火の鳥NIPPONが始動会見 スローガンは「Breakthrough」
バレーボール女子日本代表チーム・火の鳥NIPPONが5月6日(金)、2022年度の始動会見を行いました。会見は新型コロナウイルス感染症対策を十分に行いながら、3年ぶりにリモート方式ではなく対面で実施。取材者全員への抗原検査の実施に加え、マスクの着用やマイクの消毒、社会的距離の確保などの対策を講じて実施いたしました。
会見の冒頭に川合俊一会長は「いよいよ男女日本代表が始動した。我々は眞鍋政義監督がまたもう一度監督になってくれたということで、全面的に信頼して任せていくつもり。(眞鍋監督は)実績があり、色々なことを考え、データを取り、勝ちに繋げてくれると信じているので、安心して任せることができる。チームが万全なチーム編成あるいは合宿できるように応援していく。皆様にもぜひ応援していただきたい」と期待を寄せました。
続いて眞鍋政義監督が挨拶し、「世界への突破口を見出す」という意味を込めて、今シーズンのスローガン『Breakthrough』を発表しました。
眞鍋監督は「我々の目標は『パリオリンピックでのメダルに挑戦』。目標達成のために、来年のパリオリンピック世界予選(3会場で開催、各会場で8チームずつ出場し2チームに出場権が与えられる)にてオリンピックの出場権を獲得したい。そこでの出場権が獲得できなければ、翌年の『バレーボールネーションズリーグ』(以下、VNL)の予選ラウンド終了時点での世界ランキングで出場権を得るチャンスがある。今年から少しでもランキングを上げておきたい。
今月末に開幕するVNLではファイナルラウンド進出、今年最も大きな大会である世界選手権(世界バレー)では第3次ラウンド進出を目標とする。世界選手権の第1次ラウンドは中国、ブラジル、コロンビア、チェコなどと同組の厳しいチームに入った。勝ち進んだ場合、第2次ラウンドではイタリア、オランダが待ち受ける。この2チーム、中国、ブラジルのいる中で1、2勝しなければならない。第3次ラウンドに進めるよう、調整していきたい」と語りました。
また、眞鍋監督を支えるスタッフの紹介も行われ、すでに発表済のメンバーにハイパフォーマンスアナリスト・上原伸之介氏、情報戦略・今丸好一郎氏、メンタルトレーナー・渡辺英児氏が加わり、総勢16人となりました。
会見には本年度の火の鳥NIPPON登録メンバーから22人が出席し(宮部藍梨選手は欠席)、日本代表に選出されての意気込み、目標などを語りました。
◆キャプテン・古賀紗理那選手
「今年からパリオリンピックに向けて大切な試合が続く。1戦1戦が世界ランキングに影響する。チーム一丸となり、強い集団を作っていきたい。2~3月頃に眞鍋監督と話す機会をいただき、『キャプテンをやってほしい』と言っていただいた。その時は何も言わなかったが、本当は『(自分がキャプテンをやるのは)やめたほうがいいのではないか』と思っていた。キャプテンに選んでいただいたからには、勝てるチームを作っていきたい。東京2020オリンピックは予選敗退という悔しい結果で終わってしまった。このままでは強いチームはできないと思った。キャプテンを打診いただいた時、最初は戸惑ったが、東京2020オリンピックでの敗戦から這い上がる、チームも自分も強くなろうという気持ちで引き受けた。今のチームにはオフェンスに長けた選手が多く揃っているので、オフェンスを生かすためのディフェンスが大切になる。チーム全員で積み上げていけたらと思う」
◆宮部愛芽世選手
「持ち味である攻撃力で、どの役割、ポジションを任せられても世界を相手に爪痕を残せるように一生懸命頑張りたい。(姉・藍梨選手と揃っての選出は)私はこの場に選ばれたいとこだわって大学生としてバレーボールを頑張ってきたが、姉妹揃って選んでいただけるとは思っていなかった。眞鍋監督に感謝するとともに、姉妹でプレーができるこの機会を大事にしたい。姉と2人でバレーボールの話をすることはない。同じコートに立ったり、プレーしたりするイメージが湧かない。自分の中でも未知の部分だが楽しみではある。他の選手と比べて劣っているものもあると思うが、それを感じさせないようなオフェンスでの強みを発揮し、若手からチームの底上げができればいいと思う」
◆佐藤淑乃選手
「スピード、高さ、パワフルさを生かしてチームの勝利に貢献したい。この合宿で眞鍋監督からは『速いトスを打てるように』と言われ練習している。大学からの選出は2人だけだが、大学バレーの良さをアピールできたらと思う。木村沙織さんに憧れて、現役時代の映像を見て勉強している。木村さんを超えられるように頑張る」
◆石川真佑選手
「失敗を恐れず、自分らしく自信を持って戦う。たくさんの方に応援してもらえるように結果を残したい。東京2020オリンピックを経験して、世界の高さ、相手の気迫や勢いを間近で体感した。対戦する相手に対して、自分たちからそういったものを出せるようにしたい。チーム全体で見ると年齢は下の方ではあるが、プレーに関しては年齢関係なく、自分のプレーを発揮できるようにしたいし、コート内の会話が重要だと思うので、色々な人とコミュニケーションを図って共通理解を増やしていきたい」
また、2012年のロンドンオリンピックでの銅メダルに貢献した元選手13人が『アントラージュfromロンドン』として火の鳥NIPPONのサポートを行っていくことが発表されました。眞鍋監督は「東京2020オリンピックからパリオリンピックまでは時間が短いので、『オールジャパン』体制で挑みたいということを申し上げてきた。その一環がアントラージュ。13人の元選手たちにも一緒になって協力してもらう。時間の許す限り練習に参加してもらい、現役選手へのアドバイスや、メダル獲得までの過程や準備、成功体験を伝えてほしい」と期待を込めました。
会見には所用で欠席した荒木絵里香さんを除く12人が出席し、火の鳥NIPPONの現役選手を支え、女子バレーボールをともに盛り上げていくことを誓いました。
火の鳥NIPPONは4月上旬から味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)で行っていた合宿を本日で終了し、明日から11日(水)までは活動場所非公開で合宿を行います。その後、12日(木)から20日(金)までサンアリーナせんだい(鹿児島県薩摩川内市)で合宿を行います。
今シーズン最初の国際大会は、シュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)で行われるVNL予選ラウンド第1週で、日本時間6月2日(木)10:00より韓国と本大会初戦を戦います。