ビーチバレーボール

石井/村上組、12年ぶりにメダル獲得。第18回アジア競技大会女子決勝。

石井/村上組、12年ぶりにメダル獲得。第18回アジア競技大会女子決勝。

第18回アジア競技大会2018ジャカルタ・パレンバン(インドネシア) のビーチバレーボール競技は8月27日(月)、パレンバンのジャカバリン・スポーツ・シティで女子決勝、3位決定戦が開催された。

昨日26日(日)に行われた準決勝でカザフスタンのTatyana Mashkova/ Irina Tsimbalova組に勝利した石井美樹/村上めぐみ組と、地元インドネシアのDhita Juliana/ Putu Dini Jasita Utami組に勝利した中国のWang Fan/Xia Xinyi組が対戦した。


ワールドツアーランキング上の中国と対戦した石井/村上組

ビーチバレーボールが正式競技となったのは1998年バンコク大会から。過去のメダル獲得実績は、バンコク大会で高橋有紀子/佐伯美香組が銀メダル、徳野涼子/楠原千秋組が銅メダル  2002年釜山大会で白鳥勝浩/渡辺聡組が金メダル、徳野涼子/楠原千秋組が銅メダル、2006年ドーハ大会では小泉栄子/田中姿子組が銀メダル、2010年広州大会で白鳥勝浩/朝日健太郎組が銅メダルだった。しかし、2014年仁川大会では男女ともにメダルを獲得できずにベスト4入りを果たせなかった。

石井/村上組は2015年からチームを結成し、この4年間で2016年3月のアジア選手権で3位、2017年10月のアジアツアーグランフロント大阪大会で3位に入ってきた。未だ決勝戦に進出したことはなかった石井/村上組だったが、今大会では初の決勝進出を果たした。

2016年リオデジャネイロオリンピックで初めて男女ともに出場を逃した日本のビーチバレーボール界にとって、一筋の光となる金メダル獲得は、ファン、競技者、関係者の悲願。日本の女子ビーチバレーボールとしては12年ぶりのゴールドメダルマッチ、初のアジア制覇に挑むことになった。

第1セットは、石井/村上組のペースだった。最大の武器であるスピードサーブで身長188cmのWanのレセプションを崩し、3-1と先制する。「すごく状態がよかった。1セット目はコートの空いている所を見極めて打つよりも、ワンテンポ速くコースを切っていこうと思って実行したら、それがうまくいった」と村上。中国の高いブロックを緩急織り交ぜて交わし続け、第1セットを21-17と先取した。


フルセットゲームを戦った石井/村上組

金メダルまであと1セット。アジア初制覇を東京オリンピックに向けて弾みにしたいところだったが、第2セットから中国の反撃が始まる。

「レベルの高いチームは第1セットを見てしっかり対策してくる」と石井が振り返るように、石井/村上組よりもワールドツアーランキングが上の中国(21位。石井/村上組は29位・8月27日時点)は、Wanの高さとXiaのスピードを攻守に発揮し始める。
「序盤リードを奪われたことで、点数がほしいという気持ちになった。スパイクを打つ時に『違うこと』を考えてしまった。第1セットのようにコースを切っていけば決めに行けたというプレーが3本あった。悔しい」と村上。ディグを成功させても決定打を欠いた石井/村上組は、第2セット19-21と落とした。

第3セットは、タイに持ち込んだ中国が第2セットの勢いを持続。高い打点から突き刺さるようなWanのスピードサーブが石井/村上組を襲い、1-5とリードを奪われる。中国は第1セット、あれほど崩れていたレセプションも安定し、石井のフェイクからのオーバーハンドディグを無意味と化すほどの鋭角の位置にWanが強烈なスパイクを打ち込む。突破口を開けなかった石井/村上組は点数を引き離され、第3セット10-15と敗れた。


12年ぶりに銀メダルを獲得した女子ビーチバレーボール、村上と石井

表彰式後、金メダル獲得の瞬間を報道しようと駆け付けた日本のメディアに囲まれた石井/村上組。しかし、銀メダルを首にかけても心からの笑顔はなかった。「アジア競技大会はあくまでも通過点のひとつ。それでも決勝までこられたので、絶対に金メダルを獲りたいと思って挑んだ。でも獲れなかったので、ただ悔しい」と村上は感情をにじませた。

2セット目以降、ことごとく中国のレシーバー・Xiaに攻撃を拾われ、決定打を欠いた石井も、「3セット目の出だし、セットが低くなってしまい、コースを打ち分けられなかった。高いレベルの相手に勝つためにはもっと精度が必要になってくる。合わなくなった時にどれだけ早く気づいて修正できると言う技術が高くなっていけば、勝っていけると思う。中国以上に強い相手もいるので、もっと練習で厳しく取り組んでいきたい」と課題を口にした。

8月18日から始まったアジア競技大会ビーチバレーボール競技は、28日に最終日を迎える。銀メダルを獲得した石井/村上組は、30日早朝の便で日本に帰国。そこから9月1日(日)、2日(日)、愛媛県松山市で開催される「 ジャパンビーチバレーボールツアー2018第8戦松山大会」に、それぞれペアを変えて出場予定となっている。