ビーチバレーボール

「悪条件の中でも3位になれてよかった」。 石井/村上組、帰国インタビュー。

「悪条件の中でも3位になれてよかった」。

石井/村上組、帰国インタビュー。

9月25日からタイのサトゥーンで「AVCアジア選手権」が開催された。女子の石井美樹(湘南ベルマーレ)/村上めぐみ(オーイング)組が2大会連続、3位入賞を果たした。29日早朝に帰国した2人に大会を振り返ってもらった。

─3位入賞、おめでとうございます。今回のアジア選手権を振り返ってみていかがでしたか?

村上:今回はツアーファイナルが終わってすぐに出発してとてもタイトなスケジュールだったので、身体が思うように動かなかったり、調子が上がっていきませんでした。砂も固かったりして、そういう悪条件の中でもどうやって戦ったらいいのか、と考えていく必要がある中で、3位になれたのはよかったと思います。

石井:選手皆、疲れているのは一緒です。疲れているからこそ、それを超えたことをしないと身体はついてきません。身体のケアはスタッフを信頼して、私は自分のプレーに集中しようと。ラッキーなことにプール戦で1チーム棄権したのでその分休めて、あとから調子も上がってきました。


「調子は上がっていった」と言う石井  写真/AVC

─9月からオリンピック予選も始まっている中、アジアの各チームの状況、大会自体のレベルはどうでしたか?

村上:タイや中国もペアを組み変えていましたね。

石井:通常、もっとレベルは高いと思うのですが、ペアを変えたり、ケガをしていたり、どのチームもバタバタしていた印象はあります。優勝したオーストラリアも決勝トーナメント1回戦でブロッカーが足首を負傷して動きがあまりよくありませんでした。チーム力が落ちているペアが多く、普段よりもそうレベルは高くなかったと思います。

─そんな中、3位という結果は力を出し切ったのでしょうか?

石井:準決勝のオーストラリア戦はもう少しがんばれば、結果は変わっていたかもしれません。1セット目は出だしからあっさり離されましたが、2セット目はずっとリードしていて19点までいったのに、相手が16点の所から持っていかれた。サイドアウトが切れず、レシーブが拾えなかったのは、課題として残りますね。


「悪条件の中でも3位になれたのはよかった」と村上 写真/AVC

─次の戦いは、10月に入ってからになりますか?

石井:10月中旬に始まる中国・揚州、アメリカのラスベガスで開催される4starの大会に出場予定です。やっとメインドロースタートになったのは、大きいですね。だから、このチャンスを掴まないとな、と。

─さらに上へ上がっていくためにイメージしていることは?

石井:海外の強い選手を見ると、攻撃のバリエーションが広くて、セットがよくない状況でも決める力がある。私たちは小さいけれど、そこをもっとやっていく必要がある。セットが悪い時は入れていくだけになってしまうので、もっと相手の嫌なところへ攻撃できるようにバリエーションを増やしていきたいですね。データも取られていると思うので。

村上:私は、その時の試合状況とか、いろんなことでプレーが変わってしまう。たとえ、疲れていても、常に同じプレーができるように、しっかりスパイクを決められるようにしたいです。それと今後、強いチームと対戦すると攻撃力が上がってくるので、ディフェンス力もつけていきたい。


チーム一丸となってつかんだ勝利

─今シーズンを代表する国際大会では日本勢で唯一メダルを獲得してきた石井/村上組。他のペアと何が違うのでしょうか?

村上:うーん。他のペアが何を話しているのかわからないので、それはわかりません(笑)。各ペアによって、ベストな状態は違いますからね。でも、負けている時は、きっとそこに持っていけていないのかな、と。あくまでも外から見ての印象ですが、たとえばプレーが合っていなかったとしてそのまま合わないままいってしまったり、戦術が相手に効いてないままだったり…。そういう時はうまくいっていないのかなぁと思います。

石井:私たちは、自分たちのことよりも、相手が何をしてくるか?を話すことに重点を置いています。自分たちのことを話すのは簡単ですし、それは相手と戦うのではなく、自分たちと戦ってしまうことになる。そうではなく、相手に対して何をやるか、そこを2人で共有して身体を動かせるか。それは常に試合で思っていることですね。

─今シーズン、残りの戦いと来シーズンに向けて抱負をお願いいたします。

村上:10月の2大会が今シーズンのラストになります。最後なのでそこで勝ちをつかめるように思い切ってプレーしていきたいと思います。

石井:今シーズン、5starの大会でベスト8以上の成績を残す、という当初の目標はクリアしましたが、最後に4starの大会でもう1回ベスト8以上になりたい。そこを目指して、来シーズンに向けてもがんばっていきたいと思います。