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女子は初参戦の石井/溝江組が優勝!男子は長谷川/倉坂組が第1戦以来の2勝目!マイナビジャパンツアー第5戦青森大会2日目

女子は初参戦の石井/溝江組が優勝!男子は長谷川/倉坂組が第1戦以来の2勝目!マイナビジャパンツアー第5戦青森大会2日目

今年初開催となった青森大会の2日目(最終日)。本来であれば朝9時から女子準決勝2試合、男子準決勝2試合、女子決勝戦、男子決勝戦の計6試合が行われる予定だったが、1日目の第8試合(男子1回戦)が雷のため本日2日目に順延に。女子準決勝より1時間前の8時から行われるなどのスケジュール変更があったが、多くの観客に見守られる中、試合は順調に行われた(男子決勝戦後、大雨に見舞われ表彰式は中止となってしまったが…)。

会場となった「あおもり駅前ビーチ」は青森駅から徒歩約3分の好立地ということもあり、多くの観客が熱戦を見守った

女子で決勝戦まで勝ち上がってきたのは、今季のマイナビジャパンツアー初参戦となる石井美樹(湘南ベルマーレ)/溝江明香(トヨタ自動車株式会社)組と、今季ツアーで3勝を挙げている長谷川暁子(NTTコムウェア株式会社)/坂口由里香(トーヨーメタル株式会社)組。この2組は8月20日に行われたAVCツアー ポンフーオープン決勝戦で顔を合わせており、そのときは石井/溝江組が2-0(21-18、21-16)で勝利し優勝を飾っている。

女子決勝戦は石井/溝江組vs長谷川/坂口組の対戦に(手前が長谷川/坂口組)

試合は序盤から大接戦となり14-14まではどちらが主導権を握るか分からなかったが、ここからモンスターブロック、そしてサービスエースで16-14と抜け出したのは石井/溝江組。その後も、石井がダイビングレシーブで上げたボールを溝江が体勢を崩しながらもカットショットで決めるというスーパープレーも飛び出し、石井/溝江組が第1セットを21-18で先取する。

第1セットを先取したのは石井/溝江組

第2セット、ここで勢いに乗ったのは長谷川/坂口組だった。長谷川、坂口ともに相手レシーバーの予測の裏をかくようにカット、ライン、ディープ、ドロップと多彩なショットを使い分け得点を重ねていく。また石井/溝江組が「第2セットは自分たちの準備が遅かった。もっと早くポジションにつけばいいのにつかなかった」(石井)と自らリズムを崩してしまったこともあり、長谷川/坂口組が中盤で13-7と大きくリード。その後も流れを渡さず、この第2セットを21-14で奪い返した。

第2セット序盤で一気に流れに乗り、このセットを奪い返した長谷川/坂口組

そして迎えた最終セット。「3セット目は15点しかないから、『もう、いくぞ!』と自分にスイッチを入れ、明香にも『明香、いくよ!』と声をかけました」と集中力を一段上げた石井。その石井がサービスエース、ポーキーで連続得点すれば、それに呼応した溝江もサービスエースを決めるなどし、石井/溝江組が10-3と大きくリードする。その後、長谷川のブロックなどで12-11まで迫られるが、最後は石井がスパイクを打ち込んで15-12で勝利。

試合後、「先週ちょうどやったばっかりで、何をしてくるか分かり切っている相手でしたが、ちょっと気負いすぎました。でも、最後は取り切れたのでよかったです」とホッとした表情を見せたのは石井。ペアの溝江も「ちょっと緊張したけれど、パートナーが声をかけてくれたこともあり取り切ることができました。後半、効果的なサーブを打てましたし、気持ちの安定感が出てきたのもよかったと思います」と接戦をものにして安堵した様子。

優勝した石井井/溝江組はこの後、杭州アジア大会、そしてFIVB界選手権大会とパリ2024オリンピックに結び付く重要な大会が控えている。「日本の大会と違い高さがありもっと拾ってくる。私たちより力が上のチームが多い」(石井)とのことだが、「相手の方が高さがあるぶん、ディフェンス力、精度を高めて勝っていけるようにしたい」(溝江)という望みも持っている。今回、優勝しなければならないというプレッシャーの中で見事に勝ち切ったことが、成果につながることを期待したい。

集中力を高め勝負の第3セットを取り切った石井/溝江組

男子決勝戦は、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/髙橋巧(ANAあきんど株式会社)組と長谷川徳海/倉坂正人(ともにフリー)組の対戦に。マイナビジャパンツアー3連勝を狙う石島/髙橋組に対し、本来昨日行われるはずった1回戦が本日に順延となったため、この決勝戦が今日3試合目となる長谷川/倉坂組がどんな戦いを見せるのか。両チームがマイナビジャパンツアーで対戦するのは第3戦渋谷大会の決勝戦以来で、その試合は石島/髙橋組が2-1(21-15、17-21、15-13)で勝利を収めている。

男子決勝戦のカードは石島/髙橋組vs長谷川/倉坂組(手前が長谷川/倉坂組)

試合は序盤から大接戦となり、石島/髙橋組が20-19、21-20と先に2度のセットポイントを握るが、これをしのいで21-21とした長谷川/倉坂組は、長谷川のモンスターブロック、そして倉坂のポーキーで連続得点。23-21で第1セットを先取する。続く第2セット、ここでは中盤で16-13と抜け出した石島/髙橋組が、そのままアドバンテージを生かして21-17で奪い返してみせる。

第2セットを奪い返したツアー3連勝を狙う石島/髙橋組

ファイナルセット、ここでも両者譲らず10-10の接戦となるが、この勝負所で石島/髙橋組にイージーミスが続いてしまう。石島/髙橋組は8-9のときに石島がメディカルタイムアウトを取るなど体力的に厳しい感じだったが、対する長谷川/倉坂組は今日3試合目にも関わらず「普段の練習のほうがキツい。普段やっていることをしっかり出せば勝てると思っていました」(倉坂)、「逆に3試合したことで、(2試合の相手より)砂上で動けていた。風のことも分かっていました」(長谷川)とギアを上げ、長谷川の強烈スパイク、倉坂のカットなどで着実に得点を重ね15-12と振り切って勝利。マイナビジャパンツアー第1戦・立川立飛大会以来となるツアー2勝目を手に入れた。

マイナビジャパンツアー第1戦・立川立飛大会に続きツアー2勝目を手に入れた長谷川/倉坂組

この青森大会を終えて今季のマイナビジャパンツアーの前半が終了。男女のチームランキングポイント1位ペアに与えられる「マイナビワールドチャレンジ賞」の受賞ペアが決まり、男子は長谷川/倉坂組、女子は長谷川/坂口組に国際大会へチャレンジするための支援として100万円が授与された。

前半戦の「マイナビワールドチャレンジ賞」を受賞者した長谷川/倉坂組(写真右)と長谷川/坂口組(写真左)