ビーチバレーボール

ジャパンビーチバレーボールツアー開幕 Vリーグ選手や若手が躍動

ジャパンビーチバレーボールツアー開幕 Vリーグ選手や若手が躍動

2024年のジャパンビーチバレーボールツアーが開幕しました。第1戦平塚大会荒井商事杯の会場は、湘南ベルマーレひらつかビーチパーク。国内で初めてビーチバレーボールコートが常設されたことからビーチのメッカと言われています。大会初日は、雲一つない青空が広がり、富士山をはっきり望むことができるという絶好の天候のもと、男女の1回戦が行われました(男女とも16チームによるシングルエリミネーショントーナメント)。

 

男子では、武藤鉄也/後藤陸翔(ともに東京グレートベアーズ)組、横山龍二/水島 健(ともにレーヴィス栃木)組といったVリーグの選手たちがビーチでどんなプレーを見せてくれるのかが注目でした。

 

東京グレードベアーズの武藤/後藤組は、林聖瑠(国士舘大学)/松井晴皆(Palm)組と対戦。第1セットは身長190cmの武藤選手によるサービスエースやモンスターブロック、187cmの後藤選手によるナイスレシーブからのアタックなど躍動感あるプレーで見せ場を作りました。ビーチの経験値では上回る林/松井組を相手にしても「自分たちの持ち味の強打が出せました」(武藤選手)、「やるからにはいいプレーができるよう、しっかり練習してきました」(後藤選手)と、第1セットはデュースまでもつれ込む接戦に。

 

しかし、その第1セットを20‐22で落とすと、「集中力が切れてしまいました」と武藤選手。第2セットは序盤で大きくリードされ、その差を詰められないまま12‐21で敗退となりました。それでも第2セット終盤ではサービスエースやブロックなどで連続ブレークしポテンシャルの高さを見せた武藤/後藤組。「ビーチは強打だけでなく、相手のコートを見て1対1の駆け引きをしたり風を使ったサーブを打ったりとインドアにはない楽しさや魅力があります。来年もぜひトライしたいです」とコートをあとにしました。

レーヴィス栃木の横山/水島組は、関寛之(MAGS)/Martin Kaufer(ドイツ)組と対戦。横山選手の高い打点からのディープに打ち込むスパイク、水島選手の機動力を生かしたレシーブなどでビーチ巧者の関/ Kaufer組と熱戦を演じました。

 

第1セット、第2セットともにどちらかが主導権を奪うということはなく一進一退の状況となりましたが、2セットともに終盤の勝負所で関/ Kaufer組が抜け出し、横山/水島組は敗退(20‐22、19‐21)。試合後、「横風の中でどう戦うかという経験値と、パス、トスなどの精度の差が出た試合でした」と振り返ったのは水島選手。それでも「インドアのシーズンがスタートするまではビーチに挑戦するつもりです」という横山/水島組。今後、ジャパンツアーを盛り上げてくれそうです。

 

そのほかの男子では、石島雄介(トヨタ自動車式会社)/庄司憲右(ハウスコム株式会社)組、上場雄也(松戸レガロ)/長谷川徳海(ハウスコム株式会社)組、倉坂正人(フリー)/白鳥勝浩(株式会社カブト)組といったビーチでの実績と実力を兼ね備えたペアが明日の準々決勝に駒を進めています。

女子で注目したのは、伊藤 桜(日本通運株式会社)/笹渡美海(産業能率大学)組と、酒井春海(株式会社甲斐組)/菊地真結(トーヨーメタル株式会社)組。これからの伸びしろを期待できる選手たちです。

 

伊藤/笹渡組は、伊藤選手のペアである藤井桜子(株式会社立飛ホールディングス)選手が体調を崩したため急遽実現。産業能率大学の先輩後輩で、笹渡選手は伊藤選手のことを「プレーがすごいだけでなく、自分にストイックでガッツもある、いちばん尊敬している先輩です」といい、伊藤選手は笹渡選手のことを「高校時代、エースとして春高で活躍していただけあり身体能力が高い」と評価しています。

 

試合は金田洋世(ウィルオブ財団)/樫原美陽(一つ山ホールディングス株式会社)組に20‐22、15‐21で敗れましたが、「練習もほとんど一緒にやったことがなかったなかで、思った以上に戦えました」と伊藤選手。「美海にとってのジャパンツアーデビュー戦を勝ち切れなかったのは悔しいですが、これからもこの場に立ちたいと思ってほしいです」と後輩思いの一面も見せていました。その言葉を受けて「ほかの大会と雰囲気が違って、応援も多くて楽しかったです」と笹渡選手。ジャパンツアーへのモチベーションがさらに高まったようです。

 

もう一組の注目ペア、酒井/菊地組は今シーズンからペアを組み始め、お互いに「真結ちゃんはレシーブが上手なので安心して任せられる」(酒井選手)、「春海さんは困ったときや、ここで1点が欲しいときにしっかり取り切ってくれる」(菊池選手)と信頼を寄せています。

 

中川知香/川崎菜々子(ともにハウスコム株式会社)組との試合では第1セットを先取されるも(16‐21)、第2セットを21‐15、第3セットを15‐10で奪い逆転勝ち。酒井選手は「二人で作り上げているリズムや攻撃パターンに持っていければ安定したプレーができますが、それができないときにどれだけ修正できるか。今日はそれが試された試合でした」と振り返りました。そしてこの勝利は、菊地選手にとってはジャパンツアーデビュー戦となった2022年第5戦都城大会以来2度目。幸先のいい2024年のスタートを切ったことになります。

女子ではこのほか、第1シードの柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)、第2シードの松本恋/松本穏(ともにフリー)組、第3シードの坂本実優(株式会社キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)組など上位シードが勝ち星をあげています。

 

明日も9:30から男女2回戦が行われます。