マイナビジャパンツアー「3つのポイントシステム」
国内最高峰ツアーであるマイナビジャパンツアーは、11月27日(土)・28日(日)に延期された第3戦 沖縄大会を除いて全6戦を終了。総勢57名(男子29名、女子28名)が出場した。
ところで、国内ビーチバレーボールツアーはBVT1、BVT2(サテライト)、BVT3(アンダーエイジ)にカテゴリーが分けられているが、そもそも各大会への出場チームはどのように決められているかをご存じだろうか?
選手にとって重要な大会出場資格は、選手個人が各大会の成績によって獲得する①JVAオフィシャルポイントと、各大会へのエントリー時にランク付けされる②エントリーポイントによって与えられる。さらに、「マイナビジャパンツアー」には独自の③マイナビポイントがあり、ツアーランキングとファイナル大会出場権、賞レースが競われている。
これら3つの「ポイントシステム」は、競技者にとってはもちろんのこと、ファンの皆さんにとっても推し選手の大会出場を予想する重要な要素。今回のコラムでは、これら3つの「ポイントシステム」について紹介したい。
①JVAオフィシャルポイント
国際バレーボール連盟、アジアバレーボール連盟、日本バレーボール協会、日本ビーチバレーボール連盟らが主催する大会に出場し、勝利することで獲得できるポイントが「JVAオフィシャルポイント」だ。大会実施日から1年間有効で、その間に獲得した選手の個人ポイントが積み上げられていく。
ポイントの大きさは大会のグレードと順位によって定められており(
※参照
)、国際大会のほうがより大きなポイントが加算されるため、カテゴリー上位大会で結果を残した日本代表選手たちほどポイントを貯められる仕組み。選手たちにとって「JVAオフィシャルポイント」は、個人の実績を誇示するものといえる。なお「JVAオフィシャルポイント」は、各大会のシード順を決めるシーディングにも適用されたり、エントリーポイントを算出するためのポイントとしても使用される。
「JVAオフィシャルポイント」によって決まる大会ごとのシード順位は、選手にとって大きな意味を持っている。例えば、マイナビジャパンツアー第5戦の都城大会で今季初優勝した柴麻美(帝国データバンク)は、インタビューで「JVAオフィシャルポイント」の重要性をこう語っている。
「優勝したことでポイントが上がり、次戦からのシーディングが変わりました。いきなり上位チームと対戦するリスクが減るので、大会の戦い方が有利になったと思います。大会で優勝することの意義を改めて実感しました」。
JVAオフィシャルポイントの重要性を語ってくれた柴麻美(帝国データバンク)
②エントリーポイント
大会ごとのチーム出場(エントリー)を左右するのが「エントリーポイント」。過去に出場したJVAオフィシャルポイント加算大会のうち、獲得したJVAオフィシャルポイントの大きい順6大会の合計ポイントで算出する。適用される試合は2021年度についてはエントリー締め切り時点の直近104週前まで。2022年度以降は52週前を適用予定。
「エントリーポイント」は各選手が個人で取得するもので、大会エントリーの際は選手2名の合計ポイントを「エントリーポイント」とし、ポイント上位チームから出場資格が与えられることになる。
「エントリーポイント」は選手2名の合計で決まるため、誰と組むかでポイント順位が変わってくる。例えば、ポイントの少ない若手選手でも、多くのポイントを持っているベテラン選手と組むことで大会出場のチャンスを得ることができる。
今季のマイナビジャパンツアーで、このポイントの特性を活用したのが西堀健実(トヨタ自動車)/山田紗也香(産業能率大)組、村上めぐみ(オーイング)/オト恵美里(産業能率大)組だ。ベテラン選手の保持するポイントと、学生選手の体力や可能性を組み合わせることで、新たな挑戦を実現したわけだ。
「マイナビジャパンツアー」にはワイルドカード(主催者推薦)が設けられているため、「エントリーポイント」がなくても出場チャンスを得ることが可能。今年の「マイナビジャパンツアー」で活躍した松本恋/松本穏(Mt.dogs)組のように、共にワイルドカードで出場した第4戦名古屋大会(3位)、第5戦都城大会(準優勝)と与えられたチャンスを生かすことができれば、「エントリーポイント」を加算してファイナル大会出場戦線に名を連ねることもできる。
今季チャンスを生かし活躍した松本恋/松本穏(Mt.dogs)組
③マイナビポイント
「マイナビポイント」は、マイナビジャパンツアー各大会の成績によってチームに与えられるポイントのこと(BVT1のみ適用)。同年度に新たなチームで出場した場合は別途のポイントとして扱われるため、同じ選手がランキングに複数登場することもある。
マイナビジャパンツアーの第1~6戦は、「エントリーポイント」で出場チームが決定されるが、ファイナル大会出場は「マイナビポイント」による上位6チームに出場権が与えられる。また、ツアー「前半」「年間」のそれぞれ上位男女各2チームに授与される「マイナビワールドチャレンジ賞」(賞金100万円)を確定するのも「マイナビポイント」だ。
この賞レースは、選手にとってもファンにとってもツアーの大きな魅力である。ファイナル大会は、通常よりポイントがアップするので終盤の盛り上がりが期待できる。
今季、初めて「マイナビワールドチャレンジ賞」を受賞した長谷川暁子(NTTコムウェア)も「マイナビポイント」の魅力を語っている。
「最後の最後に逆転できるというのも、マイナビジャパンツアーを見ていただいている方にスリリングだと思います。トップの選手たちは抜かされないように気を引き締めるし、追いかける選手のモチベーションが上がるのでおもしろい展開になります」。
今季初めて「マイナビワールドチャレンジ賞」を受賞した長谷川暁子(NTTコムウェア)【左から二人目】
選手にとって保有ポイントは財産。自分の可能性を拡大し、より上のステージで戦うために、選手たちはポイントを争っている。この重要な3つのポイントシステムの仕組みを知ることで、ビーチバレーボールファンの皆さんも今後のツアー観戦がより楽しくなるのではないだろうか。
国際バレーボール連盟、アジアバレーボール連盟、日本バレーボール協会、日本ビーチバレーボール連盟らが主催する大会に出場し、勝利することで獲得できるポイントが「JVAオフィシャルポイント」だ。大会実施日から1年間有効で、その間に獲得した選手の個人ポイントが積み上げられていく。
ポイントの大きさは大会のグレードと順位によって定められており(
※参照
)、国際大会のほうがより大きなポイントが加算されるため、カテゴリー上位大会で結果を残した日本代表選手たちほどポイントを貯められる仕組み。選手たちにとって「JVAオフィシャルポイント」は、個人の実績を誇示するものといえる。なお「JVAオフィシャルポイント」は、各大会のシード順を決めるシーディングにも適用されたり、エントリーポイントを算出するためのポイントとしても使用される。
「JVAオフィシャルポイント」によって決まる大会ごとのシード順位は、選手にとって大きな意味を持っている。例えば、マイナビジャパンツアー第5戦の都城大会で今季初優勝した柴麻美(帝国データバンク)は、インタビューで「JVAオフィシャルポイント」の重要性をこう語っている。
「優勝したことでポイントが上がり、次戦からのシーディングが変わりました。いきなり上位チームと対戦するリスクが減るので、大会の戦い方が有利になったと思います。大会で優勝することの意義を改めて実感しました」。
JVAオフィシャルポイントの重要性を語ってくれた柴麻美(帝国データバンク)
大会ごとのチーム出場(エントリー)を左右するのが「エントリーポイント」。過去に出場したJVAオフィシャルポイント加算大会のうち、獲得したJVAオフィシャルポイントの大きい順6大会の合計ポイントで算出する。適用される試合は2021年度についてはエントリー締め切り時点の直近104週前まで。2022年度以降は52週前を適用予定。
「エントリーポイント」は各選手が個人で取得するもので、大会エントリーの際は選手2名の合計ポイントを「エントリーポイント」とし、ポイント上位チームから出場資格が与えられることになる。
「エントリーポイント」は選手2名の合計で決まるため、誰と組むかでポイント順位が変わってくる。例えば、ポイントの少ない若手選手でも、多くのポイントを持っているベテラン選手と組むことで大会出場のチャンスを得ることができる。
今季のマイナビジャパンツアーで、このポイントの特性を活用したのが西堀健実(トヨタ自動車)/山田紗也香(産業能率大)組、村上めぐみ(オーイング)/オト恵美里(産業能率大)組だ。ベテラン選手の保持するポイントと、学生選手の体力や可能性を組み合わせることで、新たな挑戦を実現したわけだ。
「マイナビジャパンツアー」にはワイルドカード(主催者推薦)が設けられているため、「エントリーポイント」がなくても出場チャンスを得ることが可能。今年の「マイナビジャパンツアー」で活躍した松本恋/松本穏(Mt.dogs)組のように、共にワイルドカードで出場した第4戦名古屋大会(3位)、第5戦都城大会(準優勝)と与えられたチャンスを生かすことができれば、「エントリーポイント」を加算してファイナル大会出場戦線に名を連ねることもできる。
今季チャンスを生かし活躍した松本恋/松本穏(Mt.dogs)組
③マイナビポイント
「マイナビポイント」は、マイナビジャパンツアー各大会の成績によってチームに与えられるポイントのこと(BVT1のみ適用)。同年度に新たなチームで出場した場合は別途のポイントとして扱われるため、同じ選手がランキングに複数登場することもある。
マイナビジャパンツアーの第1~6戦は、「エントリーポイント」で出場チームが決定されるが、ファイナル大会出場は「マイナビポイント」による上位6チームに出場権が与えられる。また、ツアー「前半」「年間」のそれぞれ上位男女各2チームに授与される「マイナビワールドチャレンジ賞」(賞金100万円)を確定するのも「マイナビポイント」だ。
この賞レースは、選手にとってもファンにとってもツアーの大きな魅力である。ファイナル大会は、通常よりポイントがアップするので終盤の盛り上がりが期待できる。
今季、初めて「マイナビワールドチャレンジ賞」を受賞した長谷川暁子(NTTコムウェア)も「マイナビポイント」の魅力を語っている。
「最後の最後に逆転できるというのも、マイナビジャパンツアーを見ていただいている方にスリリングだと思います。トップの選手たちは抜かされないように気を引き締めるし、追いかける選手のモチベーションが上がるのでおもしろい展開になります」。
今季初めて「マイナビワールドチャレンジ賞」を受賞した長谷川暁子(NTTコムウェア)【左から二人目】
選手にとって保有ポイントは財産。自分の可能性を拡大し、より上のステージで戦うために、選手たちはポイントを争っている。この重要な3つのポイントシステムの仕組みを知ることで、ビーチバレーボールファンの皆さんも今後のツアー観戦がより楽しくなるのではないだろうか。
「マイナビポイント」は、マイナビジャパンツアー各大会の成績によってチームに与えられるポイントのこと(BVT1のみ適用)。同年度に新たなチームで出場した場合は別途のポイントとして扱われるため、同じ選手がランキングに複数登場することもある。
マイナビジャパンツアーの第1~6戦は、「エントリーポイント」で出場チームが決定されるが、ファイナル大会出場は「マイナビポイント」による上位6チームに出場権が与えられる。また、ツアー「前半」「年間」のそれぞれ上位男女各2チームに授与される「マイナビワールドチャレンジ賞」(賞金100万円)を確定するのも「マイナビポイント」だ。
この賞レースは、選手にとってもファンにとってもツアーの大きな魅力である。ファイナル大会は、通常よりポイントがアップするので終盤の盛り上がりが期待できる。
今季、初めて「マイナビワールドチャレンジ賞」を受賞した長谷川暁子(NTTコムウェア)も「マイナビポイント」の魅力を語っている。
「最後の最後に逆転できるというのも、マイナビジャパンツアーを見ていただいている方にスリリングだと思います。トップの選手たちは抜かされないように気を引き締めるし、追いかける選手のモチベーションが上がるのでおもしろい展開になります」。
今季初めて「マイナビワールドチャレンジ賞」を受賞した長谷川暁子(NTTコムウェア)【左から二人目】
選手にとって保有ポイントは財産。自分の可能性を拡大し、より上のステージで戦うために、選手たちはポイントを争っている。この重要な3つのポイントシステムの仕組みを知ることで、ビーチバレーボールファンの皆さんも今後のツアー観戦がより楽しくなるのではないだろうか。