史上最小チームの石井/村上組、 ワールドツアー最高峰メジャーシリーズで5位タイ。
ワールドツアーの最高峰となる「FIVBワールドツアーグシュタッドメジャー(5star)」が7月9日から15日、スイスのグシュタッドで開催された。日本からは二見梓(東レエンジニアリング)/長谷川暁子(NTTコムウェア)組、石井美樹(湘南ベルマーレ)/村上めぐみ(オーイング)組、溝江明香(トヨタ自動車)/橋本涼加(トヨタ自動車)組が出場した(写真/FIVB)。
予選を勝ち上がり、本戦プール戦も突破したのは、二見/長谷川組と石井/村上組。二見/長谷川組がプール戦でアジアの宿敵・中国を、石井/村上組は決勝トーナメント1回戦でワールドツアーランキング21位のブラジルにそれぞれ勝利するなど、ワールドツアー最高峰の舞台で日本勢の活躍が光った。
粘り強いプレーで観客を沸かせた石井/村上組
そんな中、決勝トーナメント1回戦でブラジルに金星をあげた石井/村上組は、2回戦ではドイツを破り、準々決勝のステージへ進出。2016年のロングビーチグランドスラム大会以来のビッグ大会でベスト8入りを果たした。
準々決勝の相手は、奇しくも2年前の準々決勝と同じ相手のドイツ。第1セット、26-28と大接戦の末に先取され、第2セットも11-21と力尽き、石井/村上組は5位タイに終わった。
もう一つ壁を越えられなかったが、チーム平均身長168.5cm、メインコートに立ったチームの中で大会史上最小であり、強靭で粘り強い彼女たちのプレーにグシュタッドの観客は熱狂した。
チームを結成して4年目。2度目となるビッグ大会ベスト8入りは、決して偶然の産物ではない。村上は、今回の結果にたどり着いた勝因を冷静に分析する。
「2年前のグランドスラムは“イケイケ”という雰囲気で挑んでいたけれど、その時の経験があるから、世界の高さに対してもどうすれば点をとれるか、というイメージはあったし、勝ちに対しての意識は強かった」。
メインコートでプレーした準々決勝
さらに今回、「他のチームのパフォーマンスがいつもと違った」と村上が話すように、ビッグ大会が続いていたトップクラスの選手たちに疲労の色は隠せなかった。そんな中、石井/村上組は5日間で予選2試合、プール戦3試合、決勝トーナメントで3試合、合計8試合をタフなプレーで乗り切った。
村上は、「勝ちたい気持ちはみんな一緒だけど、強いチームでさえも苦戦している状況の中で、自分たちがサーブとディフェンス能力を出し切って、試合の中で成長することができた。チャンスをモノにできたのは大きかった」と振り返った。
石井/村上組の次なる戦いの舞台は7月25日(水)から始まる「FIVBワールドツアー東京大会」。村上は、「メジャーシリーズのメインコートは本当にすごく盛り上がって、あの雰囲気の中でプレーできたことが、一番の収穫だった。東京大会でも気持ちを切り替えて上位を目指していきたい」と、意気込みを語った。