日本代表

スローガンは「ALL for PARIS 24」 龍神NIPPON フィリップ・ブラン監督が会見 主将は昨年度に続き石川祐希選手

男子日本代表チーム・龍神NIPPONのフィリップ・ブラン監督が4月4日(月)、都内でオンライン会見に臨み、本年度龍神NIPPONに選出した選手35人への期待や、パリオリンピックへの挑戦の始まりを前にして意気込みを語りました。

ブラン監督は「日本代表の監督として、この新たな冒険の幕を開けることを心から楽しみにしていた。私たちの前に立ちはだかる困難は認識しているが、それでもオリンピック2大会連続出場という目標を達成したい。また、出身国であるフランスで5回目のオリンピック参加を成し遂げることは個人的な目標でもある」と語り、今後3年間の最優先目標であるパリオリンピック出場と絡めて『ALL for PARIS 24(Two Four)』をこのチームのスローガンとして掲げました。このスローガンには以下の意味が込められています。

今後3年間、このプロジェクトに関わるすべて選手に当事者意識を持つこと

私たちの技術的、精神的、戦術的なすべての資質を成長させるための、不断の決意

野心を持ち、大会におけるすべての試合を大きな決意を持ってプレーすること

冒険を共有し、指導者、コーチやトレーナー、選手、メディア、スポンサー、ファンの皆さまなど、すべてのバレーボール愛好家のサポートを得ること

そして、FIVB世界ランキングがパリオリンピック予選に影響するという想定のもと、世界ランキングを上げていく必要性があることを強調しました。昨年新方式となったFIVB世界ランキングは、一つひとつの勝敗で順位が変動するため、「FIVBバレーボールネーションズリーグ」(以下、VNL)や「男子世界選手権」でのすべての試合結果にこだわり、「FIVB世界ランキング10位以内」を目指すこととしています。

バレー界において、オリンピックに次ぐ権威を持つ世界選手権については「最初の目標は、キューバとカタールに対して必要不可欠である勝利を収め、第2次ラウンドに進出すること。この大会の第3次ラウンドはベスト6に相当し、もちろん夢。非常に難しいこと。ただしベスト10を目指すことは、よい結果になると思っている」と語りました。

新チームのキャプテンには、昨年度に続き石川祐希選手を指名したブラン監督。「東京オリンピックでは石川選手のリーダーシップのもと、チームスピリットと団結したときの強さを発揮できた」と評価しました。また石川選手もコメントを寄せ、「今年度からブラン監督に代わって、新しいメンバーでのスタートとなるこのチームは、2024年のパリオリンピックで結果を出すためのチームです。東京オリンピックに出場した選手も、しなかった選手も関係なく、今年から集まる選手一人一人、代表全員が『すべての試合がパリにつながっている』という意識を持ってこれからプレーしていくことがとても重要だと考えています。来年の予選だけでなく今から、『パリオリンピックの出場権獲得』という1つのゴールを全員で共有して、チーム一丸となって突き進んでいきます」と決意を語りました。

東京2020オリンピックを共に戦い、先月胃がんであることを公表したセッターの藤井直伸選手は今年度の登録メンバーに入りませんでしたが、「私は彼が戦う人であることを知っています。彼は病を治し、そしてこの試練を通して以前の彼よりも強くなるでしょう。またすぐに彼に会えることを願っています」と闘病中の藤井選手にエールを送りました。

ブラン監督をサポートするコーチには、2014年から龍神NIPPONにアナリストとして参加していた伊藤健士さん、昨年龍神NIPPONの合宿でサポートに携わった深津貴之さん、そしてフランス人のブルーノ・シャトーさんが就任します。初めて日本のチームで活動するシャトーさんは、映像を用いた選手の技術の成長促進に定評があるとして、ブラン監督がコーチ就任を要請しました。選手時代はアウトサイドヒッターで活躍されたこともあり、まずは同じポジションの選手の技術力向上に尽力してもらうこととしています。

また会見では南部正司男子強化委員長が今シーズンの活動計画を説明しました。

今シーズンの龍神NIPPONの活動は、清水ナショナルトレーニングセンター(静岡県清水区)でスタート。新たな戦力の見極めなどを行ってVNLに出場する選手を選出します。

VNL後は沖縄市で合宿と「2022男子バレーボール世界選手権壮行試合 日本代表紅白戦 in 沖縄」を開催し、世界選手権へ向けての強化を図っていきます。女子と同様に、杭州(中国)での「第19回アジア競技大会」と現時点での「男子世界選手権」の日程が近接しているため、35人の中から2チームを構成し各大会へ臨む方針です。その都度、最良の選手選考を行いたいというブラン監督の意向を踏まえて、具体的な選手選考の枠組みは固めずにメンバーを決定していくこととしています。

南部強化委員長は「必達目標は『パリオリンピックの出場権獲得』。東京オリンピックは自国のため出場権があった。パリは予選を勝ち抜かなければならない。残り約1年半、全力で準備したい。今年からパリオリンピックまでに予定されている3回のVNL、今年の世界選手権、そして来年のオリンピック予選に最強の戦力をぶつけるが、先を見据えた強化もしていく。(新戦力・若年選手であっても)急激な伸びで目標大会に間に合う選手が出てくればどんどん招集し戦力をあげていく」と方針を語りました。

チームは4月14日(木)以降、V.LEAGUEの試合が終了した選手や高校・大学所属の選手から段階的に清水ナショナルトレーニングセンター(静岡市清水区)へ集合し合宿を行います。26日(火)に味の素トレーニングセンター(東京都北区)へ移動し、V・ファイナルステージに出場した選手が合流して本格始動となります。パリオリンピックに向けて始動する龍神NIPPONに、たくさんのご声援をよろしくお願いいたします。

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