グランフロント大阪での優勝が夢の一つだった マイナビジャパンツアーファイナル グランフロント大阪大会 最終日
マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2022(以下マイナビジャパンツアー)のファイナル グランフロント大阪大会最終日が、10月16日(日)にグランフロント大阪(大阪市)で開催。男子は長谷川徳海/倉坂正人(ともにフリー)組、女子は橋本涼加(トヨタ自動車)/村上礼華(ダイキアクシス)組が優勝して今シーズンの幕を閉じた。マイナビワールドチャレンジ賞は、男子が石島雄介(トヨタ自動車)/黒川寛輝ディラン(しながわシティビーチバレーボールクラブ)組、女子は橋本/村上組が獲得した。
男子の決勝は、ここまで優勝1回を含み5大会で表彰台に登った石島/黒川(寛)組と、大混戦の今シーズンに唯一2大会優勝を果たしている長谷川徳海/倉坂正人(ともにフリー)組のカード。
第1セット、石島のブロック、黒川(寛)の強打などで序盤は石島/黒川組がリードするが、11-16の場面から長谷川/倉坂組の反撃が始まる。長谷川が石島のスパイクをブロックすると、そのまま10連続得点を記録して第1セットを先取。大逆転でリズムに乗った長谷川/倉坂組は、続く第2セットも序盤から5連続得点などで大きくリード。流れを変えたい石島/黒川(寛)組も、石島のサービスエースなどで反撃するも相手の勢いを止めることはできない。長谷川/倉坂組がファイナル優勝の栄誉を手にした。
勢いに乗って決勝を制した長谷川/倉坂組
テレビで初めて見た国内ビーチバレーの会場がグランフロント大阪だったという倉坂は、「憧れの舞台で、すごい数のお客さんの前で優勝することが僕の夢の一つでした。それが叶ってとてもうれしいです」と語り、長谷川は「優勝はできたが、これを実力とは思わない。来月から国際大会も控えているので、このまま愚直に頑張りたい。能力を信じて、日々成長し続ける僕らのスタイルを貫いて、来シーズンにつなげたい」と、さらなる高みを目指している。
選手にとって特別な舞台のファイナル グランフロント大阪大会
女子の決勝は、今季すべての大会で表彰台に上がり2大会で優勝を飾っている橋本/村上組と、初のファイナル出場で決勝にたどり着いた松本恋/松本穏(ともにフリー)組の対戦。第1セットは、終盤にリードを奪った松本恋/松本穏組が、橋本のブロックや村上のスパイクでジュースに持ち込んだ橋本/村上組の追撃を振り切って奪取。しかし、第2セットは、スタート直後から村上のサービスエースなどで6連続得点を奪い主導権を握った橋本/村上組が、リードを広げて奪い返してセットオール。そして、第3セットは相手のミスをきっかけに橋本/村上組がブレイクすると、村上のサービスエースも決まるなどリードを広げる展開。松本恋/松本穏組も粘って追い上げを見せるが、最後は橋本/村上組が振り切って初優勝を遂げた。
歓喜の瞬間に感情を表現する橋本/村上組
第1セットを奪われ劣勢となった橋本だったが、「昨季は劣勢になると2人で話せなくなり、試合に集中できなくなる場面もあった。でも、今季は2人で会話ができるようになり、(村上)礼華を信じて気負わずに1点1点追いあげることができた」という。また、勝因を問われた村上が、「コミュニケーションをたくさんとり、あとは楽しむだけだと思っていた。全力で楽しめたことが勝因。(橋本)すずさんが落ち着いているので、私はテンションを上げて、元気をあげられるように頑張った」と話すと、橋本が「元気をもらってます」と即答。息のあったチームワークが、2人にファイナル初優勝をもたらしたようだ。
所属チームの応援団も駆けつけた
男子3位決定戦では、庄司憲右(ハウスコム)/池田隼平(カブト)組が黒川魁/福嶋晃介(ともにNTTコムウェア)組に勝利。池田は「自分たちのやりたいプレーがあまり出せなかったが、勝ててよかった。また次に向けて練習していきたい」、庄司は「体力、気持ち、どちらもきつさがあったが、会社の方、家族、コーチ、スタッフの方の応援が力になり、普段出せない力を出すことができて勝つことができた」と語った。
今季初の3位決定戦で難しさもあったと語った庄司/池田組
女子3位決定戦では、坂本実優(キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス)組が坪内紫苑(ANAエアポートサービス)/藪見真歩(キヌ・コーポレーション)を下した。前日の準決勝で逆転負けを喫した坂本は、「第3セットに昨日の敗戦が頭をよぎった。とても苦しい試合でしたが、なんとか勝ち切れてよかった」と話し、沢目は「今期は、勝てていたはずの相手にも負けるがあった。この経験を来期につなげたい」と語った。
今季は苦しいことが多かったと語る坂本/沢目組は3位入賞
また、決勝前には「サーブでGET ビーチバレー サーブチャレンジ」が行われ、会場を訪れた観客が飛び入りでサーブ的当てゲームを楽しんだ。コート内に置かれた的を目掛けて参加者がサーブを打ち、参加賞などのグッズをゲット。ちびっこには選手たちがアシストして的に当てるなど、多くの参加者がアトラクションを楽しんだ。
子どもから大人まで多くの観客が楽しくサーブチャレンジ
数年ぶりに全会場で有観客開催されたこともあり、選手たちはファンの応援を受けて日本各地で熱戦を繰り広げた今シーズン。今年5月に開幕し、全7戦で優勝を争ったマイナビジャパンツアーは、本日フィナーレを迎えるに至った。