2セット先取されるもフランスに逆転勝利 男子ネーションズリーグ
「バレーボールネーションズリーグ2024」(VNL)予選ラウンド第3週フィリピン大会がマニラで開催されています。
6月22日(土)、FIVB世界ランキング4位(試合開始前時点)の男子日本代表チームは同7位のフランスと対戦し、セットカウント3-2(17-25、19-25、25-16、25-23、15-10)のフルセットで逆転勝利。予選ラウンドの通算成績を8勝3敗としました。
第1セット、序盤からサーブレシーブを崩され、フランスにリードされる展開となります。フランスには安定したサイドアウトに加え、サーブとディフェンスからブレイクポイントに繋げられます。日本はサーブレシーブのAパス返球率が10%に留まり、第1セットを17-25で落とします。
第2セット、西田有志選手に代わり起用された宮浦健人選手がスパイクを決めて、日本にいい流れを作ります。第1セット同様、日本のサーブレシーブが乱れるシーンが多く、サイドアウトを取ることに苦戦しますが、徐々にリズムに乗りはじめ10-10とシーソーゲームの展開になります。しかし、フランスに連続得点で10-13と点数差を広げられ、19-25で2セットを連取されます。
第3セットはスタートからキャプテン・石川祐希選手がチームを引っ張ります。緩急を混ぜたスパイクでブレイクポイントを取り4-0とすると、フランスが先に1回目のタイムアウトを取ります。その後も石川選手のスパイク、髙橋健太郎選手、大塚達宣選手の連続ブロックなどでポイントを取り、13-6と点差を広げます。終盤、フランスに点差を詰められますが25-23と接戦を制し、このセットを奪います。
第4セット、活躍を見せたのは宮浦選手。スパイク、サービスエースなどで得点を重ねます。10-10からはお互いサイドアウトを取り合う展開となり、20-20で終盤を迎えます。日本はサーブで攻めてフランスにCパスを返させる状況を作りますが、簡単にブレイクポイントに繋がりません。それでも石川選手のブロックポイントで23-22とするとフランスがタイムアウト。最後はフランスのスパイクがアウトになり25-23でセットを取り、ファイナルセットへ突入します。
第5セット、第4セットに続き好調の宮浦選手のスパイク、石川選手サーブでブレイクポイントを取り、5-3でフランスがタイムアウト。その後も石川選手のサービスエースで6-3とします。主導権を握った日本はコートチェンジ後も攻め続けます。最後は石川選手のスパイクでポイントを取り15-10。2セットを連取された状況から、逆転勝利を飾りました。
次戦は、23日(日)にアメリカとの予選ラウンド最終戦に臨みます。引き続き男子日本代表に熱いご声援をお送りください。
<次戦>
日本時間6月23日(日)20:00 日本×アメリカ
BS-TBSで19:30から生放送、U-NEXTで生配信
関田誠大選手
「非常に興奮した試合で、勝ってよかった。(第1、2セットは)相手の強さに圧倒された。スピード感が非常によかったので、自分たちのテンポを掴むことができなかった。(フランスは)サーブからのサイドアウトの場面で、Aパスがたくさん返っており(相手にとって)いい展開になった。個人としては勝ったのでよかったが、真ん中をもう少しうまく使いたかった。(3セット目に石川選手へ立て続けにトスを上げていたのは)1、2セットの間に少しずつ石川選手が乗ってきているのが分かった。ここで使って流れを何としても引き寄せようと考え、うまくいった。(宮浦健人選手も調子が上がっていった)途中で彼のいいところを自分がうまく引き出していると感じながらやっていた。非常に気持ちよく点を取れた。明日対戦するアメリカも強豪国ではあるが、自分たちの力を発揮するチャンスだと思うので、しっかり準備してまた頑張りたい」
宮浦健人選手
「今日のようなタフな試合を勝ち切れたのは大きいし、この経験がオリンピックにも生きてくると思う。オリンピックでもタフな試合が続くと思うので、こういった試合をものにしていきたい。(途中出場で)個人としてはとにかく思いっきりやることを心がけた。自分がチームに勢いをもたらしたいと思いながらコートに入った。オリンピックでもこういったシチュエーションがあるかもしれないので、その時にどう盛り返すか、チームとしてどう勢いを作り直すかがすごく重要になってくる。(サーブについて)これまでの試合で、サーブの動きが小さくなることがあったので、大きくやることを意識した。どのサーブも小さくなっている感覚があったので、修正した。(アメリカ戦へ向けて)明日の試合もタフになると思う。オリンピックでアメリカと試合をする可能性もあるので、しっかり取れるように準備したい」
大塚達宣選手
「1、2セット目は自分たちがなかなかリズムを作れず、一方でフランスが非常にいいバレーをしていた。その中でもずっとディフェンス面で最初から我慢をしており、それが後々効いてきたのかなと思う。ここぞという時にプッシュして、勝ち切ることができたのはよかった。フランスは高さに限らず全体的にスキルが高く、ブロックとディフェンスの関係がよかった。この試合を通して自分がスパイクの解決策を見つけて工夫していく必要があると感じたが、それは実際にコートに立たないと分からないこと。それが分かっただけでも自分にとっては面白い試合だった。この経験を次に生かしていきたい。カナダ戦は敗れてしまい、オランダ戦からスタメンで入っている。自分自身もいい顔をしてプレーしたいと思っているが、回りにもいい影響を与えて、コートに立つメンバーがいい顔をして楽しみながらバレーをできる環境を作りたい。それが自分の役割だと思っている。ファイナルラウンド進出は決まっているが、予選ラウンドの通過順位、さらに言えばオリンピックに向けた世界ランキングも重要なので、チームで一つになって頑張りたい」
写真提供:VolleyballWorld