男子日本代表チーム、ネーションズリーグ2大会連続メダル確定 女子に続き決勝へ
「バレーボールネーションズリーグ2024」の男子準決勝が6月29日(土)にウッチ(ポーランド)で行われました。
FIVB世界ランキング2位(試合開始前時点)の男子日本代表チームは、同3位のスロベニアと対戦し、セットカウント3-0(25-21、27-25、31-29)で勝利。本大会初の銀メダル以上が確定しました。男子日本代表チームによるネーションズリーグでのメダル獲得は昨年の銅メダルに続き2大会連続で、主催国際大会で銀メダル以上の成績を残したのは、1977年開催のワールドカップ以来47年ぶりです。先週行われた女子ファイナルラウンドで女子日本代表チームも決勝進出を果たしているため、男女揃って決勝進出となりました。
第1セット、日本のブロックポイントでスタートすると、ディフェンスからスパイクを決めるなど日本が主導権を取ります。いいかたちでブレイクポイントを取り11-7となった場面でスロベニアがタイムアウトを要求。日本のブロック、ディフェンスが好調を維持します。しかし、スロベニアに強いサーブを打たれると、サーブレシーブが乱れ12-12と追い付かれます。日本がタイムアウトを取った後、一時スロベニアに先行されますが、石川祐希選手のスパイクで20-18と再度リードに成功すると、石川選手のサーブを起点にチャンスを作り22-19とスロベニアを引き離します。最後は西田有志選手のサービスエースで25-21とし、第1セットを先取します。
第2セット、カナダ戦に続き好調な石川選手がスパイクで先取点を取ると、さらにブロックやスロベニアのミスなどで5-0と大きくリード。しかし、ブロック、サービスエースなどでスロベニアに得点を許すと、10-10と同点に追い付かれます。相手のいいサーブに対し、日本はサーブレシーブが崩れ苦しい展開になり、中盤はスロベニアにリードを許します。22-23と1点を追う場面で、長いラリーの末に石川選手のスパイクが決まると観客から大歓声が沸き起こり、これを契機に流れは日本に傾きます。スロベニアのセットポイントを凌ぎ24-24とデュースの場面、途中出場の髙橋健太郎選手がサービスエースを取り25-24とすると再びデュースの後、小野寺太志選手のクイックで日本がセットポイントを握ります。最後は西田選手のサービスエースで26-24とし、セットを連取します。
第3セット、先の2セットと同様に石川選手が最初の1点を取ってチームを牽引します。大塚達宣選手のサービスエースからいい流れができ、11-7となったところで、スロベニアがタイムアウトを取ります。このセットは中盤に追い付かれることもなくリードを保ち、サイドアウト、ブレイクともに日本が好調をキープします。ところがセット終盤、スロベニアの反撃を受けます。スロベニアの強いサーブにサーブレシーブが崩れサイドアウトが取れず、20-21と逆転を許したところで日本がタイムアウトを要求。さらにスロベニアにサービスエースを決められ20-23となり、再度が日本タイムアウトを取ります。タイムアウト後は、スロベニアのミスなどで逆転に成功し25-24。長いデュースの末に31-29でセットを取り、セットカウント3-0のストレートで決勝戦進出を決めました。
スロベニアのサーブが強く、サーブレシーブが乱れる場面もありましたが、サイドアウト率は相手を上回りました。また日本はこの試合、ディフェンスからの切り返しがよく、ブレイク率を高く保ちました。ミスの数もスロベニアの25に対し日本は19。相手に対し精度の高い試合展開ができたことが勝利に繋がりました。
日本は金メダルをかけてFIVB世界ランキング5位のフランスと対戦します。今夏オリンピックの開催国でもあるフランスは、予選ラウンドではイタリア、ポーランドを下し、優勝した2022年以来3度目の決勝進出を決めています。予選ラウンドでの対戦は、日本がフルセットで勝利しています。
<次戦>
日本時間7月1日(月)3:00 日本×フランス
BS-TBSで2:54から生放送、U-NEXTで生配信
<コメント>
関田誠大選手
「昨年の順位を上回ることができて嬉しく思う。中盤に相手のサーブに苦しめられたり、スパイクで点数を取られたりすることもあったがよく我慢できた。こういう試合でしっかり勝つことが非常に重要だったのでよかった。ただ『勝つことが大事』と言いつつ、追い付かれることなく最後まで戦うということが課題となった。(決勝進出を)あまり信じられない気持ちでいる。女子も決勝に進出して銀メダルを獲ったので、自分たちはそれ以上の結果を収められるように頑張りたい」
山本智大選手
「非常に嬉しい。目標としてきたことが達成できた。明日には決勝という最高の舞台があるので、そこに向けて準備していきたい。相手のサーブがこれまで以上に走っていたし、人と人の間(を狙ってくるサーブ)が多かったので、なんとかBパス、Cパスを返すという展開が多くなってしまったが、粘り強く戦えたことがチームの勝利に繋がった。自分自身は2セット目の最後に相手オポジットのスパイクを顔面に受けて、そこから『絶対拾ってやろう』という気持ちが強くなった。その感情を1セット目の1点目から出すというのが課題になった。最高の舞台で試合ができるので勝ちたい気持ちは山々ではあるが、相手のあること。この舞台を楽しみ、最高の景色を見れるように頑張りたい」
西田有志選手
「個人的にもチーム的にも嬉しい結果だが、まだ銀メダル(以上が確定しただけ)。勝利を見据えて準備していきたい。明日はもっとタフな試合になる。自分はバレーボールを楽しむだけ。みんなで楽しんで勝利したい。せっかくここまで来たので勝ちたい。自分は予選ラウンドのフランス戦では悔しい思いをさせられている。絶対負けないように戦いたい。」
写真提供:VolleyballWorld