FIVBバレーボールネーションズリーグ2022

RESULTS

試合結果

最終順位

  1. フランス
  2. アメリカ
  3. ポーランド
  4. イタリア
  5. 日本
  6. ブラジル
  7. イラン
  8. オランダ
  1. アルゼンチン
  2. スロベニア
  3. セルビア
  4. ドイツ
  5. 中国
  6. ブルガリア
  7. カナダ
  8. オーストラリア

日本の試合結果

7月21日 日本×フランス ファイナルラウンド 準々決勝
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本 0 24 16 20
フランス 3 26 25 25
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

初のファイナルラウンド進出を果たし、順調に準備を進めていたが、キャプテン・石川祐希選手が直前に左足首を負傷してしまい、選手13人で挑むことになった。
序盤から日本のトータルディフェンスが冴え、ブレイクチャンスを作る展開ができていたが、オリンピックチャンピオンのフランスからは簡単にはブレイクポイントを奪うことができない。一進一退の攻防が続く中、フランスがサーブミスを出して足踏みするも、日本はサーブで攻めるが効果的なポイント獲得までには至らない。中盤に自分たちからミスを出して点差を離されたが、3枚替え(宮浦健人選手、大宅真樹選手、髙橋藍選手)で流れを呼び戻した。小野寺太志選手のサーブで連続ブレイクポイントを取り勝機を作るが、終盤に効果的なサーブで日本のサーブレシーブを崩したフランスにブレイクポイントを許すと、24-26と接戦の末に第1セットを落とした。

【第2セット】

第1セットはサーブミスが多かったフランスであったが、第2セットからは修正し、強いサーブが日本のサーブレシーブを崩していく。日本は髙橋藍選手をコートに入れサーブレシーブを安定させるが、序盤に離された点差を追い上げきれずに試合が進んだ。日本の得点源であるサーブも、エースの西田有志選手が2連続サービスエースを取ったが、試合の流れを変えるところまでは至らず、16-25で第2セットを落とした。

【第3セット】

日本は予選ラウンドで発揮できていた本来のリズムを取り戻したいところだが、中々自分たちのペースが作れない。逆にフランスの威力のあるサーブにサーブレシーブを崩されると、要所でミスやブロックに捕まってしまい、フランスにブレイクポイントを許した。サーブで攻めてトータルディフェンスを機能させる形を作りたい日本だったが、フランスのオフェンス力が勝り、ラリーに持ち込むことができない。終始フランスがリードを保ち、常に主導権を取られた展開となり、20-25で第3セットを失い、悔しい敗戦となった。

【コメント】
フィリップ・ブラン監督

非常に難しい試合だった。(フランスは)東京オリンピックの金メダルチームで、難しいシチュエーションが多かった。1つ後悔しているのは第1セット、24-22でリードしているときにセットを取り切ることができなかった点である。このセットを取れていれば少し展開は変わったと思う。第2、3セットはサーブレシーブで乱されてしまい、サイドアウトを取れず難しかった。
(大会を通して)予選ラウンドでは3敗、結果としてはファイナルラウンドにもいくことができ、いい出来だったと思う。最後の試合に負けてしまうと気持ち的には全ていいとは言えないが、求めていたところには到達していたと思う。
まずは(選手たちに)休息を少しとってもらいたいと思う。ファイナルラウンドでは怪我人も出てしまったので体調をまず万全にする。(世界選手権は)自分たちのクオリティを示せる大会だと思うので、休みを経て準備していきたいと思う。

西田有志選手

1セット目、(点を)取れるところで取れればセットも取ることができて、流れも変わったと思う。たらればの話になってしまうが、そこまで到達したことは良かった。自分たちとしては初めてのファイナルラウンド進出、第一の目標をクリアできてよかったと思う。
(VNL大会は)タフな大会、長い戦いであった。最後に(石川)祐希さんが怪我をしてしまい、全員で試合に臨むことはできなかったが、それまで大きな怪我もなくよかったと思っている。(石川選手が不在であったが)特にやることは変わらず試合に臨んだ。自分の身体の状態など調整していたが、試合でベストな状態に持っていけなかったところは自分の反省だと思う。
1か月後には(世界選手権の)試合が始まるので、そこに合わせて自分たちにできることをやっていく。まずはリラックスして、いちプレーヤー、いちプロとして試合に臨めるように過ごしたいと思う。

髙橋藍選手

1セット目の終盤(フランスに)追いつくことができ、自分も終盤に3枚替えで入りリズムを作るはずが、最後(セットを)取り切れなかった。そのセットの勝ちに繋げる力という部分で少し甘さが出てしまった。セット終盤の集中力が足りなかったのが、第1セットの課題だと思う。そこからリズムが作れず、第2、3セットもずるずるいってしまったので、第1セットを取り切って、自分たちのバレーボールをもう一度作っていくことを求めていかないといけないと思う。
予選ラウンド第1週(ブラジル大会)から、いいリズムで勝つことができ、フィリピン大会もしっかりと(自分たちの)バレーボールをすることができた。ファイナルラウンドまでいけたことは、自分自身もチームとしても自信を持ちたい。ファイナルラウンドで負けた悔しさと、このVNLを戦い切れたということを次に繋げて頑張っていきたい。
今は怪我をしている選手もいるので、コンディションを整えて、世界選手権でいいスタートが切れるように頑張りたいと思う。

7月10日 日本×ブラジル 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(9勝3敗)
0 23 23 22
ブラジル
(8勝4敗)
3 25 25 25
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

立ち上がりにリカルド・ソウザ選手(18番)のサーブ時にサービスエースなどで2度のブレイクを許すが、山内晶大選手のBクイック、石川祐希選手のパイプ攻撃で3-4。イオアンディ・レアル選手(9番)のレフトからのコンビネーション攻撃、イザキ・サントス選手(12番)のサービスエースなどで3連続失点を喫し、3-7とリードを広げられた。互いにサイドアウトを取り合い、8-12でテクニカルタイムアウトとなるが、石川選手のサービスエースなどで連続得点を奪い10-12、さらに西田有志選手のサービスエースも決まり13-14とブラジルに迫った。17-18で迎えたソウザ選手(18番)のサーブ時にサーブレシーブを崩され17-19。西田選手に代わり大塚達宣選手を入れて4枚でのレセプション体制を敷くが18-20と点差は広がった。終盤、西田選手のライト攻撃がアウトになり20-24でブラジルにセットポイントを握られるが、西田選手がバックライトからの攻撃を決め、さらにソウザ選手(18番)のスパイクが立て続けにアウトとなり22-24と追い上げた。しかし追い上げもそこまで、最後はフラビオ・グアルベルト選手(23番)にクイックを決められ、23-25でこのセットを落とした。

【第2セット】

第1セットのローテションから3つ回したS5(セッターが後衛レフトの位置)から始まった。立ち上がり早々にブラジルのキャプテン、ブルーノ・レゼンデ選手(1番)にサービスエースを決められ0-2とリードを許した。西田選手の効果的なサーブから小野寺太志選手のBクイックで2-2とした後、互いに両サイドからのコンビネーション攻撃でサイドアウトを繰り返した。ブラジルのグアルベルト選手(23番)のサーブ時に山内晶大選手のBクイックがサントス選手(12番)に2度シャットアウトされ8-9、レゼンデ選手(1番)のサーブ時に3連続得点を決められ、10-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、相手のミスで西田選手のサーブとなったときに大塚選手のブロックなどで13-13と並ぶが、ダルラン・ソウザ選手(28番)にスパイク2本、ブロック1本を決められ14-17と再び引き離された。関田誠大選手のサーブ時に石川選手のスパイクなどで連続得点を奪い、18-18と再びブラジルに並ぶと、山内選手のクイック、西田選手がソウザ選手選手(18番)のレフト攻撃を止めるブロックを決めて、21-20と逆転に成功した。しかし、サーブミスとソウザ選手(28番)のライト攻撃で再度ブラジルにリードを許すと、サントス選手(12番)のサーブがネットにかかって日本コートに落ち、23-25で第2セットを失った。

【第3セット】

第2セットと同じメンバーで、S6 (セッターが後衛センターの位置)から始まった。序盤はサイドアウトの応酬となるが、ブラジルが3度ブレイクポイントを決められ7-8とリードを許した。日本は大塚選手のパイプ攻撃、西田選手のライト攻撃、対するブラジルはダルラン選手(28番)のバックライトからの攻撃、レフト攻撃でサイトアウトを取り合い、10-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。その直後のサントス選手(12番)のサーブ時に石川選手のパイプ攻撃をブロックされるなど、2度のブレイクを許した。10-14でタイムアウトを取ったのち、日本はサイドからの攻撃で追い上げたが、対するブラジルはクイックを絡めたサイド攻撃で応戦、点差が埋まらず16-19となった。終盤、サントス選手(12番)の強いサーブで2度ブレイクされ18-23。関田選手に代えて高梨健太選手、西田選手に代えて大宅真樹選手を2枚替えで投入し、ブロックディフェンスの強化を図ると、石川選手のパイプ攻撃でサイドアウト、さらに大塚選手のサーブ時に高梨健太選手、石川選手のブロックアウトを取るスパイクで2度ブレイクし21-23と詰め寄った。しかし、グアルベルト選手(23番)のBクイックでマッチポイントを握られると、石川選手が1点返すも、最後はアドリアノ・カバルカンテ選手(6番)のレフトからの一打が決まり、22-25でこのセットも落とした。

【コメント】
キャプテン・石川祐希選手

0-3という形で負けてしまったが、1、2セット目は勝負できた展開に持っていけたのでそこは(これまでの)成果が出ていると思う。またその後、1本、2本を取れずに負けてしまったので、今後はそこを取り切れるようなチームに成長していきたい。
サーブで崩してディフェンスに持っていく、またディフェンスからブレイクチャンスを作ることに関してはできた場面もあるし、まだ一部甘いところもあるので、そこをもう少し詰める必要がある。サーブで崩すことで相手にハイボールで攻めさせる展開を生み出しているが、そこで点を取れないことがあるので、その部分をもう少し詰める必要がある。
ファイナルラウンドではまず1勝することが自分たちの目標なので、先は見ずにその1戦だけに最大集中して、ベストコンディションで戦っていきたい。

西田有志選手

本当にタフな試合になることは分かっていたが、セットを取り切れないところにまだ差があると思う。そこを準備して次の試合に臨むことの重要性を知れたのはとてもいいことだと思うので、それをプラスにしてファイナルラウンドに向けて頑張りたい。
ブロックディフェンスははまった部分があった。全部が全部はまったわけではないが、はまった部分にいい場面が多かったので、そこはすごく自分たちの強みとしてやってもいいと思う。相手にサーブで攻められて、こちらが攻めきれなかったのは大きな問題だと思う。今までできていたことが今日はできなかったので、それを当たり前のようにできるようなチームにもう一度したい。どのチームと当たっても、もっとよくしていけば自分たちの試合展開が作れると思うので、やらなければならない。
自分たちにとって初めてのファイナルラウンドなので、まずしっかりとバレーボールを楽しめるように準備していきたい。

【予選ラウンド最終順位】

1位: イタリア(10勝2敗、勝点31、セット率=3.555)☆
2位: ポーランド(10勝2敗、勝点31 、セット率=3.300)☆
3位: アメリカ(10勝2敗、勝点27)☆
4位: フランス(9勝3敗、勝点28)☆
5位: 日本(9勝3敗、勝点 27)☆
6位: ブラジル(8勝4敗)☆
7位: イラン(7勝5敗)☆
8位: オランダ(6勝6敗)☆
9位: アルゼンチン(5勝7敗、勝点18)
10位: スロベニア(5勝7敗、勝点15)
11位: セルビア(5勝、7敗、勝点14)
12位: ドイツ(4勝8敗)
13位: 中国(3勝9敗)
14位: ブルガリア(2勝10敗、勝点9)
15位: カナダ(2勝10敗、勝点6)
16位: オーストラリア(1勝11敗)
☆…ファイナルラウンド進出

7月9日 日本×ドイツ予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(9勝2敗)
3 23 25 25 25
ドイツ
(4勝8敗)
1 25 22 20 20
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

髙橋健太郎選手のブロック、高梨健太選手のバックアタック、高橋藍選手のサービスエースで4-3とするも、サイドアウトの応酬ののちドイツに立て続けに連続得点を許し、9-10とリードを許した。11-12でタイムアウトを迎えると、高梨選手のスパイク、ブロックなどで3連続得点を奪い14-12と逆転に成功。しかしすぐさま同点に並ばれると、日本にサーブやスパイクでミスが目立ち、18-19とドイツのリードで終盤へ。19-21と2点ビハインドの場面で日本は大宅真樹選手に代えて西田有志選手、宮浦健人選手に代えて関田誠大選手を2枚替えで投入。さらにリリーフサーバーの石川祐希選手のサービスエース、西田有志選手のブロックで得点し23-23と並ぶが、ドイツのサイドからのコンビネーション攻撃により23-25で第1セットを落とした。

【第2セット】

第1セットと同じメンバーだが、S6(セッターが後衛センター)のローテーションでスタートした。宮浦選手のファーストサーブを起点に、髙橋健太郎選手のブロック、そして宮浦選手が自らのサービスエースで連続得点を奪うと、次の髙橋藍選手のサーブでもブレイクを奪って6-2とした。その後は互いにコンビネーション攻撃でサイドアウトを繰り返したが、髙橋健太郎選手のBクイックで12-7とし、テクニカルタイムアウトを取った。中盤も宮浦選手がサーブ、スパイクで活躍を見せ19-16とリードを保持。終盤、ドイツのマクス・シュルツ選手(40番)にライト、クリスティアン・フロム選手(1番)にレフトからのコンビネーションを決められ、21-19と詰め寄られたが、高梨選手のレフトからの攻撃が連続して決まり23-19、最後は髙橋健太郎のBクイックで25-22とし、セットカウント1-1とした。

【第3セット】

第2セットと同じローテーションで臨んだ。ドイツのコンビネーション攻撃と日本のサーブミスで2-5とされるが、髙橋健太郎選手のサーブで宮浦選手のバックライトのコンビネーション攻撃を引き出し、3点ブレイクポイントを奪って7-5と逆転した。次いで、小野寺太志選手のサーブでも髙橋健太郎選手の連続ブロックなどで3連続ブレイクポイントを奪うと、14-8でドイツがタイムアウトを要求。その後、途中交代のティム・ペーター選手(38番)のサーブで攻勢をかけられると、髙橋藍選手がスパイクをブロックされて、15-11と迫られた。しかし、その直後に宮浦のサービスエースを含む2点のブレイクポイントで17-11と引き離し、リードを保って終盤に突入した。ペーター選手(38番)にサービスエースを決められ22-19まで追い上げられるが、ドイツのサーブミスでセットポイントを握ると高梨選手がダイレクトスパイクを決め、25-20とセットを連取した。

【第4セット】

第3セットと同じローテーションでスタート。髙橋藍選手のファーストサーブから、宮浦のバックライトからのコンビネーション攻撃、高梨選手のブロック、そして髙橋藍選手自らのパイプ攻撃が決まり、7-4とリードした。続く髙橋健太郎選手のサーブでも小野寺選手のブロックなどで2点のブレイクポイントを奪い10-5とリズムに乗ると、小野寺選手のBクイックで12-7でテクニカルタイムアウトとなった。宮浦選手のバックライトからのコンビネーション攻撃、髙橋健太郎選手のブロックで16-10としたところでドイツがタイウアウトを要求。その後は両チームがサイドアウトを取り合い、フロム選手(1番)、トビアス・クリック選手(21番)のサーブ時に連続得点を許すが、20-16とリードを保ったまま終盤へ。宮浦選手、髙橋藍選手のサイドからのコンビネーション攻撃、途中投入されたミドルブロッカー・村山豪選手の好レシーブから髙橋藍選手がハイセットを決めて21-17。さらに高梨選手がパイプ攻撃、村山選手がAクイック、高梨選手がレフトからの攻撃を決めると、最後は相手のスパイクミスで25-20。セットカウント3-1で逆転勝利した。

【コメント】
大宅真樹選手

昨日までは2枚替えというかたちで、数少ないチャンスの中で結果を出さないといけない立場だったが、今日はスタートから出場するチャンスをもらった。1セット目こそ硬さが出たが、2セット目以降はチームの皆に助けられながらプレーすることができて、しっかり(勝点)3点を獲得でき安心している。
クイックに結構(ブロックが)厚くきていたので、ベンチや周りの選手から情報を貰って、パイプ、サイドの攻撃をうまく使うことができた。
誰が出てもまずは勝ちに行く姿勢というのを最後まで持って全員で戦っていきたい。予選ラウンドは最終戦だが、ファンの皆さんにも一つになって最後まで戦ってほしい。

高梨健太選手

久々のスタメンということで、(前回スタメンだった)フランス戦はあまりよくなかったので、今日こそはという思いで試合に臨んだ。その分、少しは結果を残せたと思う。
(難しいボールを得点に繋げていた)やはり僕自身、仲間が繋いでくれたボールなので特に悪いトスだとは一切思っていなかった。しっかり打ち切った結果得点に繋がったので、仲間に感謝したい。
明日で大阪ラウンドが最終戦なので、しっかりチーム一丸となって勝っていけるように頑張りたい。

宮浦健人選手

スタートに硬い部分があり、思ったようなパフォーマンスとはならなかったが、2セット目を取って、3セット目あたりでは少しずつ自分自身のパフォーマンスが上がってきたので、そこは修正できてよかったと思う。他にも課題が見つかったので、その点も修正していきたい。自分自身のベストをもっと出せる部分があると思うので、次(の試合)につなげていきたい。
今日はハイボールがあまりよくなかったので、そこで相手のブロックを使ってリバウンドをもらったり、空いているスペースに落としたりすることを意識していた。本来ならばハイボールはもっと叩いていかないといけないので、そこは自分の中での課題でもあり、もっと練習中から取り組んでいきたい。
明日のブラジル戦はファイナルラウンドに向けて重要な一戦。激しい戦いになると思うので、チーム一丸となって戦いたい。

7月8日 日本×カナダ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(8勝2敗)
3 25 25 22 25
カナダ
(2勝9敗)
1 20 16 25 20
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

ファーストサーブの関田誠大選手がサーブで効果を取ると、西田有志選手がライト、石川祐希選手がレフトから得点し2-0とリードした。その後は日本、カナダともにコンビネーション攻撃で譲らない展開となった。カナダが山内晶大選手のBクイックをブロックして8-8とされるが、山内選手がサーブに回るとサービスエースなどで連続得点を奪い、12-10でテクニカルタイムアウトをリードして迎えた。中盤、石川選手、西田選手の左右からのコンビネーション攻撃などで16-12とリードを広げることに成功。しかし、カナダマシアス・エルサー選手(24番)のサーブでラリーを取られ17-15と追い上げられると日本はタイムアウトを要求した。終盤、西田選手の好サーブでカナダのスパイクミスを誘うと、大塚達宣選手のレフトからのコンビネーション攻撃、サービスエースで加点。最後は小野寺太志選手のブロック、Bクイックが決まり、25-20で第1セットを先取した。

【第2セット】

第1セットのローテーションから1つ戻したS2ローテーション(セッターが前衛ライトの位置)で臨む。関田選手のサーブから山内選手のブロック、Bクイックと2点ブレイクポイントを挙げて3-0と好スタートを切った。次の石川選手のサーブ時もサービスエース、西田選手のライトで連続得点を挙げて6-1とした。その後は両チームがレフトからの攻撃でサイドアウトを取り合うが、カナダのミス、石川選手のレフト攻撃でリードを広げて、12-6でテクニカルタイムアウトを取った。その後は石川選手のサーブが炸裂。サービスエースなどで4点ブレイクポイントを挙げて17-7と一気にカナダを引き離した。終盤、カナダのブロディー・ホファー選手(19番)にサービスエースを決められるなど、19-13と追い上げられたが、西田選手に代えて大宅真樹選手、関田誠大選手に代えて宮浦健人選手を2枚替えで投入してカナダの反撃を絶ち、25-16でセットを連取した。

【第3セット】

このセットは第1セットのローテーションからひとつ進めたS6(セッターが後衛センターの位置)でスタート。カナダはこの試合先発したエルサー選手(24番)のレフト攻撃、対する日本は大塚選手、西田選手のサイドからの攻撃で点を取り合い、4-4とした。エルサー選手(24番)にサーブの効果を取られて4-6とされるが、日本も小野寺選手のサーブ時に連続得点を挙げ7-7と応戦。しかしここでホファー選手(19番)に3連続サービスエースを浴び8-11とリードを許した。日本は石川選手のサービスエースなどで追い上げるが、11-12でテクニカルタイムアウトとなった。中盤、小野寺選手のBクイック、西田選手の2段トスを打ち抜く攻撃などで14-13と逆転したが、再びエルサー選手(24番)の好サーブでブレイクポイントを奪われ17-17と追い付かれた。終盤、ホファー選手(19番)のサービスエースで18-21とされると、西田選手、大塚選手の攻撃でサイドアウトを取るもサーブミスが出て、22-25でこのセットを落した。

【第4セット】

第3セットと同じローテーションでスタート。序盤はつばぜり合いとなり、12-11と競ったままテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤、途中出場した髙橋健太郎選手がカナダのパイプ攻撃をシャットアウトし17-13と一歩抜け出したが、カナダのジェイ・ブランケノー選手(9番)のサーブ時にブレイクポイントを許し、18-17と1点差に迫られたところでタイムアウトを取った。その直後、関田選手の好トスから大塚選手のレフト攻撃、石川選手のパイプ攻撃、小野寺選手のBクイックで得点すると、西田選手がサーブで効果を取りカナダのミスを誘うなど、22-18と有利に試合を進めた。終盤はリリーフブロッカーとして高梨健太選手を起用。この試合チーム最多19得点の石川選手によるライト、レフトからの攻撃が決まると25-20でこのセットを奪い、セットカウント3-1で勝利を収めた。

【コメント】
フィリップ・ブラン監督

今夜もはじめの1、2セットは、準備していたゲームプランに沿って戦えていた。ただ、そのあとは良くはなかった。一昨日のオーストラリア戦と違うのは、集中力が欠けていたことによって3セット目を失ったのだが、今日に関してはトランジションアタックのチャンスがあったにも関わらずそれを取りきることができなかったことが原因。サイドアウトは取れていた。特に相手の選手やローテーションが変わったこと、7番のマー選手が関田(誠大)選手の上から打つ状況が増えてしまった。ただ、8勝しているということはいいことだと、誇りに思っている。

キャプテン・石川祐希選手

3-1で勝てたことは良かったと思うが、3セット目は取られてしまい、一昨日(オーストラリア戦)の反省を生かせずに終わってしまったので、もっとチームで詰めなくてはいけない。
まず、カナダのチームがサーブレシーブをしっかり返し始めた。そうなったときの相手のサイドアウト率は高く、そこへのブロックの対応が甘かったと思うし、自分たちもミスが少し増えていた。サイドアウトがうまく取れていなかったり、相手のサービスエースがあったので、そこを改善したいと思う。相手のミスに少し助けられた部分も正直ある。
ファイナルラウンド進出が自分たちの目標の1つだったので、まずは1つ達成できた。ただ、予選ラウンドの残りの試合がある。まず明日のドイツ戦はしっかりと勝ち、明後日のブラジル戦については、ファイナルラウンドにもつながる1戦になると思うので、今までとファイナルラウンド進出決定後かは関係なく、やることは変わらない。

小野寺太志選手

カナダは強敵だった。ネーションズリーグでなかなか勝てていない相手にしっかりと勝つことができたのでほっとしている。今日がスタメンだということは前日(7日)の昼食のときに言われていたので、今日はしっかり試合に入れた。これからは順位を上げる、そして世界ランキングを上げるための試合になると思う。1試合1試合、日本代表がどんどん強くなれるよう、課題を持ちながらしっかりと試合に臨みたい。

西田有志選手

昨年、カナダには東京2020オリンピックでは勝利したが、(その前の)ネーションズリーグで対戦したとき、自分は怪我をしていてピンチサーバーとしてしか出てなかった。ただ、カナダは自然と意識するチームであり、そのチームに3-1で勝つことができ少し安心している。
いいサーブからのブロックという、日本がやってきたバレーボールのスタイルを相手にやられた時に、自分たちがどう耐えるかがこれからの課題になってくると思う。それは今まで逆に(自分たちに)なかった部分かもしれないので、もっと強くなるかたちが見られたと思う。
予選ラウンドの残り2試合、いずれもしっかり勝ちにいくのは当然だが、その2試合で大阪大会も終わってしまうので、観客の皆さんにしっかり満足していただけるように、自分たちもパフォーマンスで表現していきたい。

7月6日 日本×オーストラリア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
7勝2敗
3 25 25 23 25
オーストラリア
1勝8敗
1 18 15 25 19
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

序盤、山内晶大選手のサーブから西田有志選手のライト攻撃などで2点ブレイクポイントを奪い、リズムを掴んだ。オーストラリアのロレンゾ・ポプ選手(3番)、トーマス・ヘプティンストール選手(13番)にレフト攻撃を決められるが、日本は山内選手のBクイック、石川祐希選手のレフトからのコンビネーション攻撃で応戦。石川選手のサービスエースを含む3点のブレイクポイントで9-5、さらに西田選手のライトからの攻撃、髙橋健太郎選手のBクイックで12-8とし、テクニカルタイムアウトを迎えた。中盤、オーストラリアのポプ選手(3番)のバックアタックを決められるも、大塚達宣選手のレフトからのコンビネーション攻撃が連続で決まり20-15とリードを守った。終盤、宮浦健人選手と大宅真樹選手を2枚替えで投入。さらにリリーフサーバーで起用された小野寺太志選手のサーブを起点に3点のブレイクポイントを奪った。最後は大塚選手のレフトからのコンビネーション攻撃が決まり、25-18で第1セットを取った。

【第2セット】

このセットは第1セットのメンバーを反転させたローテーションでスタート。序盤、石川選手のファーストサーブでサービスエースを含む3点のブレイクポイントを挙げ4-2とし、幸先のいい出だしとなった。髙橋選手のBクイックが立て続けに決まり7-4、さらに西田選手のライトからの攻撃で11-7としたところで、オーストラリアがタイムアウトを取った。中盤は石川のサービスエースなどで3点、西田選手の2本のサービスエースなどで4点のブレイクポイントを挙げ、20-10と大量リードを奪った。その勢いのまま、最後は山本智大選手のレシーブ、ブロックカバーをきっかけに、関田誠大選手の好トスワークから石川選手がコンビネーション攻撃を決めると、オーストラリアのサーブを山内選手のBクイックで切り返して、25-15で2セット連取した。

【第3セット】

ファーストサーブの石川選手がオーストラリアから効果を取ると、大塚選手がレフト攻撃を決め、さらに自らのサービスエースで2-0とした。その後、連続でサーブミス、スパイクミスが出て4-5と、この試合初めてオーストラリアにリードを許した。相手のポプ選手(3番)にレフト攻撃を決められると、西田選手のライト攻撃がブロックされ5-7、さらにボー・グレアム選手(1番)のBクイックなどで2点差を追い上げることができない。それでも石川選手のサーブ時にまたもやサービスエースを含む2点のブレイクポイントを挙げると10-10、さらに大塚選手がレフト攻撃を決めて12-11でテクニカルタイムアウトを取った。ところが、オーストラリアのマラカイ・マーチ選手(5番)のサーブ時にブロックなどで2点のブレイクポイントを奪われ、14-16と再びリードを許すと、ここからポプ選手(3番)にレフト攻撃、バックアタックを連続で決められ、19-22となった。日本は石川選手のブロックで21-23と迫ったが、グレアム選手(1番)のBクイック、ポプ選手(3番)のレフトからの強打で23-25となり、このセットを奪われた。

【第4セット】

立ち上がりに山内選手のサーブでオーストラリアを崩すと、髙橋選手が相手のレフト攻撃をブロック、さらに西田選手が2本のサービスエースを決めて5-3とした。その後、お互いのレフトからのコンビネーション攻撃でサイドアウトを取りあい10-8。サーブ順の回ってきた西田選手が再び2本のサービスエースを決めて13-8とリードを広げた。中盤もオーストラリアのサーブミス、山内選手のBクイックなどで19-14とし、オーストラリアにタイムアウトを取らせた。その後、髙橋選手がBクイックを決めて21-16としたところで宮浦選手、大宅選手を2枚替えで投入。リリーフサーバーの小野寺選手がオーストラリアを崩したところで、石川選手、山内選手が連続ブロックを決めて相手の反撃を断つと、最後は相手のサーブがミスになって25-19。セットカウント3-1でこの試合を制した。

【コメント】
関田誠大選手

本来であれば3-0で勝たなくてはいけない試合内容だったが、4セット目にしっかりサーブで攻めて勝ちきることができてよかった。
相手のミドルブロッカーがリードブロックを中心に組み立ててきたので、そこで僕たちはミドルブロッカーを中心に攻めていきたい(やっていきたい?)と思ってトスを上げた。昨シーズンも海外のクラブでプレーしていたので、久々の日本での試合で楽しかった。
(明後日のカナダ戦で勝てばファイナルラウンド進出が決まるが)まずは自分たちのサーブやサイドアウトをしっかり修正してもっとうまくプレーできるように、また一から頑張っていきたい。

髙橋健太郎選手

オーストラリアという強い相手に、3-1ではあるがしっかり勝てたことはよかった。両サイドの選手が高い決定力をもってスパイクを決めてくれて、セッターの関田選手もいい場所でしっかりボールを上げてくれたので、(中央に)決めきることができた。
たくさんの観客が入っているのを見て興奮するし、高揚感がすごかった。
(明後日のカナダ戦では)日本は強いチームなので自分もその一員として、やるべきことを再認識しながら頑張っていきたい。

大塚達宣選手

セットカウントは3-1だったが、まず勝ちきることができたのはチームとしてよかった。個人としても、スタートから出してもらえて、自分の中で自信を持ってプレーする部分も多くあったのでそういう部分でもよかった試合だと思う。
小さい頃にこのような国際試合や国内のリーグ戦などをこの会場に来て観ることが多かったので、この舞台で代表のユニフォームを着て、たくさんのお客さんの前でプレーさせてもらえたことは嬉しい。
明後日の試合はファイナルラウンド進出がかかる試合にはなるかもしれないが、自分たちはどこが相手であろうとやるべきことは変わらないと思うので、全員で良い準備をして一戦一戦を大事に戦っていきたい。

6月26日 日本×スロベニア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本 3 25 22 25 25
スロベニア 1 21 25 18 19
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

序盤、髙橋健太郎選手、関田誠大選手のサーブ時に、石川祐希選手の得点などで4-2。Tonček Štern選手(1番)、Rok Možič選手(19番)にスパイクを決められて6-5となるが、髙橋選手、山内晶大選手のクイックで10-8とリードを保った。Štern(1番)選手にライトからのコンビネーション攻撃、Možič選手(19番)にレフトからの攻撃を決められるが、西田有志選手のライトからのコンビネーション攻撃で12-10とし、テクニカルタイムアウトを迎えた。石川選手のサービスエースで14-12とすると、サイドアウトを取りあい2点差のままで試合は進んだ。石川選手のライトからのフェイント、さらに相手のスパイクミスで19-16となり、スロベニアがタイムアウトを取った。その後は互いにサーブミスを繰り返すが、最後は、大塚達宣選手のレフトからのコンビネーション攻撃、山内選手のクイックで25-21とし、第1セットを先取した。

【第2セット】

序盤は石川選手のサービスエースなどでブレイクポイントを取り、5-2と主導権を握ると、西田選手に連続サービスエースが飛び出すなど4連続得点を挙げた。スロベニアにŠtern選手(1番)のレフトからのコンビネーション攻撃で反撃されたが、12-5と大きくリードしてテクニカルタイムアウトを取った。その後、Štern選手(1番)にライト、Tine Urnaut選手(17番)にレフトからの攻撃、さらにŠtern選手(1番)にサービスエースを決められ15-10と追い上げられ、日本はタイムアウトを取った。そこから髙橋選手のブロックなどで21-15としたが、大塚達宣選手がブロックで捕まると、Jan Kozamernik選手(4番)のサーブ時に日本の攻撃をコントロールされカウンターアタックやブロックを決められ7連続失点。2セット連取まであと一歩のところで逆転され、22-25で第2セットを落とした。

【第3セット】

序盤、山内選手のサーブ時に髙橋選手のクイック、石川選手のレフトからのコンビネーション攻撃などで4連続得点し、8-3とリードした。Urnaut選手(17番)のレフトからの攻撃で攻め返されるが、セッター・関田誠大選手のブロックが決まって12-6でテクニカルタイムアウトとなった。その後もスロベニアのブロックが決まって反撃されそうな場面でも、山内選手のBクイックでスロベニアに隙を与えずに試合を進めた。後半も5点差をキープすると、石川選手のサービスエースでセットポイント。最後は相手のスパイクミスで25-18とし、セットカウント2-1と勝利に王手をかけた。

【第4セット】

ファーストサーブの髙橋選手が効果的なサーブを打つと、石川選手のレフトからの攻撃などで3-0とリードした。その後、日本は西田選手のスパイク、スロベニアはKozamernik選手(4番)のクイックなどでサイドアウトの取り合いが続き、12-10でテクニカルタイムアウトとなった。日本は大塚選手、石川選手のパイプ攻撃、対するスロベニアもUrnaut選手(17番)のレフトからの攻撃、Možič選手(19番)のパイプ攻撃で得点を奪い合った。関田選手のサーブ時に日本が連続得点を奪い19-15としたところで、スロベニアがタイムアウトを要求。その後は関田選手の好トスから山内選手、髙橋選手のクイックによるコンビネーション攻撃が冴え、スロベニアに流れを渡すことなく25-19でこのセットを取り、セットカウント3-1で勝利した。

この試合もリベロ・山本智大選手を中心としたレシーブ、ミドルブロッカーも交えたブロックフォローからの切り返しが関田選手の好トスを生み出した。トランジション攻撃が誰かの単独ではなく、コンビネーションで攻め返せたことが効果的に機能していた。

【コメント】
西田有志選手

全体的に得点すべきところで得点できていたが、2セット目の終盤に、あれだけ(22-17で日本リード)点差が開いていたのにスロベニアにセットを取られたというは、しっかり修正しないといけない。来週試合のないときに練習をして、大阪大会では勝つことができるようにしたい。
日本チームはいま、いい状態にある。まだ強くなれると思う。(フィリピン大会で)3勝1敗というのは数字としてはよかったかもしれないが、もっと点数を取れる場面があったと思う。そこを全員で見つめ直して、大阪大会に向けてやっていきたい。
(次の大阪大会は)久しぶりの日本でのプレーになる。全員で盛り上がれるようにしっかりとやっていきたい。勝つ姿を皆さんにお見せしたい。

大塚達宣選手

今日はアウトサイドヒッターとしてスタートから試合に出させてもらったので、自分の役割は最低限果たせたのではないかと思う。ただ、個人的に詰めていくべきところもあるし、チームとしても2セット目に勝てるセットを落としてしまった。そういう意味では反省点も多く見つかるなど、いい面と悪い面の両方が出た試合だった。
フィリピン大会で3勝できたことは自分たちにとって自信になった。次の大阪大会やその先に繋がる、とてもいい1週間だった。
(次の大阪大会は)自分たちのホームで試合ができる。たくさんのお客さんの前で試合ができる喜びを感じながら、1戦1戦、チーム一丸となり戦っていきたい。

6月25日 日本×フランス 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本 0 22 25 16
フランス 3 25 27 25
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

東京オリンピック金メダルのフランスとの対戦、日本は前日のイタリア戦から大きくメンバーを変えてスタート。今大会初出場の選手もいる中、硬さや緊張などはなく、いい立ち上がりであった。しかし、まだ実践経験が少ないことが影響し、コンビネーションが崩れてしまう場面が出てしまい、試合中盤からはフランスを追い掛ける展開になった。

フランスのミドルブロッカー、カンタン・ジュフロワ選手(25番)からサービスエースを奪われ、17-21と引き離されたが、高梨健太選手のスパイクによるブレイクポイント、村山豪選手のサービスエースなどで3連続ポイント奪い返し、1点差までに詰め寄った。しかし、終盤にセッター、バンジャマン・トニウッティ選手(6番)が要所でジャン・パトリ選手(4番)にトスを上げ、確実にサイドアウトを取られた。最後はそのパトリ選手の強力なサーブで日本はサーブレシーブを崩され、フランスにブロックポイントを取られて22-25と第1セットを落とした。

【第2セット】

大宅真樹選手の戦術サーブから日本のディフェンスが機能し、ブレイクポイントを挙げて好スタートを切った。フランスのサーブに押され、サーブレシーブが崩れる場面でも、サイドアタッカー陣がブロックを利用したスパイクで応戦した。

11-12でテクニカルタイムアウトを迎えると、中盤で大塚達宣選手のスパイクポイントで流れを呼び寄せ、17-15とリードする展開となった。流れを掴んだかのように見えたが、トレボール・クレブノ選手(17番)のジャンプフローターでサービスエースを奪われ、フランスに追い付かれた。第1セット終盤はパトリ選手にボールが集まったが、この場面でトニウッティ選手はバルテレミ・シネニエズ選手(1番)のクイックでサイドアウトを取り、日本のトータルディフェンスを機能させない配球をしているように伺えた。日本は接戦に持ち込んだが、25-27とあと一歩のところで第2セットを取ることができなかった。

【第3セット】

前日のイタリア戦は、サービスエースとリバウンドからの切り返しという、粘り強いプレーを発揮して勝利した。今日も何とか同じ展開を作りたいところであったが、中々点数に繋がらない。フランスにサーブとディフェンス、安定したサイドアウトで確実にポイントを取られ、9-15と大きくリードされた。日本はこの場面でタイムアウト取り、流れを断ち切ろうとしたが、パトリ選手(4番)のサーブ時にブレイクポイントを奪われ、9-17と点数差が更に広がった。日本も意地を見せブレイクポイントを奪うが、14-19になったところでフランスが慎重にタイムアウトを取った。その後は日本のミスが目立つようになり、16-25でセットを落とした。

【コメント】
髙橋健太郎選手

東京オリンピックで優勝しているフランスとの対戦。最初の方は自分たちの攻撃が通っていたが、3セット目から通らなくなってきて、そこから日本の悪い形を出してしまったと思う。
Aチーム・Bチームは関係なく、コートに入ったスタメンが日本を背負ってプレーをする、そう意気込んで試合に臨んだが、うまくゲームを作ることができなかった。
チーム一丸となり、また明日に向けて最高の準備をして、しっかり勝ちきって次の大阪ラウンドに繋げたい。

高梨健太選手

ストレートで負けてしまったが、ここで気持ちを切らすことなく、修正するところは修正して、明日また切り替えて戦っていきたい。
フランスは点の取り方や決め所をわかっているという印象で、余裕を感じ、日本がリードしている時でも苦しい展開だった、というのが試合を終えた感想。
試合開始前にも、メンバーが変わってもやることは変わらない、という話があり、あとは戦術通りにやるだけだった。たくさん修正点が見つかったので、フィリピン大会最終戦である明日のスロベニア戦もしっかり勝って終われるよう、少しでもチームに貢献し頑張りたい。

小川智大選手

1、2セット目はいい展開にできて、相手のミスも少しあり、自分たちの流れに持っていくことができたが、最後(セットを)取りきれないのはAチームとBチームの差なのか、と思う。それでもいい試合ができた、とは思う。相手はオリンピックチャンピオンで格上、とても強い相手だと分かっていたのが、自分たちも準備してきたので、いつも通り試合に臨んだ。
フィリピンの皆さんの暖かい応援のお陰で、やりやすい雰囲気でプレーすることができた。(予選ラウンド第1週の)ブラジル大会もホームゲームのような応援を受けて、やりやすかった。
フィリピン大会は(ここまで)いいかたちでできているので、明日のスロベニア戦も必ず勝って、日本のファンの皆さんにいい報告をできるように頑張りたい。

大塚達宣選手

1、2セットを競った展開に持ち込めたのはよかったが、そこで勝ち切れなかったのは悔しい。フランスは1、2セット目は通用したプレーに対して、3セット目はしっかりと対応し、細かいところで詰めてきたので、そういう点に自力の差が出たと思う。
普段とは違うオポジットをやらせてもらうことで、自分のプレーの幅が広がるいい機会だとプラスに捉えて、どんどんチャレンジしていこうという気持ちで今日は試合に臨んだ。
明日のスロベニア戦も他の試合と同じで、チーム全体で勝ちにいくことは変わらない。スタートから出場する選手もそうでない選手も、全員で意識を統一して臨みたい。

6月24日 日本×イタリア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
5勝1敗
3 25 21 24 25 15
イタリア
4勝2敗
2 20 25 26 19 13
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

序盤は石川祐希選手、西田有志選手のスパイクがイタリアのブロックに捕まり、先行される形となった。その後、トータルディフェンスでいい場面もみられるも、点数に結びつけることができない状況が続いたが、中盤にイタリアのタッチネットなどのミスで同点に追い付き、さらに西田選手の2本連続サービスエースで逆転に成功。17-15でイタリアがタイムアウトを取った。タイムアウト後も西田選手のサービスエースが続き18-15とイタリアを引き離したが、イタリアにサービスエースとブロックポイントを決められ、18-18と再び同点に追い付かれた。後半、小野寺太志選手のサーブが機能(2本のサービスエース、1本のブレイク)し、24-20と4点差をつけると、最後は西田選手のバックライトからのスパイクが決まり、25-20で第1セットを先取した。

【第2セット】

第1セットは落としたが、強力なブロックが光ったイタリア。日本はシモーネ・ジャネッリ選手(6番)の緩急のあるサーブでリズムを崩されると、イタリアにブロックポイントと効果的なブレイクポイントでリードを許し、3-8で日本がタイムアウトを取った。その後も点差は詰まらず、5-12でテクニカルタイムアウトを迎えた。石川選手のフロント、バックからのスパイクや途中出場した高梨健太選手の難しい状況からのスパイク、さらに西田選手のサービスエースで1点差まで追い上げたが、タイムアウト後、イタリアに安定したプレーで点数を重ねられ21-25で第2セットを落とした。第1セットとは対照的に、日本のチームエラー数が多いセットだった。

【第3セット】

スタートから、日本のスタイルである「リバウンドからの切り返し」が展開され、セッター・関田誠大選手がミドルブロッカーを巧く使ってポイントを重ねると、さらに髙橋藍選手のサーブでチャンスを作り、11-6と大きく点数差を広げた。しかしイタリアも日本の戦術に対応してブレイクを重ね、テクニカルタイムアウトまでに12-10と詰め寄られた。中盤は両チームともにサイドアウトを取るシーソーゲームの展開となり、西田選手のサービスエースで17-16と日本が一歩リードしたところでイタリアがタイムアウトを取った。その後はお互いミドルブロッカーを中心にサイドアウトを取りあう展開となった。20点を超えた場面で、石川選手の2本連続サービスエースにより23-20とイタリアを突き放したように見えたが、イタリアに意地のブロックポイントが決まり、24-24の同点にされた。その後、勢いがついたイタリアに対し、日本はサーブレシーブの乱れとコンビネーションミスでイタリアに点数を与えてしまい、24-26と逆転されてセットを落とした。

【第4セット】

後がなくなった日本。序盤はエース・西田選手にボールを集めるなど関田選手のトスワークが冴え、終始リードした展開で試合が進んだ。また、安定力のある石川選手のサービスエースで点差を広げ、勢いを取り戻した。イタリアのブロックに苦しむ場面もある中、再度自分たちが本来やるべきことに集中したプレーで、日本のスタイルが展開され、日本にとっては安定した内容で試合が進行した。最後はイタリアのサーブミスで25-19となり、セットを取り返しフルセットに持ち込んだ。チームミスの多さと被ブロックが改善されたセットだった。

【第5セット】

序盤は両チームともに、サイドアウトを取りあった。第4セット同様、石川選手のサービスエースで日本が先行する展開になったが、対するイタリアも、戦術的サーブからのブロックで攻勢に出た。4-4と競り合う中、髙橋藍選手がスパイク時に足をネットに引っ掛けるアクシデントがありコートを出たが、9-9の場面で髙橋選手はコートに戻り、チームを安定させた。お互い譲らない展開の中、石川選手のサーブで先行した日本。最後は髙橋藍選手のブロックポイントで15-13。激戦を制した。

【コメント】
キャプテン・石川祐希選手

3セット目、リードしていた展開から負けてしまったので、その反省をしなければならなかったが、4、5セット目も自分たちのやるべきことは大きく変わらなかった。リードした状況を常に保って戦うことができたのが(自分たちが取れた)4、5セット目だった。

自分たちのサーブにイタリアは苦しんでいた。そのサーブを継続できたことでチームはブロックディフェンスが機能していたと思うし、勝負所のサーブも相手を崩していたので、そこが一つの勝因だったと思う。

(明日対戦する)フランスはとても強く、完成度の高いチーム。しかし、自分たちのやることは変わらず、今日のような試合を(フィリピン大会の)残りの2試合でも戦うのみ。

関田誠大選手

格上相手に勝つことができて非常に嬉しく思う。今日はミドルブロッカーが機能していたので、そこを使ってサイドアウトを取る組み立てをした。

明日も今日と同様に格上(フランス)が相手。サイドアウトを取ること、サーブをしっかり打つことを意識したい。

小野寺太志選手

関田選手にいい場面で使ってもらったことでうまく決められたと思うし、何よりも石川選手、髙橋藍選手、西田選手がチームを引っ張ってくれているので、自分たちも彼らに負けないようにチームを引っ張っていく、という思いで戦った。

サーブはデータが出ていたので、ターゲットをしっかり狙っていけた。レシーブに関しても、チームとしてのトータルディフェンスが機能していたことが好調の要因。

明日対戦するフランスはさらに強い相手なので、苦しい試合になると思う。今日よりも強い気持ちを持って、チーム一丸となって最後まで戦い抜きたい。

6月21日 日本×アルゼンチン 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
4勝1敗
3 27 25 17 25
アルゼンチン
1勝4敗
1 25 18 25 16
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

序盤、ニコラス・ラソ選手(10番)のサーブ時にブルーノ・リマ選手(12番)、アグスティン・ロセル選手(8番)のクイックなどで1-5とリードを許した。日本は西田有志選手、富田将馬選手のスパイクで応戦するも、アルゼンチンにブロックタッチを取られ得点に結び付かない。6-12とアルゼンチンのリードでテクニカルタイムアウトを迎えると、11-15の場面で富田選手に代えて高梨健太選手を投入。その後、西田選手がライト、レフトからのコンビネーション攻撃、山内晶大選手のサービスエースで連続得点を奪い、14-15と1点差に。さらに小野寺太志選手のサービスエースを含む連続得点で20-19と逆転に成功した。その後、石川祐希選手のレフトからの攻撃、ラソ選手(10番)のレフトからのコンビネーション攻撃、石川選手のサービスエースで競り合い24-24とデュースに突入すると、西田選手がライトから相手ブロックを利用したスパイクで得点すると、その西田選手がサービスエースを決めて、27-25で日本がこのセットを取った。

【第2セット】

サイドアウトの取り合いで始まった序盤は、双方譲らず8-7。第1セットのような相手ブロックにブロックタッチを取られる場面は減り、石川選手、西田選手、高梨選手のコンビネーション攻撃が次々と決まると、12-11でテクニカルタイムアウトを取った。アルゼンチンに持ち味のコンビネーション攻撃での得点を許しながらも、日本は山内選手のクイックで17-14とリードを守って終盤へ。山内選手のサーブ時に連続得点を挙げ22-17とすると、またしてもセットポイントでサーブ順が回ってきた西田選手がサービスエースを決め、25-18と2セット連取に成功した。第1セット途中から出場した高梨選手が、レセプションやコンビネーション攻撃、ハイセットトスからのスパイクで効果的な動きを見せた。

【第3セット】

立ち上がりにラソ選手(10番)、リマ選手(12番)のサーブ時にブレイクを許し、1-5とされた。日本は小野寺選手、山内選手のクイック、石川選手のコンビネーションで応戦したが、アルゼンチンにエセキエル・パラシオス選手(13番)のクイック、リマ(12番)のレフトからの攻撃で得点を許し、8-12でテクニカルタイムアウトとなった。テクニカルタイムアウト明け、ラソ選手(10番)のサーブ時にブレイクを許し、9-15と引き離されたところで日本がタイムアウトを取った。西田選手がライト、石川選手がレフトからのコンビネーション攻撃で挽回を図るが、アルゼンチンのラソ選手(10番)のサイド攻撃や、リマ選手(12番)のライトバックアタックからの攻撃で切り返され、点数差を縮められずに17-25でこのセットを落とした。

【第4セット】

序盤、石川選手のサービスエース2本を含む連続得点で7-3と流れを作った。第3セットからコートに入った髙橋藍選手が、Bクイックを囮にしたレフトへの平行トスのコンビネーション攻撃から得点し8-4、さらに西田選手のライトからの攻撃、小野寺選手のサービスエースなどで14-7と着実に得点を重ねた。中盤、相手セッターのトスがネットに近くなった場面で、押し込まれたボールをブロッカー陣らがうまく拾い上げると、石川選手、西田選手が2段トスを決めて得点。その後、アルゼンチンにコンビネーション攻撃で得点を許すが、髙橋藍選手がレフトから2段トスを打ちきり18-11。さらに西田選手が相手のライトバックからの攻撃を1枚でブロック、20-13とアルゼンチンを引き離して終盤へ。小野寺選手、山内選手のクイックと西田選手のブロックアウトを取るスパイクで24-15とマッチポイントを握ると、最後はアルゼンチンのサーブミスで25-16。セットカウント3-1で勝利した。

フィリピン大会から招集された高梨選手が途中出場して流れを作った。試合後半はコートの前後で好レシーブを連発し、ここぞという時のポイントを奪取した。また、サービスエースを取った山内、小野寺、石川、西田選手らを中心に、全員のサーブがよく機能して連続得点を重ねることができた。効果的なブロックと的確なレシーブの連携もあり、レシーブが上がったボールを関田選手がコンビネーションで切り返す、日本のパターンがここでも発揮された。

【コメント】
キャプテン・石川祐希選手

1セット目の立ち上がりが良くなかったが、そこからうまく修正できたと思う。先週のブラジル大会でも同じように出だしが悪いケースがあったので、そこをうまく対応でき、慣れたので今回もうまく修正できたのだと思う。ただ、これがいいとは思わない。立ち上がりをもっとよくすることはできると思う。
ブロックディフェンスは今シーズン課題に挙げている。まだ発揮できていない部分もあるが、もっとはまるように取り組んでいる。まだ波があるので点数はつけがたいが、いいときは80~90点、悪い時でも40点くらいで、20~30点の時は少ない。ミドルブロッカーのブロックや攻撃が通用しているので、そこが今まで以上にスムーズに勝てている要因だと思う。
(フィリピンの会場は)練習の時からすごい歓声で、日本以上の歓声で少し驚いたが、日本のバレーを好きでいてくれる方々の前でやれることはありがたい。

山内晶大選手

格上のチームだったのでなかなか自分たちのバレーをさせてくれなかった。そんな中でもセットを取って勝てたことは自信に繋がる。次のイタリア戦も自分たちのバレーで勝てるよう頑張りたい。
ブラジル大会でも1セット目の立ち上がりが悪いことがあったが、そこから修正することができてきている。チームの結束力であったり、一人ひとりが何をすべきか、チーム全体で修正して、自分たちのバレーをしてセットを取れている印象がある。
(クイックへのマークが厳しかったが意識したこと)序盤はそうでもなかったが、セットを重ねるにつれマークが厳しくなった。普段から(相手コートのどこに打ち込むのかという)ディレクションを求められているが、今日はそこをより意識してクイックを打った。

西田有志選手

難しい状況だったが、勝ててよかった。自分の中に強く打つしか選択肢が無かったが、リバウンドやブロックアウトを取ることを一番の強みとしていて、それがあることで点数の取り方に幅が広がったので、去年から今年にかけて自分の中で成長したところだと思う。オポジットは点数を取るのが仕事。自分はそれだけが仕事で、それだけに集中することができるチーム。(チームの)最多得点を取ることが自分の仕事だと思っている。
ご存知のとおり(複数人の新型コロナウイルス感染により)難しいチーム状況での試合だったが、練習を継続できていたメンバーが勝つことに集中していた。それをどうプレーや喜びで表現するかを重要視していた。
自分自身、怪我なくここまでこれているので、より一層パフォーマンスを高められると思う。チームには身体を動かせていない選手もいるが、だんだんとよくなっていくと思うので、次の試合も楽しみ。

6月12日 日本×イラン 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
3勝1敗
3 25 25 25
イラン
2勝2敗
0 20 14 19
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

序盤はイランのAmirhossein Esfandiar 選手(22番)のレフト攻撃などで4-5と先行されるが、西田有志のサービスエース、石川祐希のパイプ攻撃、小野寺太志選手のブロックなどで9-6と逆転。さらに髙橋藍選手の連続サービスエース、西田選手のライトバックからの攻撃が決まり12-7でテクニカルタイムアウトを取った。中盤、Amin Esmaeilnezhad選手(17番)がリベロ・山本智大選手からサービスエースを奪うなど、イランに15-12と追い上げられたが、髙橋選手、西田選手らサイドアタッカー陣の安定感あるプレーでリードを守った。終盤、石川祐希選手のフェイクセットから西田選手がノーマークの状態でライトからのスパイクを決めて23-19、最後はイランのミスで25-20と、日本が第1セットを先取した。

【第2セット】

序盤から西田有志選手のライト攻撃、山内晶大選手のブロックなどで幸先のよいスタートを切ると、石川選手、山内晶大選手、西田選手が次々とサービスエースを決め、12-4と大きくリードしてテクニカルタイムアウトを取った。タイムアウト明けも小野寺選手の相手ライトバックに対するブロックが決まり13-4、さらに関田誠大選手の効果的なサーブでイランを崩し、19-6と順調に得点を重ねた。イランは挽回を図るべく投入したMorteza Sharifi選手(49番)強打、Saber Kazemi選手(11番)のライト、バックライト攻撃で反撃したが、日本の効果的なサーブが続き、さらに山本選手らの好レシーブから関田選手が多彩なトスワークを発揮。最後は石川選手の一打が決まり、25-14で日本が2セット連取に成功した。

【第3セット】

一進一退の攻防となった序盤、イランのSaber Kazemi選手(11番)のサーブ時にブレイクポイントを許し、7-6とリードを許した。日本は石川選手のライト、レフトからの攻撃で応戦すると、12-11の僅差でテクニカルタイムアウトを取った。その後も石川選手のサーブを起点に3連続得点し15-11とした。イランはこのセットもメンバーチェンジで挽回を図るが、ここというときにサーブミスが出た。対する日本は石川選手がレフト、西田選手がライトから得点すると、さらに山内選手のブロックで優位に試合を進め、最後はイランのスパイクミスで25-19。今大会初のストレート勝ちを収めた。

【コメント】
キャプテン・石川祐希選手

今日は僕たちのサーブが走っていたので、思うように試合を進めることができてよかった。僕たちにとって、このVNLで一番と言ってもいいほど大事な試合だったので、しっかり(セットカウント)3-0で勝てたことは良かった。フィリピン大会は対戦相手が非常に強いが、僕たちの力を試す場でもあるので、勝ってファイナル出場という目標達成に近付けるように戦っていきたい。

山内晶大選手

今日はアジアのライバルであるイランとの絶対に負けられない戦いだったが、うまくデータ通りプレーできたのと、こちらのサーブとブロックディフェンスが機能したので、3-0で勝つことができた。
サーブや、ブロックなどのディフェンスを意識した練習・ミーティングをしてきて、それが実行できたことで、イランに思うようなプレーをさせなかった。そこが自分たちに有利に働いたのだと思う。
フィリピン大会では多くの強豪国と当たるが、そんな中でも日本らしいバレーボールであったり、結果にコミットしたプレーをしていきたい。

関田誠大選手

サーブがよく、サイドアウトがよく取れていたので良かった。(今日の)結果には非常に満足しているし、FIVB世界ランキングをさらに上げるためにもっと頑張りたい。フィリピン大会ではたくさんの強豪国と対戦するので、少しでも勝てるようにチーム一丸となって頑張りたい。

西田有志選手

チームとして課題に挙げていた「1セット目の入り方」は少しずつ克服しつつあるが、まだ改善の余地はあるし、イージーミスが無くなるともっと楽に勝てるようになると思う。今日の試合内容はブラジル大会の中では一番良かった。今日の試合、サーブは全員が相手のターゲットに狙って打つことができていた。自分自身もターゲットに向かっていいサーブを打つことができていた。相手のクイックを減らして(選択肢を)サイドに絞らせてブロックディフェンスへとつなげることができた。フィリピン大会では、自分たちよりFIVB世界ランキング上位のチームと当たることになる。それらのチームにどうやって勝つのかをこれから証明すべきだと思うし、それができると思うので、自分たちの力を信じて1戦1戦に臨みたい。

髙橋藍選手

1セット目からいいバレーボールができてリズムを掴むことができたので、1・2セット目をしっかりと勝ちきることができた。3セット目の終盤で少し集中力が欠けた部分があったが、それでもまたリズムを取り戻して、しっかり取り切ることができたので、これは次にもつながるいい試合だったと思う。
世界ランキングとしてもイランが10位、日本が11位という位置で、順位が前後するライバルという関係に常にあるので強く意識している。そのイランに勝ったことで自信につながったし、次の大会、次の試合につながるいい勝利になった。
ブラジル大会で3勝できたことはチームにとっていい流れ。この流れを残しつつ、フィリピン大会ではもう一度自分たちのバレーボールを見直して、また一からしっかり強敵に立ち向かって頑張りたい。

6月10日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
2勝1敗
2 25 15 21 28 9
アメリカ
3勝0敗
3 17 25 25 26 15
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

前日の中国戦のメンバーから、スターティングメンバーを2人入れ替えて臨んだ。序盤、大塚達宣選手のレフトからの攻撃などで得点するも、カイル・エンシング選手(5番)のBクイック、2本のブロックで7-5と接戦となった。その後、髙橋藍選手のサーブで4回ブレイクすると、カウンターアタックからコンビネーション攻撃が冴え、12-6でテクニカルタイムアウトを取った。その後も、宮浦健人選手のライト、ライトバックからの攻撃が炸裂、さらに村山豪選手、山内晶大選手の両ミドルブロッカーのクイック、髙橋選手のパイプ攻撃、大塚選手のレフトからの攻撃が次々に決まった。また、アメリカのサーブミスの多さもあり、日本はペースを握り続けた。後半は髙橋選手のサーブ時にブレイクに成功。このセットを25-17で取った。

【第2セット】

序盤からアメリカが日本の守備の乱れやスパイクミスに乗じて0-3とリードした。大塚選手のレフトからの攻撃をブロックされ、アメリカのエンシング選手(5番)にライト攻撃を決められると、髙橋選手のツーアタックで返すも4-9と点差は広がったままで、日本がタイムアウトを取った。このセットは中盤以降、日本のサーブミスが目立った。さらにアーロン・ラッセル選手(2番)のサービスエースによるブレイクで12-20とされると、第1セット好調だった宮浦選手もブロックに捕まるなど最後までペースを掴めず、15-25でセットを失い、セットカウントをタイに戻された。

【第3セット】

序盤は互いに点を取りあう一進一退の攻防が続いた。8-8と同点の場面からサーブミスとタッチネットで8-10、さらにラッセル選手(2番)のレフト攻撃で9-12とされてテクニカルタイムアウトを取られた。中盤、アメリカはエンシング選手(5番)のライト攻撃で得点を重ねた。対する日本は大塚選手に代えて富田将馬選手を投入、さらに髙橋選手に代えて石川祐希選手を投入して挽回を図るが、石川選手のパイプ攻撃がアメリカのブロックに捕まるなどして20-23。最後はアメリカにBクイックを押し込まれ、21-25でセットを連取された。
日本の攻撃にブロックタッチを取られ、レシーブへと繋げられた。効果的なポイントをスパイク、サーブで奪うことができず、ペースを保たれたままこのセットを落とした。

【第4セット】

セッター・永露元稀選手に代えて関田誠大選手を投入。序盤はサイドアウトを取りあうが、石川選手のサービスエースで日本が5-4と一歩前に出た。直後にアメリカに3連続得点を許すが、日本も山内晶大選手のサーブ時の連続得点で応戦した。その後は互いの持ち味が出る試合となり、日本は宮浦選手のライトバックアタック、髙橋選手のBクイックを囮にしたコンビネーション攻撃、アメリカはラッセル選手(2番)、ジェフリー・ジェンドリック選手(4番)のレフト攻撃で12-11となった。その後も白熱した攻防が続き、相手にブレイクポイントを許さず24-24とデュースに突入した。ラッセル選手(2番)のレフト攻撃で24-25、25-26と2度マッチポイントを取られるが、リベロ・山本智大選手を中心としたレシーブからコンビネーションを展開すると、カウンターアタックから髙橋選手のパイプ攻撃が決まり同点、さらにアメリカのタッチネットで27-26とセットポイントを取った。アメリカのタイムアウト後も、再び好守備から髙橋選手のレフトからの攻撃が決まり28-26と接戦をものにした。

【第5セット】

序盤は石川選手の巧いレフトからのフェイントなどが決まり3-1とリードした。アメリカのエンシング選手(5番)、ラッセル選手(2番)、ジェンドリック選手(4番)に得点を許すと、小野寺太志選手のBクイックがブロックされて6-9でタイムアウトを取った。その後もバックアタックなどで加点され8-11。日本はスパイクミスが続き、また石川選手のレフト攻撃がブロックされるなど3連続失点を喫した。その後石川選手のレフト攻撃で追撃したが、最後はエンシング選手(5番)にライトからの攻撃を決められ、9-15でフルセット負けを喫した。

【コメント】
宮浦健人選手

今大会初のスタメン出場で、まずは自分の力を出すことを意識して臨んだ。チームのために勝利に貢献したかったが、結果として負けてしまい、自分の中でたくさん課題も見つかったので、その課題を克服して、次に向けて準備していきたい。いい状態で打つときはほとんど決められた、という感触はあった。ただ、悪い場面で、相手のブロックが高い中での処理はまだ甘い部分があったので、そこは修正していきたい。
次の対戦相手のイランはアジアの中でのライバルということもあり、かなり厳しい戦いになると思うが、チーム一丸となって戦っていきたい。

山本智大選手

フルセットでの敗戦となったが、誰が出ても世界の強豪と戦えるということが証明できた。
(フロアディフェンスについて)アナリストのデータのもと、しっかり相手に打たせるところは打たせて、拾うところは拾ってという関係が密にできていたので、効果的に機能していたと思う。
次のイラン戦はブラジル大会最後の試合となるが、チーム一丸となって、しっかり一勝を取りにいけるように頑張りたい。

6月9日 日本×中国 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
2勝0敗
3 21 25 25 25
中国
0勝2敗
1 25 19 19 18
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

序盤、日本は西田有志選手、髙橋藍選手のサイド攻撃、対する中国はクイックLi Yongzhen選手(9番)、Peng Shikun選手(15番)を多用して5-5と、サイドアウトの取り合いとなった。西田選手のライト、髙橋選手のBクイックを囮にしたコンビネーション攻撃、村山豪選手のBクイック、そして西田選手の1枚ブロックで得点するが、西田選手のライト攻撃、村山選手のBクイック、髙橋選手のレフト攻撃が相次ぎブロックに阻まれ、中国に9-11とリードを許した。その後村山選手のBクイックが決まるが、中国のレフト攻撃を防ぎきれず10-12でテクニカルタイムアウトを取られた。石川選手のライトからのフェイントで12-14とするが、Li Yongzhen選手(9番)のBクイック、Zhang Jingyin選手(22番)にパワフルなレフト攻撃を決められ12-18。さらに西田選手のライト攻撃をPeng Shikun選手(15番)に止められ15-18となり、日本がタイムアウトを取った。その後も村山選手、山内晶大選手のBクイックなどでサイドアウトを取ったが、いいところでサーブミスが出て17-21。最後は、西田選手のサーブがアウトになり、21-25で第1セット先取を許した。

【第2セット】

日本は西田選手のライトからのバックアタックなどでリズムに乗り、8-3としたところで中国がタイムアウトを取った。その後、髙橋選手のサーブでブレイクし10-4、さらに西田選手の強烈なライト攻撃が2本決まり、12-5でテクニカルタイムアウトを取った。しかし、Zhang Jingyin選手(22番)のサーブで中国にブレイクを許すと、石川祐希選手がブロックされ17-13と点差を詰められた。日本は石川選手に変えて大塚達宣選手を投入。中国のLi Yongzhen選手(9番)のサーブ時にブレイクされ、18-16とさらに追い上げられたところで日本がタイムアウトを取った。村山選手のBクイックがYu Yuantai選手(6番)に止められて19-18と1点差になるが、相手のサーブミスを起点に西田選手がライトからの攻撃で連続3ポイント、さらに石川選手のショートサーブでポイントを重ねた日本。最後は中国のサーブミスで25-19。セットカウントを1-1のタイに戻した。

【第3セット】

序盤、髙橋選手のBクイックを囮にしたコンビネーション攻撃、西田選手のライト攻撃で3-2。さらに石川選手のブロックやサイドアタッカー陣が多彩な攻撃を使い分け得点を重ね、12-8でテクニカルタイムアウトとなった。その直後に西田選手のサービスエースが決まり13-8とすると、中盤、17-15と追い上げられはしたが、20点を超えてもリードを守った日本、髙橋選手のWB攻撃が効果的に決まり、またサービスエースを決めて21-17。相手のスパイクミスから村山選手がBクイックで得点すると、最後は相手のタッチネットで25-19とした。

【第4セット】

序盤は一進一退の展開で8-8と競り合ったが、石川選手のサービスエースで9-8、さらに西田選手のライト攻撃などで12-9とテクニカルタイムアウトを取った。髙橋選手のBクイックを囮にしたコンビネーション攻撃、石川選手のパイプ攻撃など、永露選手とのコンビネーション攻撃が冴えて15-10。その後、サーブやスパイクにミスが出て、中国に16-13と迫られたが、石川選手のサービスエース、相手のサーブミスなどで20-16とした。その後も西田選手のジャンプを生かしたライトからの好打で点数を加えると、中国にミスが出てリードをキープ。最後は石川選手のレフトからの攻撃で、25-18でこのセットを取り、前日のオランダ戦に続き、1セット失った後に3セットを取り返し、勝利した。

第2セット以降、この日初スタメンだった永露選手とスパイカー陣の息が合い始めた。石川、西田、髙橋選手のサイドアタッカー陣の緩急をつけた攻撃が効果的であった。また、山本智大選手が早い反応のレシーブでカウンターアタックをお膳立てするなど、好レシーブが光った。

【コメント】
西田有志選手

1セット目を取られてしまい、残りのセットを取り返したとしても、今の課題はその1セット目の入りの部分だと思うので、そこをどうやって立て直すかはチームとしてしっかり話していかないといけないと思う。(中国の高さに対し)最初はブロックされてしまったものの、イタリアでやってきた部分があったので、途中からは力を抜いて、本気で打つのではなく軟打であったり、ブロックアウトを取ったりすることで簡単に点が取れることがわかった。やはりこういうことなんだ、と再確認した。
明日のアメリカ戦は3連戦で一番タフな試合になると思う。そこで結果を残すためには自分たちもタフにならないといけないと思うので、一人ひとりが鼓舞し合って、自分たちで立ち上がれるように頑張っていきたい。(2試合目とも1セット目を落としてしまったことは)チームの弱点であると思うので、アメリカ戦では本当に力を発揮しないといけない。チームとして戦うので、細かいところをしっかり修正し、明日いい展開に持っていけるように頑張りたい。

永露元稀選手

まずはしっかり勝ち取れたということにほっとしている。(第1セットからの立て直しについて)中央を通すことでサイドも楽になり、展開としても楽になったので、中央の攻撃を意識しながら展開した。
(初めて、スターティングメンバーでフル出場したが)まだ(周りに)助けられる部分が多かったので、次に試合に出場する時にはもっと自らが活躍できるように準備していきたい。次の対戦相手のアメリカは常に強いチームなので、チーム一丸となって戦い抜きたい。

髙橋藍選手

2日連続で逆転勝利となり)1セット目に自分たちのリズムが作れなかったことが一番の課題ではあるが、しっかりと相手に対応ができているということは、1セットを通して相手をよく見れているということであり、そこは自分たちの力でもあると思う。明日以降にもつなげていきたい。
アメリカはランキングでも日本より上位のチームではあるが、それでもやることは変わらない。最初から自分たちの、日本のバレーボールをしっかり前面に出していって、11点を取っていければ戦っていけると思うので、そのことを忘れずに全力で頑張りたい。

6月8日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
(1勝敗)
3 22 26 25 25
オランダ
(0勝1敗)
1 25 24 22 17
【第1セットのスタメン】
【戦評】

【第1セット】

Abdel-Aziz Nimir選手(14番)によるオランダのファーストサーブで4点のブレイクを与え苦しい序盤となった。オランダのVan Garderen Maarten選手(3番)、van der Ent Luuc選手(5番)がレフトからの攻撃で得点すれば、日本は髙橋藍選手、西田有志選手のスパイクで5-9と応戦。さらに山内晶大選手のサーブから連続得点を挙げ8-12と迫るがAbdel-Aziz Nimir選手(14番)の再三のライト攻撃に苦しみ8-12でテクニカルタイムアウトをオランダに取られた。その後、髙橋選手と交代した大塚達宣選手のレフトからのスパイクで反撃するも、Keemink Wessel選手(2番)のサーブの時にスパイクミスを連発し連続得点を献上、14-18となった。後半もオランダの高いブロックをかわそうとしてスパイクミスが続き、大塚選手のスパイクで反撃するも、22-25でこのセットを落とした。

【第2セット】

序盤は再びオランダのファーストサーブ(Tuinstra Bennie Junior選手[12番])でブレイクを許した。西田選手のライトがブロックされると、山内選手がBクイックでサイドアウトを取り返したが、長身セッターのKeemink Wessel選手(2番)にツーアタックを許すと、さらにクイックのミスが出て3-7と引き離された。オランダのvan der Ent Luuc選手(5番)のサーブの時に4点ブレイクされて5-11でタイムアウトを取るが、8-15とリードされたまま後半へ。ここから髙橋選手のサーブでポイントを奪うなど4点をブレイクし13-16と迫った。日本はセッターを関田誠大選手から永露元稀選手に、さらにミドルブロッカーの山内選手に代えて村山豪選手を投入。村山選手がBクイック、相手ライト攻撃へのブロックを決めて20-23、髙橋選手がサービスエースを決めて23-23の同点、さらに再び村山選手のブロックが決まり日本がセットポイントを迎えた。オランダにデュースに持ち込まれるも、ここでまた村山が相手レフト攻撃をブロック、そしてサービスエースを決めて26-24でセットを奪い返した。

【第3セット】

前セットに続きスタートから村山選手を投入。Abdel-Aziz Nimir選手(14番)へのブロックやBクイックで活躍を見せた。小野寺太志選手の好サーブでブレイクを呼び込み、5-1とリードを奪った。西田選手のライトで加点、さらに石川祐希選手のラリー中のブロックアウトで、この試合で初めて日本がテクニカルタイムアウトを取った。その後、その後も小野寺選手のBクイック、石川のライト攻撃をシャットアウトされるなど7点あった点差を4点差の12-8まで狭められたところで日本がタイムアウトを要求。その後も連続失点を止められず12-11と1点差まで追い上げられた。日本は西田選手に代わり大塚選手を投入するが、Abdel-Aziz Nimir選手(14番)にライト攻撃を連続で決められ15-16と逆転を許した。しかし、村山選手のBクイックが決まり同点とすると、西田選手のサーブから3連続得点、さらにオランダのスパイクミスが重なり18-16と日本が逆転した。その後はサイドアウトを繰り返したが、2点リードをキープしながら石川選手のBクイックを囮にしたコンビネーション攻撃、西田選手のライト攻撃で加点し、石川選手のライト攻撃でセットポイント。最後は相手のサーブがミスとなり、25-22でセットを連取した。

【第4セット】

序盤、石川選手のサーブ時に小野寺選手のBクイックなどで連続得点を奪い、4-1とした。西田選手が好サーブを連発、髙橋選手のAパイプ、関田選手のジャンプトスから村山選手がAクイックを決めるなどして8-4とリードした。その後、Abdel-Aziz Nimir選手(14番)のレフト、ライト攻撃で応戦するオランダとサイドアウトを奪い合うが、西田選手のライト攻撃でリズムに乗り、12-8でテクニカルタイムアウトを取った。村山選手のBクイックなどで14-8とし、オランダがタイムアウトを要求。さらに村山選手のダイレクトアタック、ブロックが決まり17-9と大きくリードした。その後も相手レフトを村山選手がブロックで止め、また小野寺選手、石川選手の連続ブロックで21-12として終盤へ。Abdel-Aziz Nimir選手(14番)のライト攻撃などで食い下がるオランダを西田選手のライトからの一撃で沈め25-17とし、この試合を制した。

第1セットは、オランダの高いブロックに攻撃の選択肢を狭められた上に、Abdel-Aziz Nimir選手(14番)のライトからの強打に再三決められ苦しい展開となった。しかし、第2セット以降は、西田選手の攻撃が安定し、加えて村山選手の大活躍がこの試合の流れを変えた。途中出場した大塚選手、永露選手、富田将馬選手も持ち味を発揮し、新しい戦力を見いだせた試合でもあった。

【コメント】
キャプテン・石川祐希選手

非常に悪い立ち上がりだったが、2セット目から選手交代などで流れを掴み、3、4セットも勝ち切ることができた。反省する点はたくさんあるが、まずは勝つことができてよかった。途中から入ってきた村山(豪)選手が非常にいい活躍をしてくれた。彼に助けられたし、(村山選手が入ってから)流れを変えることができた。「誰が出ても活躍できる」というチーム作りをしているので、それが機能していたと思う。

中国は非常にブロックが高い。今日のようにミスばかりしていたらやられるので、頭を使ってプレーするようにしたい。

西田有志選手

1セット目と2セット目の中盤まで流れはあまり良くなかったが、新しく交代で入った選手が力を発揮してくれて、”チーム”という状態で勝てたことが今日の良かったところ。
(逆転勝利の要因は)自分たちがやりたいバレーボールを、セットを重ねる度に展開できてきたこと。1セット目のような状況が生まれる中で、どのような打開策を講じていくかは、明日以降更新していかないといけない。
明日の中国戦もタフな試合になる。楽な試合は1セットもないと思うので、その試合でどう勝ちきるかは、自分たちがプレーしてきた中で信じきるしかないし、それを表現していくしかない。

引き続き応援をお願いしたいし、自分たちもそれに応えられるように頑張りたい。

村山豪選手

初戦ということで難しい形にはなったが、最後に勝ちきれたということは、これから試合が続く中で大きな意味を持つ一勝。苦しい状況でもチーム一丸となって勝てたことで、チームも一つひとつ成長できると思う。
日本代表デビュー戦ということで、自分のやるべきことをしっかりやって、チームに貢献するということを常に意識した。それが実現できて良かったと思う。