眞鍋監督「パリ2024オリンピックではメダルに挑戦する」 バレーボール女子日本代表チームが会見
バレーボール女子日本代表チームが7月1日(月)、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)にて会見を開き、「第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)」(以下、パリ2024オリンピック)の出場内定選手12名と交替選手1名を発表しました。
会見の冒頭、中村貴司女子強化委員長は、「2021年に眞鍋ジャパンが発足し、世界と戦うために試行錯誤しながらここまでやってきた。2022年のネーションズリーグ(以下、VNL)と世界選手権、2023年のVNLとパリ五輪予選を戦い、世界の壁にあと一歩のところで跳ね返されてきた。進化を遂げるために試行錯誤しながら強化を図ってきた。そして先般のネーションズリーグではパリ2024オリンピックの出場権を獲得することができ、また準優勝という結果を収めることができた。これも皆さんの温かいご声援・ご支援の賜物。皆さんとともに『TEAM JAPAN』として戦ってきて、やっとパリ2024オリンピックの切符を掴むことができた。後押しをいただき、パリオリンピックに向けて一層の努力をしていきたい」と話しました。
続けて眞鍋政義監督が10年ぶりに主要国際大会での銀メダル獲得を達成したVNLを振り返り、「パリ2024オリンピック最後の5枠を争うこととなり、5月15日のトルコ戦を皮切りに1か月半、選手、スタッフの頑張りにより出場権を獲得することができた。また、準決勝でブラジルにフルセットで勝利することができ、最終的に銀メダル。選手に敬意を表したい」と選手を称えました。
パリ2024オリンピックに向けた選考について「VNLに帯同した18名はもちろんのこと、これまでの3年間で多くの選手が日本代表として、ユニフォームに袖を通し日本のために全力を尽くして戦ってくれたことに敬意を表する。交替選手を含めて13名の枠しかない。また、これまでで最も遅い時期のオリンピック出場権獲得となったため、VNLでの戦いを通じて現時点で最強と思える選手を選考していく必要があった。選ばれた13名の選手には、これまでともに戦ってきたメンバーの想いを背負い、パリでは日本の全バレーボール選手を代表して戦ってほしいと思っている」と期待を込めつつ、出場内定選手12名と交替選手1名を発表しました。
ポジションごとの人数は、セッター2名、アウトサイドヒッター5名、ミドルブロッカー3名、そしてリベロが2名。リベロを2名選出したことについて、「日本の女子バレーはディフェンスが生命線。日本には素晴らしいリベロがたくさんいるが、小島(満菜美選手)、福留(慧美選手)という2人のスペシャリストを使い分けながら世界と戦っていきたい」としました。パリ2024オリンピックにおいて、各チームは出場選手12名のうち0~2名をリベロとして登録することができます。
国際バレーボール連盟(FIVB)の主催大会では、通常14名の選手を出場させることができますが、オリンピックに出場できるのは12名のみ。なおバレーボール競技では本大会から「交替選手(Alternate Athlete)」を1名登録することができるようになり、12名の選手のうち1名が医学的な理由または不可抗力が正当に証明され出場不可能となった場合、その選手に代えて交替選手を出場選手としてエントリーすることが認められます。
眞鍋監督は「交替選手は1枠のみ。さらにVNLとは異なり、交替選手を出場選手に登録すると元に戻すことができない。この13番目の交替選手が日本にとって最も効果的になる方法をスタッフ、選手とともに話し合い検討した結果、『最強の13人目』は山岸(あかね選手)しかいない、という結論に至った。彼女の『見えない力』は我々日本チームが世界一結束して目標を達成するために必要になる『最後のワンピース』。選手もスタッフも感じていることだが、献身的にチームのために働いてくれる」と山岸選手への期待を述べました。
今シーズンの始動時より「パリオリンピックでの目標は出場権を獲得した後に選手、スタッフで相談して決める」と明言していた眞鍋監督。会見の2日前にすべての選手、スタッフとともにミーティングを開き、本大会の目標を「メダル獲得」としたことを明かしました。「(VNLで)銀メダルを獲ったことで、選手たちが世界の強豪国に勝てるという強い気持ちを持ってやってくれれば、メダルの可能性があるのではないかと思っている」と期待を込めました。
会見後には出場選手と代替選手による囲み取材が行われました。2大会連続のオリンピックに挑むキャプテンの古賀紗理那選手は「落選したメンバーの想いも背負って戦いたい。チームとして作っている精度の高いバレーや戦略サーブなどを高められるよう、(オリンピックまでの)合宿に臨みたい。自分がキャプテンとしてオリンピックに出るのは今回が初めて。緊張するがオリンピックでいいパフォーマンスを出せるようにいい準備をしたい。チームメイトとは『自信を持ってメダル獲得が目標』だと言おうと話した。ほんとうに難しい目標だし、(出場チームは)どこも強豪国なので、絶対タフな戦いになると思うが、それでも自信を持ってプレーすることが一番大切」と述べました。
全選手が囲み取材に応じたあと、味の素ナショナルトレーニングセンターのバレーボール専用コートにて報道陣に練習を公開しました。
女子日本代表チームは10日(水)に最後の国内合宿を打ち上げ渡仏。7月21日(日)までフランス国内にて最終調整を行い、パリ2024オリンピックに備えます。女子バレーボール競技は7月28日(日)から8月11日(日)まで、パリ南アリーナ1にて開催されます。
本大会の予選ラウンドでは、出場12チームが4チームずつ3つの組に分かれ1回総当たり戦を戦います。各組上位2チームと、各組の3位のうち、成績上位2チームの計8チームが準々決勝に進みます。準々決勝以降はトーナメント戦によりメダルを争います。
予選ラウンドB組の日本は、28日(日)にポーランドと本大会初戦を戦ったのち、3日空いて8月1日(木)にブラジル、3日(土)にケニアと対戦します。試合はいずれも日本時間20:00開始です。
女子日本代表チームが出場する試合の放送につきましては、発表され次第JVAのウェブサイトに詳細を掲載します。
パリ2024オリンピックでの女子日本代表チームへの活躍にご期待ください。