大阪の常翔学園高が全国初制覇。 「第17回全日本ビーチバレージュニア男子選手権」。
高校生男子チャンピオンを決める「第17回全日本ビーチバレージュニア男子選手権」が8月3日から6日、大阪府阪南市・箱作海水浴場ぴちぴちビーチにて開催された。全国42都道府県から52チームが集まり、8月4日は予選グループ戦、5、6日は決勝トーナメントが行われた。
ベスト8には、宮崎県日章学園高の中園史郎・藤野駿介組、福岡県八幡高の田邉勇斗/加藤貴士組と誠修高の石井清平/進藤勲和組、千葉県中央学院高の時任宗一郎/美保颯汰組、大阪府常翔学園高の亀山拓巳/畑中那由他組と福井良起/篠原颯汰組、長野県東海大学付属諏訪高の渡邉晃成/関島佑斗組、山梨県甲府工業高の三沢直裕/河西貫太組が入った。
東海大学付属諏訪高vs常翔学園高の対決となった決勝戦
大会は熱中症予防のため、決勝戦以外は1試合3セットマッチ1セット15点制で行われた(最終セットも15点)。最も気温が上がる時間帯は、1時間の中休みも導入された。そんな過酷な環境で決勝まで勝ち残ったのは、昨年大会においてもベスト8入りを果たし、その悔しさをバネに壁を乗り越えてきた常翔学園高の亀山/畑中組と東海大学付属諏訪高の渡邉/関島組だった。
亀山/畑中組の武器は身長190㎝、伸びやかなジャンプ力から繰り出す亀山の鋭いスパイクと、反則をとられてもオーバーハンドでセットを上げ続けた畑中の強気の姿勢。関係者からも「過去の大会を振り返っても、亀山は最も鋭角に打てる選手」として評価も高く、他チームを圧倒してきた。しかし、準々決勝から風向きが変わり始める。
中央学院高の時任/美保組、日章学園高の中園/藤野組は、亀山の高さを封じる策を次々に仕掛け、攻守ともに揺さぶりをかけていく。しかし、「調子が悪くなる時もあるのはわかっている中で、気持ちを切り替えることが大切だと思っていた」と亀山。準々決勝、準決勝ともにフルセットゲームを制し、決勝まで駒を進めた。
一方、北信越勢として初めて決勝戦に勝ち上がってきたのは、東海大学付属諏訪高の渡邉/関島組だ。6月から長野県の駒ヶ根や山梨県の白州のビーチバレーボールコートで練習してきたという渡邉/関島組は、上背がないながらもしっかり強打を仕掛けていくチーム。ミスのない安定した戦いぶりで決勝に挑んだ。
大阪としては4年ぶり、常翔学園高としては初優勝を飾った
だが、決勝戦は「他のチームとブロックの出方が違っていた」と、亀山のブロックに対して攻撃ミスが重なった渡邉/関島組。21点制で行われた決勝戦は、2(21-5,21-15)0と亀山/畑中組が力の差を見せつけ、初の高校王者に輝いた。
渡邉/関島組は準優勝に終わったが、「メダルがほしかったし、長野県勢として初めて決勝を戦えてうれしかった」と胸を張った。
大会有望・優秀選手には、茨城県勝田工業高の舟木亮太、中央学院高の時任、神奈川県公文国際学園高の石川瀬那、東海大学付属諏訪高の渡邉、関島、常翔学園高の亀山、畑中、八幡高の加藤、誠修高の石井の9名が選ばれた。
第17回大会入賞選手たち
2002年から始まり、今年で17回目を迎えた「全日本ビーチバレージュニア男子選手権」。第4回大会から「スポーツ拠点づくり推進事業」の一環として助成金が授与されてきた。長きに渡って助成金を中心に運営を行ってきたが、その期間が2019年第18回大会をもって終了する。大会を共催してきた阪南市は、第19回大会の運営資金の捻出に向け、プロジェクトを立ち上げた。
今年7月からふるさと納税を活用したクラウドファンディングサイト「ふるさとチョイス」で寄付募集を開始。目標金額は300万円で期間は2018年10月31日までとなる。阪南市は、ビーチバレーボールの未来のスター選手の発掘するとともに、ビーチバレーボールの文化を根付かせ、市全体で盛り上げていく姿勢を前面に打ち出している。
ふるさとチョイス
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