坂口/長谷川組、女王決定戦を制す。「全日本ビーチバレー女子選手権大会」
3年ぶりの開催となった「第33回全日本ビーチバレー女子選手権大会(ビーチバレージャパンレディース2022)」。大阪府泉南郡岬町・せんなん里海公園にて、8月19日(金)から21日(日)の3日間、開催された。
今年の日本女子チャンピオンを決める大会は、全国35都府県からの代表37チームに加え、日本バレーボール協会の推薦6チーム、高校代表、大学代表が参加し、1日目は予選グループ戦、2、3日目は決勝トーナメントが行われた。
毎年、過酷なサバイバルゲームとなる猛暑のジャパンレディース。今年の最終日は早朝の豪雨のため、試合開始を2時間遅らせることとなり、準々決勝、準決勝は1セット28点マッチに変更された。
準決勝の対戦は、「マイナビジャパンツアー」でもすでに2勝を挙げているトップシードの長谷川暁子(NTTコムウェア株式会社)/坂口由里香(大樹グループ)組と、橋本涼加(トヨタ自動車株式会社)/村上礼華(株式会社ダイキアクシス)組。もう1試合は今シーズン国内初参戦で、ゲームメイクの良さが光る柴麻美(株式会社帝国データバンク)/西堀健実(トヨタ自動車株式会社)と、坂本実優(株式会社キュービック・スポット)沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)組。各チーム、通常と異なり違った難しさもある1セットマッチに戸惑いながらも、長谷川/坂口組が橋本/村上組を28-22、柴/西堀組も坂本/沢目組を28-22で下した。
悔しさを滲ませる村上礼華
準決勝を戦う沢目(左)/坂本(右)組
3セットマッチで行われた決勝は、雨も上がって夏の陽がコートを照りつけ、蒸し暑さも戻ってきた。序盤は、長谷川/坂口組、柴/西堀組とも持ち味を出し、確実にサイドアウトを切っていく。長谷川/坂口組は、坂口が球際の強さを見せ、「自分の課題としている」強打を打ち込む。柴/西堀組は、低いトスから速い攻撃、柴のツーアタックなど技巧に富む得点を重ねていく。
柴/西堀組
だが中盤を過ぎると両チームの拮抗が崩れ始める。効果的なサーブを武器に「こちらから仕掛けた」と話す長谷川/坂口組が得点を引き離す。「連続失点しても2点には抑えたい」と考えていた柴/西堀組だったが、レシーブの正確性を失いサイドアウトを次第に切れなくなる。長谷川/坂口組が今シーズン、国内で連戦連勝のチームの強さを見せ、21-14で第1セットを取った。
ブロックに飛ぶ西堀とスパイクを打つ坂口
第2セットも同様の状況になった。柴/西堀組は立ち上がり、長谷川/坂口組についていけたものの、ボールが西堀に集中し攻撃のかたちを崩されていく。「もう一段、スイッチが入らなかった」と柴が話すように、相手の攻撃に対応しきれず連続失点を止められなくなった。長谷川/坂口組は隙をまったく与えないまま、21-9で第2セットも奪取。セットカウント2-0で今年の日本女子チャンピオンに輝いた。
優勝の長谷川(左)/坂口(右)組
初めてのジャパンレディース優勝となった坂口は「1セットマッチは難しく緊張した部分もあった。決勝では自分たちのいいところが出せたと思う」と言い、個人では2019年に続くジャパンレディース連覇となった長谷川は「海外へ挑戦しているからこそ、国内でも勝てるようなチームになっていると思う。いろいろなことが試せているし、チームにはまだまだ伸びしろはあると思っている」と話した。
3位決定戦は、終盤、橋本に負傷のアクシデントがあったものの、橋本/村上組が2-0(21-17、21-16)で坂本/沢目組を破った。