「NAGASAKI」「大阪市立西中学校」が優勝。「第9回湘南藤沢カップ・全国中学生ビーチバレー大会」
「第9回湘南藤沢カップ・全国中学生ビーチバレー大会」が8月12日(日)、13日(月)の2日間、神奈川県藤沢市・鵠沼海岸にて開催された。過去最多となる男子47チーム、女子57チーム、合計114チームが集結。男子は長崎の「NAGASAKI」、女子は大阪の「大阪市立西中学校」がそれぞれ1位トーナメントで初優勝を果たした。
2010年開催当初は男子20チーム、女子30チームに満たなかったが、年々参加チーム数は増加。参加チーム数は倍以上に膨れ上がりエントリーする都道府県も増え、今年は新たに秋田、滋賀、長崎が初参加となった。その引き金となったのは、2019年の茨城国体からビーチバレーボール競技少年の部の導入である。とくにビーチバレーボール発展途上の都道府県は、中学生世代からビーチの強化をスタートさせるという傾向が見られた。
男子大会を制した長崎の佐世保市から参戦した「NAGASAKI」も、その例に漏れないチームだった。チームを率いる長崎県のジュニア強化を担当する吉村英樹監督は「長崎は島に囲まれていてまだビーチの常設コートすらない。それでも国体がスタートするので、県内で普及させていくことが狙いだった」と語る。
男子優勝の「NAGASAKI」
今大会に向けても、長崎で初めて中高生のビーチ大会を開催。そこで高校生相手に勝利したメンバーが、この大会でも持っている力を爆発させた。強豪と言われる埼玉の「富士見クラブ」、福岡の「太宰府U14」を決勝トーナメントで振り切り、決勝へ駒を進めた。
もう一方のトーナメントでは、準決勝で優勝候補の広島「グランビーズ広島」を僅差で破り、岩手の「岩手花巻」が東北勢として初の決勝進出を決めた。
25点1セットマッチとなる試合は、序盤は堅実なディフェンス力を武器に「岩手花巻」が先行するが、中盤から「NAGASAKI」のサーブが機能。そこから身長185㎝のエース・入来晃徳がブロック、スパイクと大車輪の活躍を見せる。逆転に成功した「NAGASAKI」はそこから主導権を握って離さず、決着をつけた。
女子はこの大会でも上位進出常連の「愛知淑徳中学校」と、初の決勝進出となった「大阪市立西中学校」の対決となった。
チーム一丸となった「大阪市立西中学校」
「2回戦で当たった強豪の栃木「MaharoⅠ」戦が山場だと思っていた。エースまでパスを持っていければ、絶対に勝てると思った」と話すのは、「大阪市立西中学校」の主将・五味由梨奈。身長176cmのエース・大杉世那を中心に攻守ともにチーム一丸となった「大阪市立西中学校」は、栃木の「MaharoⅠ」を下し波に乗った。準決勝、決勝では相手を寄せ付けず、安定した戦いぶりで初の栄冠を勝ち取った。
決勝戦を終えた大阪市立西中学校」。笑顔の選手たち
「大阪市立西中学校」の石躍隆監督は、「インドアでは府のベスト8以上を目指しているが、なかなか勝てない状況なので、ビーチで全国制覇を狙うという意気込みで参戦した。まさか本当に優勝できるとは思っていなかったが、率直にうれしい。選手たちは試合を重ねるごとに自分たちで話し合って勝ち方を学んでいった」と勝因を語り、日本一の文字を噛みしめた。
中高生向けビーチバレーボール教材
中高生向けビーチバレーボール教本