ビーチバレーボール

ジャパンツアー第7戦グランドスラムお台場大会2日目 男子は髙橋/池田組が悲願の初優勝 女子は長谷川/石井組が貫録の2大会連続優勝

ジャパンツアー第7戦グランドスラムお台場大会2日目 男子は髙橋/池田組が悲願の初優勝 女子は長谷川/石井組が貫録の2大会連続優勝

レインボーブリッジを臨むお台場海浜公園で行われたジャパンツアー第7戦グランドスラムお台場大会の2日目(最終日)。男女の準決勝と決勝が行われました。

 

男子で決勝まで駒を進めてきたのは、髙橋巧(ANAあきんど株式会社)/池田隼平(株式会社カブト)組と上場雄也(松戸レガロ)/長谷川徳海(ハウスコム株式会社)組です。両チームは先週行われた第6戦GS名古屋大会決勝でも対戦しており、そのときはフルセットにもつれた接戦を上場/長谷川組が制し、ツアー2勝目を挙げました。

 

そして迎えた今回の対戦。激戦になることが予想されましたが、第1、第2セットともに主導権を握ったのは髙橋/池田組です。ブロッカーの池田選手が相手スパイクのコースや種類を限定させる好ブロックでプレッシャーをかけると、レシーバーの髙橋選手がコートを縦横無尽に駆け回ってナイスディグを連発。「ブロックとレシーブの位置関係が被らないようにポジショニングして、そこから相手アタッカーを観察して動いたことで拾うことができました」(髙橋選手)と2人が組織的に動きディフェンスを機能させました。また先週のGS名古屋大会決勝では、上場選手が鋭く打ち込んでくるスパイクを止めきれなかった部分もありましたが、こちらも「強打をレシーブするときに胸がのけ反ってしまうと弾かれるので、それを修正できたのもよかったと思います」(髙橋選手)と技術面での向上を図っていました。

 

そうしてディグでボールを拾った髙橋選手は、すぐに体勢を立て直しアタックに向かいます。身長178cmと高さはない髙橋選手ですが「ボールを追いかけるような助走でアタックに入ると、相手にはハードヒットが来るように見えます。こちらからは相手の状況が見えているので、オープンスペースにショットを落とすことができますし、そのままハードヒットすることもできます」と冷静なオフェンスで着実に加点していきました。また池田選手が高い打点から力強いハードヒットを打ち込んだことも髙橋選手とは違うスパイスとなり、結局、髙橋/池田組が21‐16、21‐18のストレートで勝利。今季からペアを組み始めた2人にとって初優勝となりました。

髙橋選手は昨季、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)選手とのペアでジャパンツアー6勝を挙げており、池田選手は庄司憲右(ハウスコム株式会社)選手とのペアで準優勝4回。実力者同士が組んだことで今季はすぐにでも優勝を狙えると思われましたが、初参戦となった第3戦GSグランフロント大阪大会は3位タイで、2戦目の第5戦青森大会は1回戦負け、そして3戦目の第6戦GS名古屋大会は準優勝。結果が出なかったのは、パリ2024オリンピック出場権をかけて戦ったコンチネンタルカップで髙橋選手が脇腹を肉離れしてしまったことにも原因があります。リハビリに約1か月かかっただけでなく、目標としていたオリンピックの出場権を逃したことで「燃え尽きた感じがあり、ビーチバレーをやっている意味や意義を見失った時期があり、つらかったです」と髙橋選手。

 

しかしそうした苦しいときに「一緒に頑張りましょう」と励まし続けたのが池田選手です。その池田選手は「せっかく髙橋選手と組ませていただいているのに、僕と組むことで勝てない時期が続いて申し訳ないと思っていました」とも言います。そうした池田選手、そして周囲の人の支えもあり、「一歩一歩、歩み出せました」と髙橋選手。その結果掴んだ池田選手との今季のジャパンツアー初優勝。「その恩返しができてよかったです。感慨深いです」と言う髙橋選手の目にはうっすらと涙が浮かんでいました。

 

その男子決勝に続いて行われた女子の決勝戦のカードは、柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)組×長谷川暁子(NTTコムウェア株式会社)/石井美樹(湘南RIGASSOビーチバレーボールクラブ)組となりました。柴/丸山組の決勝進出は今季5度目で、第2戦都城大会、第3戦GSグランフロント大阪大会では優勝しています。一方の長谷川/石井組は、準決勝で高さとパワーを前面に押し出してくるGeorgia Johnson/Stefanie Fejes(ともにオーストラリア)組に数回のマッチポイントを握られたものの、「戦術の多さと勝ちたいという強い気持ちはこちらのほうが上と思っていました」と逆転勝ちを収めての決勝進出でした。

試合は、パリ2024オリンピックで9位をマークした長谷川/石井組に対し、立場的にはチャレンジャーである柴/丸山組が思い切りのいいプレーを随所で見せたものの、「以前であれば焦る場面であっても、いろんな経験を経て目の前の1点に集中することができるようになってきました」(長谷川選手)、「プレッシャーのなかでも楽しめたり、ギアをグッと上げたりということもできました」(石井選手)と言う長谷川/石井組が要所を絞めて21‐13、21‐12で勝利。「第6戦GS名古屋大会と、この第7戦GSお台場大会に出場してどちらも優勝することでパリの応援をしてくれていた人に恩返しをしようと思っていました」(長谷川選手)と有言実行の2大会連続優勝となりました。