VOLLEYBALL
NATIONS LEAGUE 2023

バレーボールネーションズリーグ2023

RESULTS

試合結果

最終順位

  1. トルコ
  2. 中国
  3. ポーランド
  4. アメリカ
  5. ブラジル
  6. イタリア
  7. 日本
  8. ドイツ
  1. セルビア
  2. カナダ
  3. ドミニカ共和国
  4. オランダ
  5. ブルガリア
  6. タイ
  7. クロアチア
  8. 韓国

日本の試合結果

7月13日 日本×アメリカ ファイナルラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本 1 23 21 25 18  
アメリカ 3 25 25 18 25  
チーム 日本 アメリカ
セットカウント 1 3
第1セット 23 25
第2セット 21 25
第3セット 25 18
第4セット 18 25
第5セット    
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

いよいよファイナルラウンド準々決勝のアメリカ戦を迎える。西村弥菜美選手、古賀紗理那選手のファインレシーブからラリーが続き、ライトから石川真佑選手が決め1-1。石川選手のサービスエースで2-1。さらに長いラリーから宮部藍梨選手と和田由紀子選手の2枚ブロックも決まり3-1。若手の和田選手もライトから強烈なスパイクを放ち5-4とリードし、山田二千華選手が見事なブロックを決め6-4とした日本。その後、サーブで崩され逆転を許し8-10となったところで日本がタイムアウトを要求する。和田選手の悪い流れを止めるバックアタックが決まり9-10。しかし、アメリカに押され10-13とされるも古賀選手が技ありフェイントを決め、西村選手も相手の強烈なスパイクに反応していく。中盤2枚替えで柴田真果選手と林琴奈選手を起用するも、14-17とリードを許す展開となる。苦しい場面も続くが林選手が決めて16-20とする。途中交代の井上愛里沙選手も相手コートへうまく落とし17-20と追い上げていく。井上選手も躍動し20-21と1点差まで迫る日本。全員で粘って22-23とし、山田選手が同点となるブロック決めて23-23とするも、最後はアメリカに逃げ切られ23-25で第1セットを奪われてしまう。

【第2セット】

井上選手をスタートで起用し、巻き返しを図りたい日本。その井上選手はライトから強烈なスパイクを叩き込んでいく。序盤、日本のサーブが弱くなり相手にミドル攻撃を多用される苦しい展開になるも2点から3点を追う試合が続く。その中でも簡単には相手に決めさせず持ち味の粘りをみせていく。目黒優佳選手をリリーフサーブで起用し、さらに守りを固めていくと、古賀選手が連続得点を上げて10-10の同点に追いつく。古賀選手はレシーブでも活躍をみせ、和田選手のスパイク得点へと結びつけ12-11と逆転に成功する。その後は一進一退の攻防が続いていく。和田選手、井上選手のスパイク、宮部選手のブロック得点で決してアメリカに主導権を握らせない。関菜々巳選手も必死のディグをみせチームを鼓舞していく。中盤に一歩抜け出したのはアメリカ。日本も粘りをみせ再度17-18と1点差まで迫るも、相手の高いブロックに阻まれ17-20。古賀選手が踏ん張りをみせ19-22と3点差まで迫っていくも20-23と苦しい展開は続く。井上選手もコースを打ち分けてスパイクを決めるが、このセット21-25で落とし2セットを連取される。

【第3セット】

このセットは林選手をスタートで起用した日本は序盤から3-1とリードしていく。井上選手のバックアタックも決まり、相手ミスもあり6-3と3点のリードを奪った日本。互いに点を取り合う展開で8-5。相手もミスを連発し10-6とリードを広げていく。中盤18-12と主導権を握った日本は古賀選手のサービスエースで19-12とリードを広げていく。井上選手のスパイクも決まり20-14。アメリカも選手を交代しリズムを変えようとする。得点は22-17。相手ミスにも助けられ24点目を奪った日本は目黒選手の丁寧なトスを古賀選手が決め切って25-18でセットを奪い返す。

【第4セット】

第3セット同様のメンバーでスタートした日本は相手のサーブミスで先制する。その後、アメリカのブロックディフェンスが機能し2-5とリード許した場面でタイムアウトを要求する日本。しかし、サーブレシーブをいい形で返せず2-6と苦しい展開が続く中、石川選手をコートに入れて流れを引き寄せようとする。その石川選手はスパイクを決めてチームを盛り上げていく。徐々に点差を広げられる日本だがメンバーチェンジで打開策を見出していく。宮部選手の速攻で8-12と4点差まで追い上げていく。長いラリーを制したい日本であったが、アメリカもそう簡単には譲らない。中盤8-15と大きくリードを奪われた日本は、セッター柴田選手をコートに入れ、和田選手へボールを託すと、その和田選手も期待に応えていく。石川選手もパワフルなスパイクを決めていくが得点は11-18。途中交代の福留慧美選手も好レシーブをみせ、和田選手のスパイクも決まり18-21と追い上げを図るも、連続失点を喫し18-25でセットを奪われてしまう。セットカウント1-3で敗れ、ベスト8で大会を終了した。

【コメント】
眞鍋政義監督

「(今日の試合は)1、2セット目の立ち上がりの要所でアメリカの高いブロックにやられてしまった。(大会全体を通して)サーブスコアは一人ひとりの意識も高く、チームとして取り組めたのがよかった。しかし、ミス率をもう少し下げていかなければいけない。セッターの精度、スパイカーは高いブロックに対して確実に相手のスペースに打っていくところ、サーブ、ディグは大きな壁。(パリ五輪に向けて)まずは出場権をとることに尽きる」

古賀紗理那選手

「最初のセットはサーブで崩すシチュエーションが多かったが、失点が多かったのが今日の敗因だと思う。(今後の課題は)相手のパスが返るシチュエーションだとクイックで簡単に切られてしまうケースが多かった。サーブも大切だが(ブロックに)飛ぶ人の駆け引きが海外勢に比べて少ない。ブロックで駆け引きをするというのも大切なので、ブロックとディフェンスの関係性を詰めていきたい。オフェンスはセッターとのコンビもあるが、スパイカーが打ち切るということが今大会ではできなかったので、9月(のオリンピック予選)に向けてしっかり一人ひとりが当事者意識を持って取り組みたい」

宮部藍梨選手

「ミドルでの得点が個人的には少なかったと思う。ブロックはシャットする場面があったのはよかったが、特に相手のミドルに対してもう少し強気でいける部分があったと思う。(大会を通しての収穫は)身長で相手に勝ってなくても手の出し方などで補える部分はあると思うので、ブロックの形や完成の早さを追求していきたい」

7月2日 日本×イタリア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(7勝5敗)
1 23 23 25 22  
イタリア
(8勝4敗)
3 25 25 17 25  
チーム 日本
(7勝5敗)
イタリア
(8勝4敗)
セットカウント 1 3
第1セット 23 25
第2セット 23 25
第3セット 25 17
第4セット 22 25
第5セット    
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

出だしは長岡望悠選手のブロックやフェイント、宮部藍梨選手のサービスエースで6-2とリードを奪い、いいスタートを切る。徐々にイタリアのリズムとなり8-6となる。井上愛里沙選手がブロックを利用したスパイクでリードをキープする。しかし、思うように攻撃が決まらず3連続失点を喫し、10-11と逆転を許してしまう。井上選手がブロックワンタッチからの切り返しで宮部選手が決め13-13と同点に追いつき、古賀紗理那選手がサービスエースを奪い14-13と逆転に成功する。相手ミスもあり18-16でリードするも18-18と再度追いつかれ、終盤にきて1点を争うゲーム展開となる。ブロックが機能し得点を重ねたイタリアが19-23と日本を突き放していく。山田二千華選手が踏ん張り20-23としたところで石川真佑選手がコートに入りサービスエースを奪い21-23、古賀選手のブロックで22-23と1点差まで迫っていく。23-24の場面で和田由紀子選手がリリーフサーブとしてコートに入り相手陣営を崩すも、日本がダイレクトスパイクを決め切れず、逆に相手に決められ23-25で第1セットを奪われる。

【第2セット】

長岡選手のスパイク得点で先取点を上げた日本は西村弥菜美選手を中心とした粘り強い守りで序盤は互角の戦いが続いていく。井上選手はサービスエースを奪い7-5とリードする。長岡選手は絶妙なフェイントで相手のコートへボールを落としていき8-5。井上選手は攻撃面でもバックから強烈なスパイクを叩き込み9-6とする。宮部選手がクイックを決め、井上選手と山田選手の2枚ブロックで得点し13-9としたところでイタリアはタイムアウトを要求。その後、素晴らしいラリーの中で関菜々巳選手が好レシーブでつなぎ得点へと結びつけていくが、15-15と同点に追いつかれてしまう。そして、西村選手、井上選手がよく拾い、古賀選手が長いコースへスパイクを決めていく。しかし、サーブで崩され相手ブロックに捕まり19-21とイタリアペースとなってしまう。長岡選手がここで踏ん張り20-21。和田選手を再びリリーフサーブでコートへ送ると相手を見事に崩し21-21とする。粘る日本はイタリアのミスを誘い22-21。長岡選手が決め切り23-23としたが、最後は逃げ切られ23-25でセットを連取される。

【第3セット】

石川選手と和田選手を古賀選手と井上選手に替え、リベロも福留慧美選手を起用し、巻き返しを図ろうとする日本。序盤は0-3とリードを奪われるが、宮部選手が決め1-3。石川選手はサービスエースを含む連続得点で3-3と振り出しに戻す。和田選手、山田選手といった若きスパイカー陣もチームを鼓舞していく。宮部選手もブロックやスパイクで活躍し逆転に成功する。関選手は連続でサービスエースを奪い12-9。流れは完全に日本となり長岡選手も続く。また、福留選手もブロックフォローをしっかり行い、何度も攻撃を仕掛ける原動力となっていく。中盤18-10と大きくリードした日本は終盤も長岡選手、宮部選手、和田選手が得点を積み重ね23-12と大きくリードする。長岡選手がうまく押し込み24-13とセットポイントを握る。24-17と最後の1点が遠かったが山田選手のブロード攻撃で25点目を奪いセットカウントを1-2とした。

【第4セット】

第3セットと同じメンバーで臨んだ第4セット序盤はまずまずのスタート切っていく。長岡選手、和田選手らが躍動し得点は4-3。しかし、ミスが出てしまい4-7とされてしまった日本はタイムアウトを取り、気持ちを切り替えていく。長岡選手、宮部選手が連続でブロックを決め9-9と振り出しに戻していく。宮部選手はこの日5本目のブロックを決め12-11と逆転に成功する。1点ずつ取り合う展開の中で中盤17-17。日本が1点を先行するとイタリアも奪い返してきて18-18。終盤、イタリアのミスもあり20-18となる。20-20と追いつかれるも宮部選手が決め21-20。だが、イタリアの猛攻を受け22-25でセットを奪われ、セットカウント1-3で敗北。予選ラウンドを7勝5敗で終了し、ファイナルラウンドへ向かうこととなった。

【コメント】
石川真佑選手

「私自身3セット目から入って、スパイクが決まらないコースが多かったので、自分がコートに入った時に何ができるかを考えて、ディフェンスを特に意識してこの試合に臨んだ。今日は負けてしまったが、しっかりファイナルラウンドに向けて気持ちを切り替えてチーム全員でいい準備をして向かいたい」

井上愛里沙選手

「負けたセットは接戦で僅差だったが、やはり勝負所のハイボールの被ブロックが多かったので、そこをどう決めていくのかを個人、チームとしてどうやって点数をとっていくのかをもう一度確認しながら次のファイナルラウンドに向けて準備していきたい。私たちの目標はベスト4なので、去年の世界選手権やネーションズリーグも最後ベスト4に残れなかった。チーム力を作ってさらにいいパフォーマンスができるようにしっか準備していきたい」

宮部藍梨選手

「1、2セット目を落として3セット目を取って、4セット目取れなかったというゲームだったが、決して1、2セット目が悪いとは捉えていない。詰められるところはあると思うが、点差も詰まっていて、ギリギリのところでの勝負だったと思うので、自分たちの中での少しの技術などを詰められればチームとしてよりよくなっていくという実感はあった。予選ラウンドを通過して、苦しい試合もたくさんあった。ファイナルラウンドはよりいい選手やチームと当たっていくと思うが、厳しい中でも自分たちのよさやチーム一丸となって戦うことを忘れずに、全員で相手に向かっていきたい」

7月1日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(7勝4敗)
3 25 25 25    
タイ
(2勝9敗)
0 18 22 20    
チーム 日本
(7勝4敗)
タイ
(2勝9敗)
セットカウント 3 0
第1セット 25 18
第2セット 25 22
第3セット 25 20
第4セット    
第5セット    
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

ファイナルラウンド進出に向けて負けられない一戦。完全アウェー状況の中で日本のバレーが展開できるか。序盤、林琴奈選手がスパイクを決め、長いラリーから山田二千華選手が得点し3-2。石川真佑選手のナイスディグから古賀紗理那選手が決めていき5-3とリードする。関菜々巳選手は山田選手を多用し、山田選手はその期待に応えていく。互いに粘りのバレーを展開する中で石川選手がバックアタックを決め、日本が試合を優位に進める。古賀選手も強打と軟打を織り交ぜ得点していく。関選手のサーブで連続得点すると、西村弥菜美選手のディグから荒木彩花選手の得点を生み、荒木選手はサーブで連続得点を奪い15-7とする。中盤も古賀選手、石川選手がスパイクを決め優位な展開で試合が進む。粘るタイも19-15と食らいついてくるが古賀選手、荒木選手のブロックで23-15。最後は粘るタイを振り切り25-18で第1セットを奪った。

【第2セット】

サーブで崩し、ラリーを多く制した第1セット。このセットも古賀選手のサーブで崩し、林選手が切れのあるスパイクで3-1とリードする。5-5の同点とされてからは1点差の攻防が続く。古賀選手のバックアタック、山田選手のブロックで8-7。一時は8-9と逆転されるも山田選手のブロード攻撃で同点とし、西村選手が必死に上げたボールを林選手が決め11-10と再度逆転に成功する。13-13の同点となった場面で荒木選手にアクシデントが発生し、入澤まい選手がコートに起用される。その入澤選手はサービスエースを奪っていく。ジワジワと迫ってくるタイに16-16と追いつかれてしまう。林選手が踏ん張り17-16。古賀選手と山田選手の2枚ブロックで19-17とした日本はラリーも制して20-17と3点のリードを奪う。終盤も石川選手のブロックでセットポイントを奪う。22-24と迫られた場面で日本はタイムアウトを要求し一呼吸を置く。ラリーが続く中、最後は石川選手が決め切って25-22と2セットを連取する。

【第3セット】

林選手のスパイクで先制した日本は関選手のサービスエースでリードを奪うも序盤はシーソーゲームが続く。古賀選手、林選手と続き10-8とリードした場面でタイがタイムアウト。その後は一進一退の攻防が続いていく。ここから一歩抜け出したのは日本。山田選手のブロックポイントで15-12とする。日本は西村選手、古賀選手を中心とした守りで主導権を渡さず中盤を迎える。しかし、タイも堅い守りから粘りをみせ19-18と1点差まで詰め寄ってくる。石川選手が豪快なスパイクを決めていく。それでも得点差は1~2点のままで終盤に突入していく。長いラリーを古賀選手のスパイクで制し、23-20と日本が勝利に近づいていく。古賀選手は難しい態勢からのスパイクでマッチポイントを奪い、最後はその古賀選手がブロックで締め、25-20で第3セットを奪いストレート勝ちを収めた。この試合で日本は最終戦を待たずにファイナルラウンド進出を決めた。

【コメント】
関菜々巳選手

「昨日負けてからチームでミーティングをした。今日の一戦に向けてチーム一丸となって戦うということを意識して入り、コミュニケーションを多く取れていてよかったと思う。コンビ精度が大事な場面でトスが合わなくて打ちきれないということがあったので、コンビの修正をしなくてはならない。しかし、タイに対して切りこみなどの攻撃を積極的に使えたのはよかった。ファイナルラウンドの進出は決まったが、次の一戦も勝ってファイナルラウンドへ勢いをつけていけるように、やるべきことを明確にして取り組んでいきたい」

西村弥菜美選手

「昨日悔しい敗戦をした。今日3-0で勝てたということは昨日の悔しさなどを皆でいい方向に持っていくことができたと思う。少しサーブレシーブで乱れ、攻撃ができなかったところが反省としてあるが、ディグの対応など前衛の人とのコミュニケーションをとれていたところはよかった。イタリアは強いチームだが、それ以上に自分たちのやるべきことや、日本の良さである粘り強さを最大限に発揮できるように準備をして頑張りたい」

入澤まい選手

「自分のブロックでの失点が出てしまった。この大会を通しての課題でもあり、今日の反省でもあるので修正してやっていきたい。タイ大会を気持ちよく終わりたいので、皆で力を合わせて自分の武器を出して勝って終わりたい」

6月30日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(6勝4敗)
1 22 17 25 20  
オランダ
(5勝6敗)
3 25 25 21 25  
チーム 日本
(6勝4敗)
オランダ
(5勝6敗)
セットカウント 1 3
第1セット 22 25
第2セット 17 25
第3セット 25 21
第4セット 20 25
第5セット    
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

ファイナルラウンド進出に向けこの試合も勝利したい日本は、序盤からレシーブが乱れリズムを掴めず、オランダの高いブロックにも阻まれ1-5。すかさずタイムアウトを要求し立て直しを図っていく。石川真佑選手のスパイクや、山田二千華選手の速攻も決まり6-7と反撃態勢へ。一進一退の攻防が続く中、石川選手のサーブで相手を崩し8-9。そして、荒木彩花選手の速攻が決まり12-11と逆転に成功する。しかし、その後オランダに逆転を許してからは17-20と徐々にリードを奪われていく。粘りをみせる日本だったがオランダに押し切られ、22-25で第1セットを奪われる。

【第2セット】

セッターを関菜々巳選手へ替えて臨んだこのセットだったが、序盤からリズムが掴めず0-3。その後も1-6とリードを広げられる。ここで林琴奈選手に替えて和田由紀子選手を起用し、流れを変えていきたい日本。その和田選手は期待に応えスパイクを決め3-7。石川選手がレフトからストレートへの攻撃を決め、流れを引き寄せていきたいところだが、単発で終わってしまう。得点は4-10と苦しい展開は変わらずにゲームは進んでいく。古賀紗理那選手や和田選手が奮闘するも得点差がなかなか縮まらない。むしろ開く一方で6-13。古賀選手は絶妙なフェイントを落とし7-13。ここで入澤まい選手を起用し、相手攻撃を防ぐ作戦へ出た日本は、古賀選手の素晴らしいディグから石川選手が決めていく。中盤の得点は9-15と6点差。必死にボールをつなぎ和田選手が決め10-15と2桁得点へ乗せていく。しかし、オランダもブロックディフェンスが機能し、得点を重ねていく。日本はリベロも西村弥菜美選手へ替えて流れを引き寄せようとするが点差は12-18と縮まらない。和田選手がライトからのバックアタックを決め14-19と5点差とする。山田選手のサービスエースで15-19と4点差。古賀選手も見事なスパイクやブロックを決め17-20と3点差まで追い上げる日本。フェイントで相手陣営を崩そうとするも、手足の長いオランダの選手に拾われ相手のリズムとなってしまい、日本にとっては厳しい展開が続く。最後は連続失点を喫し、17-25と2セットを連取される。

【第3セット】

大幅にメンバーを入れ替えて臨んだ日本。井上愛里沙選手、入澤選手、和田選手らをコートへ投入しリズムを変えようとする。西村選手のサーブレシーブから山田選手の速攻が決まり3-2とリードする。その山田選手はブロックも決め5-2とリードを奪う。決していい流れとは言えないが8-5と日本がリードをキープしている。その後8-8と同点に追いつかれた日本は林選手が踏ん張り9-8とリードを奪う。10-10の場面では古賀選手を再度コートに戻す。林選手はサービスエースを奪い13-11。同点に追いつかれはしたが、松井珠己選手の好レシーブから古賀選手が決めていく。中盤長いラリーが続く中、和田選手が身を挺して強烈なスパイクを拾い、古賀選手が決めて17-14とする。しかし、オランダも必死の粘りで日本に襲い掛かり17-17と同点に。サーブレシーブからの攻撃でリズムを掴んでいきたい日本であったが、オランダのサーブに苦しめられる。林選手は相手ブロックを弾き飛ばし19-18とし、和田選手もスパイクを決め20-18。相手ミスもあり21-18と3点差をつける。石川選手がリリーフサーブで起用され、1点をもぎ取り23-19。23-21と2点差まで詰め寄られたが、和田選手が決め切り24-21とセットポイントを奪う。最後は山田選手が粘りあるブロックポイントを決め25-21でセットを奪い返した。

【第4セット】

先行し逃げ切りを図りたい日本は入澤選手をスタートから起用する。林選手のスパイク、古賀選手のサービスエースで3-1とまずまずの立ち上りをみせる。5-6と逆転を許したところで松井選手が見事なトスワークをみせ、林選手が素晴らしスパイクを決め6-6。連続失点を喫してしまい6-8とされた日本だが和田選手、古賀選手が奮闘し我慢のバレーが続く。サーブで崩し入澤選手が速攻を決め10-9と逆転に成功。1点を争う緊迫したゲーム展開の中、先に抜けたのはオランダ。13-15とリードを奪われタイムアウトを要求した日本は、和田選手が踏ん張り連続失点を防ぐ。得点は15-17となり宮部藍梨選手をコートへと送り込む。それでも流れは変わらず15-20と終盤にきて5点差をつけられた日本。マッチポイントを奪われたが3連続得点で20-24と粘りをみせる。しかし、最後はオランダのスパイクが日本のコートに落ち20-25でセットを奪われ、セットカウント1-3で黒星を喫した。

【コメント】
山田二千華選手

「序盤から相手にリードされる展開が多く、そこから自分たちで立て直せなかった分、後半も苦しい時間が長かった。スタートのところを反省点として次につなげていきたい。今日の結果はしっかり切り替えて、次の試合は自分たちの力で勝っていけるように準備していきたい」

和田由紀子選手

「スタートで(相手に)走られたセットは中盤で粘って巻き返すのは苦しいと思うので、スタートから自分たちが走れるように次の試合では頑張っていきたい。(明日のタイ戦は相手ホームで)声援も大きい中で自然と勢いづいてくると思うので、自分たちはサーブでしっかり攻めて、キープするところと攻めるところを使い分けて流れを持ってくるようにしたい」

林琴奈選手

「今日はスタートの入りがよくなかったところと、ディフェンスについてはサーブレシーブもディグも安定せず、自分たちのやりたいバレーができずに終わってしまった。次の試合はタイで、早いバレーが特徴なので、自分たちの準備を早くして、今日できなかった粘り強いバレーができるように頑張っていきたい」

6月28日 日本×トルコ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(6勝3敗)
3 25 25 21 16 15
トルコ
(6勝3敗)
2 23 23 25 25 9
チーム 日本
(6勝3敗)
トルコ
(6勝3敗)
セットカウント 3 2
第1セット 25 23
第2セット 25 23
第3セット 21 25
第4セット 16 25
第5セット 15 9
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

スタメンを大きく変えて臨んだ日本はサーブレシーブの1本目をセッター松井珠己選手が古賀紗理那選手へ託し先取点を上げる。宮部藍梨選手もBクイックを決め得点を上げていく。相手の高いブロックに苦しむも古賀選手、福留慧美選手のディグから粘りをみせ、5-5と序盤は一進一退の攻防が続く。長岡望悠選手はライトからバックアタックを決めていく。粘り強いレシーブをみせていく中、石川真佑選手もレフトから強打を決め、得点は僅差の10-11。ミドルブロッカーの山田二千華選手はブロード攻撃を決め、石川選手のサービスエースで12-12と同点に追いつく。さらに石川選手がサーブで崩し、山田選手がダイレクトスパイク。その山田選手がブロックを決め4連続得点で14-12と流れを引き寄せる。そして、古賀選手のブロックアウトで15-12とリードを広げる日本。しかし、トルコも反撃を開始し、得点は15-15の同点とされてしまう。日本も古賀選手が決め、16-15と逆転は許さない。必死につないだボールを松井選手は長岡選手へ託し、その長岡選手は強烈なスパイクを放ち見事に決め切り得点を19-16とする。1点差に迫られるも長岡選手がブロックし21-19。石川選手が相手エースを仕留め23-20。山田選手はタイミングが合わない中でも相手コートへ落とし、24-21とセットポイントを握る。2連続失点で24-23となったところでタイムアウトを取った日本。トルコにレシーブを乱されたが松井選手がアンダーでレフト古賀選手へいいトスを上げ、古賀選手が見事に決めて25-23。第1セットを先取した。

【第2セット】

2点を先制されたところで宮部選手が決めていく。福留選手が素晴らしいディグをみせ、石川選手が決め3-5。そして、長岡選手がサービスエースを奪い4-5。第1セット同様に序盤は接戦でゲームが進んでいく。日本はコートのメンバー全員が粘りのあるディグをみせ相手に主導権を握らせない。宮部選手はブロックで活躍し、リベロの福留選手は必死にボールを拾い日本の得点へとつなげていく。松井選手は幅広い攻撃パターンでトルコの高いブロックに的を絞らせないトスワークをみせる。難しいトスも石川選手がうまく押し込み13-11とした日本。13-14と逆転を許した日本であったが山田選手が強烈なスパイクを叩き込み14-14と同点に追いつく。サーブレシーブを崩されるも長岡選手がバックアタックを決め、流れを渡さない。山田選手の必死のディグから古賀選手が瞬時の判断で相手コートに押し込み得点。中盤18-16とリードする日本は石川選手のナイスディグでチャンスを掴み、長岡選手が高いブロックを利用して得点を奪い19-16とする。トルコもメンバーチェンジで応戦を図ってくる。21-18と3点をリードした日本だが、追い上げを図るトルコの反撃で21-20とされタイムアウトを要求する。ここで長岡選手が松井選手の期待に応え見事なスパイクを放ち22-20。1点をサーブミスで失い22-21となるが石川選手が決め23-21。互いに素晴らしい粘りを見せる中でトルコが得点を奪い23-23。ここでレフェリーチャレンジとなり24-23のセットポイントを握った日本。最後は長岡選手が相手の強烈なスパイクを拾い、古賀選手が難しい体勢ながらも相手ブロックをかいくぐって押し込み、25-23と接戦を制した日本が2セット目も連取した。

【第3セット】

トルコはセッターを変えてリズムを掴もうとしてくる。序盤はトルコが2-5とリードを奪っていく。石川選手が決めるも得点は2-7とトルコのペースで序盤は進み、日本は早くもタイムアウトを要求し立て直しを図っていく。相手ミスもあり徐々に迫っていく日本。長岡選手がバックアタックを決め8-10と2点差とする。宮部選手はBパスから速攻を決め、さらにダイレクトスパイクも決めていく。しかし、トルコのブロックが襲い掛かってくる。ここで4点差となってしまうが石川選手が踏ん張りをみせ13-14と1点差まで迫る。再度4点差となり14-18で日本がタイムアウトを要求。古賀選手が流れを切るスパイクで15-18。粘りをみせる日本は得点を重ね20-21まで迫っていく。しかし、トルコのブロックが機能し21-24とセットポイント握る。日本は粘るも最後はトルコに押し切られ21-25とセットを奪われる。

【第4セット】

序盤は0-3とトルコにリードを奪われる。長岡選手は絶妙なフェイントを相手コートに落とし1-3。だが、なかなかリズムが掴めずに3-7と主導権はトルコへ。ここで流れを変えようと井上愛里沙選手をコートへ送り込む。さらに林琴奈選手、入澤まい選手と続いて投入すると、6-11と5点差の場面で関菜々巳選手をコートへ送り込む。しかし、流れがトルコへ傾いたまま6-13。林選手がうまく相手コートへ押し込むなど、3連続得点を奪い9-13と反撃態勢を作る日本であったが、9-16と7点の差が開く厳しい試合展開となる。古賀選手や林選手が奮闘するも連続得点を奪えず得点は13-19。古賀選手が決めるも15-22と苦しい展開が続き、このセットを16-25で奪われフルセットへ突入する。

【第5セット】

序盤を優位に進めたい日本は4セット目までのスタメンから荒木彩花選手を起用。トルコのチャンスを古賀選手がブロック、相手ミスも重なり3-1と日本がまずまずのスタートを切ったところでトルコがタイムアウトを要求。ここから古賀選手が連続サービスエースを奪い5-1。石川選手もブロックで得点し、林選手のスパイクで7-2とリードを奪うと、山田選手もブロックに成功して8-2。このセットから起用された荒木選手はディグでも活躍をみせ、9-2と大きくリードを奪う。相手ミスで11-4としたところで古賀選手のスパイクも決まり12-5。しかし、トルコが勢いよく襲い掛かり12-8。苦しい中でも古賀選手が決め13-8とする。14点目のマッチポイントを握った日本は石川選手のエンドラインぎりぎりのスパイクが決まり、15-9で第5セットを奪いフルセットの激闘を制した。

【コメント】
長岡望悠選手

「1、2セット目を難しい中でも取り切り、そのまま3セット目も取りたかったが向こうの流れに持っていかれた。5セット目は後から出た選手が踏ん張って勝つことができたので、チームで取った1勝だったと思う。(個人としては)スパイクに関して被ブロックになる機会が多かったと思うので、高いブロックに対する決め方の切り替えが必要だと思った。明日1日空くので、リカバリーといい準備をしていきたい。試合の入りが大事だと思うので、そこを皆でいい入りに持っていきたいと思う」

松井珠己選手

「自分自身久しぶりのスタートからの出場だったので、(フルセットで勝つことができて)ほっとしている。誰が入っても同じ組立てができると思っている。今日だったらスタートに長岡選手が入っていたので、そこに多くボールを集めるための工夫をしていた。最後は林選手が入っていたので、逆サイドをうまく使うということは考えながらやっていた。組立ては少しずつ迷いもなくできるようになっているが、精度やコンビが合わない部分もある。次の試合はそこを修正して、ミスをしても次に切り替えてすぐに立て直せるようにやっていきたい」

福留慧美選手

「勝てたことはすごくよかったと思うが、フルセットにならなくても勝てた試合だと思うので、1、2セット目を取った後の3セット目の出だしを自分たちで見つめ直して次の試合に臨んでいきたい。今年初めての試合だったので、序盤は緊張もあったが、まずはディグを絶対に上げるという気持ちでいた。落としてしまう部分もあったので、そこは修正してセッターがいいリズムで上げられるように1本目のディグを意識していきたい」

6月17日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム名 セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(5勝3敗)
3 23 25 25 23 15
アメリカ
(6勝1敗)
2 25 23 19 25 6
チーム名 日本
(5勝3敗)
アメリカ
(6勝1敗)
セットカウント 3 2
第1セット 23 25
第2セット 25 23
第3セット 25 19
第4セット 23 25
第5セット 15 6
【第1セットのスタメン】
【戦評】

予選ラウンド第2週ブラジル大会の最終戦、ここまで全勝(6勝)のアメリカとの一戦。高さとパワーで世界に君臨するチームをどう攻略していくか。サーブで崩し先手必勝といきたいところだ。

【第1セット】

日本はスターティングのメンバーを大幅に入替れて臨む。初スタメンの和田由紀子選手は苦し紛れではあったもののライトから押し込み得点をあげ2-2。しかし、相手サーブに崩され2-5とアメリカに先手を取られる形となる。山田二千華選手のブロード攻撃が決まり5-7とするも、アメリカの攻撃をなかなか封じ込めない。徐々にディグも上がりはじめ、石川真佑選手が技ありスパイクを決め8-9とすると、その石川選手のフェイントも決まり9-11とした日本は反撃ムードへ。和田選手も躍動し得点をあげると、柴田真果選手はツーアタックを決めていく。ついに14-14と同点とした日本は山田選手がサーブで崩し、古賀紗理那選手が決め15-14と逆転に成功する。何度も高いブロックにはじき返されながらも粘る日本だったが、サーブで崩され18-20となりタイムアウト。柴田選手は古賀選手のバックアタックを選択し見事に決め切り、19-20と食らいついていく。相手ミスと粘りのバレーで21-20と再度逆転に成功した日本であったが、痛恨のミスで21-22と逆転を許すも、石川選手が踏ん張り22-22とする。しかし、高いブロックに阻まれ22-24とセットポイント握られ、粘りながらもこのセットを23-25で奪われる。

【第2セット】

和田選手が先制点をあげ、荒木彩花選手がブロックを押し込み2-0とリードする。さらに和田選手は豪快なスパイクを決め3-0。アメリカも高さで襲い掛かってくる。あっという間に5-5と同点とされるも山田選手のブロード攻撃が決まり6-5。石川選手がサーブで崩し、古賀選手が決め7-5。一時は逆転されるも、荒木選手が決め9-9と踏ん張りをみせる日本。石川選手はブロックでも活躍し11-10とリードを奪う。チャンスはあるがアメリカもそう簡単には得点を許してくれない。中盤15-15の同点からどちらが先に抜け出せるか。互いに1点ずつを取り合う展開が続く。17-17から和田選手がスパイク、ブロックと連続得点をあげ19-17となりアメリカがタイムアウト。同点に追いつかれるも和田選手、石川選手が踏ん張り20-19。リリーフサーバーの入澤まい選手がサーブで崩し、和田選手がブロックで得点し21-19。さらに石川選手が相手ブロックを弾き飛ばし23-20。ブロッカーでコートに入った渡邊彩選手と山田選手の2枚ブロックで24-20とセットポイントを握った日本。24-23と追い込まれながらも西村弥菜美選手の完璧なサーブレシーブを柴田選手が山田選手に託し、その山田選手が見事に決め25-23で逃げ切った。

【第3セット】

このセットの出だしも守りでリズムを掴み先行した日本は4-2とリードする。和田選手が決めチームも一段と盛り上がりをみせていく。会場のファンも日本に対して応援のボルテージを上げる。石川選手はその声援を背にサービスエースを奪い8-5とする。古賀選手、荒木選手も奮起し11-7とリードを奪う。さらに西村選手を中心とした堅い守りから石川選手が決め、13-8とリード広げていく。山田選手は見事なブロックを決め15-10。しかし、アメリカのブロックが牙を剝き15-12とされる。相手のサーブミスに助けられると、絶好調の和田選手がサービスエースを奪い17-12。その和田選手はバックアタックも決め2-14と大車輪の活躍をみせると、古賀選手も絶妙なフェイントを決め21-15とする。何度もつなぎ最後は和田選手に託し、24-19とセットポイントを握った日本は、石川選手のブロックで締め25-19で2セットを奪う。

【第4セット】

和田選手のスパイク得点で幸先よく先制した日本は序盤4-2とリードする。さらに和田選手は強烈なスパイクを叩き込む。浮足立つ相手のミスもあり6-2となった場面で早くもアメリカはタイムアウトを要求。石川選手がサービスエースを奪い8-4と流れを日本へと持ってくる。しかし、アメリカも黙ってはいない。追い上げを図り1点差まで迫ってくる。石川選手が強烈なスパイクを決め13-11と我慢する。その後、15-16と逆転を許してしまうが食らいついていく日本。古賀選手がうまく押し込み18-18としたが、その後は19-21と先を越されてしまいタイムアウト。石川選手が決め20-21としたがアメリカに連続得点を許し21-24。古賀選手が決め22-24とすると相手ミスで23-24。チャンスはあったものの23-25でこのセットを奪われ、連日のフルセットへ突入。

【第5セット】

ラリーを制した日本は1点目を奪う。そして、全員で拾ったボールを和田選手が決め2-0。柴田選手がサービスエースを奪い3-0。そして相手ミスで4-0と完全に日本のペースでゲームは進んでいく。和田選手の勢いは止まらず5-0と大きくリードする。そして、ブロックディフェンスが機能し古賀選手が決め6-0。古賀選手はここに来てエースの活躍をみせ7-1とする。相手のミスも絡み9-1。日本はさらに勢いを増し、荒木選手が速攻を決め10-2。リーリーフサーバーの入澤選手がサービスエースで11-2とした日本はまたしてもアメリカのミスに助けられ12-2。大きく勝利へと近づいていく。14点目も和田選手が奪い14-5とマッチポイント。最後は和田選手のスパイクで15点目を奪った日本がフルセットの末に勝利を収め、ブラジル大会を終了した。

【コメント】
和田由紀子選手

「ブラジルに来て2試合負けていたので、今日の試合はもう一度全員で常に攻める気持ちで勝ちに行こうと言っていた。5セット通して常に皆が守りに入ることなく、攻めることができていたのがよかった。(スタメンでの起用については)怖がらずに思いっきりいこうと思っていた。自分たちがどういうときに勝てるのかがブラジル大会でわかったので、全員で一つになってタイ大会を戦いきり、決勝ラウンドに進めるように頑張りたい」

古賀紗理那選手

「今週は3試合フルセットで苦しい展開もあったが、終始サーブで攻められたのが今日の勝因だと思う。今週(ブラジル大会)は2勝2敗で終わり、勝敗的には苦しい状況なので、次のタイ大会では勝ち切ってファイナルラウンドに行けるようにチーム全員で戦っていきたい」

柴田真果選手

「皆に助けてもらいながら、手を取り合うことで勝てた試合だと思う。和田由紀子選手を中心に攻撃を組み立てた中で、もう少しミドルやレフトで得点を増やしていかないと、強いチームと戦うことになったときに厳しいと試合後に反省した。(タイ大会に向けて)誰が出てもその人の個性やいいところを出せるようなセッティングを心掛け、最後勝ち切るという気持ちを全面に出して戦っていきたい」

6月16日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(4勝3敗)
2 23 25 22 25 8
ドイツ
(5勝1敗)
3 25 14 25 20 15
チーム 日本
(4勝3敗)
ドイツ
(5勝1敗)
セットカウント 2 3
第1セット 23 25
第2セット 25 14
第3セット 22 25
第4セット 25 20
第5セット 8 15
【第1セットのスタメン】
【戦評】

ここまで4勝1敗と好調なドイツとの戦いは高さのあるチームに対してどう攻撃を仕掛けていくか、前後左右の多彩な攻撃で的を絞らせないことがポイントとなる。また、守りではサーブで相手を崩し、思うような攻撃をさせずに日本のペースで試合を進めることができるかが勝敗を左右することになる。

【第1セット】

およそ2分間は続いたであろう長いラリーを制した日本は1点目を先制する。ドイツは高さを生かした攻撃、日本は西村弥菜美選手を中心とした守りからリズムを作り、井上愛里沙選手らが得点を重ねていく。序盤は探り合いの中で試合が進み1点ずつを両チームが積み重ねていき6-6。関菜々巳選手がサーブで崩し、古賀紗理那選手がダイレクトスパイクを決め7-6とする。両者譲らず9-9と緊迫した試合が続く。想像以上に守りのいいドイツはその守りからリズムを掴み、12-15とリードを奪っていく。日本は井上選手のバックアタックで切り抜け13-15とし、関選手のサーブで4連続得点を奪い17-15と逆転に成功。粘るドイツも17-17と追いついてくる。荒木彩花選手の速攻で18-17としたが連続失点で18-19と逆転を許すと、悪い連鎖が続き18-21と離されてしまう。入澤まい選手がブロッカー、和田由紀子選手がリリーフサーブで入るも得点には至らず20-23と劣勢は続く。山田二千華選手のブロックで21-23とした日本は古賀選手のスパイクで22-23と粘りとみせたが、最後はドイツに押し切られ23-25で第1セットを奪われる。

【第2セット】

互いの持ち味を生かした第1セットであったが、日本は勝機を見出すためサーブで攻めていきたい。その日本は関選手の連続サービスエースで3-0とリードを奪う。ここで早くもドイツはタイムアウトを要求する。5-2とリードした日本であったが、徐々に点差を詰められ7-7と同点に追いつかれてしまう。ここから一進一退の攻防が続く中、ブロックミスで9-11とされた日本はタイムアウトと取り一呼吸置く。ここで古賀選手が目の覚めるようなスパイクで10-11とし反撃体制を整える。その古賀選手の活躍もあり15-12としたところでドイツが再びタイムアウトを要求。後半に1回しかタイムアウトを要求できないルールだけにベンチの駆け引きも見物である。一気にギアを上げた日本は古賀選手、井上選手がスパイク、サーブで大活躍をみせ22-12と大きくリードを広げる。23-13からリリーフサーブで起用された石川真佑選手はサービスエースを奪い24-13。最後は井上選手が決め25-14でセットを奪い返した。

【第3セット】

動きがよくなってきた日本は幸先よく2-0とリードを奪う。関選手は安定感を増していき、西村選手のサーブレシーブから林琴奈選手、山田選手へと配球し、その期待に応えるスパイカー。ドイツのブロック陣も的を絞れずにいる。得点は7-5と日本のリードで進み、1~2点を争う展開が中盤以降続いていく。山田選手が相手のエースとミドル攻撃を連続ブロックで仕留め12-10とする。しかし、ドイツも1枚ブロックで日本の攻撃を封じ12-12、さらに高さのある攻撃で日本に襲い掛かり13-16。このタイミングでタイムアウトを要求した日本。13-17の場面で柴田真果選手と和田選手の2枚替えを行い、リズムを変えようと試みる。和田選手も踏ん張るが15-18と劣勢な展開は変わらず続く。その中でも荒木選手が素晴らしい速攻を決めチームを盛り上げていく。18-20と2点差まで詰め寄ったがミスも重なり22-25で奪われ、セットカウント1-2となる。

【第4セット】

後がない第4セット、序盤から勢いを出していきたい日本だったが0-2と先制点を奪われる嫌な展開となる。井上選手が渾身のスパイクを叩き込むと、山田選手も続き3-4と反撃ムードが高まってくる。一時は同点に追いつくも4-7とリードされた場面でタイムアウトを要求。このままでは終われない日本は井上選手らが奮起し7-8まで追い上げていく。粘る日本はここで荒木選手のブロックでついに9-9の同点に追いつき、試合を振り出しに戻す。林選手が必死に飛び込み拾い、関選手も踏ん張ってトスを上げ、古賀選手が決め10-9とついには逆転に成功する。その勢いのまま15-11とリードした日本は大事な終盤を迎えていく。17-14と3点リードをしているものの全く気の抜けない展開が続き18-16。緊張感溢れる中、林選手がバックスパイクを決め20-16と一歩抜け出した日本。古賀選手、林選手らが着実に1点を取り続け、最後は山田選手が決めて25-20でセットを奪い返し、試合はフルセットへともつれ込む。

【第5セット】

勝負の行方はどうなるか、日本のサーブからスタート。荒木選手がクイックをみせ2-2。2-5でタイムアウトを要求した日本は古賀選手のバックスパイクで3-6と反撃体制に入るも、ドイツのエースの強烈なスパイクが日本へ襲いかかってくる。3-8の場面で井上選手から石川選手へメンバーチェンジ。古賀選手の奮闘や石川選手のサービスエース、さらには粘りのディグで7-9と点差を縮めていく日本。しかし、高いブロックと攻めのサーブであっという間に8-14とマッチポイントを奪われ、最後は日本のミスで8-15。フルセットの末に敗れた日本は通算戦績を4勝3敗とした。

【コメント】
古賀紗理那選手

「今日の試合もオフェンスで私たちの速いコンビをやっていこうという話をしていたが、コンビミスなどが続いたことが今日の敗因だと思う。オフェンスの精度を高くすることが今の日本チームとしては大切なので、対戦相手というよりは私たちのチームの一つ一つの精度を高くして試合に臨みたい」

西村弥菜美選手

「今日は相手のサーブに苦しめられた。高さのある相手だったので、ディフェンスなど自分たちの持ち味である守備のところで崩れた部分が多くあった。途中サーブで攻め、いいブレイクをして点数が追いつく場面もあったが、勝負所でディフェンスの甘さが出てしまった。明日(のアメリカ)はもっとハードサーブで、攻撃に関しても今日よりスピードやパワーが上がってくる。今日は皆悔しい思いをしたと思うので、その悔しさを明日はディフェンスの粘りやオフェンスの力強さに表していきたい」

山田二千華選手

「自分たちで試合の中で鍵になると思ったのはサーブ。サーブが走っているセットは自分たちのいい流れで、いいムードで試合展開ができていたが、サーブでうまく攻められなかったときは苦しい時間が続いていたので、明日はサーブでしっかり攻めていきたい。オフェンス面では、バックアタックが通るシーンもあったが、まだ単体の攻撃が多かったことが反省点なので、ミドルに掛けてからのサイドの攻撃など、もっと連動的なオフェンスができるようにしたい」

6月15日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(4勝2敗)
3 25 25 25    
韓国
(0勝6敗)
0 18 13 19    
チーム 日本
(4勝2敗)
韓国
(0勝6敗)
セットカウント 3 0
第1セット 25 18
第2セット 25 13
第3セット 25 19
第4セット    
第5セット    
【第1セットのスタメン】
【戦評】

セルビアにフルセットの末に敗れ3勝2敗となった日本は韓国と対戦。連敗を阻止すべく気持ちを切り替えこの1戦へ集中し勝利を掴み取りたい。本日は在ブラジル日本国大使館の林禎二大使が観戦に訪れ、声援を送ってくれているだけに何としても勝ちたい一戦でもある。

【第1セット】

石川真佑選手、山田二千華選手、目黒優佳選手がスタメンで起用され、序盤から勢いを出す日本は荒木彩花選手のブロックや山田選手の速攻が決まり6-4とリードを奪う。その後も関菜々巳選手がスパイカー陣を操り、井上愛里沙選手、石川選手、林琴奈選手らの良さを引き出していく。目黒選手はノーマークとなった相手のバックスパイクを見事なディグで林選手の攻撃とつなげ得点へと導く。中盤16-10とリードを奪った日本は攻撃の手を緩めず、石川選手の強烈なバックアタック、山田選手のブロード攻撃で19-13とリードする。途中出場の渡邊彩選手はいいサーブで相手を崩し、同じく途中出場の和田由紀子選手は強烈なスパイクとサーブをみせる。最後は井上選手が技ありスパイクを決め、第1セットを25-18で奪う。

【第2セット】

2セット目に入っても山田選手のブロックなどで得点し日本ペースで試合が進む。林選手はライトから強烈なスパイクを相手コートに叩き込み、山田選手はまたもブロックを決め5-2とリードする。井上選手はレフトから相手ブロックがつくも、その内側を打ち抜き得点する。守っては井上選手、山田選手とつなぎ、石川選手は瞬時の判断でスパイク態勢に入り、見事なスパイクで9-3とリードする。井上選手はサーブでも相手を崩し連続得点を演出する。また、リベロの目黒選手も元気ハツラツのプレーでサーブレシーブだけでなく、攻撃に結びつくディグで得点へとつなげていく。中盤、15-8の場面では渡邊選手と田中瑞稀選手が起用され、その田中選手はサーブレシーブをきっちりとセッターへと返す。渡邊選手はブロック得点を奪い18-9。そして、田中選手のスパイク得点で19-10とした日本は石川選手がスパイクで次々と得点を奪っていく。22-12の場面では2枚替えで柴田真果選手と和田選手を投入。相手ミスもあり25-13で奪い2セットを連取した。

【第3セット】

このセットが始まる前に雨漏りが発生し、試合が一時中断するアクシデントがあったものの、気持ちを切らすことなく日本は出だしからプレーに集中し、林選手や山田選手のプッシュ攻撃が冴える。しかし、韓国も負けまいと必死に食らいついてくる。序盤は一進一退の攻防が続くも、石川選手や荒木選手らの活躍で8-8と離されることはなく試合が進む。石川選手の連続サービスエースで10-8とした日本は、その後も荒木選手や井上選手のブロックで得点を重ね13-10と優位に試合を進めていく。しかし、韓国も粘りあるレシーブからの攻撃で反撃をしてくる。15-14と1点差に迫られると古賀紗理那選手をコートへ送り込む。その古賀選手は見事にスパイクを決めていき17-15。目黒選手やこのセット終盤から入った西村弥菜美選手の堅い守りで韓国の反撃をしのいだ。途中出場の和田選手はスパイク、サーブと躍動した。このセットを25-19で奪った日本はセットカウント3-0のストレート勝ちを収めた。

【コメント】
関菜々巳選手

「昨日の反省を踏まえてミドルの使用が増えたことがよかったが、まだまだできることはあるので、コンビの精度などを上げていきたい。相手のブロックを見ながらスペースができたときには真ん中のゾーンを使ってリズムを作ることを意識していた。次戦のドイツは高いチームなので、ブロックに対して被ブロックを増やさない組み立てをしたいと思う」

林琴奈選手

「今日は真ん中のエリアを多く使えていて、いい流れで試合ができていた。自身はスパイクのミスや被ブロックが増えてしまったので、明日は修正して少なくできるようにしたい。明日のドイツは攻撃が速くブロックがいいチームなので、高さに負けずに粘り強く戦い、全員で勝ちに行けるように頑張りたい」

荒木彩花選手

「ブロックがすごく大事になる試合だと考えていた中で3本止められたのは自身にとってはプラス。もっと止められる場面はあったので今後もブロックを強化していきたい。色々な攻撃を試したいと話していたが、自分の中で迷いがあり、スパイクの面ではチームに貢献できなかった。セッターが思い切って上げられるようにコールや入り方の工夫ができればよかった。明日のドイツは韓国に比べて高さのあるチームなので、より一層ブロックの形を意識して組織的に動きたい。サイドを生かすために自分が積極的に点数を取っていきたいと思う」

6月13日 日本×セルビア 予選ラウンド
チーム名 セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(3勝2敗)
2 25 20 25 20 10
セルビア
(1勝4敗)
3 16 25 16 25 15
チーム名 日本
(3勝2敗)
セルビア
(1勝4敗)
セットカウント 2 3
第1セット 25 16
第2セット 20 25
第3セット 25 16
第4セット 20 25
第5セット 10 15
【第1セットのスタメン】
【戦評】

名古屋大会を3勝1敗で終え、場所をブラジルへと移し迎えた予選ラウンド第2週。初戦は昨年の世界選手権覇者セルビアとの対戦。セルビアはここまでなかなか調子が上がらずに0勝4敗と苦しんだ戦いを強いられたが、世界でも有数の高さと攻撃力を秘めているチームだけに日本のスピードを生かしたバレーで勝機を見出していきたい。

【第1セット】

古賀紗理那選手と入澤まい選手の2枚ブロックで先制した日本は序盤、高さのあるセルビア相手に井上愛里沙選手らのスパイクで互角のスタートを切る。古賀選手の鋭いバックアタックが決まり5-4とリードし、西村弥菜美選手の素晴らしいディグから古賀選手の絶妙なフェイントで6-4。攻めたサーブが僅かにアウトになり僅差のままゲームが進む。相手のスパイクミスで11-9となったところでセルビアはタイムアウトを要求。ここで古賀選手がサービスエースを奪い12-9と一歩リードする。井上選手はレフトから強烈なスパイクを叩き込み13-10とした。我慢の続いたラリーでは林琴奈選手がライトから高いブロックの隙間をつき14-11とし、荒木彩花選手はブロックでワンタッチを奪い、チャンスボールをブロード攻撃で決め15-11。守りでは関菜々巳選手、西村選手がつなぎ、スパイカー陣が点を重ねていき17-12と中盤を優位に進めていく。関選手は安定したサーブレシーブから荒木選手を多用し、荒木選手も期待に応えていく。対角の入澤選手も高さある相手攻撃をブロックでワンタッチを奪い、得点のきっかけを作り上げていく。終盤、古賀選手のコースを打ち分けるスパイクで22-15。そして、関選手は得意のサーブでもエースを奪い23-15。最後は相手サーブミスでこのセットを25-16で先制した。

【第2セット】

続く第2セットは一転、セルビアの高さのあるスパイクとブロックで1-6と大きくリードされる苦しい展開へ。ここですかさずタイムアウトを要求した日本は、タイムアウト明けに林選手のライトからのスパイク、入澤選手のサービスエースで3-6と反撃体制へ入っていく。しかし、勢いに乗ったセルビアは高さを生かしたプッシュ攻撃を交え、日本の守りを乱してくる。我慢する日本は、西村選手のディグから古賀選手の針の穴を通すようなスパイクで連続得点をあげ、8-9と1点差まで迫る。さらに井上選手がサーブで崩し、古賀選手がダイレクトスパイクでついに9-9と同点に追いつく。さらに古賀選手の連続得点で10-9と逆転に成功する。その後も粘りあるレシーブから林選手がライトから押し込み14-11とリードする。その後、逆転を許した日本であったが、荒木選手のブロックで17-18と1点差まで迫り2枚替えで柴田真果選手と和田由紀子選手をコートへ送り込む。和田選手は柴田選手の期待に応え、ライトから相手ブロックをはじくスパイクを決め19-20。さらに途中交代の山田二千華選手も相手のスパイクを封じるブロックをみせるも、高さを武器に攻めるセルビア相手に連続失点を喫し20-25でこのセットを奪われる。

【第3セット】

山田選手をスタートで起用した日本は、その山田選手がブロックにサーブにと活躍し3-1とリードを奪い、流れは日本に傾いていく。相手のミスも重なり8-3となったところでセルビアはタイムアウトで悪い流れを断ち切ろうとする。ここで荒木選手の見事な1枚ブロックで9-3とした日本は、堅い守りから攻撃の手も緩めず11-4と7点のリードを奪う。ブロックにかかる場面もあり点差が縮まっていったが、山田選手のサービスエースで15-8と再度リードを広げる。中盤は17-9と日本のペースで試合は進み、相手のミスも続き18-9。古賀選手、井上選手のバックスパイクで確実に点を重ね20-11とする。ここで石川真佑選手がリリーフサーバーで起用され、サーブで相手を崩して得点を演出し、21-11と10点差とする。最後まで攻めた日本は山田選手の活躍もありこのセットを25-16で奪い、セットカウント2-1とする。

【第4セット】

両チームともに負けられないこのセットは、序盤から一進一退の攻防が続き5-5。その後も互いの意地と意地がぶつかり合い、両者ともに大きなミスもなくチームや個人の持ち味を十分に発揮し、素晴らしい試合をみせる。ここでブロックを武器に一歩抜け出したのではセルビア。10-13と3点差をつけていく。踏ん張りたい日本は柴田選手と和田選手を再びコートへ起用し、流れを変えようと試みる。しかし、流れはセルビアへ傾いたまま11-17まで点差が開いていく。山田選手のブロックで16-19と反撃体制に。日本は井上選手の渾身のスパイクで17-20。西村選手も身を挺してボールを上げていく。荒木選手は声を上げながらスパイクを決め、チームを奮い立たせていく。しかし、このセットを20-25でセルビアに奪われフルセットへ持ち込まれる。

【第5セット】

勝負のこのセットは井上選手に代わり田中瑞稀選手をスタートから起用。1点目を相手ミスで奪った日本は林選手のスパイクで3-2。田中選手も期待に応え、見事レフトから相手ブロックをはじくスパイクを決めていき、4-3。古賀選手も踏ん張り、相手に先行させない。だが、セルビアはブロックだけでなくレシーブでも素晴らしいプレーをみせ、リズムをつくっていく。日本は5-7と主導権を握られ、さらには5-11と大きくリードを広げられてしまう。古賀選手に代わり石川選手を起用し変化を持たせる。その石川選手が決めるも、7-12とまだ5点差。ここで関選手や西村選手が相手の強烈なスパイクを素晴らしいディグでつなぎ、石川選手が連続得点を奪い9-12とする。粘った日本だったが最後は中盤の得点差が響き10-15でフルセットの末、逆転負けを喫した。

【コメント】
井上愛里沙選手

「今日の試合で取れているセットについてはサーブで攻めて相手にいい状態で打たせなかったところがよかったと思う。終盤になって自分たちでミスを出してしまったので終盤の集中力と、セットを重ねるごとに(ブロックが)二枚いる時の攻撃の選択肢が少なくなっていたので、自分もバックアタックに入って決めるなど改善していきたい。フルセットになっても勝ち切ることが大切になってくるので、もう一回チーム全員で勝ちにこだわってやっていきたい」

山田二千華選手

「どのセットも序盤で自分たちの流れを作ることができず、その結果終盤でも苦しい展開が続いたので、サイドアウトを含め自分たちの流れを作る時間を増やしていけたらよかったと思う。(韓国戦に向けて)まずは自分たちの課題でもあるサーブでしっかり攻めて、オフェンスもバリエーションを増やして、全員が一つになって戦っていけるように頑張りたい」

石川真佑選手

「私自身途中から入ったが、そこでのサーブミスは修正していきたい。点数につなげられたところは継続してこれからもやっていきたい。(次戦に向けてチームとしては)自分たちのバレーをしっかりやっていきたい。自分自身も準備をして、いつ入ってもいいプレーができるようにやっていきたい」

6月4日 日本×中国 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(3勝1敗)
0 18 25 25    
中国
(4勝0敗)
3 25 27 27    
チーム 日本
(3勝1敗)
中国
(4勝0敗)
セットカウント 0 3
第1セット 18 25
第2セット 25 27
第3セット 25 27
第4セット    
第5セット    
【第1セットのスタメン】
【戦評】

名古屋大会も残すところ1戦となり、最終日は3戦全勝同士となる中国との一戦。FIVBランキングも重要になってくることから高さのある中国をどう攻略し勝機を見出していくか。やはりサーブで相手を崩すことが試合を左右するポイントとなってくる。

【第1セット】

序盤は中国の速攻、日本はライトからの攻撃で応戦し、互角のスタートを切る。だが中国のサービスエースでリードを奪われ、リズムに乗れない日本は4-8とリードされたところで1回目のタイムを要求。リズムを作りたい日本は、古賀紗理那選手のバックアタックで食い下がり、6-10と追い上げを図る。その古賀選手は相手のツーアタックを読み切って8-11と反撃の狼煙をあげる。荒木彩花選手もブロード攻撃で続き、関菜々巳選手はサービスエースを奪い、10-12と徐々に点差を詰めていく。井上選手もバックアタックを決め調子を上げていく。しかし、中国も手を緩めることなく攻めてくる。追いつけそうなムードはあるものの中国に遮られてしまう。日本は流れを変えるため、井上選手から田中瑞稀選手へスイッチ。また、松井珠己選と和田由紀子選手を二枚替えでコートへと送り込む。だが、流れは傾くことなく18-25と第1セットを奪われてしまう。

【第2セット】

このセットは田中選手をスタートから起用し、巻き返しを図る日本。林琴奈選手が強烈なスパイクで日本へ流れを引き寄せる。田中選手がサーブで崩したところを入澤まい選手がブロックで仕留め、5-3と序盤はいい形で試合が進んでいく。入澤選手はサーブでも活躍し、相手を崩し得点へと結びつけていき7-4。高いブロックにかかっても何度も拾いつなぎ、日本らしいバレーでリズムを掴み、9-5とリード奪ったところで中国がタイムアウトを要求する。確実に点を取っていく日本は連続失点を許さず、古賀選手がサービスエースを奪い、11-6。ここで西村弥菜美選手のナイスディグから長いラリーを制し、12-7。さらに荒木選手のサービスエース、入澤選手のブロックで14-7とリードを奪っていく。田中選手も高いブロックを利用してのスパイクを連続で決め、16-8と中盤を制していく。連続失点を喫するも古賀選手が悪い流れを絶ち切り、関選手がツーアタックをみせ、19-14。田中選手はスパイクだけでなくブロックで得点し、チームを盛り上げていく。じわじわと攻め寄ってくる中国との点差は22-19とわずか3点となる。ここから相手ブロックとミスが重なり、22-22と同点にされてしまう。林選手が踏ん張り23-22とするも、中国が追いつき23-23。ついには24-25と逆転を許してしまう。最後はサービスを奪われ、25-27でこのセットを落とし、2セットを連取される苦しい展開となる。

【第3セット】

嫌な流れでセットを落とした日本は、和田選手を先発で起用。西村選手のファインプレーから得点を生んだ日本は、勢いに乗ってきたい。序盤は和田選手の強烈なスパイクなどで5-4とリードする。しかし、高さを生かしたサーブに苦しめられ、6-10と主導権を握られてしまう。ここから若い力が躍動し、和田選手のバックアタックでチームに活気を生んでいく。守りでも西村選手のディグから古賀選手へとつなぎ、10-12と追い上げムードを作っていく。古賀選手のサービスエースで12-13とした日本は、我慢を続け16-16と同点に追いつき、ついには17-16と逆転に成功する。和田選手のサーブから相手ミスで19-18とリードを奪うも、相手もすぐに同点に追いついてくる。22-23と先行を許した日本だが、和田選手のスパイクで23-23と追いつき、さらにはブロックワンタッチでチャンスを作ると、和田選手が決め切り24-23とセットポイントを握る。しかし、中国の粘りを前に最後の1点が奪えず、25-27とこのセットも落とし、ストレート負けと悔しい結果となった。

【コメント】
井上愛里沙選手

「今日は出だしでつまずいてしまった。私自身もサーブレシーブが崩されてしまい、スパイクも決まらず、流れが相手にいってしまった。そこは改善する部分である。チームとしては後から出たメンバーが活躍していた。負けはしたが、高さのある相手に対しての決め方というのは私自身も学ぶところがあった。今日の反省を踏まえて、チームとしても個人としても改善しなければならない部分がたくさん見えたので、そこをクリアにしながらいい準備をして、ブラジルラウンドでいいスタートを切れるようにまた全員で頑張っていきたい」

松井珠己選手

「2セット目の大事な場面で起用されたが、最後に勝ち切ることができなかったのが悔しい。サーブから入ったが、そのサーブで崩せなかった。競った場面でも攻めるサーブをするには普段から練習していかなければいけない。また、ライトのトスの精度を高めていきたい。身体と頭の準備をしっかりして、どのような場面で出ても活躍できるように頑張っていきたい」

6月3日 日本×ブルガリア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(3勝0敗)
3 25 25 25    
ブルガリア
(1勝2敗)
0 20 17 19    
チーム 日本
(3勝0敗)
ブルガリア
(1勝2敗)
セットカウント 3 0
第1セット 25 20
第2セット 25 17
第3セット 25 19
第4セット    
第5セット    
【第1セットのスタメン】
【戦評】

2連勝で迎えた第3戦はブルガリアとの一戦。高さのあるチームをどう攻略していくかがポイントとなってくる。

【第1セット】

サーブ権を獲得した日本は相手のスパイクミスで2点を先制をするが、ブルガリアも高さとパワーのあるスパイクで対抗してくる。4-4の同点から井上愛里沙選手が相手のブロード攻撃を1枚ブロックで止め、5-4とリードを奪う。その後、一進一退の攻防が続く中、井上選手が素晴らしいディグをみせ、バックアタックも決めるなど、8-7とリードしたところでブルガリアがタイムアウトを要求。古賀紗理那選手はレフトからブロックを抜くスパイクやブロックを利用したスパイクで得点を奪っていく。両者とも譲らない展開が続き、荒木彩花選手が目の覚めるような速攻を決めてリズムを日本へ傾け、13-11とリードする。しかし、ブルガリアも食らいついてくる。点差は最大でも2点差しかつかず、我慢の展開を強いられる。ブルガリアのミスもあり20-16と一歩リードする。関菜々巳選手のサービスエースで23-17と、終盤にきて日本がゲームを支配する展開となる。最後は古賀選手がバックアタックを決め、25-20で第1セットを先取した。

【第2セット】

1点目を林琴奈選手のスパイクで得点した日本は、相手ミスで2-0といい流れでスタートを切る。荒木選手のサーブで相手陣営を崩し、スパイクミスを誘い5-1とリード。入澤まい選手はブロード攻撃を仕掛けて見事に決め、8-4。ブルガリアの反撃があったものの中盤まで日本ペースで試合が進む。しかし、高いブロックに日本の攻撃が阻まれ、徐々に点差が詰まってくる。ここで攻めるサーブからチャンスを掴んだ日本は、入澤選手、井上選手、林選手のスパイクで連続得点を奪い15-9。ブルガリアはリズムを変えようとメンバーチェンジを試みる。しかし、攻撃の手を緩めない日本は、林選手の連続スパイク得点で16-9。中盤、2枚替えで松井珠己選手と和田由紀子選手がコートイン。その和田選手はタイミングを外し、相手コートへうまくフェイントを落とし得点する。ラリーが続く中、松井選手はライトの和田選手へボールを託すと、和田選手もその期待に応えスパイクを決め、21-15。和田選手はサービスエースを奪う活躍もみせる。関選手も西村弥菜美選手からの安定したサーブレシーブから思い通りの組み立てができ、25-17で2セット連取する。

【第3セット】

先制したのはブルガリア。3点を先取された日本は林選手のスパイクで1点目を奪い反撃を開始する。古賀選手のサーブから連続得点を奪い4-3と逆転に成功すると、西村選手の素晴らしいディグから得点し、5-3とする。ここから互いのいい部分を出し合い、点差は1~2点の間でゲームが進んでいく。その中でも荒木選手はブロックでもスパイクでも得点を奪う活躍をみせる。そして、西村選手も躍動感ある守りで攻撃陣のリズムを生んでいく。中盤に差し掛かっても互いに譲らない戦いが続いていく。ここで荒木選手がサービスエースを奪い17-15、入澤選手がブロックを決め18-15と一歩リードする。20-16の場面では2枚代えで松井選手と和田選手がコートイン。相手のミスもあり、21-16と終盤は優位な展開で進んでいく。22-17から西川有喜選手がリリーフサーブで入るも得点にならず。しかし、コートの雰囲気がさらによくなり、古賀選手のブロックを生み出す。最後は井上選手が決め25-19でこのセット奪い、セットカウント3-0でストレート勝ちを収めた。

【コメント】
林琴奈選手

「今までの3試合で精度としてはそこまでよくなかったが、今日はコンビやサーブの精度がよかったので、そこの部分では成長できている。レフトにブロックが偏りやすいので、ライトからの攻撃で得点が取れたのは全員の協力があっての1点。もっと思い切って打てるよう頑張りたい。明日は身長が高いチームで、上手い選手も多いが、それでも勝つことが目標なので、チーム全員で明日も勝てるように頑張っていきたい」

荒木彩花選手

「週末ということでお客さんが多く入った会場で試合をやらせていただき、日本の一体感を感じた。応援が多いからこそ自分にも火が付いた。一番機能させたいBクイックの部分ではあまり機能することができなかったが、その分ライトに開くなど、また裏のCクイックなどで点数を取ることができたのはいい修正点だった。明日は相手が中国なので、より一層高い相手との試合になるのでもう一工夫見せていきたい」

和田由紀子選手

「今日はコートに立つ機会をたくさんもらったが、まだまだ精度を上げられるところがある。自分の最大限の力を発揮できるように、何がよくて何が悪かったのかを考えて、明日に向けて修正したい。明日の中国との対戦では、何本も粘って、拾って、日本らしいバレーをやりたい。この4試合の中で一番いい試合ができるようチームで頑張りたい」

6月2日 日本×クロアチア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(2勝0敗)
3 25 25 25    
クロアチア
(0勝3敗)
0 17 19 20    
チーム 日本
(2勝0敗)
クロアチア
(0勝3敗)
セットカウント 3 0
第1セット 25 17
第2セット 25 19
第3セット 25 20
第4セット    
第5セット    
【第1セットのスタメン】
【戦評】

初戦を勝利した日本の2戦目はクロアチアとの対戦。スターティングメンバーは初戦と同様の布陣で臨んだ。

【第1セット】

関菜々巳選手のサーブからスタート。相手を崩しチャンスボールから荒木彩花選手が見事Bクイックを決めて先制し1-0。その荒木選手はブロックでも相手の速攻に対応し、林琴奈選手のライトからの素晴らしいスパイクを生み出し4-2とする。攻める日本は古賀紗理那選手のサーブからも得点し5-2と序盤はまずまずのスタートを切る。セッター関選手は林選手と荒木選手にボールを集めリズムを作っていく。井上愛里沙選手は高いブロックの間を縫うスパイクを決め、本日誕生日を迎えた入澤まい選手はブロード攻撃で得点。西村弥菜美選手のディグも冴え、古賀選手も相手コートに強烈なスパイクを叩き込み13-7と優位に試合を進めていく。中盤も長いラリーを制した日本は井上選手も存在感をみせ、17-9とリードする。ここで入澤選手に代わり島村春世選手がコートイン。その後、2枚替えで松井珠己選手と和田由紀子選手もコートインする。その和田選手もライトからの攻撃を決めていく。島村選手のバックで2本のディグをする活躍により、松井選手から荒木選手の見事なコンビを演出。終盤も長いラリーから和田選手のバックスパイクが決まり24-16。最後は荒木選手のダイレクトスパイクで25-17とした日本は第1セットを先取する。

【第2セット】

このセットのスタートは入澤選手に代わり、島村選手が名を連ねた。古賀選手はスピードあるサーブでサービスエースを奪い2-0。井上選手は自ら切り込んでスパイクを放ち3-1。その井上選手は長いラリーを制するスパイクを決めると、後衛に下がってもバックアタックを決める活躍をみせる。相手のクロアチアも高さを武器にブロックとスパイクで日本を攻め立てる。8-8と同点の場面から林選手のスパイクなどで10-8とした日本であったが、またしても10-10と同点に追いつかれてしまう。古賀選手のスパイクで得点はするものの、クロアチアも素晴らしいディグからの攻撃で得点を重ね12-14と2点のリードを奪い、日本は苦戦を強いられる展開となる。我慢をしながらゲームを進める日本は西村選手のディグから島村選手のブロード攻撃などで逆転に成功すると、古賀選手も強弱をつけたスパイクで連続得点を奪い19-15と一歩リード。林選手はディグでも大きな活躍をみせ、西村選手とともに守りでもチームのリズムを作っていく。終盤に連続サービスエースを奪われ23-19とされたが、最後は途中からコートインしたリベロの小島満菜美選手からのトスを途中出場の和田選手がライトから強烈に叩き込み25-19で奪い2セットを連取した。

【第3セット】

本大会から第2、第3セット間でコートチェンジをし、セット間を5分取るというシステムに変更された。このシステムが選手たちへどのように影響していくか。どう気持ちを切り替えていくのかも重要となってくる。この第3セットは入澤選手を前衛のミドルへ、小島選手をリベロで起用してスタートした。序盤は互いに点を取り合い7-6と一進一退の展開となる。ここで入澤選手が相手スパイクをブロックし9-6とした。その入澤選手はブロード攻撃でも得点し10-7とリードを奪う。セッターの関選手は林選手にボール集め連続得点を生み出す。粘りをみせる日本は速いバックアタックも決まり16-10と中盤の主導権を握る。リベロの小島選手はコート内で存在感をみせチームを鼓舞し、チームの得点へとつなげていく。島村選手は攻撃面だけでなく、相手バックアタックを見事1枚でブロックし18-11とする。ここでコートに横田真未選手を投入し、終盤には井上選手に代わり西川有喜選手を前衛から起用。得点こそ奪えなかったが横田選手はいい動きでブロックディフェンスの中心となる。22-19と3点差まで迫られた日本はタイムアウトを要求。ここで林選手がキレのあるスパイクで23点目を奪う。最後は途中出場の田中瑞稀選手がナイスディグをみせ、そのボールを井上選手が見事に決め25-20。セットカウント3-0で勝利し、開幕2連勝を飾った。まだ課題は残るものの、それらを少しでも修正し明日のブルガリア戦に臨んでいきたい。

【コメント】
島村春世選手

「クロアチアが相手ということで、左利きの人がレフトにいるなど独特の相手だった。対策としてはいつも通りサーブで攻めるというところはできたと思うのでよかった。個人的には相手のスパイクのテンポに上手く合わせることができず、もう少しブロックでポイントを取れたのではという場面があった。1本気持ちよくブロックがはまったところはあったが、もっとブロックでポイント取れる部分があったので、うれしい反面もっと頑張れたと思う」

入澤まい選手

「勝つことができたのはよかったが、自分の中でミスの記憶がすごく強く、個人的にはあまりよくない試合だった。サーブとブロックで失点してしまったのが心残りだった。ブロックのタイミングや手の出し方を意識して修正していけるように頑張りたい」

関菜々巳選手

「3-0で勝てたことはよかったが、初戦から引き続きコンビの精度が低いので確実に一戦一戦積み上げていけたらと思う。連戦になるのでしっかりコンディションを整えながら、課題にしてるところをクリアできるように頑張っていきたい」

5月30日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(1勝0敗)
3 25 25 22 25  
ドミニカ共和国
(0勝1敗)
1 23 18 25 15  
チーム 日本
(1勝0敗)
ドミニカ共和国
(0勝1敗)
セットカウント 3 1
第1セット 25 23
第2セット 25 18
第3セット 22 25
第4セット 25 15
第5セット    
【第1セットのスタメン】
【戦評】

今年度の最初の国際大会であるネーションズリーグが日本で開幕を迎えた。今年度はパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023も開催される大事な年であり、まずはこの大会で弾みをつけていきたい。

【第1セット】

立ち上がり相手の高いブロックに苦しむも林琴奈選手が最初の得点を生み1-2。西村弥菜美選手からのサーブレシーブがしっかりセッターに返るも、相手ブロックに阻まれ序盤は劣勢な展開となる。徐々に緊張もほぐれきた日本は入澤まい選手の速攻が決まり6-9。西村選手の素晴らしいディグから古賀紗理那選手がレフトから決め7-9と点差を詰めていく。長いラリーを日本が制し8-11。その後、入澤選手や古賀選手のスパイクで得点するも点差がなかなか埋まらない。林選手の針の穴を通すようなスパイクが決まり流れを引き寄せる。13-15と2点差に詰め寄り西村選手のディグから粘りをみせる。井上愛里沙選手の見事なブロックで14-15と1点差とする。点を取り合う展開の中、荒木彩花選手がスパイクとブロックを立て続けに決め18-18とようやく追いつき、古賀選手の1枚ブロックで19-18と逆転に成功する。荒木選手もダイレクトスパイクを決めるなど躍動し22-20。23-22から井上選手の強烈なスパイクで24-22とセットポイントを握り、最後は古賀選手が相手コートにうまく落とし25-23と苦しみながらも第1セットを奪った。

【第2セット】

関菜々巳選手のサーブからスタートした日本はその関選手のサーブで崩し3-0とリードする。西村選手の安定したパスから荒木選手の速攻を決めると、強化してきたサーブも走り序盤は8-2と優位に試合を進めるも、相手のドミニカ共和国も高いブロックを武器に迫ってくる。長いラリーを制した日本が12-7とし完全にペースを掴み16-8とダブルスコアとした。しかし、16-11と5点差まで詰め寄られてしまう。嫌なムードも立ち込める中、井上選手が強烈なスパイクを叩き込み18-13。その井上選手が存在感をみせ21点目を決める。入澤選手のブロックで22点目を奪った日本は23点目も入澤選手、関選手の2枚ブロックで23-15とする。このセットを25-18とした日本は2セットを連取した。

【第3セット】

相手ミスで1点目を奪うも序盤は点の取り合いで4-4。ここから相手のリズムとなり5-7とされる。離されたくない日本は井上選手のスピード感あるバックアタックで踏ん張るも7-11とリードを許す展開となる。荒木選手の速攻で8-11とし、古賀選手のサーブポイントで9-11と反撃体制へ。1点を奪い合う攻防の中、林選手が強弱をつけたスパイクで得点を奪い13-14。長いラリーを我慢した日本は14-14とようやく同点に追いつく。その後、古賀選手が相手ブロックを利用したスパイクをみせ18-17。だが、突如サーブレシーブが乱れ18-20と逆転を許したところでタイムアウトを要求。ここで古賀選手が決め切り19-20。ブロックディフェンスが機能した日本は20-20に追いつく。しかし、22-22の場面からは3連続失点を喫し22-25で奪われてしまう。

【第4セット】

嫌な流れを断ち切りたい日本は凡ミスで1点目を奪われるも落ち着いたプレーで4-2とリードを奪う。入澤選手が速攻を決めるとさらにリズムが生まれ7-2とリードする。入澤選手のブロック、井上選手のスパイクで9-4。古賀選手も鋭いバックアタックを決め10-5とした日本は確実に得点を重ね12-6。完全にペースを掴んだ日本は14-7と大きくリードを奪うと林選手は守備のみならずスパイク、サーブでも活躍をみせる。19-11とさらにリードを広げた日本は西村選手の安定したサーブレシーブから関選手がスパイカーの良い部分を引き出していく。このセット終始安定した試合運びをした日本は、途中出場の田中瑞稀選手が最後の得点を奪い25-15で奪い、セットカウント3-1で大事な初戦を勝利した。

【コメント】
井上愛里沙選手

「ネーションズリーグ初戦で勝てたことがまずよかった。1セット目はなかなか決められずにもどかしさがあったが、2セット目に1本得意なインナースパイクを決めて、そこから徐々に自分のリズムを作ることができたので、出だしからしっかり点数を取れるようにしていきたい。3セット目後半、サーブレシーブを2本ミスして相手に流れを渡してしまったので、しっかり勝ち切るために3セット取り切るところまで集中してやっていきたい。日本ラウンドは全勝して次のラウンドにつなげていきたい。今日の入りは硬かった部分もあるが、後半につれて日本らしいバレーができたと思うので、次の試合は本当に今までやってきたことを出して、さらにいい内容の試合ができるようにしていきたい」

横田真未選手

「初戦ということでチームとしては緊張感があったが、まずチームとしてやるべきことをやろう、また日本開催なのでいい姿をみんなで見せようと思い、集中して勝ち切れてよかった。ライト側にピンチブロッカーで24点のタイミングで入ったので、しっかりそこで点数を取ってフィニッシュしたかったが、そこで得点はできなかった。次はしっかり得点して終われる形を作りたい。ミドルとしては早い攻撃というのは機能していたので、自分自身もしっかりそこで得点していくことと、ライトでチャンスがある時はしっかりブロックで点数を取れるように頑張りたい」

西村弥菜美選手

「初出場の緊張もあり、試合前や序盤に硬くなってしまったが、色々な人から声をかけてもらって初戦をみんなで勝ち切ることができてよかった。ディグは相手の特徴もあるが、自分たちのコミュニケーションや連携が大事になってくるので、そういうところを一本一本話しながらやることを意識していた。勝ったがまだ課題はある。取るべきボールや取るべき点数はたくさんあったので、コミュニケーションとってチーム全員でもっと頑張っていきたい」