「3つの『わが道』で最高のパフォーマンスを」女子日本代表・火の鳥NIPPONが会見
バレーボール女子日本代表・火の鳥NIPPONが4月19日(月)、東京都北区にある味の素ナショナルトレーニングセンター(以下、味の素トレセン)で2021年度の始動会見を行いました。会見は新型コロナウイルス感染症予防のため、リモート方式で開催し、会見中は登壇者のマスクの着用、マイクの消毒、登壇者同士の社会的距離の確保などの対策を講じて行いました。
記者会見は、公益財団法人日本バレーボール協会 嶋岡健治代表理事会長の挨拶でスタート。「選手をはじめスタッフもいろいろな制約がある中で、強化に向けて本当に厳しい練習、また(コロナ禍の)厳しい生活の中でここまで頑張ってやってきてくれたことは非常にありがたい。目標に向けた最大限の努力を今まさにしてくれているということだと思う。今後、5月の頭には『バレーボール日本代表国際親善試合~東京チャレンジ2021~』が有明アリーナで開催され、その後は今までは世界中を飛び回っていた『FIVBバレーボール ネーションズリーグ』が、今年は(新型コロナウイルス)特別対策としてイタリアで開催される。こうした実戦形式を経て、いよいよ(オリンピック)本番に臨む。この90日間は、我々が今まで長く目標にしてきたオリンピックに向けた、一番大事な最後の90日間と言える。ぜひ皆さんの応援をいただき、選手が活動する姿を見ていただいて、明るい日本を取り戻せるよう頑張っていきたい」と語りました。
続いて鳥羽賢二ハイパフォーマンス事業本部長兼女子強化委員長が「新型コロナウイルスの感染拡大の影響で日常生活がままならない中ではあるが、3月1日(月)より日本代表登録メンバー24名の中から18名の選手を味の素トレセンに招集し、安全に配慮しながら本日まで強化合宿を順調にこなしている。東京オリンピックでは、女子バレーが国民の元気印になれるよう、この環境の中でこれまで以上に強い意志を持って臨み、その成果で再び国民的スポーツとしてバレーボール競技が大きな声援を受けられるように、チーム一丸となって目標達成に挑む」と挨拶しました。
中田久美監督は「我(自己)が道を行く 和(日本)が道を行く 輪(選手・スタッフ)が道で勝つ」というメッセージを掲げ、「2020年、オリンピックの年のチームスローガンとしてキックオフミーティングで選手に伝えたもの。『わが』には3つの意味があり、一つ目は自分の人生は自分で切り開いていくという意味で、待っていても与えられるものではなく自らの足で進んでいってもらいたいという、自己の道を行く、というもの。2つ目は世界と同じことをやっていては勝てないということで、日本のオリジナルの追求をしようという、チームワークの輪。最後はこの力だけではなく、世界一の団結力を選手・スタッフ全員で勝ち取っていこうという意味が込められている」と説明しました。
さらに中田監督は「オリンピックが延期になったことにより、実際に戦力と考えていた選手が引退をしたり、改めてアスリートにとっての一年の重みを感じたし、プラスの部分だけではない、というのが正直なところ。逆に時間をいただいたことで若手が非常に戦力として強化できているというところではプラスになっているので、このプラスの部分をさらに活かせるような強化をしていきたいと思っている」と述べました。
その後選手たちが5月1日(土)に開催される「バレーボール日本代表国際親善試合~東京チャレンジ2021~」(東京・有明アリーナ)でお披露目となるレッド、ダイバーシティーブルー、ホワイトの新ユニフォームで順番に登場。
キャプテンを務める荒木絵里香選手は「今シーズンの目標は、今季のチームスローガンでもある『限界突破』。日々限界に挑戦し進化できるように全力で頑張っていきたい。(今のチームの雰囲気は)例年以上に緊張感があり、皆で切磋琢磨しながら毎日いい練習ができている。日本代表として4大会目(キャプテンとしては2大会目)のオリンピックに挑戦できることに、喜びと幸せを感じている」と話しました。
◆古賀紗理那選手
「今シーズンの目標は東京オリンピックでメダルを取ること。副キャプテンとして、できることは精一杯やっていきたい。(副キャプテンに指名された時)私ではない方がいいのではないか、と監督に言ったが、指名していただいたので頑張っていきたい。去年は試合がなく、試す機会がなかったが、去年から積み上げてきたものを今年、オリンピック前に出し切って、そこからオリンピックに向かっていきたい」
◆島村春世選手
「今シーズンの目標は『限界を超える』。前回のリオ大会は金メダルという目標を掲げていながら、5位というとても残念な結果に終わってしまった。その悔しさもあり、その時のチームよりも、そして自分自身も、限界を突破して強いチームにならなければいけない、という意味でこの目標にした。再び選んでいただき、ありがたいという感謝の気持ち、あとは素直に嬉しいという気持ちでいっぱい。今のチームは若手の勢いもあるし、ベテランで心強い選手もたくさんいるので、そこがうまく融合したいいチームだと感じている。ブロード攻撃、Bクイックという、クイックの幅のあるプレーが得意。幅いっぱいにコートを駆け巡るプレーが得意なので、是非そこを見てほしい。ワクワクしている気持ちは前回大会と変わらないが、今大会は色々なことが違ってくると思うので、その場において最善を選べるような選手になりたい」
◆籾井あき選手
「今シーズンの目標は、今自分にできることを精一杯出し切るという思いで『精一杯』。(代表選出は)Vリーグが終了した後、所属チームの監督に告げられて知ったが、その時は正直ついていけるか不安、という気持ちでいっぱいだった。実際にチームに入り練習してみて、少しずつチームに溶け込めるように、コミュニケーションを多くとるように心がけている。セッターとしての強みは、高い位置でのトスアップ。身長が176cmあるので、それを活かして頑張っていきたい。様々なことを吸収して、チームのためにできることを頑張ってやっていきたい」
火の鳥NIPPONは引き続き4月29日(木・祝)まで味の素トレセンで国内合宿を行い、5月1日(土)、2日(日)に有明アリーナ(東京都江東区)で行われる「バレーボール日本代表国際親善試合~東京チャレンジ2021~」で中国と対戦します(火の鳥NIPPONの試合は5月1日のみ)。その後は再度、味の素トレセンで国内合宿を行ったのち、1カ月にわたりイタリア・リミニで行われる「FIVBバレーボールネーションズリーグ」に参加します。
「バレーボール日本代表国際親善試合~東京チャレンジ2021~」は東京2020オリンピック前に国内で行われる最後の国際試合です。ぜひ火の鳥NIPPONへのご声援をよろしくお願いします!