ビーチバレーボール

U19アジア選手権大会 派遣選手選考会レポート

U19アジア選手権大会 派遣選手選考会レポート

ビーチバレーボールの強化拠点、川崎マリエンに若きビーチバレーボール選手たちが集まった。4月23日(土)、24日(日)に行われたU19ビーチバレーボールアジア選手権大会派遣選手選考会のレポートをお届けする。

この選考会は6月2日〜5日にローイエット(タイ)で開催される第4回アジアU19ビーチバレーボール選手権大会に派遣する選手(最大で男女各2チームを派遣)を決定するために行われた。一次選考は応募資格を満たした選手による書類と対人パス、スパイクなどの動画による選考。その後、一次選考を通過した男子8名、女子7名(1名が体調不良により欠席)計15名が23日に川崎マリエンビーチバレーボールコートに集合し、30mスプリント、サイドステップ、立位からの三段跳びなどの体力測定と個人面接、スキル・ゲーム形式実技による二次選考を行った。

初日は体力測定と個人面談が行われた

選考会に参加した男子選手の一人、千葉商科大付属高校3年の美保幸輝選手は「世界に挑戦してみたいと思い、応募しました」と話す。ふだんはインドアでプレーしながら、夏場はビーチバレーボールの大会に出場しており、「レベルが高い人も来ると思うが、何がなんでも選ばれたい」という思いで臨んだという。

選手は個人面談で自己アピールも行った

今回の選考に携わった牛尾正和強化委員長は「6月に大会があることを考えると、本来はもっと早くに選考を行い、定期的な合宿をしたかったが、新型コロナウイルスの影響もありままならなかった。今回の選考では総合的にプレーできることを重視したい」と話す。

選考会の説明を行う牛尾正和強化委員長

また、この選考会は派遣選手を選出することだけが目的ではないと話す。「過去の選考で行ってきた体力測定の各種目の数値を参加選手に共有し、トッププレーヤーになるためにはどのような目標を設定すべきかなども伝えています。例え今回の選考で選ばれなかったとしても、目標を持って成長してもらい、ビーチバレーボールを継続する選手が増えていけば、普及にもつながります」

選考会での経験を選手の成長につなげていく

普及につなげる点も大切だが、タイ、中国、オーストラリアなどアジアの強豪国と比べると、まだまだ強化の推進が重要であることに変わりはない。「あくまでも日本代表として派遣され、海外の大会に出場する以上、責任があります。それは選手にも自覚してもらいます。選手たちが結果を出すために、私たちは最大限のことをやっていかなければいけません」(牛尾正和強化委員長)。

お互いに声を掛け合うことでよい雰囲気が生まれていた

日本代表として選出される以上、求められる責任は軽いものではない。しかし、選手たちにとっては責任の重さ以上に、喜びがあったのかもしれない。アジアU19ビーチバレーボール選手権大会においても新型コロナウイウルス感染拡大の影響は大きく、2020年は中止、2021年は派遣見送りとなっていた。福知山成美高3年女子の久岡千夏選手は「コロナ禍で大会に出る機会が少なくなり、悔しい思いをたくさんしてきたので、少しでもたくさんの大会に出て活躍したい」と語り、試合を切望している様子がうかがえた。体力測定で選手たちがお互いに「頑張れ!」「もっとできる」などと声を掛け合う場面や、実技試験でコミュニケーションを取り合い、1プレーごとに喜怒哀楽を表現する場面が多く見られた。若い選手たちにとっては、プレーする喜びこそが大きいのではないだろうか。

今後、日本代表としての責任を背負いながらも、試合ができる喜びを感じながら前向きにプレーしていく姿を想像させる選考会となった。

選考会に参加した選手とスタッフ