ビーチバレーボール

ジャパンツアー第8戦 JBG 須磨大会最終日 男子はパリ五輪出場のNicolaidis/Hodges組が栄冠獲得 女子は柴/丸山組が今季3勝目

ジャパンツアー第8戦 JBG 須磨大会最終日 男子はパリ五輪出場のNicolaidis/Hodges組が栄冠獲得 女子は柴/丸山組が今季3勝目

朝から青空が広がり、最高気温は27度、海からは心地よい風が吹くという絶好のビーチバレー日和となったジャパンツアー第8戦JBG須磨大会の2日目。準決勝と決勝戦の計6試合が行われました。

 

女子準決勝のカードは、柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)組×坂本実優(株式会社キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)組と、辻村りこ(ANAエアポートサービス株式会社)/西堀健実(トヨタ自動車株式会社)組×松本恋/松本穏(ともにフリー)組となり、決勝進出を決めたのは柴/丸山組と松本恋/松本穏組です。両ペアは今季第3戦GSグランフロント大阪大会の準決勝で対戦し、そのときは柴/丸山組がストレートで勝利しています。

 

今回、先手を取ったのは松本恋/松本穏組です。第1セット15‐15までは膠着状態でしたが、相手のアタックミスを生かして15‐17と一歩抜け出すと、その後は得意とする速いテンポの展開で着実にサイドアウトを取っていきます。特に見事だったのが恋選手のコントロールショットで、ラインやディープに的確にボールを落とし、第1セットを21‐19で先取しました。

 

しかし第2セットになると、柴/丸山組が反撃を開始します。なかでも効果的だったのが柴選手のツーアタックで、相手の陣形が乱れているとみるやすかさずオープンスペースに返球。14‐9とリードを広げていきました。流れは完全に柴/丸山組にありましたが、リズムを崩されてしまった松本恋/松本穏組もまだまだ諦めません。集中力を切らすことなく、穏選手のサービスエース、恋選手のブロックなどでじりじりと追い上げ、17‐17の同点まで迫っていきます。その後19‐19となり、どちらがこのセットを取るかまったくわからなくなりましたが、ここから「サーブで攻めることができていました」と2ポイント連取したのは柴/丸山組。セットカウントを1‐1のタイに戻しました。

▲今季3勝目の柴/丸山組

 

そして迎えた勝負の最終セット。4‐4となったところから「競った場面でもあせることなく、練習でやってきたことを出すことに集中していました。それで視野が狭くならず、余裕をもってできたのだと思います」(丸山選手)、「本当にその通りで、無理して決めようとか、無理して何かしようとしたらミスが出ていたと思います」(柴選手)と、目の前の1ポイント1ポイントに集中した柴/丸山組が10‐6と中盤で引き離すと、リードを保ったまま15‐10で優勝。昨年の第10戦 須磨大会に続き、須磨大会連覇を達成しました。

 

続いて行われた男子決勝は、永井雄太(松戸レガロ)/長谷川徳海(ハウスコム株式会社)組×Mark Nicolaidis/Thomas Hodges(ともにオーストラリア)組の対戦になりました。Nicolaidis選手、Hodges選手はそれぞれ他の選手とのペアでパリ2024オリンピックに出場している実力者で、今回はHodges選手がジャパンツアー参戦のためにNicolaidis選手を誘ったといいます。2人は第7戦GSお台場大会にも出場していますが、そのときは1回戦で石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/庄司憲右(ハウスコム株式会社)組にフルセットで敗退。Hodges選手は「相手のほうがアグレッシブでした」と振り返ります。

 

そこで第8戦JBG須磨大会に臨むにあたり、「アグレッシブにプレーすることを心がけました」とHodges選手。その言葉通り、197cmの長身と高い跳躍力を生かしアタック、ブロックで得点を重ねただけでなく、ネットの端から端までブロードで動いてスパイクを決める機動力も見せ、脅威の前衛として立ちはだかりました。一方のNicolaidis選手は、「とてもテクニックがあるレシーバー。セットもうまくて、サーブがよくてアタック力もある。彼とのペアだといろいろなコンビネーションを試せるのが楽しい」とHodges選手が認める技巧派オールラウンドプレーヤー。実際の試合でもディグからのアタックといったダイナミックなプレーだけでなく、正確なパス、トスと丁寧さも見せていました。

▲高さとテクニックで観客を魅了したオーストラリアチーム

 

そのNicolaidis/Hodges組に対し、永井/長谷川組は「トスを近づけない」という戦術で挑み、長谷川選手のサービスエースやブロック、永井選手の気迫のこもったアタックでブレークする場面もありましたが、「向こうのパワープレーにやられてしまいました」(長谷川選手)というように、常に主導権を握っていたのはNicolaidis/Hodges組で、21‐16、21‐16で勝利しました。ちなみにNicolaidisは今回が初来日でしたが、Hodges選手はインドアのオーストラリア代表だったこともあり、ワールドカップとアジア選手権で来日しています。ビーチでは2022年のジャパンツアー第6戦松山大会で優勝して以来の来日で、今回も見事に栄冠を勝ち取りました。