ネーションズリーグに続きベスト8進出を 世界選手権に向けて龍神NIPPONが会見
バレーボール男子日本代表チーム・龍神NIPPONは9日(火)、オンラインで記者会見を行いました。会見にはフィリップ・ブラン監督と、この日発表された「2022世界選手権」の出場選手14人が出席し、今シーズンこれまでを振り返るとともに、約2週間後に迫った世界選手権に向けた意気込みを語りました。
◆フィリップ・ブラン監督
我々の最重要目標は、第1次ラウンドを勝ち抜いて決勝トーナメント(Round of 16)に進出すること。世界トップ6のチームとRound of 16で対戦するのを回避し、カタールとキューバを相手にFIVB世界ランキングでのポイントを失わないためにも、B組の1位か2位となり、決勝トーナメントに進出する必要がある。
カタールは同じプールで最もランキングが低いチームではあるが、最初の試合での対戦となる。カタールはパフォーマンスがモチベーションレベルに左右されるチームなので、大会の序盤、ましてや第1試合なので、極めて意気軒昂かつ攻撃的に臨んでくると思う。(第3試合の)キューバは復活のさなかにあるチーム。国外でプレーして成長しているロベルトランディ・シモン選手やマルロン・ヤント選手らが復帰し、非常にすぐれた身体的可能性を秘めている。第3試合は正真正銘の挑戦である。
◆キャプテン・石川祐希選手
(ネーションズリーグの準々決勝を前に怪我をして以来)練習には参加できていない状況。世界選手権の試合にベストな状況で臨めるように調整している。世界選手権は非常にレベルが高い大会。まずはカタールとキューバに勝って1次リーグ戦を突破すること、そしてブラジルに対してもチャンスはあると思うので、そこでも(勝利を)狙っていく。ネーションズリーグ(VNL)ではベスト8まで行ったので、世界選手権では世界のベスト8に入る力があることを証明したい。
◆西田有志選手
この大会での勝敗でパリオリンピックへの道が近くなるのか遠くなるのかが決まると思う。それを念頭に置いて結果にこだわっていきたい。同じモチベーションで臨んでくる他国を上回れるようにチームとしての士気をしっかりと高めたい。(前回大会は)直前の練習で怪我をしてはじめの試合に出られなかった。4年経って身体的、精神的にも変化した。今大会は自分が先頭に立つと思ってやっている。
◆小野寺太志選手
今年、自分たちが一番大きな目標としている大会。チームとして求めている結果を出すこと、日本のバレーボール界に期待を持ってもらえるような試合をできるように精一杯やりたい。(チームで課題としているサーブについて)海外の選手は緩いボールだと簡単に返して高い攻撃を仕掛けてくる。例えばサイドの選手が2人並んでいるような相手の嫌がる苦手なコース、前後への揺さぶりなどのコースの打ち分けや、スピンなど速いボールを打ち分けて相手を崩すといったことをやっていかなければいけない。
◆大塚達宣選手
世界選手権は今シーズン最も大きな大会で、自分たちはそこで結果を出すことを目標としている。チームがひとつとなって戦っていけるように準備したい。(様々な経験を経て)自分の持ち味として挙げている「アグレッシブな攻撃参加」に加えて、攻守両方において自信を持ってコートに立てる時間が増えたと感じている。世界選手権では1次リーグ戦も決勝トーナメントも1戦1戦が負けられない戦いになる。VNL以上に1点へのこだわりを持って、個人としてもチームとしても練習していきたい。
◆山内晶大選手
今年の集大成と言える大会。今年の合宿からパリオリンピックに向けてチームを作ってきている。その通過点である世界選手権は、自分たちが作り上げてきたものをいかに大規模な大会で発揮できるか。自分たちがやってきたことを世界に見せつける場だと思っている。しっかり1次リーグ戦を突破して決勝トーナメントでも結果にこだわっていきたい。
◆高梨健太選手
(5月に一度日本代表チームから外れた時は)サーブとレセプションが課題ということをブラン監督から言われていたので、その2つをもう一度練習しようと思っていた。フィリピン大会でチームに再招集されたが、こんなに早く戻ってくるとは思っていなかった。VNLファイナルラウンドのフランス戦は自分にとってはとても悔しい思いをした試合だった。サーブとレセプションで機能することができなかった。その2つを世界選手権では改善して臨みたいと思い練習をしている。
◆関田誠大選手
パリオリンピックに向けて非常に重要な大会となる。全員がコンディションを整えて臨みたい。世界選手権に向けて、パスが割れた状態やハイボールになった状況で点を取ったり、リバウンドを取ったりすることが今後必要になると思うので、改善していきたいと考えている。(Cパスになった時は)選択肢としてミドルブロッカーを使うことを忘れないようにしたい。それに加えてパイプ攻撃など中央からの攻撃を使えたらと思う。
◆大宅真樹選手
VNLはフィリピン大会から呼んでもらえて何試合かチャンスを貰えた中、もう少し結果を出せる場面があったと思う。昨シーズン以上に試合に出るチャンスを多く貰っているので、試合に出るときは自信を持ってプレーすること、モチベーションを高く持って臨むことを意識した結果、いいプレーや納得するプレーが多かったので、世界選手権でも同じようにと考えている。自分の役割を理解した上でそれを全うできればチームに貢献できる。チームのみんなで戦っていきたい。
◆髙橋藍選手
VNLではベスト8入りしたが、(ファイナルラウンド準々決勝では)勝てなかったことに対して、チームとして悔しさがある。世界選手権ではまずはそれ(VNL)以上を目標にしながら、1次リーグ戦では一つひとつの試合で日本のバレーボールを展開し、勢いに乗って決勝トーナメントに進みたい。
◆小川智大選手
パリオリンピックの出場権を得るためにFIVB世界ランキングを上げなければいけない。とにかくカタールとキューバには必ず勝つことを目標とし、決勝トーナメントでベスト8に進出できれば。その力(ベスト8を成し遂げる力)はかなり付いてきていると思う。
◆宮浦健人選手
オリンピックに向けて非常に重要な大会。少しでも高い順位を目指して、1つでも多く勝利してオリンピックへプラスになるようにしたい。日本国内で戦うのと世界を相手にして戦うのでは色々なところからの評価も変わる。この世界選手権で個人としても結果を残すことで、次のクラブシーズンに入った時に(移籍加入先の)監督らに期待してもらえると考えている。自分自身の成長のためにもこの大会で結果を残したい。
◆山本智大選手
(レセプションが崩れにくくなった要因について)昨年と比べて、サーブマシーンを用いた練習が増えたことに加えて、隣(の選手)との信頼関係が強くなっている。練習と信頼関係により、レセプションの安定感が増している。VNLを戦ってきた中で世界との差が縮まっているとは感じたが、ファイナルラウンドのフランス戦ではリードしていても勝てなかったり、「ここの1点が欲しい」「このセットが欲しい」という時に勝ち切れない弱さがある。精神的に一人ひとりが強くなっていかないとフランスなどの強豪には勝てないので、強いメンタリティを作ることが大事。
◆佐藤駿一郎選手
(日本代表招集入りは)大学リーグでのプレーを日本代表スタッフの方に評価してもらえたのかなと思う。7月の紅白戦が自分にとって初めての大舞台。世界選手権ではより高いレベルのチームとの試合となる。高さを生かしたプレーでチームに貢献したい。クイックでの速い攻撃や高さのある攻撃を持ち味としている。2メートルの長身を生かしたブロックも強みだと思っている。
◆村山豪選手
VNLに初めて出場させてもらい、吸収できることがたくさんあった。高いブロックの抜き方や、日本にはいないような長身セッターのトスのスピードや高さなど、(日本国内では)味わえないものを得られたのは自身の成長に繋がったと思う。自分のプレーが通用するか不安があったが、実際に試合に出てみてスパイクの速さや高さなど通用する部分もあったのでほっとしたという気持ちもある。また、サーブは自分の中で自信になったことの一つ。ただブロックに課題を感じており、横の移動や(手を)前に出すという意識が不足していると思う時があるので練習で意識したい。
龍神NIPPONは13日(土)まで味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)にて強化合宿を行い、同日午後に事前合宿を行うイタリアへと出発。イタリアには1週間ほど滞在し、現地時間19日(金)にアメリカ、20日(土)にイタリアと練習試合を行います。世界選手権第1次ラウンドの開催地となるスロベニアには23日(火・祝)に入り、26日(金)にカタールの初戦に臨みます。
本大会での龍神NIPPONの試合放送に関する情報は、準備が整い次第お知らせいたします。今シーズンの集大成に挑む龍神NIPPONに、たくさんのご声援をよろしくお願いいたします。