ビーチバレーボール

鈴木/坂口組、長谷川/清水組が優勝。 マイナビジャパンツアー第2戦東京大会最終日。

鈴木/坂口組、長谷川/清水組が優勝。

マイナビジャパンツアー第2戦東京大会最終日。

ビーチバレーボールの国内最高峰ツアーである「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2018 第2戦 東京大会」最終日が5月5日(土・祝)、東京都港区・お台場海浜公園で開催された。朝9時から男女準決勝、決勝が行われた。

女子準決勝第1試合は、鈴木悠佳子(湘南ベルマーレ)/坂口佳穂(マイナビ/KBSC)組と、石坪聖野(アットホーム) /柴麻美(株式会社帝国データバンク)組が対戦。
所属先のスポンサー大会とあってプレッシャーがのしかかる鈴木/坂口組が、第1セット序盤にリードを奪われながらも逆転に成功。24-22,21-18とストレート勝利を収めた。

第2試合は、ベテラン・浦田景子(フリー) /田中麻衣子(全日本空輸株式会社(ANA)組と若手の坂本実優(医療法人社団明朋会増田外科) /沢目繭(新興和製薬株式会社/湘南ベルマーレサテライト)組が火花を散らした。第1セットを坂本/沢目組が21-15、第2セットを浦田/田中組が19-21、それぞれ奪い、最終セットはベテランが意地を見せ、17-15と決着をつけた。


女子準決勝、浦田/田中組 対 坂本/沢目組

男子準決勝第1試合は、「JVAカップ 兼 アジア競技大会 日本代表チーム選考大会」で優勝した上場雄也(松戸レガロ)/ 白鳥勝浩(トヨタ自動車)組と、同大会で3位に終わった石島雄介(トヨタ自動車)/高橋巧(了德寺大)組の対決となった。

アジア競技大会の出場権がかかった勝負では準決勝で敗れた石島/高橋組だったが、この試合では第1セット序盤からサーブ、ブロック、ディグのトータルディフェンスが機能。なかなか相手の穴が見つけられない上場/白鳥組は、レセプションミス、攻撃ミスが目立ち、流れを引き寄せることができない。第1セットを石島/高橋組が21-16と先取した。

第2セットはベテラン組が追いすがろうとするが、なかなか立て直すことができない。一方、石島/高橋組は相手の変化に合わせてしっかりブロックのタイミングを図っていく。第2セットも流れは変わらず、石島/高橋組が21-18と取り、ストレートでベテランに土をつけた。


3位に終わった白鳥

もう一つの準決勝は、開幕戦から2大会連続で決勝進出を決めている清水啓輔(社会福祉法人ひまわり福祉会)/ 長谷川徳海(愛媛県競技力向上対策本部)組が、庄司憲右(愛媛県競技力向上対策本部)/進藤諒(トヨタ自動車)をストレート(21-18,22-20)で下し、決勝進出を決めた。

5月初旬とは思えない炎天下の中始まった女子決勝戦。第1セットは、サーブの狙いを坂口から鈴木に変え、その作戦が見事的中した浦田/田中組が主導権を握る。「あの時は、どうしたらいいかわからなくなってしまった。ルーティンさえ忘れてしまった」と鈴木。浦田/田中組が意気消沈した鈴木/坂口組を抑えて、21-15と第1セットを先取した。

第2セットも、ブラジルでトレーニング合宿を積んできたという浦田/田中組のペース。「今まで私はライトポジションができなかったけれど、ブラジルでは両方のポジションを同じくらい練習して苦手意識がなくなった」という田中が、広い視野を持ってコートにボールを落とし、浦田もネット際で力強いプレーを発揮。マッチポイントを握っていたが、ここで坂口が2本連続でサービスエースを決める。鈴木/坂口組は、好調の浦田/田中組を抑え、デュースの戦いを23-21と制した。

第3セットも両チーム、強打の打ち合いを展開するが、「最後の最後に自分たちの弱さが出てしまった」と浦田/田中組。ここでも坂口のサーブをきっかけにブレイクし、攻め続けた鈴木/坂口組が15-11と激戦を制した。


初優勝に輝いた鈴木/坂口組

2015年、彗星のごとく現れ、「新・ビーチの妖精」としてメディアに注目されてきた坂口。2016年から自身のスポンサーである冠大会がスタートし、結果を残すことを求められてきた。
今大会は、トップチームが不在、第1シードとして挑んだ坂口/鈴木は、当然のごとく優勝候補にあげられ、そんなプレッシャーが何度も肩にのしかかった。

決勝の第2セットも、マッチポイントを握られて崖っぷちに立たされた。しかし、そんな場面で「日々練習している『場所を狙って打つ』というサーブがうまく機能した」と坂口。浦田/田中組のコート後方を的確に狙い、逆転に成功。地力を見せ、念願のツアー初優勝を手にした。

浦田/田中組は、「戦略はうまくいっていたが、最後は佳穂(坂口)の念に負けてしまった」。その言葉どおり、坂口は注目されてから、初めて壁を乗り越えたと言ってもいいだろう。
坂口は、「応援してくれるスポンサーさんのためにも絶対に負けたくなかった。今までずっと負けてきたけど、初めて壁を乗り越えることができた。次のステップとして、トップチームがいる大会でも結果を残せるようになりたい」と気を引き締めた。


力強いブロックをコンスタントに決めた長谷川

男子決勝の石島/高橋組対清水/長谷川組戦もフルセットにもつれこむ接戦となった。第1セット、上場/白鳥組をストレートで倒した石島/高橋組のお株を奪うような威圧感のあるブロックを清水/長谷川組が決めていく。そのリズムを維持し、第1セットは清水/長谷川組が21-19と先取した。

第2セットは逆の展開。クロスブロックの幅の広さを序盤から見せつけた石島/高橋組がリードを広げ、21-18と奪取した。両者一歩も譲らない展開となるが、第3セット最初に流れをつかんだのは、長谷川/清水組だった。

「間違いなく世界トップクラス」という石島のブロックに対して、強打を打つも、きっちりフォローに入り、ボールをつないでいく。「清水/長谷川組は今大会一番、しつこさがあったチームだった。自分たちも見習わなければいけない」と石島。フォローでもらったボールをすかさず切り返していった清水/長谷川組は、着実に得点を重ねていく。終盤、高橋の攻撃ミスも響き、清水/長谷川組が15-13とフルセットゲームを制した。

初優勝に輝いた清水/長谷川組。昨シーズン、一度しか優勝できなかった長谷川は、「相手チームは攻撃力が高いので、抜けてきたボールに対してディグを成功させるのは難しい。できれば、ブロックで勝負してそこで仕留めようと思っていた」。その意図を勝負所で表現。ネット際を制する『ブロック番長』としての存在感を発揮した。

次なる「ジャパンビーチバレーボールツアー2018」は、6月9日(土)、10日(日)に開催される「第3戦平塚大会ガラナ・アンタルチカ杯」となる。