優勝へのカギを探る庄司/池田組。 「爆発力の裏側にあるもの」
4月下旬にスタートした「マイナビジャパンツアー2023」がいよいよ終盤を迎える。大会は残すところ、3戦。第1戦から第10戦までのマイナビポイントで争われる「マイナビワールドチャレンジ賞」の行方も、徐々に見えてきた。
優勝チームがめまぐるしく入れ替わる男子においては、暫定1位に長谷川徳海/倉坂正人組、暫定2位に石島雄介(トヨタ自動車)/髙橋巧(ANAあきんど)組、暫定3位に庄司憲右(ハウスコム)/池田隼平(カブト)組が位置している。3チームのポイントは僅差であり、最後の最後までどのチームが勝つか予測がつかない展開になってきた。
なかでも庄司/池田組は、前半戦はコンスタントに最終日へ進出。後半戦から2大会連続決勝進出を果たすなど、シーズンを通して安定した力を誇っている。
▲髙橋の攻撃をシャットアウトする池田
このチームの武器は、国内でも一、二を争う高さを持つ池田と、キャノン砲のようなスパイクを打つ庄司の併せ持った爆発力。昨年は開幕戦から波に乗り、兼ねていたアジア競技大会代表決定戦で優勝した(延期のため不出場)。
しかし、今シーズンは未だ無冠。庄司/池田組の前には、5年ぶりにペアを再結成させた石島/髙橋組が立ちはだかる。第3戦以降、4戦全敗。庄司が「国内トップクラスのブロッカーとレシーバーが組んでいるので総合力は高い」と述べるように、庄司/池田組が頂点に立つためには、必ず倒さないといけない好敵手である。
ネット際にそびえ立つ身長198cm、ブロッカー・石島の高さは語るまでもないが、池田は「単純に高さだけではない。ブロックの完成が速いから、当たったら止まるし取りこぼしが少ない」と、石島のブロックを評価する。
▲パワフルなスパイクを打つ庄司
庄司は、「当然、隼平も負けない高さを持っている。相手はそれをかわしてくるので、そこでレシーバーがきっちり仕事をできれば、自分たちも相手に脅威を与えられる。けれど、そのディフェンスの連携の部分でまだまだお互い波がある……」。池田も「自分たちのいい部分である爆発力は出せていても、どこかで下回ってしまうからひとつ勝ち切れない。一定の力を常に出し続けるためにはどうしたらいいか。そこを探っていくのが課題」と、口にしていた。
残り3戦、突破口は開けるのか。第7戦名古屋大会決勝でも不発に終わった庄司/池田組は、石島/髙橋組に4敗目を喫した。口は重たかったが、負けの中にも明るい材料を見い出したことも確かだった。
▲マイナビワールドチャレンジ賞を狙う庄司/池田組
「名古屋大会ではそれまでの自分たちの戦い方と変わった部分があったので、今後チームが成長していくきっかけになると思う。爆発力の裏側にある不安定さを解消していけば、必ず結果はついてくると思う」と、庄司は次戦へ視線を向けた。
次なる第8戦の舞台は、大阪の中心部・大阪駅に隣接するグランフロント大阪だ。庄司/池田組は、群衆の波が寄せられるこの地で誰よりも熱く、燃え続けることができるか。年間王者の称号となる「マイナビワールドチャレンジ賞」獲得に向けて、反撃の糸口を掴みにいく。