ビーチバレーボール

ジャパンツアー第5戦 マイナビ青森大会 男子は黒川/マルキ組がペアとしては初優勝 女子は新戦術を取り入れた橋本/村上組が栄冠獲得

ジャパンツアー第5戦 マイナビ青森大会 男子は黒川/マルキ組がペアとしては初優勝 女子は新戦術を取り入れた橋本/村上組が栄冠獲得

土曜日、突然の豪雨や雷といった不安定な天候から一転、青空が広がる好天となったジャパンツアー第5戦 マイナビ青森大会の最終日。気温も29℃まで上がり、津軽海峡から心地よい風が吹くという絶好のビーチバレー日和のなか、男女の準決勝と決勝が行われました。

男子で準決勝を勝ち上がり決勝まで駒を進めてきたのは、倉坂正人(フリー)/白鳥勝浩(株式会社カブト)組と黒川魁(NTTコムウェア株式会社)/マルキナシム(トヨタ自動車株式会社)組です。第3戦グランドスラム グランフロント大阪大会優勝チームの倉坂/白鳥組に対し、ジャパンツアーでは今回初めてペアを組む黒川/マルキ組がどんな戦いをするかが注目でした。特に黒川/マルキ組は予選からの勝ち上がりということで試合数も多かったのですが、第1セットで躍動したのがマルキ選手です。黒川/マルキ組が16‐12とリードしていたところから18‐17と迫られたものの、この勝負所でマルキ選手がオープンスペースに落とすドロップ→相手レシーブを弾くハードヒット→相手スパイクを止めるブロックと3連続得点。黒川/マルキ組がこのセットを21‐17で先取しました。

続く第2セット、ここではお互い譲らず14‐14と中盤まで接戦に。一進一退の状態だったためどうなるかまったく予想できませんでしたが、ここで見せ場を作ったのはまたもやマルキ選手。ハードヒット、サービスエース、片手ブロックとまさに八面六臂の活躍を見せ18-15とリードする原動力となると、結局その勢いに乗った黒川/マルキ組が21‐16で勝利。黒川選手にとっては2022年第2戦 大洗大会以来、マルキ選手にとつては2021年第5戦 都城大会以来のジャパンツアー優勝となりました。

お互い久しぶりの優勝に、「全体的にパフォーマンスがよかったと思います。戦術を2人で考えながら作戦を練って、それがうまくいかなければ別の手を考えてということが常にできたのがよかったと思います」(黒川選手)、「(黒川)魁さんを含めコーチの方々のサポートもあったおかけです。すごく感謝しています」(マルキ選手)と笑顔。二人は8月23日から行われたAVC桃園オープンにも出場していますが、それに続いての大会ということで「マルキは自分の意思を持っている選手。お互いの思いをしっかり言い合うことができたのがペアとしてよかったと思います」と黒川選手が言えば、マルキ選手も「魁さんはプレーが安定しているのでコート内の球に落ち着きができ、僕がすごくやりやすいです。また魁さんとは代表合宿などでも一緒に練習していますし、人柄的にもお兄ちゃんという感じなので、いい意味で気遣いすることなくプレーできたのがよかったと思います」と、ペアとしての相性はよさそうです。

またこの優勝は、今季、固定ペアが決まっていない黒川選手にとっては自信になったようです。「いろいろなパートナーと組んでも表彰台を狙うというのが今季の目標でした。そのなかで自分の気持ちを含めいろいろとコントロールすることを学んできました。そしてパリ2024オリンピックを現地で見て、自分が何を目指すのかがハッキリしました。果てしない道のりかもしれませんが『目指す』と言わなければ始まりません。それに取り組んでいるなかでいろいろなものが見えてきて、この勝利につながりました」。ジャパンツアーは今回の第5戦 マイナビ青森大会で折り返し。後半、黒川選手がどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。

女子決勝のカードは、柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)組×橋本涼加(トヨタ自動車株式会社)/村上礼華(株式会社ダイキアクシス)となりました。2組がジャパンツアーで直接対決するのは昨年の第7戦 名古屋大会準決勝以来で、その時は柴/丸山組がストレートで勝利しています。

第1セット、まず流れを掴んだのは橋本/村上組。橋本選手が182cmの長身を生かしネット際の攻防でポイントを重ねると、村上選手もサービスエースを決めるなどし、13‐6と中盤で大きくリードしました。しかしここから、今季、第2戦 都城大会ビーチバレー霧島酒造オープン、第3戦グランドスラム グランフロント大阪大会を制している柴/丸山組が意地を見せます。意表を突いたツー、空中でボールを打つタイミングをずらす技ありショットで12‐15と迫っていきましたが、その後は長いラリーをものにするなどして再び流れに乗った橋本/村上組が21‐16で第1セットを先取しました。

第2セット、ここでも主導権を握ったのは橋本/村上組です。「落ち着いてプレーができました。いつもはベーシックな戦い方をするのですが、今回はそれに加えてワイドなトスや速い攻撃といった展開を変えるプレーを織り交ぜて、それがうまくいきました」(橋本選手)、「ほぼ初めての取り組みでしたが、もともとそうしていろいろなことをするのは得意だと思っていました」(村上選手)と、新戦術が機能。「コミュニケーションが取れていたのもよかったと思います」(橋本)と、このセットも21‐14で取り勝利。昨季の第9戦 松山大会以来の栄冠を獲得しました。

 

9月20日からは名古屋、お台場、須磨とジャパンツアーが3週連続開催となります。短期間での戦いで新たな勢いをもったチームの誕生があるのか、海外チーム旋風が巻き起こるのか、今から注目が集まります。