決勝トーナメントに進出できる3位をかけた争いが白熱!マイナビジャパンツアー第2戦平塚大会ガラナ・アンタルチカ杯1日目
マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2023の第2戦、平塚大会 ガラナ・アンタルチカ杯が開幕した。会場の湘南ベルマーレひらつかビーチパークは、1994年に国内初の常設ビーチバレーコートとしてスタートした歴史を持つということもあり、ビーチバレーボール選手、そしてビーチバレーボールファンにとってはまさに聖地。試合開始は9時だったが、その1時間前から客席で待ちわびる熱心なファンの姿もあり、天気も良かったことから、お昼ごろには300人を超える観客が選手たちの熱戦を見守った。
多くの観客が見守った聖地・湘南ベルマーレひらつかビーチパークでの戦い
今大会には男女各16ペアが参加。1日目に4プール×4チームによる予選トーナメントを行い(A×BでAが勝利し、C×DでCが勝利した場合、AとCが勝者トーナメントを行いプール1位、2位を決定。BとDが敗者トーナメントを行い3位、4位を決める)、各プールの1~3位が2日目以降に行われる決勝トーナメントに進出。また、各プールの1位通過チームはシードが付くため、決勝トーナメント2回戦からの登場となる競技形式で、最終日(3日)は3位決定戦と決勝戦が行われる。
このレギュレーションの場合、戦う選手にとっても、見ている観客にとっても、ドキドキの試合となるのが初戦で負けたペア同士が戦う敗者トーナメントだ。ここで勝てば明日の決勝トーナメントに滑り込めるが、負ければ大会から姿を消すこととなる。
そうしたスリルある戦いを制して3位となり明日に臨みをつないだペアのうち、男子で紹介したいのが年齢差14の二宮大和(株式会社ハルテンジャパンリミテッド。34歳)/石川瀬那(国際基督教大学。20歳)組だ。昨季からペアを組み始め今年が2シーズン目となるが、きっかけは二宮が練習している湘南太郎に石川が練習に来たこと。二宮のほうから「ペアを組まないか」と誘ったという。またこのペアは、二宮がサラリーマン、石川が学生という点でも、プロが多いビーチバレーの中では異色と言える。
年齢差14の二宮/石川組
試合は、初戦で髙橋巧(ANAあきんど株式会社)/上場雄也(松戸レガロ)組にストレート負けを喫したものの、敗者トーナメントで進藤涼(トヨタ自動車株式会社)/小田涼太(ハウスコム株式会社)組に勝利。「ホッとしています。今日は生き残ることが一番大切だったので。サラリーマンと学生のペアなので一緒に練習できる時間が短く、会場の環境や雰囲気に短い時間で合わせなければならないのですが、お互いのコミュニケーション力でカバーして2試合目に修正できたと思います」と二宮。そんな二宮を石川は「大和さんは僕のことを対等に扱ってくれていて、上下関係がありません。僕もすごくやりやすいですし、お互い思ったことを素直に言えるのはプロのペアでもあまりないことだと思います。自称、日本で一番仲がいいペアです(笑)」と慕いつつも同志として見ており、二宮も「ベテランの経験を伝えながら一緒に戦っています」と石川のポテンシャルを認めている。望みをつないだ2日目の試合では、どんな戦いを見せてくれるかに注目だ。
続いて、女子3位チームの中で紹介したいのが酒井春海(株式会社甲斐組)/樫原美陽(一つ山ホールディングス株式会社)組だ。初戦で山田紗也香/西堀健実(トヨタ自動車株式会社)組に敗れたが、敗者トーナメントで衣笠乃愛/菊地真結(ともに明海大学)組に勝利。試合後、「1戦目は自分たちのリズムに乗れず、ずっと変な感じでした。2戦目は相手関係なく、自分たちのリズムで戦おうと思っていました」とリズムを作ることの大切さを語ったのがカラフルな編み込みヘアスタイルの樫原。「昨年の平塚大会でサンバのイベントがあったこと、また自身のプレースタイルがブラジル人っぽいと言われることが多いので、ブラジルっぽさを出すため前日に3時間かけてセットしてもらいました」と言う。
スピードとコンビバレーを武器に戦う酒井/樫原組
酒井/樫原組は、今大会出場選手の中で2人の平均身長が一番低いペアだが、だからこそ「パス、トスを丁寧にすること。スピード、コンビバレーを大切にし、粘り負けをしないようフィジカルを鍛えています」(酒井)とビーチバレーに取り組んでいる。樫原は2日目もこのヘアスタイルで決勝トーナメントに臨むということなので、どんなリズムを刻みつつプレーするのかに注目だ。
2日目は、9時に開会式が行われた後、9時30分から決勝トーナメントの1回戦、2回戦、そして準決勝が行われる予定となっている。