石島/髙橋組の4連勝を阻んだのはニュージーランドからの刺客O’Dea/Hartles組。女子は橋本/村上組が2大会連続優勝。マイナビジャパンツアー第9戦松山大会3日目
2日目に続き晴天に恵まれたマイナビジャパンツアー第9戦松山大会の3日目。朝9時から女子3位決定戦、10時から男子3位決定戦、12時から女子決勝戦、13時から男子決勝戦が行われた。
男子決勝戦は、ツアー4連覇6勝目を狙う石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/髙橋巧(ANAあきんど株式会社)組と、ニュージーランドから参加のBen O’Dea/Thomas Hartles組が対戦。このうちO’Deaがジャパンツアーで戦うのは2016年にお台場海浜公園で行われた第9戦以来。そのときは兄のSamと組んで出場し、準優勝している。一方のHartlesは2018年の第8戦松山大会、第9戦都城大会に白鳥勝浩(株式会社カブト)と参戦し、松山大会はベスト8、都城大会は優勝。そのときの都城大会決勝戦の相手は、石島/髙橋組だった。
男子決勝戦のカードは石島/髙橋組×O’Dea/Hartles組(右が石島/髙橋組)
第1セット、8‐8までは膠着状態となったが、ここからプレーのレベルをグンッと上げたのがO’Dea/Hartles組。「得意なのはパス。ポジショニングに気を付けている」と言うHartlesがディグでボールを上げ、「僕の武器はアタック」と言うO’Deaが高い打点から角度あるハードヒットを打ち下ろすという展開で17‐14とリード。対する石島/髙橋組は石島のブロック、髙橋のサービスエースなどで食らい付くが、O’Dea/Hartles組が21‐17で先取する。
第1セット中盤で一気にギアを上げ先取したO’Dea/Hartles組(奥がO’Dea)
第2セット、ここでも中盤で12‐9と抜け出すと、その後16‐11とさらにリードを広げたのはO’Dea/Hartles組。O’Deaが身長196cm、Hartlesが191cmと2人とも長身で、リーチが長い分だけ守備範囲が広がり、少々トスが乱れても高い打点から打ち込むことができる。結局、このセットも「ペアを組むのは2014年以来2度目」と言うO’Dea/Hartles組が21‐17で奪い勝利した。
ツアー6勝目とはならなかった石島/髙橋組(手前)
高さだけでなく機動力もあったO’Dea/Hartles組(右がO’Dea)
女子決勝戦は、坂本実優(株式会社キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)組×橋本涼加(トヨタ自動車株式会社)/村上礼華(株式会社ダイキアクシス)組が対戦。両チームが決勝戦で戦うのは第8戦グランフロント大阪大会に続き2大会連続(そのときは橋本/村上組がストレートで勝利)で、今季の直接対戦は5度目。3勝1敗で橋本/村上組が勝ち越している。
坂本/沢目組×橋本/村上組の対戦は今季5度目(アタックを打っているのが沢目)
第1セットは、橋本のブロック、村上のラインへのハードヒットで主導権を握った橋本/村上組が序盤で9‐3とリード。その後も、坂本/沢目組がアタックミスなどでリズムがつかめなかったのに対し、橋本/村上組は攻守で締まったプレーを見せ21‐11と差を付けてこのセットを先取する。橋本/村上組は過去2年連続松山大会で準優勝に終わっているだけに3度目の正直となるこの試合にかける意気込みを見せたかたちだ。
いい流れで第1セットを先取した橋本/村上組(右が橋本)
続く第2セット、坂本/沢目組が生命線とするパス力の高さを見せ5‐5までは接戦となったが、ここから8‐5、14‐10と抜け出したのは橋本/村上組。「自分のアドバンテージを生かしたプレーを理解して戦術の中に組み込んだり、コートの中で表現することができていると思います」と言う橋本が、182㎝の長身を生かした高い打点からのスパイクやモンスターブロックで加点すれば、「シーズン前半は競った場面で勝ち切れないことが多かったのですが、この2大会はコミュニケーションをしっかりすることで落ち着いてプレーすることができました」と言う村上が、相手レシーブを弾くパンチ力あるハードヒットやオープンコートを的確に狙ったショットを見せる。結局このセットも21‐17で奪った橋本/村上組が勝利。橋本が「第8戦グランフロント大阪大会に続き優勝することができて本当にうれしい。トヨタ自動車の佐藤(恒治)社長が観戦に来られている中でいいところを見せられてよかったです」と喜びを露わにすれば、村上も「優勝するのが目標だった第二の故郷・松山で優勝できてうれしいです」と喜びをかみしめていた。
第8戦グランフロント大阪大会に続き2大会連続準優勝の坂本/沢目組(右が坂本)
ペア歴3年目となり着実に力をつけている橋本/村上組(右が橋本)
男子3位決定戦のカードは、西村晃一/Troy Field(ともにWINDS)組×庄司憲右(ハウスコム株式会社)/池田隼平(株式会社カブト)組。第6戦都城大会、第7戦名古屋大会、第8戦グランフロント大阪大会と3大会連続準優勝の庄司/池田組に対し、第1戦立川立飛大会以来のペアとなった西村/Field組がどんなプレーを見せるのかが楽しみだったが、試合を通じて流れに乗っていたのは西村/Field組。ネット際でアタック、ブロックと縦横無尽の活躍を見せるField、機動力&予測力を生かした西村晃一のディグといったそれぞれの持ち味がかみ合い、21‐14、21‐19のストレートで勝利。第1戦立川立飛大会に続き2度目の3位入賞となった。
それぞれの持ち味を発揮し3位入賞となった西村/Field組(右がField)
女子の3位決定戦は、山田紗也香/西堀健実(ともにトヨタ自動車株式会社)組と村上めぐみ(株式会社立飛ホールディングス)/辻村りこ(ANAエアポートサービス株式会社)組が対戦。第1セットを村上/辻村組が21‐17で先取し、第2セットを山田/西堀が22‐20で奪い返して迎えた最終セット。どちらかが主導権を握るということはなく13‐13まで接戦となったが、辻村のラインへの打ち込みで14‐13とマッチポイントを握った村上/辻村組が、続くポイントでも辻村がブロックを決め勝利。マイナビジャパンツアーでは2人がペアを組むのは今回が初めてだが、村上が「私はショットやディフェンス、りこはブロックやスパイクが持ち味で、それをどう使っていくか、どう広げていけるかで可能性は広がってくると思います」と言えば、辻村も「経験値の高い村上さんからは、練習はもちろん実戦をしながらでも学ぶことが多いです」と、お互いに手応えを感じている様子。出場を予定しているという次戦・第10戦須磨大会では、さらにコンビ力を上げたプレーを見せてくれるだろう。
マイナビジャパンツアー初ペアで3位入賞と好成績を残した村上/辻村組(アタックを打っているのが辻村)