フルセットの激闘の末、ブラジルに敗北 パリ五輪への切符は持ち越し FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023
「FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」第7戦、9月24日(日)にFIVB世界ランキング8位(試合開始前時点)のバレーボール女子日本代表チームはブラジル(同4位)と対戦し、セットカウント2-3(21-25、25-22、25-27、25-15、10-15)で敗れ、今大会を5勝2敗の3位で終えました。
本大会最終戦、勝てばパリ2024オリンピックの出場が決まる大一番、第1セット序盤はブラジルのリズムで試合が進んでいきます。古賀紗理那選手のサービスエースで6-6の同点に追いつき、日本は落ち着きを取り戻します。その後は追いついては離される展開が続きます。中盤、ブラジルの粘りあるレシーブとブロックで14-16と2点差に。一時は同点に追いつきますが、ブラジルの粘りを前に21-25で第1セットを奪われてしまいます。第2セットはブロックディフェンスが機能し、5-1と日本が好スタートを切ります。サーブレシーブ時にコートに入る西村弥菜美選手の安定したレシーブが関菜々巳選手に入り、攻撃にリズムが生まれてきます。渡邊彩選手、井上愛里沙選手の活躍で15-8と大きくリード。終盤にブラジルの猛攻が始まり19-17と2点差まで迫られますが、石川真佑選手、林琴奈選手が踏ん張り、最後は山田二千華選手がサービスエースを決めてセットを奪い返します。第3セット、序盤は相手の連続ブロックで失点しますが、石川選手の活躍や松井珠己選手のトスワークで対抗して互角の戦いに。意地と意地がぶつかり合う中、山田選手の起死回生のサービスエースで23-21としますが、最後はブラジルの底力を前にセットを奪われてしまいます。後のない第4セット、古賀選手に替え井上選手を投入し、セッターを関選手へ戻します。序盤は粘りあるプレーで6-2といい滑り出しをみせます。徐々にブラジルが追い上げてきますが中盤にミスがあり、日本が17-10とリード。渡邊選手らの活躍で着実に得点を重ねていくと、関選手のサービスエース、石川選手のスパイクでこのセットを奪い、勝負は最終セットへ。最終第5セット、開始から3点を先取された日本は早くもタイムアウトを要求。井上選手が渾身のスパイクで得点しますが、なかなか点差が縮まらないまま試合が進んでいきます。日本は石川選手、林選手が決めると渡邊選手のブロックで10-10の同点に。しかし、ここから百戦錬磨のブラジルに力を見せつけられ、10-15。フルセットの末に敗れ、パリ行きの切符は来年に持ち越されました。
目標としていた今大会でのパリ2024オリンピックの出場権獲得には至りませんでしたが、会場やテレビの前から熱いご声援をいただきありがとうございました。女子日本代表チームはFIVB世界ランキングによる出場権獲得※を目指していきます。また、9月28日(木)からは「第19回アジア競技大会(2022/杭州)」女子大会が始まりますので、引き続きご声援をよろしくお願いいたします。
<選手コメント>
関菜々巳選手
「この大会でオリンピックへの切符を掴むことが最終目標だったので、目標を達成できなくて応援してくださった皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱい。日本開催でたくさんの応援の中でプレーすることができて幸せだった。この中で勝たないと意味がないので、勝てるセッターにこれからなっていきたいと思う。まだオリンピックへの切符を掴むチャンスはあるので、来シーズンにはなるがVNLのところから完成度の高いチームで戦っていかなくてはならない。そこに向けて自分自身成長して戻ってきたいと思いますし、来年こそ勝てるセッターになれるように頑張りたい」
古賀紗理那選手
「大会期間中、たくさんの方が会場に来てくれ、テレビ越しでも応援してくれて大変感謝している。OQTで(オリンピックの)切符を取るという今年の最大の目標は達成されなかった。課題がたくさんある中にも希望があり、自分たちが強くなったと感じている。次の年が勝負でパリオリンピックでメダルを取ることが一番の目標だが、その前にパリの切符を取らないといけないので、身体も心もタフに成長してチーム皆がまた集合できるように私自身も頑張っていきたい」
石川真佑選手
「(試合の)途中から入ることが多かった。1試合目からチームの雰囲気、やっているバレーがすごくよかったと外から見て感じていた。(自身が)途中から入って勢いに乗っていけるように意識して取り組むことができた。最後の2試合は強豪国とやって、そこで勝ち切れなかった悔しさがある。VNLを終えてから合宿を通してチーム力は上がってきた。最後、結果で残すことができなかったのは悔しさが残っているので、この悔しさを忘れずに次に向けて強くなりたい。オリンピックの切符を取るチャンスはまだあるので、切符を取ってオリンピックに行く」
写真提供:FIVB