ワクフバンク・イスタンブールが2度目の女子クラブ王者! FIVB世界クラブ女子選手権2017神戸大会 サロンパスカップ
「FIVB世界クラブ女子選手権2017神戸大会 サロンパスカップ」」が5月14日(日)、神戸総合運動公園グリーンアリーナ神戸(兵庫県)で最終日を迎えました。決勝戦ではヨーロッパチャンピオンのワクフバンク・イスタンブールが南米チャンピオンのレクソナを下し、2013年以来2度目の女子世界クラブチャンピオンの座に輝きました。
日本から開催国代表として出場している久光製薬スプリングスとアジア代表として出場しているNECレッドロケッツは7-8位決定戦で直接対決し、2016/17 V・プレミアリーグのファイナルで勝利したNECが再び久光製薬を破り、7位で今大会を終えました。
◆5-6位決定戦 ディナモ・モスクワ×ネスレ・オザスコ 3-1(22-25、25-19、27-25、25-18)
5-6位決定戦は両者一歩も譲らぬ攻防を展開します。オザスコはタンダラ・カイシェタ(ブラジル)の強烈なスパイクを中心に攻め立て、第1セットを獲得しますが、ナタリア・ゴンチャロワ(ロシア)やベタニア・デラクルス(ドミニカ共和国)が得点力を爆発させたディナモ・モスクワが3-1で逆転勝利を収めました。
■ディナモ・モスクワ
ユーリー・パンチェンコ 監督
「今日は勝利でこの大会を終えることができて大変うれしく思っています。レクソナとも対戦しましたが、ブラジルのチームと対戦すると非常に難しい試合になることが多いです。ブラジルの選手はすばらしいテクニックを持っていますし、チーム全体としてもコート内で組織された動きをします。今大会の当初の目的は4強に入ることでしたが、それが果たせず残念です。もちろん強いチームが勝ち残っていると思いますし、決勝にはその中でも特にすばらしい結果を残した強いチームが残ったと思います。私たちの大会は終わりますが、またこのような舞台でお会いできればと思います」
■ネスレ・オザスコ
ルイゾマル・デモウラ監督
「最後の試合で勝つことができなかったことは非常に残念ですし、悔しいです。この大会を振り返ってみると、勉強になることがたくさんありました。アジアのチームとプレーすることができましたし、アジアのチームは守備に関するところが、非常にレベルが高いので、我慢強く最後までプレーしなければいけないということを改めて実感しました。ヨーロッパのトップチームと対戦することもできて、我々にとっては非常に貴重な経験になったと思います。今日の試合は、1セット目はある程度我々のバレーボールを見せることができましたが、途中からレベルの高い相手選手のプレーに対応ができなかったことも目立っていました。次のチャレンジに向けて、チームで力を合わせてオザスコらしいバレーボールを披露したいと思います」
◆3位決定戦 エジザジュバシュ・イスタンブール×ボレロ・チューリヒ 2-3(22-25、15-25、25-22、25-23、12-15)
高い得点力を誇るオレシャ・リフリュクを中心に得点を重ねたボレロ・チューリヒが2セットを連取しますが、エジザジュバシュ・イスタンブールもティヤナ・ボシュコビッチの活躍もあり、2セットを獲得。今大会初めてフルセットにもつれ込んだ試合は最後まで息を飲む展開でしたが、ボレロ・チューリヒが勝利し、銅メダルを獲得しました。
■エジザジュバシュ・イスタンブール
マッシモ・バルボリーニ監督
「勝ったボレロ・チューリヒの皆さん、おめでとうございます。今日は本当にタフな試合でした。ボレロはよく戦っていて、勝利に値する内容だったと思います。簡単ではない試合でしたし、負けてしまいましたが、日本の皆さんに私たちのバレーボールを見せることができました。(それに加えて)バレーボールのことをもっとよく知ってもらえたのではないかと思います。結果にはがっかりしていますが、私たちは最後まで全力を尽くしたと思っています」
■ボレロ・チューリヒ
ゾラン・テルジッチ監督
「まずは両チームに対して祝意を表したいと思います。今日の試合はとてもよい、そしておもしろい試合だったと思います。特に観ていた観客の皆さんにとってそうだったのではないでしょうか。毎年、年を追うごとにこの大会はタフなものになっていると思います。今回こうしてメダルを獲って終えることができたことは満足しています。そしてプレッシャーの中でもいいプレーをすることができました。最初の2セットを取りましたが、その後ミスが続いてあまりよくない内容が続いたのに対し、相手チームは非常にいいプレーをしました。しかしこの大会を通して負けたのが1試合だけだったのはよかったのではないかと思います。個人的には、初めてのメダルを獲れたことをうれしく思っていますし、これからもっと数を増やしたいと思っています」
◆7-8位決定戦 NECレッドロケッツ×久光製薬スプリングス 3-0(25-16、25-23、25-22)
日本のチーム同士の対戦となった試合は序盤からNECレッドロケッツが効果的なサーブで流れを掴み、古賀紗理那や柳田光綺が攻撃力を発揮します。地元の応援団の前で勝利を掴みたい久光製薬スプリングスでしたが、最後までゲームを支配したNECレッドロケッツに軍配が上がりました。
■NECレッドロケッツ
山田晃豊監督
「今日はサーブが効果的に機能して、私たちのチームの展開に持ち込めました。ここまでの試合では勝てずに課題が残っていましたが、内容はだんだん上向いてきていて、今日の試合では今まで意識して戦ってきたことが出せたという収穫はありました。日本チームが海外の高さやパワーにどう対抗するか、という点でいろんなことを学んだ大会でした。決勝戦でも何か学べることを期待して、みんなで観戦したいと思います」
■久光製薬スプリングス
酒井新悟監督
「前半からディフェンスとラリーの中の決定力で差がついてしまい、このような展開になってしまいました。ほとんどサイドアタッカーが機能せず、ミドルを中心に攻めていこうと言いましたが、1本目の精度が上がらず苦しい展開でした。私たちの生命線であるボールコントロールや繋ぎの部分が、この大会を通じて精度がよくなかったことが反省点です。海外の選手の高さとパワーは、女子の中でも随分と違うんだなということは感じました。それでも技やボールコントロールの精度は日本人として海外の選手を上回らなければいけないのですが、そういうところも今は海外の大きな選手も身に着けている時代なので、それ以上のものを私たちは身に着けないといけないと感じました」
◆決勝戦 ワクフバンク・イスタンブール×レクソナ 3-0(25-19、25-21、25-21)
試合は序盤からワクフバンク・イスタンブールがミレーナ・ラシッチ(セルビア)やロンネケ・スローティス(オランダ)の得点によってリズムを作り、第1セットを獲得します。第2セットは序盤からレクソナが連続得点によりリードしますが、ワクフバンク・イスタンブールの朱婷[シュ, テイ](中国)が次第に猛威を奮います。レクソナのブロックをものともせずにスパイクを決め、第3セットには連続得点をマーク。レクソナも攻撃陣が奮起しましたが、最後は尽き果て、ワクフバンク・イスタンブールが圧倒する展開で、見事勝利。2度目の優勝を飾りました。
■ワクフバンク・イスタンブール
ジョバンニ・グイデッティ監督
「レクソナには手を焼きましたが、特に20点以降で得点を重ねられたことが勝利の要因だと思います。1ヶ月間にチームは国内リーグでプレーオフ敗退という憂き目に会いましたが、今大会の勝利はそこからの復活を意味しています。今回の優勝を誇りに思います」
■レクソナ
ベルナルド・レゼンデ監督
「高いレベルのバレーボールを展開しあしましたが、ワクフバンク・イスタンブールはたくさんのプレッシャーをかけてきましたし、常にチャンスが相手に巡っているような印象でした。私たちはもっといいバレーボールをしていく必要があります。ワクフバンクは世界一に値するチームでした」
決勝戦後に行われた表彰式では、個人賞の発表が行われました。MVPには優勝したワクフバンク・イスタンブールのエースで、2016年リオデジャネイロオリンピックMVPでもある朱婷(シュ,テイ)選手が選ばれました。また日本勢ではNECレッドロケッツの山口かなめ選手がベストセッター賞を受賞しました。
◆FIVB世界クラブ女子選手権2017神戸大会 サロンパスカップ 最終順位
1位: ワクフバンク・イスタンブール
2位: レクソナ
3位: ボレロ・チューリヒ
4位: エジザジュバシュ・イスタンブール
5位: ディナモ・モスクワ
6位: ネスレ・オザスコ
7位: NECレッドロケッツ
8位: 久光製薬スプリングス
◆FIVB世界クラブ女子選手権2017神戸大会 サロンパスカップ 個人賞
ベストアウトサイドスパイカー賞:
朱婷(シュ,テイ)選手(ワクフバンク・イスタンブール)
ガブリエラ・ギマラエス選手(レクソナ)
ベストミドルブロッカー賞:
マヤ・ポリャク選手(ディナモ・モスクワ)
キュブラ・アクマン選手(ワクフバンク・イスタンブール)
ベスロリベロ賞:
シルビヤ・ポポビッチ選手(ボレロ・チューリヒ)
ベストセッター賞:
山口かなめ選手(NECレッドロケッツ)
ベストオポジット賞:
ティヤナ・ボシュコビッチ選手(エジザジュバシュ・イスタンブール)
MVP:
朱婷(シュ,テイ)選手(ワクフバンク・イスタンブール)