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- アウトサイドヒッター
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022
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- 2015
- 2014
RESULTS
試合結果
最終順位
- イタリア
- ブラジル
- セルビア
- トルコ
- アメリカ
- 中国
- 日本
- タイ
- ドミニカ共和国
- ドイツ
- オランダ
- カナダ
- ポーランド
- ブルガリア
- ベルギー
- 韓国
日本の試合結果
7月13日 日本×ブラジル ファイナルラウンド 準々決勝
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1
27
26
25
14
ブラジル
3
29
28
20
25
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
予選ラウンドを5位で終えた日本は準々決勝へ進み、同2位のブラジルとの対戦。
序盤は古賀紗理那選手、林琴奈選手のスパイク得点により互角のスタートとなったが、ブラジルのサービスエースで3-5とリードされる。しかし、相手のミスもあり7-7の同点に追いつき、山田二千華選手のブロード攻撃で8-8。そして、その山田選手のブロックで9-8と逆転する。日本は12-9とリードを奪ってテクニカルタイムアウトを迎えた。セッター関菜々巳選手が山田選手の速攻を生かすトスワークも見せ、リズムを掴む。古賀選手のスパイクで16-12とすると、井上愛里沙選手のサービスエースで17-12としたところでブラジルがタイムアウトを要求する。ミスが続くブラジルを突き放したい日本は18-12とリード。19-14からは全員で守り、長いラリーを制して20-14。しかし、徐々にブラジルが迫ってきた21-17のタイミングで、日本はタイムアウトを要求。その後、ブラジルのブロックに捕まり21-20と1点差まで詰め寄られ、とうとう同点に追いつかれてしまう。流れを変えたい日本は小川愛里奈選手を投入、また古賀選手が踏ん張り22-21とピンチをしのいだ。その後は両者の攻防が続き23-23から27-27まで1点毎にデュースが続く展開となるが、最後はブラジルのブロックに阻まれ27-29で惜しくもセットを落とす。
【第2セット】
このセットは松井珠己選手と小川選手をスタートから起用する。林選手がライトから強烈なスパイク、またサーブに回るとサービスエースの活躍で3-2とした日本は、小川選手のブロックも飛び出し、4-2とリードする。その後、松井選手のツー攻撃もあり7-4でリードを奪ったところで早くもブラジルがタイムアウトを要求する。島村春世選手の攻撃が決まり8-4とするも、ブラジルも譲らずに8-6のスコア。抜け出したい日本は佐藤淑乃選手を前衛から起用すると、レフトから豪快なスパイクを決める。島村選手のブロード攻撃で12-9のリードでテクニカルタイムアウトを迎えた。小川選手がサーブで崩して島村選手が押し込み15-12とするも、ミスが出て15-15と同点に追いつかれ、ここでもブラジルのブロックに阻まれて15-16とされたところで、日本はタイムアウト。古賀選手がうまく相手コートに押し込み16-16。両者ともに1点ずつを取り合う展開で、18-18と試合は中盤から終盤へ向かうが、ブラジルに押されて18-21とする。林選手のスパイクや、全員で粘って20-21と追い上げる。そして、松井選手のダイレクトスパイクで21-21と同点とするも逆転まではできず、24-25と劣勢は続くが、25-25と粘る日本は古賀選手の見事なブロックで26-25と逆転に成功する。しかし、粘りはしたものの最後はブラジルを捕らえることができずに3連続得点を許し、26-28とまたしてもデュースの末にセットを落としてしまう。
【第3セット】
佐藤選手が開幕戦以来のスタートから出場となったこのセット。ブラジルのサーブから始まり長いラリーの末に古賀選手がバックローを相手コートへ突き刺す。島村選手のサービスエース、林選手のフェイント攻撃で3-0と幸先の良いスタートを切る。しかし、あっという間に3-3と追いつかれる展開となってしまう。小島満菜美選手の素晴らしいディグから松井選手の意表をつくツー攻撃で6-5、そして小川選手の見事なブロックで7-5とリードしたところでブラジルがタイムアウトを要求した。ここからブラジルが2点を連取して7-7となる。だが日本も負けてはいない。粘りに粘り古賀選手のスパイクを生み出して9-7とし、島村選手の見事なブロックで10-7とリードを奪う。そして、12-10とこのセットも先に12点を奪う展開となる。全員でブラジルの攻撃から守り、佐藤選手が決めて15-11。林選手も続き16-11とリードを奪う。18-14とリードして終盤を迎えるが、19-18まで追い上げられ日本はタイムアウトを要求。ここで石川真佑選手を起用し終盤の逃げ切りを図る。20-20とされるも、石川選手がライトから渾身のスパイクを決め21-20とし、その石川選手はサーブで相手を崩して林選手のスパイクへとつなげ22-20とした。ブラジルはタイムアウトを要求するも、すぐさま石川選手がサービスを決め23-20とする。石川選手は24、25点目も圧巻のサービスエースを奪い、25-20で逃げ切った日本は1セットを奪い返した。
【第4セット】
石川選手をスタートから起用した第4セット。その石川選手からのサーブで始まり序盤は佐藤選手のスパイク、林選手のスパイクで互角のスタートとなった。しかし、ブラジルの素晴らしいディフェンスからのオフェンスで3-6とリードを奪われる苦しい展開となってしまう。石川選手や林選手らも踏ん張るものの得点を広げられ5-10とされてしまい、このセットは7-12でテクニカルタイムアウトを迎える展開に。厳しい展開が続き、8-14と大きくリードを許してしまう。その後もブラジルの勢いは止めることができず、10-18と点差は縮まらないが、佐藤選手、石川選手らはスパイクを打ち切り13-19と反撃を見せる。しかし、ブラジルの集中力は凄まじく13-24とマッチポイントを奪われ、最後はブラジルの速攻が決まり14-25。セットカウント1-3で敗れた日本は準決勝進出を逃した。
【コメント】
眞鍋政義監督
最初は決勝トーナメントにいくというのが目標だった。8連勝して目標を達成できたので次はベスト4にいこう、と修正したが、最終的に今日ブラジルに負けてしまった。特に第1、第2セットは勝っていたが、終盤、勝負弱く連続失点してしまった。そこがベスト8とベスト4の大きな壁だと思う。今日の敗戦を一人ひとりが反省して、次の世界選手権に向けて強化していきたい。
キャプテン・古賀紗理那選手
今日からファイナルラウンドということで、チームとしてオフェンスの精度を高めることとスピードを意識した。試合の入りは良かったが、後半少しずつ被ブロックが増えてきたのが今日の敗因だと思う。(ブラジルは)ファイナルラウンドという舞台で勝負強さを発揮してきたと感じた。今年の一番の目標は世界選手権である。最後は個人でスパイクを打つが、チームとして勝つ、ということをもう少し深められる、とこの大会を通して感じたので、一人が決めるのではなく、それぞれが互いを生かしあいながら点を取れるチームにしていきたい。
松井珠己選手
課題が多く見つかった大会で、収穫もあったがそれよりも自分の足りない部分がたくさん見えたので、今後に生かせるように頑張りたい。(ブラジルには)プレーもそうだが気迫で圧倒される部分もあり、日本もそのようなプレーをしていかなければ世界には勝てないと思った。自分が(それを)チームに浸透させるぐらい、先陣を切って実行していきたい。
佐藤淑乃選手
(今日は)途中からの出場だったが、自分のプレーでチームに勢いをつけて雰囲気を良くすることを意識して試合に臨んだ。今回が初めての世界大会だが、(対戦相手は)ブロックの高さや、レシーブ、ディフェンスの粘りなど、勢いがあったという印象。大会を通してキャプテンの(古賀)紗理那さんの安定感は自分にとって多くの学びがあった。自分も海外勢との対戦で学んだことをこれから練習で実践していきたい。世界選手権では、相手はネーションズリーグよりもさらに全力で向かってくると思うので、まずは気持ちで負けずに取り組む。自分の技術も磨き、被ブロックが多いと言われているのでそれまでに減らせるよう、練習していきたい。
7月3日 日本×ベルギー 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
8勝4敗
2
16
25
19
25
10
ベルギー
4勝8敗
3
25
18
25
11
15
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
予選ラウンド最終日のベルギー戦。ファイナルラウンドへつなげる意味でもこの1戦は重要な試合となる。日本はこれまでとはポジションを入替えて臨んだ。
序盤はラリーの応酬となった。ベルギーがラリーを制することが多くリードを許す展開となる中、林琴奈選手がレフト、ライトからスパイクを決めていく。井上愛里沙選手もバックアタックで得点するも5-8と追う展開を強いられた。ここで濵松明日香選手のブロードが決まると林選手も続き、7-8と追い上げ態勢へと入った。だが、ベルギーもそう簡単には日本へリズムを渡してくれず、10-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。ここから島村春世選手がブロックワンタッチをしっかりと取り12-12の同点に追い付いたが、ベルギーのブロックディフェンスを前に日本は連続失点を喫して12-15と劣勢が続いた。挽回の糸口を掴みたい日本は古賀紗理那選手にボールを集め、古賀選手もその期待に応えるものの得点は15-21。相手リズムのまま試合が進み、16-25でこのセットを奪われた。
【第2セット】
日本はお株を奪うかのようにレシーブで粘りを見せるベルギーのリズムを崩そうと、序盤から全員で攻めていき3-1といい入りをした。林選手のナイスディグから古賀選手がスパイクを決め6-4。両チームの持ち味が出る中、日本は島村選手のブロード攻撃、林選手の切れのあるスパイクで得点するも、徐々にベルギーのペースとなっていき11-15とリードを許した。ここでセッター・関菜々巳選手に代えて松井珠己選手を投入すると、3連続得点を奪い14-15と反撃の狼煙を上げた。さらに15-15の同点に追い付くと、相手ミスで16-15の逆転に成功した。その後も井上選手のスパイクなどで得点した日本は、19-16と流れを引き寄せた。20-17からはリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が相手陣営を崩し3連続得点を奪い23-17。最後は小島満菜美選手の好ディグから古賀が決めて、25-18でセットを奪い返した。
【第3セット】
勢いそのままに序盤を乗り切りたい日本は古賀選手のスパイクなどで4-3とまずまずの入りを見せた。一時悪い流れになりかけたが、島村がそれを断ち切るスパイクを決めた。しかし、その後はベルギーのリズムで試合が進み7-12とベルギーにリードを許してテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手、古賀選手が奮起するも得点は9-14と劣勢が続いた。流れを変えようと内瀬戸真実選手をコートへ送り出し13-16まで追い上げたが、形勢逆転とまではいかず、19-24とセットポイントを握られると、そのまま押し切られ19-25でセットを奪われた。
【第4セット】
このままで終われない日本は相手ミスで先制し、林選手のスパイクで2-0とすると、このセットのスタートからコートに入った内瀬戸選手のサービスエースで5-1とリードを奪った。互いに点を奪い合う中、8-4とした日本は古賀選手のサービスエースで10-4とゲームの流れを引き寄せ、12-6でテクニカルタイムアウトを迎えた。古賀選手のバックアタックも炸裂し14-6と大きくリード奪った日本。松井選手のサービスエースもあり16-6とさらにリードを広げた。攻撃の手を緩めない日本は林選手のダイレクトスパイクで19-7とし、安定した試合運びでこのセットを25-11で取り返し、フルセットに持ち込んだ。
【第5セット】
最終セットは立ち上がりの入り方が勝敗の分かれ目ともなる。そうした状況でセッター・松井選手は古賀選手へボールを集めていく。その古賀選手も見事にスパイクを決め4-3とした。一進一退の攻防が続く中、日本は古賀選手を中心とした攻撃を組み立てたが、エースへとボールを集めるベルギーに7-9とリードを許す展開で終盤へと突入した。その後、日本にミスが出て7-11とされるも、林選手が踏ん張り8-11、さらに9-11と2点差とした。しかし、相手に得点を許し10-13と厳しい展開となると、最後も押し切られ10-15。フルセットの末ベルギーに敗れた。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
今週1勝もできていないなかで臨んだ試合だったが、やはり少しずつ噛み合わない部分がたくさん出た。トルコでのファイナルラウンドまでにしっかりと修正し、チームとしての精度をさらに上げるようにしたい。
「チームとして世界を知る」ことをテーマに本大会に入った。最初は8連勝、私たちも自信が付いたが、今週の(カナダ大会での)試合で「そんなに甘くはない」ということを思い知らされた。チームとしてさらに強くなっていくための敗戦だと思っているので、この結果を受け止め、しっかりと切り替えてトルコでのファイナルラウンドに向けて頑張りたい。
7月2日 日本×セルビア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1
25
20
19
22
セルビア
3
22
25
25
25
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
この2戦は高いブロックに苦しめられての敗戦となっているが、本日も高さとパワーのあるセルビアとの対戦であり、いかにして相手ブロックを突破していくかが勝敗の鍵を握る。
スタートから長いラリーとなったが、島村春世選手が速攻を決めて先制する。とにかく粘って勝機を掴み取りたい日本はまたも長いラリーを制し4-3とする。相手の速攻を封じ込めたい日本はサーブで攻め、井上愛里沙選手のサービスエースで8-8とすると、相手のミスもあり9-8と一歩リードする。古賀紗理那選手、林琴奈選手のスパイク、さらには林選手のサービスエースで12点目を奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。小島満菜美選手が相手に1本では決めさせない素晴らしいプレーをみせると、それに井上選手が応えスパイクを決める。
中盤は点の奪い合いが続き15-15。古賀選手は速いバックローを決めていき、林選手もそれに続き18-18。島村選手がサーブで崩し、古賀選手が押し込み20-18とすると、セルビアがタイムアウト。その後、林選手がライトから鋭いスパイクを決め21-18。ここからどう相手の高いブロックを凌いで得点を奪っていくか。21-20まで忍び寄ってくるセルビアに対して古賀選手が決めて22-20とする。しかし、22-22の同点に追いつかれてしまうが、ここで古賀選手がブロック、後衛に下がってもバックアタックを決めて24-22とし、最後は濵松明日香選手がライトから決めて25-22でセットを奪った。
【第2セット】
良い形で第1セットを奪った日本はこのセットも小島選手を中心としたサーブレシーブとディグでリズムを作っていく。島村選手はサーブで得点しチームを盛り上げる。攻撃のリズムはできているがセルビアも負けまいと攻撃を仕掛けてくる。井上選手はスパイク、ブロックにと貢献し、関菜々巳選手からの配球に林選手も応えていく。1点を争う試合展開が序盤から続き8-8、9-9、10-10と両者一歩も譲らない。ここで相手に先に2点を奪われ10-12でテクニカルタイムアウトとなった。離されずに試合を進めたい日本は林選手、島村選手、古賀選手が得点し食い下がる。14-15と1点差に迫るもなかなか追いつけず、15-18と3点差にまで広げられてしまう。流れを引き戻したい日本は関選手に代わり松井珠己選手をサーブから起用した。2点をブレークし19-20と1点差まで詰め寄るも一気に24点まで奪われてしまい、このセットは20⁻25で奪い返されてしまう。
【第3セット】
流れを変えようと石川真佑選手、小川愛里奈選手、松井選手の3枚を入れ替えてスタートした。まずは林選手が相手へうまく押し込むスパイクで得点し先制する。石川選手も豪快なバックスパイクで4-3として、松井選手は相手の意表をつくツーアタックを見せ5-3とリードを奪う。林選手が足で上げるスーパーレシーブを見せて相手ミスを誘い、流れは日本へと傾く。9-5とリードするもののミスが続き10-10とされ、11-12と逆転を許しテクニカルタイムアウトを迎える展開となってしまった。相手へ流れが行きかけた場面で関選手をコートへ戻す。中盤は劣勢な流れとなり15-20。古賀選手が踏ん張り16-20とするも、相手の勢いは止められずに終盤へと突入する。石川選手が得点し19-23とするも、このセットも押し切られ19-25で奪われる。
【第4セット】
後のないこのセットは内瀬戸真実選手、山田二千華選手をスタートに起用した。序盤は林選手の活躍で互角の試合展開となる。サーブで攻めたい日本は石川選手のサービスエースで5-5。そして、島村選手のブロード攻撃も冴える。内瀬戸選手も続き、決して離されずに試合は進み、林選手のブロックポイントで8-7とする。お互いの攻防が続く中、11-12でテクニカルタイムアウトを迎え中盤へと試合が進んでいく。島村選手のブロード攻撃ですぐさま12-12に追いつく。小島選手、石川選手らが相手の強烈なスパイクを必死に上げて15⁻13とすると島村選手がダイレクトで押し込み、16-13としたところでセルビアがタイムアウトを要求する。その後、内瀬戸選手のスパイクなどで点数を上げた日本だったが連続失点を許し、ついには18-19と逆転を喫してしまう。日本は小島選手を中心とした素晴らしいレシーブを披露するも、またしても高いブロックに屈し18-22と苦戦を強いられる展開となってしまう。林選手が意地のスパイクを決め19-22とし、さらには石川選手が連続でスパイクを決めて21-22と追いすがるも、最終的には22-25で奪われ、セットカウント1-3で敗れ通算8勝3敗となった。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
(セルビアは)特に高さがあるチームで、これまで対戦してきたチームの中でもブロックで威圧感を感じる試合だった。(自分たちの)トスが少しゆっくりになっているという話を受け、少しずつでいいのでスピードを上げてスパイクを打とう、コンビネーションを作ろうと話していたが、それを意識しすぎてコンビネーションの精度が落ちていたように思う。
この大会が始まってから自信が付いたし、今週に入ってからはたくさん課題も出た。私たちがきっかけを作って勝てるチームになりたいと思う。ファイナルラウンドに向けて明日の試合はとても大事。しっかり勝ってトルコに行けるように頑張りたい。
島村春世選手
(オランダ、トルコに)2敗している中、ファイナルラウンドに向けて勝ちが欲しいところで、こういう負け方をしてしまったことに対して、悔しい気持ちが強い。(セルビアは)高さがあることは想定内だった。まずは自分たちの攻撃のスピード感を、ミドルブロッカーについては踏み込みのスピートを速くして相手を引き付けること、その後の攻撃では自分のスピードを生かす、ということをもう一度みんなで作り直そうとした。その点ではミドルブロッカーの良さは出せていたが、それを勝ちに繋げられなかった。
あと1試合、持てる力を全て出して、勝ちに行きたい。
林琴奈選手
相手に(テクニカルタイムアウトとなる)12点を先行されることが多く、サイドアウトが取れず苦しい展開だった。昨日(トルコ戦)の反省として被ブロックをなくすことを考えて、リバウンドを取るなどしようとしたが、あまりうまくいかなかったのでもう少し修正したい。
明日は絶対に勝って終わりたい。気持ちを切り替えて、全員で勝ちに行きたい。
関菜々巳選手
コンビネーションの精度が低く、パスが返ってきても決め切れない場面が多く、セッターとしても課題を感じた試合だった。速いバレーにしようとして(トスを)上げ急いでいることが多かったと思う。もう一度基本に立ち返ってやりたいと思う。
カナダに来てから勝てていないが、(明日は予選ラウンド)最終戦で、ファイナルラウンドに向けてとても重要な試合になると思う。どんな状態でも絶対に勝つという気持ちを表に出して、闘争心を持ってやっていきたい。
7月1日 日本×トルコ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1
20
15
25
22
トルコ
3
25
25
18
25
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
オランダ戦では惜しくもフルセットの末に敗れた日本は本日、同じく欧州のトルコとの対戦。
序盤から高さのあるトルコに対してセッター松井珠己選手がミドルを多用し、サイドを生かす展開へと持っていく。井上愛里沙選手・石川真佑選手のスパイク、井上選手・山田二千華選手のサービスエースで序盤は5-5と互角の戦いとなる。5-7と劣勢な場面から濵松明日香選手が見事なブロックを決め6-7と食らいついていく。宮部藍梨選手のサーブをきっかけに9-8と逆転に成功するも先に12点を取られ、10-12でテクニカルタイムを迎えた。その後、石川選手のスパイクで12-12と同点とした日本は宮部選手と山田選手の2枚ブロックで相手へ主導権を渡さず、中盤は1点の攻防が繰り広げられるもトルコの高いブロックが襲い掛かり16-19とされる。なんとか井上選手が踏ん張り17-19とした日本であったが、その後も18-21と劣勢は続く。石川選手のスパイクで対抗するもこのセットは20-25で奪われる。
【第2セット】
セッターを関菜々巳選手へと代え臨んだ第2セット。石川選手のスパイクで得点し宮部選手がブロックを決め、セット序盤は3-3。その後、やや押され気味で試合が進むも、山岸あかね選手の献身的なレシーブもあり食らいついていく日本であったが、流れが徐々に相手のトルコへ。6-13と大量リードを許してしまう。内瀬戸真実選手、島村春世選手、小川愛里奈選手を起用し流れを変えようとするもトルコの勢いを止められず6-17。内瀬戸選手のディグから石川選手が決め、反撃を試みるも、中盤での大量失点が響き点差が縮まらず、終盤には12-20とされてしまう。だが、島村選手は存在感のあるブロード攻撃を決める。このセットも高さとパワーに屈し15-25で奪われてしまう。
【第3セット】
後のない日本は林琴奈選手、そして小島満菜美選手を起用してスタートした。関選手と石川選手が息の合ったバックローを見せ、チームが活気づく。小川選手も高いブロックへ勝負し速攻を決める。林選手のサーブで相手陣営を崩し9-3とリードを奪う。内瀬戸選手は相手の高いブロックを利用してスパイクを決めていく。小島選手のディグからは石川選手が決め11-4と大きくリードする。そして、12点目を日本が奪い、12-5でテクニカルタイムアウトを迎えた。ここからトルコの高いブロックがまたしても襲い掛かり9-12と一気に迫られる。ついには13-13とされ、13-14と逆転まで許してしまう。ここから林選手が踏ん張りを見せ16-15と逆転、そして島村選手の見事なブロックが決まり17-15。ここから長いラリーを制した日本は18-15とする。たまらずにトルコはタイムアウトを要求、いよいよ勝負の終盤へと突入する。全員で拾い、粘り、得点を重ねていく日本は24-18とセットポイントを握った。そして、内瀬戸選手のサービスエースでこのセットを25-18で奪い返した。
【第4セット】
林選手、石川選手が連続でスパイクを決め2-0。そして、小島選手のファインプレーから3-0と良いスタートを切った日本。小川選手もブロード攻撃を決め6-3と序盤は日本ペースで進んだ。しかし、トルコの反撃が始まり6連続失点を喫し6-9とされてしまう。関選手のブロックワンタッチから林選手のバックアタックへつなぎ日本も9-9と追いつく。その後、粘りに粘った日本は12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。1点を争う攻防が続き中盤は15-14。互いに連続得点も失点もないまま18-17と試合は進んでいく。
ここで関選手がサービスエースを奪い19-17とした。しかし、その後はトルコの高さに屈してしまい連続得点を許し、19-20と逆転を喫してしまう。林選手が大車輪の活躍をみせ21-21と同点とするも逆転までは至らず、22-23と終盤の劣勢が続き、22-24のマッチポイントを握られると、最後は日本のスパイクが相手コートを割り22-25で奪われた。セットカウント1-3で敗れた日本は通算8勝2敗となり明日はセルビアとの対戦となる。被ブロックが19本と多く、高さのあるチームと対戦する際の大きな課題が浮き彫りとなった試合でもあった。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりが悪かった。第1、第2セットは全く良くなかった。特に被ブロックが20点くらい(公式記録では19点)あった。これでは話にならない。(明日のセルビア戦に向けて)ヨーロッパ勢は高さがある。そのブロックにやられないようにするのは、最終的にはスパイカー陣の個人技に懸かっている。被ブロックされないようにすること、これに尽きる。
小島満菜美選手
ブロックの高いトルコに対して、リバウンドを取り、そこから何度も粘ってオフェンスに展開していこう、という話をしていた。それができていた時は自分たちにとっていい時間帯が来ていたと思うし、逆にそれが苦しかったり、相手にいい形でボールが返ってしまうと苦しい展開になっていたと思うので、そこをもっと修正していきたい。また、相手の攻撃に対してのブロックディフェンスの精度をもっと上げていきたい。
(明日のセルビア戦に向けて)日本が勝つ上でサーブがすごく大事になってくると思うので、まずはサーブを攻めて相手を崩し、そこから今日の課題であるブロックディフェンスを修正して、何度もオフェンスに展開して得点する、というバレーをしていきたい。
林琴奈選手
入りがあまり良くなかったが、途中からは流れがこちらにきて雰囲気も良くなった。ただ、やはり被ブロックが多いことが課題として残った。この2戦(オランダ、トルコを相手に)負け試合が続いているがしっかり気持ちを切り替え、課題を克服できるように明日も全員で頑張りたい。
関菜々巳選手
一昨日オランダに負けたあと、昨日チームでしっかりとミーティングを行い今日の試合に臨んだが、自分たちのバレーができなかった。相手に何をやられるでもなく、自分たちからミスを出してしまったのが今日の反省点。もっとできることがあったと思う。1本のボールに対してとても淡泊になってしまった。日本の良さは粘りや繋ぎの部分だと思うが、それを発揮することができなかった。
2連敗してしまったので、明日は絶対勝てるよう、誰が出ても強い日本を見せられるように頑張りたい。
6月29日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2
25
20
26
21
10
オランダ
3
23
25
24
25
15
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会、フィリピン大会を終え全勝で迎えたカナダ大会。
高さとパワーのあるオランダとの一戦。スタートには今大会に初めて登録された濵松明日香選手と宮部藍梨選手を起用し、フィリピン大会からは大幅にメンバーを入れ代えて臨んだ。
宮部選手のスパイク、サービスエースや、石川真佑選手の強烈なスパイクで序盤は互角の戦いとなり、山田二千華選手の連続サービスエースで6-4、長いラリーからはキャプテンの古賀紗理那選手が決め切り7-4とリードする。濵松選手も躍動し豪快なスパイクを決めて9-6。1点差まで詰め寄られるが山岸あかね選手、松井珠己選手の素晴らしいディグから古賀選手、石川選手の強烈なスパイクで12-9とし、テクニカルタイムアウトを迎えた。ここからオランダの高い壁が襲い掛かってくるが、決してリードは奪われずに中盤16-14と試合は進む。その後、16-16の同点に追いつかれるも石川選手の素晴らしいディグから古賀選手の強烈なバックアタックで18-16とする。19-17場面では関菜々巳選手がリリーフサーバーで起用され、山田選手が見事なブロックを決め20-17とするとオランダはタイムアウトを要求。また1点差まで追い上げられるも林琴奈選手がサーブで相手を崩し古賀選手が決め23-20とする。しかし、オランダも高さを生かしたブロックとスパイクで23-22と迫ってくる。ここで日本はタイムアウトを要求。松井選手は山田選手の速攻を選択し、山田選手はその期待に応え24-22とし、最後は古賀選手が決めて苦しみながらも25-23でこのセットを奪った。
【第2セット】
古賀選手、宮部選手のバックアタックで幸先よく2点をリードする。それに山田選手も続き3-1。日本らしい粘り強いレシーブからリズムを作り5-1と試合が進む。その後はオランダの高いブロックに苦しむも濵松選手がダイレクトスパイクを決め8-5。山田選手の絶妙なフェイントで10-7と3点差のリードを奪う。石川選手もパワフルなスパイクを決め、2~3点を日本がリードしたまま試合は進み12-9でテクニカルタイムアウトを迎えた。12-11と1点差まで迫られ、ついには13-14と逆転を許してしまう。流れを変えようとセッターを関選手に代えるもオランダは攻撃の手を緩めず13-16と苦戦を強いられる。さらに濵松選手に代えて島村春世選手、宮部選手に代え井上愛里沙選手を起用し流れを引き戻そうとする日本だが17-21と迫り切れない試合展開となる。島村選手、古賀選手が得点するもこのセットはオランダに20-25で奪われた。
【第3セット】
第2セットのスタートから大幅に入れ替えたメンバーで臨んだ第3セット、代わって入った内瀬戸真実選手がまずはスパイクでその期待に応えた。序盤は一進一退の攻防が続くも、8-9とリードを奪うまでには及ばなかったが、井上選手のサービスエースで10-9と逆転に成功する。1点ずつを奪う試合展開となり、12点を先に奪ったのは日本。その後、関選手が相手のバックアタックをブロックし、14-11となったところでオランダはたまらずタイムアウトを要求。難しい態勢から古賀選手が決め15-11とした。小川愛里奈選手も見事なブロード攻撃を決めて16-13とすると井上選手も相手ブロックを利用してスパイクを決め17-13と主導権を握った。島村選手の速攻も冴え19-15とした。オランダもブロックで反撃してくるも21-17とリードをキープしいよいよ終盤へ。ここで相手ブロックにつかまり21-20となったところで日本はタイムアウト。流れが戻らずに21-21とされるも相手ミスに助けられ22-21。ここから1点の攻防となり、先にセットポイントを握られる苦しい展開ではあったが、最後はしのぎ25-23でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
内瀬戸選手の技ありスパイクやこのセットからコートに入った小島満菜美選手のディグから得点へと結びつけ、序盤はお互いに点を取り合う展開が続く。2点リードを許した場面から古賀選手のバックアタックが見事に決まると3連続得点を奪い8-7と逆転に成功する。相手のミスもあり11-8となり、島村選手のクイックで12-8とテクニカルタイムアウトを迎えた。ここから関選手のサービスエースで14-8とすると、勢いそのままに井上選手も続き15-8と7点のリードを奪う。しかし、4連続失点を喫して15-12となるが、井上選手が踏ん張り16-12。しかし、徐々にオランダが忍び寄り、気が付けば17-16と1点差まで詰め寄られる展開となる。ついには18-18の同点とされ試合は振り出しに戻ってしまう。その後も勢いづいたオランダを止めることができずに21-25で失い、ファイナルセットへと突入することとなった。
【第5セット】
嫌な流れを断ち切りたい日本であったが、立ち上がりからオランダに攻め立てられ0-3とリードを奪われる展開となる。古賀選手、林選手のスパイクで反撃するも2-5と劣勢な展開は続く。全員でボールをつなぎ、林選手が連続でスパイクを決め、4-5と反撃の狼煙をあげた。だが、オランダの高い壁が立ち塞がり4-8と劣勢な展開が続く中、古賀選手が踏ん張り6-8とするも得点はなかなか縮まらずに7-9。途中交代の石川選手が決め8-10とするも、またしてもブロック得点を許し9-13。最後はオランダのスパイクが決まり10-15。フルセットの末に負け、今大会初の黒星を喫した。オランダのブロックポイント16点に苦しんだ日本は明日の休養を挟み、明後日は強豪トルコとの対戦となる。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は出足から動きが悪く、ヨーロッパの高いブロックにやられてしまった。相手のハイボールをブロックで止められず、はじかれてしまうという、日本の負けパターンだった。
目標としていたファイナルラウンドに行けることは決まったが、あと3試合ヨーロッパのチームとの対戦が残っているので、今日がいい勉強となった。やはりブロックの部分だと思う。サーブレシーブは変えているが、Aパスからの決定率、効果率があまり良くない。(次戦まで)1日あるので、修正し頑張りたい。
古賀紗理那選手
今日は新しい選手が入り、選手の入れ替えも激しく、先週までであればクイックで切らずにサイドで切っていたところを、クイックにトライするという意識もあったので、明後日以降の試合に繋げていきたい。
次の対戦相手であるトルコは高さがあるチーム。被ブロックの数を少なくして、オフェンスの展開として攻撃の枚数を増やしていかないと苦しい展開が続くと思うので、そこに集中していきたい。
宮部藍梨選手
自分たちが望んでいたような結果で試合を終えることはできなかったが、次への課題もたくさん見えてきたので、気持ちを切り替えてその課題を修正して、いい形で次戦以降の試合に臨みたい。
今日はスパイクを決めることが自分に求められているスキルだったと思うが、それを発揮することできなかったので、限られた時間ではあるが練習でもう一度確認して、次の試合をベストな調子で迎えられるよう頑張りたい。
濵松明日香選手
出だしが悪く、もっと決定打を出せる場面があったのに出せなかったのがすごく悔しい。次の試合ではそこを改善して臨みたい。
今日は相手のスパイクに対してのブロックとディグが悪かったと思うので、その部分をもう一度見直して、自分自身もしっかりトルコ戦に向けて変えて、色々なことに挑戦していけるよう頑張りたい。
6月19日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
19
25
25
25
中国
1
25
16
23
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会最終日は高さのある中国との対戦。林琴奈選手のダイレクトスパイクで日本が先制する。横田真未選手のサーブで相手陣営を崩し4-2とリードするも、中国の高さのあるブロックに阻まれ、5-7とされる。日本は何度もリバウンドを拾い、相手のミスを誘って10-10とした。その後、10-12でリードされてテクニカルタイムアウトを迎える。関菜々己選手のナイスディグから小島満菜美選手が古賀紗理那選手へのトスを出すと、古賀選手が決めきり12-13と反撃ムードが高まる。横田選手がブロックを止め、14-14と同点へ追いつく。一時逆転するも16-18とされた場面で日本がタイムアウトを要求。セッターを松井珠己選手に交代するも、連続失点を止めることができず、16-22と終盤に大きく離されてしまう。リリーフサーバーの佐藤淑乃選手がサーブポイントを奪うも、このセットを19-25で落とす。
【第2セット】
このセットはセッターを松井選手でスタートする。林選手、古賀選手のスパイクが決まり序盤は互角の戦いが続く。島村春世選手のサーブポイントで8-6とし、相手ミスもあり9-6とリードを奪う。井上愛里沙選手のブロックで11-7、横田選手のダイレクトスパイクで12-7とリードしテクニカルタイムを迎える。その後、古賀選手のブロック、スパイクで15-8とリードを奪ったところで、中国がタイムアウトを要求。小島選手からの正確なサーブレシーブに、松井選手がスパイカーを操る。18-9と大きくリードを奪うも気を緩めることなく、理想的な試合展開となる。
23-15から石川真佑選手がリリーフサーバーで起用され、相手の強烈なスパイクをナイスディグし、それを井上選手が決め24-15。最後も井上選手が決め、25-16とセットを奪い返した。
【第3セット】
横田選手の速攻に始まり、井上選手のサーブポイント、林選手と古賀選手のスパイクで4-1。サーブレシーブも安定し、松井選手が変幻自在のトスワークを見せる。日本のペースで試合が進み8-4とするも、中国も徐々に日本へ襲い掛かってくる。12-9でテクニカルタイムアウトを迎えるが13-12と1点差まで追いつかれ、15-15とついには同点とされてしまう。しかし、勢いは完全に渡さない。16-16、17-17、18-18と均衡した試合が続いたが、日本が連続ポイントで20-18とすると中国がタイムアウト。島村選手のブロード攻撃で22-19とし、22-21まで追いつかれるも井上選手が踏ん張り23-21。松井選手のサーブポイントで24-21とセットポイントを奪う。中国の粘りにあうも、最後は井上選手が決めきり25-23の接戦でこのセットを奪った。
【第4セット】
松井選手が強弱をつけたサーブで相手陣営を崩し、4-0と幸先のいいスタートを切ったところで早くも中国はタイムアウトを要求。古賀選手のブロックが飛び出し7-2とリードし、その後も古賀選手がスパイク、ブロックにと得点し10-2と大きくリード。12-4でテクニカルタイムアウトを最高の形で迎えた。横田選手も見事なブロックを見せ、林選手も相手ブロックをはじくスパイクで持ち味を発揮する。井上選手もサーブポイントを奪い18-7。中国のミスも重なり、23-8と勝利まであと2点と迫った。最後は中国のサーブが日本のエンドラインを越え、25-12でこのセットを奪い、セットカウント3-1で勝利し開幕から8連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
1セット目は中国にサーブで押されていたので、2セット目はサーブで崩す戦術にした。(具体的には)1セット目はショートサーブを使ったが、2セット目はエンドラインを狙う強いサーブに切り替えた。また、3セット目の終盤の競り合いを取ったのが大きい。選手に非常にまとまりがあり、チームらしくなってきたと思う。
井上愛理沙選手
チームとしていいもの(プレー)がどんどん出てきていることが、勝利に繋がっていると思う。連勝中なので勝ち負けにこだわるということはもちろんあるが、フィリピン大会では修正点もたくさん見つかったので、そこを修正してカナダ大会では戦いたい。(高さのある中国に対し)最初はリバウンドを取ろうと考えていたが、それもブロックされることが多かったので、「もっと上に打たなければ」と感じたので、2セット目はそこを意識した。また、トスのテンポを速くしてもらうことで、相手のブロックが揃う前にアタックを打てるようにしてもらった。カナダ大会では高さのあるヨーロッパのチームとの試合がある。これまでのように調子のよいサーブで相手を崩して、ブロックディフェンスから得点する、という自分たちの強みを全面に出せるように準備したい。
横田真未選手
最初は中国の高さに対して(日本の攻撃が)被ブロックとなってしまうなど流れが掴めなかったが、2セット目を取れたことが今日のキーポイントだった。今日はミーティングの時に、自分は中国のミドルブロッカーとマッチアップしていく、ということを決めていて、それを1セット目で出せたのがよかった。(カナダ大会では)もう1つギアを上げて、チーム全員で戦っていきたい。
松井珠己選手
(第1セット途中からの出場について)1セット目の初めから被ブロックが多かった。被ブロックが多くならないようにどうトスを上げるのかを考えながら試合に入った。開幕8連勝でチームの雰囲気はとてもよく、試合に出ている選手も出ていない選手も関係なくコミュニケーションを図りながら戦うことができている。連勝しているが気を抜くことなく、1戦1戦が勝負だと思って、自分が出るチャンスがあればしっかりと自分のパフォーマンスを発揮したい。
6月17日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
タイ
0
22
16
14
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
初戦の韓国以来のアジア勢との対戦。タイもここまで4勝2敗と好調であり、これまでの対戦相手とは違うバレースタイルへどう対応するかが大きな鍵となる。その序盤、井上愛里沙選手や林琴奈選手の攻撃で得点するも、タイも素晴らしいレシーブからのコンビネーションバレーを組み立ててくる。序盤は7-9と日本は苦戦を強いられる展開となる。突破口を開こうと関菜々巳選手は横田真未選手、島村春世選手へとボールを託し、ミドル陣もそれに応える。しかし、2点差が詰まらずに10-12とテクニカルタイムアウトを迎える。11-14となったところで日本はタイムアウトを要求する。ここから井上選手が踏ん張り15-15とようやく同点へ追いついた。互いにブロックとディフェンスの持ち味を生かし一進一退の攻防が続くが、タイに17-20と一歩リードを奪われる。古賀が踏ん張り18-20の場面からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が相手ディフェンスを崩すサーブで一気に23-20とし、古賀選手のブロックで24-20とセットポイントを握った。2点差まで迫られたが、最後は全員で粘り25点目をもぎ取って、25-22で大事な第1セットを奪った。
【第2セット】
序盤は互いの持ち味であるレシーブ力が発揮され、長いラリーが続く攻防となるが日本が井上選手、古賀選手で制し8-4とリードを奪う。この場面でタイはタイムアウトを早くも要求する。その後、互いに得点を重ね、横田選手のスパイクで12-9としたところでテクニカルタイムアウトを迎えた。古賀選手の連続スパイクで14-9とし、タイもコンビネーションバレーを組み立て必死の反撃を試みるものの、日本は崩れることなく、島村選手のブロード攻撃、井上選手や古賀選手のスパイクで19-12と優位に試合を進めていく。タイのミスもあり22-14とした日本。最後は古賀選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで25-16とし、セットを連取した。
【第3セット】
まずは林選手のスパイクで幸先よく先取点を上げる。林選手はブロックでも得点し3-1とリードを広げる。ブロックとレシーブの関係も良好で日本のペースで進み、6-3と良い流れで試合が進む。横田選手のブロックで9-5とし、このセットでの打数が増えた林選手はレフト、ライトから攻撃を決めていき、12-7でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、セッター関選手はボールを散らし、相手のブロック陣営に的を絞らせないトスワークを見せる。一回で決められなくとも、小島満菜美選手を中心に粘り強く拾い続け、得点へ結びつけていく。17-10でタイがタイムアウトを要求するも日本はリズムを崩すことなく19-11と大きくリードを奪う。変化をつけた攻撃で得点を重ねていく日本は安定した試合運びでこのセットを25-14で奪い、セットカウント3-0のストレート勝ちを収め開幕7連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりはタイの速い攻撃にやられてしまった。また、サーブが正面に行っていた。7連勝は予想外。代表に入って初めての選手は勢いに乗っており、キャプテンの古賀(紗理那)選手を中心にはつらつとしている。明日の中国戦、我々は胸を借りるつもりで、積極的に攻めていきたい。
キャプテン・古賀紗理那選手
タイはオフェンスの速いチームで最初は対応するのに時間がかかったが、しっかり修正して私たちのリズムで試合ができたのでよかった。(個人の出来は)オフェンスの部分では失点が増えてきている印象なので、失点をしないようにと意識している。ディフェンスも失点が多いので明後日の試合に向けて修正したい。中国は本当に高さのあるチームだが、しっかりサーブで崩して、自分たちのテンポでプレーができるように、チーム全体で準備して戦いたい。
林琴奈選手
前半はレシーブが上がっていなかったが、後半はしっかり上げて、攻撃に繋げられていたので良かった。(1セット目と2セット目で大きく変わった要因は)ディグを自分たちのコート上に上げることを意識した。中国は背の高いチームなのでブロックフォローをして、スパイクも工夫し、全員で勝てるように頑張りたい。
関菜々巳選手
勢いのあるタイを相手に序盤はブレイクできない場面が多かったが、徐々に修正することができたので、そこはよかった。チームはすごくいい雰囲気でプレーできている。途中交代で入った選手も力を発揮してくれて、チーム全体で戦うことができている。
石川真佑選手
(途中から入ることについて)自分のサーブをしっかりと打つことはもちろんだが、入ったところでチームの流れを少しでも変えたいと思い、サーブを打っている。明日はアジアの強豪チームが相手だが、今日のように自分たちの流れを作りたいし、自分が出る時は少しでも流れを作れるよう、強い気持ちを持って試合に入りたい。
6月16日 日本×ブルガリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ブルガリア
0
20
16
23
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会初戦のポーランド戦から、スターティングメンバーに内瀬戸真実選手、リベロに山岸あかね選手を起用して臨んだ一戦。立ち上がりはブルガリアの粘りある守りと、高さのあるスパイクとブロックに苦しむも、古賀紗理那選手、内瀬戸選手が応戦する日本。ブルガリアは高さのあるブロックとスパイクが機能し、優位に試合を展開する。9-12でテクニカルタイムアウトを迎え、井上愛里沙選手、内瀬戸選手がスパイクを決めるも14-17と劣勢のまま試合が進む。17-19の場面でリリーフサーバーとして起用された佐藤淑乃選手がサービスエースを奪い18-19。ここでブルガリアはタイムアウトを要求。その後古賀選手の活躍で20-19と逆転に成功する。そして、21-20からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が2本連続のサービスエースを決め23-20とすると、島村春世選手の見事なブロックで24-20とし、最後は古賀選手のスパイクが決まり、終盤5連続得点を奪った日本は25-20でこのセットを逆転で制した。
【第2セット】
序盤はブルガリアの高さのある攻撃に苦戦を強いられるが、内瀬戸選手、井上選手、古賀選手のスパイクが機能し、流れをブルガリアには完全に渡さない。山岸選手のナイスディグから古賀選手のバックアタックも決まり、徐々に日本がペースを掴む中、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、確実に点を積み重ね15-11とリードを広げていく。相手ミスにも助けられ17-13となった場面で、ブルガリアがタイムアウトを要求。その後も島村選手のブロック、ブロード攻撃、井上選手のスパイクで23-15とリードを奪う。ここでリリーフサーバーとして起用された宮下遥選手のナイスディグから得点へ結びつけ、24-15とセットポイントとする。最後は宮下選手からのトスを内瀬戸選手が見事なブロックアウトを決め、25-16で2セットを連取した。
【第3セット】
このセットは小川愛里奈選手をスタートから起用。序盤は点の奪い合いで試合が進む。内瀬戸選手が素晴らしいディグを見せ得点へと繋げ、日本らしい粘りをみせて7-5とし、関菜々巳選手と小川選手のコンビでも得点を奪う。一本目で決められない場面であっても山岸選手を中心としたディグで主導権は日本が握り、12-9でテクニカルタイムを迎える理想的な展開となる。その後も関選手が相手に的を絞らせないトスワークを見せ、15-10とリードを奪い終盤を迎える。しかし、ブルガリアの高さのあるブロックに苦しみ18-16と追い上げれられた場面で日本がタイムアウトを要求。ここからお互いにサイドアウトを続けた末に24-21とマッチポイントを奪う。ブルガリアの反撃で24-23とされるが、最後は相手のミスを誘い25-23とした日本はセットカウント3-0のストレート勝ちを収め、開幕6連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は立ち上がりが良くなかった。中盤から終盤にかけてディフェンス、サーブが良くなった。(日本は)若い選手が多く、勢いがある。明日からは好調のタイ、そして中国と対戦するので、まずは明日に集中したい。
山岸あかね選手
各セットの出だしが良くなかったのが反省点。中盤にかけては、自分たちのいいリズムで攻撃ができていたのが良かった。
(久しぶりの国際大会かつ今大会初出場で)試合に入るまでは緊張したが、始まったら集中してプレーすることができた。
明日対戦するタイは速いテンポで攻撃してくるので、難しい試合になると思うが、自分たちの勢いや速いテンポの攻撃を出して勝てるように頑張りたい。
内瀬戸真実選手
1セット目は自分たちのリズムが掴めなかったが、終盤から速い攻撃やアタックが通用し始めたことが勝ちに繋がった。
(2セット目から大きく変わったのは)1セット目はバタバタしていたので、2セット目は1本目(のパス)で時間を作り、そこから速い攻撃に展開するということを意識した。
明日のタイ戦は難しい試合になると思うが、全員で頑張っていきたい。自分も攻撃参加をしっかりできるようにしたい。
6月14日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ポーランド
0
21
21
21
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会を4連勝しフィリピン大会へ臨む日本代表。日本代表初選出となる横田真未選手をスターティングメンバーに起用し、高さのあるポーランドとの一戦に臨んだ。
序盤、井上愛里沙選手・古賀紗理那選手の両エースが得点し、横田選手がクイック、そしてサービスエースを奪い6-1とすると、ポーランドは早くもタイムアウトを要求する。林琴奈選手もライトから速い攻撃を決めて、日本のペースで試合が進む。島村春世選手もブロード攻撃を決め、関菜々巳選手のトスワークからスパイカー陣が期待に応える。井上選手が連続得点をあげ、12-5でテクニカルタイムアウトを迎える。
中盤、林選手のサービスエース、古賀選手のブロックで17-9とリードを奪い、その後も井上選手が相手のブロックを利用した上手さのあるスパイクを見せる。終盤、連続失点を許し23-20となったところで日本がタイムアウトを要求。この苦しい状況で横田選手がクイックをしっかり決めて流れを止め、24-20とする。最後は島村選手のクイックが決まり、25-21で第1セットを奪った。
【第2セット】
先制点はラリーが続く中、古賀選手のバックアタックで奪った。難しい態勢から関選手が見事なトスを上げ、林選手がライトからの攻撃を決める。島村選手が続くも、ポーランドがミドルの攻撃を増やし日本の守備陣営を崩してくる。林選手の粘り強いディグから井上選手のブロックが飛び出すと、一進一退の攻防から日本が一歩リードし12-9でテクニカルタイムを迎え、日本にとって理想な試合展開となる。
ポーランドも高さのあるブロックでワンタッチを確実に奪い、日本へプレッシャーをかけてくる。15-17とリードを許す展開になるが、古賀選手の活躍で19-17と逆転に成功する。小島満菜美選手の素晴らしいディグから得点に結びつけ、確実に点数を重ね25-21でこのセットも奪った。
【第3セット】
林選手のスパイクで序盤のリズムを作り相手のミスを誘う。島村選手のブロード攻撃も冴えた。9-6とリードし優位に試合を進め、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手のブロックで14-9とリードを奪い、小島選手はコートに落ちそうなボールに飛び込んで拾い、得点へとつなぐ。ポーランドは選手交代を駆使し5連続得点をあげ、18-16まで追い上げてくる。ここで古賀選手が嫌な流れを止めるスパイクを相手コートに叩きつける。その後も関選手の見事なトスワークからスパイカー陣が得点を重ね、最後は古賀選手のブロックでこのセットも25-21で奪い、ストレートで勝利を収め開幕5連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は選手がよく集中していた。
ミドルブロッカーの2人(横田真未選手、島村春世選手)がよかった。その2人に対し、セッターの関(菜々巳選手)がブロックの空いているスペースを探していいトスを上げていた。(初出場・初先発の)横田は少し緊張していたが、ブロックもよかったし、クイックも思うように決まっていた。
明後日対戦するブルガリアは、高さのあるチーム。我々のスピードを上げていきたい。
井上愛里沙選手
この大会で勝つために、サーブと「12点目を先に取る」ことを意識してやっている。今日もミスはあったもののサーブは効いていたし、12点先行もできていたので、それが勝因だったと思う。
自分の仕事は点数を取ることなので、どんな相手にも怯まずに打っていくことを考えており、今日はそれができていた。ただ、ディフェンスの面などでまだ課題が残る試合だったので、次の試合に向けて修正していきたい。
連勝しているが自分たちのやるべきことのレベルを上げていくこと。毎試合違うメンバーが出ているが、どの選手が出ても勝ち切れるチームを作っていきたい。
林琴奈選手
(試合ではディフェンスでいい場面を作っていた)オフェンスで機能できなかったので、ディフェンスだけでもしっかり頑張ろうと思って臨んだ。
次も全員で勝ち切れるように、まずは目の前の試合に集中したい。
横田真未選手
ポーランドは攻撃力のあるチームなので、サーブで攻めてブロックディフェンスで日本のリズムを作っていこうと話しており、それがスタートからできた。
チームとして準備してきた相手の対策を自分の中に落とし込み、やるべきことをやりきろうと考えて試合に臨んだ。チームの共通理解があるので、練習でも誰が出てもいいように準備しており、それが出せたと思う。
ポーランドは高さがあるチームなので、攻撃面では速いクイックや早打ちで相手の隙間を抜くことを、ブロックでは上に(手を)出しても触れないボールが多いので、前に(手を)出してディガーと連動できるように意識した。リベロから積極的な声掛けがあり、ラリーの中でもブロックポジションの修正箇所を伝えてくれた。
チーム全員の力が必要だと思うので、一人ひとりが生きるチームになれるように、さらなる連勝を目指して頑張りたい。
6月5日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
アメリカ
0
22
20
20
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
現在FIVB世界ランキング1位のアメリカとの対戦。このネーションズリーグでも優勝候補の一角にあり、新生日本代表にとっては試金石の一戦でもある。強化してきたサーブで相手を崩し勝機を見出していきたい。
スタートはドミニカ戦で良い形を作りだしたメンバーで構成した。
序盤、島村春世選手のブロックとスパイクで3-3と互角のスタートを切った。井上愛里沙選手のブロック、そしてスパイクで5-3とリードする。その後、攻めのサーブから相手を崩し、林琴奈選手の素晴らしいディグから井上選手やキャプテンの古賀紗理那選手らが決めて、9-7とリードを奪う。しかし、アメリカは高いブロックの組織力で日本の攻撃を封じにかかり、テクニカルタイムアウトは一進一退の攻防の末に12-11で迎えた。日本はアグレッシブなレシーブから攻撃を仕掛け15-12とリードを奪うも、アメリカも反撃に出てくる。
中盤は17-17と追いつかれるも井上選手が踏ん張り18-17とすると、小川愛里奈選手のサービスエースで19-17とし、続いて関菜々己選手のサービスエースもあり21-19。2点リードで終盤へ突入し古賀選手のスパイクで23-20とするも アメリカも日本のお株を奪う素晴らしいディグからの攻撃でスコアは23-22となる。この苦しい場面で井上選手がバックアタックを決め24-22。最後は長いラリーの末にアメリカのタッチネットでポイントは日本へ。25-22でこのセットを奪う。
【第2セット】
先手を奪いたい日本は林選手、井上選手のスパイクで得点し、順調な滑り出しを見せて4-3とリードを奪う。関選手のトスワークから小川選手の見事なブロード攻撃を演出し、リズムを掴む日本。互いに点を取り合う白熱した試合となり、12-10でテクニカルタイムアウトを迎える。理想的な展開とした日本は、粘り強い我慢のバレーを続けて14-12と2点差をキープ。
16-12とした場面でアメリカはタイムアウトを要求。ここからアメリカの反撃があり16-14と2点差まで追いつめられるも、古賀選手のスパイク、小川選手のサービスエースで18-14と4点差とした。
高いブロックに跳ね返されても全員でブロックフォローを重ね、粘り強く戦う日本。林選手はレフト、ライトからスパイクをきっちりと決める。終盤23-20からは全員で必死にボールをつなぎ、古賀選手のスパイクで24-20とした日本は最後も古賀選手の1枚ブロックが決まり、このセットも25-20で奪う。
【第3セット】
島村選手の速攻で得点をあげた日本は順調なスタートを切った。しかし、アメリカも日本に負けず劣らずのレシーブ力と高い攻撃力で日本に襲い掛かってくる。それでも日本は小島満菜美選手を中心としたディフェンスから崩れることなく、10-7とリードを奪う。そして、テクニカルタイムアウトを12-8の4点差で迎えた。その後も着実に得点を重ねる日本は井上選手のサービスエースで18-12と6点差をつけたところで、アメリカがタイムアウトを要求した。勢いづいた日本は相手のミスを誘うなどして20-13と終盤大きくリードした。油断したわけではないが21-16と猛追された日本はタイムアウトを要求。連続ブロックに遭い23-19とされるも、アメリカのサーブミスに助けられ24-19。最後は井上選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで得点し、25-20でこのセットも奪いストレートで勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカチームとの試合。特に今日はショートサーブ、あとはブロックもそうだが、ディフェンスが良かった。これまで練習してきたことができた。アメリカのブロックにやられるケースが少なかったのでそれも勝因の一つかと思う。アメリカ大会で4連勝できて、若い選手が多いだけに勢いがあるので、この勢いを次のフィリピン大会にに持って行きたいと思う。
キャプテン・古賀紗理那選手
世界ランキング1位の強豪国と当たるということで、最初からサーブを攻めていこうという話をして、しっかりと先行した展開で3セット勝つことができて良かった。小さいチームなので組織的な戦術や動きで勝つ必要がある中、少しずつではあるがチームが成長していることがこの結果に繋がっていると思う。第1週は(相手に)対策されずにしっかり勝つことができたが、次からは対策された中での戦いになる。私たちも工夫しながら得点を取っていけるように頑張っていきたい。
井上愛里沙選手
今日は出だしからサーブが効いていた。世界ランキング1位のアメリカに対して、自分たちがどれだけチャレンジできるかというところで、最初から最後まで攻め続けることができたのは良かった。マッチアップしたのがVリーグでも対戦した(元JTマーヴェラスの)ドルーズ アンドレア選手だったので、(Vリーグでの対戦を)試合前にイメージをした。アメリカはどこを抜いてもディフェンスがとてもいいので、なんとかブロックを利用して打ちたいと思った。ブロックについては、もう少しで止まるというボールが多かったのでそこは修正点。この勢いをフィリピン大会にもぶつけていけるよう、全員でいい準備をして、誰が出てもしっかり勝てるチームにしていきたい。
関菜々巳選手
昨日(ドミニカ共和国戦)の試合が初めてのスタメン出場でとても緊張したので、今日は昨日よりも落ち着いて(試合に)入ることができた。まだ課題はたくさんあるが、コートの中でコミュニケーションを取って、今できることを出し切れたと思う。サーブで攻めることができたのが一番の勝因。予選ラウンド第1週では4連勝といういいスタートが切れた。この勢いをフィリピン大会でも出せるよう、休息期間中にチーム全体で課題を修正し、もっと強くなった日本代表をお見せしたい。
6月4日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
20
25
25
ドミニカ共和国
1
17
25
21
10
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 1 | 27 | 26 | 25 | 14 | |
ブラジル | 3 | 29 | 28 | 20 | 25 |
【戦評】
【第1セット】
予選ラウンドを5位で終えた日本は準々決勝へ進み、同2位のブラジルとの対戦。
序盤は古賀紗理那選手、林琴奈選手のスパイク得点により互角のスタートとなったが、ブラジルのサービスエースで3-5とリードされる。しかし、相手のミスもあり7-7の同点に追いつき、山田二千華選手のブロード攻撃で8-8。そして、その山田選手のブロックで9-8と逆転する。日本は12-9とリードを奪ってテクニカルタイムアウトを迎えた。セッター関菜々巳選手が山田選手の速攻を生かすトスワークも見せ、リズムを掴む。古賀選手のスパイクで16-12とすると、井上愛里沙選手のサービスエースで17-12としたところでブラジルがタイムアウトを要求する。ミスが続くブラジルを突き放したい日本は18-12とリード。19-14からは全員で守り、長いラリーを制して20-14。しかし、徐々にブラジルが迫ってきた21-17のタイミングで、日本はタイムアウトを要求。その後、ブラジルのブロックに捕まり21-20と1点差まで詰め寄られ、とうとう同点に追いつかれてしまう。流れを変えたい日本は小川愛里奈選手を投入、また古賀選手が踏ん張り22-21とピンチをしのいだ。その後は両者の攻防が続き23-23から27-27まで1点毎にデュースが続く展開となるが、最後はブラジルのブロックに阻まれ27-29で惜しくもセットを落とす。
【第2セット】
このセットは松井珠己選手と小川選手をスタートから起用する。林選手がライトから強烈なスパイク、またサーブに回るとサービスエースの活躍で3-2とした日本は、小川選手のブロックも飛び出し、4-2とリードする。その後、松井選手のツー攻撃もあり7-4でリードを奪ったところで早くもブラジルがタイムアウトを要求する。島村春世選手の攻撃が決まり8-4とするも、ブラジルも譲らずに8-6のスコア。抜け出したい日本は佐藤淑乃選手を前衛から起用すると、レフトから豪快なスパイクを決める。島村選手のブロード攻撃で12-9のリードでテクニカルタイムアウトを迎えた。小川選手がサーブで崩して島村選手が押し込み15-12とするも、ミスが出て15-15と同点に追いつかれ、ここでもブラジルのブロックに阻まれて15-16とされたところで、日本はタイムアウト。古賀選手がうまく相手コートに押し込み16-16。両者ともに1点ずつを取り合う展開で、18-18と試合は中盤から終盤へ向かうが、ブラジルに押されて18-21とする。林選手のスパイクや、全員で粘って20-21と追い上げる。そして、松井選手のダイレクトスパイクで21-21と同点とするも逆転まではできず、24-25と劣勢は続くが、25-25と粘る日本は古賀選手の見事なブロックで26-25と逆転に成功する。しかし、粘りはしたものの最後はブラジルを捕らえることができずに3連続得点を許し、26-28とまたしてもデュースの末にセットを落としてしまう。
【第3セット】
佐藤選手が開幕戦以来のスタートから出場となったこのセット。ブラジルのサーブから始まり長いラリーの末に古賀選手がバックローを相手コートへ突き刺す。島村選手のサービスエース、林選手のフェイント攻撃で3-0と幸先の良いスタートを切る。しかし、あっという間に3-3と追いつかれる展開となってしまう。小島満菜美選手の素晴らしいディグから松井選手の意表をつくツー攻撃で6-5、そして小川選手の見事なブロックで7-5とリードしたところでブラジルがタイムアウトを要求した。ここからブラジルが2点を連取して7-7となる。だが日本も負けてはいない。粘りに粘り古賀選手のスパイクを生み出して9-7とし、島村選手の見事なブロックで10-7とリードを奪う。そして、12-10とこのセットも先に12点を奪う展開となる。全員でブラジルの攻撃から守り、佐藤選手が決めて15-11。林選手も続き16-11とリードを奪う。18-14とリードして終盤を迎えるが、19-18まで追い上げられ日本はタイムアウトを要求。ここで石川真佑選手を起用し終盤の逃げ切りを図る。20-20とされるも、石川選手がライトから渾身のスパイクを決め21-20とし、その石川選手はサーブで相手を崩して林選手のスパイクへとつなげ22-20とした。ブラジルはタイムアウトを要求するも、すぐさま石川選手がサービスを決め23-20とする。石川選手は24、25点目も圧巻のサービスエースを奪い、25-20で逃げ切った日本は1セットを奪い返した。
【第4セット】
石川選手をスタートから起用した第4セット。その石川選手からのサーブで始まり序盤は佐藤選手のスパイク、林選手のスパイクで互角のスタートとなった。しかし、ブラジルの素晴らしいディフェンスからのオフェンスで3-6とリードを奪われる苦しい展開となってしまう。石川選手や林選手らも踏ん張るものの得点を広げられ5-10とされてしまい、このセットは7-12でテクニカルタイムアウトを迎える展開に。厳しい展開が続き、8-14と大きくリードを許してしまう。その後もブラジルの勢いは止めることができず、10-18と点差は縮まらないが、佐藤選手、石川選手らはスパイクを打ち切り13-19と反撃を見せる。しかし、ブラジルの集中力は凄まじく13-24とマッチポイントを奪われ、最後はブラジルの速攻が決まり14-25。セットカウント1-3で敗れた日本は準決勝進出を逃した。
【コメント】
眞鍋政義監督
最初は決勝トーナメントにいくというのが目標だった。8連勝して目標を達成できたので次はベスト4にいこう、と修正したが、最終的に今日ブラジルに負けてしまった。特に第1、第2セットは勝っていたが、終盤、勝負弱く連続失点してしまった。そこがベスト8とベスト4の大きな壁だと思う。今日の敗戦を一人ひとりが反省して、次の世界選手権に向けて強化していきたい。
キャプテン・古賀紗理那選手
今日からファイナルラウンドということで、チームとしてオフェンスの精度を高めることとスピードを意識した。試合の入りは良かったが、後半少しずつ被ブロックが増えてきたのが今日の敗因だと思う。(ブラジルは)ファイナルラウンドという舞台で勝負強さを発揮してきたと感じた。今年の一番の目標は世界選手権である。最後は個人でスパイクを打つが、チームとして勝つ、ということをもう少し深められる、とこの大会を通して感じたので、一人が決めるのではなく、それぞれが互いを生かしあいながら点を取れるチームにしていきたい。
松井珠己選手
課題が多く見つかった大会で、収穫もあったがそれよりも自分の足りない部分がたくさん見えたので、今後に生かせるように頑張りたい。(ブラジルには)プレーもそうだが気迫で圧倒される部分もあり、日本もそのようなプレーをしていかなければ世界には勝てないと思った。自分が(それを)チームに浸透させるぐらい、先陣を切って実行していきたい。
佐藤淑乃選手
(今日は)途中からの出場だったが、自分のプレーでチームに勢いをつけて雰囲気を良くすることを意識して試合に臨んだ。今回が初めての世界大会だが、(対戦相手は)ブロックの高さや、レシーブ、ディフェンスの粘りなど、勢いがあったという印象。大会を通してキャプテンの(古賀)紗理那さんの安定感は自分にとって多くの学びがあった。自分も海外勢との対戦で学んだことをこれから練習で実践していきたい。世界選手権では、相手はネーションズリーグよりもさらに全力で向かってくると思うので、まずは気持ちで負けずに取り組む。自分の技術も磨き、被ブロックが多いと言われているのでそれまでに減らせるよう、練習していきたい。
7月3日 日本×ベルギー 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
8勝4敗
2
16
25
19
25
10
ベルギー
4勝8敗
3
25
18
25
11
15
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
予選ラウンド最終日のベルギー戦。ファイナルラウンドへつなげる意味でもこの1戦は重要な試合となる。日本はこれまでとはポジションを入替えて臨んだ。
序盤はラリーの応酬となった。ベルギーがラリーを制することが多くリードを許す展開となる中、林琴奈選手がレフト、ライトからスパイクを決めていく。井上愛里沙選手もバックアタックで得点するも5-8と追う展開を強いられた。ここで濵松明日香選手のブロードが決まると林選手も続き、7-8と追い上げ態勢へと入った。だが、ベルギーもそう簡単には日本へリズムを渡してくれず、10-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。ここから島村春世選手がブロックワンタッチをしっかりと取り12-12の同点に追い付いたが、ベルギーのブロックディフェンスを前に日本は連続失点を喫して12-15と劣勢が続いた。挽回の糸口を掴みたい日本は古賀紗理那選手にボールを集め、古賀選手もその期待に応えるものの得点は15-21。相手リズムのまま試合が進み、16-25でこのセットを奪われた。
【第2セット】
日本はお株を奪うかのようにレシーブで粘りを見せるベルギーのリズムを崩そうと、序盤から全員で攻めていき3-1といい入りをした。林選手のナイスディグから古賀選手がスパイクを決め6-4。両チームの持ち味が出る中、日本は島村選手のブロード攻撃、林選手の切れのあるスパイクで得点するも、徐々にベルギーのペースとなっていき11-15とリードを許した。ここでセッター・関菜々巳選手に代えて松井珠己選手を投入すると、3連続得点を奪い14-15と反撃の狼煙を上げた。さらに15-15の同点に追い付くと、相手ミスで16-15の逆転に成功した。その後も井上選手のスパイクなどで得点した日本は、19-16と流れを引き寄せた。20-17からはリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が相手陣営を崩し3連続得点を奪い23-17。最後は小島満菜美選手の好ディグから古賀が決めて、25-18でセットを奪い返した。
【第3セット】
勢いそのままに序盤を乗り切りたい日本は古賀選手のスパイクなどで4-3とまずまずの入りを見せた。一時悪い流れになりかけたが、島村がそれを断ち切るスパイクを決めた。しかし、その後はベルギーのリズムで試合が進み7-12とベルギーにリードを許してテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手、古賀選手が奮起するも得点は9-14と劣勢が続いた。流れを変えようと内瀬戸真実選手をコートへ送り出し13-16まで追い上げたが、形勢逆転とまではいかず、19-24とセットポイントを握られると、そのまま押し切られ19-25でセットを奪われた。
【第4セット】
このままで終われない日本は相手ミスで先制し、林選手のスパイクで2-0とすると、このセットのスタートからコートに入った内瀬戸選手のサービスエースで5-1とリードを奪った。互いに点を奪い合う中、8-4とした日本は古賀選手のサービスエースで10-4とゲームの流れを引き寄せ、12-6でテクニカルタイムアウトを迎えた。古賀選手のバックアタックも炸裂し14-6と大きくリード奪った日本。松井選手のサービスエースもあり16-6とさらにリードを広げた。攻撃の手を緩めない日本は林選手のダイレクトスパイクで19-7とし、安定した試合運びでこのセットを25-11で取り返し、フルセットに持ち込んだ。
【第5セット】
最終セットは立ち上がりの入り方が勝敗の分かれ目ともなる。そうした状況でセッター・松井選手は古賀選手へボールを集めていく。その古賀選手も見事にスパイクを決め4-3とした。一進一退の攻防が続く中、日本は古賀選手を中心とした攻撃を組み立てたが、エースへとボールを集めるベルギーに7-9とリードを許す展開で終盤へと突入した。その後、日本にミスが出て7-11とされるも、林選手が踏ん張り8-11、さらに9-11と2点差とした。しかし、相手に得点を許し10-13と厳しい展開となると、最後も押し切られ10-15。フルセットの末ベルギーに敗れた。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
今週1勝もできていないなかで臨んだ試合だったが、やはり少しずつ噛み合わない部分がたくさん出た。トルコでのファイナルラウンドまでにしっかりと修正し、チームとしての精度をさらに上げるようにしたい。
「チームとして世界を知る」ことをテーマに本大会に入った。最初は8連勝、私たちも自信が付いたが、今週の(カナダ大会での)試合で「そんなに甘くはない」ということを思い知らされた。チームとしてさらに強くなっていくための敗戦だと思っているので、この結果を受け止め、しっかりと切り替えてトルコでのファイナルラウンドに向けて頑張りたい。
7月2日 日本×セルビア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1
25
20
19
22
セルビア
3
22
25
25
25
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
この2戦は高いブロックに苦しめられての敗戦となっているが、本日も高さとパワーのあるセルビアとの対戦であり、いかにして相手ブロックを突破していくかが勝敗の鍵を握る。
スタートから長いラリーとなったが、島村春世選手が速攻を決めて先制する。とにかく粘って勝機を掴み取りたい日本はまたも長いラリーを制し4-3とする。相手の速攻を封じ込めたい日本はサーブで攻め、井上愛里沙選手のサービスエースで8-8とすると、相手のミスもあり9-8と一歩リードする。古賀紗理那選手、林琴奈選手のスパイク、さらには林選手のサービスエースで12点目を奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。小島満菜美選手が相手に1本では決めさせない素晴らしいプレーをみせると、それに井上選手が応えスパイクを決める。
中盤は点の奪い合いが続き15-15。古賀選手は速いバックローを決めていき、林選手もそれに続き18-18。島村選手がサーブで崩し、古賀選手が押し込み20-18とすると、セルビアがタイムアウト。その後、林選手がライトから鋭いスパイクを決め21-18。ここからどう相手の高いブロックを凌いで得点を奪っていくか。21-20まで忍び寄ってくるセルビアに対して古賀選手が決めて22-20とする。しかし、22-22の同点に追いつかれてしまうが、ここで古賀選手がブロック、後衛に下がってもバックアタックを決めて24-22とし、最後は濵松明日香選手がライトから決めて25-22でセットを奪った。
【第2セット】
良い形で第1セットを奪った日本はこのセットも小島選手を中心としたサーブレシーブとディグでリズムを作っていく。島村選手はサーブで得点しチームを盛り上げる。攻撃のリズムはできているがセルビアも負けまいと攻撃を仕掛けてくる。井上選手はスパイク、ブロックにと貢献し、関菜々巳選手からの配球に林選手も応えていく。1点を争う試合展開が序盤から続き8-8、9-9、10-10と両者一歩も譲らない。ここで相手に先に2点を奪われ10-12でテクニカルタイムアウトとなった。離されずに試合を進めたい日本は林選手、島村選手、古賀選手が得点し食い下がる。14-15と1点差に迫るもなかなか追いつけず、15-18と3点差にまで広げられてしまう。流れを引き戻したい日本は関選手に代わり松井珠己選手をサーブから起用した。2点をブレークし19-20と1点差まで詰め寄るも一気に24点まで奪われてしまい、このセットは20⁻25で奪い返されてしまう。
【第3セット】
流れを変えようと石川真佑選手、小川愛里奈選手、松井選手の3枚を入れ替えてスタートした。まずは林選手が相手へうまく押し込むスパイクで得点し先制する。石川選手も豪快なバックスパイクで4-3として、松井選手は相手の意表をつくツーアタックを見せ5-3とリードを奪う。林選手が足で上げるスーパーレシーブを見せて相手ミスを誘い、流れは日本へと傾く。9-5とリードするもののミスが続き10-10とされ、11-12と逆転を許しテクニカルタイムアウトを迎える展開となってしまった。相手へ流れが行きかけた場面で関選手をコートへ戻す。中盤は劣勢な流れとなり15-20。古賀選手が踏ん張り16-20とするも、相手の勢いは止められずに終盤へと突入する。石川選手が得点し19-23とするも、このセットも押し切られ19-25で奪われる。
【第4セット】
後のないこのセットは内瀬戸真実選手、山田二千華選手をスタートに起用した。序盤は林選手の活躍で互角の試合展開となる。サーブで攻めたい日本は石川選手のサービスエースで5-5。そして、島村選手のブロード攻撃も冴える。内瀬戸選手も続き、決して離されずに試合は進み、林選手のブロックポイントで8-7とする。お互いの攻防が続く中、11-12でテクニカルタイムアウトを迎え中盤へと試合が進んでいく。島村選手のブロード攻撃ですぐさま12-12に追いつく。小島選手、石川選手らが相手の強烈なスパイクを必死に上げて15⁻13とすると島村選手がダイレクトで押し込み、16-13としたところでセルビアがタイムアウトを要求する。その後、内瀬戸選手のスパイクなどで点数を上げた日本だったが連続失点を許し、ついには18-19と逆転を喫してしまう。日本は小島選手を中心とした素晴らしいレシーブを披露するも、またしても高いブロックに屈し18-22と苦戦を強いられる展開となってしまう。林選手が意地のスパイクを決め19-22とし、さらには石川選手が連続でスパイクを決めて21-22と追いすがるも、最終的には22-25で奪われ、セットカウント1-3で敗れ通算8勝3敗となった。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
(セルビアは)特に高さがあるチームで、これまで対戦してきたチームの中でもブロックで威圧感を感じる試合だった。(自分たちの)トスが少しゆっくりになっているという話を受け、少しずつでいいのでスピードを上げてスパイクを打とう、コンビネーションを作ろうと話していたが、それを意識しすぎてコンビネーションの精度が落ちていたように思う。
この大会が始まってから自信が付いたし、今週に入ってからはたくさん課題も出た。私たちがきっかけを作って勝てるチームになりたいと思う。ファイナルラウンドに向けて明日の試合はとても大事。しっかり勝ってトルコに行けるように頑張りたい。
島村春世選手
(オランダ、トルコに)2敗している中、ファイナルラウンドに向けて勝ちが欲しいところで、こういう負け方をしてしまったことに対して、悔しい気持ちが強い。(セルビアは)高さがあることは想定内だった。まずは自分たちの攻撃のスピード感を、ミドルブロッカーについては踏み込みのスピートを速くして相手を引き付けること、その後の攻撃では自分のスピードを生かす、ということをもう一度みんなで作り直そうとした。その点ではミドルブロッカーの良さは出せていたが、それを勝ちに繋げられなかった。
あと1試合、持てる力を全て出して、勝ちに行きたい。
林琴奈選手
相手に(テクニカルタイムアウトとなる)12点を先行されることが多く、サイドアウトが取れず苦しい展開だった。昨日(トルコ戦)の反省として被ブロックをなくすことを考えて、リバウンドを取るなどしようとしたが、あまりうまくいかなかったのでもう少し修正したい。
明日は絶対に勝って終わりたい。気持ちを切り替えて、全員で勝ちに行きたい。
関菜々巳選手
コンビネーションの精度が低く、パスが返ってきても決め切れない場面が多く、セッターとしても課題を感じた試合だった。速いバレーにしようとして(トスを)上げ急いでいることが多かったと思う。もう一度基本に立ち返ってやりたいと思う。
カナダに来てから勝てていないが、(明日は予選ラウンド)最終戦で、ファイナルラウンドに向けてとても重要な試合になると思う。どんな状態でも絶対に勝つという気持ちを表に出して、闘争心を持ってやっていきたい。
7月1日 日本×トルコ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1
20
15
25
22
トルコ
3
25
25
18
25
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
オランダ戦では惜しくもフルセットの末に敗れた日本は本日、同じく欧州のトルコとの対戦。
序盤から高さのあるトルコに対してセッター松井珠己選手がミドルを多用し、サイドを生かす展開へと持っていく。井上愛里沙選手・石川真佑選手のスパイク、井上選手・山田二千華選手のサービスエースで序盤は5-5と互角の戦いとなる。5-7と劣勢な場面から濵松明日香選手が見事なブロックを決め6-7と食らいついていく。宮部藍梨選手のサーブをきっかけに9-8と逆転に成功するも先に12点を取られ、10-12でテクニカルタイムを迎えた。その後、石川選手のスパイクで12-12と同点とした日本は宮部選手と山田選手の2枚ブロックで相手へ主導権を渡さず、中盤は1点の攻防が繰り広げられるもトルコの高いブロックが襲い掛かり16-19とされる。なんとか井上選手が踏ん張り17-19とした日本であったが、その後も18-21と劣勢は続く。石川選手のスパイクで対抗するもこのセットは20-25で奪われる。
【第2セット】
セッターを関菜々巳選手へと代え臨んだ第2セット。石川選手のスパイクで得点し宮部選手がブロックを決め、セット序盤は3-3。その後、やや押され気味で試合が進むも、山岸あかね選手の献身的なレシーブもあり食らいついていく日本であったが、流れが徐々に相手のトルコへ。6-13と大量リードを許してしまう。内瀬戸真実選手、島村春世選手、小川愛里奈選手を起用し流れを変えようとするもトルコの勢いを止められず6-17。内瀬戸選手のディグから石川選手が決め、反撃を試みるも、中盤での大量失点が響き点差が縮まらず、終盤には12-20とされてしまう。だが、島村選手は存在感のあるブロード攻撃を決める。このセットも高さとパワーに屈し15-25で奪われてしまう。
【第3セット】
後のない日本は林琴奈選手、そして小島満菜美選手を起用してスタートした。関選手と石川選手が息の合ったバックローを見せ、チームが活気づく。小川選手も高いブロックへ勝負し速攻を決める。林選手のサーブで相手陣営を崩し9-3とリードを奪う。内瀬戸選手は相手の高いブロックを利用してスパイクを決めていく。小島選手のディグからは石川選手が決め11-4と大きくリードする。そして、12点目を日本が奪い、12-5でテクニカルタイムアウトを迎えた。ここからトルコの高いブロックがまたしても襲い掛かり9-12と一気に迫られる。ついには13-13とされ、13-14と逆転まで許してしまう。ここから林選手が踏ん張りを見せ16-15と逆転、そして島村選手の見事なブロックが決まり17-15。ここから長いラリーを制した日本は18-15とする。たまらずにトルコはタイムアウトを要求、いよいよ勝負の終盤へと突入する。全員で拾い、粘り、得点を重ねていく日本は24-18とセットポイントを握った。そして、内瀬戸選手のサービスエースでこのセットを25-18で奪い返した。
【第4セット】
林選手、石川選手が連続でスパイクを決め2-0。そして、小島選手のファインプレーから3-0と良いスタートを切った日本。小川選手もブロード攻撃を決め6-3と序盤は日本ペースで進んだ。しかし、トルコの反撃が始まり6連続失点を喫し6-9とされてしまう。関選手のブロックワンタッチから林選手のバックアタックへつなぎ日本も9-9と追いつく。その後、粘りに粘った日本は12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。1点を争う攻防が続き中盤は15-14。互いに連続得点も失点もないまま18-17と試合は進んでいく。
ここで関選手がサービスエースを奪い19-17とした。しかし、その後はトルコの高さに屈してしまい連続得点を許し、19-20と逆転を喫してしまう。林選手が大車輪の活躍をみせ21-21と同点とするも逆転までは至らず、22-23と終盤の劣勢が続き、22-24のマッチポイントを握られると、最後は日本のスパイクが相手コートを割り22-25で奪われた。セットカウント1-3で敗れた日本は通算8勝2敗となり明日はセルビアとの対戦となる。被ブロックが19本と多く、高さのあるチームと対戦する際の大きな課題が浮き彫りとなった試合でもあった。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりが悪かった。第1、第2セットは全く良くなかった。特に被ブロックが20点くらい(公式記録では19点)あった。これでは話にならない。(明日のセルビア戦に向けて)ヨーロッパ勢は高さがある。そのブロックにやられないようにするのは、最終的にはスパイカー陣の個人技に懸かっている。被ブロックされないようにすること、これに尽きる。
小島満菜美選手
ブロックの高いトルコに対して、リバウンドを取り、そこから何度も粘ってオフェンスに展開していこう、という話をしていた。それができていた時は自分たちにとっていい時間帯が来ていたと思うし、逆にそれが苦しかったり、相手にいい形でボールが返ってしまうと苦しい展開になっていたと思うので、そこをもっと修正していきたい。また、相手の攻撃に対してのブロックディフェンスの精度をもっと上げていきたい。
(明日のセルビア戦に向けて)日本が勝つ上でサーブがすごく大事になってくると思うので、まずはサーブを攻めて相手を崩し、そこから今日の課題であるブロックディフェンスを修正して、何度もオフェンスに展開して得点する、というバレーをしていきたい。
林琴奈選手
入りがあまり良くなかったが、途中からは流れがこちらにきて雰囲気も良くなった。ただ、やはり被ブロックが多いことが課題として残った。この2戦(オランダ、トルコを相手に)負け試合が続いているがしっかり気持ちを切り替え、課題を克服できるように明日も全員で頑張りたい。
関菜々巳選手
一昨日オランダに負けたあと、昨日チームでしっかりとミーティングを行い今日の試合に臨んだが、自分たちのバレーができなかった。相手に何をやられるでもなく、自分たちからミスを出してしまったのが今日の反省点。もっとできることがあったと思う。1本のボールに対してとても淡泊になってしまった。日本の良さは粘りや繋ぎの部分だと思うが、それを発揮することができなかった。
2連敗してしまったので、明日は絶対勝てるよう、誰が出ても強い日本を見せられるように頑張りたい。
6月29日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2
25
20
26
21
10
オランダ
3
23
25
24
25
15
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会、フィリピン大会を終え全勝で迎えたカナダ大会。
高さとパワーのあるオランダとの一戦。スタートには今大会に初めて登録された濵松明日香選手と宮部藍梨選手を起用し、フィリピン大会からは大幅にメンバーを入れ代えて臨んだ。
宮部選手のスパイク、サービスエースや、石川真佑選手の強烈なスパイクで序盤は互角の戦いとなり、山田二千華選手の連続サービスエースで6-4、長いラリーからはキャプテンの古賀紗理那選手が決め切り7-4とリードする。濵松選手も躍動し豪快なスパイクを決めて9-6。1点差まで詰め寄られるが山岸あかね選手、松井珠己選手の素晴らしいディグから古賀選手、石川選手の強烈なスパイクで12-9とし、テクニカルタイムアウトを迎えた。ここからオランダの高い壁が襲い掛かってくるが、決してリードは奪われずに中盤16-14と試合は進む。その後、16-16の同点に追いつかれるも石川選手の素晴らしいディグから古賀選手の強烈なバックアタックで18-16とする。19-17場面では関菜々巳選手がリリーフサーバーで起用され、山田選手が見事なブロックを決め20-17とするとオランダはタイムアウトを要求。また1点差まで追い上げられるも林琴奈選手がサーブで相手を崩し古賀選手が決め23-20とする。しかし、オランダも高さを生かしたブロックとスパイクで23-22と迫ってくる。ここで日本はタイムアウトを要求。松井選手は山田選手の速攻を選択し、山田選手はその期待に応え24-22とし、最後は古賀選手が決めて苦しみながらも25-23でこのセットを奪った。
【第2セット】
古賀選手、宮部選手のバックアタックで幸先よく2点をリードする。それに山田選手も続き3-1。日本らしい粘り強いレシーブからリズムを作り5-1と試合が進む。その後はオランダの高いブロックに苦しむも濵松選手がダイレクトスパイクを決め8-5。山田選手の絶妙なフェイントで10-7と3点差のリードを奪う。石川選手もパワフルなスパイクを決め、2~3点を日本がリードしたまま試合は進み12-9でテクニカルタイムアウトを迎えた。12-11と1点差まで迫られ、ついには13-14と逆転を許してしまう。流れを変えようとセッターを関選手に代えるもオランダは攻撃の手を緩めず13-16と苦戦を強いられる。さらに濵松選手に代えて島村春世選手、宮部選手に代え井上愛里沙選手を起用し流れを引き戻そうとする日本だが17-21と迫り切れない試合展開となる。島村選手、古賀選手が得点するもこのセットはオランダに20-25で奪われた。
【第3セット】
第2セットのスタートから大幅に入れ替えたメンバーで臨んだ第3セット、代わって入った内瀬戸真実選手がまずはスパイクでその期待に応えた。序盤は一進一退の攻防が続くも、8-9とリードを奪うまでには及ばなかったが、井上選手のサービスエースで10-9と逆転に成功する。1点ずつを奪う試合展開となり、12点を先に奪ったのは日本。その後、関選手が相手のバックアタックをブロックし、14-11となったところでオランダはたまらずタイムアウトを要求。難しい態勢から古賀選手が決め15-11とした。小川愛里奈選手も見事なブロード攻撃を決めて16-13とすると井上選手も相手ブロックを利用してスパイクを決め17-13と主導権を握った。島村選手の速攻も冴え19-15とした。オランダもブロックで反撃してくるも21-17とリードをキープしいよいよ終盤へ。ここで相手ブロックにつかまり21-20となったところで日本はタイムアウト。流れが戻らずに21-21とされるも相手ミスに助けられ22-21。ここから1点の攻防となり、先にセットポイントを握られる苦しい展開ではあったが、最後はしのぎ25-23でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
内瀬戸選手の技ありスパイクやこのセットからコートに入った小島満菜美選手のディグから得点へと結びつけ、序盤はお互いに点を取り合う展開が続く。2点リードを許した場面から古賀選手のバックアタックが見事に決まると3連続得点を奪い8-7と逆転に成功する。相手のミスもあり11-8となり、島村選手のクイックで12-8とテクニカルタイムアウトを迎えた。ここから関選手のサービスエースで14-8とすると、勢いそのままに井上選手も続き15-8と7点のリードを奪う。しかし、4連続失点を喫して15-12となるが、井上選手が踏ん張り16-12。しかし、徐々にオランダが忍び寄り、気が付けば17-16と1点差まで詰め寄られる展開となる。ついには18-18の同点とされ試合は振り出しに戻ってしまう。その後も勢いづいたオランダを止めることができずに21-25で失い、ファイナルセットへと突入することとなった。
【第5セット】
嫌な流れを断ち切りたい日本であったが、立ち上がりからオランダに攻め立てられ0-3とリードを奪われる展開となる。古賀選手、林選手のスパイクで反撃するも2-5と劣勢な展開は続く。全員でボールをつなぎ、林選手が連続でスパイクを決め、4-5と反撃の狼煙をあげた。だが、オランダの高い壁が立ち塞がり4-8と劣勢な展開が続く中、古賀選手が踏ん張り6-8とするも得点はなかなか縮まらずに7-9。途中交代の石川選手が決め8-10とするも、またしてもブロック得点を許し9-13。最後はオランダのスパイクが決まり10-15。フルセットの末に負け、今大会初の黒星を喫した。オランダのブロックポイント16点に苦しんだ日本は明日の休養を挟み、明後日は強豪トルコとの対戦となる。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は出足から動きが悪く、ヨーロッパの高いブロックにやられてしまった。相手のハイボールをブロックで止められず、はじかれてしまうという、日本の負けパターンだった。
目標としていたファイナルラウンドに行けることは決まったが、あと3試合ヨーロッパのチームとの対戦が残っているので、今日がいい勉強となった。やはりブロックの部分だと思う。サーブレシーブは変えているが、Aパスからの決定率、効果率があまり良くない。(次戦まで)1日あるので、修正し頑張りたい。
古賀紗理那選手
今日は新しい選手が入り、選手の入れ替えも激しく、先週までであればクイックで切らずにサイドで切っていたところを、クイックにトライするという意識もあったので、明後日以降の試合に繋げていきたい。
次の対戦相手であるトルコは高さがあるチーム。被ブロックの数を少なくして、オフェンスの展開として攻撃の枚数を増やしていかないと苦しい展開が続くと思うので、そこに集中していきたい。
宮部藍梨選手
自分たちが望んでいたような結果で試合を終えることはできなかったが、次への課題もたくさん見えてきたので、気持ちを切り替えてその課題を修正して、いい形で次戦以降の試合に臨みたい。
今日はスパイクを決めることが自分に求められているスキルだったと思うが、それを発揮することできなかったので、限られた時間ではあるが練習でもう一度確認して、次の試合をベストな調子で迎えられるよう頑張りたい。
濵松明日香選手
出だしが悪く、もっと決定打を出せる場面があったのに出せなかったのがすごく悔しい。次の試合ではそこを改善して臨みたい。
今日は相手のスパイクに対してのブロックとディグが悪かったと思うので、その部分をもう一度見直して、自分自身もしっかりトルコ戦に向けて変えて、色々なことに挑戦していけるよう頑張りたい。
6月19日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
19
25
25
25
中国
1
25
16
23
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会最終日は高さのある中国との対戦。林琴奈選手のダイレクトスパイクで日本が先制する。横田真未選手のサーブで相手陣営を崩し4-2とリードするも、中国の高さのあるブロックに阻まれ、5-7とされる。日本は何度もリバウンドを拾い、相手のミスを誘って10-10とした。その後、10-12でリードされてテクニカルタイムアウトを迎える。関菜々己選手のナイスディグから小島満菜美選手が古賀紗理那選手へのトスを出すと、古賀選手が決めきり12-13と反撃ムードが高まる。横田選手がブロックを止め、14-14と同点へ追いつく。一時逆転するも16-18とされた場面で日本がタイムアウトを要求。セッターを松井珠己選手に交代するも、連続失点を止めることができず、16-22と終盤に大きく離されてしまう。リリーフサーバーの佐藤淑乃選手がサーブポイントを奪うも、このセットを19-25で落とす。
【第2セット】
このセットはセッターを松井選手でスタートする。林選手、古賀選手のスパイクが決まり序盤は互角の戦いが続く。島村春世選手のサーブポイントで8-6とし、相手ミスもあり9-6とリードを奪う。井上愛里沙選手のブロックで11-7、横田選手のダイレクトスパイクで12-7とリードしテクニカルタイムを迎える。その後、古賀選手のブロック、スパイクで15-8とリードを奪ったところで、中国がタイムアウトを要求。小島選手からの正確なサーブレシーブに、松井選手がスパイカーを操る。18-9と大きくリードを奪うも気を緩めることなく、理想的な試合展開となる。
23-15から石川真佑選手がリリーフサーバーで起用され、相手の強烈なスパイクをナイスディグし、それを井上選手が決め24-15。最後も井上選手が決め、25-16とセットを奪い返した。
【第3セット】
横田選手の速攻に始まり、井上選手のサーブポイント、林選手と古賀選手のスパイクで4-1。サーブレシーブも安定し、松井選手が変幻自在のトスワークを見せる。日本のペースで試合が進み8-4とするも、中国も徐々に日本へ襲い掛かってくる。12-9でテクニカルタイムアウトを迎えるが13-12と1点差まで追いつかれ、15-15とついには同点とされてしまう。しかし、勢いは完全に渡さない。16-16、17-17、18-18と均衡した試合が続いたが、日本が連続ポイントで20-18とすると中国がタイムアウト。島村選手のブロード攻撃で22-19とし、22-21まで追いつかれるも井上選手が踏ん張り23-21。松井選手のサーブポイントで24-21とセットポイントを奪う。中国の粘りにあうも、最後は井上選手が決めきり25-23の接戦でこのセットを奪った。
【第4セット】
松井選手が強弱をつけたサーブで相手陣営を崩し、4-0と幸先のいいスタートを切ったところで早くも中国はタイムアウトを要求。古賀選手のブロックが飛び出し7-2とリードし、その後も古賀選手がスパイク、ブロックにと得点し10-2と大きくリード。12-4でテクニカルタイムアウトを最高の形で迎えた。横田選手も見事なブロックを見せ、林選手も相手ブロックをはじくスパイクで持ち味を発揮する。井上選手もサーブポイントを奪い18-7。中国のミスも重なり、23-8と勝利まであと2点と迫った。最後は中国のサーブが日本のエンドラインを越え、25-12でこのセットを奪い、セットカウント3-1で勝利し開幕から8連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
1セット目は中国にサーブで押されていたので、2セット目はサーブで崩す戦術にした。(具体的には)1セット目はショートサーブを使ったが、2セット目はエンドラインを狙う強いサーブに切り替えた。また、3セット目の終盤の競り合いを取ったのが大きい。選手に非常にまとまりがあり、チームらしくなってきたと思う。
井上愛理沙選手
チームとしていいもの(プレー)がどんどん出てきていることが、勝利に繋がっていると思う。連勝中なので勝ち負けにこだわるということはもちろんあるが、フィリピン大会では修正点もたくさん見つかったので、そこを修正してカナダ大会では戦いたい。(高さのある中国に対し)最初はリバウンドを取ろうと考えていたが、それもブロックされることが多かったので、「もっと上に打たなければ」と感じたので、2セット目はそこを意識した。また、トスのテンポを速くしてもらうことで、相手のブロックが揃う前にアタックを打てるようにしてもらった。カナダ大会では高さのあるヨーロッパのチームとの試合がある。これまでのように調子のよいサーブで相手を崩して、ブロックディフェンスから得点する、という自分たちの強みを全面に出せるように準備したい。
横田真未選手
最初は中国の高さに対して(日本の攻撃が)被ブロックとなってしまうなど流れが掴めなかったが、2セット目を取れたことが今日のキーポイントだった。今日はミーティングの時に、自分は中国のミドルブロッカーとマッチアップしていく、ということを決めていて、それを1セット目で出せたのがよかった。(カナダ大会では)もう1つギアを上げて、チーム全員で戦っていきたい。
松井珠己選手
(第1セット途中からの出場について)1セット目の初めから被ブロックが多かった。被ブロックが多くならないようにどうトスを上げるのかを考えながら試合に入った。開幕8連勝でチームの雰囲気はとてもよく、試合に出ている選手も出ていない選手も関係なくコミュニケーションを図りながら戦うことができている。連勝しているが気を抜くことなく、1戦1戦が勝負だと思って、自分が出るチャンスがあればしっかりと自分のパフォーマンスを発揮したい。
6月17日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
タイ
0
22
16
14
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
初戦の韓国以来のアジア勢との対戦。タイもここまで4勝2敗と好調であり、これまでの対戦相手とは違うバレースタイルへどう対応するかが大きな鍵となる。その序盤、井上愛里沙選手や林琴奈選手の攻撃で得点するも、タイも素晴らしいレシーブからのコンビネーションバレーを組み立ててくる。序盤は7-9と日本は苦戦を強いられる展開となる。突破口を開こうと関菜々巳選手は横田真未選手、島村春世選手へとボールを託し、ミドル陣もそれに応える。しかし、2点差が詰まらずに10-12とテクニカルタイムアウトを迎える。11-14となったところで日本はタイムアウトを要求する。ここから井上選手が踏ん張り15-15とようやく同点へ追いついた。互いにブロックとディフェンスの持ち味を生かし一進一退の攻防が続くが、タイに17-20と一歩リードを奪われる。古賀が踏ん張り18-20の場面からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が相手ディフェンスを崩すサーブで一気に23-20とし、古賀選手のブロックで24-20とセットポイントを握った。2点差まで迫られたが、最後は全員で粘り25点目をもぎ取って、25-22で大事な第1セットを奪った。
【第2セット】
序盤は互いの持ち味であるレシーブ力が発揮され、長いラリーが続く攻防となるが日本が井上選手、古賀選手で制し8-4とリードを奪う。この場面でタイはタイムアウトを早くも要求する。その後、互いに得点を重ね、横田選手のスパイクで12-9としたところでテクニカルタイムアウトを迎えた。古賀選手の連続スパイクで14-9とし、タイもコンビネーションバレーを組み立て必死の反撃を試みるものの、日本は崩れることなく、島村選手のブロード攻撃、井上選手や古賀選手のスパイクで19-12と優位に試合を進めていく。タイのミスもあり22-14とした日本。最後は古賀選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで25-16とし、セットを連取した。
【第3セット】
まずは林選手のスパイクで幸先よく先取点を上げる。林選手はブロックでも得点し3-1とリードを広げる。ブロックとレシーブの関係も良好で日本のペースで進み、6-3と良い流れで試合が進む。横田選手のブロックで9-5とし、このセットでの打数が増えた林選手はレフト、ライトから攻撃を決めていき、12-7でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、セッター関選手はボールを散らし、相手のブロック陣営に的を絞らせないトスワークを見せる。一回で決められなくとも、小島満菜美選手を中心に粘り強く拾い続け、得点へ結びつけていく。17-10でタイがタイムアウトを要求するも日本はリズムを崩すことなく19-11と大きくリードを奪う。変化をつけた攻撃で得点を重ねていく日本は安定した試合運びでこのセットを25-14で奪い、セットカウント3-0のストレート勝ちを収め開幕7連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりはタイの速い攻撃にやられてしまった。また、サーブが正面に行っていた。7連勝は予想外。代表に入って初めての選手は勢いに乗っており、キャプテンの古賀(紗理那)選手を中心にはつらつとしている。明日の中国戦、我々は胸を借りるつもりで、積極的に攻めていきたい。
キャプテン・古賀紗理那選手
タイはオフェンスの速いチームで最初は対応するのに時間がかかったが、しっかり修正して私たちのリズムで試合ができたのでよかった。(個人の出来は)オフェンスの部分では失点が増えてきている印象なので、失点をしないようにと意識している。ディフェンスも失点が多いので明後日の試合に向けて修正したい。中国は本当に高さのあるチームだが、しっかりサーブで崩して、自分たちのテンポでプレーができるように、チーム全体で準備して戦いたい。
林琴奈選手
前半はレシーブが上がっていなかったが、後半はしっかり上げて、攻撃に繋げられていたので良かった。(1セット目と2セット目で大きく変わった要因は)ディグを自分たちのコート上に上げることを意識した。中国は背の高いチームなのでブロックフォローをして、スパイクも工夫し、全員で勝てるように頑張りたい。
関菜々巳選手
勢いのあるタイを相手に序盤はブレイクできない場面が多かったが、徐々に修正することができたので、そこはよかった。チームはすごくいい雰囲気でプレーできている。途中交代で入った選手も力を発揮してくれて、チーム全体で戦うことができている。
石川真佑選手
(途中から入ることについて)自分のサーブをしっかりと打つことはもちろんだが、入ったところでチームの流れを少しでも変えたいと思い、サーブを打っている。明日はアジアの強豪チームが相手だが、今日のように自分たちの流れを作りたいし、自分が出る時は少しでも流れを作れるよう、強い気持ちを持って試合に入りたい。
6月16日 日本×ブルガリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ブルガリア
0
20
16
23
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会初戦のポーランド戦から、スターティングメンバーに内瀬戸真実選手、リベロに山岸あかね選手を起用して臨んだ一戦。立ち上がりはブルガリアの粘りある守りと、高さのあるスパイクとブロックに苦しむも、古賀紗理那選手、内瀬戸選手が応戦する日本。ブルガリアは高さのあるブロックとスパイクが機能し、優位に試合を展開する。9-12でテクニカルタイムアウトを迎え、井上愛里沙選手、内瀬戸選手がスパイクを決めるも14-17と劣勢のまま試合が進む。17-19の場面でリリーフサーバーとして起用された佐藤淑乃選手がサービスエースを奪い18-19。ここでブルガリアはタイムアウトを要求。その後古賀選手の活躍で20-19と逆転に成功する。そして、21-20からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が2本連続のサービスエースを決め23-20とすると、島村春世選手の見事なブロックで24-20とし、最後は古賀選手のスパイクが決まり、終盤5連続得点を奪った日本は25-20でこのセットを逆転で制した。
【第2セット】
序盤はブルガリアの高さのある攻撃に苦戦を強いられるが、内瀬戸選手、井上選手、古賀選手のスパイクが機能し、流れをブルガリアには完全に渡さない。山岸選手のナイスディグから古賀選手のバックアタックも決まり、徐々に日本がペースを掴む中、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、確実に点を積み重ね15-11とリードを広げていく。相手ミスにも助けられ17-13となった場面で、ブルガリアがタイムアウトを要求。その後も島村選手のブロック、ブロード攻撃、井上選手のスパイクで23-15とリードを奪う。ここでリリーフサーバーとして起用された宮下遥選手のナイスディグから得点へ結びつけ、24-15とセットポイントとする。最後は宮下選手からのトスを内瀬戸選手が見事なブロックアウトを決め、25-16で2セットを連取した。
【第3セット】
このセットは小川愛里奈選手をスタートから起用。序盤は点の奪い合いで試合が進む。内瀬戸選手が素晴らしいディグを見せ得点へと繋げ、日本らしい粘りをみせて7-5とし、関菜々巳選手と小川選手のコンビでも得点を奪う。一本目で決められない場面であっても山岸選手を中心としたディグで主導権は日本が握り、12-9でテクニカルタイムを迎える理想的な展開となる。その後も関選手が相手に的を絞らせないトスワークを見せ、15-10とリードを奪い終盤を迎える。しかし、ブルガリアの高さのあるブロックに苦しみ18-16と追い上げれられた場面で日本がタイムアウトを要求。ここからお互いにサイドアウトを続けた末に24-21とマッチポイントを奪う。ブルガリアの反撃で24-23とされるが、最後は相手のミスを誘い25-23とした日本はセットカウント3-0のストレート勝ちを収め、開幕6連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は立ち上がりが良くなかった。中盤から終盤にかけてディフェンス、サーブが良くなった。(日本は)若い選手が多く、勢いがある。明日からは好調のタイ、そして中国と対戦するので、まずは明日に集中したい。
山岸あかね選手
各セットの出だしが良くなかったのが反省点。中盤にかけては、自分たちのいいリズムで攻撃ができていたのが良かった。
(久しぶりの国際大会かつ今大会初出場で)試合に入るまでは緊張したが、始まったら集中してプレーすることができた。
明日対戦するタイは速いテンポで攻撃してくるので、難しい試合になると思うが、自分たちの勢いや速いテンポの攻撃を出して勝てるように頑張りたい。
内瀬戸真実選手
1セット目は自分たちのリズムが掴めなかったが、終盤から速い攻撃やアタックが通用し始めたことが勝ちに繋がった。
(2セット目から大きく変わったのは)1セット目はバタバタしていたので、2セット目は1本目(のパス)で時間を作り、そこから速い攻撃に展開するということを意識した。
明日のタイ戦は難しい試合になると思うが、全員で頑張っていきたい。自分も攻撃参加をしっかりできるようにしたい。
6月14日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ポーランド
0
21
21
21
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会を4連勝しフィリピン大会へ臨む日本代表。日本代表初選出となる横田真未選手をスターティングメンバーに起用し、高さのあるポーランドとの一戦に臨んだ。
序盤、井上愛里沙選手・古賀紗理那選手の両エースが得点し、横田選手がクイック、そしてサービスエースを奪い6-1とすると、ポーランドは早くもタイムアウトを要求する。林琴奈選手もライトから速い攻撃を決めて、日本のペースで試合が進む。島村春世選手もブロード攻撃を決め、関菜々巳選手のトスワークからスパイカー陣が期待に応える。井上選手が連続得点をあげ、12-5でテクニカルタイムアウトを迎える。
中盤、林選手のサービスエース、古賀選手のブロックで17-9とリードを奪い、その後も井上選手が相手のブロックを利用した上手さのあるスパイクを見せる。終盤、連続失点を許し23-20となったところで日本がタイムアウトを要求。この苦しい状況で横田選手がクイックをしっかり決めて流れを止め、24-20とする。最後は島村選手のクイックが決まり、25-21で第1セットを奪った。
【第2セット】
先制点はラリーが続く中、古賀選手のバックアタックで奪った。難しい態勢から関選手が見事なトスを上げ、林選手がライトからの攻撃を決める。島村選手が続くも、ポーランドがミドルの攻撃を増やし日本の守備陣営を崩してくる。林選手の粘り強いディグから井上選手のブロックが飛び出すと、一進一退の攻防から日本が一歩リードし12-9でテクニカルタイムを迎え、日本にとって理想な試合展開となる。
ポーランドも高さのあるブロックでワンタッチを確実に奪い、日本へプレッシャーをかけてくる。15-17とリードを許す展開になるが、古賀選手の活躍で19-17と逆転に成功する。小島満菜美選手の素晴らしいディグから得点に結びつけ、確実に点数を重ね25-21でこのセットも奪った。
【第3セット】
林選手のスパイクで序盤のリズムを作り相手のミスを誘う。島村選手のブロード攻撃も冴えた。9-6とリードし優位に試合を進め、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手のブロックで14-9とリードを奪い、小島選手はコートに落ちそうなボールに飛び込んで拾い、得点へとつなぐ。ポーランドは選手交代を駆使し5連続得点をあげ、18-16まで追い上げてくる。ここで古賀選手が嫌な流れを止めるスパイクを相手コートに叩きつける。その後も関選手の見事なトスワークからスパイカー陣が得点を重ね、最後は古賀選手のブロックでこのセットも25-21で奪い、ストレートで勝利を収め開幕5連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は選手がよく集中していた。
ミドルブロッカーの2人(横田真未選手、島村春世選手)がよかった。その2人に対し、セッターの関(菜々巳選手)がブロックの空いているスペースを探していいトスを上げていた。(初出場・初先発の)横田は少し緊張していたが、ブロックもよかったし、クイックも思うように決まっていた。
明後日対戦するブルガリアは、高さのあるチーム。我々のスピードを上げていきたい。
井上愛里沙選手
この大会で勝つために、サーブと「12点目を先に取る」ことを意識してやっている。今日もミスはあったもののサーブは効いていたし、12点先行もできていたので、それが勝因だったと思う。
自分の仕事は点数を取ることなので、どんな相手にも怯まずに打っていくことを考えており、今日はそれができていた。ただ、ディフェンスの面などでまだ課題が残る試合だったので、次の試合に向けて修正していきたい。
連勝しているが自分たちのやるべきことのレベルを上げていくこと。毎試合違うメンバーが出ているが、どの選手が出ても勝ち切れるチームを作っていきたい。
林琴奈選手
(試合ではディフェンスでいい場面を作っていた)オフェンスで機能できなかったので、ディフェンスだけでもしっかり頑張ろうと思って臨んだ。
次も全員で勝ち切れるように、まずは目の前の試合に集中したい。
横田真未選手
ポーランドは攻撃力のあるチームなので、サーブで攻めてブロックディフェンスで日本のリズムを作っていこうと話しており、それがスタートからできた。
チームとして準備してきた相手の対策を自分の中に落とし込み、やるべきことをやりきろうと考えて試合に臨んだ。チームの共通理解があるので、練習でも誰が出てもいいように準備しており、それが出せたと思う。
ポーランドは高さがあるチームなので、攻撃面では速いクイックや早打ちで相手の隙間を抜くことを、ブロックでは上に(手を)出しても触れないボールが多いので、前に(手を)出してディガーと連動できるように意識した。リベロから積極的な声掛けがあり、ラリーの中でもブロックポジションの修正箇所を伝えてくれた。
チーム全員の力が必要だと思うので、一人ひとりが生きるチームになれるように、さらなる連勝を目指して頑張りたい。
6月5日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
アメリカ
0
22
20
20
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
現在FIVB世界ランキング1位のアメリカとの対戦。このネーションズリーグでも優勝候補の一角にあり、新生日本代表にとっては試金石の一戦でもある。強化してきたサーブで相手を崩し勝機を見出していきたい。
スタートはドミニカ戦で良い形を作りだしたメンバーで構成した。
序盤、島村春世選手のブロックとスパイクで3-3と互角のスタートを切った。井上愛里沙選手のブロック、そしてスパイクで5-3とリードする。その後、攻めのサーブから相手を崩し、林琴奈選手の素晴らしいディグから井上選手やキャプテンの古賀紗理那選手らが決めて、9-7とリードを奪う。しかし、アメリカは高いブロックの組織力で日本の攻撃を封じにかかり、テクニカルタイムアウトは一進一退の攻防の末に12-11で迎えた。日本はアグレッシブなレシーブから攻撃を仕掛け15-12とリードを奪うも、アメリカも反撃に出てくる。
中盤は17-17と追いつかれるも井上選手が踏ん張り18-17とすると、小川愛里奈選手のサービスエースで19-17とし、続いて関菜々己選手のサービスエースもあり21-19。2点リードで終盤へ突入し古賀選手のスパイクで23-20とするも アメリカも日本のお株を奪う素晴らしいディグからの攻撃でスコアは23-22となる。この苦しい場面で井上選手がバックアタックを決め24-22。最後は長いラリーの末にアメリカのタッチネットでポイントは日本へ。25-22でこのセットを奪う。
【第2セット】
先手を奪いたい日本は林選手、井上選手のスパイクで得点し、順調な滑り出しを見せて4-3とリードを奪う。関選手のトスワークから小川選手の見事なブロード攻撃を演出し、リズムを掴む日本。互いに点を取り合う白熱した試合となり、12-10でテクニカルタイムアウトを迎える。理想的な展開とした日本は、粘り強い我慢のバレーを続けて14-12と2点差をキープ。
16-12とした場面でアメリカはタイムアウトを要求。ここからアメリカの反撃があり16-14と2点差まで追いつめられるも、古賀選手のスパイク、小川選手のサービスエースで18-14と4点差とした。
高いブロックに跳ね返されても全員でブロックフォローを重ね、粘り強く戦う日本。林選手はレフト、ライトからスパイクをきっちりと決める。終盤23-20からは全員で必死にボールをつなぎ、古賀選手のスパイクで24-20とした日本は最後も古賀選手の1枚ブロックが決まり、このセットも25-20で奪う。
【第3セット】
島村選手の速攻で得点をあげた日本は順調なスタートを切った。しかし、アメリカも日本に負けず劣らずのレシーブ力と高い攻撃力で日本に襲い掛かってくる。それでも日本は小島満菜美選手を中心としたディフェンスから崩れることなく、10-7とリードを奪う。そして、テクニカルタイムアウトを12-8の4点差で迎えた。その後も着実に得点を重ねる日本は井上選手のサービスエースで18-12と6点差をつけたところで、アメリカがタイムアウトを要求した。勢いづいた日本は相手のミスを誘うなどして20-13と終盤大きくリードした。油断したわけではないが21-16と猛追された日本はタイムアウトを要求。連続ブロックに遭い23-19とされるも、アメリカのサーブミスに助けられ24-19。最後は井上選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで得点し、25-20でこのセットも奪いストレートで勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカチームとの試合。特に今日はショートサーブ、あとはブロックもそうだが、ディフェンスが良かった。これまで練習してきたことができた。アメリカのブロックにやられるケースが少なかったのでそれも勝因の一つかと思う。アメリカ大会で4連勝できて、若い選手が多いだけに勢いがあるので、この勢いを次のフィリピン大会にに持って行きたいと思う。
キャプテン・古賀紗理那選手
世界ランキング1位の強豪国と当たるということで、最初からサーブを攻めていこうという話をして、しっかりと先行した展開で3セット勝つことができて良かった。小さいチームなので組織的な戦術や動きで勝つ必要がある中、少しずつではあるがチームが成長していることがこの結果に繋がっていると思う。第1週は(相手に)対策されずにしっかり勝つことができたが、次からは対策された中での戦いになる。私たちも工夫しながら得点を取っていけるように頑張っていきたい。
井上愛里沙選手
今日は出だしからサーブが効いていた。世界ランキング1位のアメリカに対して、自分たちがどれだけチャレンジできるかというところで、最初から最後まで攻め続けることができたのは良かった。マッチアップしたのがVリーグでも対戦した(元JTマーヴェラスの)ドルーズ アンドレア選手だったので、(Vリーグでの対戦を)試合前にイメージをした。アメリカはどこを抜いてもディフェンスがとてもいいので、なんとかブロックを利用して打ちたいと思った。ブロックについては、もう少しで止まるというボールが多かったのでそこは修正点。この勢いをフィリピン大会にもぶつけていけるよう、全員でいい準備をして、誰が出てもしっかり勝てるチームにしていきたい。
関菜々巳選手
昨日(ドミニカ共和国戦)の試合が初めてのスタメン出場でとても緊張したので、今日は昨日よりも落ち着いて(試合に)入ることができた。まだ課題はたくさんあるが、コートの中でコミュニケーションを取って、今できることを出し切れたと思う。サーブで攻めることができたのが一番の勝因。予選ラウンド第1週では4連勝といういいスタートが切れた。この勢いをフィリピン大会でも出せるよう、休息期間中にチーム全体で課題を修正し、もっと強くなった日本代表をお見せしたい。
6月4日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
20
25
25
ドミニカ共和国
1
17
25
21
10
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 8勝4敗 |
2 | 16 | 25 | 19 | 25 | 10 |
ベルギー 4勝8敗 |
3 | 25 | 18 | 25 | 11 | 15 |
【戦評】
【第1セット】
予選ラウンド最終日のベルギー戦。ファイナルラウンドへつなげる意味でもこの1戦は重要な試合となる。日本はこれまでとはポジションを入替えて臨んだ。
序盤はラリーの応酬となった。ベルギーがラリーを制することが多くリードを許す展開となる中、林琴奈選手がレフト、ライトからスパイクを決めていく。井上愛里沙選手もバックアタックで得点するも5-8と追う展開を強いられた。ここで濵松明日香選手のブロードが決まると林選手も続き、7-8と追い上げ態勢へと入った。だが、ベルギーもそう簡単には日本へリズムを渡してくれず、10-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。ここから島村春世選手がブロックワンタッチをしっかりと取り12-12の同点に追い付いたが、ベルギーのブロックディフェンスを前に日本は連続失点を喫して12-15と劣勢が続いた。挽回の糸口を掴みたい日本は古賀紗理那選手にボールを集め、古賀選手もその期待に応えるものの得点は15-21。相手リズムのまま試合が進み、16-25でこのセットを奪われた。
【第2セット】
日本はお株を奪うかのようにレシーブで粘りを見せるベルギーのリズムを崩そうと、序盤から全員で攻めていき3-1といい入りをした。林選手のナイスディグから古賀選手がスパイクを決め6-4。両チームの持ち味が出る中、日本は島村選手のブロード攻撃、林選手の切れのあるスパイクで得点するも、徐々にベルギーのペースとなっていき11-15とリードを許した。ここでセッター・関菜々巳選手に代えて松井珠己選手を投入すると、3連続得点を奪い14-15と反撃の狼煙を上げた。さらに15-15の同点に追い付くと、相手ミスで16-15の逆転に成功した。その後も井上選手のスパイクなどで得点した日本は、19-16と流れを引き寄せた。20-17からはリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が相手陣営を崩し3連続得点を奪い23-17。最後は小島満菜美選手の好ディグから古賀が決めて、25-18でセットを奪い返した。
【第3セット】
勢いそのままに序盤を乗り切りたい日本は古賀選手のスパイクなどで4-3とまずまずの入りを見せた。一時悪い流れになりかけたが、島村がそれを断ち切るスパイクを決めた。しかし、その後はベルギーのリズムで試合が進み7-12とベルギーにリードを許してテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手、古賀選手が奮起するも得点は9-14と劣勢が続いた。流れを変えようと内瀬戸真実選手をコートへ送り出し13-16まで追い上げたが、形勢逆転とまではいかず、19-24とセットポイントを握られると、そのまま押し切られ19-25でセットを奪われた。
【第4セット】
このままで終われない日本は相手ミスで先制し、林選手のスパイクで2-0とすると、このセットのスタートからコートに入った内瀬戸選手のサービスエースで5-1とリードを奪った。互いに点を奪い合う中、8-4とした日本は古賀選手のサービスエースで10-4とゲームの流れを引き寄せ、12-6でテクニカルタイムアウトを迎えた。古賀選手のバックアタックも炸裂し14-6と大きくリード奪った日本。松井選手のサービスエースもあり16-6とさらにリードを広げた。攻撃の手を緩めない日本は林選手のダイレクトスパイクで19-7とし、安定した試合運びでこのセットを25-11で取り返し、フルセットに持ち込んだ。
【第5セット】
最終セットは立ち上がりの入り方が勝敗の分かれ目ともなる。そうした状況でセッター・松井選手は古賀選手へボールを集めていく。その古賀選手も見事にスパイクを決め4-3とした。一進一退の攻防が続く中、日本は古賀選手を中心とした攻撃を組み立てたが、エースへとボールを集めるベルギーに7-9とリードを許す展開で終盤へと突入した。その後、日本にミスが出て7-11とされるも、林選手が踏ん張り8-11、さらに9-11と2点差とした。しかし、相手に得点を許し10-13と厳しい展開となると、最後も押し切られ10-15。フルセットの末ベルギーに敗れた。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
今週1勝もできていないなかで臨んだ試合だったが、やはり少しずつ噛み合わない部分がたくさん出た。トルコでのファイナルラウンドまでにしっかりと修正し、チームとしての精度をさらに上げるようにしたい。
「チームとして世界を知る」ことをテーマに本大会に入った。最初は8連勝、私たちも自信が付いたが、今週の(カナダ大会での)試合で「そんなに甘くはない」ということを思い知らされた。チームとしてさらに強くなっていくための敗戦だと思っているので、この結果を受け止め、しっかりと切り替えてトルコでのファイナルラウンドに向けて頑張りたい。
7月2日 日本×セルビア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1
25
20
19
22
セルビア
3
22
25
25
25
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
この2戦は高いブロックに苦しめられての敗戦となっているが、本日も高さとパワーのあるセルビアとの対戦であり、いかにして相手ブロックを突破していくかが勝敗の鍵を握る。
スタートから長いラリーとなったが、島村春世選手が速攻を決めて先制する。とにかく粘って勝機を掴み取りたい日本はまたも長いラリーを制し4-3とする。相手の速攻を封じ込めたい日本はサーブで攻め、井上愛里沙選手のサービスエースで8-8とすると、相手のミスもあり9-8と一歩リードする。古賀紗理那選手、林琴奈選手のスパイク、さらには林選手のサービスエースで12点目を奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。小島満菜美選手が相手に1本では決めさせない素晴らしいプレーをみせると、それに井上選手が応えスパイクを決める。
中盤は点の奪い合いが続き15-15。古賀選手は速いバックローを決めていき、林選手もそれに続き18-18。島村選手がサーブで崩し、古賀選手が押し込み20-18とすると、セルビアがタイムアウト。その後、林選手がライトから鋭いスパイクを決め21-18。ここからどう相手の高いブロックを凌いで得点を奪っていくか。21-20まで忍び寄ってくるセルビアに対して古賀選手が決めて22-20とする。しかし、22-22の同点に追いつかれてしまうが、ここで古賀選手がブロック、後衛に下がってもバックアタックを決めて24-22とし、最後は濵松明日香選手がライトから決めて25-22でセットを奪った。
【第2セット】
良い形で第1セットを奪った日本はこのセットも小島選手を中心としたサーブレシーブとディグでリズムを作っていく。島村選手はサーブで得点しチームを盛り上げる。攻撃のリズムはできているがセルビアも負けまいと攻撃を仕掛けてくる。井上選手はスパイク、ブロックにと貢献し、関菜々巳選手からの配球に林選手も応えていく。1点を争う試合展開が序盤から続き8-8、9-9、10-10と両者一歩も譲らない。ここで相手に先に2点を奪われ10-12でテクニカルタイムアウトとなった。離されずに試合を進めたい日本は林選手、島村選手、古賀選手が得点し食い下がる。14-15と1点差に迫るもなかなか追いつけず、15-18と3点差にまで広げられてしまう。流れを引き戻したい日本は関選手に代わり松井珠己選手をサーブから起用した。2点をブレークし19-20と1点差まで詰め寄るも一気に24点まで奪われてしまい、このセットは20⁻25で奪い返されてしまう。
【第3セット】
流れを変えようと石川真佑選手、小川愛里奈選手、松井選手の3枚を入れ替えてスタートした。まずは林選手が相手へうまく押し込むスパイクで得点し先制する。石川選手も豪快なバックスパイクで4-3として、松井選手は相手の意表をつくツーアタックを見せ5-3とリードを奪う。林選手が足で上げるスーパーレシーブを見せて相手ミスを誘い、流れは日本へと傾く。9-5とリードするもののミスが続き10-10とされ、11-12と逆転を許しテクニカルタイムアウトを迎える展開となってしまった。相手へ流れが行きかけた場面で関選手をコートへ戻す。中盤は劣勢な流れとなり15-20。古賀選手が踏ん張り16-20とするも、相手の勢いは止められずに終盤へと突入する。石川選手が得点し19-23とするも、このセットも押し切られ19-25で奪われる。
【第4セット】
後のないこのセットは内瀬戸真実選手、山田二千華選手をスタートに起用した。序盤は林選手の活躍で互角の試合展開となる。サーブで攻めたい日本は石川選手のサービスエースで5-5。そして、島村選手のブロード攻撃も冴える。内瀬戸選手も続き、決して離されずに試合は進み、林選手のブロックポイントで8-7とする。お互いの攻防が続く中、11-12でテクニカルタイムアウトを迎え中盤へと試合が進んでいく。島村選手のブロード攻撃ですぐさま12-12に追いつく。小島選手、石川選手らが相手の強烈なスパイクを必死に上げて15⁻13とすると島村選手がダイレクトで押し込み、16-13としたところでセルビアがタイムアウトを要求する。その後、内瀬戸選手のスパイクなどで点数を上げた日本だったが連続失点を許し、ついには18-19と逆転を喫してしまう。日本は小島選手を中心とした素晴らしいレシーブを披露するも、またしても高いブロックに屈し18-22と苦戦を強いられる展開となってしまう。林選手が意地のスパイクを決め19-22とし、さらには石川選手が連続でスパイクを決めて21-22と追いすがるも、最終的には22-25で奪われ、セットカウント1-3で敗れ通算8勝3敗となった。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
(セルビアは)特に高さがあるチームで、これまで対戦してきたチームの中でもブロックで威圧感を感じる試合だった。(自分たちの)トスが少しゆっくりになっているという話を受け、少しずつでいいのでスピードを上げてスパイクを打とう、コンビネーションを作ろうと話していたが、それを意識しすぎてコンビネーションの精度が落ちていたように思う。
この大会が始まってから自信が付いたし、今週に入ってからはたくさん課題も出た。私たちがきっかけを作って勝てるチームになりたいと思う。ファイナルラウンドに向けて明日の試合はとても大事。しっかり勝ってトルコに行けるように頑張りたい。
島村春世選手
(オランダ、トルコに)2敗している中、ファイナルラウンドに向けて勝ちが欲しいところで、こういう負け方をしてしまったことに対して、悔しい気持ちが強い。(セルビアは)高さがあることは想定内だった。まずは自分たちの攻撃のスピード感を、ミドルブロッカーについては踏み込みのスピートを速くして相手を引き付けること、その後の攻撃では自分のスピードを生かす、ということをもう一度みんなで作り直そうとした。その点ではミドルブロッカーの良さは出せていたが、それを勝ちに繋げられなかった。
あと1試合、持てる力を全て出して、勝ちに行きたい。
林琴奈選手
相手に(テクニカルタイムアウトとなる)12点を先行されることが多く、サイドアウトが取れず苦しい展開だった。昨日(トルコ戦)の反省として被ブロックをなくすことを考えて、リバウンドを取るなどしようとしたが、あまりうまくいかなかったのでもう少し修正したい。
明日は絶対に勝って終わりたい。気持ちを切り替えて、全員で勝ちに行きたい。
関菜々巳選手
コンビネーションの精度が低く、パスが返ってきても決め切れない場面が多く、セッターとしても課題を感じた試合だった。速いバレーにしようとして(トスを)上げ急いでいることが多かったと思う。もう一度基本に立ち返ってやりたいと思う。
カナダに来てから勝てていないが、(明日は予選ラウンド)最終戦で、ファイナルラウンドに向けてとても重要な試合になると思う。どんな状態でも絶対に勝つという気持ちを表に出して、闘争心を持ってやっていきたい。
7月1日 日本×トルコ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1
20
15
25
22
トルコ
3
25
25
18
25
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
オランダ戦では惜しくもフルセットの末に敗れた日本は本日、同じく欧州のトルコとの対戦。
序盤から高さのあるトルコに対してセッター松井珠己選手がミドルを多用し、サイドを生かす展開へと持っていく。井上愛里沙選手・石川真佑選手のスパイク、井上選手・山田二千華選手のサービスエースで序盤は5-5と互角の戦いとなる。5-7と劣勢な場面から濵松明日香選手が見事なブロックを決め6-7と食らいついていく。宮部藍梨選手のサーブをきっかけに9-8と逆転に成功するも先に12点を取られ、10-12でテクニカルタイムを迎えた。その後、石川選手のスパイクで12-12と同点とした日本は宮部選手と山田選手の2枚ブロックで相手へ主導権を渡さず、中盤は1点の攻防が繰り広げられるもトルコの高いブロックが襲い掛かり16-19とされる。なんとか井上選手が踏ん張り17-19とした日本であったが、その後も18-21と劣勢は続く。石川選手のスパイクで対抗するもこのセットは20-25で奪われる。
【第2セット】
セッターを関菜々巳選手へと代え臨んだ第2セット。石川選手のスパイクで得点し宮部選手がブロックを決め、セット序盤は3-3。その後、やや押され気味で試合が進むも、山岸あかね選手の献身的なレシーブもあり食らいついていく日本であったが、流れが徐々に相手のトルコへ。6-13と大量リードを許してしまう。内瀬戸真実選手、島村春世選手、小川愛里奈選手を起用し流れを変えようとするもトルコの勢いを止められず6-17。内瀬戸選手のディグから石川選手が決め、反撃を試みるも、中盤での大量失点が響き点差が縮まらず、終盤には12-20とされてしまう。だが、島村選手は存在感のあるブロード攻撃を決める。このセットも高さとパワーに屈し15-25で奪われてしまう。
【第3セット】
後のない日本は林琴奈選手、そして小島満菜美選手を起用してスタートした。関選手と石川選手が息の合ったバックローを見せ、チームが活気づく。小川選手も高いブロックへ勝負し速攻を決める。林選手のサーブで相手陣営を崩し9-3とリードを奪う。内瀬戸選手は相手の高いブロックを利用してスパイクを決めていく。小島選手のディグからは石川選手が決め11-4と大きくリードする。そして、12点目を日本が奪い、12-5でテクニカルタイムアウトを迎えた。ここからトルコの高いブロックがまたしても襲い掛かり9-12と一気に迫られる。ついには13-13とされ、13-14と逆転まで許してしまう。ここから林選手が踏ん張りを見せ16-15と逆転、そして島村選手の見事なブロックが決まり17-15。ここから長いラリーを制した日本は18-15とする。たまらずにトルコはタイムアウトを要求、いよいよ勝負の終盤へと突入する。全員で拾い、粘り、得点を重ねていく日本は24-18とセットポイントを握った。そして、内瀬戸選手のサービスエースでこのセットを25-18で奪い返した。
【第4セット】
林選手、石川選手が連続でスパイクを決め2-0。そして、小島選手のファインプレーから3-0と良いスタートを切った日本。小川選手もブロード攻撃を決め6-3と序盤は日本ペースで進んだ。しかし、トルコの反撃が始まり6連続失点を喫し6-9とされてしまう。関選手のブロックワンタッチから林選手のバックアタックへつなぎ日本も9-9と追いつく。その後、粘りに粘った日本は12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。1点を争う攻防が続き中盤は15-14。互いに連続得点も失点もないまま18-17と試合は進んでいく。
ここで関選手がサービスエースを奪い19-17とした。しかし、その後はトルコの高さに屈してしまい連続得点を許し、19-20と逆転を喫してしまう。林選手が大車輪の活躍をみせ21-21と同点とするも逆転までは至らず、22-23と終盤の劣勢が続き、22-24のマッチポイントを握られると、最後は日本のスパイクが相手コートを割り22-25で奪われた。セットカウント1-3で敗れた日本は通算8勝2敗となり明日はセルビアとの対戦となる。被ブロックが19本と多く、高さのあるチームと対戦する際の大きな課題が浮き彫りとなった試合でもあった。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりが悪かった。第1、第2セットは全く良くなかった。特に被ブロックが20点くらい(公式記録では19点)あった。これでは話にならない。(明日のセルビア戦に向けて)ヨーロッパ勢は高さがある。そのブロックにやられないようにするのは、最終的にはスパイカー陣の個人技に懸かっている。被ブロックされないようにすること、これに尽きる。
小島満菜美選手
ブロックの高いトルコに対して、リバウンドを取り、そこから何度も粘ってオフェンスに展開していこう、という話をしていた。それができていた時は自分たちにとっていい時間帯が来ていたと思うし、逆にそれが苦しかったり、相手にいい形でボールが返ってしまうと苦しい展開になっていたと思うので、そこをもっと修正していきたい。また、相手の攻撃に対してのブロックディフェンスの精度をもっと上げていきたい。
(明日のセルビア戦に向けて)日本が勝つ上でサーブがすごく大事になってくると思うので、まずはサーブを攻めて相手を崩し、そこから今日の課題であるブロックディフェンスを修正して、何度もオフェンスに展開して得点する、というバレーをしていきたい。
林琴奈選手
入りがあまり良くなかったが、途中からは流れがこちらにきて雰囲気も良くなった。ただ、やはり被ブロックが多いことが課題として残った。この2戦(オランダ、トルコを相手に)負け試合が続いているがしっかり気持ちを切り替え、課題を克服できるように明日も全員で頑張りたい。
関菜々巳選手
一昨日オランダに負けたあと、昨日チームでしっかりとミーティングを行い今日の試合に臨んだが、自分たちのバレーができなかった。相手に何をやられるでもなく、自分たちからミスを出してしまったのが今日の反省点。もっとできることがあったと思う。1本のボールに対してとても淡泊になってしまった。日本の良さは粘りや繋ぎの部分だと思うが、それを発揮することができなかった。
2連敗してしまったので、明日は絶対勝てるよう、誰が出ても強い日本を見せられるように頑張りたい。
6月29日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2
25
20
26
21
10
オランダ
3
23
25
24
25
15
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会、フィリピン大会を終え全勝で迎えたカナダ大会。
高さとパワーのあるオランダとの一戦。スタートには今大会に初めて登録された濵松明日香選手と宮部藍梨選手を起用し、フィリピン大会からは大幅にメンバーを入れ代えて臨んだ。
宮部選手のスパイク、サービスエースや、石川真佑選手の強烈なスパイクで序盤は互角の戦いとなり、山田二千華選手の連続サービスエースで6-4、長いラリーからはキャプテンの古賀紗理那選手が決め切り7-4とリードする。濵松選手も躍動し豪快なスパイクを決めて9-6。1点差まで詰め寄られるが山岸あかね選手、松井珠己選手の素晴らしいディグから古賀選手、石川選手の強烈なスパイクで12-9とし、テクニカルタイムアウトを迎えた。ここからオランダの高い壁が襲い掛かってくるが、決してリードは奪われずに中盤16-14と試合は進む。その後、16-16の同点に追いつかれるも石川選手の素晴らしいディグから古賀選手の強烈なバックアタックで18-16とする。19-17場面では関菜々巳選手がリリーフサーバーで起用され、山田選手が見事なブロックを決め20-17とするとオランダはタイムアウトを要求。また1点差まで追い上げられるも林琴奈選手がサーブで相手を崩し古賀選手が決め23-20とする。しかし、オランダも高さを生かしたブロックとスパイクで23-22と迫ってくる。ここで日本はタイムアウトを要求。松井選手は山田選手の速攻を選択し、山田選手はその期待に応え24-22とし、最後は古賀選手が決めて苦しみながらも25-23でこのセットを奪った。
【第2セット】
古賀選手、宮部選手のバックアタックで幸先よく2点をリードする。それに山田選手も続き3-1。日本らしい粘り強いレシーブからリズムを作り5-1と試合が進む。その後はオランダの高いブロックに苦しむも濵松選手がダイレクトスパイクを決め8-5。山田選手の絶妙なフェイントで10-7と3点差のリードを奪う。石川選手もパワフルなスパイクを決め、2~3点を日本がリードしたまま試合は進み12-9でテクニカルタイムアウトを迎えた。12-11と1点差まで迫られ、ついには13-14と逆転を許してしまう。流れを変えようとセッターを関選手に代えるもオランダは攻撃の手を緩めず13-16と苦戦を強いられる。さらに濵松選手に代えて島村春世選手、宮部選手に代え井上愛里沙選手を起用し流れを引き戻そうとする日本だが17-21と迫り切れない試合展開となる。島村選手、古賀選手が得点するもこのセットはオランダに20-25で奪われた。
【第3セット】
第2セットのスタートから大幅に入れ替えたメンバーで臨んだ第3セット、代わって入った内瀬戸真実選手がまずはスパイクでその期待に応えた。序盤は一進一退の攻防が続くも、8-9とリードを奪うまでには及ばなかったが、井上選手のサービスエースで10-9と逆転に成功する。1点ずつを奪う試合展開となり、12点を先に奪ったのは日本。その後、関選手が相手のバックアタックをブロックし、14-11となったところでオランダはたまらずタイムアウトを要求。難しい態勢から古賀選手が決め15-11とした。小川愛里奈選手も見事なブロード攻撃を決めて16-13とすると井上選手も相手ブロックを利用してスパイクを決め17-13と主導権を握った。島村選手の速攻も冴え19-15とした。オランダもブロックで反撃してくるも21-17とリードをキープしいよいよ終盤へ。ここで相手ブロックにつかまり21-20となったところで日本はタイムアウト。流れが戻らずに21-21とされるも相手ミスに助けられ22-21。ここから1点の攻防となり、先にセットポイントを握られる苦しい展開ではあったが、最後はしのぎ25-23でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
内瀬戸選手の技ありスパイクやこのセットからコートに入った小島満菜美選手のディグから得点へと結びつけ、序盤はお互いに点を取り合う展開が続く。2点リードを許した場面から古賀選手のバックアタックが見事に決まると3連続得点を奪い8-7と逆転に成功する。相手のミスもあり11-8となり、島村選手のクイックで12-8とテクニカルタイムアウトを迎えた。ここから関選手のサービスエースで14-8とすると、勢いそのままに井上選手も続き15-8と7点のリードを奪う。しかし、4連続失点を喫して15-12となるが、井上選手が踏ん張り16-12。しかし、徐々にオランダが忍び寄り、気が付けば17-16と1点差まで詰め寄られる展開となる。ついには18-18の同点とされ試合は振り出しに戻ってしまう。その後も勢いづいたオランダを止めることができずに21-25で失い、ファイナルセットへと突入することとなった。
【第5セット】
嫌な流れを断ち切りたい日本であったが、立ち上がりからオランダに攻め立てられ0-3とリードを奪われる展開となる。古賀選手、林選手のスパイクで反撃するも2-5と劣勢な展開は続く。全員でボールをつなぎ、林選手が連続でスパイクを決め、4-5と反撃の狼煙をあげた。だが、オランダの高い壁が立ち塞がり4-8と劣勢な展開が続く中、古賀選手が踏ん張り6-8とするも得点はなかなか縮まらずに7-9。途中交代の石川選手が決め8-10とするも、またしてもブロック得点を許し9-13。最後はオランダのスパイクが決まり10-15。フルセットの末に負け、今大会初の黒星を喫した。オランダのブロックポイント16点に苦しんだ日本は明日の休養を挟み、明後日は強豪トルコとの対戦となる。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は出足から動きが悪く、ヨーロッパの高いブロックにやられてしまった。相手のハイボールをブロックで止められず、はじかれてしまうという、日本の負けパターンだった。
目標としていたファイナルラウンドに行けることは決まったが、あと3試合ヨーロッパのチームとの対戦が残っているので、今日がいい勉強となった。やはりブロックの部分だと思う。サーブレシーブは変えているが、Aパスからの決定率、効果率があまり良くない。(次戦まで)1日あるので、修正し頑張りたい。
古賀紗理那選手
今日は新しい選手が入り、選手の入れ替えも激しく、先週までであればクイックで切らずにサイドで切っていたところを、クイックにトライするという意識もあったので、明後日以降の試合に繋げていきたい。
次の対戦相手であるトルコは高さがあるチーム。被ブロックの数を少なくして、オフェンスの展開として攻撃の枚数を増やしていかないと苦しい展開が続くと思うので、そこに集中していきたい。
宮部藍梨選手
自分たちが望んでいたような結果で試合を終えることはできなかったが、次への課題もたくさん見えてきたので、気持ちを切り替えてその課題を修正して、いい形で次戦以降の試合に臨みたい。
今日はスパイクを決めることが自分に求められているスキルだったと思うが、それを発揮することできなかったので、限られた時間ではあるが練習でもう一度確認して、次の試合をベストな調子で迎えられるよう頑張りたい。
濵松明日香選手
出だしが悪く、もっと決定打を出せる場面があったのに出せなかったのがすごく悔しい。次の試合ではそこを改善して臨みたい。
今日は相手のスパイクに対してのブロックとディグが悪かったと思うので、その部分をもう一度見直して、自分自身もしっかりトルコ戦に向けて変えて、色々なことに挑戦していけるよう頑張りたい。
6月19日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
19
25
25
25
中国
1
25
16
23
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会最終日は高さのある中国との対戦。林琴奈選手のダイレクトスパイクで日本が先制する。横田真未選手のサーブで相手陣営を崩し4-2とリードするも、中国の高さのあるブロックに阻まれ、5-7とされる。日本は何度もリバウンドを拾い、相手のミスを誘って10-10とした。その後、10-12でリードされてテクニカルタイムアウトを迎える。関菜々己選手のナイスディグから小島満菜美選手が古賀紗理那選手へのトスを出すと、古賀選手が決めきり12-13と反撃ムードが高まる。横田選手がブロックを止め、14-14と同点へ追いつく。一時逆転するも16-18とされた場面で日本がタイムアウトを要求。セッターを松井珠己選手に交代するも、連続失点を止めることができず、16-22と終盤に大きく離されてしまう。リリーフサーバーの佐藤淑乃選手がサーブポイントを奪うも、このセットを19-25で落とす。
【第2セット】
このセットはセッターを松井選手でスタートする。林選手、古賀選手のスパイクが決まり序盤は互角の戦いが続く。島村春世選手のサーブポイントで8-6とし、相手ミスもあり9-6とリードを奪う。井上愛里沙選手のブロックで11-7、横田選手のダイレクトスパイクで12-7とリードしテクニカルタイムを迎える。その後、古賀選手のブロック、スパイクで15-8とリードを奪ったところで、中国がタイムアウトを要求。小島選手からの正確なサーブレシーブに、松井選手がスパイカーを操る。18-9と大きくリードを奪うも気を緩めることなく、理想的な試合展開となる。
23-15から石川真佑選手がリリーフサーバーで起用され、相手の強烈なスパイクをナイスディグし、それを井上選手が決め24-15。最後も井上選手が決め、25-16とセットを奪い返した。
【第3セット】
横田選手の速攻に始まり、井上選手のサーブポイント、林選手と古賀選手のスパイクで4-1。サーブレシーブも安定し、松井選手が変幻自在のトスワークを見せる。日本のペースで試合が進み8-4とするも、中国も徐々に日本へ襲い掛かってくる。12-9でテクニカルタイムアウトを迎えるが13-12と1点差まで追いつかれ、15-15とついには同点とされてしまう。しかし、勢いは完全に渡さない。16-16、17-17、18-18と均衡した試合が続いたが、日本が連続ポイントで20-18とすると中国がタイムアウト。島村選手のブロード攻撃で22-19とし、22-21まで追いつかれるも井上選手が踏ん張り23-21。松井選手のサーブポイントで24-21とセットポイントを奪う。中国の粘りにあうも、最後は井上選手が決めきり25-23の接戦でこのセットを奪った。
【第4セット】
松井選手が強弱をつけたサーブで相手陣営を崩し、4-0と幸先のいいスタートを切ったところで早くも中国はタイムアウトを要求。古賀選手のブロックが飛び出し7-2とリードし、その後も古賀選手がスパイク、ブロックにと得点し10-2と大きくリード。12-4でテクニカルタイムアウトを最高の形で迎えた。横田選手も見事なブロックを見せ、林選手も相手ブロックをはじくスパイクで持ち味を発揮する。井上選手もサーブポイントを奪い18-7。中国のミスも重なり、23-8と勝利まであと2点と迫った。最後は中国のサーブが日本のエンドラインを越え、25-12でこのセットを奪い、セットカウント3-1で勝利し開幕から8連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
1セット目は中国にサーブで押されていたので、2セット目はサーブで崩す戦術にした。(具体的には)1セット目はショートサーブを使ったが、2セット目はエンドラインを狙う強いサーブに切り替えた。また、3セット目の終盤の競り合いを取ったのが大きい。選手に非常にまとまりがあり、チームらしくなってきたと思う。
井上愛理沙選手
チームとしていいもの(プレー)がどんどん出てきていることが、勝利に繋がっていると思う。連勝中なので勝ち負けにこだわるということはもちろんあるが、フィリピン大会では修正点もたくさん見つかったので、そこを修正してカナダ大会では戦いたい。(高さのある中国に対し)最初はリバウンドを取ろうと考えていたが、それもブロックされることが多かったので、「もっと上に打たなければ」と感じたので、2セット目はそこを意識した。また、トスのテンポを速くしてもらうことで、相手のブロックが揃う前にアタックを打てるようにしてもらった。カナダ大会では高さのあるヨーロッパのチームとの試合がある。これまでのように調子のよいサーブで相手を崩して、ブロックディフェンスから得点する、という自分たちの強みを全面に出せるように準備したい。
横田真未選手
最初は中国の高さに対して(日本の攻撃が)被ブロックとなってしまうなど流れが掴めなかったが、2セット目を取れたことが今日のキーポイントだった。今日はミーティングの時に、自分は中国のミドルブロッカーとマッチアップしていく、ということを決めていて、それを1セット目で出せたのがよかった。(カナダ大会では)もう1つギアを上げて、チーム全員で戦っていきたい。
松井珠己選手
(第1セット途中からの出場について)1セット目の初めから被ブロックが多かった。被ブロックが多くならないようにどうトスを上げるのかを考えながら試合に入った。開幕8連勝でチームの雰囲気はとてもよく、試合に出ている選手も出ていない選手も関係なくコミュニケーションを図りながら戦うことができている。連勝しているが気を抜くことなく、1戦1戦が勝負だと思って、自分が出るチャンスがあればしっかりと自分のパフォーマンスを発揮したい。
6月17日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
タイ
0
22
16
14
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
初戦の韓国以来のアジア勢との対戦。タイもここまで4勝2敗と好調であり、これまでの対戦相手とは違うバレースタイルへどう対応するかが大きな鍵となる。その序盤、井上愛里沙選手や林琴奈選手の攻撃で得点するも、タイも素晴らしいレシーブからのコンビネーションバレーを組み立ててくる。序盤は7-9と日本は苦戦を強いられる展開となる。突破口を開こうと関菜々巳選手は横田真未選手、島村春世選手へとボールを託し、ミドル陣もそれに応える。しかし、2点差が詰まらずに10-12とテクニカルタイムアウトを迎える。11-14となったところで日本はタイムアウトを要求する。ここから井上選手が踏ん張り15-15とようやく同点へ追いついた。互いにブロックとディフェンスの持ち味を生かし一進一退の攻防が続くが、タイに17-20と一歩リードを奪われる。古賀が踏ん張り18-20の場面からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が相手ディフェンスを崩すサーブで一気に23-20とし、古賀選手のブロックで24-20とセットポイントを握った。2点差まで迫られたが、最後は全員で粘り25点目をもぎ取って、25-22で大事な第1セットを奪った。
【第2セット】
序盤は互いの持ち味であるレシーブ力が発揮され、長いラリーが続く攻防となるが日本が井上選手、古賀選手で制し8-4とリードを奪う。この場面でタイはタイムアウトを早くも要求する。その後、互いに得点を重ね、横田選手のスパイクで12-9としたところでテクニカルタイムアウトを迎えた。古賀選手の連続スパイクで14-9とし、タイもコンビネーションバレーを組み立て必死の反撃を試みるものの、日本は崩れることなく、島村選手のブロード攻撃、井上選手や古賀選手のスパイクで19-12と優位に試合を進めていく。タイのミスもあり22-14とした日本。最後は古賀選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで25-16とし、セットを連取した。
【第3セット】
まずは林選手のスパイクで幸先よく先取点を上げる。林選手はブロックでも得点し3-1とリードを広げる。ブロックとレシーブの関係も良好で日本のペースで進み、6-3と良い流れで試合が進む。横田選手のブロックで9-5とし、このセットでの打数が増えた林選手はレフト、ライトから攻撃を決めていき、12-7でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、セッター関選手はボールを散らし、相手のブロック陣営に的を絞らせないトスワークを見せる。一回で決められなくとも、小島満菜美選手を中心に粘り強く拾い続け、得点へ結びつけていく。17-10でタイがタイムアウトを要求するも日本はリズムを崩すことなく19-11と大きくリードを奪う。変化をつけた攻撃で得点を重ねていく日本は安定した試合運びでこのセットを25-14で奪い、セットカウント3-0のストレート勝ちを収め開幕7連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりはタイの速い攻撃にやられてしまった。また、サーブが正面に行っていた。7連勝は予想外。代表に入って初めての選手は勢いに乗っており、キャプテンの古賀(紗理那)選手を中心にはつらつとしている。明日の中国戦、我々は胸を借りるつもりで、積極的に攻めていきたい。
キャプテン・古賀紗理那選手
タイはオフェンスの速いチームで最初は対応するのに時間がかかったが、しっかり修正して私たちのリズムで試合ができたのでよかった。(個人の出来は)オフェンスの部分では失点が増えてきている印象なので、失点をしないようにと意識している。ディフェンスも失点が多いので明後日の試合に向けて修正したい。中国は本当に高さのあるチームだが、しっかりサーブで崩して、自分たちのテンポでプレーができるように、チーム全体で準備して戦いたい。
林琴奈選手
前半はレシーブが上がっていなかったが、後半はしっかり上げて、攻撃に繋げられていたので良かった。(1セット目と2セット目で大きく変わった要因は)ディグを自分たちのコート上に上げることを意識した。中国は背の高いチームなのでブロックフォローをして、スパイクも工夫し、全員で勝てるように頑張りたい。
関菜々巳選手
勢いのあるタイを相手に序盤はブレイクできない場面が多かったが、徐々に修正することができたので、そこはよかった。チームはすごくいい雰囲気でプレーできている。途中交代で入った選手も力を発揮してくれて、チーム全体で戦うことができている。
石川真佑選手
(途中から入ることについて)自分のサーブをしっかりと打つことはもちろんだが、入ったところでチームの流れを少しでも変えたいと思い、サーブを打っている。明日はアジアの強豪チームが相手だが、今日のように自分たちの流れを作りたいし、自分が出る時は少しでも流れを作れるよう、強い気持ちを持って試合に入りたい。
6月16日 日本×ブルガリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ブルガリア
0
20
16
23
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会初戦のポーランド戦から、スターティングメンバーに内瀬戸真実選手、リベロに山岸あかね選手を起用して臨んだ一戦。立ち上がりはブルガリアの粘りある守りと、高さのあるスパイクとブロックに苦しむも、古賀紗理那選手、内瀬戸選手が応戦する日本。ブルガリアは高さのあるブロックとスパイクが機能し、優位に試合を展開する。9-12でテクニカルタイムアウトを迎え、井上愛里沙選手、内瀬戸選手がスパイクを決めるも14-17と劣勢のまま試合が進む。17-19の場面でリリーフサーバーとして起用された佐藤淑乃選手がサービスエースを奪い18-19。ここでブルガリアはタイムアウトを要求。その後古賀選手の活躍で20-19と逆転に成功する。そして、21-20からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が2本連続のサービスエースを決め23-20とすると、島村春世選手の見事なブロックで24-20とし、最後は古賀選手のスパイクが決まり、終盤5連続得点を奪った日本は25-20でこのセットを逆転で制した。
【第2セット】
序盤はブルガリアの高さのある攻撃に苦戦を強いられるが、内瀬戸選手、井上選手、古賀選手のスパイクが機能し、流れをブルガリアには完全に渡さない。山岸選手のナイスディグから古賀選手のバックアタックも決まり、徐々に日本がペースを掴む中、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、確実に点を積み重ね15-11とリードを広げていく。相手ミスにも助けられ17-13となった場面で、ブルガリアがタイムアウトを要求。その後も島村選手のブロック、ブロード攻撃、井上選手のスパイクで23-15とリードを奪う。ここでリリーフサーバーとして起用された宮下遥選手のナイスディグから得点へ結びつけ、24-15とセットポイントとする。最後は宮下選手からのトスを内瀬戸選手が見事なブロックアウトを決め、25-16で2セットを連取した。
【第3セット】
このセットは小川愛里奈選手をスタートから起用。序盤は点の奪い合いで試合が進む。内瀬戸選手が素晴らしいディグを見せ得点へと繋げ、日本らしい粘りをみせて7-5とし、関菜々巳選手と小川選手のコンビでも得点を奪う。一本目で決められない場面であっても山岸選手を中心としたディグで主導権は日本が握り、12-9でテクニカルタイムを迎える理想的な展開となる。その後も関選手が相手に的を絞らせないトスワークを見せ、15-10とリードを奪い終盤を迎える。しかし、ブルガリアの高さのあるブロックに苦しみ18-16と追い上げれられた場面で日本がタイムアウトを要求。ここからお互いにサイドアウトを続けた末に24-21とマッチポイントを奪う。ブルガリアの反撃で24-23とされるが、最後は相手のミスを誘い25-23とした日本はセットカウント3-0のストレート勝ちを収め、開幕6連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は立ち上がりが良くなかった。中盤から終盤にかけてディフェンス、サーブが良くなった。(日本は)若い選手が多く、勢いがある。明日からは好調のタイ、そして中国と対戦するので、まずは明日に集中したい。
山岸あかね選手
各セットの出だしが良くなかったのが反省点。中盤にかけては、自分たちのいいリズムで攻撃ができていたのが良かった。
(久しぶりの国際大会かつ今大会初出場で)試合に入るまでは緊張したが、始まったら集中してプレーすることができた。
明日対戦するタイは速いテンポで攻撃してくるので、難しい試合になると思うが、自分たちの勢いや速いテンポの攻撃を出して勝てるように頑張りたい。
内瀬戸真実選手
1セット目は自分たちのリズムが掴めなかったが、終盤から速い攻撃やアタックが通用し始めたことが勝ちに繋がった。
(2セット目から大きく変わったのは)1セット目はバタバタしていたので、2セット目は1本目(のパス)で時間を作り、そこから速い攻撃に展開するということを意識した。
明日のタイ戦は難しい試合になると思うが、全員で頑張っていきたい。自分も攻撃参加をしっかりできるようにしたい。
6月14日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ポーランド
0
21
21
21
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会を4連勝しフィリピン大会へ臨む日本代表。日本代表初選出となる横田真未選手をスターティングメンバーに起用し、高さのあるポーランドとの一戦に臨んだ。
序盤、井上愛里沙選手・古賀紗理那選手の両エースが得点し、横田選手がクイック、そしてサービスエースを奪い6-1とすると、ポーランドは早くもタイムアウトを要求する。林琴奈選手もライトから速い攻撃を決めて、日本のペースで試合が進む。島村春世選手もブロード攻撃を決め、関菜々巳選手のトスワークからスパイカー陣が期待に応える。井上選手が連続得点をあげ、12-5でテクニカルタイムアウトを迎える。
中盤、林選手のサービスエース、古賀選手のブロックで17-9とリードを奪い、その後も井上選手が相手のブロックを利用した上手さのあるスパイクを見せる。終盤、連続失点を許し23-20となったところで日本がタイムアウトを要求。この苦しい状況で横田選手がクイックをしっかり決めて流れを止め、24-20とする。最後は島村選手のクイックが決まり、25-21で第1セットを奪った。
【第2セット】
先制点はラリーが続く中、古賀選手のバックアタックで奪った。難しい態勢から関選手が見事なトスを上げ、林選手がライトからの攻撃を決める。島村選手が続くも、ポーランドがミドルの攻撃を増やし日本の守備陣営を崩してくる。林選手の粘り強いディグから井上選手のブロックが飛び出すと、一進一退の攻防から日本が一歩リードし12-9でテクニカルタイムを迎え、日本にとって理想な試合展開となる。
ポーランドも高さのあるブロックでワンタッチを確実に奪い、日本へプレッシャーをかけてくる。15-17とリードを許す展開になるが、古賀選手の活躍で19-17と逆転に成功する。小島満菜美選手の素晴らしいディグから得点に結びつけ、確実に点数を重ね25-21でこのセットも奪った。
【第3セット】
林選手のスパイクで序盤のリズムを作り相手のミスを誘う。島村選手のブロード攻撃も冴えた。9-6とリードし優位に試合を進め、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手のブロックで14-9とリードを奪い、小島選手はコートに落ちそうなボールに飛び込んで拾い、得点へとつなぐ。ポーランドは選手交代を駆使し5連続得点をあげ、18-16まで追い上げてくる。ここで古賀選手が嫌な流れを止めるスパイクを相手コートに叩きつける。その後も関選手の見事なトスワークからスパイカー陣が得点を重ね、最後は古賀選手のブロックでこのセットも25-21で奪い、ストレートで勝利を収め開幕5連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は選手がよく集中していた。
ミドルブロッカーの2人(横田真未選手、島村春世選手)がよかった。その2人に対し、セッターの関(菜々巳選手)がブロックの空いているスペースを探していいトスを上げていた。(初出場・初先発の)横田は少し緊張していたが、ブロックもよかったし、クイックも思うように決まっていた。
明後日対戦するブルガリアは、高さのあるチーム。我々のスピードを上げていきたい。
井上愛里沙選手
この大会で勝つために、サーブと「12点目を先に取る」ことを意識してやっている。今日もミスはあったもののサーブは効いていたし、12点先行もできていたので、それが勝因だったと思う。
自分の仕事は点数を取ることなので、どんな相手にも怯まずに打っていくことを考えており、今日はそれができていた。ただ、ディフェンスの面などでまだ課題が残る試合だったので、次の試合に向けて修正していきたい。
連勝しているが自分たちのやるべきことのレベルを上げていくこと。毎試合違うメンバーが出ているが、どの選手が出ても勝ち切れるチームを作っていきたい。
林琴奈選手
(試合ではディフェンスでいい場面を作っていた)オフェンスで機能できなかったので、ディフェンスだけでもしっかり頑張ろうと思って臨んだ。
次も全員で勝ち切れるように、まずは目の前の試合に集中したい。
横田真未選手
ポーランドは攻撃力のあるチームなので、サーブで攻めてブロックディフェンスで日本のリズムを作っていこうと話しており、それがスタートからできた。
チームとして準備してきた相手の対策を自分の中に落とし込み、やるべきことをやりきろうと考えて試合に臨んだ。チームの共通理解があるので、練習でも誰が出てもいいように準備しており、それが出せたと思う。
ポーランドは高さがあるチームなので、攻撃面では速いクイックや早打ちで相手の隙間を抜くことを、ブロックでは上に(手を)出しても触れないボールが多いので、前に(手を)出してディガーと連動できるように意識した。リベロから積極的な声掛けがあり、ラリーの中でもブロックポジションの修正箇所を伝えてくれた。
チーム全員の力が必要だと思うので、一人ひとりが生きるチームになれるように、さらなる連勝を目指して頑張りたい。
6月5日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
アメリカ
0
22
20
20
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
現在FIVB世界ランキング1位のアメリカとの対戦。このネーションズリーグでも優勝候補の一角にあり、新生日本代表にとっては試金石の一戦でもある。強化してきたサーブで相手を崩し勝機を見出していきたい。
スタートはドミニカ戦で良い形を作りだしたメンバーで構成した。
序盤、島村春世選手のブロックとスパイクで3-3と互角のスタートを切った。井上愛里沙選手のブロック、そしてスパイクで5-3とリードする。その後、攻めのサーブから相手を崩し、林琴奈選手の素晴らしいディグから井上選手やキャプテンの古賀紗理那選手らが決めて、9-7とリードを奪う。しかし、アメリカは高いブロックの組織力で日本の攻撃を封じにかかり、テクニカルタイムアウトは一進一退の攻防の末に12-11で迎えた。日本はアグレッシブなレシーブから攻撃を仕掛け15-12とリードを奪うも、アメリカも反撃に出てくる。
中盤は17-17と追いつかれるも井上選手が踏ん張り18-17とすると、小川愛里奈選手のサービスエースで19-17とし、続いて関菜々己選手のサービスエースもあり21-19。2点リードで終盤へ突入し古賀選手のスパイクで23-20とするも アメリカも日本のお株を奪う素晴らしいディグからの攻撃でスコアは23-22となる。この苦しい場面で井上選手がバックアタックを決め24-22。最後は長いラリーの末にアメリカのタッチネットでポイントは日本へ。25-22でこのセットを奪う。
【第2セット】
先手を奪いたい日本は林選手、井上選手のスパイクで得点し、順調な滑り出しを見せて4-3とリードを奪う。関選手のトスワークから小川選手の見事なブロード攻撃を演出し、リズムを掴む日本。互いに点を取り合う白熱した試合となり、12-10でテクニカルタイムアウトを迎える。理想的な展開とした日本は、粘り強い我慢のバレーを続けて14-12と2点差をキープ。
16-12とした場面でアメリカはタイムアウトを要求。ここからアメリカの反撃があり16-14と2点差まで追いつめられるも、古賀選手のスパイク、小川選手のサービスエースで18-14と4点差とした。
高いブロックに跳ね返されても全員でブロックフォローを重ね、粘り強く戦う日本。林選手はレフト、ライトからスパイクをきっちりと決める。終盤23-20からは全員で必死にボールをつなぎ、古賀選手のスパイクで24-20とした日本は最後も古賀選手の1枚ブロックが決まり、このセットも25-20で奪う。
【第3セット】
島村選手の速攻で得点をあげた日本は順調なスタートを切った。しかし、アメリカも日本に負けず劣らずのレシーブ力と高い攻撃力で日本に襲い掛かってくる。それでも日本は小島満菜美選手を中心としたディフェンスから崩れることなく、10-7とリードを奪う。そして、テクニカルタイムアウトを12-8の4点差で迎えた。その後も着実に得点を重ねる日本は井上選手のサービスエースで18-12と6点差をつけたところで、アメリカがタイムアウトを要求した。勢いづいた日本は相手のミスを誘うなどして20-13と終盤大きくリードした。油断したわけではないが21-16と猛追された日本はタイムアウトを要求。連続ブロックに遭い23-19とされるも、アメリカのサーブミスに助けられ24-19。最後は井上選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで得点し、25-20でこのセットも奪いストレートで勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカチームとの試合。特に今日はショートサーブ、あとはブロックもそうだが、ディフェンスが良かった。これまで練習してきたことができた。アメリカのブロックにやられるケースが少なかったのでそれも勝因の一つかと思う。アメリカ大会で4連勝できて、若い選手が多いだけに勢いがあるので、この勢いを次のフィリピン大会にに持って行きたいと思う。
キャプテン・古賀紗理那選手
世界ランキング1位の強豪国と当たるということで、最初からサーブを攻めていこうという話をして、しっかりと先行した展開で3セット勝つことができて良かった。小さいチームなので組織的な戦術や動きで勝つ必要がある中、少しずつではあるがチームが成長していることがこの結果に繋がっていると思う。第1週は(相手に)対策されずにしっかり勝つことができたが、次からは対策された中での戦いになる。私たちも工夫しながら得点を取っていけるように頑張っていきたい。
井上愛里沙選手
今日は出だしからサーブが効いていた。世界ランキング1位のアメリカに対して、自分たちがどれだけチャレンジできるかというところで、最初から最後まで攻め続けることができたのは良かった。マッチアップしたのがVリーグでも対戦した(元JTマーヴェラスの)ドルーズ アンドレア選手だったので、(Vリーグでの対戦を)試合前にイメージをした。アメリカはどこを抜いてもディフェンスがとてもいいので、なんとかブロックを利用して打ちたいと思った。ブロックについては、もう少しで止まるというボールが多かったのでそこは修正点。この勢いをフィリピン大会にもぶつけていけるよう、全員でいい準備をして、誰が出てもしっかり勝てるチームにしていきたい。
関菜々巳選手
昨日(ドミニカ共和国戦)の試合が初めてのスタメン出場でとても緊張したので、今日は昨日よりも落ち着いて(試合に)入ることができた。まだ課題はたくさんあるが、コートの中でコミュニケーションを取って、今できることを出し切れたと思う。サーブで攻めることができたのが一番の勝因。予選ラウンド第1週では4連勝といういいスタートが切れた。この勢いをフィリピン大会でも出せるよう、休息期間中にチーム全体で課題を修正し、もっと強くなった日本代表をお見せしたい。
6月4日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
20
25
25
ドミニカ共和国
1
17
25
21
10
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 1 | 25 | 20 | 19 | 22 | |
セルビア | 3 | 22 | 25 | 25 | 25 |
【戦評】
【第1セット】
この2戦は高いブロックに苦しめられての敗戦となっているが、本日も高さとパワーのあるセルビアとの対戦であり、いかにして相手ブロックを突破していくかが勝敗の鍵を握る。
スタートから長いラリーとなったが、島村春世選手が速攻を決めて先制する。とにかく粘って勝機を掴み取りたい日本はまたも長いラリーを制し4-3とする。相手の速攻を封じ込めたい日本はサーブで攻め、井上愛里沙選手のサービスエースで8-8とすると、相手のミスもあり9-8と一歩リードする。古賀紗理那選手、林琴奈選手のスパイク、さらには林選手のサービスエースで12点目を奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。小島満菜美選手が相手に1本では決めさせない素晴らしいプレーをみせると、それに井上選手が応えスパイクを決める。
中盤は点の奪い合いが続き15-15。古賀選手は速いバックローを決めていき、林選手もそれに続き18-18。島村選手がサーブで崩し、古賀選手が押し込み20-18とすると、セルビアがタイムアウト。その後、林選手がライトから鋭いスパイクを決め21-18。ここからどう相手の高いブロックを凌いで得点を奪っていくか。21-20まで忍び寄ってくるセルビアに対して古賀選手が決めて22-20とする。しかし、22-22の同点に追いつかれてしまうが、ここで古賀選手がブロック、後衛に下がってもバックアタックを決めて24-22とし、最後は濵松明日香選手がライトから決めて25-22でセットを奪った。
【第2セット】
良い形で第1セットを奪った日本はこのセットも小島選手を中心としたサーブレシーブとディグでリズムを作っていく。島村選手はサーブで得点しチームを盛り上げる。攻撃のリズムはできているがセルビアも負けまいと攻撃を仕掛けてくる。井上選手はスパイク、ブロックにと貢献し、関菜々巳選手からの配球に林選手も応えていく。1点を争う試合展開が序盤から続き8-8、9-9、10-10と両者一歩も譲らない。ここで相手に先に2点を奪われ10-12でテクニカルタイムアウトとなった。離されずに試合を進めたい日本は林選手、島村選手、古賀選手が得点し食い下がる。14-15と1点差に迫るもなかなか追いつけず、15-18と3点差にまで広げられてしまう。流れを引き戻したい日本は関選手に代わり松井珠己選手をサーブから起用した。2点をブレークし19-20と1点差まで詰め寄るも一気に24点まで奪われてしまい、このセットは20⁻25で奪い返されてしまう。
【第3セット】
流れを変えようと石川真佑選手、小川愛里奈選手、松井選手の3枚を入れ替えてスタートした。まずは林選手が相手へうまく押し込むスパイクで得点し先制する。石川選手も豪快なバックスパイクで4-3として、松井選手は相手の意表をつくツーアタックを見せ5-3とリードを奪う。林選手が足で上げるスーパーレシーブを見せて相手ミスを誘い、流れは日本へと傾く。9-5とリードするもののミスが続き10-10とされ、11-12と逆転を許しテクニカルタイムアウトを迎える展開となってしまった。相手へ流れが行きかけた場面で関選手をコートへ戻す。中盤は劣勢な流れとなり15-20。古賀選手が踏ん張り16-20とするも、相手の勢いは止められずに終盤へと突入する。石川選手が得点し19-23とするも、このセットも押し切られ19-25で奪われる。
【第4セット】
後のないこのセットは内瀬戸真実選手、山田二千華選手をスタートに起用した。序盤は林選手の活躍で互角の試合展開となる。サーブで攻めたい日本は石川選手のサービスエースで5-5。そして、島村選手のブロード攻撃も冴える。内瀬戸選手も続き、決して離されずに試合は進み、林選手のブロックポイントで8-7とする。お互いの攻防が続く中、11-12でテクニカルタイムアウトを迎え中盤へと試合が進んでいく。島村選手のブロード攻撃ですぐさま12-12に追いつく。小島選手、石川選手らが相手の強烈なスパイクを必死に上げて15⁻13とすると島村選手がダイレクトで押し込み、16-13としたところでセルビアがタイムアウトを要求する。その後、内瀬戸選手のスパイクなどで点数を上げた日本だったが連続失点を許し、ついには18-19と逆転を喫してしまう。日本は小島選手を中心とした素晴らしいレシーブを披露するも、またしても高いブロックに屈し18-22と苦戦を強いられる展開となってしまう。林選手が意地のスパイクを決め19-22とし、さらには石川選手が連続でスパイクを決めて21-22と追いすがるも、最終的には22-25で奪われ、セットカウント1-3で敗れ通算8勝3敗となった。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
(セルビアは)特に高さがあるチームで、これまで対戦してきたチームの中でもブロックで威圧感を感じる試合だった。(自分たちの)トスが少しゆっくりになっているという話を受け、少しずつでいいのでスピードを上げてスパイクを打とう、コンビネーションを作ろうと話していたが、それを意識しすぎてコンビネーションの精度が落ちていたように思う。
この大会が始まってから自信が付いたし、今週に入ってからはたくさん課題も出た。私たちがきっかけを作って勝てるチームになりたいと思う。ファイナルラウンドに向けて明日の試合はとても大事。しっかり勝ってトルコに行けるように頑張りたい。
島村春世選手
(オランダ、トルコに)2敗している中、ファイナルラウンドに向けて勝ちが欲しいところで、こういう負け方をしてしまったことに対して、悔しい気持ちが強い。(セルビアは)高さがあることは想定内だった。まずは自分たちの攻撃のスピード感を、ミドルブロッカーについては踏み込みのスピートを速くして相手を引き付けること、その後の攻撃では自分のスピードを生かす、ということをもう一度みんなで作り直そうとした。その点ではミドルブロッカーの良さは出せていたが、それを勝ちに繋げられなかった。
あと1試合、持てる力を全て出して、勝ちに行きたい。
林琴奈選手
相手に(テクニカルタイムアウトとなる)12点を先行されることが多く、サイドアウトが取れず苦しい展開だった。昨日(トルコ戦)の反省として被ブロックをなくすことを考えて、リバウンドを取るなどしようとしたが、あまりうまくいかなかったのでもう少し修正したい。
明日は絶対に勝って終わりたい。気持ちを切り替えて、全員で勝ちに行きたい。
関菜々巳選手
コンビネーションの精度が低く、パスが返ってきても決め切れない場面が多く、セッターとしても課題を感じた試合だった。速いバレーにしようとして(トスを)上げ急いでいることが多かったと思う。もう一度基本に立ち返ってやりたいと思う。
カナダに来てから勝てていないが、(明日は予選ラウンド)最終戦で、ファイナルラウンドに向けてとても重要な試合になると思う。どんな状態でも絶対に勝つという気持ちを表に出して、闘争心を持ってやっていきたい。
7月1日 日本×トルコ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
1
20
15
25
22
トルコ
3
25
25
18
25
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
オランダ戦では惜しくもフルセットの末に敗れた日本は本日、同じく欧州のトルコとの対戦。
序盤から高さのあるトルコに対してセッター松井珠己選手がミドルを多用し、サイドを生かす展開へと持っていく。井上愛里沙選手・石川真佑選手のスパイク、井上選手・山田二千華選手のサービスエースで序盤は5-5と互角の戦いとなる。5-7と劣勢な場面から濵松明日香選手が見事なブロックを決め6-7と食らいついていく。宮部藍梨選手のサーブをきっかけに9-8と逆転に成功するも先に12点を取られ、10-12でテクニカルタイムを迎えた。その後、石川選手のスパイクで12-12と同点とした日本は宮部選手と山田選手の2枚ブロックで相手へ主導権を渡さず、中盤は1点の攻防が繰り広げられるもトルコの高いブロックが襲い掛かり16-19とされる。なんとか井上選手が踏ん張り17-19とした日本であったが、その後も18-21と劣勢は続く。石川選手のスパイクで対抗するもこのセットは20-25で奪われる。
【第2セット】
セッターを関菜々巳選手へと代え臨んだ第2セット。石川選手のスパイクで得点し宮部選手がブロックを決め、セット序盤は3-3。その後、やや押され気味で試合が進むも、山岸あかね選手の献身的なレシーブもあり食らいついていく日本であったが、流れが徐々に相手のトルコへ。6-13と大量リードを許してしまう。内瀬戸真実選手、島村春世選手、小川愛里奈選手を起用し流れを変えようとするもトルコの勢いを止められず6-17。内瀬戸選手のディグから石川選手が決め、反撃を試みるも、中盤での大量失点が響き点差が縮まらず、終盤には12-20とされてしまう。だが、島村選手は存在感のあるブロード攻撃を決める。このセットも高さとパワーに屈し15-25で奪われてしまう。
【第3セット】
後のない日本は林琴奈選手、そして小島満菜美選手を起用してスタートした。関選手と石川選手が息の合ったバックローを見せ、チームが活気づく。小川選手も高いブロックへ勝負し速攻を決める。林選手のサーブで相手陣営を崩し9-3とリードを奪う。内瀬戸選手は相手の高いブロックを利用してスパイクを決めていく。小島選手のディグからは石川選手が決め11-4と大きくリードする。そして、12点目を日本が奪い、12-5でテクニカルタイムアウトを迎えた。ここからトルコの高いブロックがまたしても襲い掛かり9-12と一気に迫られる。ついには13-13とされ、13-14と逆転まで許してしまう。ここから林選手が踏ん張りを見せ16-15と逆転、そして島村選手の見事なブロックが決まり17-15。ここから長いラリーを制した日本は18-15とする。たまらずにトルコはタイムアウトを要求、いよいよ勝負の終盤へと突入する。全員で拾い、粘り、得点を重ねていく日本は24-18とセットポイントを握った。そして、内瀬戸選手のサービスエースでこのセットを25-18で奪い返した。
【第4セット】
林選手、石川選手が連続でスパイクを決め2-0。そして、小島選手のファインプレーから3-0と良いスタートを切った日本。小川選手もブロード攻撃を決め6-3と序盤は日本ペースで進んだ。しかし、トルコの反撃が始まり6連続失点を喫し6-9とされてしまう。関選手のブロックワンタッチから林選手のバックアタックへつなぎ日本も9-9と追いつく。その後、粘りに粘った日本は12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。1点を争う攻防が続き中盤は15-14。互いに連続得点も失点もないまま18-17と試合は進んでいく。
ここで関選手がサービスエースを奪い19-17とした。しかし、その後はトルコの高さに屈してしまい連続得点を許し、19-20と逆転を喫してしまう。林選手が大車輪の活躍をみせ21-21と同点とするも逆転までは至らず、22-23と終盤の劣勢が続き、22-24のマッチポイントを握られると、最後は日本のスパイクが相手コートを割り22-25で奪われた。セットカウント1-3で敗れた日本は通算8勝2敗となり明日はセルビアとの対戦となる。被ブロックが19本と多く、高さのあるチームと対戦する際の大きな課題が浮き彫りとなった試合でもあった。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりが悪かった。第1、第2セットは全く良くなかった。特に被ブロックが20点くらい(公式記録では19点)あった。これでは話にならない。(明日のセルビア戦に向けて)ヨーロッパ勢は高さがある。そのブロックにやられないようにするのは、最終的にはスパイカー陣の個人技に懸かっている。被ブロックされないようにすること、これに尽きる。
小島満菜美選手
ブロックの高いトルコに対して、リバウンドを取り、そこから何度も粘ってオフェンスに展開していこう、という話をしていた。それができていた時は自分たちにとっていい時間帯が来ていたと思うし、逆にそれが苦しかったり、相手にいい形でボールが返ってしまうと苦しい展開になっていたと思うので、そこをもっと修正していきたい。また、相手の攻撃に対してのブロックディフェンスの精度をもっと上げていきたい。
(明日のセルビア戦に向けて)日本が勝つ上でサーブがすごく大事になってくると思うので、まずはサーブを攻めて相手を崩し、そこから今日の課題であるブロックディフェンスを修正して、何度もオフェンスに展開して得点する、というバレーをしていきたい。
林琴奈選手
入りがあまり良くなかったが、途中からは流れがこちらにきて雰囲気も良くなった。ただ、やはり被ブロックが多いことが課題として残った。この2戦(オランダ、トルコを相手に)負け試合が続いているがしっかり気持ちを切り替え、課題を克服できるように明日も全員で頑張りたい。
関菜々巳選手
一昨日オランダに負けたあと、昨日チームでしっかりとミーティングを行い今日の試合に臨んだが、自分たちのバレーができなかった。相手に何をやられるでもなく、自分たちからミスを出してしまったのが今日の反省点。もっとできることがあったと思う。1本のボールに対してとても淡泊になってしまった。日本の良さは粘りや繋ぎの部分だと思うが、それを発揮することができなかった。
2連敗してしまったので、明日は絶対勝てるよう、誰が出ても強い日本を見せられるように頑張りたい。
6月29日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2
25
20
26
21
10
オランダ
3
23
25
24
25
15
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会、フィリピン大会を終え全勝で迎えたカナダ大会。
高さとパワーのあるオランダとの一戦。スタートには今大会に初めて登録された濵松明日香選手と宮部藍梨選手を起用し、フィリピン大会からは大幅にメンバーを入れ代えて臨んだ。
宮部選手のスパイク、サービスエースや、石川真佑選手の強烈なスパイクで序盤は互角の戦いとなり、山田二千華選手の連続サービスエースで6-4、長いラリーからはキャプテンの古賀紗理那選手が決め切り7-4とリードする。濵松選手も躍動し豪快なスパイクを決めて9-6。1点差まで詰め寄られるが山岸あかね選手、松井珠己選手の素晴らしいディグから古賀選手、石川選手の強烈なスパイクで12-9とし、テクニカルタイムアウトを迎えた。ここからオランダの高い壁が襲い掛かってくるが、決してリードは奪われずに中盤16-14と試合は進む。その後、16-16の同点に追いつかれるも石川選手の素晴らしいディグから古賀選手の強烈なバックアタックで18-16とする。19-17場面では関菜々巳選手がリリーフサーバーで起用され、山田選手が見事なブロックを決め20-17とするとオランダはタイムアウトを要求。また1点差まで追い上げられるも林琴奈選手がサーブで相手を崩し古賀選手が決め23-20とする。しかし、オランダも高さを生かしたブロックとスパイクで23-22と迫ってくる。ここで日本はタイムアウトを要求。松井選手は山田選手の速攻を選択し、山田選手はその期待に応え24-22とし、最後は古賀選手が決めて苦しみながらも25-23でこのセットを奪った。
【第2セット】
古賀選手、宮部選手のバックアタックで幸先よく2点をリードする。それに山田選手も続き3-1。日本らしい粘り強いレシーブからリズムを作り5-1と試合が進む。その後はオランダの高いブロックに苦しむも濵松選手がダイレクトスパイクを決め8-5。山田選手の絶妙なフェイントで10-7と3点差のリードを奪う。石川選手もパワフルなスパイクを決め、2~3点を日本がリードしたまま試合は進み12-9でテクニカルタイムアウトを迎えた。12-11と1点差まで迫られ、ついには13-14と逆転を許してしまう。流れを変えようとセッターを関選手に代えるもオランダは攻撃の手を緩めず13-16と苦戦を強いられる。さらに濵松選手に代えて島村春世選手、宮部選手に代え井上愛里沙選手を起用し流れを引き戻そうとする日本だが17-21と迫り切れない試合展開となる。島村選手、古賀選手が得点するもこのセットはオランダに20-25で奪われた。
【第3セット】
第2セットのスタートから大幅に入れ替えたメンバーで臨んだ第3セット、代わって入った内瀬戸真実選手がまずはスパイクでその期待に応えた。序盤は一進一退の攻防が続くも、8-9とリードを奪うまでには及ばなかったが、井上選手のサービスエースで10-9と逆転に成功する。1点ずつを奪う試合展開となり、12点を先に奪ったのは日本。その後、関選手が相手のバックアタックをブロックし、14-11となったところでオランダはたまらずタイムアウトを要求。難しい態勢から古賀選手が決め15-11とした。小川愛里奈選手も見事なブロード攻撃を決めて16-13とすると井上選手も相手ブロックを利用してスパイクを決め17-13と主導権を握った。島村選手の速攻も冴え19-15とした。オランダもブロックで反撃してくるも21-17とリードをキープしいよいよ終盤へ。ここで相手ブロックにつかまり21-20となったところで日本はタイムアウト。流れが戻らずに21-21とされるも相手ミスに助けられ22-21。ここから1点の攻防となり、先にセットポイントを握られる苦しい展開ではあったが、最後はしのぎ25-23でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
内瀬戸選手の技ありスパイクやこのセットからコートに入った小島満菜美選手のディグから得点へと結びつけ、序盤はお互いに点を取り合う展開が続く。2点リードを許した場面から古賀選手のバックアタックが見事に決まると3連続得点を奪い8-7と逆転に成功する。相手のミスもあり11-8となり、島村選手のクイックで12-8とテクニカルタイムアウトを迎えた。ここから関選手のサービスエースで14-8とすると、勢いそのままに井上選手も続き15-8と7点のリードを奪う。しかし、4連続失点を喫して15-12となるが、井上選手が踏ん張り16-12。しかし、徐々にオランダが忍び寄り、気が付けば17-16と1点差まで詰め寄られる展開となる。ついには18-18の同点とされ試合は振り出しに戻ってしまう。その後も勢いづいたオランダを止めることができずに21-25で失い、ファイナルセットへと突入することとなった。
【第5セット】
嫌な流れを断ち切りたい日本であったが、立ち上がりからオランダに攻め立てられ0-3とリードを奪われる展開となる。古賀選手、林選手のスパイクで反撃するも2-5と劣勢な展開は続く。全員でボールをつなぎ、林選手が連続でスパイクを決め、4-5と反撃の狼煙をあげた。だが、オランダの高い壁が立ち塞がり4-8と劣勢な展開が続く中、古賀選手が踏ん張り6-8とするも得点はなかなか縮まらずに7-9。途中交代の石川選手が決め8-10とするも、またしてもブロック得点を許し9-13。最後はオランダのスパイクが決まり10-15。フルセットの末に負け、今大会初の黒星を喫した。オランダのブロックポイント16点に苦しんだ日本は明日の休養を挟み、明後日は強豪トルコとの対戦となる。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は出足から動きが悪く、ヨーロッパの高いブロックにやられてしまった。相手のハイボールをブロックで止められず、はじかれてしまうという、日本の負けパターンだった。
目標としていたファイナルラウンドに行けることは決まったが、あと3試合ヨーロッパのチームとの対戦が残っているので、今日がいい勉強となった。やはりブロックの部分だと思う。サーブレシーブは変えているが、Aパスからの決定率、効果率があまり良くない。(次戦まで)1日あるので、修正し頑張りたい。
古賀紗理那選手
今日は新しい選手が入り、選手の入れ替えも激しく、先週までであればクイックで切らずにサイドで切っていたところを、クイックにトライするという意識もあったので、明後日以降の試合に繋げていきたい。
次の対戦相手であるトルコは高さがあるチーム。被ブロックの数を少なくして、オフェンスの展開として攻撃の枚数を増やしていかないと苦しい展開が続くと思うので、そこに集中していきたい。
宮部藍梨選手
自分たちが望んでいたような結果で試合を終えることはできなかったが、次への課題もたくさん見えてきたので、気持ちを切り替えてその課題を修正して、いい形で次戦以降の試合に臨みたい。
今日はスパイクを決めることが自分に求められているスキルだったと思うが、それを発揮することできなかったので、限られた時間ではあるが練習でもう一度確認して、次の試合をベストな調子で迎えられるよう頑張りたい。
濵松明日香選手
出だしが悪く、もっと決定打を出せる場面があったのに出せなかったのがすごく悔しい。次の試合ではそこを改善して臨みたい。
今日は相手のスパイクに対してのブロックとディグが悪かったと思うので、その部分をもう一度見直して、自分自身もしっかりトルコ戦に向けて変えて、色々なことに挑戦していけるよう頑張りたい。
6月19日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
19
25
25
25
中国
1
25
16
23
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会最終日は高さのある中国との対戦。林琴奈選手のダイレクトスパイクで日本が先制する。横田真未選手のサーブで相手陣営を崩し4-2とリードするも、中国の高さのあるブロックに阻まれ、5-7とされる。日本は何度もリバウンドを拾い、相手のミスを誘って10-10とした。その後、10-12でリードされてテクニカルタイムアウトを迎える。関菜々己選手のナイスディグから小島満菜美選手が古賀紗理那選手へのトスを出すと、古賀選手が決めきり12-13と反撃ムードが高まる。横田選手がブロックを止め、14-14と同点へ追いつく。一時逆転するも16-18とされた場面で日本がタイムアウトを要求。セッターを松井珠己選手に交代するも、連続失点を止めることができず、16-22と終盤に大きく離されてしまう。リリーフサーバーの佐藤淑乃選手がサーブポイントを奪うも、このセットを19-25で落とす。
【第2セット】
このセットはセッターを松井選手でスタートする。林選手、古賀選手のスパイクが決まり序盤は互角の戦いが続く。島村春世選手のサーブポイントで8-6とし、相手ミスもあり9-6とリードを奪う。井上愛里沙選手のブロックで11-7、横田選手のダイレクトスパイクで12-7とリードしテクニカルタイムを迎える。その後、古賀選手のブロック、スパイクで15-8とリードを奪ったところで、中国がタイムアウトを要求。小島選手からの正確なサーブレシーブに、松井選手がスパイカーを操る。18-9と大きくリードを奪うも気を緩めることなく、理想的な試合展開となる。
23-15から石川真佑選手がリリーフサーバーで起用され、相手の強烈なスパイクをナイスディグし、それを井上選手が決め24-15。最後も井上選手が決め、25-16とセットを奪い返した。
【第3セット】
横田選手の速攻に始まり、井上選手のサーブポイント、林選手と古賀選手のスパイクで4-1。サーブレシーブも安定し、松井選手が変幻自在のトスワークを見せる。日本のペースで試合が進み8-4とするも、中国も徐々に日本へ襲い掛かってくる。12-9でテクニカルタイムアウトを迎えるが13-12と1点差まで追いつかれ、15-15とついには同点とされてしまう。しかし、勢いは完全に渡さない。16-16、17-17、18-18と均衡した試合が続いたが、日本が連続ポイントで20-18とすると中国がタイムアウト。島村選手のブロード攻撃で22-19とし、22-21まで追いつかれるも井上選手が踏ん張り23-21。松井選手のサーブポイントで24-21とセットポイントを奪う。中国の粘りにあうも、最後は井上選手が決めきり25-23の接戦でこのセットを奪った。
【第4セット】
松井選手が強弱をつけたサーブで相手陣営を崩し、4-0と幸先のいいスタートを切ったところで早くも中国はタイムアウトを要求。古賀選手のブロックが飛び出し7-2とリードし、その後も古賀選手がスパイク、ブロックにと得点し10-2と大きくリード。12-4でテクニカルタイムアウトを最高の形で迎えた。横田選手も見事なブロックを見せ、林選手も相手ブロックをはじくスパイクで持ち味を発揮する。井上選手もサーブポイントを奪い18-7。中国のミスも重なり、23-8と勝利まであと2点と迫った。最後は中国のサーブが日本のエンドラインを越え、25-12でこのセットを奪い、セットカウント3-1で勝利し開幕から8連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
1セット目は中国にサーブで押されていたので、2セット目はサーブで崩す戦術にした。(具体的には)1セット目はショートサーブを使ったが、2セット目はエンドラインを狙う強いサーブに切り替えた。また、3セット目の終盤の競り合いを取ったのが大きい。選手に非常にまとまりがあり、チームらしくなってきたと思う。
井上愛理沙選手
チームとしていいもの(プレー)がどんどん出てきていることが、勝利に繋がっていると思う。連勝中なので勝ち負けにこだわるということはもちろんあるが、フィリピン大会では修正点もたくさん見つかったので、そこを修正してカナダ大会では戦いたい。(高さのある中国に対し)最初はリバウンドを取ろうと考えていたが、それもブロックされることが多かったので、「もっと上に打たなければ」と感じたので、2セット目はそこを意識した。また、トスのテンポを速くしてもらうことで、相手のブロックが揃う前にアタックを打てるようにしてもらった。カナダ大会では高さのあるヨーロッパのチームとの試合がある。これまでのように調子のよいサーブで相手を崩して、ブロックディフェンスから得点する、という自分たちの強みを全面に出せるように準備したい。
横田真未選手
最初は中国の高さに対して(日本の攻撃が)被ブロックとなってしまうなど流れが掴めなかったが、2セット目を取れたことが今日のキーポイントだった。今日はミーティングの時に、自分は中国のミドルブロッカーとマッチアップしていく、ということを決めていて、それを1セット目で出せたのがよかった。(カナダ大会では)もう1つギアを上げて、チーム全員で戦っていきたい。
松井珠己選手
(第1セット途中からの出場について)1セット目の初めから被ブロックが多かった。被ブロックが多くならないようにどうトスを上げるのかを考えながら試合に入った。開幕8連勝でチームの雰囲気はとてもよく、試合に出ている選手も出ていない選手も関係なくコミュニケーションを図りながら戦うことができている。連勝しているが気を抜くことなく、1戦1戦が勝負だと思って、自分が出るチャンスがあればしっかりと自分のパフォーマンスを発揮したい。
6月17日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
タイ
0
22
16
14
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
初戦の韓国以来のアジア勢との対戦。タイもここまで4勝2敗と好調であり、これまでの対戦相手とは違うバレースタイルへどう対応するかが大きな鍵となる。その序盤、井上愛里沙選手や林琴奈選手の攻撃で得点するも、タイも素晴らしいレシーブからのコンビネーションバレーを組み立ててくる。序盤は7-9と日本は苦戦を強いられる展開となる。突破口を開こうと関菜々巳選手は横田真未選手、島村春世選手へとボールを託し、ミドル陣もそれに応える。しかし、2点差が詰まらずに10-12とテクニカルタイムアウトを迎える。11-14となったところで日本はタイムアウトを要求する。ここから井上選手が踏ん張り15-15とようやく同点へ追いついた。互いにブロックとディフェンスの持ち味を生かし一進一退の攻防が続くが、タイに17-20と一歩リードを奪われる。古賀が踏ん張り18-20の場面からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が相手ディフェンスを崩すサーブで一気に23-20とし、古賀選手のブロックで24-20とセットポイントを握った。2点差まで迫られたが、最後は全員で粘り25点目をもぎ取って、25-22で大事な第1セットを奪った。
【第2セット】
序盤は互いの持ち味であるレシーブ力が発揮され、長いラリーが続く攻防となるが日本が井上選手、古賀選手で制し8-4とリードを奪う。この場面でタイはタイムアウトを早くも要求する。その後、互いに得点を重ね、横田選手のスパイクで12-9としたところでテクニカルタイムアウトを迎えた。古賀選手の連続スパイクで14-9とし、タイもコンビネーションバレーを組み立て必死の反撃を試みるものの、日本は崩れることなく、島村選手のブロード攻撃、井上選手や古賀選手のスパイクで19-12と優位に試合を進めていく。タイのミスもあり22-14とした日本。最後は古賀選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで25-16とし、セットを連取した。
【第3セット】
まずは林選手のスパイクで幸先よく先取点を上げる。林選手はブロックでも得点し3-1とリードを広げる。ブロックとレシーブの関係も良好で日本のペースで進み、6-3と良い流れで試合が進む。横田選手のブロックで9-5とし、このセットでの打数が増えた林選手はレフト、ライトから攻撃を決めていき、12-7でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、セッター関選手はボールを散らし、相手のブロック陣営に的を絞らせないトスワークを見せる。一回で決められなくとも、小島満菜美選手を中心に粘り強く拾い続け、得点へ結びつけていく。17-10でタイがタイムアウトを要求するも日本はリズムを崩すことなく19-11と大きくリードを奪う。変化をつけた攻撃で得点を重ねていく日本は安定した試合運びでこのセットを25-14で奪い、セットカウント3-0のストレート勝ちを収め開幕7連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりはタイの速い攻撃にやられてしまった。また、サーブが正面に行っていた。7連勝は予想外。代表に入って初めての選手は勢いに乗っており、キャプテンの古賀(紗理那)選手を中心にはつらつとしている。明日の中国戦、我々は胸を借りるつもりで、積極的に攻めていきたい。
キャプテン・古賀紗理那選手
タイはオフェンスの速いチームで最初は対応するのに時間がかかったが、しっかり修正して私たちのリズムで試合ができたのでよかった。(個人の出来は)オフェンスの部分では失点が増えてきている印象なので、失点をしないようにと意識している。ディフェンスも失点が多いので明後日の試合に向けて修正したい。中国は本当に高さのあるチームだが、しっかりサーブで崩して、自分たちのテンポでプレーができるように、チーム全体で準備して戦いたい。
林琴奈選手
前半はレシーブが上がっていなかったが、後半はしっかり上げて、攻撃に繋げられていたので良かった。(1セット目と2セット目で大きく変わった要因は)ディグを自分たちのコート上に上げることを意識した。中国は背の高いチームなのでブロックフォローをして、スパイクも工夫し、全員で勝てるように頑張りたい。
関菜々巳選手
勢いのあるタイを相手に序盤はブレイクできない場面が多かったが、徐々に修正することができたので、そこはよかった。チームはすごくいい雰囲気でプレーできている。途中交代で入った選手も力を発揮してくれて、チーム全体で戦うことができている。
石川真佑選手
(途中から入ることについて)自分のサーブをしっかりと打つことはもちろんだが、入ったところでチームの流れを少しでも変えたいと思い、サーブを打っている。明日はアジアの強豪チームが相手だが、今日のように自分たちの流れを作りたいし、自分が出る時は少しでも流れを作れるよう、強い気持ちを持って試合に入りたい。
6月16日 日本×ブルガリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ブルガリア
0
20
16
23
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会初戦のポーランド戦から、スターティングメンバーに内瀬戸真実選手、リベロに山岸あかね選手を起用して臨んだ一戦。立ち上がりはブルガリアの粘りある守りと、高さのあるスパイクとブロックに苦しむも、古賀紗理那選手、内瀬戸選手が応戦する日本。ブルガリアは高さのあるブロックとスパイクが機能し、優位に試合を展開する。9-12でテクニカルタイムアウトを迎え、井上愛里沙選手、内瀬戸選手がスパイクを決めるも14-17と劣勢のまま試合が進む。17-19の場面でリリーフサーバーとして起用された佐藤淑乃選手がサービスエースを奪い18-19。ここでブルガリアはタイムアウトを要求。その後古賀選手の活躍で20-19と逆転に成功する。そして、21-20からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が2本連続のサービスエースを決め23-20とすると、島村春世選手の見事なブロックで24-20とし、最後は古賀選手のスパイクが決まり、終盤5連続得点を奪った日本は25-20でこのセットを逆転で制した。
【第2セット】
序盤はブルガリアの高さのある攻撃に苦戦を強いられるが、内瀬戸選手、井上選手、古賀選手のスパイクが機能し、流れをブルガリアには完全に渡さない。山岸選手のナイスディグから古賀選手のバックアタックも決まり、徐々に日本がペースを掴む中、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、確実に点を積み重ね15-11とリードを広げていく。相手ミスにも助けられ17-13となった場面で、ブルガリアがタイムアウトを要求。その後も島村選手のブロック、ブロード攻撃、井上選手のスパイクで23-15とリードを奪う。ここでリリーフサーバーとして起用された宮下遥選手のナイスディグから得点へ結びつけ、24-15とセットポイントとする。最後は宮下選手からのトスを内瀬戸選手が見事なブロックアウトを決め、25-16で2セットを連取した。
【第3セット】
このセットは小川愛里奈選手をスタートから起用。序盤は点の奪い合いで試合が進む。内瀬戸選手が素晴らしいディグを見せ得点へと繋げ、日本らしい粘りをみせて7-5とし、関菜々巳選手と小川選手のコンビでも得点を奪う。一本目で決められない場面であっても山岸選手を中心としたディグで主導権は日本が握り、12-9でテクニカルタイムを迎える理想的な展開となる。その後も関選手が相手に的を絞らせないトスワークを見せ、15-10とリードを奪い終盤を迎える。しかし、ブルガリアの高さのあるブロックに苦しみ18-16と追い上げれられた場面で日本がタイムアウトを要求。ここからお互いにサイドアウトを続けた末に24-21とマッチポイントを奪う。ブルガリアの反撃で24-23とされるが、最後は相手のミスを誘い25-23とした日本はセットカウント3-0のストレート勝ちを収め、開幕6連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は立ち上がりが良くなかった。中盤から終盤にかけてディフェンス、サーブが良くなった。(日本は)若い選手が多く、勢いがある。明日からは好調のタイ、そして中国と対戦するので、まずは明日に集中したい。
山岸あかね選手
各セットの出だしが良くなかったのが反省点。中盤にかけては、自分たちのいいリズムで攻撃ができていたのが良かった。
(久しぶりの国際大会かつ今大会初出場で)試合に入るまでは緊張したが、始まったら集中してプレーすることができた。
明日対戦するタイは速いテンポで攻撃してくるので、難しい試合になると思うが、自分たちの勢いや速いテンポの攻撃を出して勝てるように頑張りたい。
内瀬戸真実選手
1セット目は自分たちのリズムが掴めなかったが、終盤から速い攻撃やアタックが通用し始めたことが勝ちに繋がった。
(2セット目から大きく変わったのは)1セット目はバタバタしていたので、2セット目は1本目(のパス)で時間を作り、そこから速い攻撃に展開するということを意識した。
明日のタイ戦は難しい試合になると思うが、全員で頑張っていきたい。自分も攻撃参加をしっかりできるようにしたい。
6月14日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ポーランド
0
21
21
21
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会を4連勝しフィリピン大会へ臨む日本代表。日本代表初選出となる横田真未選手をスターティングメンバーに起用し、高さのあるポーランドとの一戦に臨んだ。
序盤、井上愛里沙選手・古賀紗理那選手の両エースが得点し、横田選手がクイック、そしてサービスエースを奪い6-1とすると、ポーランドは早くもタイムアウトを要求する。林琴奈選手もライトから速い攻撃を決めて、日本のペースで試合が進む。島村春世選手もブロード攻撃を決め、関菜々巳選手のトスワークからスパイカー陣が期待に応える。井上選手が連続得点をあげ、12-5でテクニカルタイムアウトを迎える。
中盤、林選手のサービスエース、古賀選手のブロックで17-9とリードを奪い、その後も井上選手が相手のブロックを利用した上手さのあるスパイクを見せる。終盤、連続失点を許し23-20となったところで日本がタイムアウトを要求。この苦しい状況で横田選手がクイックをしっかり決めて流れを止め、24-20とする。最後は島村選手のクイックが決まり、25-21で第1セットを奪った。
【第2セット】
先制点はラリーが続く中、古賀選手のバックアタックで奪った。難しい態勢から関選手が見事なトスを上げ、林選手がライトからの攻撃を決める。島村選手が続くも、ポーランドがミドルの攻撃を増やし日本の守備陣営を崩してくる。林選手の粘り強いディグから井上選手のブロックが飛び出すと、一進一退の攻防から日本が一歩リードし12-9でテクニカルタイムを迎え、日本にとって理想な試合展開となる。
ポーランドも高さのあるブロックでワンタッチを確実に奪い、日本へプレッシャーをかけてくる。15-17とリードを許す展開になるが、古賀選手の活躍で19-17と逆転に成功する。小島満菜美選手の素晴らしいディグから得点に結びつけ、確実に点数を重ね25-21でこのセットも奪った。
【第3セット】
林選手のスパイクで序盤のリズムを作り相手のミスを誘う。島村選手のブロード攻撃も冴えた。9-6とリードし優位に試合を進め、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手のブロックで14-9とリードを奪い、小島選手はコートに落ちそうなボールに飛び込んで拾い、得点へとつなぐ。ポーランドは選手交代を駆使し5連続得点をあげ、18-16まで追い上げてくる。ここで古賀選手が嫌な流れを止めるスパイクを相手コートに叩きつける。その後も関選手の見事なトスワークからスパイカー陣が得点を重ね、最後は古賀選手のブロックでこのセットも25-21で奪い、ストレートで勝利を収め開幕5連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は選手がよく集中していた。
ミドルブロッカーの2人(横田真未選手、島村春世選手)がよかった。その2人に対し、セッターの関(菜々巳選手)がブロックの空いているスペースを探していいトスを上げていた。(初出場・初先発の)横田は少し緊張していたが、ブロックもよかったし、クイックも思うように決まっていた。
明後日対戦するブルガリアは、高さのあるチーム。我々のスピードを上げていきたい。
井上愛里沙選手
この大会で勝つために、サーブと「12点目を先に取る」ことを意識してやっている。今日もミスはあったもののサーブは効いていたし、12点先行もできていたので、それが勝因だったと思う。
自分の仕事は点数を取ることなので、どんな相手にも怯まずに打っていくことを考えており、今日はそれができていた。ただ、ディフェンスの面などでまだ課題が残る試合だったので、次の試合に向けて修正していきたい。
連勝しているが自分たちのやるべきことのレベルを上げていくこと。毎試合違うメンバーが出ているが、どの選手が出ても勝ち切れるチームを作っていきたい。
林琴奈選手
(試合ではディフェンスでいい場面を作っていた)オフェンスで機能できなかったので、ディフェンスだけでもしっかり頑張ろうと思って臨んだ。
次も全員で勝ち切れるように、まずは目の前の試合に集中したい。
横田真未選手
ポーランドは攻撃力のあるチームなので、サーブで攻めてブロックディフェンスで日本のリズムを作っていこうと話しており、それがスタートからできた。
チームとして準備してきた相手の対策を自分の中に落とし込み、やるべきことをやりきろうと考えて試合に臨んだ。チームの共通理解があるので、練習でも誰が出てもいいように準備しており、それが出せたと思う。
ポーランドは高さがあるチームなので、攻撃面では速いクイックや早打ちで相手の隙間を抜くことを、ブロックでは上に(手を)出しても触れないボールが多いので、前に(手を)出してディガーと連動できるように意識した。リベロから積極的な声掛けがあり、ラリーの中でもブロックポジションの修正箇所を伝えてくれた。
チーム全員の力が必要だと思うので、一人ひとりが生きるチームになれるように、さらなる連勝を目指して頑張りたい。
6月5日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
アメリカ
0
22
20
20
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
現在FIVB世界ランキング1位のアメリカとの対戦。このネーションズリーグでも優勝候補の一角にあり、新生日本代表にとっては試金石の一戦でもある。強化してきたサーブで相手を崩し勝機を見出していきたい。
スタートはドミニカ戦で良い形を作りだしたメンバーで構成した。
序盤、島村春世選手のブロックとスパイクで3-3と互角のスタートを切った。井上愛里沙選手のブロック、そしてスパイクで5-3とリードする。その後、攻めのサーブから相手を崩し、林琴奈選手の素晴らしいディグから井上選手やキャプテンの古賀紗理那選手らが決めて、9-7とリードを奪う。しかし、アメリカは高いブロックの組織力で日本の攻撃を封じにかかり、テクニカルタイムアウトは一進一退の攻防の末に12-11で迎えた。日本はアグレッシブなレシーブから攻撃を仕掛け15-12とリードを奪うも、アメリカも反撃に出てくる。
中盤は17-17と追いつかれるも井上選手が踏ん張り18-17とすると、小川愛里奈選手のサービスエースで19-17とし、続いて関菜々己選手のサービスエースもあり21-19。2点リードで終盤へ突入し古賀選手のスパイクで23-20とするも アメリカも日本のお株を奪う素晴らしいディグからの攻撃でスコアは23-22となる。この苦しい場面で井上選手がバックアタックを決め24-22。最後は長いラリーの末にアメリカのタッチネットでポイントは日本へ。25-22でこのセットを奪う。
【第2セット】
先手を奪いたい日本は林選手、井上選手のスパイクで得点し、順調な滑り出しを見せて4-3とリードを奪う。関選手のトスワークから小川選手の見事なブロード攻撃を演出し、リズムを掴む日本。互いに点を取り合う白熱した試合となり、12-10でテクニカルタイムアウトを迎える。理想的な展開とした日本は、粘り強い我慢のバレーを続けて14-12と2点差をキープ。
16-12とした場面でアメリカはタイムアウトを要求。ここからアメリカの反撃があり16-14と2点差まで追いつめられるも、古賀選手のスパイク、小川選手のサービスエースで18-14と4点差とした。
高いブロックに跳ね返されても全員でブロックフォローを重ね、粘り強く戦う日本。林選手はレフト、ライトからスパイクをきっちりと決める。終盤23-20からは全員で必死にボールをつなぎ、古賀選手のスパイクで24-20とした日本は最後も古賀選手の1枚ブロックが決まり、このセットも25-20で奪う。
【第3セット】
島村選手の速攻で得点をあげた日本は順調なスタートを切った。しかし、アメリカも日本に負けず劣らずのレシーブ力と高い攻撃力で日本に襲い掛かってくる。それでも日本は小島満菜美選手を中心としたディフェンスから崩れることなく、10-7とリードを奪う。そして、テクニカルタイムアウトを12-8の4点差で迎えた。その後も着実に得点を重ねる日本は井上選手のサービスエースで18-12と6点差をつけたところで、アメリカがタイムアウトを要求した。勢いづいた日本は相手のミスを誘うなどして20-13と終盤大きくリードした。油断したわけではないが21-16と猛追された日本はタイムアウトを要求。連続ブロックに遭い23-19とされるも、アメリカのサーブミスに助けられ24-19。最後は井上選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで得点し、25-20でこのセットも奪いストレートで勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカチームとの試合。特に今日はショートサーブ、あとはブロックもそうだが、ディフェンスが良かった。これまで練習してきたことができた。アメリカのブロックにやられるケースが少なかったのでそれも勝因の一つかと思う。アメリカ大会で4連勝できて、若い選手が多いだけに勢いがあるので、この勢いを次のフィリピン大会にに持って行きたいと思う。
キャプテン・古賀紗理那選手
世界ランキング1位の強豪国と当たるということで、最初からサーブを攻めていこうという話をして、しっかりと先行した展開で3セット勝つことができて良かった。小さいチームなので組織的な戦術や動きで勝つ必要がある中、少しずつではあるがチームが成長していることがこの結果に繋がっていると思う。第1週は(相手に)対策されずにしっかり勝つことができたが、次からは対策された中での戦いになる。私たちも工夫しながら得点を取っていけるように頑張っていきたい。
井上愛里沙選手
今日は出だしからサーブが効いていた。世界ランキング1位のアメリカに対して、自分たちがどれだけチャレンジできるかというところで、最初から最後まで攻め続けることができたのは良かった。マッチアップしたのがVリーグでも対戦した(元JTマーヴェラスの)ドルーズ アンドレア選手だったので、(Vリーグでの対戦を)試合前にイメージをした。アメリカはどこを抜いてもディフェンスがとてもいいので、なんとかブロックを利用して打ちたいと思った。ブロックについては、もう少しで止まるというボールが多かったのでそこは修正点。この勢いをフィリピン大会にもぶつけていけるよう、全員でいい準備をして、誰が出てもしっかり勝てるチームにしていきたい。
関菜々巳選手
昨日(ドミニカ共和国戦)の試合が初めてのスタメン出場でとても緊張したので、今日は昨日よりも落ち着いて(試合に)入ることができた。まだ課題はたくさんあるが、コートの中でコミュニケーションを取って、今できることを出し切れたと思う。サーブで攻めることができたのが一番の勝因。予選ラウンド第1週では4連勝といういいスタートが切れた。この勢いをフィリピン大会でも出せるよう、休息期間中にチーム全体で課題を修正し、もっと強くなった日本代表をお見せしたい。
6月4日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
20
25
25
ドミニカ共和国
1
17
25
21
10
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 1 | 20 | 15 | 25 | 22 | |
トルコ | 3 | 25 | 25 | 18 | 25 |
【戦評】
【第1セット】
オランダ戦では惜しくもフルセットの末に敗れた日本は本日、同じく欧州のトルコとの対戦。
序盤から高さのあるトルコに対してセッター松井珠己選手がミドルを多用し、サイドを生かす展開へと持っていく。井上愛里沙選手・石川真佑選手のスパイク、井上選手・山田二千華選手のサービスエースで序盤は5-5と互角の戦いとなる。5-7と劣勢な場面から濵松明日香選手が見事なブロックを決め6-7と食らいついていく。宮部藍梨選手のサーブをきっかけに9-8と逆転に成功するも先に12点を取られ、10-12でテクニカルタイムを迎えた。その後、石川選手のスパイクで12-12と同点とした日本は宮部選手と山田選手の2枚ブロックで相手へ主導権を渡さず、中盤は1点の攻防が繰り広げられるもトルコの高いブロックが襲い掛かり16-19とされる。なんとか井上選手が踏ん張り17-19とした日本であったが、その後も18-21と劣勢は続く。石川選手のスパイクで対抗するもこのセットは20-25で奪われる。
【第2セット】
セッターを関菜々巳選手へと代え臨んだ第2セット。石川選手のスパイクで得点し宮部選手がブロックを決め、セット序盤は3-3。その後、やや押され気味で試合が進むも、山岸あかね選手の献身的なレシーブもあり食らいついていく日本であったが、流れが徐々に相手のトルコへ。6-13と大量リードを許してしまう。内瀬戸真実選手、島村春世選手、小川愛里奈選手を起用し流れを変えようとするもトルコの勢いを止められず6-17。内瀬戸選手のディグから石川選手が決め、反撃を試みるも、中盤での大量失点が響き点差が縮まらず、終盤には12-20とされてしまう。だが、島村選手は存在感のあるブロード攻撃を決める。このセットも高さとパワーに屈し15-25で奪われてしまう。
【第3セット】
後のない日本は林琴奈選手、そして小島満菜美選手を起用してスタートした。関選手と石川選手が息の合ったバックローを見せ、チームが活気づく。小川選手も高いブロックへ勝負し速攻を決める。林選手のサーブで相手陣営を崩し9-3とリードを奪う。内瀬戸選手は相手の高いブロックを利用してスパイクを決めていく。小島選手のディグからは石川選手が決め11-4と大きくリードする。そして、12点目を日本が奪い、12-5でテクニカルタイムアウトを迎えた。ここからトルコの高いブロックがまたしても襲い掛かり9-12と一気に迫られる。ついには13-13とされ、13-14と逆転まで許してしまう。ここから林選手が踏ん張りを見せ16-15と逆転、そして島村選手の見事なブロックが決まり17-15。ここから長いラリーを制した日本は18-15とする。たまらずにトルコはタイムアウトを要求、いよいよ勝負の終盤へと突入する。全員で拾い、粘り、得点を重ねていく日本は24-18とセットポイントを握った。そして、内瀬戸選手のサービスエースでこのセットを25-18で奪い返した。
【第4セット】
林選手、石川選手が連続でスパイクを決め2-0。そして、小島選手のファインプレーから3-0と良いスタートを切った日本。小川選手もブロード攻撃を決め6-3と序盤は日本ペースで進んだ。しかし、トルコの反撃が始まり6連続失点を喫し6-9とされてしまう。関選手のブロックワンタッチから林選手のバックアタックへつなぎ日本も9-9と追いつく。その後、粘りに粘った日本は12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。1点を争う攻防が続き中盤は15-14。互いに連続得点も失点もないまま18-17と試合は進んでいく。
ここで関選手がサービスエースを奪い19-17とした。しかし、その後はトルコの高さに屈してしまい連続得点を許し、19-20と逆転を喫してしまう。林選手が大車輪の活躍をみせ21-21と同点とするも逆転までは至らず、22-23と終盤の劣勢が続き、22-24のマッチポイントを握られると、最後は日本のスパイクが相手コートを割り22-25で奪われた。セットカウント1-3で敗れた日本は通算8勝2敗となり明日はセルビアとの対戦となる。被ブロックが19本と多く、高さのあるチームと対戦する際の大きな課題が浮き彫りとなった試合でもあった。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりが悪かった。第1、第2セットは全く良くなかった。特に被ブロックが20点くらい(公式記録では19点)あった。これでは話にならない。(明日のセルビア戦に向けて)ヨーロッパ勢は高さがある。そのブロックにやられないようにするのは、最終的にはスパイカー陣の個人技に懸かっている。被ブロックされないようにすること、これに尽きる。
小島満菜美選手
ブロックの高いトルコに対して、リバウンドを取り、そこから何度も粘ってオフェンスに展開していこう、という話をしていた。それができていた時は自分たちにとっていい時間帯が来ていたと思うし、逆にそれが苦しかったり、相手にいい形でボールが返ってしまうと苦しい展開になっていたと思うので、そこをもっと修正していきたい。また、相手の攻撃に対してのブロックディフェンスの精度をもっと上げていきたい。
(明日のセルビア戦に向けて)日本が勝つ上でサーブがすごく大事になってくると思うので、まずはサーブを攻めて相手を崩し、そこから今日の課題であるブロックディフェンスを修正して、何度もオフェンスに展開して得点する、というバレーをしていきたい。
林琴奈選手
入りがあまり良くなかったが、途中からは流れがこちらにきて雰囲気も良くなった。ただ、やはり被ブロックが多いことが課題として残った。この2戦(オランダ、トルコを相手に)負け試合が続いているがしっかり気持ちを切り替え、課題を克服できるように明日も全員で頑張りたい。
関菜々巳選手
一昨日オランダに負けたあと、昨日チームでしっかりとミーティングを行い今日の試合に臨んだが、自分たちのバレーができなかった。相手に何をやられるでもなく、自分たちからミスを出してしまったのが今日の反省点。もっとできることがあったと思う。1本のボールに対してとても淡泊になってしまった。日本の良さは粘りや繋ぎの部分だと思うが、それを発揮することができなかった。
2連敗してしまったので、明日は絶対勝てるよう、誰が出ても強い日本を見せられるように頑張りたい。
6月29日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
2
25
20
26
21
10
オランダ
3
23
25
24
25
15
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会、フィリピン大会を終え全勝で迎えたカナダ大会。
高さとパワーのあるオランダとの一戦。スタートには今大会に初めて登録された濵松明日香選手と宮部藍梨選手を起用し、フィリピン大会からは大幅にメンバーを入れ代えて臨んだ。
宮部選手のスパイク、サービスエースや、石川真佑選手の強烈なスパイクで序盤は互角の戦いとなり、山田二千華選手の連続サービスエースで6-4、長いラリーからはキャプテンの古賀紗理那選手が決め切り7-4とリードする。濵松選手も躍動し豪快なスパイクを決めて9-6。1点差まで詰め寄られるが山岸あかね選手、松井珠己選手の素晴らしいディグから古賀選手、石川選手の強烈なスパイクで12-9とし、テクニカルタイムアウトを迎えた。ここからオランダの高い壁が襲い掛かってくるが、決してリードは奪われずに中盤16-14と試合は進む。その後、16-16の同点に追いつかれるも石川選手の素晴らしいディグから古賀選手の強烈なバックアタックで18-16とする。19-17場面では関菜々巳選手がリリーフサーバーで起用され、山田選手が見事なブロックを決め20-17とするとオランダはタイムアウトを要求。また1点差まで追い上げられるも林琴奈選手がサーブで相手を崩し古賀選手が決め23-20とする。しかし、オランダも高さを生かしたブロックとスパイクで23-22と迫ってくる。ここで日本はタイムアウトを要求。松井選手は山田選手の速攻を選択し、山田選手はその期待に応え24-22とし、最後は古賀選手が決めて苦しみながらも25-23でこのセットを奪った。
【第2セット】
古賀選手、宮部選手のバックアタックで幸先よく2点をリードする。それに山田選手も続き3-1。日本らしい粘り強いレシーブからリズムを作り5-1と試合が進む。その後はオランダの高いブロックに苦しむも濵松選手がダイレクトスパイクを決め8-5。山田選手の絶妙なフェイントで10-7と3点差のリードを奪う。石川選手もパワフルなスパイクを決め、2~3点を日本がリードしたまま試合は進み12-9でテクニカルタイムアウトを迎えた。12-11と1点差まで迫られ、ついには13-14と逆転を許してしまう。流れを変えようとセッターを関選手に代えるもオランダは攻撃の手を緩めず13-16と苦戦を強いられる。さらに濵松選手に代えて島村春世選手、宮部選手に代え井上愛里沙選手を起用し流れを引き戻そうとする日本だが17-21と迫り切れない試合展開となる。島村選手、古賀選手が得点するもこのセットはオランダに20-25で奪われた。
【第3セット】
第2セットのスタートから大幅に入れ替えたメンバーで臨んだ第3セット、代わって入った内瀬戸真実選手がまずはスパイクでその期待に応えた。序盤は一進一退の攻防が続くも、8-9とリードを奪うまでには及ばなかったが、井上選手のサービスエースで10-9と逆転に成功する。1点ずつを奪う試合展開となり、12点を先に奪ったのは日本。その後、関選手が相手のバックアタックをブロックし、14-11となったところでオランダはたまらずタイムアウトを要求。難しい態勢から古賀選手が決め15-11とした。小川愛里奈選手も見事なブロード攻撃を決めて16-13とすると井上選手も相手ブロックを利用してスパイクを決め17-13と主導権を握った。島村選手の速攻も冴え19-15とした。オランダもブロックで反撃してくるも21-17とリードをキープしいよいよ終盤へ。ここで相手ブロックにつかまり21-20となったところで日本はタイムアウト。流れが戻らずに21-21とされるも相手ミスに助けられ22-21。ここから1点の攻防となり、先にセットポイントを握られる苦しい展開ではあったが、最後はしのぎ25-23でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
内瀬戸選手の技ありスパイクやこのセットからコートに入った小島満菜美選手のディグから得点へと結びつけ、序盤はお互いに点を取り合う展開が続く。2点リードを許した場面から古賀選手のバックアタックが見事に決まると3連続得点を奪い8-7と逆転に成功する。相手のミスもあり11-8となり、島村選手のクイックで12-8とテクニカルタイムアウトを迎えた。ここから関選手のサービスエースで14-8とすると、勢いそのままに井上選手も続き15-8と7点のリードを奪う。しかし、4連続失点を喫して15-12となるが、井上選手が踏ん張り16-12。しかし、徐々にオランダが忍び寄り、気が付けば17-16と1点差まで詰め寄られる展開となる。ついには18-18の同点とされ試合は振り出しに戻ってしまう。その後も勢いづいたオランダを止めることができずに21-25で失い、ファイナルセットへと突入することとなった。
【第5セット】
嫌な流れを断ち切りたい日本であったが、立ち上がりからオランダに攻め立てられ0-3とリードを奪われる展開となる。古賀選手、林選手のスパイクで反撃するも2-5と劣勢な展開は続く。全員でボールをつなぎ、林選手が連続でスパイクを決め、4-5と反撃の狼煙をあげた。だが、オランダの高い壁が立ち塞がり4-8と劣勢な展開が続く中、古賀選手が踏ん張り6-8とするも得点はなかなか縮まらずに7-9。途中交代の石川選手が決め8-10とするも、またしてもブロック得点を許し9-13。最後はオランダのスパイクが決まり10-15。フルセットの末に負け、今大会初の黒星を喫した。オランダのブロックポイント16点に苦しんだ日本は明日の休養を挟み、明後日は強豪トルコとの対戦となる。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は出足から動きが悪く、ヨーロッパの高いブロックにやられてしまった。相手のハイボールをブロックで止められず、はじかれてしまうという、日本の負けパターンだった。
目標としていたファイナルラウンドに行けることは決まったが、あと3試合ヨーロッパのチームとの対戦が残っているので、今日がいい勉強となった。やはりブロックの部分だと思う。サーブレシーブは変えているが、Aパスからの決定率、効果率があまり良くない。(次戦まで)1日あるので、修正し頑張りたい。
古賀紗理那選手
今日は新しい選手が入り、選手の入れ替えも激しく、先週までであればクイックで切らずにサイドで切っていたところを、クイックにトライするという意識もあったので、明後日以降の試合に繋げていきたい。
次の対戦相手であるトルコは高さがあるチーム。被ブロックの数を少なくして、オフェンスの展開として攻撃の枚数を増やしていかないと苦しい展開が続くと思うので、そこに集中していきたい。
宮部藍梨選手
自分たちが望んでいたような結果で試合を終えることはできなかったが、次への課題もたくさん見えてきたので、気持ちを切り替えてその課題を修正して、いい形で次戦以降の試合に臨みたい。
今日はスパイクを決めることが自分に求められているスキルだったと思うが、それを発揮することできなかったので、限られた時間ではあるが練習でもう一度確認して、次の試合をベストな調子で迎えられるよう頑張りたい。
濵松明日香選手
出だしが悪く、もっと決定打を出せる場面があったのに出せなかったのがすごく悔しい。次の試合ではそこを改善して臨みたい。
今日は相手のスパイクに対してのブロックとディグが悪かったと思うので、その部分をもう一度見直して、自分自身もしっかりトルコ戦に向けて変えて、色々なことに挑戦していけるよう頑張りたい。
6月19日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
19
25
25
25
中国
1
25
16
23
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会最終日は高さのある中国との対戦。林琴奈選手のダイレクトスパイクで日本が先制する。横田真未選手のサーブで相手陣営を崩し4-2とリードするも、中国の高さのあるブロックに阻まれ、5-7とされる。日本は何度もリバウンドを拾い、相手のミスを誘って10-10とした。その後、10-12でリードされてテクニカルタイムアウトを迎える。関菜々己選手のナイスディグから小島満菜美選手が古賀紗理那選手へのトスを出すと、古賀選手が決めきり12-13と反撃ムードが高まる。横田選手がブロックを止め、14-14と同点へ追いつく。一時逆転するも16-18とされた場面で日本がタイムアウトを要求。セッターを松井珠己選手に交代するも、連続失点を止めることができず、16-22と終盤に大きく離されてしまう。リリーフサーバーの佐藤淑乃選手がサーブポイントを奪うも、このセットを19-25で落とす。
【第2セット】
このセットはセッターを松井選手でスタートする。林選手、古賀選手のスパイクが決まり序盤は互角の戦いが続く。島村春世選手のサーブポイントで8-6とし、相手ミスもあり9-6とリードを奪う。井上愛里沙選手のブロックで11-7、横田選手のダイレクトスパイクで12-7とリードしテクニカルタイムを迎える。その後、古賀選手のブロック、スパイクで15-8とリードを奪ったところで、中国がタイムアウトを要求。小島選手からの正確なサーブレシーブに、松井選手がスパイカーを操る。18-9と大きくリードを奪うも気を緩めることなく、理想的な試合展開となる。
23-15から石川真佑選手がリリーフサーバーで起用され、相手の強烈なスパイクをナイスディグし、それを井上選手が決め24-15。最後も井上選手が決め、25-16とセットを奪い返した。
【第3セット】
横田選手の速攻に始まり、井上選手のサーブポイント、林選手と古賀選手のスパイクで4-1。サーブレシーブも安定し、松井選手が変幻自在のトスワークを見せる。日本のペースで試合が進み8-4とするも、中国も徐々に日本へ襲い掛かってくる。12-9でテクニカルタイムアウトを迎えるが13-12と1点差まで追いつかれ、15-15とついには同点とされてしまう。しかし、勢いは完全に渡さない。16-16、17-17、18-18と均衡した試合が続いたが、日本が連続ポイントで20-18とすると中国がタイムアウト。島村選手のブロード攻撃で22-19とし、22-21まで追いつかれるも井上選手が踏ん張り23-21。松井選手のサーブポイントで24-21とセットポイントを奪う。中国の粘りにあうも、最後は井上選手が決めきり25-23の接戦でこのセットを奪った。
【第4セット】
松井選手が強弱をつけたサーブで相手陣営を崩し、4-0と幸先のいいスタートを切ったところで早くも中国はタイムアウトを要求。古賀選手のブロックが飛び出し7-2とリードし、その後も古賀選手がスパイク、ブロックにと得点し10-2と大きくリード。12-4でテクニカルタイムアウトを最高の形で迎えた。横田選手も見事なブロックを見せ、林選手も相手ブロックをはじくスパイクで持ち味を発揮する。井上選手もサーブポイントを奪い18-7。中国のミスも重なり、23-8と勝利まであと2点と迫った。最後は中国のサーブが日本のエンドラインを越え、25-12でこのセットを奪い、セットカウント3-1で勝利し開幕から8連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
1セット目は中国にサーブで押されていたので、2セット目はサーブで崩す戦術にした。(具体的には)1セット目はショートサーブを使ったが、2セット目はエンドラインを狙う強いサーブに切り替えた。また、3セット目の終盤の競り合いを取ったのが大きい。選手に非常にまとまりがあり、チームらしくなってきたと思う。
井上愛理沙選手
チームとしていいもの(プレー)がどんどん出てきていることが、勝利に繋がっていると思う。連勝中なので勝ち負けにこだわるということはもちろんあるが、フィリピン大会では修正点もたくさん見つかったので、そこを修正してカナダ大会では戦いたい。(高さのある中国に対し)最初はリバウンドを取ろうと考えていたが、それもブロックされることが多かったので、「もっと上に打たなければ」と感じたので、2セット目はそこを意識した。また、トスのテンポを速くしてもらうことで、相手のブロックが揃う前にアタックを打てるようにしてもらった。カナダ大会では高さのあるヨーロッパのチームとの試合がある。これまでのように調子のよいサーブで相手を崩して、ブロックディフェンスから得点する、という自分たちの強みを全面に出せるように準備したい。
横田真未選手
最初は中国の高さに対して(日本の攻撃が)被ブロックとなってしまうなど流れが掴めなかったが、2セット目を取れたことが今日のキーポイントだった。今日はミーティングの時に、自分は中国のミドルブロッカーとマッチアップしていく、ということを決めていて、それを1セット目で出せたのがよかった。(カナダ大会では)もう1つギアを上げて、チーム全員で戦っていきたい。
松井珠己選手
(第1セット途中からの出場について)1セット目の初めから被ブロックが多かった。被ブロックが多くならないようにどうトスを上げるのかを考えながら試合に入った。開幕8連勝でチームの雰囲気はとてもよく、試合に出ている選手も出ていない選手も関係なくコミュニケーションを図りながら戦うことができている。連勝しているが気を抜くことなく、1戦1戦が勝負だと思って、自分が出るチャンスがあればしっかりと自分のパフォーマンスを発揮したい。
6月17日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
タイ
0
22
16
14
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
初戦の韓国以来のアジア勢との対戦。タイもここまで4勝2敗と好調であり、これまでの対戦相手とは違うバレースタイルへどう対応するかが大きな鍵となる。その序盤、井上愛里沙選手や林琴奈選手の攻撃で得点するも、タイも素晴らしいレシーブからのコンビネーションバレーを組み立ててくる。序盤は7-9と日本は苦戦を強いられる展開となる。突破口を開こうと関菜々巳選手は横田真未選手、島村春世選手へとボールを託し、ミドル陣もそれに応える。しかし、2点差が詰まらずに10-12とテクニカルタイムアウトを迎える。11-14となったところで日本はタイムアウトを要求する。ここから井上選手が踏ん張り15-15とようやく同点へ追いついた。互いにブロックとディフェンスの持ち味を生かし一進一退の攻防が続くが、タイに17-20と一歩リードを奪われる。古賀が踏ん張り18-20の場面からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が相手ディフェンスを崩すサーブで一気に23-20とし、古賀選手のブロックで24-20とセットポイントを握った。2点差まで迫られたが、最後は全員で粘り25点目をもぎ取って、25-22で大事な第1セットを奪った。
【第2セット】
序盤は互いの持ち味であるレシーブ力が発揮され、長いラリーが続く攻防となるが日本が井上選手、古賀選手で制し8-4とリードを奪う。この場面でタイはタイムアウトを早くも要求する。その後、互いに得点を重ね、横田選手のスパイクで12-9としたところでテクニカルタイムアウトを迎えた。古賀選手の連続スパイクで14-9とし、タイもコンビネーションバレーを組み立て必死の反撃を試みるものの、日本は崩れることなく、島村選手のブロード攻撃、井上選手や古賀選手のスパイクで19-12と優位に試合を進めていく。タイのミスもあり22-14とした日本。最後は古賀選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで25-16とし、セットを連取した。
【第3セット】
まずは林選手のスパイクで幸先よく先取点を上げる。林選手はブロックでも得点し3-1とリードを広げる。ブロックとレシーブの関係も良好で日本のペースで進み、6-3と良い流れで試合が進む。横田選手のブロックで9-5とし、このセットでの打数が増えた林選手はレフト、ライトから攻撃を決めていき、12-7でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、セッター関選手はボールを散らし、相手のブロック陣営に的を絞らせないトスワークを見せる。一回で決められなくとも、小島満菜美選手を中心に粘り強く拾い続け、得点へ結びつけていく。17-10でタイがタイムアウトを要求するも日本はリズムを崩すことなく19-11と大きくリードを奪う。変化をつけた攻撃で得点を重ねていく日本は安定した試合運びでこのセットを25-14で奪い、セットカウント3-0のストレート勝ちを収め開幕7連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりはタイの速い攻撃にやられてしまった。また、サーブが正面に行っていた。7連勝は予想外。代表に入って初めての選手は勢いに乗っており、キャプテンの古賀(紗理那)選手を中心にはつらつとしている。明日の中国戦、我々は胸を借りるつもりで、積極的に攻めていきたい。
キャプテン・古賀紗理那選手
タイはオフェンスの速いチームで最初は対応するのに時間がかかったが、しっかり修正して私たちのリズムで試合ができたのでよかった。(個人の出来は)オフェンスの部分では失点が増えてきている印象なので、失点をしないようにと意識している。ディフェンスも失点が多いので明後日の試合に向けて修正したい。中国は本当に高さのあるチームだが、しっかりサーブで崩して、自分たちのテンポでプレーができるように、チーム全体で準備して戦いたい。
林琴奈選手
前半はレシーブが上がっていなかったが、後半はしっかり上げて、攻撃に繋げられていたので良かった。(1セット目と2セット目で大きく変わった要因は)ディグを自分たちのコート上に上げることを意識した。中国は背の高いチームなのでブロックフォローをして、スパイクも工夫し、全員で勝てるように頑張りたい。
関菜々巳選手
勢いのあるタイを相手に序盤はブレイクできない場面が多かったが、徐々に修正することができたので、そこはよかった。チームはすごくいい雰囲気でプレーできている。途中交代で入った選手も力を発揮してくれて、チーム全体で戦うことができている。
石川真佑選手
(途中から入ることについて)自分のサーブをしっかりと打つことはもちろんだが、入ったところでチームの流れを少しでも変えたいと思い、サーブを打っている。明日はアジアの強豪チームが相手だが、今日のように自分たちの流れを作りたいし、自分が出る時は少しでも流れを作れるよう、強い気持ちを持って試合に入りたい。
6月16日 日本×ブルガリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ブルガリア
0
20
16
23
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会初戦のポーランド戦から、スターティングメンバーに内瀬戸真実選手、リベロに山岸あかね選手を起用して臨んだ一戦。立ち上がりはブルガリアの粘りある守りと、高さのあるスパイクとブロックに苦しむも、古賀紗理那選手、内瀬戸選手が応戦する日本。ブルガリアは高さのあるブロックとスパイクが機能し、優位に試合を展開する。9-12でテクニカルタイムアウトを迎え、井上愛里沙選手、内瀬戸選手がスパイクを決めるも14-17と劣勢のまま試合が進む。17-19の場面でリリーフサーバーとして起用された佐藤淑乃選手がサービスエースを奪い18-19。ここでブルガリアはタイムアウトを要求。その後古賀選手の活躍で20-19と逆転に成功する。そして、21-20からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が2本連続のサービスエースを決め23-20とすると、島村春世選手の見事なブロックで24-20とし、最後は古賀選手のスパイクが決まり、終盤5連続得点を奪った日本は25-20でこのセットを逆転で制した。
【第2セット】
序盤はブルガリアの高さのある攻撃に苦戦を強いられるが、内瀬戸選手、井上選手、古賀選手のスパイクが機能し、流れをブルガリアには完全に渡さない。山岸選手のナイスディグから古賀選手のバックアタックも決まり、徐々に日本がペースを掴む中、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、確実に点を積み重ね15-11とリードを広げていく。相手ミスにも助けられ17-13となった場面で、ブルガリアがタイムアウトを要求。その後も島村選手のブロック、ブロード攻撃、井上選手のスパイクで23-15とリードを奪う。ここでリリーフサーバーとして起用された宮下遥選手のナイスディグから得点へ結びつけ、24-15とセットポイントとする。最後は宮下選手からのトスを内瀬戸選手が見事なブロックアウトを決め、25-16で2セットを連取した。
【第3セット】
このセットは小川愛里奈選手をスタートから起用。序盤は点の奪い合いで試合が進む。内瀬戸選手が素晴らしいディグを見せ得点へと繋げ、日本らしい粘りをみせて7-5とし、関菜々巳選手と小川選手のコンビでも得点を奪う。一本目で決められない場面であっても山岸選手を中心としたディグで主導権は日本が握り、12-9でテクニカルタイムを迎える理想的な展開となる。その後も関選手が相手に的を絞らせないトスワークを見せ、15-10とリードを奪い終盤を迎える。しかし、ブルガリアの高さのあるブロックに苦しみ18-16と追い上げれられた場面で日本がタイムアウトを要求。ここからお互いにサイドアウトを続けた末に24-21とマッチポイントを奪う。ブルガリアの反撃で24-23とされるが、最後は相手のミスを誘い25-23とした日本はセットカウント3-0のストレート勝ちを収め、開幕6連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は立ち上がりが良くなかった。中盤から終盤にかけてディフェンス、サーブが良くなった。(日本は)若い選手が多く、勢いがある。明日からは好調のタイ、そして中国と対戦するので、まずは明日に集中したい。
山岸あかね選手
各セットの出だしが良くなかったのが反省点。中盤にかけては、自分たちのいいリズムで攻撃ができていたのが良かった。
(久しぶりの国際大会かつ今大会初出場で)試合に入るまでは緊張したが、始まったら集中してプレーすることができた。
明日対戦するタイは速いテンポで攻撃してくるので、難しい試合になると思うが、自分たちの勢いや速いテンポの攻撃を出して勝てるように頑張りたい。
内瀬戸真実選手
1セット目は自分たちのリズムが掴めなかったが、終盤から速い攻撃やアタックが通用し始めたことが勝ちに繋がった。
(2セット目から大きく変わったのは)1セット目はバタバタしていたので、2セット目は1本目(のパス)で時間を作り、そこから速い攻撃に展開するということを意識した。
明日のタイ戦は難しい試合になると思うが、全員で頑張っていきたい。自分も攻撃参加をしっかりできるようにしたい。
6月14日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ポーランド
0
21
21
21
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会を4連勝しフィリピン大会へ臨む日本代表。日本代表初選出となる横田真未選手をスターティングメンバーに起用し、高さのあるポーランドとの一戦に臨んだ。
序盤、井上愛里沙選手・古賀紗理那選手の両エースが得点し、横田選手がクイック、そしてサービスエースを奪い6-1とすると、ポーランドは早くもタイムアウトを要求する。林琴奈選手もライトから速い攻撃を決めて、日本のペースで試合が進む。島村春世選手もブロード攻撃を決め、関菜々巳選手のトスワークからスパイカー陣が期待に応える。井上選手が連続得点をあげ、12-5でテクニカルタイムアウトを迎える。
中盤、林選手のサービスエース、古賀選手のブロックで17-9とリードを奪い、その後も井上選手が相手のブロックを利用した上手さのあるスパイクを見せる。終盤、連続失点を許し23-20となったところで日本がタイムアウトを要求。この苦しい状況で横田選手がクイックをしっかり決めて流れを止め、24-20とする。最後は島村選手のクイックが決まり、25-21で第1セットを奪った。
【第2セット】
先制点はラリーが続く中、古賀選手のバックアタックで奪った。難しい態勢から関選手が見事なトスを上げ、林選手がライトからの攻撃を決める。島村選手が続くも、ポーランドがミドルの攻撃を増やし日本の守備陣営を崩してくる。林選手の粘り強いディグから井上選手のブロックが飛び出すと、一進一退の攻防から日本が一歩リードし12-9でテクニカルタイムを迎え、日本にとって理想な試合展開となる。
ポーランドも高さのあるブロックでワンタッチを確実に奪い、日本へプレッシャーをかけてくる。15-17とリードを許す展開になるが、古賀選手の活躍で19-17と逆転に成功する。小島満菜美選手の素晴らしいディグから得点に結びつけ、確実に点数を重ね25-21でこのセットも奪った。
【第3セット】
林選手のスパイクで序盤のリズムを作り相手のミスを誘う。島村選手のブロード攻撃も冴えた。9-6とリードし優位に試合を進め、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手のブロックで14-9とリードを奪い、小島選手はコートに落ちそうなボールに飛び込んで拾い、得点へとつなぐ。ポーランドは選手交代を駆使し5連続得点をあげ、18-16まで追い上げてくる。ここで古賀選手が嫌な流れを止めるスパイクを相手コートに叩きつける。その後も関選手の見事なトスワークからスパイカー陣が得点を重ね、最後は古賀選手のブロックでこのセットも25-21で奪い、ストレートで勝利を収め開幕5連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は選手がよく集中していた。
ミドルブロッカーの2人(横田真未選手、島村春世選手)がよかった。その2人に対し、セッターの関(菜々巳選手)がブロックの空いているスペースを探していいトスを上げていた。(初出場・初先発の)横田は少し緊張していたが、ブロックもよかったし、クイックも思うように決まっていた。
明後日対戦するブルガリアは、高さのあるチーム。我々のスピードを上げていきたい。
井上愛里沙選手
この大会で勝つために、サーブと「12点目を先に取る」ことを意識してやっている。今日もミスはあったもののサーブは効いていたし、12点先行もできていたので、それが勝因だったと思う。
自分の仕事は点数を取ることなので、どんな相手にも怯まずに打っていくことを考えており、今日はそれができていた。ただ、ディフェンスの面などでまだ課題が残る試合だったので、次の試合に向けて修正していきたい。
連勝しているが自分たちのやるべきことのレベルを上げていくこと。毎試合違うメンバーが出ているが、どの選手が出ても勝ち切れるチームを作っていきたい。
林琴奈選手
(試合ではディフェンスでいい場面を作っていた)オフェンスで機能できなかったので、ディフェンスだけでもしっかり頑張ろうと思って臨んだ。
次も全員で勝ち切れるように、まずは目の前の試合に集中したい。
横田真未選手
ポーランドは攻撃力のあるチームなので、サーブで攻めてブロックディフェンスで日本のリズムを作っていこうと話しており、それがスタートからできた。
チームとして準備してきた相手の対策を自分の中に落とし込み、やるべきことをやりきろうと考えて試合に臨んだ。チームの共通理解があるので、練習でも誰が出てもいいように準備しており、それが出せたと思う。
ポーランドは高さがあるチームなので、攻撃面では速いクイックや早打ちで相手の隙間を抜くことを、ブロックでは上に(手を)出しても触れないボールが多いので、前に(手を)出してディガーと連動できるように意識した。リベロから積極的な声掛けがあり、ラリーの中でもブロックポジションの修正箇所を伝えてくれた。
チーム全員の力が必要だと思うので、一人ひとりが生きるチームになれるように、さらなる連勝を目指して頑張りたい。
6月5日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
アメリカ
0
22
20
20
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
現在FIVB世界ランキング1位のアメリカとの対戦。このネーションズリーグでも優勝候補の一角にあり、新生日本代表にとっては試金石の一戦でもある。強化してきたサーブで相手を崩し勝機を見出していきたい。
スタートはドミニカ戦で良い形を作りだしたメンバーで構成した。
序盤、島村春世選手のブロックとスパイクで3-3と互角のスタートを切った。井上愛里沙選手のブロック、そしてスパイクで5-3とリードする。その後、攻めのサーブから相手を崩し、林琴奈選手の素晴らしいディグから井上選手やキャプテンの古賀紗理那選手らが決めて、9-7とリードを奪う。しかし、アメリカは高いブロックの組織力で日本の攻撃を封じにかかり、テクニカルタイムアウトは一進一退の攻防の末に12-11で迎えた。日本はアグレッシブなレシーブから攻撃を仕掛け15-12とリードを奪うも、アメリカも反撃に出てくる。
中盤は17-17と追いつかれるも井上選手が踏ん張り18-17とすると、小川愛里奈選手のサービスエースで19-17とし、続いて関菜々己選手のサービスエースもあり21-19。2点リードで終盤へ突入し古賀選手のスパイクで23-20とするも アメリカも日本のお株を奪う素晴らしいディグからの攻撃でスコアは23-22となる。この苦しい場面で井上選手がバックアタックを決め24-22。最後は長いラリーの末にアメリカのタッチネットでポイントは日本へ。25-22でこのセットを奪う。
【第2セット】
先手を奪いたい日本は林選手、井上選手のスパイクで得点し、順調な滑り出しを見せて4-3とリードを奪う。関選手のトスワークから小川選手の見事なブロード攻撃を演出し、リズムを掴む日本。互いに点を取り合う白熱した試合となり、12-10でテクニカルタイムアウトを迎える。理想的な展開とした日本は、粘り強い我慢のバレーを続けて14-12と2点差をキープ。
16-12とした場面でアメリカはタイムアウトを要求。ここからアメリカの反撃があり16-14と2点差まで追いつめられるも、古賀選手のスパイク、小川選手のサービスエースで18-14と4点差とした。
高いブロックに跳ね返されても全員でブロックフォローを重ね、粘り強く戦う日本。林選手はレフト、ライトからスパイクをきっちりと決める。終盤23-20からは全員で必死にボールをつなぎ、古賀選手のスパイクで24-20とした日本は最後も古賀選手の1枚ブロックが決まり、このセットも25-20で奪う。
【第3セット】
島村選手の速攻で得点をあげた日本は順調なスタートを切った。しかし、アメリカも日本に負けず劣らずのレシーブ力と高い攻撃力で日本に襲い掛かってくる。それでも日本は小島満菜美選手を中心としたディフェンスから崩れることなく、10-7とリードを奪う。そして、テクニカルタイムアウトを12-8の4点差で迎えた。その後も着実に得点を重ねる日本は井上選手のサービスエースで18-12と6点差をつけたところで、アメリカがタイムアウトを要求した。勢いづいた日本は相手のミスを誘うなどして20-13と終盤大きくリードした。油断したわけではないが21-16と猛追された日本はタイムアウトを要求。連続ブロックに遭い23-19とされるも、アメリカのサーブミスに助けられ24-19。最後は井上選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで得点し、25-20でこのセットも奪いストレートで勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカチームとの試合。特に今日はショートサーブ、あとはブロックもそうだが、ディフェンスが良かった。これまで練習してきたことができた。アメリカのブロックにやられるケースが少なかったのでそれも勝因の一つかと思う。アメリカ大会で4連勝できて、若い選手が多いだけに勢いがあるので、この勢いを次のフィリピン大会にに持って行きたいと思う。
キャプテン・古賀紗理那選手
世界ランキング1位の強豪国と当たるということで、最初からサーブを攻めていこうという話をして、しっかりと先行した展開で3セット勝つことができて良かった。小さいチームなので組織的な戦術や動きで勝つ必要がある中、少しずつではあるがチームが成長していることがこの結果に繋がっていると思う。第1週は(相手に)対策されずにしっかり勝つことができたが、次からは対策された中での戦いになる。私たちも工夫しながら得点を取っていけるように頑張っていきたい。
井上愛里沙選手
今日は出だしからサーブが効いていた。世界ランキング1位のアメリカに対して、自分たちがどれだけチャレンジできるかというところで、最初から最後まで攻め続けることができたのは良かった。マッチアップしたのがVリーグでも対戦した(元JTマーヴェラスの)ドルーズ アンドレア選手だったので、(Vリーグでの対戦を)試合前にイメージをした。アメリカはどこを抜いてもディフェンスがとてもいいので、なんとかブロックを利用して打ちたいと思った。ブロックについては、もう少しで止まるというボールが多かったのでそこは修正点。この勢いをフィリピン大会にもぶつけていけるよう、全員でいい準備をして、誰が出てもしっかり勝てるチームにしていきたい。
関菜々巳選手
昨日(ドミニカ共和国戦)の試合が初めてのスタメン出場でとても緊張したので、今日は昨日よりも落ち着いて(試合に)入ることができた。まだ課題はたくさんあるが、コートの中でコミュニケーションを取って、今できることを出し切れたと思う。サーブで攻めることができたのが一番の勝因。予選ラウンド第1週では4連勝といういいスタートが切れた。この勢いをフィリピン大会でも出せるよう、休息期間中にチーム全体で課題を修正し、もっと強くなった日本代表をお見せしたい。
6月4日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
20
25
25
ドミニカ共和国
1
17
25
21
10
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 2 | 25 | 20 | 26 | 21 | 10 |
オランダ | 3 | 23 | 25 | 24 | 25 | 15 |
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会、フィリピン大会を終え全勝で迎えたカナダ大会。
高さとパワーのあるオランダとの一戦。スタートには今大会に初めて登録された濵松明日香選手と宮部藍梨選手を起用し、フィリピン大会からは大幅にメンバーを入れ代えて臨んだ。
宮部選手のスパイク、サービスエースや、石川真佑選手の強烈なスパイクで序盤は互角の戦いとなり、山田二千華選手の連続サービスエースで6-4、長いラリーからはキャプテンの古賀紗理那選手が決め切り7-4とリードする。濵松選手も躍動し豪快なスパイクを決めて9-6。1点差まで詰め寄られるが山岸あかね選手、松井珠己選手の素晴らしいディグから古賀選手、石川選手の強烈なスパイクで12-9とし、テクニカルタイムアウトを迎えた。ここからオランダの高い壁が襲い掛かってくるが、決してリードは奪われずに中盤16-14と試合は進む。その後、16-16の同点に追いつかれるも石川選手の素晴らしいディグから古賀選手の強烈なバックアタックで18-16とする。19-17場面では関菜々巳選手がリリーフサーバーで起用され、山田選手が見事なブロックを決め20-17とするとオランダはタイムアウトを要求。また1点差まで追い上げられるも林琴奈選手がサーブで相手を崩し古賀選手が決め23-20とする。しかし、オランダも高さを生かしたブロックとスパイクで23-22と迫ってくる。ここで日本はタイムアウトを要求。松井選手は山田選手の速攻を選択し、山田選手はその期待に応え24-22とし、最後は古賀選手が決めて苦しみながらも25-23でこのセットを奪った。
【第2セット】
古賀選手、宮部選手のバックアタックで幸先よく2点をリードする。それに山田選手も続き3-1。日本らしい粘り強いレシーブからリズムを作り5-1と試合が進む。その後はオランダの高いブロックに苦しむも濵松選手がダイレクトスパイクを決め8-5。山田選手の絶妙なフェイントで10-7と3点差のリードを奪う。石川選手もパワフルなスパイクを決め、2~3点を日本がリードしたまま試合は進み12-9でテクニカルタイムアウトを迎えた。12-11と1点差まで迫られ、ついには13-14と逆転を許してしまう。流れを変えようとセッターを関選手に代えるもオランダは攻撃の手を緩めず13-16と苦戦を強いられる。さらに濵松選手に代えて島村春世選手、宮部選手に代え井上愛里沙選手を起用し流れを引き戻そうとする日本だが17-21と迫り切れない試合展開となる。島村選手、古賀選手が得点するもこのセットはオランダに20-25で奪われた。
【第3セット】
第2セットのスタートから大幅に入れ替えたメンバーで臨んだ第3セット、代わって入った内瀬戸真実選手がまずはスパイクでその期待に応えた。序盤は一進一退の攻防が続くも、8-9とリードを奪うまでには及ばなかったが、井上選手のサービスエースで10-9と逆転に成功する。1点ずつを奪う試合展開となり、12点を先に奪ったのは日本。その後、関選手が相手のバックアタックをブロックし、14-11となったところでオランダはたまらずタイムアウトを要求。難しい態勢から古賀選手が決め15-11とした。小川愛里奈選手も見事なブロード攻撃を決めて16-13とすると井上選手も相手ブロックを利用してスパイクを決め17-13と主導権を握った。島村選手の速攻も冴え19-15とした。オランダもブロックで反撃してくるも21-17とリードをキープしいよいよ終盤へ。ここで相手ブロックにつかまり21-20となったところで日本はタイムアウト。流れが戻らずに21-21とされるも相手ミスに助けられ22-21。ここから1点の攻防となり、先にセットポイントを握られる苦しい展開ではあったが、最後はしのぎ25-23でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
内瀬戸選手の技ありスパイクやこのセットからコートに入った小島満菜美選手のディグから得点へと結びつけ、序盤はお互いに点を取り合う展開が続く。2点リードを許した場面から古賀選手のバックアタックが見事に決まると3連続得点を奪い8-7と逆転に成功する。相手のミスもあり11-8となり、島村選手のクイックで12-8とテクニカルタイムアウトを迎えた。ここから関選手のサービスエースで14-8とすると、勢いそのままに井上選手も続き15-8と7点のリードを奪う。しかし、4連続失点を喫して15-12となるが、井上選手が踏ん張り16-12。しかし、徐々にオランダが忍び寄り、気が付けば17-16と1点差まで詰め寄られる展開となる。ついには18-18の同点とされ試合は振り出しに戻ってしまう。その後も勢いづいたオランダを止めることができずに21-25で失い、ファイナルセットへと突入することとなった。
【第5セット】
嫌な流れを断ち切りたい日本であったが、立ち上がりからオランダに攻め立てられ0-3とリードを奪われる展開となる。古賀選手、林選手のスパイクで反撃するも2-5と劣勢な展開は続く。全員でボールをつなぎ、林選手が連続でスパイクを決め、4-5と反撃の狼煙をあげた。だが、オランダの高い壁が立ち塞がり4-8と劣勢な展開が続く中、古賀選手が踏ん張り6-8とするも得点はなかなか縮まらずに7-9。途中交代の石川選手が決め8-10とするも、またしてもブロック得点を許し9-13。最後はオランダのスパイクが決まり10-15。フルセットの末に負け、今大会初の黒星を喫した。オランダのブロックポイント16点に苦しんだ日本は明日の休養を挟み、明後日は強豪トルコとの対戦となる。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は出足から動きが悪く、ヨーロッパの高いブロックにやられてしまった。相手のハイボールをブロックで止められず、はじかれてしまうという、日本の負けパターンだった。
目標としていたファイナルラウンドに行けることは決まったが、あと3試合ヨーロッパのチームとの対戦が残っているので、今日がいい勉強となった。やはりブロックの部分だと思う。サーブレシーブは変えているが、Aパスからの決定率、効果率があまり良くない。(次戦まで)1日あるので、修正し頑張りたい。
古賀紗理那選手
今日は新しい選手が入り、選手の入れ替えも激しく、先週までであればクイックで切らずにサイドで切っていたところを、クイックにトライするという意識もあったので、明後日以降の試合に繋げていきたい。
次の対戦相手であるトルコは高さがあるチーム。被ブロックの数を少なくして、オフェンスの展開として攻撃の枚数を増やしていかないと苦しい展開が続くと思うので、そこに集中していきたい。
宮部藍梨選手
自分たちが望んでいたような結果で試合を終えることはできなかったが、次への課題もたくさん見えてきたので、気持ちを切り替えてその課題を修正して、いい形で次戦以降の試合に臨みたい。
今日はスパイクを決めることが自分に求められているスキルだったと思うが、それを発揮することできなかったので、限られた時間ではあるが練習でもう一度確認して、次の試合をベストな調子で迎えられるよう頑張りたい。
濵松明日香選手
出だしが悪く、もっと決定打を出せる場面があったのに出せなかったのがすごく悔しい。次の試合ではそこを改善して臨みたい。
今日は相手のスパイクに対してのブロックとディグが悪かったと思うので、その部分をもう一度見直して、自分自身もしっかりトルコ戦に向けて変えて、色々なことに挑戦していけるよう頑張りたい。
6月19日 日本×中国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
19
25
25
25
中国
1
25
16
23
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会最終日は高さのある中国との対戦。林琴奈選手のダイレクトスパイクで日本が先制する。横田真未選手のサーブで相手陣営を崩し4-2とリードするも、中国の高さのあるブロックに阻まれ、5-7とされる。日本は何度もリバウンドを拾い、相手のミスを誘って10-10とした。その後、10-12でリードされてテクニカルタイムアウトを迎える。関菜々己選手のナイスディグから小島満菜美選手が古賀紗理那選手へのトスを出すと、古賀選手が決めきり12-13と反撃ムードが高まる。横田選手がブロックを止め、14-14と同点へ追いつく。一時逆転するも16-18とされた場面で日本がタイムアウトを要求。セッターを松井珠己選手に交代するも、連続失点を止めることができず、16-22と終盤に大きく離されてしまう。リリーフサーバーの佐藤淑乃選手がサーブポイントを奪うも、このセットを19-25で落とす。
【第2セット】
このセットはセッターを松井選手でスタートする。林選手、古賀選手のスパイクが決まり序盤は互角の戦いが続く。島村春世選手のサーブポイントで8-6とし、相手ミスもあり9-6とリードを奪う。井上愛里沙選手のブロックで11-7、横田選手のダイレクトスパイクで12-7とリードしテクニカルタイムを迎える。その後、古賀選手のブロック、スパイクで15-8とリードを奪ったところで、中国がタイムアウトを要求。小島選手からの正確なサーブレシーブに、松井選手がスパイカーを操る。18-9と大きくリードを奪うも気を緩めることなく、理想的な試合展開となる。
23-15から石川真佑選手がリリーフサーバーで起用され、相手の強烈なスパイクをナイスディグし、それを井上選手が決め24-15。最後も井上選手が決め、25-16とセットを奪い返した。
【第3セット】
横田選手の速攻に始まり、井上選手のサーブポイント、林選手と古賀選手のスパイクで4-1。サーブレシーブも安定し、松井選手が変幻自在のトスワークを見せる。日本のペースで試合が進み8-4とするも、中国も徐々に日本へ襲い掛かってくる。12-9でテクニカルタイムアウトを迎えるが13-12と1点差まで追いつかれ、15-15とついには同点とされてしまう。しかし、勢いは完全に渡さない。16-16、17-17、18-18と均衡した試合が続いたが、日本が連続ポイントで20-18とすると中国がタイムアウト。島村選手のブロード攻撃で22-19とし、22-21まで追いつかれるも井上選手が踏ん張り23-21。松井選手のサーブポイントで24-21とセットポイントを奪う。中国の粘りにあうも、最後は井上選手が決めきり25-23の接戦でこのセットを奪った。
【第4セット】
松井選手が強弱をつけたサーブで相手陣営を崩し、4-0と幸先のいいスタートを切ったところで早くも中国はタイムアウトを要求。古賀選手のブロックが飛び出し7-2とリードし、その後も古賀選手がスパイク、ブロックにと得点し10-2と大きくリード。12-4でテクニカルタイムアウトを最高の形で迎えた。横田選手も見事なブロックを見せ、林選手も相手ブロックをはじくスパイクで持ち味を発揮する。井上選手もサーブポイントを奪い18-7。中国のミスも重なり、23-8と勝利まであと2点と迫った。最後は中国のサーブが日本のエンドラインを越え、25-12でこのセットを奪い、セットカウント3-1で勝利し開幕から8連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
1セット目は中国にサーブで押されていたので、2セット目はサーブで崩す戦術にした。(具体的には)1セット目はショートサーブを使ったが、2セット目はエンドラインを狙う強いサーブに切り替えた。また、3セット目の終盤の競り合いを取ったのが大きい。選手に非常にまとまりがあり、チームらしくなってきたと思う。
井上愛理沙選手
チームとしていいもの(プレー)がどんどん出てきていることが、勝利に繋がっていると思う。連勝中なので勝ち負けにこだわるということはもちろんあるが、フィリピン大会では修正点もたくさん見つかったので、そこを修正してカナダ大会では戦いたい。(高さのある中国に対し)最初はリバウンドを取ろうと考えていたが、それもブロックされることが多かったので、「もっと上に打たなければ」と感じたので、2セット目はそこを意識した。また、トスのテンポを速くしてもらうことで、相手のブロックが揃う前にアタックを打てるようにしてもらった。カナダ大会では高さのあるヨーロッパのチームとの試合がある。これまでのように調子のよいサーブで相手を崩して、ブロックディフェンスから得点する、という自分たちの強みを全面に出せるように準備したい。
横田真未選手
最初は中国の高さに対して(日本の攻撃が)被ブロックとなってしまうなど流れが掴めなかったが、2セット目を取れたことが今日のキーポイントだった。今日はミーティングの時に、自分は中国のミドルブロッカーとマッチアップしていく、ということを決めていて、それを1セット目で出せたのがよかった。(カナダ大会では)もう1つギアを上げて、チーム全員で戦っていきたい。
松井珠己選手
(第1セット途中からの出場について)1セット目の初めから被ブロックが多かった。被ブロックが多くならないようにどうトスを上げるのかを考えながら試合に入った。開幕8連勝でチームの雰囲気はとてもよく、試合に出ている選手も出ていない選手も関係なくコミュニケーションを図りながら戦うことができている。連勝しているが気を抜くことなく、1戦1戦が勝負だと思って、自分が出るチャンスがあればしっかりと自分のパフォーマンスを発揮したい。
6月17日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
タイ
0
22
16
14
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
初戦の韓国以来のアジア勢との対戦。タイもここまで4勝2敗と好調であり、これまでの対戦相手とは違うバレースタイルへどう対応するかが大きな鍵となる。その序盤、井上愛里沙選手や林琴奈選手の攻撃で得点するも、タイも素晴らしいレシーブからのコンビネーションバレーを組み立ててくる。序盤は7-9と日本は苦戦を強いられる展開となる。突破口を開こうと関菜々巳選手は横田真未選手、島村春世選手へとボールを託し、ミドル陣もそれに応える。しかし、2点差が詰まらずに10-12とテクニカルタイムアウトを迎える。11-14となったところで日本はタイムアウトを要求する。ここから井上選手が踏ん張り15-15とようやく同点へ追いついた。互いにブロックとディフェンスの持ち味を生かし一進一退の攻防が続くが、タイに17-20と一歩リードを奪われる。古賀が踏ん張り18-20の場面からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が相手ディフェンスを崩すサーブで一気に23-20とし、古賀選手のブロックで24-20とセットポイントを握った。2点差まで迫られたが、最後は全員で粘り25点目をもぎ取って、25-22で大事な第1セットを奪った。
【第2セット】
序盤は互いの持ち味であるレシーブ力が発揮され、長いラリーが続く攻防となるが日本が井上選手、古賀選手で制し8-4とリードを奪う。この場面でタイはタイムアウトを早くも要求する。その後、互いに得点を重ね、横田選手のスパイクで12-9としたところでテクニカルタイムアウトを迎えた。古賀選手の連続スパイクで14-9とし、タイもコンビネーションバレーを組み立て必死の反撃を試みるものの、日本は崩れることなく、島村選手のブロード攻撃、井上選手や古賀選手のスパイクで19-12と優位に試合を進めていく。タイのミスもあり22-14とした日本。最後は古賀選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで25-16とし、セットを連取した。
【第3セット】
まずは林選手のスパイクで幸先よく先取点を上げる。林選手はブロックでも得点し3-1とリードを広げる。ブロックとレシーブの関係も良好で日本のペースで進み、6-3と良い流れで試合が進む。横田選手のブロックで9-5とし、このセットでの打数が増えた林選手はレフト、ライトから攻撃を決めていき、12-7でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、セッター関選手はボールを散らし、相手のブロック陣営に的を絞らせないトスワークを見せる。一回で決められなくとも、小島満菜美選手を中心に粘り強く拾い続け、得点へ結びつけていく。17-10でタイがタイムアウトを要求するも日本はリズムを崩すことなく19-11と大きくリードを奪う。変化をつけた攻撃で得点を重ねていく日本は安定した試合運びでこのセットを25-14で奪い、セットカウント3-0のストレート勝ちを収め開幕7連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりはタイの速い攻撃にやられてしまった。また、サーブが正面に行っていた。7連勝は予想外。代表に入って初めての選手は勢いに乗っており、キャプテンの古賀(紗理那)選手を中心にはつらつとしている。明日の中国戦、我々は胸を借りるつもりで、積極的に攻めていきたい。
キャプテン・古賀紗理那選手
タイはオフェンスの速いチームで最初は対応するのに時間がかかったが、しっかり修正して私たちのリズムで試合ができたのでよかった。(個人の出来は)オフェンスの部分では失点が増えてきている印象なので、失点をしないようにと意識している。ディフェンスも失点が多いので明後日の試合に向けて修正したい。中国は本当に高さのあるチームだが、しっかりサーブで崩して、自分たちのテンポでプレーができるように、チーム全体で準備して戦いたい。
林琴奈選手
前半はレシーブが上がっていなかったが、後半はしっかり上げて、攻撃に繋げられていたので良かった。(1セット目と2セット目で大きく変わった要因は)ディグを自分たちのコート上に上げることを意識した。中国は背の高いチームなのでブロックフォローをして、スパイクも工夫し、全員で勝てるように頑張りたい。
関菜々巳選手
勢いのあるタイを相手に序盤はブレイクできない場面が多かったが、徐々に修正することができたので、そこはよかった。チームはすごくいい雰囲気でプレーできている。途中交代で入った選手も力を発揮してくれて、チーム全体で戦うことができている。
石川真佑選手
(途中から入ることについて)自分のサーブをしっかりと打つことはもちろんだが、入ったところでチームの流れを少しでも変えたいと思い、サーブを打っている。明日はアジアの強豪チームが相手だが、今日のように自分たちの流れを作りたいし、自分が出る時は少しでも流れを作れるよう、強い気持ちを持って試合に入りたい。
6月16日 日本×ブルガリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ブルガリア
0
20
16
23
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会初戦のポーランド戦から、スターティングメンバーに内瀬戸真実選手、リベロに山岸あかね選手を起用して臨んだ一戦。立ち上がりはブルガリアの粘りある守りと、高さのあるスパイクとブロックに苦しむも、古賀紗理那選手、内瀬戸選手が応戦する日本。ブルガリアは高さのあるブロックとスパイクが機能し、優位に試合を展開する。9-12でテクニカルタイムアウトを迎え、井上愛里沙選手、内瀬戸選手がスパイクを決めるも14-17と劣勢のまま試合が進む。17-19の場面でリリーフサーバーとして起用された佐藤淑乃選手がサービスエースを奪い18-19。ここでブルガリアはタイムアウトを要求。その後古賀選手の活躍で20-19と逆転に成功する。そして、21-20からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が2本連続のサービスエースを決め23-20とすると、島村春世選手の見事なブロックで24-20とし、最後は古賀選手のスパイクが決まり、終盤5連続得点を奪った日本は25-20でこのセットを逆転で制した。
【第2セット】
序盤はブルガリアの高さのある攻撃に苦戦を強いられるが、内瀬戸選手、井上選手、古賀選手のスパイクが機能し、流れをブルガリアには完全に渡さない。山岸選手のナイスディグから古賀選手のバックアタックも決まり、徐々に日本がペースを掴む中、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、確実に点を積み重ね15-11とリードを広げていく。相手ミスにも助けられ17-13となった場面で、ブルガリアがタイムアウトを要求。その後も島村選手のブロック、ブロード攻撃、井上選手のスパイクで23-15とリードを奪う。ここでリリーフサーバーとして起用された宮下遥選手のナイスディグから得点へ結びつけ、24-15とセットポイントとする。最後は宮下選手からのトスを内瀬戸選手が見事なブロックアウトを決め、25-16で2セットを連取した。
【第3セット】
このセットは小川愛里奈選手をスタートから起用。序盤は点の奪い合いで試合が進む。内瀬戸選手が素晴らしいディグを見せ得点へと繋げ、日本らしい粘りをみせて7-5とし、関菜々巳選手と小川選手のコンビでも得点を奪う。一本目で決められない場面であっても山岸選手を中心としたディグで主導権は日本が握り、12-9でテクニカルタイムを迎える理想的な展開となる。その後も関選手が相手に的を絞らせないトスワークを見せ、15-10とリードを奪い終盤を迎える。しかし、ブルガリアの高さのあるブロックに苦しみ18-16と追い上げれられた場面で日本がタイムアウトを要求。ここからお互いにサイドアウトを続けた末に24-21とマッチポイントを奪う。ブルガリアの反撃で24-23とされるが、最後は相手のミスを誘い25-23とした日本はセットカウント3-0のストレート勝ちを収め、開幕6連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は立ち上がりが良くなかった。中盤から終盤にかけてディフェンス、サーブが良くなった。(日本は)若い選手が多く、勢いがある。明日からは好調のタイ、そして中国と対戦するので、まずは明日に集中したい。
山岸あかね選手
各セットの出だしが良くなかったのが反省点。中盤にかけては、自分たちのいいリズムで攻撃ができていたのが良かった。
(久しぶりの国際大会かつ今大会初出場で)試合に入るまでは緊張したが、始まったら集中してプレーすることができた。
明日対戦するタイは速いテンポで攻撃してくるので、難しい試合になると思うが、自分たちの勢いや速いテンポの攻撃を出して勝てるように頑張りたい。
内瀬戸真実選手
1セット目は自分たちのリズムが掴めなかったが、終盤から速い攻撃やアタックが通用し始めたことが勝ちに繋がった。
(2セット目から大きく変わったのは)1セット目はバタバタしていたので、2セット目は1本目(のパス)で時間を作り、そこから速い攻撃に展開するということを意識した。
明日のタイ戦は難しい試合になると思うが、全員で頑張っていきたい。自分も攻撃参加をしっかりできるようにしたい。
6月14日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ポーランド
0
21
21
21
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会を4連勝しフィリピン大会へ臨む日本代表。日本代表初選出となる横田真未選手をスターティングメンバーに起用し、高さのあるポーランドとの一戦に臨んだ。
序盤、井上愛里沙選手・古賀紗理那選手の両エースが得点し、横田選手がクイック、そしてサービスエースを奪い6-1とすると、ポーランドは早くもタイムアウトを要求する。林琴奈選手もライトから速い攻撃を決めて、日本のペースで試合が進む。島村春世選手もブロード攻撃を決め、関菜々巳選手のトスワークからスパイカー陣が期待に応える。井上選手が連続得点をあげ、12-5でテクニカルタイムアウトを迎える。
中盤、林選手のサービスエース、古賀選手のブロックで17-9とリードを奪い、その後も井上選手が相手のブロックを利用した上手さのあるスパイクを見せる。終盤、連続失点を許し23-20となったところで日本がタイムアウトを要求。この苦しい状況で横田選手がクイックをしっかり決めて流れを止め、24-20とする。最後は島村選手のクイックが決まり、25-21で第1セットを奪った。
【第2セット】
先制点はラリーが続く中、古賀選手のバックアタックで奪った。難しい態勢から関選手が見事なトスを上げ、林選手がライトからの攻撃を決める。島村選手が続くも、ポーランドがミドルの攻撃を増やし日本の守備陣営を崩してくる。林選手の粘り強いディグから井上選手のブロックが飛び出すと、一進一退の攻防から日本が一歩リードし12-9でテクニカルタイムを迎え、日本にとって理想な試合展開となる。
ポーランドも高さのあるブロックでワンタッチを確実に奪い、日本へプレッシャーをかけてくる。15-17とリードを許す展開になるが、古賀選手の活躍で19-17と逆転に成功する。小島満菜美選手の素晴らしいディグから得点に結びつけ、確実に点数を重ね25-21でこのセットも奪った。
【第3セット】
林選手のスパイクで序盤のリズムを作り相手のミスを誘う。島村選手のブロード攻撃も冴えた。9-6とリードし優位に試合を進め、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手のブロックで14-9とリードを奪い、小島選手はコートに落ちそうなボールに飛び込んで拾い、得点へとつなぐ。ポーランドは選手交代を駆使し5連続得点をあげ、18-16まで追い上げてくる。ここで古賀選手が嫌な流れを止めるスパイクを相手コートに叩きつける。その後も関選手の見事なトスワークからスパイカー陣が得点を重ね、最後は古賀選手のブロックでこのセットも25-21で奪い、ストレートで勝利を収め開幕5連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は選手がよく集中していた。
ミドルブロッカーの2人(横田真未選手、島村春世選手)がよかった。その2人に対し、セッターの関(菜々巳選手)がブロックの空いているスペースを探していいトスを上げていた。(初出場・初先発の)横田は少し緊張していたが、ブロックもよかったし、クイックも思うように決まっていた。
明後日対戦するブルガリアは、高さのあるチーム。我々のスピードを上げていきたい。
井上愛里沙選手
この大会で勝つために、サーブと「12点目を先に取る」ことを意識してやっている。今日もミスはあったもののサーブは効いていたし、12点先行もできていたので、それが勝因だったと思う。
自分の仕事は点数を取ることなので、どんな相手にも怯まずに打っていくことを考えており、今日はそれができていた。ただ、ディフェンスの面などでまだ課題が残る試合だったので、次の試合に向けて修正していきたい。
連勝しているが自分たちのやるべきことのレベルを上げていくこと。毎試合違うメンバーが出ているが、どの選手が出ても勝ち切れるチームを作っていきたい。
林琴奈選手
(試合ではディフェンスでいい場面を作っていた)オフェンスで機能できなかったので、ディフェンスだけでもしっかり頑張ろうと思って臨んだ。
次も全員で勝ち切れるように、まずは目の前の試合に集中したい。
横田真未選手
ポーランドは攻撃力のあるチームなので、サーブで攻めてブロックディフェンスで日本のリズムを作っていこうと話しており、それがスタートからできた。
チームとして準備してきた相手の対策を自分の中に落とし込み、やるべきことをやりきろうと考えて試合に臨んだ。チームの共通理解があるので、練習でも誰が出てもいいように準備しており、それが出せたと思う。
ポーランドは高さがあるチームなので、攻撃面では速いクイックや早打ちで相手の隙間を抜くことを、ブロックでは上に(手を)出しても触れないボールが多いので、前に(手を)出してディガーと連動できるように意識した。リベロから積極的な声掛けがあり、ラリーの中でもブロックポジションの修正箇所を伝えてくれた。
チーム全員の力が必要だと思うので、一人ひとりが生きるチームになれるように、さらなる連勝を目指して頑張りたい。
6月5日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
アメリカ
0
22
20
20
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
現在FIVB世界ランキング1位のアメリカとの対戦。このネーションズリーグでも優勝候補の一角にあり、新生日本代表にとっては試金石の一戦でもある。強化してきたサーブで相手を崩し勝機を見出していきたい。
スタートはドミニカ戦で良い形を作りだしたメンバーで構成した。
序盤、島村春世選手のブロックとスパイクで3-3と互角のスタートを切った。井上愛里沙選手のブロック、そしてスパイクで5-3とリードする。その後、攻めのサーブから相手を崩し、林琴奈選手の素晴らしいディグから井上選手やキャプテンの古賀紗理那選手らが決めて、9-7とリードを奪う。しかし、アメリカは高いブロックの組織力で日本の攻撃を封じにかかり、テクニカルタイムアウトは一進一退の攻防の末に12-11で迎えた。日本はアグレッシブなレシーブから攻撃を仕掛け15-12とリードを奪うも、アメリカも反撃に出てくる。
中盤は17-17と追いつかれるも井上選手が踏ん張り18-17とすると、小川愛里奈選手のサービスエースで19-17とし、続いて関菜々己選手のサービスエースもあり21-19。2点リードで終盤へ突入し古賀選手のスパイクで23-20とするも アメリカも日本のお株を奪う素晴らしいディグからの攻撃でスコアは23-22となる。この苦しい場面で井上選手がバックアタックを決め24-22。最後は長いラリーの末にアメリカのタッチネットでポイントは日本へ。25-22でこのセットを奪う。
【第2セット】
先手を奪いたい日本は林選手、井上選手のスパイクで得点し、順調な滑り出しを見せて4-3とリードを奪う。関選手のトスワークから小川選手の見事なブロード攻撃を演出し、リズムを掴む日本。互いに点を取り合う白熱した試合となり、12-10でテクニカルタイムアウトを迎える。理想的な展開とした日本は、粘り強い我慢のバレーを続けて14-12と2点差をキープ。
16-12とした場面でアメリカはタイムアウトを要求。ここからアメリカの反撃があり16-14と2点差まで追いつめられるも、古賀選手のスパイク、小川選手のサービスエースで18-14と4点差とした。
高いブロックに跳ね返されても全員でブロックフォローを重ね、粘り強く戦う日本。林選手はレフト、ライトからスパイクをきっちりと決める。終盤23-20からは全員で必死にボールをつなぎ、古賀選手のスパイクで24-20とした日本は最後も古賀選手の1枚ブロックが決まり、このセットも25-20で奪う。
【第3セット】
島村選手の速攻で得点をあげた日本は順調なスタートを切った。しかし、アメリカも日本に負けず劣らずのレシーブ力と高い攻撃力で日本に襲い掛かってくる。それでも日本は小島満菜美選手を中心としたディフェンスから崩れることなく、10-7とリードを奪う。そして、テクニカルタイムアウトを12-8の4点差で迎えた。その後も着実に得点を重ねる日本は井上選手のサービスエースで18-12と6点差をつけたところで、アメリカがタイムアウトを要求した。勢いづいた日本は相手のミスを誘うなどして20-13と終盤大きくリードした。油断したわけではないが21-16と猛追された日本はタイムアウトを要求。連続ブロックに遭い23-19とされるも、アメリカのサーブミスに助けられ24-19。最後は井上選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで得点し、25-20でこのセットも奪いストレートで勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカチームとの試合。特に今日はショートサーブ、あとはブロックもそうだが、ディフェンスが良かった。これまで練習してきたことができた。アメリカのブロックにやられるケースが少なかったのでそれも勝因の一つかと思う。アメリカ大会で4連勝できて、若い選手が多いだけに勢いがあるので、この勢いを次のフィリピン大会にに持って行きたいと思う。
キャプテン・古賀紗理那選手
世界ランキング1位の強豪国と当たるということで、最初からサーブを攻めていこうという話をして、しっかりと先行した展開で3セット勝つことができて良かった。小さいチームなので組織的な戦術や動きで勝つ必要がある中、少しずつではあるがチームが成長していることがこの結果に繋がっていると思う。第1週は(相手に)対策されずにしっかり勝つことができたが、次からは対策された中での戦いになる。私たちも工夫しながら得点を取っていけるように頑張っていきたい。
井上愛里沙選手
今日は出だしからサーブが効いていた。世界ランキング1位のアメリカに対して、自分たちがどれだけチャレンジできるかというところで、最初から最後まで攻め続けることができたのは良かった。マッチアップしたのがVリーグでも対戦した(元JTマーヴェラスの)ドルーズ アンドレア選手だったので、(Vリーグでの対戦を)試合前にイメージをした。アメリカはどこを抜いてもディフェンスがとてもいいので、なんとかブロックを利用して打ちたいと思った。ブロックについては、もう少しで止まるというボールが多かったのでそこは修正点。この勢いをフィリピン大会にもぶつけていけるよう、全員でいい準備をして、誰が出てもしっかり勝てるチームにしていきたい。
関菜々巳選手
昨日(ドミニカ共和国戦)の試合が初めてのスタメン出場でとても緊張したので、今日は昨日よりも落ち着いて(試合に)入ることができた。まだ課題はたくさんあるが、コートの中でコミュニケーションを取って、今できることを出し切れたと思う。サーブで攻めることができたのが一番の勝因。予選ラウンド第1週では4連勝といういいスタートが切れた。この勢いをフィリピン大会でも出せるよう、休息期間中にチーム全体で課題を修正し、もっと強くなった日本代表をお見せしたい。
6月4日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
20
25
25
ドミニカ共和国
1
17
25
21
10
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 3 | 19 | 25 | 25 | 25 | |
中国 | 1 | 25 | 16 | 23 | 12 |
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会最終日は高さのある中国との対戦。林琴奈選手のダイレクトスパイクで日本が先制する。横田真未選手のサーブで相手陣営を崩し4-2とリードするも、中国の高さのあるブロックに阻まれ、5-7とされる。日本は何度もリバウンドを拾い、相手のミスを誘って10-10とした。その後、10-12でリードされてテクニカルタイムアウトを迎える。関菜々己選手のナイスディグから小島満菜美選手が古賀紗理那選手へのトスを出すと、古賀選手が決めきり12-13と反撃ムードが高まる。横田選手がブロックを止め、14-14と同点へ追いつく。一時逆転するも16-18とされた場面で日本がタイムアウトを要求。セッターを松井珠己選手に交代するも、連続失点を止めることができず、16-22と終盤に大きく離されてしまう。リリーフサーバーの佐藤淑乃選手がサーブポイントを奪うも、このセットを19-25で落とす。
【第2セット】
このセットはセッターを松井選手でスタートする。林選手、古賀選手のスパイクが決まり序盤は互角の戦いが続く。島村春世選手のサーブポイントで8-6とし、相手ミスもあり9-6とリードを奪う。井上愛里沙選手のブロックで11-7、横田選手のダイレクトスパイクで12-7とリードしテクニカルタイムを迎える。その後、古賀選手のブロック、スパイクで15-8とリードを奪ったところで、中国がタイムアウトを要求。小島選手からの正確なサーブレシーブに、松井選手がスパイカーを操る。18-9と大きくリードを奪うも気を緩めることなく、理想的な試合展開となる。
23-15から石川真佑選手がリリーフサーバーで起用され、相手の強烈なスパイクをナイスディグし、それを井上選手が決め24-15。最後も井上選手が決め、25-16とセットを奪い返した。
【第3セット】
横田選手の速攻に始まり、井上選手のサーブポイント、林選手と古賀選手のスパイクで4-1。サーブレシーブも安定し、松井選手が変幻自在のトスワークを見せる。日本のペースで試合が進み8-4とするも、中国も徐々に日本へ襲い掛かってくる。12-9でテクニカルタイムアウトを迎えるが13-12と1点差まで追いつかれ、15-15とついには同点とされてしまう。しかし、勢いは完全に渡さない。16-16、17-17、18-18と均衡した試合が続いたが、日本が連続ポイントで20-18とすると中国がタイムアウト。島村選手のブロード攻撃で22-19とし、22-21まで追いつかれるも井上選手が踏ん張り23-21。松井選手のサーブポイントで24-21とセットポイントを奪う。中国の粘りにあうも、最後は井上選手が決めきり25-23の接戦でこのセットを奪った。
【第4セット】
松井選手が強弱をつけたサーブで相手陣営を崩し、4-0と幸先のいいスタートを切ったところで早くも中国はタイムアウトを要求。古賀選手のブロックが飛び出し7-2とリードし、その後も古賀選手がスパイク、ブロックにと得点し10-2と大きくリード。12-4でテクニカルタイムアウトを最高の形で迎えた。横田選手も見事なブロックを見せ、林選手も相手ブロックをはじくスパイクで持ち味を発揮する。井上選手もサーブポイントを奪い18-7。中国のミスも重なり、23-8と勝利まであと2点と迫った。最後は中国のサーブが日本のエンドラインを越え、25-12でこのセットを奪い、セットカウント3-1で勝利し開幕から8連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
1セット目は中国にサーブで押されていたので、2セット目はサーブで崩す戦術にした。(具体的には)1セット目はショートサーブを使ったが、2セット目はエンドラインを狙う強いサーブに切り替えた。また、3セット目の終盤の競り合いを取ったのが大きい。選手に非常にまとまりがあり、チームらしくなってきたと思う。
井上愛理沙選手
チームとしていいもの(プレー)がどんどん出てきていることが、勝利に繋がっていると思う。連勝中なので勝ち負けにこだわるということはもちろんあるが、フィリピン大会では修正点もたくさん見つかったので、そこを修正してカナダ大会では戦いたい。(高さのある中国に対し)最初はリバウンドを取ろうと考えていたが、それもブロックされることが多かったので、「もっと上に打たなければ」と感じたので、2セット目はそこを意識した。また、トスのテンポを速くしてもらうことで、相手のブロックが揃う前にアタックを打てるようにしてもらった。カナダ大会では高さのあるヨーロッパのチームとの試合がある。これまでのように調子のよいサーブで相手を崩して、ブロックディフェンスから得点する、という自分たちの強みを全面に出せるように準備したい。
横田真未選手
最初は中国の高さに対して(日本の攻撃が)被ブロックとなってしまうなど流れが掴めなかったが、2セット目を取れたことが今日のキーポイントだった。今日はミーティングの時に、自分は中国のミドルブロッカーとマッチアップしていく、ということを決めていて、それを1セット目で出せたのがよかった。(カナダ大会では)もう1つギアを上げて、チーム全員で戦っていきたい。
松井珠己選手
(第1セット途中からの出場について)1セット目の初めから被ブロックが多かった。被ブロックが多くならないようにどうトスを上げるのかを考えながら試合に入った。開幕8連勝でチームの雰囲気はとてもよく、試合に出ている選手も出ていない選手も関係なくコミュニケーションを図りながら戦うことができている。連勝しているが気を抜くことなく、1戦1戦が勝負だと思って、自分が出るチャンスがあればしっかりと自分のパフォーマンスを発揮したい。
6月17日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
タイ
0
22
16
14
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
初戦の韓国以来のアジア勢との対戦。タイもここまで4勝2敗と好調であり、これまでの対戦相手とは違うバレースタイルへどう対応するかが大きな鍵となる。その序盤、井上愛里沙選手や林琴奈選手の攻撃で得点するも、タイも素晴らしいレシーブからのコンビネーションバレーを組み立ててくる。序盤は7-9と日本は苦戦を強いられる展開となる。突破口を開こうと関菜々巳選手は横田真未選手、島村春世選手へとボールを託し、ミドル陣もそれに応える。しかし、2点差が詰まらずに10-12とテクニカルタイムアウトを迎える。11-14となったところで日本はタイムアウトを要求する。ここから井上選手が踏ん張り15-15とようやく同点へ追いついた。互いにブロックとディフェンスの持ち味を生かし一進一退の攻防が続くが、タイに17-20と一歩リードを奪われる。古賀が踏ん張り18-20の場面からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が相手ディフェンスを崩すサーブで一気に23-20とし、古賀選手のブロックで24-20とセットポイントを握った。2点差まで迫られたが、最後は全員で粘り25点目をもぎ取って、25-22で大事な第1セットを奪った。
【第2セット】
序盤は互いの持ち味であるレシーブ力が発揮され、長いラリーが続く攻防となるが日本が井上選手、古賀選手で制し8-4とリードを奪う。この場面でタイはタイムアウトを早くも要求する。その後、互いに得点を重ね、横田選手のスパイクで12-9としたところでテクニカルタイムアウトを迎えた。古賀選手の連続スパイクで14-9とし、タイもコンビネーションバレーを組み立て必死の反撃を試みるものの、日本は崩れることなく、島村選手のブロード攻撃、井上選手や古賀選手のスパイクで19-12と優位に試合を進めていく。タイのミスもあり22-14とした日本。最後は古賀選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで25-16とし、セットを連取した。
【第3セット】
まずは林選手のスパイクで幸先よく先取点を上げる。林選手はブロックでも得点し3-1とリードを広げる。ブロックとレシーブの関係も良好で日本のペースで進み、6-3と良い流れで試合が進む。横田選手のブロックで9-5とし、このセットでの打数が増えた林選手はレフト、ライトから攻撃を決めていき、12-7でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、セッター関選手はボールを散らし、相手のブロック陣営に的を絞らせないトスワークを見せる。一回で決められなくとも、小島満菜美選手を中心に粘り強く拾い続け、得点へ結びつけていく。17-10でタイがタイムアウトを要求するも日本はリズムを崩すことなく19-11と大きくリードを奪う。変化をつけた攻撃で得点を重ねていく日本は安定した試合運びでこのセットを25-14で奪い、セットカウント3-0のストレート勝ちを収め開幕7連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりはタイの速い攻撃にやられてしまった。また、サーブが正面に行っていた。7連勝は予想外。代表に入って初めての選手は勢いに乗っており、キャプテンの古賀(紗理那)選手を中心にはつらつとしている。明日の中国戦、我々は胸を借りるつもりで、積極的に攻めていきたい。
キャプテン・古賀紗理那選手
タイはオフェンスの速いチームで最初は対応するのに時間がかかったが、しっかり修正して私たちのリズムで試合ができたのでよかった。(個人の出来は)オフェンスの部分では失点が増えてきている印象なので、失点をしないようにと意識している。ディフェンスも失点が多いので明後日の試合に向けて修正したい。中国は本当に高さのあるチームだが、しっかりサーブで崩して、自分たちのテンポでプレーができるように、チーム全体で準備して戦いたい。
林琴奈選手
前半はレシーブが上がっていなかったが、後半はしっかり上げて、攻撃に繋げられていたので良かった。(1セット目と2セット目で大きく変わった要因は)ディグを自分たちのコート上に上げることを意識した。中国は背の高いチームなのでブロックフォローをして、スパイクも工夫し、全員で勝てるように頑張りたい。
関菜々巳選手
勢いのあるタイを相手に序盤はブレイクできない場面が多かったが、徐々に修正することができたので、そこはよかった。チームはすごくいい雰囲気でプレーできている。途中交代で入った選手も力を発揮してくれて、チーム全体で戦うことができている。
石川真佑選手
(途中から入ることについて)自分のサーブをしっかりと打つことはもちろんだが、入ったところでチームの流れを少しでも変えたいと思い、サーブを打っている。明日はアジアの強豪チームが相手だが、今日のように自分たちの流れを作りたいし、自分が出る時は少しでも流れを作れるよう、強い気持ちを持って試合に入りたい。
6月16日 日本×ブルガリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ブルガリア
0
20
16
23
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会初戦のポーランド戦から、スターティングメンバーに内瀬戸真実選手、リベロに山岸あかね選手を起用して臨んだ一戦。立ち上がりはブルガリアの粘りある守りと、高さのあるスパイクとブロックに苦しむも、古賀紗理那選手、内瀬戸選手が応戦する日本。ブルガリアは高さのあるブロックとスパイクが機能し、優位に試合を展開する。9-12でテクニカルタイムアウトを迎え、井上愛里沙選手、内瀬戸選手がスパイクを決めるも14-17と劣勢のまま試合が進む。17-19の場面でリリーフサーバーとして起用された佐藤淑乃選手がサービスエースを奪い18-19。ここでブルガリアはタイムアウトを要求。その後古賀選手の活躍で20-19と逆転に成功する。そして、21-20からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が2本連続のサービスエースを決め23-20とすると、島村春世選手の見事なブロックで24-20とし、最後は古賀選手のスパイクが決まり、終盤5連続得点を奪った日本は25-20でこのセットを逆転で制した。
【第2セット】
序盤はブルガリアの高さのある攻撃に苦戦を強いられるが、内瀬戸選手、井上選手、古賀選手のスパイクが機能し、流れをブルガリアには完全に渡さない。山岸選手のナイスディグから古賀選手のバックアタックも決まり、徐々に日本がペースを掴む中、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、確実に点を積み重ね15-11とリードを広げていく。相手ミスにも助けられ17-13となった場面で、ブルガリアがタイムアウトを要求。その後も島村選手のブロック、ブロード攻撃、井上選手のスパイクで23-15とリードを奪う。ここでリリーフサーバーとして起用された宮下遥選手のナイスディグから得点へ結びつけ、24-15とセットポイントとする。最後は宮下選手からのトスを内瀬戸選手が見事なブロックアウトを決め、25-16で2セットを連取した。
【第3セット】
このセットは小川愛里奈選手をスタートから起用。序盤は点の奪い合いで試合が進む。内瀬戸選手が素晴らしいディグを見せ得点へと繋げ、日本らしい粘りをみせて7-5とし、関菜々巳選手と小川選手のコンビでも得点を奪う。一本目で決められない場面であっても山岸選手を中心としたディグで主導権は日本が握り、12-9でテクニカルタイムを迎える理想的な展開となる。その後も関選手が相手に的を絞らせないトスワークを見せ、15-10とリードを奪い終盤を迎える。しかし、ブルガリアの高さのあるブロックに苦しみ18-16と追い上げれられた場面で日本がタイムアウトを要求。ここからお互いにサイドアウトを続けた末に24-21とマッチポイントを奪う。ブルガリアの反撃で24-23とされるが、最後は相手のミスを誘い25-23とした日本はセットカウント3-0のストレート勝ちを収め、開幕6連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は立ち上がりが良くなかった。中盤から終盤にかけてディフェンス、サーブが良くなった。(日本は)若い選手が多く、勢いがある。明日からは好調のタイ、そして中国と対戦するので、まずは明日に集中したい。
山岸あかね選手
各セットの出だしが良くなかったのが反省点。中盤にかけては、自分たちのいいリズムで攻撃ができていたのが良かった。
(久しぶりの国際大会かつ今大会初出場で)試合に入るまでは緊張したが、始まったら集中してプレーすることができた。
明日対戦するタイは速いテンポで攻撃してくるので、難しい試合になると思うが、自分たちの勢いや速いテンポの攻撃を出して勝てるように頑張りたい。
内瀬戸真実選手
1セット目は自分たちのリズムが掴めなかったが、終盤から速い攻撃やアタックが通用し始めたことが勝ちに繋がった。
(2セット目から大きく変わったのは)1セット目はバタバタしていたので、2セット目は1本目(のパス)で時間を作り、そこから速い攻撃に展開するということを意識した。
明日のタイ戦は難しい試合になると思うが、全員で頑張っていきたい。自分も攻撃参加をしっかりできるようにしたい。
6月14日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ポーランド
0
21
21
21
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会を4連勝しフィリピン大会へ臨む日本代表。日本代表初選出となる横田真未選手をスターティングメンバーに起用し、高さのあるポーランドとの一戦に臨んだ。
序盤、井上愛里沙選手・古賀紗理那選手の両エースが得点し、横田選手がクイック、そしてサービスエースを奪い6-1とすると、ポーランドは早くもタイムアウトを要求する。林琴奈選手もライトから速い攻撃を決めて、日本のペースで試合が進む。島村春世選手もブロード攻撃を決め、関菜々巳選手のトスワークからスパイカー陣が期待に応える。井上選手が連続得点をあげ、12-5でテクニカルタイムアウトを迎える。
中盤、林選手のサービスエース、古賀選手のブロックで17-9とリードを奪い、その後も井上選手が相手のブロックを利用した上手さのあるスパイクを見せる。終盤、連続失点を許し23-20となったところで日本がタイムアウトを要求。この苦しい状況で横田選手がクイックをしっかり決めて流れを止め、24-20とする。最後は島村選手のクイックが決まり、25-21で第1セットを奪った。
【第2セット】
先制点はラリーが続く中、古賀選手のバックアタックで奪った。難しい態勢から関選手が見事なトスを上げ、林選手がライトからの攻撃を決める。島村選手が続くも、ポーランドがミドルの攻撃を増やし日本の守備陣営を崩してくる。林選手の粘り強いディグから井上選手のブロックが飛び出すと、一進一退の攻防から日本が一歩リードし12-9でテクニカルタイムを迎え、日本にとって理想な試合展開となる。
ポーランドも高さのあるブロックでワンタッチを確実に奪い、日本へプレッシャーをかけてくる。15-17とリードを許す展開になるが、古賀選手の活躍で19-17と逆転に成功する。小島満菜美選手の素晴らしいディグから得点に結びつけ、確実に点数を重ね25-21でこのセットも奪った。
【第3セット】
林選手のスパイクで序盤のリズムを作り相手のミスを誘う。島村選手のブロード攻撃も冴えた。9-6とリードし優位に試合を進め、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手のブロックで14-9とリードを奪い、小島選手はコートに落ちそうなボールに飛び込んで拾い、得点へとつなぐ。ポーランドは選手交代を駆使し5連続得点をあげ、18-16まで追い上げてくる。ここで古賀選手が嫌な流れを止めるスパイクを相手コートに叩きつける。その後も関選手の見事なトスワークからスパイカー陣が得点を重ね、最後は古賀選手のブロックでこのセットも25-21で奪い、ストレートで勝利を収め開幕5連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は選手がよく集中していた。
ミドルブロッカーの2人(横田真未選手、島村春世選手)がよかった。その2人に対し、セッターの関(菜々巳選手)がブロックの空いているスペースを探していいトスを上げていた。(初出場・初先発の)横田は少し緊張していたが、ブロックもよかったし、クイックも思うように決まっていた。
明後日対戦するブルガリアは、高さのあるチーム。我々のスピードを上げていきたい。
井上愛里沙選手
この大会で勝つために、サーブと「12点目を先に取る」ことを意識してやっている。今日もミスはあったもののサーブは効いていたし、12点先行もできていたので、それが勝因だったと思う。
自分の仕事は点数を取ることなので、どんな相手にも怯まずに打っていくことを考えており、今日はそれができていた。ただ、ディフェンスの面などでまだ課題が残る試合だったので、次の試合に向けて修正していきたい。
連勝しているが自分たちのやるべきことのレベルを上げていくこと。毎試合違うメンバーが出ているが、どの選手が出ても勝ち切れるチームを作っていきたい。
林琴奈選手
(試合ではディフェンスでいい場面を作っていた)オフェンスで機能できなかったので、ディフェンスだけでもしっかり頑張ろうと思って臨んだ。
次も全員で勝ち切れるように、まずは目の前の試合に集中したい。
横田真未選手
ポーランドは攻撃力のあるチームなので、サーブで攻めてブロックディフェンスで日本のリズムを作っていこうと話しており、それがスタートからできた。
チームとして準備してきた相手の対策を自分の中に落とし込み、やるべきことをやりきろうと考えて試合に臨んだ。チームの共通理解があるので、練習でも誰が出てもいいように準備しており、それが出せたと思う。
ポーランドは高さがあるチームなので、攻撃面では速いクイックや早打ちで相手の隙間を抜くことを、ブロックでは上に(手を)出しても触れないボールが多いので、前に(手を)出してディガーと連動できるように意識した。リベロから積極的な声掛けがあり、ラリーの中でもブロックポジションの修正箇所を伝えてくれた。
チーム全員の力が必要だと思うので、一人ひとりが生きるチームになれるように、さらなる連勝を目指して頑張りたい。
6月5日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
アメリカ
0
22
20
20
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
現在FIVB世界ランキング1位のアメリカとの対戦。このネーションズリーグでも優勝候補の一角にあり、新生日本代表にとっては試金石の一戦でもある。強化してきたサーブで相手を崩し勝機を見出していきたい。
スタートはドミニカ戦で良い形を作りだしたメンバーで構成した。
序盤、島村春世選手のブロックとスパイクで3-3と互角のスタートを切った。井上愛里沙選手のブロック、そしてスパイクで5-3とリードする。その後、攻めのサーブから相手を崩し、林琴奈選手の素晴らしいディグから井上選手やキャプテンの古賀紗理那選手らが決めて、9-7とリードを奪う。しかし、アメリカは高いブロックの組織力で日本の攻撃を封じにかかり、テクニカルタイムアウトは一進一退の攻防の末に12-11で迎えた。日本はアグレッシブなレシーブから攻撃を仕掛け15-12とリードを奪うも、アメリカも反撃に出てくる。
中盤は17-17と追いつかれるも井上選手が踏ん張り18-17とすると、小川愛里奈選手のサービスエースで19-17とし、続いて関菜々己選手のサービスエースもあり21-19。2点リードで終盤へ突入し古賀選手のスパイクで23-20とするも アメリカも日本のお株を奪う素晴らしいディグからの攻撃でスコアは23-22となる。この苦しい場面で井上選手がバックアタックを決め24-22。最後は長いラリーの末にアメリカのタッチネットでポイントは日本へ。25-22でこのセットを奪う。
【第2セット】
先手を奪いたい日本は林選手、井上選手のスパイクで得点し、順調な滑り出しを見せて4-3とリードを奪う。関選手のトスワークから小川選手の見事なブロード攻撃を演出し、リズムを掴む日本。互いに点を取り合う白熱した試合となり、12-10でテクニカルタイムアウトを迎える。理想的な展開とした日本は、粘り強い我慢のバレーを続けて14-12と2点差をキープ。
16-12とした場面でアメリカはタイムアウトを要求。ここからアメリカの反撃があり16-14と2点差まで追いつめられるも、古賀選手のスパイク、小川選手のサービスエースで18-14と4点差とした。
高いブロックに跳ね返されても全員でブロックフォローを重ね、粘り強く戦う日本。林選手はレフト、ライトからスパイクをきっちりと決める。終盤23-20からは全員で必死にボールをつなぎ、古賀選手のスパイクで24-20とした日本は最後も古賀選手の1枚ブロックが決まり、このセットも25-20で奪う。
【第3セット】
島村選手の速攻で得点をあげた日本は順調なスタートを切った。しかし、アメリカも日本に負けず劣らずのレシーブ力と高い攻撃力で日本に襲い掛かってくる。それでも日本は小島満菜美選手を中心としたディフェンスから崩れることなく、10-7とリードを奪う。そして、テクニカルタイムアウトを12-8の4点差で迎えた。その後も着実に得点を重ねる日本は井上選手のサービスエースで18-12と6点差をつけたところで、アメリカがタイムアウトを要求した。勢いづいた日本は相手のミスを誘うなどして20-13と終盤大きくリードした。油断したわけではないが21-16と猛追された日本はタイムアウトを要求。連続ブロックに遭い23-19とされるも、アメリカのサーブミスに助けられ24-19。最後は井上選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで得点し、25-20でこのセットも奪いストレートで勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカチームとの試合。特に今日はショートサーブ、あとはブロックもそうだが、ディフェンスが良かった。これまで練習してきたことができた。アメリカのブロックにやられるケースが少なかったのでそれも勝因の一つかと思う。アメリカ大会で4連勝できて、若い選手が多いだけに勢いがあるので、この勢いを次のフィリピン大会にに持って行きたいと思う。
キャプテン・古賀紗理那選手
世界ランキング1位の強豪国と当たるということで、最初からサーブを攻めていこうという話をして、しっかりと先行した展開で3セット勝つことができて良かった。小さいチームなので組織的な戦術や動きで勝つ必要がある中、少しずつではあるがチームが成長していることがこの結果に繋がっていると思う。第1週は(相手に)対策されずにしっかり勝つことができたが、次からは対策された中での戦いになる。私たちも工夫しながら得点を取っていけるように頑張っていきたい。
井上愛里沙選手
今日は出だしからサーブが効いていた。世界ランキング1位のアメリカに対して、自分たちがどれだけチャレンジできるかというところで、最初から最後まで攻め続けることができたのは良かった。マッチアップしたのがVリーグでも対戦した(元JTマーヴェラスの)ドルーズ アンドレア選手だったので、(Vリーグでの対戦を)試合前にイメージをした。アメリカはどこを抜いてもディフェンスがとてもいいので、なんとかブロックを利用して打ちたいと思った。ブロックについては、もう少しで止まるというボールが多かったのでそこは修正点。この勢いをフィリピン大会にもぶつけていけるよう、全員でいい準備をして、誰が出てもしっかり勝てるチームにしていきたい。
関菜々巳選手
昨日(ドミニカ共和国戦)の試合が初めてのスタメン出場でとても緊張したので、今日は昨日よりも落ち着いて(試合に)入ることができた。まだ課題はたくさんあるが、コートの中でコミュニケーションを取って、今できることを出し切れたと思う。サーブで攻めることができたのが一番の勝因。予選ラウンド第1週では4連勝といういいスタートが切れた。この勢いをフィリピン大会でも出せるよう、休息期間中にチーム全体で課題を修正し、もっと強くなった日本代表をお見せしたい。
6月4日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
20
25
25
ドミニカ共和国
1
17
25
21
10
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 3 | 25 | 25 | 25 | ||
タイ | 0 | 22 | 16 | 14 |
【戦評】
【第1セット】
初戦の韓国以来のアジア勢との対戦。タイもここまで4勝2敗と好調であり、これまでの対戦相手とは違うバレースタイルへどう対応するかが大きな鍵となる。その序盤、井上愛里沙選手や林琴奈選手の攻撃で得点するも、タイも素晴らしいレシーブからのコンビネーションバレーを組み立ててくる。序盤は7-9と日本は苦戦を強いられる展開となる。突破口を開こうと関菜々巳選手は横田真未選手、島村春世選手へとボールを託し、ミドル陣もそれに応える。しかし、2点差が詰まらずに10-12とテクニカルタイムアウトを迎える。11-14となったところで日本はタイムアウトを要求する。ここから井上選手が踏ん張り15-15とようやく同点へ追いついた。互いにブロックとディフェンスの持ち味を生かし一進一退の攻防が続くが、タイに17-20と一歩リードを奪われる。古賀が踏ん張り18-20の場面からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が相手ディフェンスを崩すサーブで一気に23-20とし、古賀選手のブロックで24-20とセットポイントを握った。2点差まで迫られたが、最後は全員で粘り25点目をもぎ取って、25-22で大事な第1セットを奪った。
【第2セット】
序盤は互いの持ち味であるレシーブ力が発揮され、長いラリーが続く攻防となるが日本が井上選手、古賀選手で制し8-4とリードを奪う。この場面でタイはタイムアウトを早くも要求する。その後、互いに得点を重ね、横田選手のスパイクで12-9としたところでテクニカルタイムアウトを迎えた。古賀選手の連続スパイクで14-9とし、タイもコンビネーションバレーを組み立て必死の反撃を試みるものの、日本は崩れることなく、島村選手のブロード攻撃、井上選手や古賀選手のスパイクで19-12と優位に試合を進めていく。タイのミスもあり22-14とした日本。最後は古賀選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで25-16とし、セットを連取した。
【第3セット】
まずは林選手のスパイクで幸先よく先取点を上げる。林選手はブロックでも得点し3-1とリードを広げる。ブロックとレシーブの関係も良好で日本のペースで進み、6-3と良い流れで試合が進む。横田選手のブロックで9-5とし、このセットでの打数が増えた林選手はレフト、ライトから攻撃を決めていき、12-7でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、セッター関選手はボールを散らし、相手のブロック陣営に的を絞らせないトスワークを見せる。一回で決められなくとも、小島満菜美選手を中心に粘り強く拾い続け、得点へ結びつけていく。17-10でタイがタイムアウトを要求するも日本はリズムを崩すことなく19-11と大きくリードを奪う。変化をつけた攻撃で得点を重ねていく日本は安定した試合運びでこのセットを25-14で奪い、セットカウント3-0のストレート勝ちを収め開幕7連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
立ち上がりはタイの速い攻撃にやられてしまった。また、サーブが正面に行っていた。7連勝は予想外。代表に入って初めての選手は勢いに乗っており、キャプテンの古賀(紗理那)選手を中心にはつらつとしている。明日の中国戦、我々は胸を借りるつもりで、積極的に攻めていきたい。
キャプテン・古賀紗理那選手
タイはオフェンスの速いチームで最初は対応するのに時間がかかったが、しっかり修正して私たちのリズムで試合ができたのでよかった。(個人の出来は)オフェンスの部分では失点が増えてきている印象なので、失点をしないようにと意識している。ディフェンスも失点が多いので明後日の試合に向けて修正したい。中国は本当に高さのあるチームだが、しっかりサーブで崩して、自分たちのテンポでプレーができるように、チーム全体で準備して戦いたい。
林琴奈選手
前半はレシーブが上がっていなかったが、後半はしっかり上げて、攻撃に繋げられていたので良かった。(1セット目と2セット目で大きく変わった要因は)ディグを自分たちのコート上に上げることを意識した。中国は背の高いチームなのでブロックフォローをして、スパイクも工夫し、全員で勝てるように頑張りたい。
関菜々巳選手
勢いのあるタイを相手に序盤はブレイクできない場面が多かったが、徐々に修正することができたので、そこはよかった。チームはすごくいい雰囲気でプレーできている。途中交代で入った選手も力を発揮してくれて、チーム全体で戦うことができている。
石川真佑選手
(途中から入ることについて)自分のサーブをしっかりと打つことはもちろんだが、入ったところでチームの流れを少しでも変えたいと思い、サーブを打っている。明日はアジアの強豪チームが相手だが、今日のように自分たちの流れを作りたいし、自分が出る時は少しでも流れを作れるよう、強い気持ちを持って試合に入りたい。
6月16日 日本×ブルガリア 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ブルガリア
0
20
16
23
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会初戦のポーランド戦から、スターティングメンバーに内瀬戸真実選手、リベロに山岸あかね選手を起用して臨んだ一戦。立ち上がりはブルガリアの粘りある守りと、高さのあるスパイクとブロックに苦しむも、古賀紗理那選手、内瀬戸選手が応戦する日本。ブルガリアは高さのあるブロックとスパイクが機能し、優位に試合を展開する。9-12でテクニカルタイムアウトを迎え、井上愛里沙選手、内瀬戸選手がスパイクを決めるも14-17と劣勢のまま試合が進む。17-19の場面でリリーフサーバーとして起用された佐藤淑乃選手がサービスエースを奪い18-19。ここでブルガリアはタイムアウトを要求。その後古賀選手の活躍で20-19と逆転に成功する。そして、21-20からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が2本連続のサービスエースを決め23-20とすると、島村春世選手の見事なブロックで24-20とし、最後は古賀選手のスパイクが決まり、終盤5連続得点を奪った日本は25-20でこのセットを逆転で制した。
【第2セット】
序盤はブルガリアの高さのある攻撃に苦戦を強いられるが、内瀬戸選手、井上選手、古賀選手のスパイクが機能し、流れをブルガリアには完全に渡さない。山岸選手のナイスディグから古賀選手のバックアタックも決まり、徐々に日本がペースを掴む中、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、確実に点を積み重ね15-11とリードを広げていく。相手ミスにも助けられ17-13となった場面で、ブルガリアがタイムアウトを要求。その後も島村選手のブロック、ブロード攻撃、井上選手のスパイクで23-15とリードを奪う。ここでリリーフサーバーとして起用された宮下遥選手のナイスディグから得点へ結びつけ、24-15とセットポイントとする。最後は宮下選手からのトスを内瀬戸選手が見事なブロックアウトを決め、25-16で2セットを連取した。
【第3セット】
このセットは小川愛里奈選手をスタートから起用。序盤は点の奪い合いで試合が進む。内瀬戸選手が素晴らしいディグを見せ得点へと繋げ、日本らしい粘りをみせて7-5とし、関菜々巳選手と小川選手のコンビでも得点を奪う。一本目で決められない場面であっても山岸選手を中心としたディグで主導権は日本が握り、12-9でテクニカルタイムを迎える理想的な展開となる。その後も関選手が相手に的を絞らせないトスワークを見せ、15-10とリードを奪い終盤を迎える。しかし、ブルガリアの高さのあるブロックに苦しみ18-16と追い上げれられた場面で日本がタイムアウトを要求。ここからお互いにサイドアウトを続けた末に24-21とマッチポイントを奪う。ブルガリアの反撃で24-23とされるが、最後は相手のミスを誘い25-23とした日本はセットカウント3-0のストレート勝ちを収め、開幕6連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は立ち上がりが良くなかった。中盤から終盤にかけてディフェンス、サーブが良くなった。(日本は)若い選手が多く、勢いがある。明日からは好調のタイ、そして中国と対戦するので、まずは明日に集中したい。
山岸あかね選手
各セットの出だしが良くなかったのが反省点。中盤にかけては、自分たちのいいリズムで攻撃ができていたのが良かった。
(久しぶりの国際大会かつ今大会初出場で)試合に入るまでは緊張したが、始まったら集中してプレーすることができた。
明日対戦するタイは速いテンポで攻撃してくるので、難しい試合になると思うが、自分たちの勢いや速いテンポの攻撃を出して勝てるように頑張りたい。
内瀬戸真実選手
1セット目は自分たちのリズムが掴めなかったが、終盤から速い攻撃やアタックが通用し始めたことが勝ちに繋がった。
(2セット目から大きく変わったのは)1セット目はバタバタしていたので、2セット目は1本目(のパス)で時間を作り、そこから速い攻撃に展開するということを意識した。
明日のタイ戦は難しい試合になると思うが、全員で頑張っていきたい。自分も攻撃参加をしっかりできるようにしたい。
6月14日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ポーランド
0
21
21
21
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会を4連勝しフィリピン大会へ臨む日本代表。日本代表初選出となる横田真未選手をスターティングメンバーに起用し、高さのあるポーランドとの一戦に臨んだ。
序盤、井上愛里沙選手・古賀紗理那選手の両エースが得点し、横田選手がクイック、そしてサービスエースを奪い6-1とすると、ポーランドは早くもタイムアウトを要求する。林琴奈選手もライトから速い攻撃を決めて、日本のペースで試合が進む。島村春世選手もブロード攻撃を決め、関菜々巳選手のトスワークからスパイカー陣が期待に応える。井上選手が連続得点をあげ、12-5でテクニカルタイムアウトを迎える。
中盤、林選手のサービスエース、古賀選手のブロックで17-9とリードを奪い、その後も井上選手が相手のブロックを利用した上手さのあるスパイクを見せる。終盤、連続失点を許し23-20となったところで日本がタイムアウトを要求。この苦しい状況で横田選手がクイックをしっかり決めて流れを止め、24-20とする。最後は島村選手のクイックが決まり、25-21で第1セットを奪った。
【第2セット】
先制点はラリーが続く中、古賀選手のバックアタックで奪った。難しい態勢から関選手が見事なトスを上げ、林選手がライトからの攻撃を決める。島村選手が続くも、ポーランドがミドルの攻撃を増やし日本の守備陣営を崩してくる。林選手の粘り強いディグから井上選手のブロックが飛び出すと、一進一退の攻防から日本が一歩リードし12-9でテクニカルタイムを迎え、日本にとって理想な試合展開となる。
ポーランドも高さのあるブロックでワンタッチを確実に奪い、日本へプレッシャーをかけてくる。15-17とリードを許す展開になるが、古賀選手の活躍で19-17と逆転に成功する。小島満菜美選手の素晴らしいディグから得点に結びつけ、確実に点数を重ね25-21でこのセットも奪った。
【第3セット】
林選手のスパイクで序盤のリズムを作り相手のミスを誘う。島村選手のブロード攻撃も冴えた。9-6とリードし優位に試合を進め、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手のブロックで14-9とリードを奪い、小島選手はコートに落ちそうなボールに飛び込んで拾い、得点へとつなぐ。ポーランドは選手交代を駆使し5連続得点をあげ、18-16まで追い上げてくる。ここで古賀選手が嫌な流れを止めるスパイクを相手コートに叩きつける。その後も関選手の見事なトスワークからスパイカー陣が得点を重ね、最後は古賀選手のブロックでこのセットも25-21で奪い、ストレートで勝利を収め開幕5連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は選手がよく集中していた。
ミドルブロッカーの2人(横田真未選手、島村春世選手)がよかった。その2人に対し、セッターの関(菜々巳選手)がブロックの空いているスペースを探していいトスを上げていた。(初出場・初先発の)横田は少し緊張していたが、ブロックもよかったし、クイックも思うように決まっていた。
明後日対戦するブルガリアは、高さのあるチーム。我々のスピードを上げていきたい。
井上愛里沙選手
この大会で勝つために、サーブと「12点目を先に取る」ことを意識してやっている。今日もミスはあったもののサーブは効いていたし、12点先行もできていたので、それが勝因だったと思う。
自分の仕事は点数を取ることなので、どんな相手にも怯まずに打っていくことを考えており、今日はそれができていた。ただ、ディフェンスの面などでまだ課題が残る試合だったので、次の試合に向けて修正していきたい。
連勝しているが自分たちのやるべきことのレベルを上げていくこと。毎試合違うメンバーが出ているが、どの選手が出ても勝ち切れるチームを作っていきたい。
林琴奈選手
(試合ではディフェンスでいい場面を作っていた)オフェンスで機能できなかったので、ディフェンスだけでもしっかり頑張ろうと思って臨んだ。
次も全員で勝ち切れるように、まずは目の前の試合に集中したい。
横田真未選手
ポーランドは攻撃力のあるチームなので、サーブで攻めてブロックディフェンスで日本のリズムを作っていこうと話しており、それがスタートからできた。
チームとして準備してきた相手の対策を自分の中に落とし込み、やるべきことをやりきろうと考えて試合に臨んだ。チームの共通理解があるので、練習でも誰が出てもいいように準備しており、それが出せたと思う。
ポーランドは高さがあるチームなので、攻撃面では速いクイックや早打ちで相手の隙間を抜くことを、ブロックでは上に(手を)出しても触れないボールが多いので、前に(手を)出してディガーと連動できるように意識した。リベロから積極的な声掛けがあり、ラリーの中でもブロックポジションの修正箇所を伝えてくれた。
チーム全員の力が必要だと思うので、一人ひとりが生きるチームになれるように、さらなる連勝を目指して頑張りたい。
6月5日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
アメリカ
0
22
20
20
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
現在FIVB世界ランキング1位のアメリカとの対戦。このネーションズリーグでも優勝候補の一角にあり、新生日本代表にとっては試金石の一戦でもある。強化してきたサーブで相手を崩し勝機を見出していきたい。
スタートはドミニカ戦で良い形を作りだしたメンバーで構成した。
序盤、島村春世選手のブロックとスパイクで3-3と互角のスタートを切った。井上愛里沙選手のブロック、そしてスパイクで5-3とリードする。その後、攻めのサーブから相手を崩し、林琴奈選手の素晴らしいディグから井上選手やキャプテンの古賀紗理那選手らが決めて、9-7とリードを奪う。しかし、アメリカは高いブロックの組織力で日本の攻撃を封じにかかり、テクニカルタイムアウトは一進一退の攻防の末に12-11で迎えた。日本はアグレッシブなレシーブから攻撃を仕掛け15-12とリードを奪うも、アメリカも反撃に出てくる。
中盤は17-17と追いつかれるも井上選手が踏ん張り18-17とすると、小川愛里奈選手のサービスエースで19-17とし、続いて関菜々己選手のサービスエースもあり21-19。2点リードで終盤へ突入し古賀選手のスパイクで23-20とするも アメリカも日本のお株を奪う素晴らしいディグからの攻撃でスコアは23-22となる。この苦しい場面で井上選手がバックアタックを決め24-22。最後は長いラリーの末にアメリカのタッチネットでポイントは日本へ。25-22でこのセットを奪う。
【第2セット】
先手を奪いたい日本は林選手、井上選手のスパイクで得点し、順調な滑り出しを見せて4-3とリードを奪う。関選手のトスワークから小川選手の見事なブロード攻撃を演出し、リズムを掴む日本。互いに点を取り合う白熱した試合となり、12-10でテクニカルタイムアウトを迎える。理想的な展開とした日本は、粘り強い我慢のバレーを続けて14-12と2点差をキープ。
16-12とした場面でアメリカはタイムアウトを要求。ここからアメリカの反撃があり16-14と2点差まで追いつめられるも、古賀選手のスパイク、小川選手のサービスエースで18-14と4点差とした。
高いブロックに跳ね返されても全員でブロックフォローを重ね、粘り強く戦う日本。林選手はレフト、ライトからスパイクをきっちりと決める。終盤23-20からは全員で必死にボールをつなぎ、古賀選手のスパイクで24-20とした日本は最後も古賀選手の1枚ブロックが決まり、このセットも25-20で奪う。
【第3セット】
島村選手の速攻で得点をあげた日本は順調なスタートを切った。しかし、アメリカも日本に負けず劣らずのレシーブ力と高い攻撃力で日本に襲い掛かってくる。それでも日本は小島満菜美選手を中心としたディフェンスから崩れることなく、10-7とリードを奪う。そして、テクニカルタイムアウトを12-8の4点差で迎えた。その後も着実に得点を重ねる日本は井上選手のサービスエースで18-12と6点差をつけたところで、アメリカがタイムアウトを要求した。勢いづいた日本は相手のミスを誘うなどして20-13と終盤大きくリードした。油断したわけではないが21-16と猛追された日本はタイムアウトを要求。連続ブロックに遭い23-19とされるも、アメリカのサーブミスに助けられ24-19。最後は井上選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで得点し、25-20でこのセットも奪いストレートで勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカチームとの試合。特に今日はショートサーブ、あとはブロックもそうだが、ディフェンスが良かった。これまで練習してきたことができた。アメリカのブロックにやられるケースが少なかったのでそれも勝因の一つかと思う。アメリカ大会で4連勝できて、若い選手が多いだけに勢いがあるので、この勢いを次のフィリピン大会にに持って行きたいと思う。
キャプテン・古賀紗理那選手
世界ランキング1位の強豪国と当たるということで、最初からサーブを攻めていこうという話をして、しっかりと先行した展開で3セット勝つことができて良かった。小さいチームなので組織的な戦術や動きで勝つ必要がある中、少しずつではあるがチームが成長していることがこの結果に繋がっていると思う。第1週は(相手に)対策されずにしっかり勝つことができたが、次からは対策された中での戦いになる。私たちも工夫しながら得点を取っていけるように頑張っていきたい。
井上愛里沙選手
今日は出だしからサーブが効いていた。世界ランキング1位のアメリカに対して、自分たちがどれだけチャレンジできるかというところで、最初から最後まで攻め続けることができたのは良かった。マッチアップしたのがVリーグでも対戦した(元JTマーヴェラスの)ドルーズ アンドレア選手だったので、(Vリーグでの対戦を)試合前にイメージをした。アメリカはどこを抜いてもディフェンスがとてもいいので、なんとかブロックを利用して打ちたいと思った。ブロックについては、もう少しで止まるというボールが多かったのでそこは修正点。この勢いをフィリピン大会にもぶつけていけるよう、全員でいい準備をして、誰が出てもしっかり勝てるチームにしていきたい。
関菜々巳選手
昨日(ドミニカ共和国戦)の試合が初めてのスタメン出場でとても緊張したので、今日は昨日よりも落ち着いて(試合に)入ることができた。まだ課題はたくさんあるが、コートの中でコミュニケーションを取って、今できることを出し切れたと思う。サーブで攻めることができたのが一番の勝因。予選ラウンド第1週では4連勝といういいスタートが切れた。この勢いをフィリピン大会でも出せるよう、休息期間中にチーム全体で課題を修正し、もっと強くなった日本代表をお見せしたい。
6月4日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
20
25
25
ドミニカ共和国
1
17
25
21
10
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 3 | 25 | 25 | 25 | ||
ブルガリア | 0 | 20 | 16 | 23 |
【戦評】
【第1セット】
フィリピン大会初戦のポーランド戦から、スターティングメンバーに内瀬戸真実選手、リベロに山岸あかね選手を起用して臨んだ一戦。立ち上がりはブルガリアの粘りある守りと、高さのあるスパイクとブロックに苦しむも、古賀紗理那選手、内瀬戸選手が応戦する日本。ブルガリアは高さのあるブロックとスパイクが機能し、優位に試合を展開する。9-12でテクニカルタイムアウトを迎え、井上愛里沙選手、内瀬戸選手がスパイクを決めるも14-17と劣勢のまま試合が進む。17-19の場面でリリーフサーバーとして起用された佐藤淑乃選手がサービスエースを奪い18-19。ここでブルガリアはタイムアウトを要求。その後古賀選手の活躍で20-19と逆転に成功する。そして、21-20からリリーフサーバーで起用された石川真佑選手が2本連続のサービスエースを決め23-20とすると、島村春世選手の見事なブロックで24-20とし、最後は古賀選手のスパイクが決まり、終盤5連続得点を奪った日本は25-20でこのセットを逆転で制した。
【第2セット】
序盤はブルガリアの高さのある攻撃に苦戦を強いられるが、内瀬戸選手、井上選手、古賀選手のスパイクが機能し、流れをブルガリアには完全に渡さない。山岸選手のナイスディグから古賀選手のバックアタックも決まり、徐々に日本がペースを掴む中、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、確実に点を積み重ね15-11とリードを広げていく。相手ミスにも助けられ17-13となった場面で、ブルガリアがタイムアウトを要求。その後も島村選手のブロック、ブロード攻撃、井上選手のスパイクで23-15とリードを奪う。ここでリリーフサーバーとして起用された宮下遥選手のナイスディグから得点へ結びつけ、24-15とセットポイントとする。最後は宮下選手からのトスを内瀬戸選手が見事なブロックアウトを決め、25-16で2セットを連取した。
【第3セット】
このセットは小川愛里奈選手をスタートから起用。序盤は点の奪い合いで試合が進む。内瀬戸選手が素晴らしいディグを見せ得点へと繋げ、日本らしい粘りをみせて7-5とし、関菜々巳選手と小川選手のコンビでも得点を奪う。一本目で決められない場面であっても山岸選手を中心としたディグで主導権は日本が握り、12-9でテクニカルタイムを迎える理想的な展開となる。その後も関選手が相手に的を絞らせないトスワークを見せ、15-10とリードを奪い終盤を迎える。しかし、ブルガリアの高さのあるブロックに苦しみ18-16と追い上げれられた場面で日本がタイムアウトを要求。ここからお互いにサイドアウトを続けた末に24-21とマッチポイントを奪う。ブルガリアの反撃で24-23とされるが、最後は相手のミスを誘い25-23とした日本はセットカウント3-0のストレート勝ちを収め、開幕6連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は立ち上がりが良くなかった。中盤から終盤にかけてディフェンス、サーブが良くなった。(日本は)若い選手が多く、勢いがある。明日からは好調のタイ、そして中国と対戦するので、まずは明日に集中したい。
山岸あかね選手
各セットの出だしが良くなかったのが反省点。中盤にかけては、自分たちのいいリズムで攻撃ができていたのが良かった。
(久しぶりの国際大会かつ今大会初出場で)試合に入るまでは緊張したが、始まったら集中してプレーすることができた。
明日対戦するタイは速いテンポで攻撃してくるので、難しい試合になると思うが、自分たちの勢いや速いテンポの攻撃を出して勝てるように頑張りたい。
内瀬戸真実選手
1セット目は自分たちのリズムが掴めなかったが、終盤から速い攻撃やアタックが通用し始めたことが勝ちに繋がった。
(2セット目から大きく変わったのは)1セット目はバタバタしていたので、2セット目は1本目(のパス)で時間を作り、そこから速い攻撃に展開するということを意識した。
明日のタイ戦は難しい試合になると思うが、全員で頑張っていきたい。自分も攻撃参加をしっかりできるようにしたい。
6月14日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
ポーランド
0
21
21
21
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会を4連勝しフィリピン大会へ臨む日本代表。日本代表初選出となる横田真未選手をスターティングメンバーに起用し、高さのあるポーランドとの一戦に臨んだ。
序盤、井上愛里沙選手・古賀紗理那選手の両エースが得点し、横田選手がクイック、そしてサービスエースを奪い6-1とすると、ポーランドは早くもタイムアウトを要求する。林琴奈選手もライトから速い攻撃を決めて、日本のペースで試合が進む。島村春世選手もブロード攻撃を決め、関菜々巳選手のトスワークからスパイカー陣が期待に応える。井上選手が連続得点をあげ、12-5でテクニカルタイムアウトを迎える。
中盤、林選手のサービスエース、古賀選手のブロックで17-9とリードを奪い、その後も井上選手が相手のブロックを利用した上手さのあるスパイクを見せる。終盤、連続失点を許し23-20となったところで日本がタイムアウトを要求。この苦しい状況で横田選手がクイックをしっかり決めて流れを止め、24-20とする。最後は島村選手のクイックが決まり、25-21で第1セットを奪った。
【第2セット】
先制点はラリーが続く中、古賀選手のバックアタックで奪った。難しい態勢から関選手が見事なトスを上げ、林選手がライトからの攻撃を決める。島村選手が続くも、ポーランドがミドルの攻撃を増やし日本の守備陣営を崩してくる。林選手の粘り強いディグから井上選手のブロックが飛び出すと、一進一退の攻防から日本が一歩リードし12-9でテクニカルタイムを迎え、日本にとって理想な試合展開となる。
ポーランドも高さのあるブロックでワンタッチを確実に奪い、日本へプレッシャーをかけてくる。15-17とリードを許す展開になるが、古賀選手の活躍で19-17と逆転に成功する。小島満菜美選手の素晴らしいディグから得点に結びつけ、確実に点数を重ね25-21でこのセットも奪った。
【第3セット】
林選手のスパイクで序盤のリズムを作り相手のミスを誘う。島村選手のブロード攻撃も冴えた。9-6とリードし優位に試合を進め、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手のブロックで14-9とリードを奪い、小島選手はコートに落ちそうなボールに飛び込んで拾い、得点へとつなぐ。ポーランドは選手交代を駆使し5連続得点をあげ、18-16まで追い上げてくる。ここで古賀選手が嫌な流れを止めるスパイクを相手コートに叩きつける。その後も関選手の見事なトスワークからスパイカー陣が得点を重ね、最後は古賀選手のブロックでこのセットも25-21で奪い、ストレートで勝利を収め開幕5連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は選手がよく集中していた。
ミドルブロッカーの2人(横田真未選手、島村春世選手)がよかった。その2人に対し、セッターの関(菜々巳選手)がブロックの空いているスペースを探していいトスを上げていた。(初出場・初先発の)横田は少し緊張していたが、ブロックもよかったし、クイックも思うように決まっていた。
明後日対戦するブルガリアは、高さのあるチーム。我々のスピードを上げていきたい。
井上愛里沙選手
この大会で勝つために、サーブと「12点目を先に取る」ことを意識してやっている。今日もミスはあったもののサーブは効いていたし、12点先行もできていたので、それが勝因だったと思う。
自分の仕事は点数を取ることなので、どんな相手にも怯まずに打っていくことを考えており、今日はそれができていた。ただ、ディフェンスの面などでまだ課題が残る試合だったので、次の試合に向けて修正していきたい。
連勝しているが自分たちのやるべきことのレベルを上げていくこと。毎試合違うメンバーが出ているが、どの選手が出ても勝ち切れるチームを作っていきたい。
林琴奈選手
(試合ではディフェンスでいい場面を作っていた)オフェンスで機能できなかったので、ディフェンスだけでもしっかり頑張ろうと思って臨んだ。
次も全員で勝ち切れるように、まずは目の前の試合に集中したい。
横田真未選手
ポーランドは攻撃力のあるチームなので、サーブで攻めてブロックディフェンスで日本のリズムを作っていこうと話しており、それがスタートからできた。
チームとして準備してきた相手の対策を自分の中に落とし込み、やるべきことをやりきろうと考えて試合に臨んだ。チームの共通理解があるので、練習でも誰が出てもいいように準備しており、それが出せたと思う。
ポーランドは高さがあるチームなので、攻撃面では速いクイックや早打ちで相手の隙間を抜くことを、ブロックでは上に(手を)出しても触れないボールが多いので、前に(手を)出してディガーと連動できるように意識した。リベロから積極的な声掛けがあり、ラリーの中でもブロックポジションの修正箇所を伝えてくれた。
チーム全員の力が必要だと思うので、一人ひとりが生きるチームになれるように、さらなる連勝を目指して頑張りたい。
6月5日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
アメリカ
0
22
20
20
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
現在FIVB世界ランキング1位のアメリカとの対戦。このネーションズリーグでも優勝候補の一角にあり、新生日本代表にとっては試金石の一戦でもある。強化してきたサーブで相手を崩し勝機を見出していきたい。
スタートはドミニカ戦で良い形を作りだしたメンバーで構成した。
序盤、島村春世選手のブロックとスパイクで3-3と互角のスタートを切った。井上愛里沙選手のブロック、そしてスパイクで5-3とリードする。その後、攻めのサーブから相手を崩し、林琴奈選手の素晴らしいディグから井上選手やキャプテンの古賀紗理那選手らが決めて、9-7とリードを奪う。しかし、アメリカは高いブロックの組織力で日本の攻撃を封じにかかり、テクニカルタイムアウトは一進一退の攻防の末に12-11で迎えた。日本はアグレッシブなレシーブから攻撃を仕掛け15-12とリードを奪うも、アメリカも反撃に出てくる。
中盤は17-17と追いつかれるも井上選手が踏ん張り18-17とすると、小川愛里奈選手のサービスエースで19-17とし、続いて関菜々己選手のサービスエースもあり21-19。2点リードで終盤へ突入し古賀選手のスパイクで23-20とするも アメリカも日本のお株を奪う素晴らしいディグからの攻撃でスコアは23-22となる。この苦しい場面で井上選手がバックアタックを決め24-22。最後は長いラリーの末にアメリカのタッチネットでポイントは日本へ。25-22でこのセットを奪う。
【第2セット】
先手を奪いたい日本は林選手、井上選手のスパイクで得点し、順調な滑り出しを見せて4-3とリードを奪う。関選手のトスワークから小川選手の見事なブロード攻撃を演出し、リズムを掴む日本。互いに点を取り合う白熱した試合となり、12-10でテクニカルタイムアウトを迎える。理想的な展開とした日本は、粘り強い我慢のバレーを続けて14-12と2点差をキープ。
16-12とした場面でアメリカはタイムアウトを要求。ここからアメリカの反撃があり16-14と2点差まで追いつめられるも、古賀選手のスパイク、小川選手のサービスエースで18-14と4点差とした。
高いブロックに跳ね返されても全員でブロックフォローを重ね、粘り強く戦う日本。林選手はレフト、ライトからスパイクをきっちりと決める。終盤23-20からは全員で必死にボールをつなぎ、古賀選手のスパイクで24-20とした日本は最後も古賀選手の1枚ブロックが決まり、このセットも25-20で奪う。
【第3セット】
島村選手の速攻で得点をあげた日本は順調なスタートを切った。しかし、アメリカも日本に負けず劣らずのレシーブ力と高い攻撃力で日本に襲い掛かってくる。それでも日本は小島満菜美選手を中心としたディフェンスから崩れることなく、10-7とリードを奪う。そして、テクニカルタイムアウトを12-8の4点差で迎えた。その後も着実に得点を重ねる日本は井上選手のサービスエースで18-12と6点差をつけたところで、アメリカがタイムアウトを要求した。勢いづいた日本は相手のミスを誘うなどして20-13と終盤大きくリードした。油断したわけではないが21-16と猛追された日本はタイムアウトを要求。連続ブロックに遭い23-19とされるも、アメリカのサーブミスに助けられ24-19。最後は井上選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで得点し、25-20でこのセットも奪いストレートで勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカチームとの試合。特に今日はショートサーブ、あとはブロックもそうだが、ディフェンスが良かった。これまで練習してきたことができた。アメリカのブロックにやられるケースが少なかったのでそれも勝因の一つかと思う。アメリカ大会で4連勝できて、若い選手が多いだけに勢いがあるので、この勢いを次のフィリピン大会にに持って行きたいと思う。
キャプテン・古賀紗理那選手
世界ランキング1位の強豪国と当たるということで、最初からサーブを攻めていこうという話をして、しっかりと先行した展開で3セット勝つことができて良かった。小さいチームなので組織的な戦術や動きで勝つ必要がある中、少しずつではあるがチームが成長していることがこの結果に繋がっていると思う。第1週は(相手に)対策されずにしっかり勝つことができたが、次からは対策された中での戦いになる。私たちも工夫しながら得点を取っていけるように頑張っていきたい。
井上愛里沙選手
今日は出だしからサーブが効いていた。世界ランキング1位のアメリカに対して、自分たちがどれだけチャレンジできるかというところで、最初から最後まで攻め続けることができたのは良かった。マッチアップしたのがVリーグでも対戦した(元JTマーヴェラスの)ドルーズ アンドレア選手だったので、(Vリーグでの対戦を)試合前にイメージをした。アメリカはどこを抜いてもディフェンスがとてもいいので、なんとかブロックを利用して打ちたいと思った。ブロックについては、もう少しで止まるというボールが多かったのでそこは修正点。この勢いをフィリピン大会にもぶつけていけるよう、全員でいい準備をして、誰が出てもしっかり勝てるチームにしていきたい。
関菜々巳選手
昨日(ドミニカ共和国戦)の試合が初めてのスタメン出場でとても緊張したので、今日は昨日よりも落ち着いて(試合に)入ることができた。まだ課題はたくさんあるが、コートの中でコミュニケーションを取って、今できることを出し切れたと思う。サーブで攻めることができたのが一番の勝因。予選ラウンド第1週では4連勝といういいスタートが切れた。この勢いをフィリピン大会でも出せるよう、休息期間中にチーム全体で課題を修正し、もっと強くなった日本代表をお見せしたい。
6月4日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
20
25
25
ドミニカ共和国
1
17
25
21
10
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 3 | 25 | 25 | 25 | ||
ポーランド | 0 | 21 | 21 | 21 |
【戦評】
【第1セット】
アメリカ大会を4連勝しフィリピン大会へ臨む日本代表。日本代表初選出となる横田真未選手をスターティングメンバーに起用し、高さのあるポーランドとの一戦に臨んだ。
序盤、井上愛里沙選手・古賀紗理那選手の両エースが得点し、横田選手がクイック、そしてサービスエースを奪い6-1とすると、ポーランドは早くもタイムアウトを要求する。林琴奈選手もライトから速い攻撃を決めて、日本のペースで試合が進む。島村春世選手もブロード攻撃を決め、関菜々巳選手のトスワークからスパイカー陣が期待に応える。井上選手が連続得点をあげ、12-5でテクニカルタイムアウトを迎える。
中盤、林選手のサービスエース、古賀選手のブロックで17-9とリードを奪い、その後も井上選手が相手のブロックを利用した上手さのあるスパイクを見せる。終盤、連続失点を許し23-20となったところで日本がタイムアウトを要求。この苦しい状況で横田選手がクイックをしっかり決めて流れを止め、24-20とする。最後は島村選手のクイックが決まり、25-21で第1セットを奪った。
【第2セット】
先制点はラリーが続く中、古賀選手のバックアタックで奪った。難しい態勢から関選手が見事なトスを上げ、林選手がライトからの攻撃を決める。島村選手が続くも、ポーランドがミドルの攻撃を増やし日本の守備陣営を崩してくる。林選手の粘り強いディグから井上選手のブロックが飛び出すと、一進一退の攻防から日本が一歩リードし12-9でテクニカルタイムを迎え、日本にとって理想な試合展開となる。
ポーランドも高さのあるブロックでワンタッチを確実に奪い、日本へプレッシャーをかけてくる。15-17とリードを許す展開になるが、古賀選手の活躍で19-17と逆転に成功する。小島満菜美選手の素晴らしいディグから得点に結びつけ、確実に点数を重ね25-21でこのセットも奪った。
【第3セット】
林選手のスパイクで序盤のリズムを作り相手のミスを誘う。島村選手のブロード攻撃も冴えた。9-6とリードし優位に試合を進め、12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。林選手のブロックで14-9とリードを奪い、小島選手はコートに落ちそうなボールに飛び込んで拾い、得点へとつなぐ。ポーランドは選手交代を駆使し5連続得点をあげ、18-16まで追い上げてくる。ここで古賀選手が嫌な流れを止めるスパイクを相手コートに叩きつける。その後も関選手の見事なトスワークからスパイカー陣が得点を重ね、最後は古賀選手のブロックでこのセットも25-21で奪い、ストレートで勝利を収め開幕5連勝を飾った。
【コメント】
眞鍋政義監督
今日は選手がよく集中していた。
ミドルブロッカーの2人(横田真未選手、島村春世選手)がよかった。その2人に対し、セッターの関(菜々巳選手)がブロックの空いているスペースを探していいトスを上げていた。(初出場・初先発の)横田は少し緊張していたが、ブロックもよかったし、クイックも思うように決まっていた。
明後日対戦するブルガリアは、高さのあるチーム。我々のスピードを上げていきたい。
井上愛里沙選手
この大会で勝つために、サーブと「12点目を先に取る」ことを意識してやっている。今日もミスはあったもののサーブは効いていたし、12点先行もできていたので、それが勝因だったと思う。
自分の仕事は点数を取ることなので、どんな相手にも怯まずに打っていくことを考えており、今日はそれができていた。ただ、ディフェンスの面などでまだ課題が残る試合だったので、次の試合に向けて修正していきたい。
連勝しているが自分たちのやるべきことのレベルを上げていくこと。毎試合違うメンバーが出ているが、どの選手が出ても勝ち切れるチームを作っていきたい。
林琴奈選手
(試合ではディフェンスでいい場面を作っていた)オフェンスで機能できなかったので、ディフェンスだけでもしっかり頑張ろうと思って臨んだ。
次も全員で勝ち切れるように、まずは目の前の試合に集中したい。
横田真未選手
ポーランドは攻撃力のあるチームなので、サーブで攻めてブロックディフェンスで日本のリズムを作っていこうと話しており、それがスタートからできた。
チームとして準備してきた相手の対策を自分の中に落とし込み、やるべきことをやりきろうと考えて試合に臨んだ。チームの共通理解があるので、練習でも誰が出てもいいように準備しており、それが出せたと思う。
ポーランドは高さがあるチームなので、攻撃面では速いクイックや早打ちで相手の隙間を抜くことを、ブロックでは上に(手を)出しても触れないボールが多いので、前に(手を)出してディガーと連動できるように意識した。リベロから積極的な声掛けがあり、ラリーの中でもブロックポジションの修正箇所を伝えてくれた。
チーム全員の力が必要だと思うので、一人ひとりが生きるチームになれるように、さらなる連勝を目指して頑張りたい。
6月5日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
アメリカ
0
22
20
20
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
現在FIVB世界ランキング1位のアメリカとの対戦。このネーションズリーグでも優勝候補の一角にあり、新生日本代表にとっては試金石の一戦でもある。強化してきたサーブで相手を崩し勝機を見出していきたい。
スタートはドミニカ戦で良い形を作りだしたメンバーで構成した。
序盤、島村春世選手のブロックとスパイクで3-3と互角のスタートを切った。井上愛里沙選手のブロック、そしてスパイクで5-3とリードする。その後、攻めのサーブから相手を崩し、林琴奈選手の素晴らしいディグから井上選手やキャプテンの古賀紗理那選手らが決めて、9-7とリードを奪う。しかし、アメリカは高いブロックの組織力で日本の攻撃を封じにかかり、テクニカルタイムアウトは一進一退の攻防の末に12-11で迎えた。日本はアグレッシブなレシーブから攻撃を仕掛け15-12とリードを奪うも、アメリカも反撃に出てくる。
中盤は17-17と追いつかれるも井上選手が踏ん張り18-17とすると、小川愛里奈選手のサービスエースで19-17とし、続いて関菜々己選手のサービスエースもあり21-19。2点リードで終盤へ突入し古賀選手のスパイクで23-20とするも アメリカも日本のお株を奪う素晴らしいディグからの攻撃でスコアは23-22となる。この苦しい場面で井上選手がバックアタックを決め24-22。最後は長いラリーの末にアメリカのタッチネットでポイントは日本へ。25-22でこのセットを奪う。
【第2セット】
先手を奪いたい日本は林選手、井上選手のスパイクで得点し、順調な滑り出しを見せて4-3とリードを奪う。関選手のトスワークから小川選手の見事なブロード攻撃を演出し、リズムを掴む日本。互いに点を取り合う白熱した試合となり、12-10でテクニカルタイムアウトを迎える。理想的な展開とした日本は、粘り強い我慢のバレーを続けて14-12と2点差をキープ。
16-12とした場面でアメリカはタイムアウトを要求。ここからアメリカの反撃があり16-14と2点差まで追いつめられるも、古賀選手のスパイク、小川選手のサービスエースで18-14と4点差とした。
高いブロックに跳ね返されても全員でブロックフォローを重ね、粘り強く戦う日本。林選手はレフト、ライトからスパイクをきっちりと決める。終盤23-20からは全員で必死にボールをつなぎ、古賀選手のスパイクで24-20とした日本は最後も古賀選手の1枚ブロックが決まり、このセットも25-20で奪う。
【第3セット】
島村選手の速攻で得点をあげた日本は順調なスタートを切った。しかし、アメリカも日本に負けず劣らずのレシーブ力と高い攻撃力で日本に襲い掛かってくる。それでも日本は小島満菜美選手を中心としたディフェンスから崩れることなく、10-7とリードを奪う。そして、テクニカルタイムアウトを12-8の4点差で迎えた。その後も着実に得点を重ねる日本は井上選手のサービスエースで18-12と6点差をつけたところで、アメリカがタイムアウトを要求した。勢いづいた日本は相手のミスを誘うなどして20-13と終盤大きくリードした。油断したわけではないが21-16と猛追された日本はタイムアウトを要求。連続ブロックに遭い23-19とされるも、アメリカのサーブミスに助けられ24-19。最後は井上選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで得点し、25-20でこのセットも奪いストレートで勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカチームとの試合。特に今日はショートサーブ、あとはブロックもそうだが、ディフェンスが良かった。これまで練習してきたことができた。アメリカのブロックにやられるケースが少なかったのでそれも勝因の一つかと思う。アメリカ大会で4連勝できて、若い選手が多いだけに勢いがあるので、この勢いを次のフィリピン大会にに持って行きたいと思う。
キャプテン・古賀紗理那選手
世界ランキング1位の強豪国と当たるということで、最初からサーブを攻めていこうという話をして、しっかりと先行した展開で3セット勝つことができて良かった。小さいチームなので組織的な戦術や動きで勝つ必要がある中、少しずつではあるがチームが成長していることがこの結果に繋がっていると思う。第1週は(相手に)対策されずにしっかり勝つことができたが、次からは対策された中での戦いになる。私たちも工夫しながら得点を取っていけるように頑張っていきたい。
井上愛里沙選手
今日は出だしからサーブが効いていた。世界ランキング1位のアメリカに対して、自分たちがどれだけチャレンジできるかというところで、最初から最後まで攻め続けることができたのは良かった。マッチアップしたのがVリーグでも対戦した(元JTマーヴェラスの)ドルーズ アンドレア選手だったので、(Vリーグでの対戦を)試合前にイメージをした。アメリカはどこを抜いてもディフェンスがとてもいいので、なんとかブロックを利用して打ちたいと思った。ブロックについては、もう少しで止まるというボールが多かったのでそこは修正点。この勢いをフィリピン大会にもぶつけていけるよう、全員でいい準備をして、誰が出てもしっかり勝てるチームにしていきたい。
関菜々巳選手
昨日(ドミニカ共和国戦)の試合が初めてのスタメン出場でとても緊張したので、今日は昨日よりも落ち着いて(試合に)入ることができた。まだ課題はたくさんあるが、コートの中でコミュニケーションを取って、今できることを出し切れたと思う。サーブで攻めることができたのが一番の勝因。予選ラウンド第1週では4連勝といういいスタートが切れた。この勢いをフィリピン大会でも出せるよう、休息期間中にチーム全体で課題を修正し、もっと強くなった日本代表をお見せしたい。
6月4日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
20
25
25
ドミニカ共和国
1
17
25
21
10
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 3 | 25 | 25 | 25 | ||
アメリカ | 0 | 22 | 20 | 20 |
【戦評】
【第1セット】
現在FIVB世界ランキング1位のアメリカとの対戦。このネーションズリーグでも優勝候補の一角にあり、新生日本代表にとっては試金石の一戦でもある。強化してきたサーブで相手を崩し勝機を見出していきたい。
スタートはドミニカ戦で良い形を作りだしたメンバーで構成した。
序盤、島村春世選手のブロックとスパイクで3-3と互角のスタートを切った。井上愛里沙選手のブロック、そしてスパイクで5-3とリードする。その後、攻めのサーブから相手を崩し、林琴奈選手の素晴らしいディグから井上選手やキャプテンの古賀紗理那選手らが決めて、9-7とリードを奪う。しかし、アメリカは高いブロックの組織力で日本の攻撃を封じにかかり、テクニカルタイムアウトは一進一退の攻防の末に12-11で迎えた。日本はアグレッシブなレシーブから攻撃を仕掛け15-12とリードを奪うも、アメリカも反撃に出てくる。
中盤は17-17と追いつかれるも井上選手が踏ん張り18-17とすると、小川愛里奈選手のサービスエースで19-17とし、続いて関菜々己選手のサービスエースもあり21-19。2点リードで終盤へ突入し古賀選手のスパイクで23-20とするも アメリカも日本のお株を奪う素晴らしいディグからの攻撃でスコアは23-22となる。この苦しい場面で井上選手がバックアタックを決め24-22。最後は長いラリーの末にアメリカのタッチネットでポイントは日本へ。25-22でこのセットを奪う。
【第2セット】
先手を奪いたい日本は林選手、井上選手のスパイクで得点し、順調な滑り出しを見せて4-3とリードを奪う。関選手のトスワークから小川選手の見事なブロード攻撃を演出し、リズムを掴む日本。互いに点を取り合う白熱した試合となり、12-10でテクニカルタイムアウトを迎える。理想的な展開とした日本は、粘り強い我慢のバレーを続けて14-12と2点差をキープ。
16-12とした場面でアメリカはタイムアウトを要求。ここからアメリカの反撃があり16-14と2点差まで追いつめられるも、古賀選手のスパイク、小川選手のサービスエースで18-14と4点差とした。
高いブロックに跳ね返されても全員でブロックフォローを重ね、粘り強く戦う日本。林選手はレフト、ライトからスパイクをきっちりと決める。終盤23-20からは全員で必死にボールをつなぎ、古賀選手のスパイクで24-20とした日本は最後も古賀選手の1枚ブロックが決まり、このセットも25-20で奪う。
【第3セット】
島村選手の速攻で得点をあげた日本は順調なスタートを切った。しかし、アメリカも日本に負けず劣らずのレシーブ力と高い攻撃力で日本に襲い掛かってくる。それでも日本は小島満菜美選手を中心としたディフェンスから崩れることなく、10-7とリードを奪う。そして、テクニカルタイムアウトを12-8の4点差で迎えた。その後も着実に得点を重ねる日本は井上選手のサービスエースで18-12と6点差をつけたところで、アメリカがタイムアウトを要求した。勢いづいた日本は相手のミスを誘うなどして20-13と終盤大きくリードした。油断したわけではないが21-16と猛追された日本はタイムアウトを要求。連続ブロックに遭い23-19とされるも、アメリカのサーブミスに助けられ24-19。最後は井上選手が相手ブロックをうまく利用したスパイクで得点し、25-20でこのセットも奪いストレートで勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
東京2020オリンピックで金メダルを獲得したアメリカチームとの試合。特に今日はショートサーブ、あとはブロックもそうだが、ディフェンスが良かった。これまで練習してきたことができた。アメリカのブロックにやられるケースが少なかったのでそれも勝因の一つかと思う。アメリカ大会で4連勝できて、若い選手が多いだけに勢いがあるので、この勢いを次のフィリピン大会にに持って行きたいと思う。
キャプテン・古賀紗理那選手
世界ランキング1位の強豪国と当たるということで、最初からサーブを攻めていこうという話をして、しっかりと先行した展開で3セット勝つことができて良かった。小さいチームなので組織的な戦術や動きで勝つ必要がある中、少しずつではあるがチームが成長していることがこの結果に繋がっていると思う。第1週は(相手に)対策されずにしっかり勝つことができたが、次からは対策された中での戦いになる。私たちも工夫しながら得点を取っていけるように頑張っていきたい。
井上愛里沙選手
今日は出だしからサーブが効いていた。世界ランキング1位のアメリカに対して、自分たちがどれだけチャレンジできるかというところで、最初から最後まで攻め続けることができたのは良かった。マッチアップしたのがVリーグでも対戦した(元JTマーヴェラスの)ドルーズ アンドレア選手だったので、(Vリーグでの対戦を)試合前にイメージをした。アメリカはどこを抜いてもディフェンスがとてもいいので、なんとかブロックを利用して打ちたいと思った。ブロックについては、もう少しで止まるというボールが多かったのでそこは修正点。この勢いをフィリピン大会にもぶつけていけるよう、全員でいい準備をして、誰が出てもしっかり勝てるチームにしていきたい。
関菜々巳選手
昨日(ドミニカ共和国戦)の試合が初めてのスタメン出場でとても緊張したので、今日は昨日よりも落ち着いて(試合に)入ることができた。まだ課題はたくさんあるが、コートの中でコミュニケーションを取って、今できることを出し切れたと思う。サーブで攻めることができたのが一番の勝因。予選ラウンド第1週では4連勝といういいスタートが切れた。この勢いをフィリピン大会でも出せるよう、休息期間中にチーム全体で課題を修正し、もっと強くなった日本代表をお見せしたい。
6月4日 日本×ドミニカ共和国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
20
25
25
ドミニカ共和国
1
17
25
21
10
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 3 | 25 | 20 | 25 | 25 | |
ドミニカ共和国 | 1 | 17 | 25 | 21 | 10 |
【戦評】
【第1セット】
ネーションズリーグ2戦目のドイツ戦は監督の采配も冴えたが、劣勢の局面からコートへ立った選手たちの奮闘が勝利を呼び込んだ。本日は激闘から一日空け、格上であるドミニカ共和国との対戦。東京2020オリンピックでは決勝トーナメント進出を阻まれた相手であり、リベンジを果たしたい相手でもある。
スタートはドイツ戦に勝利した際のメンバー構成で臨んだ。
立ち上がり、井上愛里沙選手のライト攻撃で先制点を上げ幸先の良いスタートを切り、小川愛里奈選手のブロード攻撃で得点をするも、ドミニカ共和国も粘りをみせ5-5の同点で序盤の戦いが進んだ。井上選手のブロックで得点するもドミニカ共和国も強烈なスパイクで応戦し得点が開かない状況が続く。粘りあるブロックとディグからキャプテンの古賀紗理那選手が得点し、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。眞鍋政義監督の「とにかく最初の12点を取ろう」という戦略を選手たちは高い集中力で達成した。
テクニカルタイムアウト後は小川選手のブロ-ド攻撃で15-11とし、中盤を優位な試合展開とした。その後も内瀬戸真実選手と小島満菜美選手が守りの中心となり、関菜々巳選手からのトスを井上選手と古賀選手が打ち切り得点を重ねる理想的な展開で18-13とリードを奪う。相手のミスもあり、20-14でドミニカ共和国のタイムアウト。リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手も強烈なサーブで得点に絡み、このセットは危なげなく25-17で奪った。
【第2セット】
序盤はお互いに様子を見ながらのスタートであり、一進一退のまま試合は進む。我慢を続ける日本に対してミスを出すドミニカ共和国であるが、ここぞという時のスパイクは高さに加えて威力は十分で、波に乗せる前にリードを広げておきたい日本であったが、7-9とリードを奪われる展開となってしまう。サーブレシーブが崩されサーブミスも出るなど、このセットは9-12と劣勢な状況でのテクニカルタイムアウトを迎えた。サイドアウトが取れず9-14となったところで日本はタイムアウトを要求。
流れを変えるべく、9-15からセッタ-を関選手から松井珠己選手へ、10-17から内瀬戸選手を林琴奈選手へと代え巻き返しを図る。相手のミスもあり14-19とするも高いブロックに攻撃を阻まれ15-22。井上選手のスパイクや、山田二千華選手に代わり途中交代した島村春世選手のブロック、林選手のスパイクで反撃するもこのセットは20-25で奪われセットイーブンとなった。
【第3セット】
このセットのスタ-トは第2セットの終盤と同じメンバーで、監督は島村選手、松井選手、林選手に託した。林選手はその期待に応え、松井選手からのトスをレフト、ライトから決め3-2とする。ドミニカ共和国は日本の攻撃に対応し始め、思うように得点ができない状況に陥り逆転を許すも、小島選手らの粘り強いディグから古賀選手が踏ん張り8-6とした。島村選手は粘りのブロックでチームの得点へ絡む活躍を見せる。そして、林選手はスパイクだけでなくサービスエースを奪う活躍を見せ、10-6と優位に試合を進めた。粘りのある日本のディフェンスは相手のドミニカ共和国には相当な効き目となり、ミスを誘う。12点を先に奪う展開となったものの相手に反撃を許し、10-14で日本はタイムアウトを要求。11-14とされた場面でセッタ-を松井選手から関選手へとチェンジするも、ドミニカ共和国の勢いを止められず、14-14とされてしまう。その後はお互いに点を取り合い18-19。ここで小川選手と古賀選手の連続ブロックで20-19とリードする。関選手のツーアタックも冴え、最後は相手スパイクミスで25-21とした日本はセットカウント2-1とした。
【第4セット】
立ち上がりから集中力をみせた日本は小島選手や古賀選手のナイスディグから得点を重ね、井上選手の連続ブロックなどで6-0とリードを奪う。
その後も林選手、古賀選手のスパイクで得点を重ねた日本は12-3と大きくリードした展開でテクニカルタイムアウトを迎えた。
集中力を欠いたドミニカ共和国のミスに助けられた面もあるが、日本は攻めのサーブと粘りのあるブロックとディグをしっかり心掛けて戦い、相手に隙を与えず、最後は途中出場のオクム大庭冬美ハウィ選手がライトから強烈なスパイクを相手コ-トに叩き込む。25-10でこのセットを奪い、セットカウント3-1でドミニカ共和国に勝利し、ネーションズリーグ開幕3連勝を飾った。
日本は明日、FIVB世界ランキング1位のアメリカと対戦する。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
1セット目の入りはとてもよかったが、2セット目は先行されてしまい自分たちのリズムでバレーができないことがあった。ただ3セット目のスタートはきちんと入ることができ、4セット目も勝ちきれた。
1セット目は(試合の)入りのところで、こちらがサーブで攻めることができるようサイドアウトを1回で切ることを(試合前に)話しており、それがはまった。3セット目は(相手の)正面に入らない、パスを返させないようなサーブを打つことを意識した。
次に対戦するのは東京オリンピックで金メダルを獲ったチーム。私たちはチャレンジするのみ。一人ひとりが意識を高く持ち、コート上で「勝つんだ」という気持ちを出していきたい。
小島満菜美選手
ドミニカ共和国はパワーがあって、いいスパイクが多かったが、こちらのブロッカーの位置取りがよく、ディグすることができたので良かった。ただ、自分たちのオフェンスのリズムがあまり良くなく、苦しい展開が多かったので、明日に向けて修正したい。3セット目に入る前は、1本目(のパス)に高さを出してセッターが余裕を持って(トスを)上げられるようにして、テンポを合わせていこうという話をした。
(明日のアメリカ戦は)アメリカのホームで私たちにとってはアウェイな環境ではあると思うが、それを覆すような日本らしいバレーをして、4連勝してフィリピンに行きたい。
井上愛里沙選手
出だしは良かったが、2セット目にディフェンスの崩れから相手を勢いづかせてしまったのが反省点。
ブロックディフェンスをチームとしてもできるようにしたいし、個人的にはディグが全く上がっていなかったので、修正して明日に臨みたい。
2セット目は先に12点目を取られてしまったので、3セット目は集中してこちらが先に12点目を先に取ることと、ブロックの位置を確認して試合に入った。
明日は地元・アメリカとの試合。こちらが出だしからどれだけ勢いを出していけるかが鍵になると思う。(開幕から)1戦、2戦、3戦と、チームの状態は良くなってきているので、全員の力を出し切りアメリカに勝って、(予選ラウンド第2週が行われる)フィリピンに向かいたい。
6月2日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
23
25
25
15
ドイツ
2
27
25
20
22
12
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 3 | 25 | 23 | 25 | 25 | 15 |
ドイツ | 2 | 27 | 25 | 20 | 22 | 12 |
【戦評】
【第1セット】
昨日の初戦から一夜明け、スタートには内瀬戸真実選手を一枚入れ替えた布陣で臨んだ日本。
ドイツは大型のチームでありパワーヒッターも多く、いかにしてそのチームを崩していくか、サーブと粘りのあるディグにかかってくる。まずは12点を先に取ることに集中したい。
先制はこの日スタメン起用された内瀬戸選手のライト攻撃での得点。序盤は互いの持ち味を生かした攻撃で7-7、8-8、9-9と拮抗した試合展開が続く。キャプテンの古賀紗理那選手や小川愛里奈選手のスパイクで一歩も譲ることなく、12-11と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。
抜け出したい日本は小島満菜美選手のナイスディグから石川真佑選手が決めて13-11とリードする。しかし、ドイツも食い下がる。小川選手のサービスエースや古賀選手のバックスパイク、石川選手の強烈なスパイクで得点するもドイツも素晴らしい攻撃で一歩も譲らない。19-19の終盤を迎えドイツのブロックが日本に襲い掛かり19-21となったところで日本がタイムアウトを要求。古賀選手、内瀬戸選手のスパイクで応戦するも追いつくことができず、23-24でセットポイントを握られる。ここで粘る日本は古賀選手のスパイクで追いつき24-24とし、山田二千華選手のブロックでついに25-24と逆転に成功。しかし、その後高いブロックに阻まれ25-27でこのセットを奪われる。
【第2セット】
序盤からドイツの高いブロックに屈し、0-3とリードを奪われる。何とか巻き返したい日本は小川選手の速攻で応戦し、小島選手の身体をはったレシーブで相手攻撃を封じミスをも誘う。一時はリードを許していた日本は9-8と逆転に成功する。ここからは一進一退の攻防が続き、11-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、長いラリーを古賀選手のスパイクで制した日本は12-12とする。
しかし、ドイツに連続得点を許し12-15とされてしまう。ここで石川選手に代わり井上愛里沙選手を起用する。
15-16と1点差まで追いつき、逆転へのきっかけを掴もうとする日本。セッターも松井選手から関菜々巳選手へと交代し、その関選手からのトスを井上選手がライトから豪快に決めた。終盤の点数は19-20。粘る日本は井上選手のバックアタック、小川選手の技ありスパイクで21-20と逆転。しかし、終盤にドイツの反撃に遭い23-25でこのセットも奪われる。
【第3セット】
後のなくなった第3ットはセッターに関選手、アウトサイドへ井上選手を起用し巻き返しを図る。
その井上選手は期待に応え、バックスパイクで得点し、古賀選手もそれに続く。内瀬戸選手のサービスエースもあり6-3とリードを奪う展開へ。古賀選手のバックスパイクなどでリードをキープしたまま12-8とテクニカルタイムを迎えた。関選手と小川選手のコンビで15-10。小島選手が何度も守ったボールを古賀選手が得点し18-11とリードを奪う。ドイツには少し粗さが見られミスを連発、そこを見逃さずに得点を重ねる日本は21-14とリードをキープしたまま終盤へ突入する。内瀬戸選手のライト攻撃で23-17とし、粘りを見せられるも最後は古賀選手が決め25-20でこのセットを奪い返した。
【第4セット】
このセットも第3セット同様の布陣で臨んだ日本は井上選手の攻撃で先制点をあげた。山田選手の速攻や井上選手のバックスパイクで得点し序盤は互角の戦いが続く。小島選手のディグから古賀選手のバックスパイクへつなげ6-4とする。ドイツも反撃を試みる中、一進一退の攻防が続く。得点差は1~2点のみでそれ以上に開くことがない。日本が12点を先に奪い、12-10でテクニカルタイムアウトを迎えた。
ここから抜け出す方法はサーブレシーブを安定させてコンビネーションを組み立て、サーブとブロックで得点を生み出していくしかない。
バランスのいい攻撃を見せるもドイツの高いブロックが日本の攻撃に遅いかかる。それでもその高いブロックを打ち破り、何とか得点を重ねる日本。井上選手のスパイクが決まり17-16とする。
相手ミスもあり18-16と一歩リードし、ここでエース古賀選手が渾身のスパイクを打ち込み19-16。そして、リリーフサーバーとして起用された石川選手が相手レシーブを崩し22-17とリードを奪う。
その後、井上選手と古賀選手がスパイクを決めて24-19のセットポイントとした日本。最後は相手のサーブミスとなり25-22でセットカウントを2-2とした。
【第5セット】
どちらに転んでもおかしくないゲーム展開だけに、序盤に勢いを出したい日本。
しかし、序盤はドイツは日本のお株を奪うかのように素晴らしいディグを見せて得点を重ね、0-3。日本も内瀬戸選手のサービスエースで3-3の同点にすぐさま追いつく。
その後、両者ともに得点を奪い合い5-5となり、古賀選手のサービスエースで6-5とする。ドイツのスパイクミスで7-5とした日本。内瀬戸選手のディグから井上選手が決めて8-5と一歩リードする。
サービスエースを奪われ8-7と詰め寄られるが古賀選手のバックスパイクでピンチをしのぎ9-7。
しかし、ドイツもエースにボールを集め点差はなかなか縮まらない。
拮抗した試合も12-10と大詰めを迎えた。お互いに1点すつ奪い13-11で日本のサーブ。
リリーフサーブで起用された佐藤淑乃選手の力強いサーブから相手スパイクミスを誘い14-11とし、ついにマッチポイントを迎えた。1本強烈なスパイクを叩き込まれ14-12となったが最後は相手のサーブがネットにかかり15-12。このセットを奪い接戦の末の大逆転でドイツに勝利した。
【コメント】
キャプテン・古賀紗理那選手
高さがあるチームで、相手のスパイクに対してチームとして苦しい部分はあったが、スペースを見つけてチーム全員で組織的に攻撃できたのが最後に勝てた要因だと思うので、その部分の精度をさらに上げていきたい。
途中でピンチサーバーで出てくれた選手がサーブで相手を崩してくれた。その一点は大切な一点。そこから流れが引き寄せられた瞬間があったので助かった。
次のドミニカ共和国戦もタフな試合になると思う。気持ちを切らさずに最後まで集中して私たちのプレーをして、勝ちにいきたい。
内瀬戸真実選手
昨日の韓国戦で、ライト側の決定力が低いことを指摘されたので、相手に嫌がられるようなプレーをすること、ディフェンスを安定させることを考えて試合に入った。ディフェンスを安定させること、オフェンスで他の選手を助けられるようにしたい。
井上愛里沙選手
緊張はなく、やるだけ、という勢いで試合に入った。(出場した時は)劣勢で押されている展開だったので、思い切ったプレーがいいと思い、まずはいつも通りの自分のプレーをすることを意識した。
試合を見ていて、レフトにブロックが2枚付くケースが多いと感じたので、バックアタックを積極的に使ってもらうようセッターに伝え、それができ始めてからリズムがつかめてきたと思うので、どんな時でも全員が攻撃に参加する意識でこれからもやっていきたい。
チームの雰囲気はすごくよく、出ている選手だけでなくコートの外にいる選手の熱量もすごいし、サポートしてくれているメンバーの熱量も感じながらプレーできていたので、それがよりよいものになるよう、これからも頑張りたい。ここまで連勝しているので、このままアメリカ大会で連勝して、次のフィリピン大会に向かいたい。
小川愛里奈選手
フルセットで、厳しい展開になることが多かったが、しっかり勝ち切れたのは自分たちの自信になり、よかった。
今日の試合、個人としては攻撃は良かったが、ブロックは出されることが多かったので、ドミニカ共和国戦に向けて修正したい。チームとしてはサーブから攻めること、出だしから勢いを持って、自分たちのバレーをしていきたい。
関菜々巳選手
途中出場で緊張した。2セットダウンの展開で、必死だったため記憶も残っていないが、皆が声をかけてくれたので落ち着いてプレーすることができた。ドミニカ共和国戦に向けて、昨日、今日の試合で出た課題を克服して、もっと強いチームを作っていけるように頑張りたい。
6月1日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム
セットカウント
第1セット
第2セット
第3セット
第4セット
第5セット
日本
3
25
25
25
韓国
0
17
16
11
【第1セットのスタメン】
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 3 | 25 | 25 | 25 | ||
韓国 | 0 | 17 | 16 | 11 |
【戦評】
【第1セット】
FIVBバレーボールネーションズリーグ2022がシュリーブポート・ボージャーシティ(アメリカ)にて開幕し、日本は東京2020オリンピックで苦杯を喫した韓国が初戦の相手となった。なお、今大会はこれまでのテクニカルタイムアウト2回(8・16点)とは異なり、12点の1回のみとなり、各チームのタイムアウトも2回から1回へと変更されている。
スターティングメンバーにはキャプテンの古賀紗理那選手、代表初選出の佐藤淑乃選手と小川愛里奈選手、そして石川真佑選手、松井珠己選手、山田二千華選手、リベロにこちらも初選出の小島満菜美選手という布陣で臨んだ。
序盤、松井選手の巧みなトスワークから佐藤選手、山田選手、古賀選手、小川選手のスパイクで得点を重ね、古賀選手のブロックで6-3とリードを奪う。その後も小島選手のディグから古賀選手のバックアタックとリズムのいい守りと攻撃を見せ、12-6と最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤には石川選手のブロックで17-11とし優位にゲームを進める。20-15となったところで韓国がタイムアウトを要求し反撃を試みるが、気を抜くことなく攻め続けた日本は25-17で第1セットを奪う。
【第2セット】
序盤は韓国の粘りあるディグに苦しみ3-5とリードを奪われるも焦ることなく、日本のリズムへと形を作り5連続得点で8-5とする。ここで韓国はタイムアウトを要求。息を吹き返した韓国に8-8と追いつかれるも小川選手の強烈なサーブで相手を崩し、石川選手がスパイクを決め12-8でテクニカルタイムアウトを迎えた。
14-9から佐藤選手に代えて内瀬戸真実選手を起用し、その直後に古賀選手のバックスパイクや石川選手の2本のサービスエースで得点し19-10と大きくリードを奪う。松井選手はミドルにボールを託し、それに小川選手も応えサイド攻撃が生かせる理想の展開とする。
そして松井選手はトスとみせかけ相手の意表を突くツーアタックをみせ23-16とし、最後は石川選手が相手ブロックをはじくスパイクで得点し25-16でこのセットも奪う。
【第3セット】
このセットは内瀬戸選手をスタートから起用。あとのない韓国は速攻を中心に、そして日本の攻撃に的を絞ったブロックで反撃に出る。しかし、内瀬戸選手が長いラリーから技ありのスパイクを決め相手へ主導権を渡さない。序盤はお互いに点を取り合うも日本も我慢の戦いを続け、安定した攻撃をみせる古賀選手を中心に、小島選手のディグから流れを掴み9-5としたところで韓国はタイムアウトを要求。
12-7でテクニカルタイムアウトを迎え、山田選手の速攻が冴え14-8とリードする。中盤から終盤にかけてもサーブで攻める日本が得点を重ね19-9とし、集中力を持続した日本は韓国に粘り負けることなく最後まで攻め続け、このセットを25-11で奪い、セットカウント3-0で大事な初戦に勝利した。
【コメント】
眞鍋政義監督
「5年ぶりに(国際大会のベンチに入り)疲れた。今日はサーブがよかった。サーブが継続的に入って、相手を崩すことができた。ブロックも含めたディフェンスやアシスト(パス)もよくできていた。何といっても古賀紗理那選手がサーブレシーブ、ブロック、レシーブと安定していた。今日初めて国際大会に出場したリベロの小島満菜美選手もよかった。同じく国際大会初出場の佐藤淑乃選手は緊張していたが、佐藤選手に代わって入った内瀬戸(真実)選手がサーブレシーブなどで安定感を発揮していた。明日はドイツと対戦。高さがあって男子のようなバレーをする。明日も今日のようにディフェンス、アシストを頑張らないと勝てない」
キャプテン・古賀紗理那選手
「最初の方はチーム全員の緊張感が伝わってきたが、今シーズンやってきたことを出し切ろうという気持ちで試合に入り、セットカウント3-0で勝ち切ることができてよかった。(チーム最多の22得点について、この結果により)私がフォーカスされてしまうと思うが、これは私が(スパイクを)打つときにみんながフォローに入ってくれるなど、チームプレーあっての得点だと思っている。私は得点するのが仕事なので引き続きしっかりやっていきたい。明日の試合は強豪国のドイツとの試合、チームとして成長しながら勝ちにいきたい」
松井珠己選手
「日本代表(シニア)としては初めての試合で、いい意味で頭が真っ白になっていた部分があり、考えながらできた。クイックもうまく使い、(試合の)組み立てとしては悪くなかったと思うが、1つ1つのプレーの精度をもう少し高められるようにしたい。今日の試合で出た課題をしっかりと振り返り、明日のドイツ戦に向けて切り替えて頑張りたい」