2022女子世界選手権

RESULTS

試合結果

最終順位

  1. セルビア
  2. ブラジル
  3. イタリア
  4. アメリカ
  5. 日本
  6. 中国
  7. ポーランド
  8. トルコ
  9. ベルギー
  10. カナダ
  11. ドミニカ共和国
  12. オランダ
  1. タイ
  2. ドイツ
  3. プエルトリコ
  4. アルゼンチン
  5. ブルガリア
  6. チェコ
  7. ケニア
  8. 韓国
  9. コロンビア
  10. クロアチア
  11. カザフスタン
  12. カメルーン

日本の試合結果

10月11日 日本×ブラジル 第3次ラウンド(準々決勝)
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本 2 25 25 22 25 13
ブラジル 3 18 18 25 27 15

【第1セットのスタメン】

【戦評】

【第1セット】

いよいよ世界選手権も準々決勝を迎えた。相手はFIVB世界ランキング2位のブラジル。準決勝進出へ向け試合開始のホイッスルが鳴った。ブラジルからのサーブで始まりラリーとなったが、井上愛里沙選手が決めて1点目を奪うと、ブロックで相手の速攻をチャンスボールとし、林琴奈選手がライトからブロックアウトで2-0と、幸先の良いスタートを切った。そして、山田二千華選手の速攻も光る。相手サーブが日本のコートを割るシーンも多く、日本はその隙を突き石川真佑選手のスパイクやサービスエースで9-5とリードを奪う。ここでブラジルが早くも1回目のタイムアウトを要求。その後も石川選手がサーブで相手を崩したところで島村春世選手がダイレクトスパイクを決め、10-5。崩れたボールでも関菜々巳選手が献身的なトスを上げ、井上選手が決めていく。山田選手はブロックで相手を仕留め、13-7とリードを広げていく。福留慧美選手、林選手らが幾度となく相手スパイクを拾い、石川選手がその想いを込めてスパイクを決めていく。中盤、16-10と試合を優位に進めていく日本だが、反撃を開始したブラジルに4連続失点を喫してしまい、16-14となりタイムアウトを要求した日本。山田選手のブロード攻撃で17-14とピンチを凌ぐ。関選手から多彩な的を絞らせない攻撃を繰り広げ、石川選手もリズムよくサーブを打ち込み、得点を重ねていく。その後もサーブで崩し、23-16とリードした日本が林選手のスパイクで24-17とセットポイントを握った。最後も林選手の強烈なスパイクが相手コートに突き刺さり、25-18で第1セットを奪った。

【第2セット】

絶好調の林選手が1点目を奪うスパイクを決めると、井上選手、島村選手も続き3-0。石川選手のサーブでブレイクが続いた。その後は互いの持ち味を発揮し、一進一退の攻防となり5-5。攻めの気持ちがブラジルの連続ミスを誘い、8-5とリードしブラジルがタイムアウト。石川選手はディフェンスも安定し、ミドルを生かす返球を見せていく。関選手の意表を突くツー攻撃や井上選手の絶妙なフェイントで得点を重ね、石川選手がまたしてもサービスエースを奪って12-8。石川選手はディグでも素晴らしい活躍を見せ、チームを盛り上げていく。日本は堅い守りからリズムを掴み、逆にブラジルのリズムを崩して17-10とリードを広げていく。山田選手はブロックで相手エースを封じる活躍を見せる。足が動いている日本は相手スパイクを幾度となくつなぎ、相手を勢いづかせない。終盤に入り得点は21-16。確実に点を取っていきたい日本はブラジルの連続サーブミスにも助けられ、23-17。林選手はライトから切り込んでのスパイクを見事に決め、24-18とセットポイントを握った日本は、最後は山田選手がブロックを決めて25-18でセットを連取した。

【第3セット】

ブラジルにとっては後がなくなり、日本は勢いそのままに攻めていきたいこのセット。ブラジルはメンバーやスタートポジションを変えて、勝機を見出してくる。日本は山田選手のブロード攻撃が冴えを見せ、ブラジルに対応していく。序盤は6-8とやや不利な試合展開となるが、井上選手、石川選手らが要所で決めていく。福留選手は素晴らしい反応でフェイントを拾い、7-8と反撃の糸口を掴むも、ブラジルも必死になって襲い掛かってくる。7-11とブラジルに流れがいく中、日本は古賀紗理那選手をコートへ起用する。9-12の場面では林選手がサービスエースを奪い、10-12と反撃を開始する。互いが点を取り合う中、古賀選手はパイプ攻撃で存在感を見せた。13-17と主導権を握られる展開も、島村選手がダイレクトで押し込み14-17。山田選手のブロックで17-19と2点差まで迫るが、17-21と追いつけるまでに至らない。しかし、古賀選手や山田選手らが踏ん張り、19-22とする日本。石川選手のブロックで20-23とし、さらにその石川選手がスパイクを決め、21-23と相手をじわりと追いつめていく。しかし、先にセットポイントを握られこのセットは22-25で奪われる。

【第4セット】

井上選手をスタートに戻し、その井上選手は長いラリーから、レフトからの攻撃で先制点を上げる。福留選手を中心に素晴らしいディグを見せる日本。そして、山田選手は速攻を相手コートに落として3-2とし、林選手がノータッチエースを奪い4-2。相手のブロックに苦しむも井上選手のスパイク、山田選手のブロックで7-5とし、石川選手もスパイクで続き8-5とリードを奪っていくが、ブラジルの反撃で9-8とされてしまう。ブラジルの勢いが増す中、9-10と逆転を許してしまい日本はタイムアウトを要求する。劣勢の展開が続く中、石川選手、井上選手らが踏ん張り、12-13と相手に離されない。得点は15-15の同点となり、井上選手のバックスパイクで16-15と逆転に成功する。ここから互いの意地がぶつかり合う中、一歩ブラジルが抜け出して17-19。日本も負けじと19-19と追いつき、ブロックディフェンスが機能しチャンスボールとしたところで石川選手が渾身のスパイクを放ち、20-19と再度逆点に成功する。その後、両者一歩も譲らず得点は22-22。林選手が決め23-22。そして、ブラジルが同点、さらには逆転し23-24とされた日本がタイムアウト。このセットポイントは山田選手が凌いだが、最終的に25-27と一歩及ばずにセットイーブンとなった。

【第5セット】

難しいボールを林選手が決め先取点を奪う。強弱をつけた林選手の攻撃で得点する日本。一方、ブラジルも素晴らしい攻撃力で対抗してくる。序盤は4-4とまさに一進一退の攻防が続き、互いに我慢のバレーとなる。ここからブラジルが高いブロック力を発揮し、6-8と一歩リードする。日本も脅威のディフェンス力で対抗して8-8の同点に追いつく。意地と意地がぶつかり合い、互いにいいプレーが続出する、素晴らしい試合となった。得点は10-10。しかし、ここからブラジルに3連続得点を許してしまい10-13。林選手がスパイクを決めて11-13とした日本だが、セットポイントを握ったのはブラジル。13点目を山田選手のブロックで奪った日本だったが、最後は無情にも日本のスパイクがネットにかかり、13-15と接戦の末に敗れ、本大会をベスト8で終えた。

10月9日 日本×オランダ 第2次ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(7勝2敗)
3 25 25 25
オランダ
(4勝5敗)
0 23 23 21

【第1セットのスタメン】

【戦評】

【第1セット】

オランダ戦を待たずして第3次ラウンド(準々決勝)進出を決めた日本だが、アウェーのオランダ戦でどんな戦いができるか、第3次ラウンドへ向けても大切な一戦となる。アウェー特有の独特な雰囲気に包まれる中で試合は開始された。序盤、山田二千華選手がサーブで相手を崩し、自らのディグから井上愛里沙選手のスパイク得点を生み出していく。オランダも高さのあるブロックとパワフルなスパイクで応戦してくる。試合は両者譲らず5-5。島村春世選手は関菜々巳選手からノーマークとなったトスでブロード攻撃を気持ちよく決めていく。しかし、オランダは日本以上の粘りあるディグを見せ、6-9とリードを奪われる。ここは井上選手のバックアタックでしのぎ、関選手のサービスエースで8-9と詰め寄っていく。9-10からは石川真佑選手のノータッチエースで10-10と同点に追いついた日本。福留慧美選手は身を挺しての素晴らしいディグを見せ、チームへ勢いをもたらした。そして、山田選手・島村選手らのミドル速攻で13-12と逆転に成功する。中盤、ブロックディフェンスが機能し16-13とリードを奪い終盤へ突入していく。しかし、地元の大きな声援もあり徐々に動きが良くなるオランダが17-18と追い上げてくる。関選手が意表を突くツーアタックで19-17とし、林琴奈選手はスパイクで得点をもぎ取り20-17と一歩リードを奪い、井上選手のディグから石川選手が決め21-17とした。ここでオランダは2回目のタイムアウトを要求してきた。ここからオランダの反撃が開始され21-20となった場面で日本がタイムアウトを要求。オランダの勢いもありついには21-21とされるが何とかしのぎ、23-22から井上選手のブロックで24-22とセットポイントを握った。最後は井上選手が決め、苦しみながらも25-23で第1セットを奪った。

【第2セット】

まずは林選手のライト攻撃が入り得点する。オランダも本来の力を発揮してくる中、序盤は1点ずつ取り合う展開が続く。高いブロックに苦しむ中、何度も拾って攻撃を仕掛けていく日本。6-6からは林選手のブロックで7-6とし、相手もミスも絡み9-6とリードした。井上選手は切り込んだスパイクも見せて相手ブロックをかく乱していく。オランダに10-10と追いつかれるも林選手が決め11-10。その後も一進一退の攻防が続き、得点は13-13。どちらも抜け出せないまま中盤を迎えた。林選手はサーブレシーブでもスパイクでもチームへ貢献していく。得点は18-17と差が開かないまま試合は進んでいく。福留選手のAパスは石川選手の綺麗なバックアタックを生み出し、19-18。そして、石川選手は軟打も交えて相手守備を崩し、20-18とする。山田選手がブロード攻撃を決め22-20とした日本だが、オランダもエースを中心とした攻撃で食い下がってくる。22-22の同点となった場面で日本はタイムアウトを要求し、立て直しを図る、その直後、関選手は井上選手のバックアタックを選択し、井上選手は見事期待に応えて23-22。オランダのスパイクミスで24-22とセットポイントを握るもブロックに遭い24-23とされるが、林選手が決めきり、このセットも25-23と接戦を制してセットを連取した。

【第3セット】

スタートから連続で長いラリーが続き、両者が交互に制し合っていく。2セット目同様に1点ずつを奪っていく試合展開となり、日本は島村選手、井上選手らがスパイク得点を奪っていく。5-4からは石川選手が素晴らしいディグから強烈なスパイクを叩き込み、6-4とする。山田選手の攻撃も冴え9-6とした日本。ここで早くもオランダはタイムアウトを要求し、チームを落ち着かせる。しかし、日本は石川選手の切り込んでのスパイクとサービスエースで11-6とリードを広げていく。山田選手はラリー中にトスを上げる器用な一面を見せ、林選手のスパイク得点を演出した。中盤、福留選手を中心としたディグから試合の主導権を握った日本が17-10とリードを広げていく。石川選手も冷静に高いブロックに対処し、得点を奪って19-12。ここからブロックにかかりはじめ19-15と追い上げられた日本はタイムアウトを要求した。関選手は石川選手へ配球し、見事に決めて嫌な流れを絶ち切り20-15。オランダの粘りの前に苦戦を強いられるも、井上選手が踏ん張り22-18とした日本。島村選手は難しい態勢からスパイクを決め23点目を奪った。24-19とマッチポイントを握った日本であったが、オランダに21点目を奪われタイムアウト。最後は石川選手のバックアタックが相手コートに突き刺さり25-21で奪い、ストレート勝ちを収めE組3位で準々決勝進出を決めた。

10月7日 日本×プエルトリコ 第2次ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(6勝2敗)
3 25 25 25
プエルトリコ
(2勝6敗)
0 16 19 21

【第1セットのスタメン】

【戦評】

【第1セット】

第2次ラウンドも大詰めを迎え、プエルトリコ戦とオランダ戦を残すのみとなった。第3次ラウンド進出に向け、負けられない戦いが続く。序盤は互いの様子を見ながら試合が進むも、日本は島村春世選手のブロード攻撃が鮮やかに決まり、長いラリーも関菜々巳選手らのナイスディグで制した。その後、井上愛里沙選手のサービスエースなどで6-3とする。福留慧美選手がサーブレシーブどちらも受けるシステムを取った日本は、その福留選手のパスやディグからチャンスを作り、試合を優位に進めていく。林琴奈選手は強打と難攻を織り交ぜて得点し12-9。両者が素晴らしいディグの応酬を見せ、長いラリーが続いたがここも日本が制した。井上選手は強烈なバックアタックを叩き込み16-11とリード。17-12の場面ではリリーフサーバーで出場した宮部愛芽世選手がブレイクに成功し18-12とした。山田二千華選手はブロード攻撃を決め、チームへ勢いをもたらしていく。石川真佑選手はサーブで相手を崩し得点へと絡んでいき、22-14とリードを広げた。23-15からは佐藤淑乃選手がリリーフサーブでブレイクに成功し、24-15とマッチポイントを握り、最後は林選手の強烈なライト攻撃で、25-16で第1セットを奪った。

【第2セット】

林選手のスパイク得点から始まった2セット目。その林選手はサーブでも得点を奪う。島村選手の攻撃も冴え、関選手は石川選手のバックアタックも効果的に織り込み、序盤は5-1とリードする展開。しかし、プエルトリコもブロックとレシーブの関係性がうまく機能し始め、10-10の同点としてくる。ここで井上選手が奮起し、13-10と日本へとリズムを引き寄せる。互いが点を取る中、島村選手のブロード攻撃も切れを見せ15-12。こうなると日本のペースへ。関選手、林選手らのナイスディグから石川選手、井上選手が得点し、19-12と一気にリードを広げた日本。福留選手からのパスを島村選手は得意のブロード攻撃で決め20-13。終盤追い上げられるも山田選手のサーブでブレイクし、25-19でセットを連取した。

【第3セット】

このセット、井上選手のポジションに古賀紗理那選手をスタートから起用した日本。その古賀選手はレフトから相手ブロックをうまく利用し、得点を奪う。そして、石川選手は自らレシーブしスパイクも決めていき、関選手はブロックで得点し5-4。序盤はシーソーゲームとなるも石川選手、古賀選手、林選手らが要所では得点し、相手へ主導権は渡さない。古賀選手はブロックでも得点を奪っていく。山田選手の速攻、関選手のサービスエースで16-14とした日本であったが、守備の乱れで16-16の同点とされ、ついには16-17と逆転を喫してしまう。ここでタイムアウトを要求し立て直しを図っていく。頼りになる林選手の攻撃で19-19。この場面でリリーフサーブで起用された宮部愛芽世選手がディグでも活躍し、古賀選手のスパイク得点を生み出して20-19と逆転に成功した。さらにサーブで崩したところを古賀選手がダイレクトスパイクを決め、21-19とした。プエルトリコも粘りを見せてくるが、マッチポイントを奪った日本は古賀選手が見事にブロックを決め25-21。ストレート勝ちを収めた。

【コメント】
島村春世選手

「ストレートで勝てたことはすごくよかったと思うが、3セット目は相手のペースに乗せられてしまった。次のオランダ戦に向けてもう少しいいリズムを作りたかったところだが、なかなかサーブで攻めきることができなかった。オランダ戦ではしっかりとサーブで攻めて相手を崩すということにフォーカスしていきたい。ブロード攻撃は私の武器の一つ。そこが機能すればチームを楽にできるので、次も頑張りたい」

井上愛里沙選手

「負けられない試合にストレートで勝つことができたのはよかった。しかし、個人としてまだ被ブロックやミスが多かったので、しっかり修正して次のオランダ戦に臨みたい」

福留慧美選手

「(1リベロということで)初めはすごく緊張したが、Aパスを返すというよりも真ん中のゾーンに返せば関選手がつないでくれる、と気持ちを楽に試合に入った。序盤は自分の中では感覚的にもよかったと思うが、最後のロングサーブなど切羽詰まった場面で自身が崩れてしまう部分があったので、そこは修正したい。次のオランダ戦は全員で一つになって絶対に勝ちたい」

関菜々巳選手

「3-0で勝てたことはよかったが、個人としてトスの精度で課題が出たので、オランダ戦に向けてしっかり修正していきたい。最近の試合ではミドルブロッカーの攻撃の本数が少ないと思っていたので、(ミドルブロッカーを)使える場面があれば使いたいと思っていた。ブロード攻撃ではあったが、今日はそこでミドルブロッカーの攻撃を通せたのはよかった。オランダ戦はアウェーとなるが、自分たちでコミュニケーションを取りながら頑張りたい」

10月5日 日本×イタリア 第2次ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(5勝2敗)
1 25 20 14 15
イタリア
(6勝1敗)
3 20 25 25 25

【第1セットのスタメン】

【戦評】

【第1セット】

今年のネーションズリーグを制した欧州の強豪イタリアとの対戦。まずは石川真佑選手が自らパスをしスパイクを決め、先取点を上げた。その後、イタリアの高いブロックに苦しみ3-5とリードを奪われる。井上愛里沙選手が相手コートにうまく落とし5-6。石川選手が一枚ブロックを決め、6-6の同点に追いついた。山田二千華選手がサーブで崩したところに宮部藍梨選手がダイレクトで打ち込んで必死にくらいつき、勝機を見出していく。10-10、11-11とデュースが続く試合展開となる。ここから日本は石川選手らが粘りあるレシーブで13-11とする。山田選手は相手の速攻に反応しブロックでチャンスボールを取り、井上選手が決めて14-11と一歩リードする。そして、内瀬戸真実選手のパスを、関菜々巳選手が見事なトスワークでスパイカーを生かしていく。中盤、理想的な展開で19-14とリードを奪い、イタリアは2回目のタイムアウトを要求してくる。20点以降も宮部藍梨選手の攻撃、石川選手の素晴らしいディグから相手ミスを誘い、22-17とした日本。両者点を奪い合い24-19で日本がセットポイントを握る。イタリアにサイドアウトを奪われるも、最後は相手サーブミスにより25-20で第1セットを奪った。

【第2セット】

序盤は両者のいいプレーで1点ずつを取り合う展開となり4-3。ブロックとレシーブが機能し、井上選手が相手の高いブロックを利用してスパイクを決めていく。その井上選手はサーブでも相手を崩し、山田選手がダイレクトスパイクを決め7-5。山田選手はブロックでもチャンスボールを拾い、ブロード攻撃を決めて8-5と日本のペースで試合は進んでいく。だが、イタリアも本来の力を発揮しはじめ、8-8の同点とされる。全員で何度もレシーブをつなぎ、石川選手に託されたボールをその期待に応えて9-8。しかし、イタリアはブロックディフェンスの連携をしっかりと行って連続得点を奪っていき、9-12とされてしまう。関選手のサービスエースや林琴奈選手らのスパイクで食らいついていく日本だが、中盤は14-17と厳しい戦いを強いられる。ここでチームを少し落ち着かせるため、タイムアウトを要求した日本。日本も素晴らしいディグを見せるが、それ以上にイタリアも粘りを見せてくる。終盤に追い上げるも得点は18-22。最後はイタリアのスパイクが決まり、このセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。

【第3セット】

流れを取り戻したい日本だが相手の勢いに押され0-4と主導権を握られてしまう。早くもタイムアウトを要求した日本だが流れは変わらず0-7。ここで宮部愛芽世選手をコートに起用した。3-9からは籾井あき選手を前衛から起用し、勝機を見出していく。宮部愛芽世選手らが得点を奪うも、中盤は7-16と大きくリードを奪われる展開となる。林選手も奮闘するが9-18と点差は縮まらない。だが、井上選手の身体を張ったディグから籾井選手のブロックが生まれて11-19とし、勢いを取り戻していく。宮部愛芽世選手らの若い選手が躍動するもこのセットは14-25で奪われてしまう。

【第4セット】

後のない日本はスターティングメンバーを元に戻して臨んだ。序盤は林選手のスパイク、井上選手と山田選手の2枚ブロックで3-2と、まずまずの入りとなった。福留慧美選手の素晴らしいディグもチームへ勢いをもたらし、6-4とリードを奪う。しかし、イタリアの高いブロックが牙を剝いてくる。あっという間に連続失点を喫し、7-10と流れは完全にイタリアへ傾いてしまう。イタリアの勢いは増すばかりで、サイドアウトが取れない日本は7-13からタイムアウトを要求し、さらに横田真未選手をコートへ送り込んで勢いを止めようとする。石川選手は切り込んでのスパイクを見せ、得点を奪っていく。横田選手も速攻を決めていくも、得点は10-17。終盤、11-20と厳しい戦いを強いられるが、石川選手のスパイク、井上選手のサービスエースなどで14-20と反撃を開始した日本だったが、またしても連続失点を喫し14-24でセットポイントを握られてしまう。山田選手のブロード攻撃で一度はしのいだが、15-25でこのセットを奪われセットカウント1-3での敗戦となった。

【コメント】
石川真佑選手

「1セット目はいい入りができたが、後半に相手も対応してきた中で、自分たちがうまく修正することができずに、最後は相手にリードされて押される形になった。1セット目を取れたことはよかったが、それ以降は狙ったところに相手のディフェンスが入っていたことが多かったので、そういった時に自分たちが次にどこを狙うか、映像などを見返してもう一度(イタリアと)当たった時には勝ちにいく。1日空くので、いい準備をして次のプエルトリコ戦は全員で勝ちたい」

籾井あき選手

「皆が苦しいときに入っていく場面だったが、うまく流れを変えることができず、そのセットを終えてしまった。イタリア戦を終えて、やはり前衛の攻撃だけではきついので、前衛だけではなく、バックアタックも使っていけるように、チーム全体としてそのような意識を持って戦っていきたい。(次戦は)気持ちを切り替えてスタートから走っていけるようにチーム全員で戦いたいと思う」

宮部愛芽世選手

「1セット目はイタリアに先行し、後半にリリーフサーバーとしてチームのいい流れを感じることができた。3セット目に(リリーフサーバーとして)入った時は、流れを変えるために入ったが、いいプレーが自分的には出せず、もう少しできるかなというのが率直な感想。普段はリリーフサーバーとしてブレイクで入ることが多いが、今回はアウトサイドヒッターとして前衛に入った。相手の高さを実感し、初めて海外の選手と公式戦で戦うことで、課題が見つかるゲームであった。今回はグループ戦だが、決勝トーナメントに進んだときに流れを変えるようないいプレーを出せるように頑張りたい」

10月4日 日本×ベルギー 第2次ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本 3 21 25 25 25
ベルギー 1 25 20 16 22

【第1セットのスタメン】

【戦評】

【第1セット】

第2次ラウンドへ進出した日本は、第1次ラウンドA組2位と好調のベルギーとの対戦。石川真佑選手のスパイクで先取点を奪うも、連続失点を喫してしまい1-4とスタートにつまづくが、関菜々巳選手、石川選手らの好レシーブからリズムを掴み、6-7と追い上げを見せていく。そして、福留慧美選手が相手の強打を拾い、林琴奈選手が決めてついに8-8と同点に追いつく。さらには山田二千華選手が見事なブロックで逆転に成功し、井上愛里沙選手も続き10-8と流れを掴んでいく。しかし、好調ベルギーも高さのあるブロックを武器に、必死に食らいついてくる。流れはベルギーへと傾き14-17となり、日本は1回目のタイムアウトを要求した。ここで石川選手が踏ん張り15-17。全員でつなぎ、長いラリーが続くもベルギーが得点し、なかなか流れを掴み切れない日本。終盤にきて16-20と劣勢が続く。林選手が踏ん張り石川選手のサーブで相手を崩し、18-20と2点差まで詰め寄る日本だが、相手の勢いが勝り18-22と厳しい戦いとなる。20-24からは宮部愛芽世選手がリリーフサーバーでコートに入り、1点をもぎ取って21-24とするが、このセットは21-25で失う。

【第2セット】

流れを変えたい日本はスタートに古賀紗理那選手、宮部藍梨選手を入れた布陣で臨んだ。古賀選手はすぐさまスパイクを決め、宮部藍梨選手は早々にサーブで崩し、得点を奪う。宮部藍梨選手のサーブレイクは続き、サービスエースを奪う活躍を見せ、6-1と好調なスタートを切っていく。ベルギーのタイムアウト後もサービスエースを奪い、7-1と試合を優位に進めていく。リズムが出てきた日本は内瀬戸真実選手のサーブレシーブから関選手、山田選手のコンビネーションで速攻が見事に決まる。互いに点を取り合う展開となるが、連続得点が続いたのはベルギーで、12-8とされタイムアウトを要求した日本。これ以上は連続得点を許したくないセッター関選手は宮部藍梨選手を選択し、見事に決めていく。関選手の強弱をつけたサーブも効果的で、林選手のスパイクまでつなげ15-9とリードを広げた。石川選手は強烈なスパイクを叩き込んでチームに勢いを生んでいく。中盤、宮部藍梨選手のサーブからブレイクし、古賀選手は相手ブロックを利用したスパイクを見せ、得点を奪っていく。終盤21-16から連続失点を喫し21-18となり、2回目のタイムアウトの日本。その後、相手のサーブミスにも助けられ嫌な流れを切り、このセットは宮部藍梨選手の活躍もあって25-20でセットを奪い返した。

【第3セット】

2セット目と同じ布陣でスタートした日本は石川選手のスパイク得点で先制すると、福留選手のナイスディグから古賀選手の切れのあるスパイクで2-0とする。林選手は味のあるスパイクで4-1とリードを奪う。同点とされるも林選手の強弱をつけたサーブから相手を崩し、9-4とリードを奪っていく。石川選手はバックからの攻撃でも豪快に決めていく。中盤にかけても日本が優位に試合を進め、13-6とリードを広げていく。宮部藍梨選手も高さのある攻撃を仕掛けて得点し、さらには長いラリーを制した日本が15-7と8点差をつけた。勢いを増した日本は宮部藍梨選手のスパイクで17-8とさらにリードを広げていく。相手に簡単には決めさせない、粘りある守りを全員が見せていく。まさに全員でボールを必死でつなぎ、全員で攻撃を仕掛けていく日本のバレーを展開。終盤、22-15の場面ではこの日絶好調の宮部藍梨選手が決め23-15とし、最後は石川選手のサービスエースで25-16とした日本がセットカウント2-1とした。

【第4セット】

スタートからの長いラリーはベルギーが制するものの、慌てない日本は内瀬戸選手を中心としたサーブレシーブから関選手がしっかりと攻撃を組み立て、古賀選手や山田選手らが得点を積み重ねていく。ベルギーもエースにボールを集め対抗してくる。日本が8-5とリードする展開であったが、10-10と同点にされてしまう。それでも古賀選手の落ち着いたプレーで逆転までは許さず、13-12。林選手がレシーブでも活躍を見せ、相手ミスをも誘った。さらには古賀選手のサービスエースで15-12。中盤16-14からは相手の勢いに押され、17-16と1点差まで押し上げられてしまう。厳しい展開となったが終盤に山田選手のブロックで21-19とした日本。ベルギーも追いかけてくる。シーソーゲームが続く中で得点は23-21。ここで宮部藍梨選手のブロックでマッチポイントを握った。24-22選手の場面では石川選手がライトから相手ブロックをはじき、25点目を奪ってセットカウント3-1で勝利した。

【コメント】
古賀紗理那選手

「今日から第2次ラウンドということで、チームとしても厳しい戦いが続くことは選手ミーティングで話していた。1セット目は(相手に)取られたが、2セット目以降サーブで攻めることができたのが今日の勝因だと思う。(第2セットから久しぶりの出場だったが、)しっかりリハビリをし、トレーナーにも診てもらったので、コンディション的にはよかったが、今日は100%の力を出さないように抑えながらプレーしていた。明日(の対戦相手も)も強豪国だが、今日のようなサーブで攻め、ブロックディフェンスからオフェンスにつなげていくことができれば、戦い的にもチームとしても楽になってくる。チームとしてはサーブで攻めてオフェンスで終始攻撃できるように明日も頑張りたい」

宮部藍梨選手

「いつも私が出るタイミングは、新しい流れを持ってきたいときが多いので、ベンチ全員の気持ちをつなぐ想いで(2セット目から)入って、自分が今できるプレーをしっかりできた。(長く出場するのは初めてだったが、)緊張というよりも「あれもしないとあかん、これもしないとあかん」という気持ちの方が大きかったので、緊張している暇がなかった。サーブは(日本代表チームに)合流してから頑張って練習してきたことの一つでもあるので、(サービスエースが)決まってよかった。明日も厳しい戦いになるので、チーム全員でまた一つ一つ勝っていきたい」

山田二千華選手

「最初は自分たちのリズムに乗りきれずに入ってしまったが、中盤からサーブで攻め直して、自分たちのプレーを立て直すことができたところがよかった。(第2セット以降は)スタートでもう一回自分たちのやることを明確にすること、私自身としては、セッターに自分が今いけるということや、周りの状況をセッターに伝えてチームがよい循環で回っていけるような声かけを意識していた。また明日も大事な試合になってくるので、自分たちのやることを明確にして、自信を持って戦っていけるように頑張りたい」

10月2日 日本×アルゼンチン 第1次ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(4勝1敗)
3 25 25 25
アルゼンチン
(2勝3敗)
0 17 19 17

【第1セットのスタメン】

【戦評】

【第1セット】

強豪ブラジルに勝利し、その勢いを出していきたい日本は同じメンバーでアルゼンチン戦に臨んだ。序盤は受けに回ってしまい、2-5とリズムを作れずに苦しい立ち上がりとなる。林琴奈選手のサービスエースで4-5と反撃を開始。井上愛里沙選手の豪快なパイプ攻撃や、石川真佑選手のレフトからの強烈なスパイクで決め、6-8とした。9-9と同点に追いついた後は林選手のスパイクで11-10と逆転に成功した。内瀬戸真実選手、福留慧美選手の両リベロがサーブレシーブ、ディグと安定したプレーを見せて日本が徐々に落ち着きを取り戻し、リズムも生まれてきた。山田二千華選手がブロックを決めて17-14、林選手はブロックでも続き22-16とリードを広げていく。石川選手がサービスエースを決め24-17とセットポイントを握り、最後は井上選手が決めて25-17で第1セットを奪った。

【第2セット】

横田真未選手のブロックから始まり1点目を先取した日本。3-3からの長いラリーは粘りに粘って相手ミスを誘い4-3。しかし、アルゼンチンもブロックで対抗し6-6と序盤は互いに点を取り合う展開が続く。その中、井上選手や石川選手の両エースが点を取り、徐々に日本のペースへと持ち込んでいく。井上選手は後衛でも連続でナイスディグを見せ、石川選手の強烈なスパイクを生み出し、10-6とリードを奪った日本。アルゼンチンに1点差まで詰め寄られるも、主導権は握らせない。中盤、18-15とリードを奪い終盤へと入っていく。関菜々巳選手の強弱をつけたサーブで相手を崩し、21-16とリードを奪った日本はミドルブロッカーの横田選手がクイックをうまく相手コートへと押し込んで得点する。さらに23点目は石川選手がサービスエースで奪い、最後は宮部愛芽世選手がリリーフサーバーに起用され、相手を崩したところで山田選手がダイレクトを決めて25-19でセットを連取した。

【第3セット】

石川選手はスパイクだけでなくサーブ、レシーブでも大車輪の活躍を見せ序盤のリズムを作っていく。その中、山田選手のブロード攻撃、サービスエースなどで9-7と一歩リードする日本。序盤に横田選手に替わりコートに入った宮部藍梨選手がブロックを見事に決め、10-7。中盤も石川選手らの活躍で13-9とリードした日本。宮部藍梨選手はスパイク、サーブでも大きく活躍を見せ、16-11と優位に試合を進めていく。攻撃の手を緩めない日本は石川選手、井上選手らのスパイクで得点を重ね、21-13と大きくリードする。終盤22-17と5点差まで追い上げられるも、絶好調の石川が見事なブロックを決めると、リリーフサーブでコートに入った佐藤淑乃選手がノータッチサービスエースを奪って24-17。最後は林選手と宮部藍梨選手の2枚ブロックで25点目を決めた日本が25-17でセットを奪い、ストレート勝ちを収めた。
日本は第1次ラウンド4勝1敗とし、Dグループ2位で第2次ラウンド進出を果たした。

【コメント】
石川真佑選手

「今日は第1次ラウンド最終戦でもあったので、第2次ラウンドに向けていい流れで入っていくためにもしっかり勝つことができてよかった。出だしで自分たちの流れを作る、という話がミーティングで出ていたが、入りのところは前回のブラジル戦の3セット目の課題でもあったので、いかに自分たちが先行できるか、ということが第2次ラウンドでは大事になってくると思うので、集中して取り組んでいきたい。
(第2次ラウンドは)簡単に勝てる相手ではないチームがたくさんいる中で、どれだけ自分たちのいい展開が作れるか、出だしから集中し、勢いを出してチーム全員で勝ちにいきたい」

林琴奈選手

「今日は最初の立ち上がりがあまり良くなかったので、そこは次に向けて頑張って修正していきたい。自分たちのバレーボールがどれだけできるかで勝敗が決まるので、今日の試合のようなスタートではなく、しっかりスタートダッシュができるように全員でコミュニケーションをとって勝ちにいきたい」

佐藤淑乃選手

「今日はセットカウント3-0で勝つというのがチームの目標だったので、それを達成できたのがまずはよかったと思う。個人的なプレーとしては、サービスエースを取れたことが自分の中で自信につながった。コートに入る前に、ベンチで(古賀)紗理那さんや(宮部)愛芽世選手に「思いきり攻めてきて」と言われていて、チームの流れもよかったので、何も怖がらずに思いきり打つことができた。(第2次ラウンドは)強い相手が多くなるので、自分が出るチャンスがあればチームにしっかり貢献して、コートの内外からチームを盛り上げていきたい」

9月30日 日本×ブラジル 第1次ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本 3 25 25 17 25
ブラジル 1 22 19 25 20

【第1セットのスタメン】

【戦評】

【第1セット】

中国戦に続き格上のブラジルとの対戦。サ-ブで崩しブラジルの攻撃をいかに抑えていくかが勝敗の鍵を握ってくる。古賀紗理那選手に代わり石川真佑選手をスタ-トで起用した日本は、その石川選手がいきなりサ-ビスエ-スを奪う。井上愛里沙選手と横田真未選手が決め3-0と幸先の良いスタ-トを切る。その後同点に追いつかれるも、山田二千華選手がブロ-ド攻撃を決め7-6。逆転を喫してしまうが、林琴奈選手が切れ味のあるスパイクを決めていく。また、石川選手も豪快なバックスパイクを打ち込む。食い下がっていくも10-14とリ-ドされ、日本はタイムアウトを要求する。その後、林選手がスパイク、サ-ブで得点し12-14と点差を詰めていく。そして、サ-ブで崩して横田選手がブロックし、15-16と1点差まで詰め寄る。同点に追いつき石川選手のサ-ビスエ-スで19-18と逆転に成功した。福留慧美選手が素晴らしいディグを見せ、井上選手が相手ブロックを打ち破り20-18とした。内瀬戸真実選手の完璧なパスで井上選手が渾身のスパイクを決め得点し21-19。終盤、井上選手が見事ブロックを決め23-20。セットポイントを奪った日本は22点目を奪われるも、山田選手が速攻を決めて25-22で第1セットを奪った。

【第2セット】

序盤にリ-ドを奪っていきたい日本は全員で攻めて守っていく。山田選手は相手エ-スを見事ブロックし5-3。林選手がサ-ビスエ-スを奪い6-3とすると、たまらずブラジルは早くも1回目のタイムアウトを要求してきた。石川選手は豪快にスパイクを打ち込んでいきチ-ムに勢いをもたらす。11-9とリ-ドした場面では、山田選手がまたブロックを決め、12-9と3点差をつけた。関菜々巳選手はスパイカ-の良さを最大限に生かし、確実に得点を奪う理想的な展開となる。相手ミスもあり18-12と日本ペースで試合は進んでいく。ブラジルもメンバ-を入れ替え、反撃を試みてくる。しかし、日本の粘りある守りでブラジルのミスを誘い21-13。しかし、ブラジルも徐々にリズムを取り戻し、23-18と5点差まで詰め寄ってくる。ここで日本はタイムアウトを要求し一呼吸置く。24-19のセットポイントでは井上選手が豪快に決め25-19。2セットを連取した。

【第3セット】

立ち上がり2点を先取されるも林選手がうまいフェイントを見せ1-2。ブラジルも切り替えて反撃を見せてくる。序盤、4-7とリ-ドを奪われる展開だが、日本は石川選手らの攻撃で食らいついていく。長いラリ-が続くも全員で必死にボ-ルをつなぎ得点を奪い8-11。中盤はブラジルが持ち味を発揮し11-17とリ-ドを奪われる苦しい展開となってしまう。山田選手、石川選手のスパイクで粘りは見せたが、このセットは17-25で失った。

【第4セット】

立ち上がりブラジルに攻め込まれ日本は受け身になってしまい0-4。流れを変えたい日本は山田選手の攻撃で1点目を奪う。だが、ブラジルの勢いが増していき、序盤は2-9と大きく離される展開となってしまう。井上選手のファインプレ-から石川選手が決めきり7-11と反撃を開始する。日本は粘りある福留選手の守りで11-13と2点差まで迫る。サ-ブで攻め、島村春世選手がダイレクトで押し込み13-14とした日本は、ブロックとレシ-ブが見事なまでに機能し、ついにブラジルを捉えた。勢いは止まらず6連続得点を奪い17-14と3点差をつけた日本。山田選手のサ-ブが続く。そして、井上選手が一枚ブロックで18-14とする。ブラジルの反撃に遭い18-17と連続失点を喫してしまう。19-19と同点に追いつかれるも井上選手がここで踏ん張る。福留選手が相手エ-スのスパイクをレシ-ブし、石川選手が決め21-19。22点目も石川選手が決め、23点目は井上選手が奪う。そして、24点目は相手ミスでマッチポイントを奪った。最後は石川選手が渾身の力を振り絞ったスパイクが相手ブロックをはじいて25点目を奪い、セットカウント3-1で勝利。第2次ラウンド進出を決定させた。

【コメント】
石川真佑選手

「今日勝てたのは本当によかった。やはり3セット目や4セット目の出だしで相手にリードされるところがあったので、出だしからしっかり自分たちの流れを作っていけるよう、次に向けて頑張っていきたい。(第4セットに入る時は)3セット目の出だしが悪かったので、4セット目は出だしから勢いよく入っていくということと、もう一回自分たちがサーブを攻めるということをチームで話していた。今日第2次ラウンド進出が決まったが、そこが目標ではなく、まだ先があるので、まずは目の前の試合に集中して気を抜かずに明後日のアルゼンチン戦に向けてチーム全員でよい準備をしていきたい」

林琴奈選手

「1・2セット目は自分たちの流れでプレーができたが、3セット目は相手に流れがいってしまったので、(次戦以降)3セット目は気を引き締めて最後まで戦い抜けるように頑張りたい。4セット目はここで勝ちきりたいという気持ちがあったので、しっかりスタートから声を出してていこう、と声をかけた。アルゼンチン戦はディフェンスをもっとしっかり機能させ、全員で勝ちきれるように頑張りたい」

井上愛里沙選手

「今日はまず勝てたことが一番の収穫だと思う。キャプテンがいない中での試合だったので、自分がコートをよく見るということと、常にチームの選択肢を消さないようにすることを意識していた。サーブもコンビネーションも自分だけにならないようにすることを意識してプレーできたことはよかったと思う。次のアルゼンチン戦では、今日勝った勢いをそのままぶつけて、さらに強いチームになれるように頑張りたい。」

9月28日 日本×中国 第1次ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本 0 26 17 27
中国 3 28 25 29

【第1セットのスタメン】

【戦評】

【第1セット】

ネーションズリーグでは勝利を収めたが、高さのある中国に対して序盤の展開を優位に進めていきたい日本。立ち上がり、互いに様子を見ながら試合が進む。サーブで攻めていくがブレークがなかなかできず、反対に相手のブロックにつかまり3-7とリードを許す展開。その後は相手のミスもあり3連続得点を奪い6-7とする。井上愛里沙選手はスパイクに切れを見せ、点差を離されないまま試合は進んでいく。林琴奈選手はブロック、スパイクともに活躍し10-11。拮抗した展開は古賀紗理那選手のスパイクで12-11と逆転に成功すると中国はたまらずにタイムアウトを要求してきた。ここから中国が高さを生かした攻撃で反撃を見せ、14-17とリードを奪われる苦しい展開となる。16-18からは古賀選手がナイスレシーブを見せ、井上選手が決め17-18と1点差となる。横田真未選手、林選手の攻撃で19-19と同点に追いつき、その後は一進一退の攻防が続いていく。終盤22-22から中国のスパイクに決められ22-23とされるも井上選手が決め、23-23。セットポイントを握られるも、井上選手が力強いスパイクで再度24-24の同点とする。しかし、最後は26-28で振り切られて第1セットを奪われる。

【第2セット】

序盤は良い攻撃を見せる日本だが、中国の攻撃を止めきれず2-4とリードされる。関菜々巳選手のツー攻撃で得点し、反撃を見せていく。日本は良いディグを見せるも得点までつなげられず、逆に中国に得点を奪われていき4-8と苦しい展開となる。リズムを変えたい日本は6-10から籾井あき選手を起用する。だが、苦しい展開は変わらず7-13となり、日本はタイムアウトを要求する。7-15から再び関選手をコートへ戻す。さらに山田二千華選手を起用するも8-18と大きくリードを奪われてしまう。古賀選手がうまく相手コートに落とし得点するも、得点差は縮まらず大きなビハインドを背負って終盤に突入していく。14-23と苦しい展開は続くが、横田選手の速攻、山田選手のダイレクト攻撃で16-23とした。しかし、最後は中国にスパイクを決められ17-25でセットを連取された。

【第3セット】

後のない日本はこれまでとローテーションを変えて臨んだ。このセット、スタートから起用された山田選手は攻撃で躍動し、スタートは互角に試合が進む。しかし、中国の高さやサーブに苦しみ、3-6と序盤はリードされる展開となってしまう。関選手は積極的にミドル攻撃へと配球し、横田選手もそれに応え6-7と中国に迫っていく。福留慧美選手もナイスディグを見せチームを鼓舞する。11-12の場面では古賀選手が負傷するアクシデントに見舞われ、石川真佑選手がコートへ入る。奮起したい日本は全員で攻め15-15と中国を捉え、林選手が強気の攻撃で16-15と逆転に成功した。その後も井上選手のスパイク、山田選手のダイレクトで19-16と3点差をつけた。19-18と1点差まで追い上げられるも、井上選手が踏ん張り20-18でピンチを切り抜けた。石川選手は相手コートへうまく落とし21-19。その後、23-22とされ日本がタイムアウトを要求したが、流れは変わらず。24-25とマッチポイント握られてしまうも横田選手がしのぎ、石川選手のサービスエースで25-24とセットポイントを握る日本。何度かセットポイントを握るものの27-28とマッチポイントを逆に奪われ、最後も中国の高いブロックが立ちはだかり27-29でストレート負けを喫した。

【コメント】
横田真未選手

「自分たちのサーブで崩しきることができず、相手の高さのある攻撃にブレイクを許す展開が続いてしまったので、相手のブレイクを自分たちで一本で切ることで修正していきたい。高さがあるチームに対してはブロックとディフェンスでしっかり関係を作ることが大切。ブロックで決める場所と、自チームのディフェンスがしやすいようなブロックをする、ということが必要になってくる。止めにいくところと、ディフェンスと連携するところをはっきりさせて、次につなげていきたい。次戦は勝ちを意識して、スタートから自分たちが武器にしているサーブで崩して、いい展開を作っていきたい」

井上愛里沙選手

「1セット目を取りきれなかったことで相手のペースにさせてしまった。3セット目の後半で途中から入ってきた選手がすごく頑張ってくれたが、最後に自分が決めきることができなくて負けてしまった。そのような場面で決めきれないと今後強いチームには勝てないと思うので、しっかり切り替え、修正して次のブラジル戦に臨みたい。ブラジルはネーションズリーグで負けている相手なので、自分たちの失点が増えてしまうとネーションズリーグのときのようなパターンになっていくと思う。しっかり自分たちはサーブで崩して、相手になるべくいい展開でブレイクさせない、というのが鍵になってくる。決めたいときにしっかり決まらないと自分たちのリズムも出てこないので、もう一回見直してやっていきたい

石川真佑選手

「途中からの出場で、少しミスもあったが、どういう状況でも自分の持っている力を出す、やるべきことをしっかりする、という気持ちで試合に入った。(次戦は)どういう状況でもしっかりチームに貢献できるよう、自分のパフォーマンスを思い切って出していきたい。チーム全員で、勝ちにいきたい。」

9月26日 日本×チェコ 第1次ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(2勝0敗)
3 25 25 25
チェコ
(0勝2敗)
0 15 20 12

【第1セットのスタメン】

【戦評】

【第1セット】

初戦をストレート勝ちし、2戦目は試合前のFIVB世界ランキング18位のチェコと対戦。昨日の試合から山田二千華選手と石川真佑選手をスターティングメンバーとして起用して試合が始まる。立ち上がりから長いラリーが続くが、井上愛里沙選手のパイプ攻撃で先制すると山田選手もブロックで押し込み2-0。しかし、サーブレシーブが乱され3-4と逆転を喫してしまう。ここから石川選手の力強いサーブから古賀紗理那選手のブロックが飛び出し、さらに石川選手はサービスエースも奪う。徐々にリズムを掴んできた日本は10-6とリードし、チェコがタイムアウト。そして、古賀選手のサービスエースで11-6、島村春世選手と関菜々巳選手の2枚ブロックで12-6とリードを広げた。島村選手はブロード攻撃のみならずディグでも大活躍し、3連続得点をアシストする。中盤、サーブで攻める日本が優位に試合を進め18-10とした。関選手もサービスエースを奪い、20-10とさらにリードを広げていく。井上選手はサーブ、ブロック、スパイクにと活躍を見せ23-13。古賀選手がレフトからストレートへ攻撃を決め、24-14とセットポイントを握った。最後も古賀選手が決め切り、25-15で第1セットを奪った。

【第2セット】

サーブで攻めリズムを掴んだ第1セット。序盤は第1セットとは逆にチェコのサーブに崩され1-5とリードを許す展開となり、日本はタイムアウトを要求し立て直しを図る。古賀選手が踏ん張るも得点は3-6。ここで林琴奈選手をコートへ送り出し、島村選手が突破口を開き5-6と徐々に相手へと迫っていく。チェコも高さを生かした攻撃で日本へ襲い掛かってくる。得点は6-9と3点のビハインドを背負うが、山田選手が見事なブロックを見せ7-9。古賀選手と福留慧美選手がディグから攻撃のリズムを掴み9-9の同点に追いついた。日本の勢いは止まらず、14-10とリードを広げていく。井上選手は強烈なスパイクをバックから相手コートへ叩き込んでいく。中盤を制した日本は古賀選手のサービスエースや井上選手のスパイクで20-13。終盤チェコに追い上げられ22-18まで攻め込まれるが、関選手のツー攻撃で23-18。24点目は内瀬戸真実選手からのAパスを井上選手がライトから豪快に決めた。序盤は苦しい展開を強いられたが、最後は途中交代の林選手が決めて25-20でこのセットも奪った。

【第3セット】

このセットは林選手をスタートから起用して臨んだ。難しい態勢から関選手がトスを上げ、山田選手が速攻を決め先取点を奪う。同じミドルの島村選手も躍動し、素晴らしい攻撃を仕掛けて得点し、6-3とリードを奪う日本。7-3とリードした場面で早くもチェコが1回目のタイムアウトを要求してくる。だが、日本はリズムを崩すことなく9-4と点を積み重ねていく。関選手はサーブでも点を奪い、チームのリズムを作る。トスも冴えて、林選手のスパイクを演出し14-8とした。チェコも追い上げを見せ16-12となり、日本がタイムアウトを要求。その後、古賀選手はスパイク、サーブにと活躍し相手の流れを絶ち切り、日本へ再度流れを引き寄せた。そして、絶好調の島村選手はブロード攻撃で連続得点を奪い、24-12とマッチポイントを握る。最後は福留選手の素晴らしいディグから井上選手が相手ブロックをはじいて25-12。ストレート勝ちを収め2連勝を飾った。

【コメント】
島村春世選手

「こちらのサーブがすごくよくて、サーブポイント(の獲得)であったり、相手を崩してサイドから切り返したりという試合展開ができた。個人としてはまだまだできることがある。セットの最初に失点を出してしまっているので、その精度はもう少し上げられるし、またブロックでもシャットを狙えた、というシーンがあるので、そういったところを今後詰めていきたい」

井上愛里沙選手

「今日に関しては私自身のプレーがあまりうまくいっていなかったが周りの選手がたくさん決めてくれて、バックアタックから徐々に自分のプレーを取り戻すことができた。次の中国戦、またそれ以降、しっかり自分たちでいい準備をして今日よりもいい試合ができるように頑張りたい」

山田二千華選手

「昨日は途中からの出場で、今日はスタートからだったが気持ちは変わらず、”勝つ”という気持ちでコートの上に立った。また、誰が出てもいい状況に持っていけるような雰囲気を自分から頑張って出していく、という気持ちで臨んだ。2戦目で自分たちの課題はまだある中で、少しずつ緊張もほぐれてきたので、自分たちのやるべきことをもう一回しっかり明確にして、整理をしながら試合に臨めたと思う。(次に対戦する中国は)1、2戦目のヨーロッパのチームとは違う、アジアのチームになるので、もう一度自分たちらしいバレーを相手にしっかりぶつけて、勝ちにいきたい」

9月25日 日本×コロンビア 第1次ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(1勝0敗)
3 25 25 25
コロンビア
(0勝1敗)
0 20 22 17

【第1セットのスタメン】

【戦評】

【第1セット】

今年度の最大目標である世界バレー(世界選手権)が開幕した。日本にとっては初日のコロンビア戦に勝利し勢いに乗っていきたい。
その第1セットの立ち上がりから長いラリーとなるが、それを制した日本が先取点を上げた。お互いにレシーブで粘る展開で、序盤からラリーが続く。その中、林琴奈選手が難しい態勢から連続スパイクを決め、4-3とリードする。続いて井上愛里沙選手のパイプ攻撃、島村春世選手のブロード攻撃で6-3とリードする。そして、古賀紗理那選手がサービスエースを奪い8-5。横田真未選手もミドルからの攻撃を決めリズムを掴んでいく。11-6と日本がリードを奪うと、コロンビアが1回目のタイムアウトを要求した。古賀選手のブロックで15-8とした日本が優位に試合を進めていく。中盤も長いラリーが続く中、最後は関菜々巳選手がツー攻撃をみせ18-12とした。その後も古賀選手のパイプ攻撃や井上選手のブロックで22-15としたが、コロンビアも反撃を見せて23-19と迫られ、日本が1回目のタイムアウトを要求した。その後、古賀選手がきっちり決め24-19とセットポイントを握り、25点目も古賀選手のスパイクで得点した日本が25-20でセットを先取した。

【第2セット】

日本は林選手、島村選手が得点するも序盤は互角の戦いが続き5-5。井上選手は攻守に活躍を見せ7-5。関選手は落ち着いたトスさばきでスパイカーを生かし、自らもツー攻撃で得点していく。5連続得点を奪い9-5とした場面でコロンビアがタイムアウト。日本もミスが続き、12-10と2点差に詰め寄られるも林選手が決め13-10。お互いの良さを出し合う試合となり、中盤は点を取り合う展開となって16-13と3点差。17-14からは宮部愛芽世選手がリリーフサーブでコートに入ると、コートに戻ってきたボールで打ちやすいトスを上げ、スパイク得点に絡み18-14とした。得点差はさほどつかないが、林選手らが確実に得点し22-17。終盤にきて簡単なミスが出て、22-19とされるとタイムアウトを要求した日本。終盤は厳しい戦いを強いられたが林選手らの活躍で24-21とセットポイントを奪い、25-22からは古賀選手が決め、25-22で2セットを連取した。

【第3セット】

このセットはミドルに山田二千華選手をスタートから起用しスタートした。序盤はリズム良くスタートした日本が5-2とする。しかし、サーブでやや崩され6-6。島村選手のブロード攻撃が見事決まり7-6とし、古賀選手も続き8-6。山田選手も起用に応えスパイクを決めていく。リベロの内瀬戸真実選手はサーブレシーブ、福留慧美選手はディグで自身の良さを出していきチームへ貢献する。林選手のスパイク、井上選手のサービスエースで16-8と中盤を優位に進める。攻撃の手を緩めず、19-10の場面でリリーフサーバーで起用された石川真佑選手は見事にサービスエースを奪い、20-10とした日本。ここから全員で攻撃を仕掛けていき、日本のコンビバレーを展開し23-12と大きくリードを奪った。マッチポイントを握ってから連続失点はあったが、最後は井上選手が決め25-17、初戦をストレート勝ちした。

【コメント】
古賀紗理那キャプテン

「今日は初戦ということで、しっかりストレートで勝ちきれたことはよかった。1つの会場で(同時に)3つのコートを使用して試合をしており、空間の把握は今日で感覚が掴めたと思うので、明日以降、今日よりもいい試合ができるようチームとして頑張っていきたい。明日対戦するチェコはやはり高さのあるチームだと思うので、日本は速いバレーで、チーム力で戦うことで明日以降もしっかり勝ちきれるように、チーム全員で頑張っていきたい」

林琴奈選手

「今日はスタートから勢いを出して、自分たちのバレーができるように頑張ろうとチームで(事前に)話しており、そこは実行できたが、自分たちのミスが多い部分があったので、そこを修正して次に挑んでいきたい。明日の試合もしっかり全員バレーで勝ちきれるよう、最初から最後まで集中して頑張りたい」

福留慧美選手

「(初めての国際大会で)試合に入るまでは緊張もあったが、始まってしまえば自分のやることはディグを上げることなので、そこに集中していた。(そのディグは)あまりボールを触る機会はなかったが、これからの試合ではさらに高いところから強いディグがくると思うので、今後に向けて今日はいい準備ができたと思う。初めてのチームなので、明日に向けて自分自身もしっかり準備をして、今日以上にいい動きができるよう頑張っていきたい」

関菜々巳選手

「とにかく今日勝てたということはすごくよかったが、自分としては反省点の多い試合だったので、明日はしっかり修正していきたい。連戦ということで身体的にきつい部分もあると思うが、その中でも自分たちのベストを尽くして今日より明日、もっといい試合ができるようにしたい」