ビーチバレーボール

男子は石島/髙橋組、女子は長谷川/坂口組がともにツアー4勝目!マイナビジャパンツアー第7戦名古屋大会最終日

男子は石島/髙橋組、女子は長谷川/坂口組がともにツアー4勝目!マイナビジャパンツアー第7戦名古屋大会最終日

名城公園トナリノで行われたマイナビジャパンツアー第7戦名古屋大会の最終日(2日目)。午前中の晴天から、男子決勝戦のときには雨が降り出し雷も鳴る不安定な天候となったが、特設ビーチバレーボールコートを一望できる階段状のウッドデッキには試合開始の9時前から多くの観客が陣取り、女子準決勝2試合、男子準決勝2試合、女子決勝戦、男子決勝戦の計6試合を見守った。


男女の決勝戦など好試合が続いた名古屋大会最終日。多くの観客が熱戦を楽しんだ

男子決勝戦のカードは、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/髙橋巧(ANAあきんど株式会社)組vs庄司憲右(ハウスコム株式会社)/池田隼平(株式会社カブト)組。前週の第6戦都城大会決勝戦と同カードで、そのときは石島/髙橋組が第1セットを先取し、庄司/池田組が第2セットを奪い返したが、勝負の最終セットを制したのは石島/髙橋組。ツアー3勝目を挙げている。


男子決勝戦は第6戦都城大会に続き石島/髙橋組×庄司/池田組の対戦に(スパイクを打とうとしているのが庄司)

庄司/池田組としてはリベンジしたいところだったが、今回も第1セットを先取したのは石島/髙橋組。その第1セット終了後、雷のため試合が約50分中断したこともあり、庄司/池田組にとっては立て直すチャンスだった。しかし、第2セットでも流れを掴んだのは石島/髙橋組。石島のモンスターブロックやインナーへの強烈スパイクで勢いに乗り、20-17とマッチポイントを握る。それでもこの土壇場で見せ場を作ったのは、庄司/池田組の庄司。強烈なジャンプサーブで相手レシーブを弾きブレイクに成功し20-18としたのだ。しかし続くポイントでも同じくジャンプサーブを繰り出すと、これがアウトとなり21-18で石島/髙橋組が勝利した。

これで石島/髙橋組はマイナビジャパンツアー4勝目。見ているほうからは盤石の強さに見えるが、「相手もグッドなゲームをしてきた中で、自分たちもボールをつないで点を取れることができました。1点1点取った中での優勝です」と謙虚に話す石島。髙橋も「相手の調子、自分たちの調子と毎回コンディションが変わる中で、4勝できたのは収穫です。うまくいったりいかなかったりしますが、ビーチは2人で力を合わして思いやり、大げさにいえば『愛』を大事にしていかなければいけないスポーツだと改めて思いました」とコメント。髙橋は第2戦平塚大会で上場雄也(松戸レガロ)とのペアで優勝しているため、個人としては今季5勝目となるが、石島とのペアで今後どれだけ勝ち星を積み重ねていくかにも注目だ。


今季4勝目を挙げた石島/髙橋組(左が石島)

一方、敗れた庄司/池田組は前週の第6戦都城大会に続き準優勝となったが、この2人のこれまでのマイナビジャパンツアーの戦績を振り返ると、あることが分かる。それは、庄司/池田組に勝ったところがその後に栄冠を獲得している、ということ。第1戦立川立飛大会は準々決勝で長谷川徳海/倉坂正人(ともにフリー)組に、第2戦平塚大会は準決勝で髙橋/上場組に、第3戦渋谷大会は準決勝で石島/髙橋組に、第4戦横浜赤レンガ倉庫大会は準決勝で石島/髙橋組に、第5戦青森大会は準決勝で長谷川/倉坂組に敗退。それについて庄司は「僕たちが相手の調子を上げてしまうのでしょうか」と言うが、次の第8戦グランフロント大阪大会では庄司/池田組が表彰台の一番高いところに立っているかもしれない。


今季、常に優勝チームと戦ってきた庄司/池田組(左が庄司)

女子決勝戦は、長谷川暁子(NTTコムウェア株式会社)/坂口由里香(トーヨーメタル株式会社)組と柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)が対戦。両チームはこれまで第1戦立川立飛大会準決勝と第3戦渋谷大会で対戦し、どちらも長谷川/坂口組が勝利を収めている。

3度目となった今回の対戦、第1セット序盤で流れをつかんだのは柴/丸山組だった。丸山のサービスエースやタイミングの速いスパイク、柴のワンやツーなどで11-6とリードする。そのまま勢いに乗りたい柴/丸山組だったが、機動力&読みのよさで流れを自らに引き込んだのは長谷川/坂口組。「劣勢のときに慌てても意味がない。どれだけ1本に集中して取りに行けるかがスポーツの醍醐味。先を見たり不安になるのではなく、今自分にできることを100パーセントやっていくのが慌てない要因」(長谷川)というように連続得点で10-11と迫り、坂口のサービスエースで16-16と追いつくと、その後は坂口のディープ、長谷川のポーキーなどで19-17と逆にリードを広げていく。そして20-19からは長谷川がブロックでシャットし、第1セットを先取した。


長谷川/坂口vs柴/丸山組の女子決勝戦、第1セットは流れが行ったり来たりする激しい展開となった(スパイクを打っているのが長谷川)

続く第2セット、中盤で15-6と大きく差をつけたのは長谷川/坂口組だった。柴/丸山組が「ディフェンス力のある相手に対し、攻撃の工夫が足りなかった」(丸山)と、パスやトスが乱れたりアタックを狙いすぎてわずかにアウトというプレーが続いたのに対し、長谷川/坂口組は堅実なプレーを展開したことがそのまま点差となり、結局、第2セットも21-11で取り勝利。これで長谷川/坂口組は第2戦平塚大会、第3戦渋谷大会、第4戦横浜赤レンガ倉庫大会に続きマイナビジャパンツアー4勝目。それ以外に第1戦立川立飛大会と第5戦青森大会は準優勝と出場した大会は必ず決勝まで駒を進めているが、それについて長谷川は「コートの中でも外でもコミュニケーションをしっかり取れています。お互いを尊重し、お互いの人間性を理解し、お互いのいいところを引き出したいという思いでやっているのがボールにもつながっているのだと思います」と言い、坂口は「普段から海外で勝てるように準備、練習しているので、それが結果となって出ている面もあります」と分析。この後、長谷川/坂口組は9月23日からのアジア競技大会に臨むが、そこでも成果をあげることを期待したい。


マイナビジャパンツアー6度目の決勝進出で4度目の栄冠を獲得した長谷川/坂口組(いちばん右が長谷川)


前週の都城大会に続く優勝とはならなかった柴/丸山組だが、FUTUREソウル大会3位、都城大会優勝、名古屋大会準優勝と3大会連続で表彰台に上がったことについて「チームとしてはいい結果です」と柴(右が丸山)

また本日最終日には、愛知県の大村秀章知事が男子決勝戦を観戦するため来場された。雨の中断がありすべてを見ていただくことができず残念だったが、2026年には愛知・名古屋アジア競技大会が控えているため、少しでも大村知事にビーチバレーの様子を視察していただけたのは、来る大会を盛り上げる一助となったはずだ。


川合俊一JVA会長、川合庶事業本部長らが大村知事を迎えた