
17
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日タイに快勝した同じメンバーでスタートした。序盤は石川真佑選手のスパイクが良く決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は若い中国選手のミスが目立ち16-13とリードを広げた。その後は、ネット際の巧みなプッシュ攻撃や好調な石川選手の強烈なサイドからのスパイク、古賀紗理那選手のパイプ攻撃も加わり中国を圧倒した。終盤は怒涛の10連続得点をたたき出し、最後はキャプテン荒木絵里香選手のブロックが決まり、25-13で第1セットを奪った。
第2セット
前半は、日本のテンポの良い攻撃でリズム良く得点を重ねた。古賀選手、石川選手のレフトサイドからの角度あるスパイクが決まり、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトを取った。終盤は古賀選手の軟打や黒後愛選手のライトからの攻撃が良く決まった。また、石川選手の強烈なストレートスパイクなどで得点を重ね、最後は黒後選手のスパイクで相手ブロックを弾き飛ばし、25-19で2セットを連取した。
第3セット
第3セットに入っても日本の攻撃は緩まず、荒木選手、黒後選手のサーブで相手守備を翻弄した。島村春世選手のブロード攻撃の決定率が高く、10-3と先行する。中盤サイドアウトの応酬となったが、籾井あき選手のコートの幅をフルに使ったトスワークにより、黒後選手のバックライトからの攻撃を引き出し、それぞれのアタッカーがより一層小気味良い攻撃を繰り広げた。20-12とさらにリードを広げ、終盤はリベロ小幡真子選手とセッター籾井選手の好レシーブや、長いラリーに終止符を打つ黒後選手のスパイクで24点目をもぎ取った。最後は今日の試合で高得点をマークした石川選手のジャンプサーブが決まり、25-17で中国代表に勝利した。
【コメント】
黒後愛選手
「(中国戦に向けた)対策というよりは、セッターの籾井とのコンビネーションを、籾井自身が気にしてくれていたので、自分ももっとやらないといけないと思った」
5月25日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1勝
3
25
25
25
–
–
タイ
1敗
0
15
17
16
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
2019年9月のワールドカップ以降、約1年8か月ぶりの国際大会で、中田久美監督は日本代表初選出のセッター・籾井あき選手をスターティングメンバーとして起用した。前半は島村春世選手の小気味良いクイック攻撃やアウトサイドヒッターの古賀紗理那選手、石川真佑選手の安定したスパイクで終始リードを奪った。最後は黒後愛選手が2連続スパイクを決めて、25-15で第1セットを奪った。
第2セット
前半はお互いにクイック攻撃の応酬でサイドアウトの奪い合いとなったが、日本はキャプテンの荒木絵里香選手のクイック攻撃と、要所での石川選手のスパイクなどで16-10として、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は古賀選手のサービスエースなどで19-10と大きくリード。終盤にタイのチャレンジが成功し2得点されるも、最後は荒木選手のクイック攻撃とサービスエースにより、25-17で2セットを連取した。
第3セット
序盤、この試合で決定率の高い島村選手のクイック攻撃を軸に得点を重ねた。長いラリーを古賀選手の豪快なパイプ攻撃で制し、さらには籾井選手のブロックポイントで10-5とリードした。中盤、相手ブロックに阻まれ連続失点を喫すると、10-9と迫られる。14-13になったところで、日本ベンチは田代佳奈美選手と林琴奈選手を2枚替えで投入。その林選手のスパイクや石川選手の強烈なクロススパイクが連続で決まり、20-15と再びリードを広げた。終盤には、荒木選手がダイレクトスパイクとブロックを決めると、最後は黒後選手が相手エースをシャットアウトして、25-16で大事な初戦を制した。
【コメント】
荒木絵里香選手
「久々の公式戦で(試合が)できることを幸せに感じるし、いいスタートを切れてよかった。この大会とオリンピックに向けて長い合宿をしてきたので、しっかりとその成果を出せた」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 3勝 |
3 | 25 | 25 | 27 | – | – |
韓国 1勝2敗 |
0 | 18 | 18 | 25 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
ネーションズリーグ第3戦となる韓国戦で中田久美監督はミドルブロッカーに今大会初出場の奥村麻依選手をスターティングメンバーに起用した。序盤その奥村選手のブロックポイントとサービスエースなどで5-2と幸先の良いスタートを切った。8-3で先にテクニカルタイムアウトを取った日本は、その後韓国に3連続得点を許すも、石川真佑選手・古賀紗理那選手・黒後愛選手のアウトサイドヒッター陣が奮闘し、相手に流れを渡さないまま試合は進んだ。さらに奥村選手のブロード攻撃などで20-16とし、韓国はたまらずタイムアウトを要求した。この後も相手に一切の隙を見せなかった日本、最後は古賀選手の強烈なスパイクで25-18と第1セットを先取した。
第2セット
このセットも序盤は奥村選手のサービスエースから流れを掴んだ日本は、古賀選手のブロックや石川選手のスパイクなどで8-4とし、先にテクニカルタイムアウトを取った。中盤、小幡真子選手のスパイカーを救うブロックフォローや石川選手と古賀選手の威力あるスパイクで得点を量産し、16-9とさらに突き放した。19-12でセッターの田代選手を投入した日本は、島村春世選手のクイック攻撃やクイック攻撃を囮に使う時間差攻撃などの多彩なコンビネーションで相手ブロッカーを翻弄し、このセットに拍車をかけた。最後は相手のサーブミスで25-18と2セットを連取し、この試合に王手をかけた。
第3セット
3セット目、後がなくなった韓国は日本でもプレー経験のあるエースのキム・ヨンギョン選手にボールを集め、2-8と日本は序盤から苦しい展開となった。しかし、2度の長いラリーを石川選手のブロックポイントと鋭いスパイクで制すと、黒後選手のスパイクや奥村選手のブロックポイントで怒涛の5連続ポイントをたたき出し、12-13まで詰め寄った。しばらく韓国リードで試合は進んだが、籾井選手のサービスエースで23-22とついに逆転に成功。しかし、相手も一歩も引かず先にセットポイントを握ったのは韓国。ここでチームを救ったのは奥村選手気迫のブロックであった。24-24と試合をデュースに持ち込み、最後は古賀選手の3連続得点で27-25。3セット目も取った日本が韓国相手にセットカウント3-0で勝利を収めた。
【コメ
【コメント】
中田久美監督
「ここまで2連勝していて、対韓国戦ということで、チームとして大事な試合になると思っていた。ストレートで勝てて良かった。(石川選手と黒後選手について)今日は韓国の弱点を石川はうまくついていけたと感じる。まだ取りこぼしやミスも多かったが、黒後も冷静に判断していた」
石川真佑選手
「自分たちのバレーをしようと(試合に)入り、1セット目・2セット目はいい流れがあった。3セット目の出だしはいい流れを作れなかったと思う。(開幕3連勝について)いい入りができたので、このままのいい流れを次の3試合に続けていきたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 2勝 |
3 | 25 | 25 | 25 | – | – |
中国 1勝1敗 |
0 | 13 | 19 | 17 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
日本は昨日タイに快勝した同じメンバーでスタートした。序盤は石川真佑選手のスパイクが良く決まり、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は若い中国選手のミスが目立ち16-13とリードを広げた。その後は、ネット際の巧みなプッシュ攻撃や好調な石川選手の強烈なサイドからのスパイク、古賀紗理那選手のパイプ攻撃も加わり中国を圧倒した。終盤は怒涛の10連続得点をたたき出し、最後はキャプテン荒木絵里香選手のブロックが決まり、25-13で第1セットを奪った。
第2セット
前半は、日本のテンポの良い攻撃でリズム良く得点を重ねた。古賀選手、石川選手のレフトサイドからの角度あるスパイクが決まり、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトを取った。終盤は古賀選手の軟打や黒後愛選手のライトからの攻撃が良く決まった。また、石川選手の強烈なストレートスパイクなどで得点を重ね、最後は黒後選手のスパイクで相手ブロックを弾き飛ばし、25-19で2セットを連取した。
第3セット
第3セットに入っても日本の攻撃は緩まず、荒木選手、黒後選手のサーブで相手守備を翻弄した。島村春世選手のブロード攻撃の決定率が高く、10-3と先行する。中盤サイドアウトの応酬となったが、籾井あき選手のコートの幅をフルに使ったトスワークにより、黒後選手のバックライトからの攻撃を引き出し、それぞれのアタッカーがより一層小気味良い攻撃を繰り広げた。20-12とさらにリードを広げ、終盤はリベロ小幡真子選手とセッター籾井選手の好レシーブや、長いラリーに終止符を打つ黒後選手のスパイクで24点目をもぎ取った。最後は今日の試合で高得点をマークした石川選手のジャンプサーブが決まり、25-17で中国代表に勝利した。
【コメント】
黒後愛選手
「(中国戦に向けた)対策というよりは、セッターの籾井とのコンビネーションを、籾井自身が気にしてくれていたので、自分ももっとやらないといけないと思った」
5月25日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1勝
3
25
25
25
–
–
タイ
1敗
0
15
17
16
–
–
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
2019年9月のワールドカップ以降、約1年8か月ぶりの国際大会で、中田久美監督は日本代表初選出のセッター・籾井あき選手をスターティングメンバーとして起用した。前半は島村春世選手の小気味良いクイック攻撃やアウトサイドヒッターの古賀紗理那選手、石川真佑選手の安定したスパイクで終始リードを奪った。最後は黒後愛選手が2連続スパイクを決めて、25-15で第1セットを奪った。
第2セット
前半はお互いにクイック攻撃の応酬でサイドアウトの奪い合いとなったが、日本はキャプテンの荒木絵里香選手のクイック攻撃と、要所での石川選手のスパイクなどで16-10として、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は古賀選手のサービスエースなどで19-10と大きくリード。終盤にタイのチャレンジが成功し2得点されるも、最後は荒木選手のクイック攻撃とサービスエースにより、25-17で2セットを連取した。
第3セット
序盤、この試合で決定率の高い島村選手のクイック攻撃を軸に得点を重ねた。長いラリーを古賀選手の豪快なパイプ攻撃で制し、さらには籾井選手のブロックポイントで10-5とリードした。中盤、相手ブロックに阻まれ連続失点を喫すると、10-9と迫られる。14-13になったところで、日本ベンチは田代佳奈美選手と林琴奈選手を2枚替えで投入。その林選手のスパイクや石川選手の強烈なクロススパイクが連続で決まり、20-15と再びリードを広げた。終盤には、荒木選手がダイレクトスパイクとブロックを決めると、最後は黒後選手が相手エースをシャットアウトして、25-16で大事な初戦を制した。
【コメント】
荒木絵里香選手
「久々の公式戦で(試合が)できることを幸せに感じるし、いいスタートを切れてよかった。この大会とオリンピックに向けて長い合宿をしてきたので、しっかりとその成果を出せた」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 1勝 |
3 | 25 | 25 | 25 | – | – |
タイ 1敗 |
0 | 15 | 17 | 16 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【戦評】
第1セット
2019年9月のワールドカップ以降、約1年8か月ぶりの国際大会で、中田久美監督は日本代表初選出のセッター・籾井あき選手をスターティングメンバーとして起用した。前半は島村春世選手の小気味良いクイック攻撃やアウトサイドヒッターの古賀紗理那選手、石川真佑選手の安定したスパイクで終始リードを奪った。最後は黒後愛選手が2連続スパイクを決めて、25-15で第1セットを奪った。
第2セット
前半はお互いにクイック攻撃の応酬でサイドアウトの奪い合いとなったが、日本はキャプテンの荒木絵里香選手のクイック攻撃と、要所での石川選手のスパイクなどで16-10として、2回目のテクニカルタイムアウトを取った。中盤は古賀選手のサービスエースなどで19-10と大きくリード。終盤にタイのチャレンジが成功し2得点されるも、最後は荒木選手のクイック攻撃とサービスエースにより、25-17で2セットを連取した。
第3セット
序盤、この試合で決定率の高い島村選手のクイック攻撃を軸に得点を重ねた。長いラリーを古賀選手の豪快なパイプ攻撃で制し、さらには籾井選手のブロックポイントで10-5とリードした。中盤、相手ブロックに阻まれ連続失点を喫すると、10-9と迫られる。14-13になったところで、日本ベンチは田代佳奈美選手と林琴奈選手を2枚替えで投入。その林選手のスパイクや石川選手の強烈なクロススパイクが連続で決まり、20-15と再びリードを広げた。終盤には、荒木選手がダイレクトスパイクとブロックを決めると、最後は黒後選手が相手エースをシャットアウトして、25-16で大事な初戦を制した。
【コメント】
荒木絵里香選手
「久々の公式戦で(試合が)できることを幸せに感じるし、いいスタートを切れてよかった。この大会とオリンピックに向けて長い合宿をしてきたので、しっかりとその成果を出せた」