審判の日本代表 バレーボール・明井寿枝国際審判員、ビーチバレーボール・里見真理子国際審判員がパリ2024オリンピックで吹笛
8月11日(日)に閉幕した「第33回オリンピック競技大会(パリ/2024)」(以下、パリ2024オリンピック)では、日本のバレーボール競技、ビーチバレーボール競技の国際審判員から明井寿枝さん(バレーボール)、里見真理子さん(ビーチバレーボール)の2名が選出され、4年に一度の大舞台で笛を吹きました。
(いずれも写真提供: Volleyball World)
東京2020オリンピックに続き2大会連続で選出された明井国際審判員は男女11試合にアサインされ、大会のクライマックスの1つとして注目を集めた女子3位決定戦・トルコ対ブラジルの一戦では主審を務めました。
◆バレーボール 明井寿枝国際審判員 コメント
「通常開催となったパリオリンピックは、毎試合ほぼ満員の観客の中、大変盛り上がった大会となりました。東京大会の時も感じましたが、オリンピックはやはり他の大会と違う雰囲気で、1点に対する選手の熱い気持ちが伝わってきました。その選手の気持ちに応えるべく、レフェリーとしても精一杯ベストを尽くそうと気持ちを引き締めて臨みました。無事に終了でき、今はホッととしております。
レフェリーとしては、東京大会の時点ではまだまだ経験不足だったと思います。説得力のあるレフェリングができていなかったと感じています。その後の3年で多くの国際大会を経験させていただき、少しずつ“説得力のある判定”に近づけるよう心掛けてきました。でもまだ完璧ではありません。やはりこれからも経験を重ねて、より良いレフェリングにつなげていきたいと思います」
(いずれも里見国際審判員提供写真)
リオデジャネイロ、東京、パリと日本人のビーチバレーボール国際審判員として最多となる、オリンピック3大会連続参加を果たした里見国際審判員は、本大会で銀メダルを獲得した女子・カナダとスペインによる準々決勝のほか、男女14試合にアサインされました。
◆ビーチバレーボール 里見真理子国際審判員 コメント
「オリンピックに限らず、どの大会においても、選手が最高のパフォーマンスを発揮できるゲームコントロールを心掛けています。東京大会では叶わなかった有観客試合が実現し、観客の皆さんが審判団入場時に大歓声と手拍子で迎えてくださったことに感動しました。エッフェル塔の真下に作られた素晴らしい会場で、観客の声援が選手を後押しする中、選手の皆さんが素晴らしい試合をしてくださいました。その試合に携わることができ、また新たに貴重な経験をさせていただきました。
東京大会優勝の男子・ノルウェー、パリ大会優勝の男子・スウェーデンは、ともに20代前半の選手で、世界的にアンダーカテゴリーから一貫した強化がなされていると実感しました。
レフェリングでは、特にラリー間12秒間の厳守を指示されていましたが、チャレンジシステムのボッケロ(審判員が装着するトランシーバー)を使用していたため、両レフェリーで協働してスムーズなゲームコントロールができました。選手の技術ではジャンプトス等攻撃の幅が増え、高さやスピードも増している中、オリンピックではラインジャッジ4人体制の上、リオデジャネイロ大会以降導入されたチャレンジシステムにより、良い試合運営が実施されていると感じます。ただ、ビーチバレーボールでは現在のところ、チャレンジシステムがオリンピックと世界選手権大会のみの実施であるため、レフェリー・選手共に戸惑いを感じる部分もあり、国際バレーボール連盟主催大会の『Elite16』等でより多くのレフェリー・選手がチャレンジシステムを経験できると、さらに良い試合運営ができるのではないかと期待しております」