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スローガンは「ALL for PARIS ~Catch Our Dream~」男子日本代表フィリップ・ブラン監督が会見

男子日本代表チームのフィリップ・ブラン監督が4月7日(金)、都内でオンライン記者会見に臨み、本日発表した2023年度登録メンバー37人への期待や、パリ2024オリンピックへの出場権獲得に向けた意気込みを語りました。

ブラン監督は冒頭、東京2020オリンピックをともに戦った藤井直伸選手の訃報に触れ、「私たちのチームの未来について話す前に、先日亡くなられた藤井さんに想いを寄せたいと思う。彼はスポーツに情熱的な選手で、チームのプロジェクトに対しても大きく貢献してくれた。日々彼と活動することに私はとても喜びを覚えていました。彼はこれからも日本代表チームのメンバーとして私たちの心にあり続けるでしょう。藤井さんのご冥福をお祈りいたします」と哀悼の言葉を送りました。

そして、今シーズンについて「2023年は私たちのオリンピック計画にとって重要な年。大会数が多く、10月に東京で開催される『FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023』(以下、OQT)でフィナーレを迎える。パリ2024オリンピックへの切符を獲得するためには何よりFIVB世界ランキングにおいてアジア首位のポジションを維持すること、またOQTで出場権を獲得することが求められる」としました。OQTについてブラン監督は「組み合わせ抽選会の結果は私たちにとってあまり好ましいものではなかった」としつつも、「ここ日本で、新型コロナウイルス感染症などによる制約も恐らくない中で、観客の皆さんの前でプレーができる。また、OQTでパリ2024オリンピックへの切符を得られると、来年はオリンピックでのパフォーマンスを高めることだけに集中できる」とその重要性を語りました。また、昨年のスローガンを踏襲しつつ、OQTでパリ2024オリンピックの出場権を掴む、という意味のサブタイトルをつけ、『ALL for PARIS ~Catch Our Dream~』をチームの今季スローガンとして掲げました。

また、試合数が多いこと、9日間で7試合を行うというOQTの競技方式にも触れ、「いつも同じスターティングメンバーでプレーできるわけではないため、チーム内の全ての選手が活躍できる必要がある。必要に応じて選手の入れ替えができるように、Bチームの力を借りてチーム一丸とならなければいけない。昨年の世界選手権(決勝トーナメント)でのフランス戦では、フランスチームは交代した選手の質の高さのおかげで勝利したとも言える。チーム内の相互補完性をさらに高め、チームに身体的、戦術的、精神的な解決策をもたらすことのできる、才能を持った新しい選手を必要に応じメンバーに加えたい」と語りました。

新チームのキャプテンには、昨年度に続き石川祐希選手を指名し、「石川選手はイタリアで素晴らしいシーズンを過ごしている。彼は試合のリーダーだけでなく、ロッカールームでのリーダーにもなる」とコート内外での活躍を評価し、石川選手のチームへの合流に向けて「うまく調整しコンディションを整えていく」としました。また石川選手もイタリアから動画でコメントを寄せ、「昨年に続き、今年も日本代表キャプテンとして選出していただき、身が引き締まる思いです。今年はOQTがあるため、とても重要なシーズンです。また、日本で開催され、日本のファンの皆さんの声援を受けて戦えることをとても嬉しく思います。皆さんにパリ2024オリンピック出場を見届けていただけるよう、最高のパフォーマンスをしてチーム一丸となって精いっぱい戦い抜きます」と決意を語りました。なお、ブラン監督をサポートするスタッフ陣については、5月下旬に実施予定の記者会見にて発表することとしています。

会見では南部正司男子強化委員長が今シーズンの活動計画をさらに詳しく説明。まず、「直前に迫ったパリ2024オリンピックに向けては『強化』に集中、そしてロサンゼルス2028オリンピックに向けては『育成』、そして競技人口の増加ということで『普及』を行っていく」と強化の骨太方針を説明しました。目標であるパリ2024オリンピックの出場権を獲得するためには「昨年の世界選手権での課題克服と、新戦力の誕生が必要不可欠」と語り、「今年度は大会数が非常に多くタイトなスケジュールとなっている。昨年同様、AとBの2つのチームを編成し、各大会にベストなチームで臨む。同時に次のロサンゼルス2028オリンピックで活躍できる選手も育てていかなければならない。本来オリンピック各大会の間隔は4年間だが、今回は3年というサイクルなので、強化・育成を同時に行いながらチーム力を上げていかなくてはならない。また、ロサンゼルス2028オリンピックへ向けた新戦力『ターゲットアスリート』についても、現状課題の解決に向けた育成を行っていく」としました。

各チームの参加する大会について、「集合・合宿後、Aチームは富山で中国との親善試合2試合を行い、その後愛知に移り『バレーボールネーションズリーグ2023』を戦う。再度集合した後、『アジア男子選手権大会』とOQTに臨む、という流れ。Bチームと、『FISUワールドユニバーシティゲームズ(2021/成都)』に向けたチーム(異なる2つのチーム)は5月中旬から9月中旬まで活動し、例えばAチームの選手が負傷のため離脱をするなど、有事の際にこのチームからすぐに戦力が補強されるというスタイル」と説明しました。

チームは4月9日(日)以降、V.LEAGUEの試合が終了した選手などから段階的に味の素トレーニングセンター(東京都北区)に集合し合宿を開始。5月上旬にV・ファイナルステージに出場した選手が合流して本格始動となります。パリ2024オリンピックの出場権獲得に向けた大事なシーズンをスタートする男子日本代表チームに、たくさんのご声援をよろしくお願いいたします。

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