FIVBバレーボールネーションズリーグ2021

RESULTS

試合結果

最終順位

  1. ブラジル
  2. ポーランド
  3. フランス
  4. スロベニア
  5. ロシア
  6. セルビア
  7. アメリカ
  8. カナダ
  1. アルゼンチン
  2. イタリア
  3. 日本
  4. イラン
  5. ドイツ
  6. オランダ
  7. ブルガリア
  8. オーストラリア

日本の試合結果

6月23日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
7勝8敗
0 21 23 20
アメリカ
8勝7敗
3 25 25 25

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

日本にとってネーションズリーグ最終戦となるアメリカ戦、立ち上がりはサイドアウトの取り合いとなったが、キャプテン・石川祐希選手のブロックアウトできっかけを掴むと、後衛に下がった石川選手のサーブでアメリカの守備を崩し8-4。日本がリードした状態で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後は一進一退の攻防が続いたが、中盤にアメリカの強烈なツーアタックや両サイドからスパイクを決められ、15-15と同点に追いつかれた。日本は小野寺太志選手のクイック攻撃や石川選手のスパイクなどで応戦したが、アメリカの高さとパワーのあるスパイクで連続失点を喫し、18-20と逆転を許した。終盤に入り、巻き返しを図りたいところであったが、クイック攻撃を中心に攻撃を組み立てるアメリカに対応できず、21-25で第1セットを先取された。

第2セット

このセットを取り返したい日本であったが、アメリカの強烈なサーブと高さのあるブロックに序盤から苦戦し、7-4とリードを奪われた。アメリカの流れを切りたい日本は、セッター・藤井直伸選手を投入、その後、髙橋藍選手のブロックアウトや小野寺選手のブロックポイントで詰め寄ると、さらに髙橋藍選手のストレートスパイクで10-10の同点とした。中盤は両チームがスパイクを決め合い、拮抗した状態が続いた。15-16とアメリカリードで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、日本は髙橋藍選手のサービスエースや石川選手のコート奥を狙った巧みな攻撃で得点、さらにアメリカのタッチネットで21-20と逆転に成功した。しかし、セット終盤に被ブロックを喫すると、最後はサービスエースを決められ、23-25とセットを連取された。

第3セット

後がない第3セット、日本はスタートからセッターに藤井選手を起用した。立ち上がり、小野寺選手のダイレクトスパイクや石川選手のスパイク、さらにリベロ・山本智大選手のレシーブも光り4連続得点で順調な滑り出しかと思われたが、すぐさま5連続失点を喫し4-5となった。アメリカのレフトからのスパイクやブロックで一時点差を広げられたが、西田有志選手のブロックや石川選手のパイプ攻撃などで得点を重ね12-10と逆転に成功。中盤、調子を上げてきた西田選手にセッター・藤井選手はトスを集めた。その西田選手がアメリカのブロックに対しパワーのあるスパイクを決め続け、16-15と2回目のテクニカルタイムアウトを取ったが、アメリカにブロックアウトなどで3連続失点を喫し、16-18と逆転を許した。山内晶大選手のCクイックや髙橋藍選手、西田選手のスパイクで応戦するも、最後はパイプ攻撃を決められ20-25。セットカウント0-3のストレートでアメリカに敗れた日本、ネーションズリーグ最終戦を白星で飾ることはできなかった。

【コメント】
キャプテン・石川祐希選手

「3セットとも前半から中盤のゲーム運びは悪くなかったが、中盤から後半にかけてのミスで1点が取れず流れを奪われ、最後に競り負けるという展開だったので、そこでもう少し粘る必要があった。今日はサーブに崩されてしまう場面が多かったので、まずはサーブレシーブを安定させることが必要だと思う。サーブレシーブの安定に関してはアメリカだけでなく、どこの強豪チームにも関係することなので、引き続き課題として取り組んでいきたい。また、トランジションの決定率や効果率も悪かったのでそこも上げていきたい。(ネーションズリーグでは)勝たなければいけない試合に負けたりして非常に危機感を持ったが、若く国際大会が初めての選手にとってはいい経験になったと思う。この後オリンピックが控えているので、そこに向けてまた新たに準備をしていきたいと思う。タフな大会だったが、まずはしっかり戦い抜けたことはよかった。またチームとして戦えた部分や課題、反省点も見つかったので、それらを改善するいい機会にもなった」

6月22日 日本×スロベニア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
7勝7敗
0 16 16 26
スロベニア
11勝3敗
3 25 25 28

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

日本と対戦する前の13試合で10勝している、試合巧者・スロベニアとの対戦。日本は立ち上がりにミスで連続失点するも、清水邦広選手がサーブでスロベニアを崩すなど応戦。しかし、その後もミスが目立ち3-6で日本がタイムアウトを取った。4-8でテクニカルタイムアウトを迎えたのち、サービスエースを取られ、4-10で高梨健太選手に代えて福澤達哉選手を投入。石川祐希選手がラリーから決めて連続得点を挙げ6-10と追い上げると、福澤選手の好レシーブから清水選手が決めて7-11とした。清水選手を起点に攻撃を仕掛けて連続得点し9-12としたが、ラリーを取られるなど、11-16と再び点差を離されテクニカルタイムアウトを迎えた。途中出場の西田有志選手が難しいところから決め13-18で終盤に突入すると、サービスエースを取られ14-21で日本がタイムアウトを要求。石川選手がサーブで崩し、李博選手がラリーを決めるなど16-23と応戦したが、日本にミスが続き一方的な展開となり、16-25で第1セットを失った。

第2セット

セッターを関田誠大選手から大宅真樹選手に、アウトサイドヒッターを石川選手から大塚達宣選手に、そしてリベロを山本智大選手から小川智大選手に代えてスタート。大塚選手のサーブからラリーを高梨選手が決めて連続得点を挙げるも、立ち上がりは4-4の互角の展開となった。このセットも日本にミスが目立ち、スロベニアの連続得点で4-7と引き離された。4-8から清水選手の得点で1点返したものの、日本にスパイクミスが出ると、スロベニアの好ディフェンスに苦戦し思うように得点できず、失点が続き7-14まで点差を広げられた。9-16でテクニカルタイムアウトを迎えると、西田選手、関田選手を2枚替えで投入。その西田選手がライトから決め11-17としたが、スロベニアの多彩なプレーを前に日本は後手に回り、13-20で終盤へ突入した。李選手のサーブで崩し、高梨選手のブロックで14-22としたが、点差を詰めることはできず16-25で第2セットも落とした。

第3セット

序盤はサイドアウトの取り合いとなったが、李選手のサービスエースで5-3、山内晶大選手のブロック、相手のミスで連続得点し8-5と、この試合で初めて日本のリードでテクニカルタイムアウトを迎えた。ラリーの応酬から高梨選手がパイプ攻撃を決め9-6としたのち、スパイクミスなどで連続失点し10-9で日本がタイムアウトを要求した。その後、大塚選手のサーブから小川選手が好レシーブで繋いだボールを清水選手が決めると、さらに小川選手のレシーブから高梨選手が決めて連続得点を挙げ、13-10と再びリードを広げた。中盤は得点の奪い合いから高梨選手が決めて、16-15でテクニカルタイムアウトを迎えた。日本は西田選手、関田選手を2枚替えで投入。山内選手がラリーを押し込むと、高梨選手がサービスエースを決め、連続得点で19-17。さらにラリーから大塚選手が3枚ブロックを相手に決めきり20-17で終盤に突入した。しかし、サーブで崩され連続失点すると、21-20と追い上げられ日本がタイムアウトを要求。その後はこのセットで試合を決めたいスロベニアと1点を争う攻防となり、24-24でデュースとなった。日本は清水選手のサーブから山内選手がブロックを決めるなど、26-26と粘ったが、最後はスロベニアにサーブで崩され連続失点し、26-28。セットカウント0-3のストレートで敗戦した。

第1、2セットはスロベニアの個人技術、組織力に翻弄され、全く思うようなバレーをさせてもらえなかった。ようやく第3セットに日本の動きが戻り始め、セットは取れなかったものの明日につながるバレーはできた。明日のアメリカ戦はいよいよネーションズリーグ最終戦となるが、自分たちの納得がいくバレーを展開できるように臨みたい。

【コメント】
清水邦広選手

「スロベニアのサーブが強く、こちらがサーブレシーブを返せなかった。そこから自分を含めてハイボールの処理がうまくできず失点したり、被ブロックしたりなどミスも多かった。(スロベニアの)高いブロック、いい守備にこちらが我慢しきれずミスをしてしまったことで点数を離されたと思うので修正したい。スロベニアは(ブロックフォローなど)数字に出ないプレーがよく、つなぎの中で失点せずに何度もブロックフォローをして最後に決める、粘り強いチームだった。サーブ、攻撃、守備、そしてつなぎもいい。日本がやらないといけない、お手本のようなプレーをしていたと思う。明日の試合はネーションズリーグ最後の試合。しっかりと次に向けて、この大会の集大成として臨みたい。日本が今できるベストパフォーマンスを出せるように、しっかりと皆の力を合わせて戦い、勝利で飾れたらいいと思う」

6月21日 日本×ブルガリア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
7勝6敗
3 25 25 25
ブルガリア
2勝11敗
0 23 18 14

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

日本は今大会初めて西田有志選手をスターティングメンバーとして起用。その西田選手にセッター・関田誠大選手が序盤からボールを集め、バックアタックやブロックアウトで得点を重ねた。8-5で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた後も、西田選手のバックアタックやブロック、山内晶大選手の相手コートに叩きつけるクイック攻撃で11-7とリードを保った。さらにキャプテン・石川祐希選手と髙橋藍選手のパイプ攻撃で連続得点し、16-11と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。その後も日本が主導権を握ったまま試合は進行し、メンバーチェンジで投入されたセッター・大宅真樹選手の絶妙なトスから小野寺太志選手のBクイックや石川選手の相手の意表を突くフェイントなどで得点を重ね、20-14と先に20点台に乗った。髙橋藍選手のスパイクで23点目を挙げた後、ブルガリアのブロックや強烈なサーブに苦戦、連続失点を喫し23-22と詰め寄られた。しかし、タイムアウトを要求しその流れを切ると、最後は小野寺選手の鋭いBクイックで25点目を取り、25-23。日本が第1セットを先取した。

第2セット

日本は序盤から小野寺選手のクイック攻撃や石川選手のスパイク、西田選手の相手ブロックにねじ込むバックアタックなどで4連続得点を挙げ、6-3とリードした。ブルガリアは早くもタイムアウトを要求し、立て直しを図った。その後はサイドアウトの応酬となり拮抗した状態が続いたが、西田選手のサイドライン上に打ち落とすバックアタック、小野寺選手のブロック、髙橋藍選手のパイプ攻撃で3連続得点し、15-10とリードを広げた。高さのあるブロックで対抗するブルガリアに対し、中盤は石川選手の強烈なスパイクや、相手ブロッカーを惑わせるBクイックで翻弄し、流れを渡さない。西田選手のストレートへのスパイクで20-15とすると、さらに石川選手のパイプ攻撃や小野寺選手のクイック攻撃などで23-18。日本は清水邦広選手と大宅選手を2枚替えで投入し、勢いを緩めない。最後は石川選手の相手ブロックの上から落とすプッシュ攻撃で25-18。日本がセットを連取し、勝利に王手をかけた。

第3セット

立ち上がりから山内選手のサービスエースや西田選手のバックアタックなどで得点を重ねると、髙橋藍選手のバックアタックと見せかけるトスアップから石川選手が強打を決めるなど、日本のペースで試合が進んだ。8-5で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた後も、髙橋藍選手のパイプ攻撃や山内選手のクイック攻撃などで4連続得点し、12-6とさらにリードを広げた。その後は互いにミスが出てシーソーゲームとなったが、日本が西田選手のバックアタックなどで得点し、16-9と2回目のテクニカルタイムアウトも取った。中盤以降も小野寺選手のクイック攻撃や相手レフトを3枚ブロックで仕留めるなどして19-11と、日本が主導権を握ったままセット終盤を迎えた。山内選手のクイック攻撃や髙橋藍選手のコートコーナーへのスパイクなどでマッチポイントを握り、最後はブルガリアのサーブミスで25-14。セットカウント3-0のストレートでブルガリアに勝利した。

【コメント】
西田有志選手

「チームとしてリズムを作り、ブロックディフェンスがしっかりと機能したことが今日の勝ちにつながったと思う。(オリンピック出場内定選手が発表されての試合だったが)チームのメンバー全員が(オリンピックのメンバーに)入れるということはなく、ネーションズリーグのメンバーから一緒に戦えなくなる人もいる。その中で勝ちを収めることは大切だと思う。自分も復帰したばかりで、チームにとってどうプラスになるか、もっともっと自分の中でも突き詰めたい。まずはネーションズリーグがどうこうではなく今日の試合を勝てたこと、スタートからフルで出場できたことを嬉しく思う。オリンピックのメンバーにも選出していただき、その中で結果を出すために、まずはこういうところでアピールをしていかなければならない。今までやってきたことが同じようにできるかというと、なかなかできることは少ないと思うが、新しく自分の中に得られるものもたくさんあると思うので、オリンピックまでに完成した自分で挑みたいと思う。(残り2試合は)プレーもそうだが、チームの流れを変える要員として入ることになると思っているので、自分の中で思っている仕事ができるようにしたい。成長過程にあるチームの中でオリンピックまでにできることはたくさんあると思う。完成したチームでオリンピックを戦っていけるように、この2試合を大切にしていきたいと思う。オポジットは世界ではエースと呼ばれている。(相手に)いやなイメージをつけられるような選手になりたいし、それでこそエースだと思う。苦しいときにしっかり決めきれるよう自分もレベルを上げていかなければならない。コンビネーションやコミュニケーションを大切にしてこれからもレベルアップをしていきたいと思う」

6月17日 日本×カナダ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
6勝6敗
0 22 23 18
カナダ
4勝8敗
3 25 25 25

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

東京オリンピックでも対戦する負けられないカナダとの対戦。序盤、まずは山内晶大選手のクイック攻撃で先制点を取ると、清水邦広選手が確実にサイドアウトを取り、ラリーを髙橋藍選手がブロックアウトでものにするなどで連続得点し、6-4とリード。さらに山内選手のクイック攻撃が決まり8-6で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。相手のサーブに崩されながらも、清水選手が3枚ブロックを打ち抜くと、石川祐希選手のサーブで相手守備を崩し、髙橋藍選手のダイレクト、清水選手のラリーを制する強烈なブロックアウトなどで得点を重ねた。3点ビハインドとなったカナダは11-8でタイムアウトを要求。その後、13-10の場面で西田有志選手を投入し、さらに勢いづけたい日本。すぐさまカナダにサイドアウトを取られるが、ラリーを小野寺太志選手が冷静にフェイントで決め15-12とリードをキープ。しかしその後、カナダのブロックや粘りに対し攻撃を決めることができず、連続失点を喫し16-15で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。終盤に差し掛かると、お互い一歩も譲らないシーソーゲームとなった。しかしカナダのクイック攻撃などで失点し、ついに逆転を許した日本は、17-19でタイムアウトを要求。立て直しを図りたいところだが、サービスエースなどでカナダにさらにリードを広げられ19-22。髙橋藍選手、石川選手のパイプ攻撃が決まり反撃したいが、最後はクイック攻撃を決められ22-25で1セット目を先取された。

第2セット

第1セットから気持ちを切り替えて臨みたい第2セット、序盤は山内選手のクイック攻撃やサーブで相手を崩し、連続得点で4-2とリードした。その後も、セッター・関田誠大選手が積極的にクイック攻撃を選択し得点を重ねると、石川選手のスパイクを決めるなど、8-6で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。テクニカルタイムアウト後、お互いにサーブミスが続いたが、清水選手のスパイクが決まり12-11と日本が一歩リード。しかし、日本のミスやカナダのスパイクで連続失点を喫し、12-13と逆転を許した。流れを変えたい日本は、高梨健太選手を投入、その高梨選手のパイプ攻撃や関田選手のサービスエースで連続得点し、15-15と同点に追いついた。しかし、15-16のテクニカルタイムアウト後、カナダの強烈なサーブに日本の守備が崩され、ラリーをものにできず16-19とリードを許した。終盤もカナダの勢いを止めることができず、17-21でタイムアウトを要求。その後、西田選手を投入、勢いのあるサーブで相手を崩し高梨選手がスパイクを決め、大きな連続得点を挙げた。さらに高梨選手がストレートスパイクを決めるなどして21-22としあと一歩まで迫った。ここから日本は石川選手のスパイクなどで得点するが、最後はカナダにライトからスパイクを決められ、23-25とセットを連取された。

第3セット

高梨選手をスタートから起用。後がない日本は序盤、山本智大選手の好レシーブから石川選手がスパイクを決めきり連続得点で5-4とリード。しかし、カナダの強烈なサーブに苦しめられ、5-6と逆転された場面で、日本はタイムアウトを要求し早めの立て直しを図った。日本の攻撃が相手ブロックにかかり、連続失点を喫し6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、小野寺選手のクイック攻撃や高梨選手と代わって入った髙橋藍選手のパイプ攻撃が決まり、8-8の同点に。石川選手のスパイクでラリーを制し10-10とするが、カナダのサービスエースなどで連続失点を喫し、10-13と再びリードを許した。その後もカナダの勢いは止まらず11-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。さらにサービスエースを取られるなどして、依然点差を縮めることができず、14-20と突き放されてしまう。終盤、髙橋藍選手を高梨選手に戻し、その高梨選手と大塚達宣選手のスパイクで応戦したが、そのまま試合はカナダのペースで進み18-25。第3セットも取られた日本は、セットカウント3-0でカナダに敗れた。

序盤はラリーに持ち込んだものの、タッチネットやミスで得点しきれない場面が目立った。そういった失点が徐々にカナダを勢いづかせ、カナダのサーブが走り始めるとさらにリズムが良くなり、挽回するには難しい展開となった。非常に悔しい結果となったが、来週の残り3試合を東京オリンピック前の最後の実践の場として、内容のある試合にできるようしっかり準備して臨みたい。

【コメント】
キャプテン・石川祐希選手

「サイドアウトは悪くはなかったが、ところどころ相手のサーブに苦しめられるケースがあった。特にトランジションで僕たちが点数にできるところを点数にできずに相手にやられてしまったのが敗因だと思う。ブルガリア、スロベニアとアメリカと、非常に力のあるチームとの対戦が残っているので、もう一回今日出た課題であるレセプションの関係性、トランジションからの攻撃を修正してまた3戦しっかり準備して臨みたい。(これから試合までの3日間は)ここまでハードスケジュールできているので、しっかり休んで、そのあとに今日出た課題をもう一回徹底して作り直していきたい」

6月16日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
6勝5敗
0 14 18 19
ポーランド
9勝2敗
3 25 25 25

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

対戦前の予選ラウンド順位が2位の強豪ポーランドとの対戦。序盤、日本は大塚達宣選手のバックアタックからスタートし、髙橋健太郎選手がクイックを決めるが、相手の高さを意識してかスパイクミスが続き、4-8で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。福澤達哉選手に代えて本大会初出場の西田有志選手を送り出すもサーブミスで失点。ポーランドにサービスエースを取られ、7-12でタイムアウトを取った。その後もポーランドの強力なサーブに崩され攻撃を組み立てられず、9-16で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。終盤、大竹壱青選手、大宅真樹選手を2枚替えで投入。サイドアウトは取るが連続得点できず、11-20で2回目のタイムアウトを取った。大竹選手、李博選手のスパイクで得点したが、14-22から連続失点し、14-25で第1セットを落とした。

第2セット

関田誠大選手を大宅選手に代えてスタート。第1セットと同様に攻撃が思うように機能せず、4-8で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。大宅選手のサーブから高梨健太選手がダイレクト攻撃、さらに小川智大選手のレシーブから大塚選手が決めて連続得点し、8-9と1点差に迫った。しかし、ポーランドも連続得点し8-12で日本がタイムアウト。ポーランドの堅いブロックを攻略できず、サーブで揺さぶられると失点が続き、10-16で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。その後、西田選手の本大会初得点となるスパイク、大塚選手のパイプ攻撃が決まり14-19とするが、またもサーブで崩され失点し、15-22で日本が2回目のタイムアウトを取った。福澤選手、高梨選手のスパイクで17-24としたが、最後は18-25で第2セットを落とした。

第3セット

大竹選手をオポジット、大塚選手をアウトサイドヒッターに起用。また、髙橋健太郎選手に代えて山内晶大選手を起用した。後がない日本は、高梨選手のスパイク、山内選手のクイックで5-5まではポーランドに食らいついたものの、サービスエースなどで連続失点し、5-8でテクニカルタイムアウトとなった。李選手のクイックで8-10とするも、直後に連続失点を喫し8-12とされた。日本はサイドアウトを取るが連続失点が続き、9-15となったところでタイムアウトを要求。西田選手が決め10-15、さらに高梨選手のサーブから大塚選手がラリー決めるなど連続得点を挙げ、13-15まで追い上げた。しかし、またしてもポーランドにサーブで崩され連続失点を喫し、14-19で日本がタイムアウトを取った。終盤15-21の場面から、大竹選手、高梨選手のスパイクが決まるが連続得点に繋がらず、最後もサーブミスで19-25。第3セットを落とし、ストレート負けとなった。

昨日とは打って変わって日本のサーブが走らず、逆にポーランドにサーブでいいようにやられ完敗だった。攻撃、動きのスピード感がブラジルと同様に抜けており、力不足であることを認めざるを得ない。常に上位にいるチームの層の厚さを感じさせるとともに、日本の底上げの必要性も感じた試合であった。

【コメント】
高梨健太選手

「チームとしてサイドアウトを意識しており、(今日の試合では)しっかりサイドアウトが取れていた。トランジションで得点すべきところで、しっかり点が取れていたことが勝因だと思う。ネーションズリーグも後半に入り、残り6試合となったなかの試合で、しっかり3-0で勝ち切れたことはこれからの試合に繋がると思うし、非常にタフな大会ではあるが、それでも集中力を絶やさず戦えたことは自信に繋がる。ポーランドは非常に強く、どの選手が出ても安定したプレーをしている。僕たちもサイドアウトをしっかり取って、日本の持ち味であるディフェンスから流れを作っていたいきたい」

西田有志選手

「1カ月と少しの間を経て復帰したが、足の状態はすごくよく、プレーのレベルをもう少し上げていかなければならない。今日の試合(ポーランド戦)、負けはしたが、自分の中ではすごく大きな一歩と捉えている。まだ試合はあるし、上位に行く可能性は残っているので、自分が(チームの)鍵となり貢献できるように頑張っていきたい」

6月15日 日本×ドイツ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
6勝4敗
3 25 25 25
ドイツ
4勝6敗
0 18 22 20

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

高さのあるドイツにいかに対応していくかが課題となったこの試合。フォローなどディフェンス面で粘りたいところである。互いに様子を見ながらの序盤は、髙橋藍選手、清水邦広選手のスパイク、石川祐希選手のサービスエースで得点し、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。タイムアウト明けも再び石川選手がサービスエースを決めて9-7。小野寺太志選手のブロック、ラリーから石川選手が3枚ブロック相手にうまく決めて13-10とすると、ドイツがタイムアウトを要求。日本はペースを崩すことなく、サーブでドイツを崩すと、切り返しから髙橋藍選手がパイプ攻撃を決め、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。日本はその後もブロックでワンタッチを取り、リベロ・山本智大選手を中心とした粘りのディフェンスでリズムを保ち、20-13で終盤へ。清水選手のスパイクで23-15とすると、危なげない試合運びで25-18とし、第1セットを取った。

第2セット

石川選手のプッシュ、山内晶大選手のブロック、関田誠大選手の技ありのトスを石川選手が決めて連続得点し、3-0と走った。5-1でドイツがタイムアウトを取るが、日本の勢いは止まらず7-1までリードを広げた。8-3で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、関田選手がうまくアタッカーを使い分け、着実に得点を重ねて13-9とした。中盤、徐々にリズムを取り戻したドイツのサーブが走り始め、サービスエースなどで14-12と追い上げられた。それでも小野寺選手のクイックなどで16-14と、日本のリードのまま2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後は互いに譲らない展開となったが、山本選手、髙橋藍選手のレシーブから石川選手が連続得点を挙げ、20-16と引き離した。ドイツのタイムアウト後、ラリーに持ち込まれて連続失点し、22-21と迫られたところで今度は日本がタイムアウトを取った。小野寺選手のクイックですぐさまサイドアウトを取ると、関田選手に代わって入った高梨健太選手が見事にブロックを決め、24-21とセットポイント。最後は小野寺選手が決めて25-22で第2セットを取った。

第3セット

序盤は髙橋藍選手を中心にサイドアウトを取るが、後がないドイツも一歩も引かず、5-5と互角の滑り出しとなった。7-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、ドイツのサービスエースなどで連続失点し、9-12で日本がタイムアウトを取った。小野寺選手のクイック、髙橋藍選手のサーブからドイツのスパイクミスを誘って13-14と1点差に迫ると、さらにラリーから清水選手が決めて14-14の同点に追い付いた。しかし、ドイツもスパイクで連続得点を決めて14-16で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。テクニカルタイムアウト明け、小野寺選手がサーブで崩したところを石川選手がダイレクト、さらに関田選手のブロックも決まり17-16と逆転に成功。終盤、髙橋藍選手のレシーブから石川選手が難しい態勢で決めきり、19-17と2点差になったところでドイツがタイムアウトを取った。タイムアウト明け20-18の場面から、石川選手がサーブでドイツを崩すと、ラリーから自らパイプ攻撃を決めて21-18とした。ドイツのタイムアウト明けは石川選手のサービスエースが決まり22-18、髙橋藍選手のスパイクで23-19、さらに山内選手のサービスエースで24-19とマッチポイントを握った。最後は石川選手がパイプ攻撃を決めて、25-20で第3セットを奪取。ドイツにセットカウント3-0のストレートで勝利した。

今日は前半から石川選手をはじめ皆のサーブがよく走ったことでドイツにプレッシャーをかけ、ほぼ主導権を握り試合をすることができた。ドイツにリードされてもディフェンスを崩されずに追い上げられたことは、ドイツにとってストレスになったと思う。この先も、誰がコートに立っても今日のようなバレーが展開できるよう、チーム全体でさらなるレベルアップを図りたい。

【コメント】
キャプテン・石川祐希選手

「チームとしてサイドアウトを意識しており、(今日の試合では)しっかりサイドアウトが取れていた。トランジションで得点すべきところで、しっかり点が取れていたことが勝因だと思う。ネーションズリーグも後半に入り、残り6試合となったなかの試合で、しっかり3-0で勝ち切れたことはこれからの試合に繋がると思うし、非常にタフな大会ではあるが、それでも集中力を絶やさず戦えたことは自信に繋がる。ポーランドは非常に強く、どの選手が出ても安定したプレーをしている。僕たちもサイドアウトをしっかり取って、日本の持ち味であるディフェンスから流れを作っていたいきたい」

6月11日 日本×アルゼンチン 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
5勝4敗
1 32 16 18 21
アルゼンチン
4勝5敗
3 30 25 25 25

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

予選ラウンド第3週最後に対戦するのは、直近5試合で勝利しているものの、技術があり油断のならないアルゼンチン。福澤達哉選手がレフトから豪快なスパイクを決めてスタート。清水邦広選手の得点、福澤選手の好レシーブ、相手のミスで6-3と日本がリードした。8-4で迎えたテクニカルタイムアウト後も、大塚達宣選手のブロックで連続得点を挙げると、福澤選手のパイプ攻撃で得点し10-5。さらに清水選手、福澤選手のスパイクが決まって14-10とすると、その後も危なげない試合運びで16-12とリードを守って2回目のテクニカルタイムアウトとなった。小川智大選手の好レシーブから山内晶大選手がクイックを決めて17-12。さらに福澤選手のブロックアウトで18-13としたところでアルゼンチンがタイムアウトを取った。その後、日本のタイムアウトを挟みながら19-16、19-18と追い上げられると、日本は清水選手に代えて大竹壱青選手、髙橋健太郎選手に代えて李博選手を投入。その大竹選手が起用に応える一打を決めて20-19で終盤に突入した。大竹選手がバックアタックを決めたのち、アルゼンチンにサービスエースを取られるなど22-23と逆転を許した。しかし、関田誠大選手のサーブからの切り返しを山内選手がブロックで仕留めすぐさま23-23と並ぶと、アルゼンチンがタイムアウトを要求。先にセットポイントを握られるが、大塚選手のスパイクでデュースに持ち込んだ。サイドアウトの応酬が続き両チーム一歩も譲らない中、29-29から関田選手がサービスエース、山内選手がクイックを決め31-30と日本がセットポイント。最後はラリーから福澤選手が決めきり、32-30で第1セットを取った。

第2セット

髙橋健太郎選手に代えて李選手、清水選手に代えて大竹選手を起用。序盤は、山内選手、李選手のクイック、大塚選手のパイプ攻撃で得点するが、スパイクミスによる失点で3-6とアルゼンチンを追う展開となった。4-8とアルゼンチンのリードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた後、大塚選手のスパイクとブロック、相手のミスで8-8の同点となり、アルゼンチンがタイムアウトを取った。日本は勢いを絶やさずにいきたいところだが、攻撃を決めきれずに却って連続失点を喫し、9-13でタイムアウトを取った。その後もラリーに持ち込むが攻撃を決めきれず、11-16で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。サーブで崩されアルゼンチンのペースになると、12-18で日本がタイムアウトを取るも、リズムを取り戻せず16-25で第2セットを落とした。

第3セット

序盤からラリーの応酬で、1点を取るのに両チームが苦労する展開となった。日本は4-5でタイムアウトを取った後、ミスで連続失点し5-8でテクニカルタイムアウトとなった。大竹壱青選手のライトからのスパイク、福澤選手のパイプ攻撃が決まり7-9とするも、大事なところでミスが出て、8-13と再びリードを広げられた。アルゼンチンの臨機応変なプレーに苦戦した日本はなかなか得点が奪えず、10-16でテクニカルタイムアウトを迎えた。なんとか挽回したいところで、大竹選手のバックアタック、山内選手のブロック、ラリーから大塚選手が3枚ブロックを打ち抜き14-17と追い上げると、アルゼンチンがタイムアウトを取った。しかし、要所で強力なサーブを打ち込まれ、16-22で今度は日本がタイムアウトを取った。終盤は粘り強いディフェンスでラリーに持ち込むが、決定力を欠き18-25で第3セットを失い、アルゼンチンに2セット連取を許した。

第4セット

立ち上がりはラリーから大塚選手、大竹選手が決めて5-5と互角の争いとなったが、アルゼンチンにサービスエースを決められ、攻撃をブロックで止められるなど5-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。福澤選手のスパイクや相手のミスで7-8と1点差まで迫ったが、再びサービスエースを取られるなど連続失点を喫し、7-11とリードを広げられた。日本は大塚選手のラリーからの得点などで10-12と一時追い上げたものの、アルゼンチンのブロックに捕まるなど連続失点を喫し、12-16でテクニカルタイムアウトとなった。日本は相手セッターのルチアノ・デセッコ選手によるスピーディーなトスワークにブロックが的を絞れず、自分たちのミスも重なり13-19。単発になった攻撃を立て直すことができず、15-22でタイムアウトを取った。18-22と4点差に迫ったところでアルゼンチンがタイムアウトを取り、タイムアウト明けは大塚選手が1枚ブロックを決めるなど気を吐いたが、終始アルゼンチンのペースで試合は進み、21-25で第4セットを落とし、敗戦となった。

第1セットは見応えがあったが、第2セット以降はラリーまでは持ち込むものの、得点したい時の決定力、サーブでプレッシャーをかけられるかの差が大きく出た。チームとしてもさることながら、個人の技術的な課題も見えているので、それぞれ整理して次のラウンドにつなげたい。

【コメント】
大塚達宣選手

「1セット目にデュースの展開でセットが取れた、あれが自分たちのバレースタイルだと思う。それを2セット目以降継続できなかったのが敗因。個人としてはアウトサイドヒッター、オポジットと色々なポジションをやらせてもらっているなか、今日の自分の出来を評価すると、もう少しできたのではないかと思う。次の試合でこの経験を生かすようにしたい。アルゼンチンは背の高いチームではないが、セッターの(ルチアノ・)デセッコ選手を中心としたコンビネーションを多用した攻撃を仕掛けてくる。速いテンポの攻撃が多く、自分たちのディフェンスの形を作ることができなかった。そこがもう少しうまく機能すればよかったと思う」

6月10日 日本×イタリア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
5勝3敗
3 21 25 22 25 15
イタリア
3勝5敗
2 25 22 25 15 9

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

若手中心のイタリアとの対戦。序盤、李博選手、小野寺太志選手のクイック、オポジットに入った大塚達宣選手がスパイクを決めるも、サイドアウトの取り合いで6-6と競った。イタリアに連続得点され6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、日本の攻撃がイタリアの高さのあるブロックにかかって切り返され7-11となり、日本がタイムアウトを取った。切り返しから李選手が決めて10-13とするが、イタリアのサービスエース、日本のスパイクミスなどで連続失点し10-16と離され、2回目のテクニカルタイムアウト。ディフェンスが堅いイタリアにリズムを崩され、11-18となったところで日本が2回目のタイムアウトを取った。12-19で清水邦広選手、関田誠大選手を2枚替えで投入。小野寺選手のサービスエース、ラリーから髙橋藍選手がパイプ攻撃を決め、16-20としたところでイタリアがタイムアウトを取った。石川祐希選手が相手コートに押し込んで18-21としたところで、大塚選手、藤井直伸選手を戻した。ここから攻勢をかけたい日本だったが、連続得点のチャンスをものにできず、21-25で第1セットを落とした。

第2セット

小野寺選手に代えて髙橋健太郎選手を起用。ディフェンス面で粘りを見せたい。序盤は互いに崩れながらもサイドアウトを取り合った。李選手のサーブで崩し連続得点を取り、8-5で1回目のテクニカルタイムアウト。大塚選手のバックアタック、石川選手の1枚ブロックで連続得点を挙げて12-9とした後は、サイドアウトの取り合いののち大塚選手がバックアタックを決め、16-15で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。相手のミス、大塚選手の得点で18-16となり、イタリアがタイムアウト。その後は髙橋藍選手の好レシーブなどディフェンス面でも日本に調子が戻り始めた。藤井選手のサーブから髙橋藍選手がパイプ攻撃を決め21-17と点差を広げると、イタリアのタイムアウト後にサービスエースを取られ21-19と追い上げられたが。しかし、石川選手のパイプ攻撃で23-21、さらに李選手のサーブから切り返しを石川選手が決めてセットポイントを握ると、最後は髙橋藍選手がフェイントをうまく落として、25-22でセットを取り返した。

第3セット

髙橋健太郎選手を小野寺選手に戻してスタート。イタリアの粘り強いディフェンスに手こずるが、李選手のクイック、大塚選手のサービスエース、小野寺選手のネット際の好プレーなどで序盤は互角に戦い、7-8で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。髙橋藍選手のサーブから小野寺選手の会心のブロック、大塚選手のバックアタックで10-9。藤井選手のツーアタック、李選手のクイックなどで得点するも、コンビネーションミスなどで連続得点を許し、14-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、清水選手、関田選手を2枚替えで投入。サーブで崩されながらも石川選手が決めて16-18、さらにラリーから清水選手が決めて17-18と1点差に迫った。しかし、競り合いをイタリアに取られ17-20と引き離されると、日本はタイムアウトを要求。その後、清水選手のサービスエースで追い上げたが、ラリーから得点に繋げたい場面で石川選手が高いブロックに阻まれるなど連続失点し、19-22で日本が2回目のタイムアウトを取った。20-22の場面で髙橋藍選手に代えて高梨健太選手を投入。イタリアにミスが出て22-23と追い上げたが、最後はブロックに阻まれ22-25で第3セットを落とした。

第4セット

小野寺選手を山内晶大選手に代えてスタート。後がない日本だったが、序盤から痛いミスが出ると、さらにサービスエースを取られ2-5とリードを許し、タイムアウトを取った。その後、大塚選手がフロント、バックからのスパイク、髙橋藍選手のサービスエースで徐々に追い上げ、7-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。テクニカルタイムアウト明け、イタリアのミスなどで9-8と逆転して日本が反撃の流れを作ると、山内選手のクイック、ラリーから髙橋藍選手のパイプ攻撃を決めた。さらに石川選手のフェイントが決まって12-9となり、イタリアがタイムアウトを取った。見応えのあるラリーから石川選手がブロックを決め13-11、石川選手の好レシーブから大塚選手がフェイントを決め、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。テクニカルタイムアウト明けも山内選手のサーブから大塚選手のブロック、髙橋藍選手がネット際のボールを押し込むなど、3連続得点で19-12と点差を広げた。イタリアのタイムアウト後、藤井選手と李選手のコンビネーションが決まり、20-13で終盤に突入した。清水選手、関田選手を2枚替えでコートに送り出すと、清水選手がレフトからの一打を決めて21-14。さらにラリーから石川選手のブロックアウト、髙橋藍手のサービスエースなどで流れを引き寄せた日本が、25-15で第4セットを取ってフルセットに持ち込んだ。

第5セット

第4セットの勢いのまま勝ちに行きたい日本は、前セットと同じメンバーでスタート。ラリーから山内選手のブロック、スパイクで得点すると、難しいボールを藤井選手がしっかりと上げ、それを髙橋藍選手が決めて4-2。さらに山内選手のレシーブから再び髙橋藍選手が決め6-3とした。さらにここでも藤井選手の巧みなトス捌きから李選手がクイックを決めて8-4として後半へ。イタリアのタイムアウト後、勢いを絶やさずに行きたい日本だったが、サーブとスパイクにミスが出て失点し、8-6でタイムアウトを要求。9-7の場面で清水選手、関田選手を2枚替えでコートに送り出したあとは、石川選手が決めて10-7。さらに髙橋藍選手のサービスエースで11-7となりイタリアがタイムアウトを取った。終盤、髙橋藍選手のパイプ攻撃で12-7、李選手のサービスエースでマッチポイントを握ると、最後は石川選手が決めて15-9。本大会3回目のフルセット勝利をおさめた。

前半はイタリアの粘り強いディフェンスに苦しめられたが、日本は徐々に自分たちの攻守のリズムを取り戻し、後半は主導権を握りながら試合を進めることができた。この試合で大塚選手がオポジットのポジションを最後まで務めきれたことは本人、チームにとっても収穫であった。競り合いの試合に勝利することがチーム力の向上、自信にも繋がっていく。試合を経験することによって見えてくる課題も整理しながら、次の試合に臨むようにしたい。

【コメント】
李博選手

「この3試合(オーストラリア、イタリア、アルゼンチン)は絶対勝利すると、ミーティングで話があった。まず2連勝できたことは、率直にほっとしている。フルセットで勝ち切れたことは大きい。本大会3試合目のフルセット勝ちで、劣勢に立たされても最後まで集中力を保ち、最後の1点を取り切れていることにチームとしての成長を感じる」

6月9日 日本×オーストラリア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
4勝3敗
3 25 21 28 26
オーストラリア
7敗
1 18 25 26 24

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

同じアジアのチームとして負けられないオーストラリアとの試合。序盤、清水邦広選手のバックアタック、髙橋藍選手のパイプ攻撃が決まったが、互いにサイドアウトの取り合いとなり7-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。直後に連続得点でリードを許すが、清水選手が要所で得点すると、石川祐希選手もラリーからプッシュで決めて、16-14と日本のリードで2回目のテクニカルタイムアウトとなった。李博選手の目の覚めるようなBクイック、髙橋藍選手のレフトからのスパイク、清水選手のサービスエースで21-17とリードし、オーストラリアがタイムアウトを要求。タイムアウト明けも日本が得点を重ね23-17と引き離せば、たまらずオーストラリアが2回目のタイムアウトを取った。大竹壱青選手、関田誠大選手を2枚替えで投入すると、大竹選手がレフトからスパイクで得点しセットポイント。最後は髙橋藍選手がラリーからパイプ攻撃を決め、危なげない試合運びで25-18とし、日本が第1セットを取った。

第2セット

前セットと同じメンバーでスタート。序盤から李選手のクイックとブロック、ラリーから髙橋藍選手がスパイクを決め、連続得点でリードを広げた。髙橋藍選手のサービスエースで8-4と大きくリードして1回目のテクニカルタイムアウトとなったが、オーストラリアの高いブロックに捕まるとミスから連続失点し9-8と追い上げられた。その後は互いに得点を重ねるが、コンビネーションミスで12-12と並ばれ、日本がタイムアウトを要求。髙橋藍選手のブロック、ラリーからの得点で、16-14で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。大竹選手、関田選手の2枚替えから流れを引き寄せたいところだが、オーストラリアも譲らず一進一退の攻防が続き20-20で終盤へ。1つ抜けたいところでラリーを切り返され、21-23となったところで日本がタイムアウトを取った。しかし、最後もスパイクミスを出してしまい、21-25で第2セットを落とした。

第3セット

前セットと同じメンバーでスタート。序盤に石川選手のサーブからラリーを清水選手が決め3-1、相手のミスも重なり、5-2でオーストラリアがタイムアウトを要求。小野寺太志選手、藤井直伸選手のブロック、清水選手のバックアタックが決まり、日本が8-5で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。その後も小野寺選手、李選手のクイック、清水選手がライトから決めて12-9とすると、オーストラリアにサービスエースなどで追い上げられるが、石川選手がラリーから得点して16-14と日本のリードで2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。李選手が狙い澄ましたブロックで相手クイックを仕留めて17-14、勢いに乗った李選手が再びブロックを決めて19-15とし、オーストラリアがタイムアウトを取った。タイムアウト直後、相手の高いブロックにかかり連続失点し、19-17で日本がタイムアウトを要求。清水選手が決めてオーストラリアの連続得点を止めると、20-18で終盤に突入した。李選手のサービスエースで21-18と一歩抜けるも、攻撃が相手のブロックにかかり切り返され、21-21で日本が再びタイムアウトを取った。またもや終盤に1点を争う展開となり、デュースに突入すると、李選手のクイックで27-26。最後は石川選手がラリーからパイプ攻撃を決め、28-26で第3セットを取った。

第4セット

前セットから髙橋藍選手を高梨健太選手に代えてスタート。石川選手のサービスエース、相手のミスから5-3とリードすると、高梨選手がネット際で粘りラリーをものにし6-4とした。後がないオーストラリアにブロックの高さを生かしてワンタッチを取られると、連続得点を許し7-8の1点ビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。さらにオーストラリアに連続得点を許し、9-11で日本がタイムアウトを要求。タイムアウト明けも痛いミスが続き、11-14と点差を詰められず、小野寺選手のクイックが決まるも、13-16で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。ラリーを石川選手が押し込み、テクニカルタイムアウト明けにコートに戻った清水選手がブロックを決め16-17と追い上げると、今度はオーストラリアがタイムアウト。さらに清水選手がレフトからの1打、小野寺選手がクイックを決め19-20の1点差で終盤へ。オーストラリアのミスで追いつくも、ラリーを取られ20-22で日本がタイムアウトを取った。その後、高梨選手がレフトから決め1点差、さらにラリーを石川選手が決めきり22-22と追い付いた。李選手のクイックでこのセットもデュースに持ち込むと、ラリーから石川選手が決めて25-24となり、オーストラリアがタイムアウトを要求。ラリーで粘ると最後は石川選手が決めきり、26-24で第4セットを奪取、本大会4勝目を挙げた。

負けられない試合を落とさず勝ち切れたことはよかったが、内容としてはまだ満足できるものではなかったように思う。これから強豪チームに勝つために、一人ひとりがプレーの幅を広げる工夫をし、考えながらプレーすることが必要と考える。試合でしか経験できないことをしっかり学び、レベルアップしてもらいたい。

【コメント】
藤井直伸選手

「厳しい試合だったが、チーム全体で勝ち切れたことはよかった。まだ細かいプレーの精度が低いと思うので、そこを突き詰めていきたい。チームとしてサイドアウトを意識しており、しっかり取れている時はよかった。ネーションズリーグも3週目に入った。(コンディションの調整は)若手もいればベテランもいるので難しいところもある。チーム全体としてはファイティングスピリットを出していくことを試合前から話していたので、しっかり出せていた部分もあったと思う」

6月5日 日本×フランス 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
3勝3敗
2 25 22 26 21 11
フランス
5勝1敗
3 21 25 24 25 15

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

ディフェンスのいいフランスを相手に、粘り負けしないことが勝利への鍵となるこの試合。序盤はラリーから石川祐希選手の絶妙なトスを清水邦広選手が決めて連続得点を挙げるなど、5-2と走った。さらに石川選手がレフトから豪快に決め8-5で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。その後、石川選手がブロックを決めて3連続得点とするも、チームフォルトとサーブで崩され連続失点。10-10と並ばれ、日本がタイムアウトを取った。タイムアウト後は、好調な山内晶大選手のクイック、小野寺太志選手のブロックとクイック、清水選手のブロックで15-11と大きくリードを奪うと、フランスがタイムアウトを取った。石川選手のパイプ攻撃で16-12となり2回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、連続失点で17-16と追い上げられるも、石川選手のレフトからのスパイク、小野寺選手のサービスエースで19-16と再びフランスを引き離した。終盤は石川選手のフェイントが決まり20-17、さらに山内選手と小野寺選手のクイックが決まり23-20。リベロ・山本智大選手のレシーブから繋ぎ、小野寺選手が押し込みセットポイントを握ると、最後も小野寺選手がしっかりと決め、25-21で第1セットを取った。

第2セット

前セットと同じメンバーでスタート。序盤、髙橋藍選手、清水選手のスパイク、石川選手のサービスエースで得点するも、互いにディフェンス面で粘りを見せ、7-8の僅差で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。フランスにサーブで崩され、ブロックにかかり7-10とリードを許すが、山内選手のサーブからフランスのスパイクミスで10-10と並んだ。しかし、フランスの堅いディフェンスからの切り返しに連続失点を喫し10-14と引き離され、日本はタイムアウトを要求。タイムアウト明けには大塚達宣選手、関田誠大選手を2枚替えで投入した。12-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、髙橋藍選手のパイプ攻撃、清水選手のレフトからのスパイクなどでサイドアウトを取った。しかし連続得点が奪えず16-20と4点差のままで終盤に突入すると、髙橋藍選手のブロック、石川選手のパイプ攻撃で18-22、さらに髙橋藍選手のサーブの切り返しから小野寺選手のクイック、山本選手の好レシーブを石川選手がそのまま打ち切り20-22と追い上げた。しかし追い上げはここまでとなり、22-25で第2セットはフランスに逃げ切られた。

第3セット

スタートから山内選手に替えて髙橋健太郎選手を起用。小野寺選手のクイック、サービスエースで好スタートを切った。清水選手のスパイク、石川選手のパイプ攻撃で5-3とした後は、互いに点を取り合い8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。10-9で髙橋藍選手に替えて高梨健太選手を投入。石川選手のこの試合2本目のサービスエース、髙橋健太郎選手のブロック、さらにラリーから清水選手が決めて連続得点を挙げた。13-9と引き離したところでフランスがタイムアウトを要求。その後も清水選手のサーブから小野寺選手が相手クイックを狙い澄ましてブロックするなど流れは渡さず、16-11で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。髙橋健太郎選手の好カバーから石川選手が決め、20-14で終盤に突入すると、髙橋藍選手の見事なブロックで22-15と大差がつき、フランスが2回目のタイムアウトを取った。フランスにラリーを取られて連続得点を許すと、23-18で今後は日本のタイムアウト。しかし、サイドアウトを奪えぬままフランスが得点を重ね、23-20で日本が2回目のタイムアウトを取った。勢いのあるフランスにデュースまで追い込まれたが、清水選手の意地のスパイクとサービスエースが決まり、26-24で逃げ切った。

第4セット

スタートから髙橋藍選手に替えて高梨選手を投入。またセッターは藤井直伸選手に代わり関田選手が起用された。高梨選手のサーブからディフェンスで粘り、相手のミスで最初の得点を奪うと、ラリーを高梨選手がバックから打ち抜くなど、5-2とリードした。サイドアウトの応酬から清水選手がしっかりと決め8-6でテクニカルタイムアウトを迎えたが、サーブで崩され連続失点を喫し8-8、さらに攻め込まれ10-11と逆転を許した。セッターを関田選手から藤井選手に戻した後は、高梨選手がサーブで崩されながらも自らスパイクを決め13-14、さらに髙橋健太郎選手のサーブ時にラリーから清水選手が決めて14-14で中盤へ。2回目のテクニカルタイムアウトを15-16でフランスに取られると、高梨選手の得点で流れを切るも、サービスエースを取られて16-19となり、日本がタイムアウトを取った。17-20から日本にミスが続き、18-22とフランスリードのまま終盤へ。日本のタイムアウト後、清水選手に替わって入った大塚選手がスパイクを決めたが、21-25でフランスに押し切られ、フルセットへ持ち込まれた。

第5セット

スタートから清水選手に替えて大塚選手を起用。石川選手がレフトからスパイクを決めるが、フランスにブロック、サービスエースを取られ、2-5で日本が1回目のタイムアウトを取った。流れを引き寄せたい日本だが、タイムアウト明けにもサービスエースを取られるなど、3-7と引き離された。高梨選手の得点で6-9とすると、清水選手、関田選手を2枚替えで投入。ラッキーなレシーブを石川選手が決めて7-9、さらに山本選手の好レシーブから再び石川選手が決めて8-9と1点差に迫った。フランスのタイムアウト後、清水選手が決めて9-10としたが、連続してサーブで崩され9-13と大きくリードされ、日本が2回目のタイムアウトを取った。10-14でフランスにマッチポイントを握られると、1点を返すも11-15で第5セットを落とした。

勝つ流れがあったにも関わらず、取り切れなかった悔しい敗戦となった。日本としては、大事な局面にサーブで崩されるパターンを1番避けたいところだった。3連勝の後の3連敗となったが、伸びしろの多いチームなので、常に課題を持ちながら取り組んでいきたい。

【コメント】
小野寺太志選手

「サーブでもっと相手を崩せればよかったが、逆に向こうのサーブにこちらが崩されてしまった。その差が大きく出た。フランスはレシーブもサーブも巧い選手が多いので、それに負けじと僕らもレシーブやサーブで戦わなければいけなかった。この差をもっと埋めなければならない。終盤、サーブの1本の重要さを学んだ。最後までサーブの精度が高かったのはフランスで、僕らは後半、サーブの勢いがなくなってしまったので、そこは反省すべき点だと思う」

6月4日 日本×ブラジル 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
3勝2敗
0 20 16 20
ブラジル
4勝1敗
3 25 25 25

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

世界ランキング1位のブラジルとの対戦。前日の試合で初黒星を喫したチーム同士の対戦となった。石川祐希選手がサーブで崩し、高梨健太選手がダイレクトを決めて両チーム初得点。さらに高梨選手が3枚ブロックを相手に打ち抜くなど、ブラジルを相手に互角の滑り出しで6-5とした。ラリーを清水邦広選手が決めきり8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた後は、コンビネーションミスが続き、連続失点から10-11と逆転され日本がタイムアウトを取った。サーブで崩されながらもセッター・藤井直伸選手がうまくトスを散らすが、ブラジルのイオアンディ・レアル選手に連続サービスエースを決められて13-16で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。その後もサーブで崩され17-20で終盤に突入すると、清水選手のスパイクなどで応戦するも、ブラジルの安定した強力なサーブに最後まで苦しめられ、20-25で第1セットを落とした。

第2セット

リベロを山本智大選手から小川智大選手に替えてスタート。ブラジルのサーブにどう対応し、サイドアウトを取るかが鍵となる。立ち上がりに高梨選手のスパイク、ラリーから清水選手のスパイクが決まるが、ブラジルの安定したサーブに崩され連続失点し、3-6で日本がタイムアウトを取った。李博選手、石川選手の連続ブロック、清水選手のスパイクで5-6と追い上げたが、レアル選手のサービスエースなどで失点し、5-8で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。ブラジルのサーブに苦戦し、また早いテンポの攻撃に対応しきれず11-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、テクニカルタイムアウト明けにサービスエースを取られ12-19で2回目のタイムアウトを取った。終盤もブラジルの隙のない攻守に終始圧倒され、16-25で第2セットを失った。

第3セット

藤井選手を大宅真樹選手、石川選手を福澤達哉選手、清水選手を大塚達宣選手に替えてスタート。気持ちを切り替えて臨みたいところだが、序盤からブラジルの勢いは止まらない。福澤選手、高梨選手がスパイクを決めるが、3-6で日本がタイムアウトを取った。4-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、山内晶大選手のサービスエースで6-8と追い上げた。しかし、日本が巻き返したいところでブラジルに強力サーブで揺さぶられ、点差を広げられる悪いパターンが続き、8-16で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。李選手のブロックを皮切りに、大塚選手のサービスエース、山内選手のブロックで連続得点し12-17。さらに山内選手がスパイク、ブロックで気を吐き15-19。大塚選手がレフトからインナーにスパイクを決め17-21と徐々に追い上げると、福澤選手もスパイクを決めてリズムを取り戻したが、序盤の点差を追い上げ切れず、20-25で第3セットを落とした。

王者ブラジルに安定した強力なサーブから終始ペースを握られ、思うような試合運びができなかった。終盤の李選手、山内選手のスパイク、ブロックはこの試合の見せ場ではあった。全体を通して、ブラジルの局面での勝負の駆け引き、テクニックを日本は大いに見習いたい。

【コメント】
キャプテン・石川祐希選手

「1セット目は非常にいい入りができたが、ブラジルの強烈なサーブに対してサーブレシーブで対応することができなかった。そこは1つの課題として、次の試合に臨まなければいけない。ブラジルはサーブが走っていた。僕たちはディフェンスがいいチームでないといけないと思っているが、それ以上にブラジルがディフェンスで僕たちのスパイクを拾っていたので、そこでも負けてしまったことが敗因の1つかなと思う。明日のフランスも強豪国で、僕たちと同じようにディフェンスがよく、スパイク、フェイント、プッシュなどいろいろな攻撃を仕掛けてくるチームなので、そういうチームに対してはレセプションで対応し、ディフェンスでまず流れを作りたい」

6月3日 日本×セルビア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
3勝1敗
1 25 23 22 13
セルビア
3勝1敗
3 18 25 25 25

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

藤井直伸選手のサーブからの切り返しを山内晶大選手が決めてスタート。序盤は高梨健太選手が落とさずにつなげ、清水邦広選手、山内選手が決めるなど得点を重ねると、髙橋藍選手がラリーからパイプ攻撃を決めて8-5でテクニカルタイムアウトを迎えた。ディフェンスで粘り、清水選手がラリーを決めると、藤井選手がサービスエースを取り、11-7でセルビアがタイムアウトを取った。さらに小野寺太志選手の狙い澄ましたブロックが決まり14-10。大竹壱青選手、関田誠大選手を2枚替えで投入すると、ラリーから大竹選手のフェイントなどで連続得点し、19-14でセルビアが2回目のタイムアウトを取った。終盤、髙橋藍選手のレフトからのスパイクが決まり20-15、ボールを落とさず清水選手が決めきり22-16とリードを広げた。髙橋藍選手のサーブでセルビアを崩し、清水選手が押し込み23-16とすると、セルビアにリードを許すことなく25-18と危なげない試合運びでセットを先取した。

第2セット

前セットと同じメンバーでスタート。序盤、髙橋藍選手のライトからのスパイクが決まるが、セルビアに巧いブロック、サーブで崩され2-4とリードされる。高梨選手が思い切りのいいスパイクで5-6、小野寺選手のサーブから藤井選手がダイレクトを決め7-7と同点に追い付くも、セルビアにスパイク、サービスエースを決められ、7-9と再び離された。清水選手のレフトからのスパイク、藤井選手の巧みなトス捌きから山内選手、小野寺選手のクイックが決まり11-12となるが、立て続けに連続得点を許し12-16で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。その後はサイドアウトを奪い合う展開で、点差が縮まらないまま17-20で終盤へ。大竹選手、関田選手を2枚替えで投入すると、今日も好調な大竹選手がラリーから連続得点を決めて22-23と1点差に迫った。セットポイントを取られてもなお粘り、1点を返して23-24でセルビアにタイムアウトを取らせたが、あと一歩及ばず23-25で第2セットを落とした。

第3セット

第1、2セットと同じメンバーでスタート。切り替えて臨みたい日本は藤井選手、山内選手のブロックが出るが、徐々にセルビアに押され気味になり、5-8で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。6-10と点差を狭められず日本はタイムアウトを要求し、大竹選手、関田選手を2枚替えで投入。ラリーから高梨選手が押し込み8-11としたのち、髙橋藍選手に替えて大塚達宣選手を投入すると、大塚選手がすぐさまブロックを決め9-12とした。11-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、クイックを軸に的を絞らせない攻撃を展開するセルビアに苦戦しながらも、高梨選手がサーブ、レシーブ、スパイクで活躍を見せ、15-18と追い上げた。その後、山内選手に代えて髙橋健太郎選手を投入。小野寺選手のサーブからの切り返しを大塚選手が決めて、17-19と2点差まで迫った。終盤、大竹選手のバックアタックなどで20-22とするとセルビアがタイムアウトを要求。追い上げをかけたい日本だったが、大塚選手のパイプ攻撃がブロックにかかり20-24でセルビアのセットポイントとなり、小野寺選手のブロックで一矢報いるが、22-25で第3セットを落とした。

第4セット

清水選手に代えて大竹選手、山内選手に代えて髙橋健太郎選手、髙橋藍選手に代えて大塚選手をスタートから起用。後がない日本は大竹選手がバックアタック、大塚選手がブロックを決め2-1。立て続けに連続失点を喫したものの、気を吐いた高梨選手が連続失点を止め、6-6とした。大竹選手のサービスエースが出ると、8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。小野寺選手のクイックで10-10とするが、日本はセルビアの粘り強いブロックにストレスがかかり攻撃のリズムが崩れ、10-12でタイムアウトを取った。攻撃が機能せぬまま3連続失点を喫し、11-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎える。その後も攻守において主導権を握るセルビアに12-19と引き離され、日本が2回目のタイムアウトを取った。攻撃が単調になった日本はサイドアウトが取れず、12-22まで点差を広げられた。髙橋藍選手がパイプ攻撃を決めるも、最後もブロックに捕まり13-25で敗戦した。

1セット目は本大会第1週の良いイメージでプレーができていたが、2セット目以降は、セルビアのテクニックに翻弄され、後半に行くにつれて機能不全の状態になってしまった。まさにこういう内容の試合が、今後の成長への課題抽出の場となる。劣勢時の立て直しなど、いろいろな課題が出たことをしっかり受け止め、次への糧にしたい。

【コメント】
中垣内祐一監督

「我々のオフェンスが単調だった。フリーボールが多数あったが、セッターへ返すことができなかった。我々は若いチームで、経験豊富な選手を多数擁するセルビアとの経験の差が最終的な結果に繋がったように思う。3日間の休息期間中にコンディションを落とした選手がいたので、彼らを回復させ、気持ちを切り替えて次の試合に集中したい」

清水邦広選手

「セルビアのサーブがよく、そこからサイドアウトが取れなくて日本の勝ちパターンに持っていくことができなかった。セルビアのアウトサイドヒッター、特に2番の選手(ウロシュ・コバチェビッチ選手)に対するディフェンスができなかった。セルビアのパイプ攻撃を消すサーブを打ち、サイドを使わせるという戦術にはまってしまったので、レフト、パイプ、ミドル、ライトと、枚数を増やすことが大事だと思う」

5月30日 日本×ロシア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
3勝
3 28 26 20 25 16
ロシア
2勝1敗
2 26 28 25 21 14

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

ネーションズリーグ初出場の福澤達哉選手、李博選手、リベロ・小川智大選手がスタメン出場。序盤はお互い譲らず、サイドアウトの取り合いとなり、日本は福澤選手の得点などでロシアに応戦した。ラリーから高梨健太選手のスパイクが決まり7-5。李選手のクイックで8-7と1回目のテクニカルタイムアウトを取った。その後もセッター・関田誠大選手が積極的に髙橋健太郎選手のクイックを使うなど得点を重ねるが、ロシアの高いブロックにプレッシャーをかけられ連続失点し、11-13と逆転を許したところで日本のタイムアウト。その後、高橋健太郎選手のサーブで崩し、高梨選手のスパイクが決まり13-14と追い上げたが、不運なネットインサービスエースを取られ、13-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、再びサービスエースを決められ13-17と離されたが、大塚達宣選手が相手の高いブロックを利用してスパイクを決めると、16-19から高梨選手のスパイク、ロシアのミスなどで連続得点し、18-19でロシアがタイムアウトを取った。高梨選手の豪快なパイプ攻撃、ロシアのミスで20-20の同点に追い付くと、2枚替えで投入された大竹壱青選手のレフトからのスパイク、ラリーを決める一打などで23-23。サーブミスで先にロシアがセットポイントを取ったが、日本は大塚選手のブロックアウトを取るスパイクでデュースに持ち込むと、李選手のサーブで崩したところを高橋健太郎選手が押し込み26-25と逆転に成功。ロシアのタイムアウト明け、大塚選手のサーブでロシアを崩し、昨日から好調の高橋健太郎選手がクイックを決めて、28-26で第1セットを先取した。

第2セット

第1セットと同じメンバーでスタート。前セットを競り合いの末に取った日本は、勢いに乗り関田選手のサービスエース、李選手のクイックで連続得点し3-0とリード。さらに李選手のブロック、福澤選手のスパイクで5-2とした。その後、ラリーの末に高梨選手の絶妙なフェイクトスを福澤選手が決めるなど8-5で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。福澤選手のパイプ攻撃、ラリーからのスパイクで12-10と一歩リードするも、リズムを取り戻したロシアに4連続得点で12-14と逆転を許した。日本は大竹選手、大宅真樹選手を2枚替えで投入。14-16でテクニカルタイムアウトを迎えてからは、高梨選手、大竹選手のスパイクで18-19と1点差に迫る。終盤は高梨選手のパイプ攻撃、ピンチサーバーの高橋藍選手のサーブからロシアのミスを誘うと、高梨選手がラリーを決めきり23-22と一時逆転、さらに高梨選手が再びラリーを決めきりセットポイントを取るが、デュースに持ち込まれると、エゴール・クリュカ選手にサービスエースを決められ24-25で日本がタイムアウトを要求。お互い点の取り合いとなるが、最後はマキシム・ミハイロフ選手にスパイク、サービスエースを決められて26-28で第2セットを落とした。

第3セット

第2セットと同じメンバーでスタート。前セットから気持ち切り替えて入りたいところだが、ロシアを相手に高さで真っ向勝負しブロックされ、1-3で日本のタイムアウト。ミハイロフ選手にサービスエースを取られるが、福澤選手がスパイクでサイドアウトを取り2-5と食い下がる。リベロ・小川智大選手が安定したプレーでサーブレシーブ、ディフェンスを引っ張るも、ブロックの高さでロシアにプレッシャーをかけられ、2-8で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。大塚選手と交代した大竹選手のサービスエース、福澤選手のレフトからのスパイクで5-10、大竹選手のスパイク、高梨選手の技ありのブロックアウトで9-12と徐々に点差を詰める。李選手のサービスエースで12-14と2点差に迫るが、ヤロスラフ・ポドレスニフ選手のサーブで崩され連続失点を喫し、12-16と再びリードを広げられ2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。日本は李選手のクイック、ダイレクト攻撃で17-20と追い上げると、さらに李選手のクイック、福澤選手のレフトからのスパイクで応戦したが、前半についた得点差を縮められず、20-25で第3セットを落とした。

第4セット

スタートからセッターに大宅選手、オポジットに大竹選手を起用。ロシアのブロックのプレッシャーに押されスパイクを決めきれず、1-3とリードを許したが、福澤選手がサーブからラリーを取るなど連続得点で3-3。粘り強いディフェンスから大竹選手が決めて6-5とし、一時リードに成功したものの、スパイクを阻まれ連続失点で6-8となり1回目のテクニカルタイムアウトとなった。その後は大竹選手のバックアタック、福澤選手のサーブから高橋健太郎選手のダイレクト攻撃で8-9、高梨選手のレフトからのスパイク、大竹選手のフェイント、ブロックで12-13としたが、ロシアに連続得点を許して13-16で2回目のテクニカルタイムアウトもロシアが取った。直後に高橋健太郎選手がクイック、大竹選手がレシーブから自らバックアタックを決め15-16と1点差に迫ると、さらに高橋健太郎選手がロシアをサーブで崩し、スパイクミスを誘って17-17と同点に追い付いた。ロシアのタイムアウト明け、大宅選手のサーブでロシアを崩し、ブロックフォローから粘り強く攻撃を仕掛けた日本。高梨選手、大竹選手のスパイクで20-18とリードし、ロシアが2回目のタイムアウトを要求した。大竹選手の1枚ブロック、大塚選手のパイプ攻撃で22-18とリードを奪うと、ロシアの強力なサーブに崩され22-20と2点差に迫られるも、勢いに乗った大竹選手のレフトからのスパイク、相手のミスで24-20とセットポイントを掴んだ。最後は大竹選手のスパイクで25-21と逃げ切り、フルセットに持ち込んだ。

第5セット

福澤選手に代わり、大塚選手がアウトサイドヒッターのポジションに入った。李選手のクイック、大宅選手のサーブで崩れたロシアのスパイクミス、大塚選手のパイプ攻撃で3-1、高梨選手の技ありのスパイク、大竹選手の1枚ブロックで5-2とリードを奪った。さらに高梨選手のパイプ攻撃、ロシアのスパイクミスで7-3と大差をつけると、ロシアがタイムアウトを要求。日本は長いラリーの末に高橋健太郎選手が相手スパイクをシャットアウトし8-4と折り返したが、スパイクミスで連続失点し8-6でタイムアウトを取った。タイムアウト明け、大竹選手が苦しい体勢から決めきり9-6としたものの、サービスエースを取られ9-8と1点差に迫られた。高橋健太郎選手のクイック、大竹選手のバックアタックで11-9、さらに大竹選手がラリーを決めきり12-10と2点差を保って終盤に突入するが、ミハイロフ選手にサーブで崩され12-12の同点に追い付かれた。それでも日本は、ラリーの末に大竹選手が決めて13-12と一歩前に出ると、高橋健太郎選手のクイックでマッチポイントを握る。その後デュースとなるが、大竹選手のフェイントが決まり再びマッチポイントを握ると、最後は大塚選手のサーブで相手を崩し、高橋藍選手がダイレクト攻撃を決め16-14。2時間49分に及んだフルセットの熱戦を制した。

今日もベンチスタートの選手が流れを変え、全員で勝利を掴んだ試合となった。チームとして、「その時コートに立っている人が日本代表のベストメンバーだと思って戦う」という方針の下、選手一人ひとりが自分の役割をしっかり果たすことができたことは評価したい。こうした経験がこれからのチームの成長に大きく繋がるはずである。3日間のインターバルでコンディションを整え、次のラウンドに備えたい。

【コメント】
ブラン・フィリップコーチ

「経験を積むためにこの大会に参加しているので、選手を誇りに思う。結果だけでなく、1点を積み重ねることが目的で、特にディフェンスとカバーにおいて自分たちのレベルを上げることに集中し、選手たちはそれを完遂した。日本の選手はロシアの選手よりも背が低い。このような強豪チームとの対戦は、特にオリンピック前の今のような時期には、我々にとって重要な経験を得られる好機だ。この大会での勝利数について、細かい目標は設定していない。最大限の経験を積み、できるだけ多くの試合に勝ち、バレーボールを楽しみたい。なぜならバレーボールを楽しむことは重要であり、今日の試合ではそれが体現できていた」

大竹壱青選手

「つなぎなどの日本らしいディフェンスが光っていた。攻撃が単調にならず、苦しい状況からカバーをもらい最後に決めるという、日本らしい、いいバレーができた。(最終セットは)先に出て勝つぞ、という気持ちで臨んだ。『まず1点、確実に取っていく』という気持ちで、全員で戦った」

5月29日 日本×オランダ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
2勝
3 22 23 25 25 15
オランダ
2敗
2 25 25 22 17 8

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

昨日のイラン戦と同じメンバーでスタート。オランダの強力なサーブに崩されず、いかに得点を重ねられるかがポイントとなる。清水邦広選手がライトから両チーム最初の得点を決めると、序盤はお互い手堅くサイドアウトの取り合いとなり、7-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。オランダにサーブで崩されながらも、要所で高橋藍選手が決め10-10、さらに小野寺太志選手のサービスエースで13-10とリードを広げた。オランダのタイムアウト明けにも小野寺選手がサービスエースを決め14-10とすると、オランダの緩いサーブに得点を許しながらも16-14で2回目のテクニカルタイムアウトとなった。その後、石川祐希選手のサーブで崩し、高橋藍選手がラリーを決め17-14。19-16の場面で大塚達宣選手、関田誠大選手を2枚替えで投入するが、オランダの強力なサーブに崩されて立て続けに連続失点し、19-18で日本がタイムアウトを要求。タイムアウト明けに高橋藍選手が決めて20-18で終盤に突入するも、切り替えしから相手エースにスパイクを決められ20-21と逆転を許し、日本が2回目のタイムアウトを取った。相手ブロックの高さを意識してスパイクミス、さらにサーブミスが出ると、22-25で第1セットを落とした。

第2セット

山内晶大選手を高橋健太郎選手に替えてスタート。ミスでの失点を無くしたいが、序盤からミスが目立ち3-5とリードを許すと、流れを自らのミスで潰し、5-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。リズムを変えたい日本は、セッターを藤井直伸選手から関田選手に交代。サーブで崩されながらも石川選手、髙橋藍選手がスパイクを決め10-12と食い下がったが、オランダの高いブロックに阻まれ、11-15でタイムアウトを取った。高橋藍選手のブロック、清水選手のサーブで崩して相手のミスを誘い、14-15の1点差に詰め寄った。徐々に日本に攻守のリズムが戻り、ラリーを石川選手が決めて16-16とすれば、オランダがタイムアウトを要求。その後は1点を争う展開となり、清水選手、高橋藍選手のスパイクで19-19とすると、高橋健太郎選手のブロック、クイックで21-20と逆転に成功した。切り返しを決められ21-22と再びオランダにリードを許すと、日本は2回目のタイムアウトを要求。タイムアウト明けはラリーの応酬となるが最後の決め手でオランダ優位の展開となる。小野寺選手のクイックで23-24まで食い下がるが、最後は押し込まれて23-25で第2セットを落とした。

第3セット

セッターを関田選手から藤井選手に戻してスタート。後がない日本はミスなく得点したいが、序盤からオランダの勢いは止まらない。サーブから攻められると2-5とリードを許し、タイムアウトを取った。その後もリズムに乗れず、攻守に精彩を欠くと、4-8で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。その後、石川選手が苦しい状況から決めると、高橋健太郎選手のブロックポイント、相手のミスも出て9-9の同点に追い付いた。11-10と逆転したところでオランダがタイムアウトを要求、その後は1点を争う攻防となった。切り返しから大塚選手が決めて16-14で2回目のテクニカルタイムアウト。その後、崩されながら石川選手が決めると、髙橋藍選手もブロックアウトを取って20-19で終盤へ。石川選手のパイプ攻撃を阻まれ20-21と逆転を許すも、タイムアウト明け21-21の場面で、切り返しから石川選手が技ありのフェイント、ブロックを決め23-21。さらにブロックタッチから石川選手がフェイントを決め24-22とセットポイントを握ると、最後は相手のサーブミスでセットを取り返した。

第4セット

立ち上がりからオポジットに大塚選手を起用。セットを取り勢いが出てきた日本は、序盤に高橋藍選手がパイプ攻撃、苦しい体勢からブロックアウトを決めるなど、チームとしても回り始めた。サイドアウトの応酬となった序盤は、ラリーから高橋健太郎選手のクイック、大塚選手のレフトからのスパイクも決まり、7-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。直後にサービスエースを取られるが、高橋藍選手が決め8-9、さらに山本智大選手の好レシーブで上がったボールを、高橋藍選手が相手ブロックをよく見てコートに落とし10-10の同点に。その後、高橋藍選手のサーブでオランダを崩すと、相手のミス、山本選手の好レシーブから石川選手が押し込み13-11となった。オランダのタイムアウト明けに大塚選手がバックアタックを決めると、相手のミスで15-11、さらに大塚選手の力強いバックアタックで16-12とし、2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。終盤は日本の攻守のリズムが完全に戻り、石川選手のサーブ時に連続得点を奪い大きくリード。25-17で第4セットを取り、最終セットへ。

第5セット

第4セットと同じメンバーでスタートすると、小野寺選手のクイック、高橋健太郎選手、関田誠大選手のブロック、相手のミスで4連続得点となり、たまらずオランダがタイムアウトを要求した。石川選手のレフトからのスパイク、関田選手のサーブで崩したところを高橋健太郎選手がダイレクト、さらに高橋藍選手のパイプ攻撃で7-1と大差をつけたところで、オランダが2回目のタイムアウトを取った。その後も着実に得点を重ね、10-4で終盤へ。相手のミス、石川選手のスパイクが決まり、危なげない展開に持ち込むと、大塚選手が決めてマッチポイントとなり、最後はオランダのサーブミスで逆転勝利を飾った。

今日はベンチスタートの関田選手、高橋健太郎選手、大塚選手がチームの流れを変える仕事をし、逆転勝利の立役者となった。男子日本代表チームは今までやってきた練習を実戦で試し、また戦術のオプションも確認しながら試合を進めることができている。この長丁場でハードスケジュール、また新型コロナウイルス対策もあり非常にストレスのかかる大会ではあるが、チームの成長の場として一戦一戦全員で戦っていきたいと思う。

【コメント】
髙橋藍選手

「1、2セット目を取られたことは、自分たちにとってメンタル的に厳しいことだったが、『自分たちがやることは、セットごとに自分たちがやってきたことを出し切ること。それがすべて』と石川(祐希)キャプテンも言っていた。その言葉を信じて、今までやってきたことを出せたことがこの勝利に繋がった。フルセットで勝ったことはいい経験となった。明日は1セット目から自分たちのやってきたことを出し切って、3セットで勝ち切ることを目標にして頑張りたい」

5月28日 日本×イラン 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
1勝
3 25 25 26
イラン
1敗
0 19 22 24

【第1セットのスタメン】

【戦評】

第1セット

イランは主力セッターのミルサイード・マルーフラクラニ選手が欠場し、それに日本がどう対応していくかがポイントとなった。立ち上がり、髙橋藍選手がプッシュで日本チームの初得点を挙げると、相手のミス、清水邦広選手のバックアタックなどで5-3とリード。お互い得点を重ね8-6で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。山内晶大選手のクイックや、清水選手のラリーからの得点で10-7となり、滑り出しは日本ペースの展開となった。さらにセッター・藤井直伸選手が、持ち味のトスワークからクイックなど多彩な攻撃を仕掛けて14-9。さらに髙橋藍選手がサーブでイランを崩し、自らのパイプ攻撃で16-10として2回目のテクニカルタイムアウトを取った。その後、リベロ・山本智大選手が好レシーブを見せると、石川祐希選手のフェイント、山内選手のブロックが決まり20-13で終盤へ。清水選手が崩れた体勢から決めきり22-15となったところでイランがタイムアウトを要求。大塚達宣選手、関田誠大選手を2枚替えで投入後、石川選手が決め24-18でセットポイントを取ると、最後はイランのサーブミスで25-19。第1セットを先取した。

第2セット

山内選手のクイック、髙橋藍選手のサービスエースで5-2となるが、イランにスパイクを3回連続でシャットアウトされ5-5と並ばれる。石川選手が厳しい体勢から決めきり6-5とすると、そこから石川選手、山内選手の連続ブロックで、8-5で1回目のテクニカルタイムアウトを取った。山本選手の好レシーブや、山内選手のブロックもあり11-7としたが、イランも徐々に攻撃のリズムが出始め、ラリーを取られるなど12-10と迫られる。その後もお互い粘り、ラリーの応酬となると、髙橋藍選手のスパイクなどで14-11とリードを守ったが、攻守が冴えるイランに4連続得点を許し、15-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。大塚選手、関田選手の2枚替えの後、石川選手がラリーを決めきり同点。さらに大塚選手がバックアタックを決めて本大会初得点を挙げた。互いに譲らず、20-20の同点で終盤に突入すると、ラリーから大塚選手が決めて21-20、タイムアウト明けに山本選手のレシーブから再び大塚選手が決めて22-20。イランに1点取られた後、サーブで崩されながらも再度大塚選手が決めきり23-21とすると、イランがたまらず2回目のタイムアウトを取った。その後、山本選手のレシーブから髙橋藍選手のパイプ攻撃で24-21とセットポイントを迎えると、最後はイランのサーブミスで25-22となり、セットを連取した。

第3セット

清水選手に代わり大塚選手がスタートから出場。前セットまでの勢いを切らさずいきたいところだが、序盤は後がないイランに押されると、ミスも重なり2-6となり、日本はタイムアウトを要求。調子が出てきた大塚選手がバックアタック、石川選手がラリーからブロックアウトを取り5-7とするも、日本にミスが目立ち再び6-11と離された。しかし、踏ん張りどころで髙橋藍選手がブロックで押し込むと、石川選手のサービスエースで9-11と追い上げ、イランがタイムアウトを要求。その後、山本選手の連続レシーブから大塚選手が決めきり13-14とすると、徐々に日本に流れが来て、ブロックフォローでも粘りを見せた髙橋藍選手のスパイクとサービスエースで15-15と追い付いた。イランのディフェンスの粘りに手こずるも、日本も粘り負けせず石川選手がブロック、ラリーから髙橋藍選手がパイプ攻撃、さらに石川選手がスパイクを決めて20-18と逆転に成功。イランのタイムアウト明けに石川選手が決めて21-18とすると、さらに髙橋藍選手がラリーを決めて22-19。22-21と1点差に迫られた後、髙橋藍選手が技ありのスパイクを決めて23-21と再び引き離したが、イランにサービスエースを決められて23-23の同点に追い付かれた。日本はタイムアウト取り、落ち着きを取り戻すと、髙橋藍選手がレフトから決めマッチポイント。イランに得点を許しデュースとなると、高梨健太選手、関田選手を投入。その後、小野寺太志選手がクイックをしっかり決めて再びマッチポイントを握ると、最後はイランのスパイクミスで初戦をストレート勝ちで飾った。

【コメント】
中垣内祐一監督

「久しぶりの試合で緊張したスタートだった。1、2セットは、我々のディフェンスも優位に働いたと思う。まだチーム作りの途中だが、勝てたのはすごくよかった」

キャプテン・石川祐希選手

「初戦としていい入りができた。しっかり3-0で勝てたのは大きい。僕自身のパフォーマンスはまだよくなかったが、チームとしてはいいスタートができたと思う。1セット目は少し点差に余裕があったが、2セット目、3セット目は苦しい展開となった。最後勝ち切れたのでよかった。今回のネーションズリーグは強豪チームが集まっているので、そういうチームと試合をするのが楽しみ。力試しになると思うので、しっかりと準備して臨みたい」