ビーチバレーボール

男子は長崎、女子は愛媛が初の栄冠「第78回 国民スポーツ大会SAGA2024 ビーチバレーボール種目」

男子は長崎、女子は愛媛が初の栄冠「第78回 国民スポーツ大会SAGA2024 ビーチバレーボール種目」

SAGA2024国スポ バレーボール競技会ビーチバレーボール種目が9月14日(土)から17日(火)佐賀県伊万里市イマリンビーチで開催されました。高校生たちの頂上決戦の舞台となったのは、穏やかな伊万里湾に面したビーチコート4面。シングルトーナメント方式において最終日は男女3位決定戦、決勝戦が行われました。
男子決勝戦は長崎県の園田柊弥/梶山剛大(ともに鎮西学院高校)組と、愛媛県の佐伯琉史/髙内雄心(ともに松山商業高校)組の対戦となりました。

昨年からペアを組んできた愛媛の佐伯/髙内組は、青森や鳥取など優勝候補にあげられていたチームを次々に撃破。満を持して決勝戦に臨みましたが、サイドアウトが切れず苦しい展開へ。逆に長崎はサーブポイントを含め、愛媛との得点差を広げていきます。

「ジュニア選手権では自分が狙われて勝つことができた。この大会では梶山が狙われると思ったので、しっかりトスを上げられるように意識して練習してきた」と園田選手。その言葉どおり、落ち着いてサイドアウトを切っていた梶山選手の攻撃も光り、21-13と長崎が第1セットを先取しました。

第2セットも長崎の勢いは止まりません。愛媛はセット終盤、サーブの狙いを梶山選手からブロッカーの園田選手へチェンジ。得点差を詰めたものの、長崎の勢いを止めることはできませんでした。21-19と第2セットも長崎が取り、優勝を決めました。

「日本一になったことは忘れて挑んだ」(園田選手)という長崎は、終わってみれば失セット0の完全優勝。「全日本ビーチバレーボール高校男子選手権大会」に続いて2冠を達成しました。「実は少しプレッシャーはあったので、優勝できてホッとしました」と梶山選手は晴れやかな表情を覗かせました。

決勝では敗れたものの、大型チームとして強さを発揮した愛媛。髙内選手は「今大会を通じて成長はできたと思うけれど、最後に悔しさが残った。この想いをこれからのバレーボール人生に活かしていきたい」と将来を見つめていました。

▲優勝した長崎県 園田/梶山組

 

女子は、昨年覇者でありU19世界選手権で歴代最高の9位タイに入った東京都の森愛唯/宇津木乃愛(ともに共栄学園高校)組とU19アジア選手権に出場した愛媛県の森川仁湖/矢田和香(ともに今治精華高校)組が、決勝戦で対戦しました。

第1セット序盤は東京がリードを保ち、先にセットポイントを掴みます。しかし、愛媛はここから反撃を開始。最大の武器である緩急をつけたサーブで流れをたぐり寄せ、デュースに入っても攻めの姿勢を崩しません。

その一方で、「国体はスタートが悪い癖が抜けなかったり、1セット目取っても2セット目の入りが悪かったり、後半疲れてしまうことも。いろいろあって、自分たちのプレーができていなかった部分があった」と東京の宇都木選手。プレーの精度を欠いた東京は応戦できず、第1セットは愛媛が28-26で先取しました。

第2セットも「全日本ビーチバレーボール高校女子選手権大会」で優勝した時のような切れ味が見られない東京。愛媛はそんな東京の動きを見ながら、コートの空いているところへボールを確実に落としていきます。自分たちが掴んだ流れを相手に渡すことなく、第2セットも21-14で取り、愛媛は初優勝に輝きました。

愛媛県内で強豪校として知られる今治精華高校で2年の春から本格的にビーチバレーボールを始めた森川選手と矢田選手。この2年間、インドアバレーの活動と兼務しながらビーチバレーボールの練習に打ち込んできました。

「2年間積み重ねてきたことで、試合の中で2人の成長を感じる。試合をしていて今まで一番楽しかった」と笑顔を見せた森川選手。矢田選手も「自分のできることが増えてきて、相手との駆け引きができるようになった。そのうれしさもあるし、『もっとやってやるぞ!』いう気持ちが芽生えてきた」と力強い言葉を残しました。

▲優勝した愛媛県 森川/矢田組

 

高校生たちの熱い戦いが繰り広げられたビーチバレーボールシーズンは、今大会で幕を閉じました。