都市型開催を象徴するJR大阪駅直結という好立地での熱戦!マイナビジャパンツアー第8戦グランフロント大阪大会1日目
2013年、JR大阪駅を出てすぐという好立地に誕生した複合商業施設「グランフロント大阪」。今年4月26日に10周年を迎えたことを記念し、今大会も「第8戦グランフロント大阪大会グランフロント大阪開業10周年記念大会」と銘打っているが、このグランフロント大阪の一角にある「うめきた広場」で初めてビーチバレーボール大会が開催されたのは2014年。当時、全国各地を舞台に行われていた「JVAビーチバレーボールシーリーズA」の中の1大会で、男子は上場雄也/長谷川徳海組、女子は西堀健実/溝江明香組が優勝している。この4人は今も現役選手としてプレーしており、そのうち上場(松戸レガロ)、長谷川(フリー)、西堀(トヨタ自動車株式会社)の3人は今大会に出場しているというのも感慨深い。
JR大阪駅のすぐ横という都市型開催を象徴するような場所で行われた第8戦グランフロント大阪大会
本日、行われた1回戦&準々決勝(ともに男女各2試合)には上記3選手のうち長谷川と西堀が登場(上場は明日行われる残りの準々決勝からスタート)。長谷川は倉坂正人(フリー)とのペアで西村晃一/Kaufer Martin(ともにWINDS)と対戦し、セットカウント2-1(25-23、18-21、17-15)で勝利。西堀は山田紗也香(トヨタ自動車株式会社)とのペアで、伊藤桜/野口彩陽(ともに産業能率大学)と対戦しセットカウント0-2(19-21、16-21)で敗れた。
ファイナルセット17-15という接戦をものにした長谷川/倉坂組(右が長谷川)
大学生ペア伊藤/野口組に敗れた山田/西堀組(スパイクを打っているのが西堀)
この他、1日目の注目ペアは、男子ではマルキナシム/安達龍一(ともにトヨタ自動車株式会社)組。2人は慶應義塾大学の先輩後輩(マルキが4年生キャプテンのとき安達は1年生)で、ペアとしてマイナビジャパンツアーに出場するのは今回が初めて(事前予選のBVT2サテライト碧南大会で準優勝し出場権を獲得)。マルキは昨年の第1戦立川立飛大会で肩を脱臼した後に手術を受けて以来の登場で、今春大学を卒業し本格的にビーチバレーボール選手としてスタートした安達にとっては初出場となった。
慶應義塾大学の先輩後輩ペア、マルキ/安達組(右が安達)
マルキが「マイナビジャパンツアーでトップにいるチームと戦いたかった」というカードが実現することとなった庄司憲右(ハウスコム株式会社)/池田隼平(株式会社カブト)組との試合は、第1セットを16-21で落としたものの、第2セットでは「トスが乱れた中でもスパイクで決め切ることができました」(安達)と24‐22で奪い返してみせる。しかし、最終セットは細かいミスが重なり11‐14で取られて敗退。
それでも「強いチームと試合をしたことで得たものはたくさんあり、自分たちにも伸びしろを感じました。もっとこういう舞台を2人で経験すれば、いいパフォーマンスが発揮できるようになると思います。大学時代、ジャンプ力を生かしてアンテナの上から打っていた安達のスパイクは世界でも通用するので、これから習熟度を上げて、安達が許す限り一緒にペアとしてやっていきたい」とマルキが言えば、安達も「僕が大学1年のときに4年のマルキさんを見て、『あのプレーを目指そう』と思っていました。今ペアを組めて正直とてもうれしいです。技術を磨いて世界でも通用するペアになって、パリ2024オリンピックは間に合わなくても、その先のロサンゼルス2028オリンピックには出られるように頑張ります」と意気込みを語ってくれた。
身長193.5㎝のマルキと198㎝の安達。今後の活躍が楽しみだ(スパイクを打っているのが安達)
女子で注目したのは、マイナビジャパンツアーでは初ペアとなる幅口絵里香(株式会社オーイング)/酒井春海(株式会社甲斐組)組。これまではそれぞれ違うペアと組んでいたが、そのペアを解消したタイミングだったこと、そして練習場所が同じだったことから、お互いに声をかけあってペア結成が実現したという。幅口42歳、酒井27歳と年齢差はあるが、「若い力を借りて伸びしろに懸けたい」(幅口)、「ベテランの絵里香さんからは戦術面や声かけなど学ぶべき部分が多い。私は体力面で引っ張っていきたい」(酒井)と、双方にとってメリットは多いようだ。
年齢差15の幅口/酒井組(右が幅口)
松本恋/松本穏組(ともにフリー)との試合は、粘りのレシーブから幅口のオープンスペースを狙った的確なショット、酒井のパンチ力あるハードヒットなどで得点を重ねたが、コンビネーションではペア歴が長く一日の長がある松本姉妹に分があり、16‐21、19‐21で敗退。だがペアとしての手応えはあったようで、「技術的な面でも戦術的な面でも改善できるところはたくさんあるので、いろいろ試していきたい。酒井がトスを集めればコンスタントに点を取れる。あとは自分に入ったときの決定率をどうやって2人で協力して上げていくか。どうやって2人で得点を取っていくかがテーマです」と幅口が言えば、酒井も「絵里香さんから『こうやっていこう』と声かけしてもらって、それがハマったときは楽しい。もっと絵里香さんの技を盗んでいきたい」とコメント。第9戦松山大会でも組む予定とのことで、次戦ではどんな戦いを見せてくれるのか楽しみだ。
次戦までにさらにペア力をアップしてくるはずだ(レシーブしているのが酒井)
ちなみに幅口は、冒頭で紹介した2014年の「JVAビーチバレーボールシーリーズA」グランフロント大阪大会に出場し3位(ペアは村上めぐみ)になっているが、今回も選手として出場したことに対し「またやるとは思いませんでした」と言う。「そのときは現役真っ最中で、目の前の試合にいっぱいいっぱいでした。今はコーチやスタッフとして入ることもある中で、若い子の力を借りて選手として出るチャンスがあり、いろんな視点で見られるようになり、より感謝の気持ちを持てるようになりました。次にいつ出られるか分からないので、選手としての力を出し切る時間を大切にしたいと思っています」とビーチの経験を重ねてきたからこその気持ちを語ってくれた。
明日は、朝9時に第1試合がスタート。男女の準々決勝の残り各2試合と、男女の準決勝が行われる。