石井/村上組、初勝利。石島/上場組はプール戦敗退。「FIVB世界選手権」第4日目。
「FIVB世界選手権」第4日目が7月1日(月)、ドイツ・ハンブルグのアムローテンバウムスタジアムで行われた。プール戦4日目は日本の石井美樹(荒井商事/湘南ベルマーレ)/村上めぐみ(オーイング)組、石島雄介(トヨタ自動車)/上場雄也(松戸レガロ)組の試合が17時から行われた。
■日本女子戦評
石井/村上組は、ワールドツアーランキング84位のキューバ、Leila/Maylen組とプール戦3位をかけて対戦した。第1セット序盤からキューバの強烈なジャンプサーブが石井/村上組を襲う。しかし、「自分たちのサーブで初めは崩すことができなかったが、途中から2人で話し合ってサーブの狙いを変えたり、戻したり変化をつけていった」と石井。緊迫した場面でも冷静に戦術を立てて攻撃を決め、11-8と優勢に試合を進めていく。終盤にきてキューバのジャンプサーブに苦しめられる場面も見られたが、石井/村上組はここでも焦らず村上のコート前方を狙ったショットが鮮やかに決まるなど、21-17と第1セットを先取した。
幅広い攻撃を見せて流れを引き寄せた村上
第2セットも序盤から石井/村上組のペースで幕を開ける。中盤またも石井/村上組のレセプションが崩れて7-7とキューバに追いつかれたが、再びサーブで流れを引き戻したのは石井/村上組だった。キューバの攻撃ミスを誘うと石井のディグから連続ブレイクを奪った石井/村上組はキューバを一気に引き離し、21-16とストレートで勝利を決めた。
1勝2敗となった石井/村上組は、1勝2敗でプール戦3位となった。明日2日のプール戦終了時にプール戦3位の上位4チームに入れば、無条件で決勝トーナメント進出が決まる。5位以下であれば、2日19時から行われるラッキールーザーマッチに出場する(プール戦3位の順位は2日全プール戦終了後に決定する)。
鋭い攻撃を見せた石井
■日本男子戦評
この試合に勝てば、石井/村上組同様、プール戦3位が確定した石島/上場組。ワールドツアーランキング82位のイタリア、Ranghieri/Caminati組との対戦となった。第1セット、イタリアが石島と上場の2人の間を狙った巧妙なサーブで、石島/上場組は4-8とリードを広げられる。要所でディグが成功してもそこからのつなぎ、攻撃の精度を欠き、石島/上場組は反撃の手立てがないまま、15-21と第1セットを先取された。
連携ミスが目立った石島/上場組
第2セットも連携ミスが目立つ石島/上場組。しかし、中盤以降、イタリアのブロックをかいくぐり、石島/上場組は必死に食らいついていく。上場のサーブポイントで13-15と追いすがる石島/上場組。応戦ムードをつかみかけていたが、攻撃後のフォローミスから、再びコンビネーションが崩れ始める。終盤は13-18と大きく点差を広げられ、最後はイタリアのショットがコートに落ち、日本にとって12年ぶりの世界選手権が終わった。
■選手コメント
石井美樹
「キューバはサーブで攻めても思ったより崩れず、しっかり攻撃を打ち込んできた。データと違ったからとまどったけれども、ボールデッドの間での12秒間で2人でよく話して変化に対応できたと思う。試合内容は良くなかったけれど、勝ちは勝ち。次はレベルが高い相手と対戦すると思うが、絶対に勝ちたい」
村上めぐみ
「作戦を変更していけたのが、勝因だと思う。世界選手権はワールドツアーよりポイントがものすごく高いので、やっぱり勝ちたい大会。けれども、自分たちのやることは変わらない。いつも戦わないチームと対戦したり、スケジュールが普段と違うのは世界選手権ならでは。コート3はもういい(笑)。明日以降、メインコートで試合がやりたい」
石島/上場組はプール戦3敗で終了した
石島雄介
「初戦から振り返って自分のできること、できないことがあった。今回は自分の課題に関してどれくらいできるか、試したいと思った。その中のひとつ、オーバーハンドセットは強いチームを見るといかに試合でできるようになることがスタンダートなのだと感じた。レベルの高い審判の中で評価されるのかも意識していた。この経験を大切に活かしていきたい」
上場雄也
「来年東京オリンピックもあるし、もっと日本が強いと見せたかったけど、まったく力を見せることができなかったことが残念。1本、2本のプレーが通用するのはどのレベルでもある。それをコンスタントに発揮していくのが、通用していると言えると思う。いいプレーが途切れてしまっては通用していないと思う。高さで劣る日本は、チームとして戦術を考えていかないと今後勝っていくのは難しい」
写真/平野敬久