ビーチバレーボール

高みを目指す大学有望チーム。「マイナビジャパンツアー第2戦平塚大会ガラナ・アンタルチカ杯」展望

高みを目指す大学有望チーム。「マイナビジャパンツアー第2戦平塚大会ガラナ・アンタルチカ杯」展望

「マイナビ ジャパンビーチバレーボールツアー第2戦平塚大会ガラナ・アンタルチカ杯」の出場チームが8月20日、発表された。
 
若手選手の育成をバックアップするために生まれた「アクティオ・ワイルドカード」で出場するのは、今年の大学選手権で優勝した男女1組だ。
男子は日本体育大の小田涼太(4年)/福嶋晃介(4年)組、女子は産業能率大の山田紗也香(4年)/オト恵美里(3年)組の参戦が決まった。
 

大器の片鱗を見せた日本体育大の小田と福嶋
 
小田/福嶋組は、2020年2月に開催された日本バレーボール協会主催の『ハイポテンシャルアスリート合宿』に参加し、そこで初めてビーチバレーボールを経験した。
「海外の合宿で基本をみっちり教わっていたので、それを活かすことができた」と話した小田/福嶋組は、およそ半年後の「ビーチバレーボールジャパンカレッジ2020」で初優勝。自分たちよりも経験のあるチームを次々に倒し、大器の片鱗ぶりを見せつけた。
 
2人の武器は、高さとパワーを備えるブロッカー・福嶋と、レシーバー・小田のクレバーなプレー。福嶋の持ち前のジャンプ力を活かした強烈なジャンプサーブ、駆け引きに長けたブロックで流れを引き寄せる。さらに攻守において高い技術力を持つ小田が相手のひるんだ隙を見逃さない。
 

「ビーチバレーボールは面白い」と話すチームの頭脳である小田
 
大学最後の年となった今夏は、さらにその武器に磨きをかけた。「昨年は勢いと部分もあったけれど、今年は実力を出し切った優勝だと思う」と福嶋が語ったように、「ビーチバレーボールジャパンカレッジ2021」で2連覇を達成した。
変化を遂げたのは、プレーだけではない。この1年で心の中で「もし機会があるならば、ビーチバレーボールを将来続けていきたい」(小田)と想いが芽生えたのも確かだった。
 
女子の山田/オト組も、「ビーチバレーボールジャパンカレッジ」2連覇を飾った将来期待の逸材である。山田は高校3年のときにツアーの下部大会である「JBVサテライト岐阜大会」(当時名称)で優勝を果たし、大学ビーチバレーボールの名門・産業能率大に進学。アンダーカテゴリーから成長を遂げてきた若手の台頭といえる選手だ。
 
パートナーのオトは、大学に入学してからビーチバレーボールを始めた。日本人の母とトンガ人の父との間に生まれた。母は高校時代に全国で優勝経験があり、父のロペティ・オトさんは元ラグビー日本代表。そんな両親の血を受け継いだオトの身体能力は目を見張るものがあり、パンチのあるスパイクを幅広いコースへと打てるのが最大の魅力だ。
 

パンチのあるスパイクが魅力のオト(左)
 
オトはビーチバレーボールをやり始めた当初はすぐに結果を残すことができなかったが、昨年から経験豊富な山田がパートナーとなり、それまで眠っていたオトの潜在能力を山田が引き出した。その結果、優勝から遠ざかっていた産業能率大に3年ぶりの優勝をもたらし、今年の夏も厳しいマークにあいながらも女王の座を守りきった。
 

将来ビーチバレーボールの活動をしていきたいと話す山田
 
大学4年。最後の夏を笑顔で終えた山田は「将来はビーチバレーボールで活動していきたい」と視野に入れている。
 
大学での経験を糧に、ビーチバレーボールに夢を抱きはじめた若手選手たち。高みを目指す猛者たちにとって、ジャパンツアー参戦は好機となるか、注目したい。