松山東雲女子大学が初優勝、神戸学院大が3連覇。 「ビーチバレーボールジャパンカレッジ2018」
ビーチバレーボールジャパンカレッジ2018(第30回全日本ビーチバレー大学男女選手権大会)が8月7日から9日、神奈川県川崎市・川崎マリエンにて開催された。台風13号の接近により開催が危ぶまれたが、初日は予選グループ戦が行われ、2日目は雨が降りしきる中、決勝トーナメント1・2回戦を開催。最終日は強風に見舞われながらも準決勝、3位決定戦、決勝戦が行われた。
男子のベスト4に入ったのは、神戸学院大の中川大成(4年)/齋藤侑亮(4年)組、関東亨哉(3年)/中川成仁(2年)、国士舘大の伊藤遼河(3年) /黒川寛輝ディラン(2年)、鹿屋体育大の岩本丈(4年)/柳泰雅(4年)組だ。
男子準決勝の国士舘大vs神戸学院大
8名のうち7名が昨年もベスト4入りを果たしている経験者ぞろい。その中でも異彩を放ったのは、7月の「FIVBワールドツアー東京大会」にワイルドカードで出場した国士舘大の黒川だった。
準決勝では、2連覇中の神戸学院大の中川/齋藤組に対し、第1セットを先取。王者に対して高さとパワーを発揮していくが、2セット目以降は「攻撃は通用していたが、勝負所で仕留められなかった」と逆転され、フルセット負けを喫した。
決勝戦は、国士舘大を退けて3連覇に王手をかけた中川/齋藤組と昨年同様決勝に進出してきた同じ神戸学院大の関東/中川組の同校対決となった。奇しくも昨年大会と同じカードとなり、しかも中川大成と中川成仁は実の兄弟とあって、2年連続の兄弟対決が繰り広げられた。
3連覇を達成した神戸学院大の中川/齋藤組
関西予選の準決勝では、弟分に敗れたという中川/齋藤組。「この大会でも、その時の負けがよぎることもあった」と中川。しかし、その不安を感じさせないほど劣勢に追い込まれても動じない強さがそこにはあった。「齋藤とは長く組んでいる分(高校から含め7年)、悪い時に何をすればいいか、お互い何も言わなくても修正の仕方がわかっているのが強み」(中川)。
決勝戦も序盤リードされる展開となったが、第1セット、第2セットともに主導権を握りデュースの展開を制し、3連覇に輝いた。
女子のベスト4は、産業能率大の若井衣有(4年)/山田紗也香(1年)組、日本女子体育大の酒井春海(4年)/片桐菜摘(4年)組、松山東雲女子大の村上礼華(4年)/坪内紫苑(3年)組、武田ひかり(3年)/大本真代(2年)組の4チームだった。
女子は、大学で初めてビーチバレーボール専門の部を立ち上げた(2008 年)産業能率大が昨年まで4連覇中。近年では、松山東雲女子大学が地元・オリンピアンの佐伯美香氏を専属コーチに招きビーチバレーボール部の強化をスタートさせ、日本体育大学は健志台キャンパスに2017年にビーチバレーボールコートを創設。ビーチバレーボールの強化に専念する大学も現れ始める中、今大会も各チームが女王に挑んだ。
1年生で初の決勝に進んだ産業能率大の山田
今年、女王の看板を背負ったのは、4年の若井と1年の山田組。若井は高校時代に全国優勝経験もあり、山田は昨年のJBVサテライト岐阜大会で高校生として初優勝を果たした有望株だ。
若井、山田ともに大学の全国大会は初出場であったが、危なげない勝ち上がりで決勝まで駒を進めてきた。決勝戦の相手は、創部初の決勝進出を決めた松山東雲女子大学だった。
松山東雲女子大学は、今シーズンからワールドツアーを転戦し、JBVツアーでも優勝を経験した村上がチームを率いるが、大会直前に村上が肩の不調を訴えるアクシデントに見舞われた。しかし、大会に入ると「少しずつ調子が上がっていった。なんか調子が出ないな、という時はお互いにテンションを上げていこうと思った」と村上は振り返る。
女子優勝の坪内/村上組
産業能率大との決勝戦は、村上の風下側からのジャンプフローターサーブでポイントを量産。一方、それまで鋭いジャンプサーブで相手を崩してきた山田のサーブに対し、坪内は「いつも助けてもらっているので、礼華さんを助けたいと思ったし、絶対に勝たせたいと思った」。終始、安定したレセプションを発揮し、産業能率大を寄せ付けなかった。
新たな女王が誕生した大学女子ビーチバレーボール界。「この経験を来年以降、活かしていけるようにがんばりたい」と坪内は意気込みを語った。
創部初の優勝、3位に輝いた松山東雲女子大