石井/村上組、第1フェーズで敗退。「オリンピック・クオリフィケーショントーナメント」。
2020年東京オリンピックの予選にあたる「オリンピック・クオリフィケーショントーナメント」が9月18日(水)、中国の海陽市で開幕した。世界ランキング上位15ヵ国(各国1チームのみ、プラス開催国。7月16日時点ワールドツアーランキング)による男女16チームが集結するこの大会。日本からは日本代表女子の石井美樹(湘南ベルマーレ/荒井商事)/村上めぐみ(オーイング)組が出場した。
戦いの舞台となったのは、中国・山東省の青島から車で1時間30分ほど行った海陽市。2012年にはビーチスポーツの祭典「アジアビーチゲームス」が2012年に開催され、ビーチイベント用のメインスタジアムも完備。昨年はワールドツアー3-star大会も開催された。
プール戦上位3チームが第2フェーズに進出できる第1フェーズ。石井/村上組はブラジル(ランキング54位)、スペイン(18位)、イタリア(13位)のいるプールBに入った。18日初日は朝から運営テントがはためくほど強風に見舞われる中、石井/村上組はブラジルと対戦した。
世界の強豪に挑んだ石井/村上組
この試合に勝てば、第1フェーズ突破という重要な一戦。石井/村上組は第1セット序盤はレセプションが安定せず、16-21と先取されたものの、第2セットは21-18と接戦をものにする。
しかし、第3セットは再びブラジルの速いサーブが石井と村上を襲われ、決定打を失っていく。
「ブラジルの動きはそんなによくないので、相手のいないところに攻撃をしていかないといけなかったが、相手のいるところに打ってしまったしミスも多かった」と村上。得意コースのカットショットも厳しいマークに合い、ブラジルのディフェンス包囲網を打ち破れない。第3セット7-15と失い、セットカウント1-2で黒星を喫した。
この時点で次のルーザー同士の戦いで勝利しなければ、石井/村上組は第1フェーズで姿を消す。第1フェーズ最終戦は、イタリアとの戦いに同じくフルセットの末敗れたスペインと対戦した。
「スペインとはこれまで対戦したことはあるけれど、毎回あっさり負けていた」と石井。しかし、この試合では石井/村上組の緩急をつけたサーブが好調だった。十八番のネット幅を使ったコンビネーション攻撃も思うように決まり、13-10と主導権を握る。その勢いを維持した石井/村上組は第1セット21-18と先取した。
2試合ともにフルセットゲームを戦った石井/村上組
続く第2セットは逆の展開。序盤からサーブで崩されてスペインが先行する。しかし終盤において「コンチネンタルカップ後からブロックがよくなった」という石井のブロックポイントが炸裂。17-19から同点に追いつき、デュースとなったが、21-23と惜しくも取り逃がした。
これを獲れば、第2フェーズの切符をつかめる第3セット。だが、オリンピック経験のあるスぺインは一枚上手だった。
序盤からサーブで集中的に石井を狙い、強打に狙いを絞りディフェンスを成功させていく。1-5と大きく点差を離された石井/村上組は、最後まで決め手を失い5-15と敗れた。この時点で石井/村上組の第1フェーズ敗退が決まった。
コンチネンタルカップ(第1フェーズ東アジア地区予選)に続き、オリンピック予選に該当する大会に出場した石井は、「コンチネンタルカップでは(溝江)明香とペアを組んでレシーバーを経験した。両方を経験したことで、これまで気づかなかった課題も見えたのは大きい。ブロックはいかにレシーブと連動していくかが大切だと思った。いろいろ考えられるようになってから、自分のブロックにも手ごたえを感じている。2人の連動をもっと詰めていければ、シャットアウトできる確率も上がっていくと思う」と振り返った。
一方、コンチネンタルカップではリザーブにまわった村上。シーズン中盤の7月下旬よりも調子は多少上がっているという
「この大会は自分たちが勝てば直接、五輪出場枠をつかめるという大会。組み合わせも前から決まっていたので、準備できた。そういうところは少し特別な大会でチャンスはあったのに、出だしの内容と結果がまったくダメだった。1試合目、2試合目で修正できたのはよかったが、自分の能力を考えると最初からいい状態で力を発揮していかないといけない。1試合やってからでは遅いと思う」と肩を落とした。
石井/村上組は帰国後の次戦は、第1戦以来の「マイナビジャパンツアー第7戦名古屋大会」に出場予定となっている。