ジャパンツアー第2戦都城大会第25回霧島酒造オープン 男子は約10年ぶりにペアを組んだ上場/長谷川組が優勝、女子は柴/丸山組が昨年に続き連覇達成

ジャパンツアー第2戦都城大会第25回霧島酒造オープン 男子は約10年ぶりにペアを組んだ上場/長谷川組が優勝、女子は柴/丸山組が昨年に続き連覇達成

昨日に続き晴天に恵まれた大会3日目(最終日)。男女の準決勝、そして決勝が行われました。最高気温が27度と暑くなっただけでなく、太陽の光がコートに敷き詰められたホワイトサンドに反射し目に映る光景をまぶしくしていましたが、その輝きに負けないくらいの熱戦が繰り広げられました。
男子で準決勝を勝ち上がり決勝に駒を進めてきたのは、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/庄司憲右(ハウスコム株式会社)組と上場雄也(松戸レガロ)/長谷川徳海(ハウスコム株式会社)組です。この2組は第1戦平塚大会荒井商事杯の2回戦で対戦し、そのときはフルセットで石島/庄司組が勝利しています。

試合は、1ポイント目が石島のモンスターブロック、2ポイント目が庄司のサービスエースと石島/庄司組が開始早々ビッグプレーを見せましたが、対する上場/長谷川組も、上場のサウスポーから放つ鋭いスパイクや長谷川のブロックなどで対抗。すぐに点差を詰めると、その後はどちらかが主導権を握ることはなく、デュースまでもつれる展開になりました。そしてデュース後もシーソーゲームが続きましたが、抜け出したのは石島/庄司組。庄司選手のワン返しが相手のオープンスペースに決まり、25‐23で第1セットを先取しました。

続く第2セット、ここで流れを掴んだのは上場/長谷川組です。「第1セットは取られましたが内容は悪くなかったので、できることをきっちりやっていこうと思っていました」(上場選手)と、粘り強いディフェンスでボールを拾うと、オープンスペースを的確に狙ったオフェンスで着実に加点。中盤で13‐8とリードすると、その後も上場選手の意表を突いたツーアタックなどで流れを渡さず、21‐15でこのセットを奪い返しました。

そして迎えた最終セット、第2セットで勢いに乗った上場/長谷川組が5‐2と差を広げていきます。その後も長谷川選手のモンスターブロック2連発、上場選手のナイスディグから体勢を立て直してのアタックなどが決まり、結局15‐9で上場/長谷川組が勝利しました。
試合後、長谷川選手は「前回の平塚で負けた後に、次はどう戦うかという話をしている中で、僕がブロックにいくことを決めました。それで先手が取れると思っていました」と石島/庄司組対策をしていたことを教えてくれました。実際、それは効果的だったようで、上場選手は「ハセがブロックでプレッシャーをかけてくれたので、後ろが守りやすかった」と言います。

上場/長谷川組がペアを組むのは約10年ぶりのため、これまでは試行錯誤の部分もありましたが、「今回で3大会目なので、サインを使うタイミングやディフェンスのシステムが少しずつ確立されてきました。まだまだペア力は上がっていくと思います」と長谷川選手。今後の大会、常に優勝争いに絡んできそうです。

女子の決勝のカードは、柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)×Phoebe Bell /Caitlin Bettenay(ともにオーストラリア)組となりました。両チームは昨年の都城大会決勝戦でも対戦し、柴/丸山組が最終セット15‐13という大接戦を制しペアとしてジャパンツアー初優勝を飾っています。
今回、先手を取ったのはBell /Bettenay組です。ともに183㎝と長身の2人ですが、Bell選手はサウスポーから放つキレのあるスパイクが武器で、Bettenay選手はダイナミックなフォームから繰り出すパンチ力のあるアタックが持ち味。タイプが違うことがペアとしての強さともなっていて、第1セットは中盤9‐12と劣勢でしたが、ここから2人ともに強気のアタックを繰り出すことで流れに乗り、第1セットを21‐18で先取しました。

続く第2セット、ここでも中盤までは柴/丸山組がリードしていましたが、終盤で追い上げ20‐19とチャンピオンシップを握ったのはBell /Bettenay組です。その後、しのぐ柴/丸山組、再びチャンピオンシップポイントを迎えたBell /Bettenay組、それをしのいで逆にセットを握る柴/丸山組と一瞬も目が離せない展開が続きましたが、2度目のセットポイントをものにして第2セットを奪ったのは柴/丸山組。「チャンピオンシップポイントを取られても、サイドアウトを切れればいけると思っていました」(柴選手)、「海外の試合では、第1セットを落としても第2セットで追い上げていくという戦い方をしてきました。自信を持ってプレーしていました」(丸山選手)と、2人とも慌てず落ち着いて目の前の1ポイントに集中していたことがよかったようです。

そして最終セットでは、守っては相手の強打を拾い、攻めては相手のオープンコートにショットを落とす冷静さを持ち続けた柴/丸山組が15‐10で勝利。昨年に続き連覇を達成しました。柴選手は3年前の都城大会でジャパンツアー初優勝を飾っていますが、2年前は準優勝、そして昨年と今年は丸山選手と組んで優勝。丸山選手は昨年のジャパンツアー初優勝に続いての連覇。柴選手が「ここの雰囲気が好きです」、丸山選手が「ここの砂は私にとってはプレーしやすいです」と言うように、2人にとって都城という地は縁があるようです。

また、この日は、準決勝と決勝の間にキッズチャレンジが行われました。これは地元のバレーボールチームに所属している小学生が芸人のマユリカと対戦するというもので、マユリカの2人が意外にもバレーがうまく、ラリーが続いたため会場は大盛り上がり。選手が助っ人として入るとさらにラリーが続き、キッズたちは砂の上で動き回る難しさを感じながらビーチバレーを楽しんでいました。