ビーチバレーボール

男子・海外招致選手のSchubert/Hodges組が優勝を飾る マイナビジャパンツアー第6戦 松山大会 最終日

男子・海外招致選手のSchubert/Hodges組が優勝を飾る マイナビジャパンツアー第6戦 松山大会 最終日

マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2022(以下マイナビジャパンツアー)の第6戦 松山大会が10月2日(日)に風早長浜海岸(愛媛県松山市)で最終日を迎え、男女準決勝、決勝が行われた。男子はZachery Schubert/Thomas Hodges(ともにオーストラリア)組が、女子は長谷川暁子(NTTコムウェア)/坂口由里香(フリー)組が優勝を飾った。

女子準決勝第1試合は、長谷川/坂口組が村上めぐみ/藤井桜子(ともに立飛ホールディングス)組に勝利。今大会直前に出場したAVC Samila Open(タイ)で準優勝している抜群の安定感を発揮し決勝へ進んだ。第2試合は橋本涼加(トヨタ自動車)/村上礼華(ダイキアクシス)組と、急増ペアながら勢いに乗る伊藤桜(産業能率大)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス)組の対戦。第1セットを奪った橋本/村上組が、競り合いとなった第2セットも29-27で押し切って勝利した。

今大会もっとも勢いがあった伊藤/沢目組

そして女子決勝は、昨年大会と同じ長谷川/坂口 対 橋本/村上(礼)組のカード。序盤、長谷川/坂口組が長谷川のスパイクなどでリードするが、村上(礼)のサービスエース、橋本のブロックなど5連続失点で逆転を許す。しかし、「相手のサーブがいいのは分かっていたこと。2人の間にサーブが来たらどう受けるかを、もう一度確認した」と、試合後に長谷川が話したように、再び奪ったリードを広げて第1セットを先取。続く第2セットは、開始直後の4連続得点などで主導権を握った長谷川/坂口組が、相手に攻め入る隙を与えないままチャンピオンシップポイントを迎え、大会2連覇を達成した。

高い安定感を発揮した長谷川/坂口組

連覇を決めた坂口は、「マイナビジャパンツアーで負けていないなどの言葉も耳に入っていたが、楽しんでやることを意識した」と語り、プレッシャーをうまく切り替えて試合に臨み、結果につなげたことを明かした。また、長谷川は「たくさんの観客の方が来てくれて、松山はビーチバレーが盛んなところで、さすがだと感じた」と、3年ぶりの有観客大会に訪れた松山の観客の熱気を体感した。

男子は、初日に上位シード陣が敗れ、混戦となった松山大会。準決勝第1試合は黒川魁/福嶋晃介(ともにNTTコムウェア)組と、白鳥勝浩(カブト)/永井雄太(松戸レガロ)組の対戦。黒川魁/福嶋組が都城大会 霧島酒造オープンベスト4の白鳥/永井組を下して、初優勝した第2戦 大洗大会に続く2度目の決勝進出を果たした。第2試合はZachery Schubert/Thomas Hodges(ともにオーストラリア)組と、関寛之/詫間悠(ともにMAGS)組の対戦。ともに身長190cm後半のSchubert/Hodges組と、180未満の関/詫間組という身長差約20cmの対戦はSchubert/Hodges組が勝利。関がHodgesのスパイクをブロックするなど、会場を盛り上げる場面もあったが、トータルで高さとパワーが圧倒する結果となった。

体格差の大きい相手に果敢にチャレンジした関/詫間組(コート奥)

そして男子決勝は、体格に勝るSchubert/Hodges組に、今季マイナビジャパンツアーで好調の黒川魁/福嶋組が挑む形になった。黒川魁が「序盤にラインショットがブロックにかかることが分かった時点で、ブロッカーと強打で勝負すると決めた」と話し、高いブロックにも臆せず強打を放つ。スパイクでブロックを弾き飛ばす場面も見せたが、結果的には徐々にリードを広げられ、黒川魁/福嶋組はストレートで敗退。敗れた黒川は、「どうやったらブロックで止められるのか考えながらプレーしたものの、止められなくて悔しい。ただ、海外のチームと次に対戦する機会があれば試してみたいことはもうイメージしている」と話し、雪辱を誓った。

高さに臆せず強打を放つ黒川魁

日本での優勝を飾ったSchubertは「砂が固く高くジャンプできるので、高いところで勝負することを心がけた」、Hodgesは「日本のチームはボールをよく拾うので、コートを広く使って、強く、深く打つことを意識した」と勝因を分析。好結果に喜ぶSchubertは、「日本の観客はたくさん応援してくれるので、いい雰囲気の中でプレーできた。さらにたくさんの観客の前でプレーするために、また日本の大会に来たい」と語った。

高さの勝負に持ち込み勝利したSchubert/Hodges組(コート奥)

日本の選手強化のために海外チームが招致された今大会を終えて、黒川魁は「海外のツアーに出場するチャンスがない中で、この経験は貴重。オーストラリアチームが出場すると分かった時点で、試合をしたいと思っていた。今まで取り組んできたことがどれほど通用するのか試したかったが、結果として通用したところとしないところが分かったので、今後僕らが世界で挑戦できるチャンスが来たときに生かしていきたい」と話した。

準決勝と決勝の間には、日本バレーボール協会(JVA)の川合俊一会長と、評議委員を務めるお笑い芸人の平野ノラさんによるトークセッションを開催し来場者を楽しませた。小学生のとき全国優勝を経験している平野さんは、「こんなに楽しいなら、もっと早く来るべきでした」とビーチバレー初観戦を堪能した様子。

軽妙なトークで観客を盛り上げた

次戦のマイナビジャパンビーチバレーボールツアー2022 ファイナルグランフロント大阪大会は、10月15日(土)から2日間、グランフロント大阪(大阪府大阪市)で開催される予定。