ビーチバレーボール

PLAYERS INTERVIEW⑧ 倉坂正人

PLAYERS INTERVIEW⑧

倉坂正人

両親がプレーヤーだったこともあり、幼い頃から常に傍にあったバレーボール。”バレーボール選手”になることを夢に描いていた学生時代を経て、大学卒業後はサラリーマンをしながら実業団男子チームへ。そして、更なる高みを目指すため、2016年頃”ビーチバレーボール選手”への転向を決意した倉坂。サラリーマン時代に培った”コミュニケーション力”を強みに、日本のトップを目指す。

―バレーボールを始めたのはいつですか?
「8歳の頃に始めました。きっかけは父親と兄がバレーボールをやっており、母も地域の小学校バレーのマネージャーをしていたので、気づいたら自分もプレーをしていました」

―ビーチバレーボールに転向しようと思ったきっかけは?
「大学を卒業後はサラリーマンをやりながら実業団のバレーボールチームに入って続けていたのですが、そこである先輩に出会い、『やってみないか?』と誘いを受けたことがきっかけです。しかし、正直、ほとんど見たことがなかったですね。4人制でやったことはありますが、お遊び程度でした。
自分の気持ちとしては、大学に入る時点で競技の第一線から身を引こうと思いサラリーマンとして過ごしていたのですが、実際始めてみたら身体はうまく動いて(笑) もう一度本格的にチャレンジしてみようと思っていたら、とある先輩からの話があった…という形です」

―小さい頃の夢は?
「バレーボールで生きていくことしか考えていなかったです。高校、大学もバレーで進学したいと思っていましたし、ずっと日本代表の試合も見ていて“入れる!”と自分の力を過信していました(笑)」

―転向して大変だったことは?
「1番最初に感じたのは風ですね。天候に左右される競技ですのでそこを理解するのに時間がかかりました。ルールを覚えるのも半年以上はかかりましたね。タイムを2回とって怒られたりもしました(笑) ルールはインドアとだいぶ違うなと感じましたね。2~3年すると楽しくできる競技だなと感じるようになりました」

―ビーチの魅力・醍醐味は?
「会場の一体感ですね。いろんなスポーツと比べてもお客さんとの距離が近い。見ている方もすごい迫力を感じることができるおもしろい競技です。選手も“見てもらっている”感じがあるので、そのような舞台はアスリートにとってすごく良いことだと思います。試合中もガンガン音楽が流れているので、そこも一体感を生みやすい理由かと。応援スタイルも自由なのできっと皆さん楽しめると思います」

―昨季を振り返ってどんなシーズンでしたか?
「東京オリンピックの前年という事もあり、海外のポイントを集めることに集中していました。庄司選手とペアを組み、1年の半分くらいは海外へ行っていましたが、試合をたくさん経験できたことでチームワークもプレーもすごく成長できたと思います。
ビーチバレーボールは“長期的に時間がかかるスポーツ”と言われているので焦ることなく着実に技術を重ねていくことが大切だと感じています」


―コロナ渦の中でモチベーションの保ち方は?
「モチベーション自体は変わっていません。オリンピックは一つのイベントだと思うので、それに引っ張られることなく過ごすことが日々大事だと思っています。環境が整わない中でも、できる事をやる。練習ができない、トレーニングできない中で今の自分ができる事を家の中でも考えていました」

―海外遠征が多いと思うのですが、欠かせない持ち物はありますか?
「醬油ですね。僕は意外とどこでも大丈夫ですけど長期遠征になると『日本食、食べたいな』と思うことはあって(笑) 醬油を少し付けるだけでも『日本っぽいな』と感じるので持っていっています!」

―海外で食事以外に大変なことは?
「移動ですね。海でやる競技なので、たいてい空港に着いてもそこから長い移動距離があります。どうやって行くかを毎回二人で考えるのが大変です。現地の電車やタクシーに乗ったり…。辛くはないですが大変です。
昨年初めてブラジルに行ったのですが時差が真逆で。夜も全然眠れなくて日中が眠いという生活でした。だいたい現地に3日前に入って、体内調整をしていく感じです。気温も全然違うのでそこも大変ですね。もちろん、国民性も全然違いますよ! そこはいろんな違いがあっておもしろいです。いい勉強になりました。」

―プライベートでもう一度行ってみたい国は?
「スロベニアですね。初めて行ったヨーロッパがスロベニアということもあったのですが、テレビで見ていたような建物の風景や空間的にもすごいヨーロッパ感も感じましたし、街もコンパクトなのでとても良かったです。」

―すごいと感じる国内選手は?
「庄司選手です。フィジカルが強くて身体に負担をかけないようなプレーをしているので、隣で見ていてもすごいですね」


倉坂正人プロフィール


NTCビーチバレーボール競技別強化拠点(川崎マリエン)