女子は柴/丸山組が初優勝、男子は石島/髙橋組が今季3冠目!マイナビジャパンツアー第6戦都城大会最終日
青空が広がり南国特有のまぶしい日差しが降り注ぐなかスタートしたマイナビジャパンツアー第6戦都城大会 第24回ビーチバレー霧島酒造オープンの最終日(3日目)。男女の準決勝、3位決定戦、決勝戦と熱戦が繰り広げられたほか、宮崎県出身のお笑いコンビ『いぬ』と選手がチームとなり、地元の小学生や中学生チームと対戦するチャレンジゲームなども行われ、会場は1日中歓声に包まれていた。
地元出身のお笑いコンビ『いぬ』も参加して行われた爆笑キッズチャレンジ
男子決勝戦を戦ったのは、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/髙橋巧(ANAあきんど株式会社)組と庄司憲右(ハウスコム株式会社)/池田隼平(株式会社カブト)組。今季、第3戦渋谷大会、第4戦横浜赤レンガ大会と2冠の石島/髙橋組に対し、その両大会で石島/髙橋組に敗れている庄司/池田組がどんな戦いを挑むのかが注目だったが、今回も第1セットを21-17で先取したのは石島/髙橋組。しかし第2セットでは要所でブロックを決めた庄司/池田組が21-17で取り返し、勝負は第3セットへ。
ファイナルセットにもつれ込む接戦となった石島/髙橋組×庄司/池田組の男子決勝戦
その最終セット、髙橋がディグからのアタックと機動力を見せれば、石島もブロックでシャットするなどネット際での強さを発揮し、石島/髙橋組が10-5とリード。対する庄司/池田組は挽回しようとディグ、スパイクで粘りを見せるも、最後は髙橋がレシーブを弾く強打を決めて石島/髙橋組が15-9で勝利。ツアー3冠目を勝ち取った石島/髙橋組だが、8月中旬の第37回ビーチバレージャパン(3位)、国際大会FUTURE啓東市大会(@中国、3位)、マイナビジャパンツアー第5戦青森大会(準優勝)、そしてこの都城大会と連戦となり「なかなかないハードスケジュールで疲労がたまっています」と髙橋。試合後、2人とも控室に戻ると倒れこんで動けなくなってしまったほどだ。それでも「幸いケガはしていません」と髙橋。試合が多くなるのも、強いペアの宿命。来週は第7戦名古屋大会が控えている。
疲労を抱えながらも試合中はほとんどそぶりを見せず接戦をものにした石島/髙橋組
女子決勝戦は、柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)とPhoebe Bell/Caitlin Bettenay(ともにAustralia)の対戦となり、第1セットを21-14で先取したのは柴/丸山組。Bell/Bettenay組が「とても蒸し暑くてキツかった。それで集中力を欠いてしまう部分があった」(Bettenay)とミスが多かったのに対し、柴/丸山組はパス、トスの少なさでしっかりゲームメイクし、ワンやツーなどでも効果的に得点を重ねた。しかし第2セットは高さに勝るBell/Bettenay組が、「ビーチバレーボールコートの砂がオーストラリア産ということで私たちに馴染みがあってプレーするのが楽しかった」(Bell)と多少パスやトスが乱れても最後のアタックで決め切り21-19で奪い返す。
最後までどちらが勝つか分からない激戦となった柴/丸山組とBell/Bettenay組の女子決勝戦
そして迎えたファイナルセット、序盤から中盤で流れを掴んだのは柴/丸山組で、柴のコースを狙ったサービスエース、丸山の2連続ブロックなどで9-6とリードする。柴/丸山組は先週、その後10-10まで追いつかれてからは接戦となるも、14-13とマッチポイントを掴むと、最後は丸山が強烈なスパイクを放つとブロックアウトとなりゲームセット。柴/丸山組は今季からペアを組み始めたが、「ビーチ経験の長い私が丸山さんに求めることが多いのですが、すぐに対応してくれるのでペアとしてどんどん良くなっていると思います」(柴)、「(柴は)スピードのある攻撃、ディフェンス力を生かしながら、私も生かしたプレーをしてくれています」(丸山)とお互いのよさを出したことで、マイナビジャパンツアー6戦目にして初の優勝。柴にとっては2年前の都城大会以来2度目、丸山にとっては昨年本格的にビーチに転向してから初の栄冠獲得となった。
初優勝を手にして「この景色を毎回見たいですね」と柴/丸山組
男子3位決定戦は、関寛之(MAGS)/詫間悠(中部土木株式会社)組と上田翔貴(株式会社アクティブスタイル)/佐藤亮太(テクノスジャパン)組の対戦に。関/詫間組は第1戦立川立飛大会、第2戦平塚大会でも3位決定戦を戦っており、どちらもストレートで敗退していたが、今回は第1セットを21-18で先取。続く第2セットも16-12と中盤で抜け出すと、その後も詫間のカットショット、関の『わかめブロック』(関/詫間組はブロックを決めた後、両手を上に挙げてひらひらさせる舞をするため名付けられた)などで着実に加点し、このセットも21-15で奪い勝利。
わかめブロックを決め観客にアピールする関
試合後、「準決勝は疲れが出ていいプレーを出せませんでしたが、3位決定戦は観客席から子どもたちが応援してくれたことが力になりました。それでたくさんブロックすることができました」と振り返ったのは関。またここまで勝ち上がってくることができたのは、準々決勝で今季ツアー2勝している長谷川徳海/倉坂正人(ともにフリー)組をフルセットで破ったことも大きく、「実は、先週の青森大会1回戦で対戦して負けたときの映像を繰り返し見ていたんです。それがディフェンス面でうまくいった要因でした」と詫間。相手を研究し、その上で自らの技や戦術を磨いたからこそ掴み取った3位となった。
関/詫間組は今季最高の3位をマーク
女子3位決定戦のカードは、鈴木悠佳子(株式会社日本ビオトープ)/藤井桜子(株式会社立飛ホールディングス)組×伊藤桜/野口彩陽(ともに産業能率大学)組。試合は最終セット15-15になっても決着がつかずデュースとなり、鈴木/藤井組がマッチポイントを握れば伊藤/野口組が追い付き、逆に伊藤/野口組がマッチポイントを握れば鈴木/藤井組がしのぐという大接戦となったが、最後は藤井が強烈なスパイクを打ち込んで鈴木/藤井組が勝利。
鈴木/藤井組が組むのは今季は初めてだが、これまで何度かペアを組んでおり、2020年は唯一行われたマイナビジャパンツアー立川立飛大会でベスト4をマーク。2017年の都城大会では3位に入っている。今回、一緒に夏の合宿を行ったときに藤井の方から声をかけて久しぶりのペア復活となったが、鈴木が「リズムが合うので、急遽組んでも大丈夫」と言えば、藤井も「あうんの呼吸があり、波長が合う」と、お互いの良さを出しやすい相乗効果がある模様。次に組む予定があるかを尋ねると「またチャンスがあれば」(鈴木)ということだったので、来年またこの都城大会で組んで、今回と2017年の3位を上回る戦績を挙げることを期待したい。
2017年に続き都城大会で2度目の3位となった鈴木/藤井組