マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2021 第3戦 沖縄大会最終日 男子は石島/黒川組、女子は松本恋/松本穏組が優勝
「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2021第3戦沖縄大会」が沖縄県豊見城市のオリオンECO美らSUNビーチで開催され、11月28日(日)の最終日に男女準決勝、決勝の熱戦が繰り広げられた。
≪松本姉妹が嬉しい初優勝≫
女子決勝に進出したのは、伊藤桜/野口彩陽(産業能率大)組と松本恋/松本穏(Mt.dogs)組。
第1セット序盤は、準決勝で村上めぐみ(オーイング)/藤井桜子(立飛ホールディングス)組に勝利した伊藤/野口組が12-9とリードを奪う。その後も強風の中でも安定したパスから高い決定率で攻撃する伊藤/野口組が、21-17で第1セットを先取。
第1セットを先取した伊藤/野口 組
しかし、第2セットに入ると伊藤/野口組の守備をかいくぐる巧みな攻撃を見せた松本恋/松本穏組が11-7と主導権を握り始める。そのままじわじわと点差を引き離して21-14で第2セットを奪取した。
勝利をかけた最終セットは、両チーム、簡単にボールを落とさない好ラリーを展開。伊藤/野口組の大学生ペアが、松本恋/松本穏組に食らいついていくかたちとなったが先にマッチポイントを握ったのは伊藤/野口組。しかし野口の放った勝利へのショットがサイドラインをわずかに割ってしまいデュースへ突入。その後、松本恋のブロックが炸裂しこの1本で一気に流れを引き寄せた松本恋/松本穏組が、17-15でフルセットの戦いを制した。
マイナビジャパンツアー初優勝を果たした松本恋/松本穏 組
マイナビジャパンツアー出場3回目で初優勝を果たした松本恋/松本穏組。姉の恋は「3位、2位ときたので、今回は優勝しか考えていなかった。歳下には絶対には負けたくなかったので、勝ててうれしい」と喜びを語った。
妹の穏は、「ほかの大会では、伊藤/野口組にセットを落としたことがなかった。今回はすごく勢いがあったと思う」と相手チームの印象を語り、「優勝して、上の選手たちはこういう気持ちを味わいながら戦っていることがわかった。今季は地元のワイルドカードとアクティオワイルドカードで出場し試合を経験させていただき、最後に優勝という結果で恩返しができてよかった」と、感謝の気持ちを述べた。
松本恋/松本穏 組
≪石島が黒川との新ペアで優勝≫
一方、男子決勝は石島雄介(トヨタ自動車)/黒川寛輝ディラン(しながわシティビーチバレーボールクラブ)組と、吉田英樹(マイセルフ/MAGS)/和田信二(マイセルフ)組との対決。
吉田/和田組は準決勝で西村晃一(ITEC WINDS)/佐藤亮太(テクノスジャパン/雄大グループ)組を破り、ペア結成4年で初の決勝進出を決めた。吉田は決戦を前に「石島/黒川組はブロッカー同士。レシーバーは自分1人なのでゲームをコントロールしていきたい」と意気込みを語っていた。
第1セット序盤は一進一退の攻防戦が繰り広げられるが、石島/黒川組が持ち前の高さを活かし、コンスタントにブロックポイントを上げリードを広げていく。「サーブの効果率がカギになる」と話していた黒川のサーブもポイントにつながり、第1セットは21-16で石島/黒川組が先取。
第1セット、要所でサーブが光った黒川
勢いに乗った石島/黒川組は、第2セットも序盤から黒川のサーブが炸裂。風下からのサーブで吉田/和田組の攻撃体制を崩し、石島のブロックも決まって8-3とリードを広げる。しかし、プロチームを倒して勝ち上がってきた吉田/和田組もこのままでは終わらない。ブロッカーの和田が空中戦で石島と張り合い、16-16と同点に追いつく意地を見せた。それでも、終盤は石島/黒川組がそれを上回る高さとパワーを発揮。傾きかけた流れを相手に渡さず、21-19と決着をつけた。
ペア結成4年で初の決勝進出も敗れた吉田/和田 組
プロ1年目でマイナビジャパンツアー初優勝に輝いた黒川は「2セット目後半は、風が変化したときにサーブを含めた戦術の対応ができずにバタバタしてしまった。試合をとおして状況を把握し試合を進めていければ、もっと強くなれると思う」と課題を口にした。
若手とペアを組んで優勝を手にした石島は「自分自身、若手と一緒に練習ができなくなったら引退すると思っているが、まだまだやれると感じた。やれるところまでやりたい」と来季への意気込みを語った。
石島/黒川組
この大会をもって「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2021」全大会の日程が終了。アジア選手権と開催時期が重なっており上位チームが参加していなかったとはいえ最終戦は男女ともに次世代のプレーヤーの活躍が目立つ結果で幕を閉じた。