第32回オリンピック競技大会(2020/東京)

RESULTS

試合結果

最終順位

  1. フランス
  2. ROC
  3. アルゼンチン
  4. ブラジル
  5. ポーランド
  6. イタリア
  1. 日本
  2. カナダ
  3. イラン
  4. アメリカ
  5. チュニジア
  6. ベネズエラ

日本の試合結果

8月3日 日本×ブラジル 決勝トーナメント 準々決勝
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本 0 20 22 20
ブラジル 3 25 25 25

【第1セットのスタメン】

試合結果詳細はこちら(東京2020オリンピック公式サイト)

【コメント】
中垣内祐一監督

(ブラジルは)世界ランキングNo.1のチームで、差はあって然りだったが、本当に選手たちはオリンピックという舞台に挑戦し続けてくれたと感じる。本気のブラジルと対戦し、数年前なら(ブラジルの)クイック攻撃に対しブロックで触れなかったところを触れるようになったり、ジャンプサーブに対して苦労しながらもサイドアウトに繋げられるようになったりと進歩が見られた。ほかにも(ヨアンジ・)レアル(イダウゴ)選手のスパイクに対して、コースを絞ってブロックでタッチを取るなど、やろうとしていることがようやくできるようになってきている。世界のトップグループにいるチームに対して、今までより対応できるようになってきたかなと感じる。その中でも彼らに勝つためには、今まで以上にコンディションの維持やミスの少ない正確なプレーが要求されてくると思う。身長の高い選手のいるチームよりも神経をすり減らしながらボールを触っていくことになるだろう。それくらいレベルの高いプレーをしていかないと高さとパワーの差は埋まらないと思う。今はこの道をあと何歩行けば頂上があるのか見えてきている。選手たちにとってはそういう意味でも大きな(価値のある)大会になったと思うが、これから先はもっと険しい大きな岩が待ち構えていると思う。選手たちの頑張りは自分の想像以上のものがあった。ミドルブロッカーももっと良くなると思う。戦略的なサーブを打ち続けられるようになったし、それで勝った試合もある。ブロックも今まで以上に本数が出ている。西田(有志選手)は5月に捻挫をしてさらにFIVBバレーボールネーションズリーグ2021で太腿の肉離れ、その影響でジャンプができず痛みもある中、24時間体制で治療をしながら準備してきた。(西田選手の)そういう努力には頭が下がる。石川(祐希選手)に関しても、キャプテンとして今までとは違うことが要求されていたが、果敢に応えようとするコート内、コート外での行動など、オリンピック期間に入って随分とキャプテンらしくなった。髙橋(藍選手)や西田、石川のような次のオリンピックも狙える若い選手が出てきているので、彼らには高いレベルの経験を積んでもらい、本当に強い日本男子バレーの復活を目指してもらいたいと思う。

キャプテン・石川祐希選手

ブラジルのパワーに押し切られて負けてしまった。1セット目は序盤にもたつきがあり、それ以降はサイドアウトや連続得点もできたので、前半の差かなと思う。2セット目は、終盤に差し掛かる前までは非常に良いバレーをしていたと思うが、相手のサーブに崩されてしまい、そこから勢いやパワーに押し切られてしまった。3セット目は2セット目の流れのまま相手のブロックにつかまり、(日本が)流れを掴むことをブラジルに阻まれたという印象が強い。準々決勝で敗退して悔しいし、今大会全員がベストパフォーマンスを出していたのにこの結果になってしまったということは悔しい。ブラジルより実力がなかったということをこの試合で改めて感じ、もっと強くならなければと思った。ディフェンスでの粘り強さは僕たちが武器にしているものだが、ブラジルも武器にしているので、高さとパワーで劣る僕たちが不利になる状況は変わらない。今日は高さとパワーに負けてしまったという印象だったので、そこはやはり求め続けなければいけないと再認識した。第2セットは取れるチャンスがあった。一本のミスで流れが変わり、このような結果を招いてしまう。僕たちはまだ簡単に点数が取れるチームではない。チームが勝っていくためには一本の大切さを今まで以上に追求しなければいけない。予選ラウンドでは常に成長していたと感じる。その成長があったからこそ準々決勝をかけた予選ラウンド最終戦で力を発揮できたと思う。しかし今日の準々決勝では負けてしまったのでまだまだ足りないなと思う。ブルーノ(モサ・レゼンデ)選手やイランの(ミルサイード)マルーフ(ラクラニ)選手などチームメートとこの特別な舞台で戦えたことはとても幸せなこと。僕ももっとトップに上り詰めていきたいと思う。キャプテンとしてやるべきことができたのかはわからない。目標としていたところまで達成することができなかったので正直悔しく、僕の責任だと感じている。もっと僕がプレーヤーとしてもチームの柱としても成長しなければいけないと感じる。もっと強く支えになるようなキャプテンになっていくためにこれから努力していきたい。

清水邦広選手

目標にしていた予選突破もでき、今日は(FIVB世界ランキング)1位のブラジルとも戦えた。ストレートで負けてしまったが、以前の内容と比べると、今はセットを取ることもできるし勝てるとも思えた。次再戦したらどう転ぶかわからないし、(チームとして)自信をつけることができる試合となった。(日本は)若い選手が多く、伸びしろが大きい。皆、悔しい思いがあるかもしれないが、この舞台に立ち、強豪国にこれだけの結果を残せたことについては自信を持ち、これからもっと強くなれる、と皆に伝えた。今のチームは戦術面、また個々の力ともにバランスの取れたチーム。(私自身)2008年の北京オリンピックの時には1勝もできず、(その後の国際大会でも)勝てない時期があったが、(今振り返ると)とても充実した日本代表人生だった。これからも沢山の人に感謝しながら、バレーボールの楽しさを多くの人に伝えていきたい。自分が若い頃はプレッシャーに負けていたこともあったが、今の選手は世界トップレベルを体感できる機会が多い。もちろん精神的支柱になろうとは思っていたが、(最年少の髙橋)藍選手でさえ物怖じせず、その必要は無かった。若い選手(のこれから)には楽しみしかない。今後はできるだけ長くバレーボールを続けて楽しみたいし、この気持ちを持ち続けていきたい。

李博選手

予選ラウンドで3勝という目標は予定通り達成できた。(今日の)準々決勝でブラジルに勝ち切るためにはもっと成長しなくてはいけない。本大会での経験を生かして(第21回男子)アジア選手権大会に臨みたい。(自分としては)オリンピックでの試合という初めての経験ができて誇らしく思う。(出場選手の)表情や気迫が他の大会とは違い、どのチームも熱い思いを持ってやっている。ベネズエラ戦から始まり、イランに勝利するなど、予選ラウンドでは前進できた試合が多く、今日は自信を持って(試合に)臨めた。最後まで攻める姿勢で戦うことができ、メンタル面でも成長できた。スターティングメンバーではない分、勝負所で出場した時にしっかりとプレーでき、頑張ってきて良かった。

藤井直伸選手

あまり出場機会はなかったが、いろいろな人たちに勇気や感動、元気を与えることがチームとしても個人としてもできたのではないかと思う。今までに世界選手権やワールドグランドチャンピオンズカップを経験してきたが、オリンピックで日の丸を背負って戦うことの重みを感じた。(他国も)国のプライドや誇りを持って向かってくるので、今までにない緊張感やプレッシャーがあったが、それを含めて良い経験になったと思う。出場したときはもちろん自分の持ち味を発揮しようとするが、それができないときもある。僕たちが頑張ることで見ている人たちに良い影響を与えられたかなと思うし、自分自身も周りで応援してくださっている方々を意識して常にプレーしていた。僕の武器であるクイックやリズムの良いコンビネーション、速いトスワークなど貢献できた部分はあったのかなと思う。(本大会は)チームとしてすごく機能していた。コートに入っている人はもちろんだが、コート外の選手を含め12人で1つのチーム。12人全員で勝ちも負けも分かち合えたと思う。自分自身の悔しい気持ちはあるが、それは今後に生かしていく。今回のオリンピックは日本の男子バレーが進化したことを感じ取ってもらえるような大会だったのではないかと思う。李(博)選手とのコンビネーションは僕の武器でもあるのでもっと見せたかったが、チームがうまく回ることが一番。それが回らなかったときに僕たちがアクセントになってできたこともあったと思う。(東日本大震災から)今年でちょうど10年経ち、被災地を代表するオリンピック選手としてたくさんの方々がより応援してくださっていたと思う。僕のプレーを見て、連絡をくれる人もいる。そういった人たちに元気を与えられるようなプレーを全力でやることが僕自身にできること。オリンピックという特別な舞台で、僕自身も、また男子バレーとしても(観てくれている皆さんに)元気や勇気を与えられたのではないかなと思う。まだ(第21回男子)アジア選手権大会が残っているので、世界選手権の切符を獲ることが今の新たな目標。

小野寺太志選手

決勝ラウンドは一発勝負なので気負い過ぎることなく、自分にできる精一杯のプレーをすることに意識を集中していた。プレッシャーを感じ過ぎずプレーしようとしていたが、自分の持ち味を出せなかった。勝負強い選手にならなければいけないし、そこはこれからの課題だと思う。オリンピックという舞台に立ち、強いチームは勝負強い選手が多く、自分のプレーを出せる選手が多いと改めて感じた。2024年のパリ(オリンピック)まであと3年しかないし、自国開催ではないので出場権を獲得しなければいけない。厳しい戦いが続いていくと思うが、今大会で予選を突破できたことを自信にし、その中でもできたことやできなかったことに課題と反省を持ちながらこれからの練習に取り組みたい。サーブについてはブラン(・フィリップ)コーチや(中垣内祐一)監督からも評価していただいていた。今日の試合では特に(サーブで)いいシーンを多く作ることができたと思う。しかし、ミドルブロッカーとしてやるべきことは前衛での仕事なので、もっとスパイクとブロックに取り組まなければいけない。高いレベルに僕自身がいかなければいけないと思う。

西田有志選手

例年より(海外との)差は縮まってきて、年々日本のバレーは強くなってきている。(もっと強くなるために)他に何が必要になってくるかというと、時間が必要になってくる。まずベスト4を賭けてブラジルと戦えたことに感謝したい。(今の日本が)やりたいことを存分にぶつけていける相手だったし、悔しいが戦えてとても嬉しかった。(自身のプレーには)満足はしていない。結果がついてこなかったことが申し訳なかった。怪我をしてからTOKYO2020オリンピックで戦える状態になるには1人では無理だったし、支えてくれた皆に感謝したい。上位のチームに負けていたところはあったが、全試合通してしっかり戦えていたと思う。自分たちのやりたいバレーが通用したこともあり、クオリティを上げればより面白い試合ができる。このメンバーの多くがオリンピック初経験だったが、ここまで戦えたことは嬉しい。

大塚達宣選手

すごく良い経験をさせてもらったが、今大会はコートに入る機会が少なかった。次の2024年のパリオリンピック出場に向けて、自分たちのような若い選手がチームを引っ張り、(自分も)チームを引っ張っていけるような選手になりたい。FIVBバレーボールネーションズリーグ2021と比べて、(オリンピックでは)海外チームの目の色が違うことをコートの外から見ていてもわかった。コートに入ってもその圧や熱さを感じたので、それに負けないような気持ちをもっと出していかないといけないし、刺激をもらった。来月は(第21回男子)アジア選手権大会、そして来シーズンと続いていくので、もう一度プレーを磨いて次の舞台で良いパフォーマンスができるようにこれからまた頑張っていきたい。僕と髙橋(藍選手)のような若い選手がオリンピックという舞台に立つことで、年齢の近い小中高生がもっと頑張ろうと思ってくれると嬉しい。また、自分たちが頑張ることでバレーボールというスポーツにもっとたくさんの人が興味を持ち、人気のあるスポーツになるよう、これからも自分たちらしくバレーボールを頑張っていきたいと思う。

髙橋藍選手

予選ラウンドを突破して強敵のブラジルと決勝トーナメントで戦えたことは、自分たちの自信に繋げたいと思う。ブラジルと対戦して、世界の高さに対する戦い方の部分で課題が見つかった。今大会で全力を出し切ったが、自分自身の課題は次につなげていきたいと思う。レセプションでは世界を相手に戦えたと思うが、トランジション時の相手ブロックが2枚来たときの打ち方ができていなかった。高さ慣れしていない部分が今日の試合でも見られたので、これから意識を高くしてやっていきたいと思う。(石川祐希選手のように)海外のリーグでプレーすることは自分の経験になると思うし、自分の成長につながると思う。オリンピックは12人に絞られることもあり、自分自身がそのメンバーに入ってコートに立てたことは、福澤(達哉)選手や清水(邦広)選手などの先輩方が築き上げてきた日本代表男子バレーボールがあったからこそ。一緒に戦えなかった選手の皆さんの支えに感謝の気持ちを持って臨んだ大会であった。

8月1日 日本×イラン 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
3勝2敗
3 25 20 29 25 15
イラン
2勝3敗
2 21 25 31 22 13

【第1セットのスタメン】

試合結果詳細はこちら(東京2020オリンピック公式サイト)

【コメント】
中垣内祐一監督

彼ら(日本代表チーム)は自分たちが立てた目標に、自分たちの意志と力で勝ち上がった。それは評価すべき点である。苦しい試合だったが、勝ちたいという気持ちが溢れていた。(今日の勝利は)集中力を失わずに、チーム一丸となって粘り強く最後まで戦えた結果。第5セットのスタートでは、石川(祐希選手)のサーブから2、3点奪い、良い入りができて良かった。キャプテンのサービスエースは当然チームの力になったし、チーム力で相手を上回ることができた。(髙橋藍選手も)よく頑張った。(本大会の中で)今日の試合が彼のベストゲームではないか。安定したサーブレシーブ、サーブ、レフトからのスパイク、中央からのパイプと、本当に良かった。今日の試合の立役者の一人。若い選手は伸びていると思うし、強化の一貫指導の賜物だと思う。藍や大塚(達宣選手)にとっては(昨年から大会延期となった期間は)大きな1年だったのではないか。

キャプテン・石川祐希選手

予選ラウンドを突破できて良かった。競った場面で勝ち切れたことは、大きな成長だと思う。相手セッターに上手な選手がいたので、(日本の)ブロック戦術を当てはめることが難しかったが、ディフェンスは機能し勝負所での得点に繋がった。どんな状況になっても僕たちがやることは変わらないし、その上で相手が上回ったならば仕方がない。チームとしてこのイラン戦でベストパフォーマンスを出す(必要がある)ことを、監督、スタッフ含めて全員が認識していた。僕たちはそれを遂行しただけ。長い準備の結果だと思う。予選ラウンド最終戦でベストパフォーマンスを出すことをチームで掲げて練習をしてきたので、その成果が出たと思う。どのチームも日本対策をしてきていると感じるが、そういったトップチームを倒していくことがこれからの目標。もう一度気を引き締めて明後日再びベストパフォーマンスを見せたい。

清水邦広選手

ここ数年イランに苦しめられてきたので、そういった意味ではこの東京オリンピックという場で勝てたことは日本にとって自信になる。日本は良い勝負ができていたと思う。イランをリスペクトしている。どちらも気持ちがこもっていたし、どちらも決勝トーナメントに進みたいという一心でプレーしていた。勝敗が決まるのは仕方のないことだが、長年サイード・)マルーフ選手やセイエド(モハンマド・ムーサビエラギ)選手などとは、僕らが学生の頃からずっとアンダーカテゴリーの代表で戦ってきた、一緒にやってきた仲。FIVBバレーボールネーションズリーグ2021では、国際大会で勝負するのは(東京オリンピックが)最後だねという話をしていた。歴史に残る試合だったし、本当に良い試合ができたと思う。試合を通じてチームは強くなってきているし、自信がついてきている。さらに強いチーム相手でも僕たちのバレーは通用すると思うので、レベルアップしながらしっかりと戦っていきたい。今、日本は勢いに乗っていて、決勝トーナメントでは勢いに乗ったチームが勝ち進んでいくと思うので、この調子で決勝トーナメントも戦っていきたい。

西田有志選手

コンディションはまだ100%ではないが、それでもこの大会は無理をする(価値のある)場所。選手として目標にしてきたので、諦めるくらいなら出ない方がいいし、それくらいの覚悟でこの大会に臨んでいる。(日本の)レフトスパイカーが苦しんでいる状況があり、自分がどう助けるべきかを試合の中で考えられるようになったことは大きい。普段頭を使わない分、とりあえず疲れた。(まだ)メダルを取ったわけではないが、ベスト8に入れたということは大きなこと。こういう状況で、またオリンピックという舞台でみなさんに(良い)報告ができることは自分にとってもとても良い流れだと思っている。オリンピックを楽しめているし、試合中により冷静な状況判断ができるようになってきた。チーム全体が勝つことしか考えていないと周りが見えなくなることもあるので、連続失点した時に、一人は冷静な選手がいた方が良いかなという思い(で戦った)。

7月30日 日本×ポーランド 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
2勝2敗
0 22 21 24
ポーランド
3勝1敗
3 25 25 26

【第1セットのスタメン】

試合結果詳細はこちら(東京2020オリンピック公式サイト)

【コメント】
中垣内祐一監督

最後(のセットを)取れるかと思ったが、終盤のサーブとブロックのプレッシャーは相当なものだった。サーブレシーブはかなり頑張っていた。いつもポーランドと試合をすると、サーブレシーブから崩されてしまうが、今日はサーブに対しても辛抱強いプレーができていた。(髙橋)藍に替わった(高梨)健太も非常にいいプレーをしていたのでそこは良かった点である。本日の試合への入りと集中力は、次に生きるものだと思うし、少なくとも(28日の)イタリア戦とは違う集中力を持って戦えたと思う。我々にとってサーブとブロックは、どのチームと戦うときも大きなキーになってくると思う。

キャプテン・石川祐希選手

決して悪い試合ではなかったと思うし、ここ最近ポーランドとの試合では大差で負けることが多かったがそれもなく、前半や中盤にリードされる展開が続いたが、後半は追い上げるところを見せられたので、いいバレーが展開できたと思う。上にいけばいくほど、最後の1本を止められるか、ミスをしないかどうかで結果が変わってくる。カナダ戦ではそこを取り切っただけだと思うので、今日のような試合を続けていけばどんどん成長が見えてくると思う。今日の結果はもちろん悔しいが決してネガティブではなく、あさっての試合に向けて良い準備ができたと思う。今日はところどころ良いサーブがあったが、リベロに打ってしまうといったこともあったので、そこは修正していきたい。今大会は非常に良い内容の試合ができていて、照準を合わせて戦えていると思う。次のイラン戦でベストパフォーマンスを出さなくてはいけない。オリンピックが始まる前から、この予選ラウンド最終戦のイラン戦が一番のカギになる、とフィリップ(・ブランコーチ)も言っていたし、チームのミーティングでもそのように話している。一昨日と今日は負けてしまったが、(イラン戦では)これまでにやってきたことを出すだけ。勝つ準備をしていくので、もちろん勝つつもりだし、負けるかもしれないと思っている選手は誰一人いない。この数カ月、ベストパフォーマンスを出して結果をものにする準備をしてきた。先のことを考えずに、一点ずつ戦っていくだけだと感じている。

関田誠大選手

1セットは取りたかった。ただ、(サーブで)相手を崩したり、ターゲットを狙うことができたのでそこは良かったと思う。最後はクイックに上げようと思っていたが、(1本目の)パスがネットから離れてしまったので石川(祐希選手)に託すしかなかった。今日は(全体的に)1本目のパスを返す選手が耐えてくれて、クイックやパイプを通せたので良かった。内容は悪くないが、結果として勝てなかったのは悔しい。オリンピックという舞台で、他のどの大会よりも相手が勝ちに来ていることを肌で感じた。僕たちもそれに負けじと対応できたことは良い経験になった。(イラン戦に向けて)コンディションを上げて、ベストのパフォーマンスで臨めるようにしたい。

山本智大選手

最後の最後で自分たちに頼りない部分があったので、(ポーランドのような)強豪と試合をする時は、最後まで耐えることが大切だと思った。世界一と言われている(ビルフレド・)レオンベネロ選手のサーブは速くて、正面に打たれたら避けきれないくらいの威力だった。Aパスを返すことは難しいので、コートの中央に上げてそこから攻撃を展開していく、ということをやっていければ良かったと思う。あと1試合残っているのでしっかり勝って、決勝トーナメントに進みたい。イランは、ミドルブロッカーを中心に速いテンポで攻撃をしてくるはず。自分たちが今までやってきたことをすべて出し切れば勝てる相手だと思う。

西田有志選手

バレーボールの内容としては良かったかもしれないがそれで終わってしまった。結果に結びついていないというところは悔しさがある。ただ今までポーランドと戦ってきた中では、良いバレーができたと思うので、どう勝ち切るかが次のステップだと思う。予選ラウンドではイラン戦が残っているので、どう勝ち切るかにフォーカスする。今日はしっかりと休んで次の試合に臨みたいと思う。僕自身、(ビルフレド・)レオンベネロ選手とマッチアップすることがあったので、どういう選手なのか見ることができたのは大きかった。そういった選手がいる中で、今日のようなバレーができたということは、少なからず日本は強くなっているのだと思う。相手の方がサーブ効果率が高かっただけで、それ以外のスパイクやディフェンスでは同じレベルで競り合っていたと思う。あと1点が取れていれば結果は変わっていたような試合内容だった。(レオンベネロ選手は)バレーボール界でトップレベルの選手だと思うので、そういった選手と試合をできたことは嬉しかったし、あの高さがある選手と戦い合えたことは、自分の成長の過程において良かったと思う。(イラン戦は)個人としてもチームとしても勝ち切らないといけない。どのような展開になっても泥臭く1点を取りに行くということだけをクリアしていきたい。タフな試合になると思う。イランも目の色を変えてやってくると思うので自分たちも今のままではなく、もう一段階、もう二段階上げて良い結果に結び付けられるように頑張りたい。

7月28日 日本×イタリア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
2勝1敗
1 20 17 25 21
イタリア
2勝1敗
3 25 25 23 25

【第1セットのスタメン】

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【コメント】
中垣内祐一監督

サイドアウト率だけで見ると1セット目は6割、2セット目は5割と、1・2セット目はサイドアウトが全く取れなかった。特にレフトが機能しなかったというのが前半だった。すべてが後手になって相手ペースで試合が進んでしまった。3セット目、高梨(健太選手)を起用してレフトからのスパイクが徐々に決まりだし、高梨が起爆剤となってサイドアウト率で相手を上回ることができた。4セット目はビハインドで進んだが、攻めたサーブが多く1・2セットとは点数が近くとも全く違う内容であった。(イバン・)ザイツェフ選手の調子も良くなく、(シモーネ・)ジャンネリ選手も太腿の肉離れ明け、我々が伍するチャンスはあるかと思っていたが、18番(アレッサンドロ・ミキエレット選手)の高さや(オスマニー・)ユアントレーナ選手の巧さでなかなかチャンスをものにできなかった。できることならフルセットに行きたかったし、フルセットに行けば何があるかわからなかったので、4セット目も追いつきたかったがスタートが悪かった。今までほとんど固定したメンバーで戦ってきたが、高梨が入って気迫のこもったプレーやサーブレシーブも我慢してくれたので良かったと思う。藤井(直伸選手)も不調から抜け出せたことも収穫であった。イタリアはネット際が巧く、点数に結び付けられないラリーが多かった。どんなチームでも10本打って10本ブロックに止められることはない、ただ1セット目はブロックポイントを与えすぎたと思う。当然勝って(決勝トーナメント進出を)決めたかったし、選手たちもそのことは頭に入っていたと思う。目の前の1本、1セット、1試合に集中していこうと伝えているし、今まで5年間積み重ねてきたことを試合で自信を持って出すだけ。それが最終的に(予選)突破につながればいい。カナダも勝って(A組は)もつれることが予想される。スタート2つ勝ったからといって決勝トーナメント進出できるほど甘いものではないと思っている。ベストを尽くしたい。

キャプテン・石川祐希選手

今日は、相手のブロックにつかまるケースが多く、前半に点差を離されて後半追い付けなかったことが反省点。チャンスボールやゆるいフローターサーブに対して、(レシーブの)正確さも無く、そういうところでしっかり1点を取れる展開にしないと、サーブやブロックの良いチームには勝てない。(自分としては)ストレートコースを抜きに行き過ぎたことにより、通過点が低くなって止められた。高い通過点で打てた後半はシャットされることも少なくなったので、次戦ポーランド戦に向けて修正したい。(相手の)サーブコースはデータ通りだったが、回転があったりと少しストレスだった。また、こちらのミドルはショートサーブで狙われた。もう少しAパスが多ければ違う展開になったかもしれない。3戦通してやってきていることは間違いではないので雰囲気は変えずに臨みたい。(日本は)ディフェンス力も武器。そこが機能しないと勝てないので、ポーランド相手には、まずディフェンスで上回ることが大事。先を見るよりは、目の前の試合にベストを尽くすだけ。準備を忘れずにしっかりと今やるべきことを行って、結果は後からついてくると思う。

髙橋藍選手

イタリア戦で出た課題としては、最初から自分のベストパフォーマンスを出すことができなかったこと。相手ブロックの様子を見るなど消極的になってしまい、替えられたことは悔いが残った。連勝で迎え自分も自信があったが、イタリアのブロックを目の当たりにすると高さや巧さを感じ、ブロックを見過ぎてしまった。取るべき点数をものにできず、そこにイタリアと差があったからこの結果になったと思う。サーブが相手リベロに集まってしまったので、そこは改善すべき。自分のサーブレシーブが崩れると、攻撃のリズムが作れなくなるので、求められていることはサーブレシーブが崩れないこと。西田(有志)選手や石川(祐希)選手というスパイカーが揃っているので、自分はレシーブを返すことが一番かなと思っている。ポーランドもイタリアのようにブロックの高いチーム。今日の4セット目切り替えて(プレー)できたことは次につなげられることなので、ポーランド戦ではスタートからベストパフォーマンスを出したい。

7月26日 日本×カナダ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
2勝
3 23 25 25 25
カナダ
2敗
1 25 23 23 20

【第1セットのスタメン】

試合結果詳細はこちら(東京2020オリンピック公式サイト)

【コメント】
中垣内祐一監督

最高なスタートが切れていると思う。5月上旬に西田(有志選手)が足首を捻挫して、彼自身もなかなか調子が上がらなかった。傍から見て自分のできる全部の準備をし、涙ぐましい努力をし続け、今日ようやく彼らしいプレーを大事な試合で出せて、「おかえり」という思い。今日は西田らしい良いプレーでチームを鼓舞してくれていたと思う。選手は本当に真摯にバレーボールに取り組んでいて、本当に勝たせてやりたいと思いながらコートサイドにいた。(西田は)昨日のスタートには今日の活躍が想像できるような練習をしていたので、ひょっとすると思っていたが、大爆発と言っていいくらいだった。冷静に試合を見ると、それぞれが自分の持ち味を出してくれていたと思うし、今シーズンのベストゲームと言っていいくらいの試合だったと思う。今シーズン、西田が苦しんできたので、よく頑張ったと思う。ようやく苦しんでいたところから復活したことが我々としては嬉しい。イタリアは今日よりも洗練されているので、よりクオリティの高いゲームをしていく必要があると思う。(今日の試合)途中でサーブの狙いを切り替えたが、そういう意味ではベンチを含めてそれぞれが仕事をしている結果だと思う。(髙橋藍選手は)今日は初日よりも落ち着いてさばいていたと思う。石川(祐希選手)との間で一本ポイントを取られたが、それ以外はよく我慢して集中力を切らさずにオフェンスでもディフェンスでもプレーしていたと思う。(ミドルブロッカーの2人は)これからどう成長していくかというところであるが、今日のようなレベルを常に出していくことが次への第一歩になると思う。石川のサーブで連続得点したいところや、前半のミドルブロッカーのサーブも機能していなかったと思うので、今後に向けての課題である。選手には自分たちで伝説を作れと言っており、彼らも当然ながらその気持ちでいると思う。

キャプテン・石川祐希選手

チームの出来は良かったと思うが、(得点を)取れるところでミスをしたり、システム通りの動きでも1点を取れていないところがあったのでそういうところは改善点だと思う。今日の試合は1点が大事な試合だったので、勝ち切れたことは大きな成果だと思う。とにかく集中力や気持ちを切らさないことはコートで言い続けていたし、2、3点リードしても隙を見せたら一気に逆転されるので、隙を見せないようにということも言い続けていた。それをプレーに実行できたと思う。カナダとは(直近の)ネーションズリーグやワールドカップ(2019)でも戦っていて、選手の特徴がはっきりとわかっていたので対応できたと思う。逆にカナダも僕たちに対応してきてディフェンスが良かったところもあったし、本当に1本のミスの差かなと思う。まずは明後日のイタリア戦に万全の状態で臨みたい。イランが勝ってどうなるかわからないが、目の前の試合でベストを尽くしていくということが予選突破に繋がって、その先にも繋がっていく。僕たちは先を見るというよりは目の前の試合を一戦一戦戦って、大会の中で成長していけば今よりもチャンスはある。(イタリアは)若いメンバーや(イバン・)ザイツェフ選手、(オスマニー・)ユアントレーナ選手など全員力を持っている選手なので気を抜かず自分たちのやることをしっかりやっていきたいと思う。

高梨健太選手

ベネズエラ戦でも出場機会があったが、得点することができず準備不足が課題だった。今回のカナダ戦ではしっかり準備して、その結果得点に繋げることができ、チームを助けられたと思うので、役割を果たせたと思う。途中から出て結果に繋げることが僕の役割なので、その役割をしっかり全うしたい。オリンピックは簡単には勝てないと思う。(どのチームも)強豪だが、自分たちのバレーができるように個人やチームの調整をしっかりして、万全の状態で挑めるように頑張りたい。他の大会と比べて1点の重みが大きく、日本がリードしてもすぐ追いつかれたりと、オリンピックは少し違う舞台なのかなと思う。オリンピックが始まる前や合宿中に家族等から連絡をもらって、それが僕の今のモチベーションになっているのでとてもありがたい。

西田有志選手

自分の怪我からコンディションが上がらずもどかしさがあり、チームに迷惑をかけていた部分もたくさんあった。何が何でもこの1勝を取りたい、1点を取りたいという貪欲さがプレーに出て、だんだん自分のあるべき姿が見えてきたのかなと思う。1つのボールに対する執着心が日本は強く、今日それを展開できたことが全員にとって自信に繋がると思う。オリンピックはどのような舞台なのか(スタメンの)全員が初めてで、言葉に表せない緊迫感やプレッシャーを自分の肌で感じていた。いつも通りにやっているつもりでもプレッシャーは少なからずあるが、だんだん慣れてきて今日みたいな良いバレーを展開できたことは大きかった。100パーセント慣れたかと言われたら、まだ慣れていないと思う。これから強豪チームとどう戦っていくのか自分たちの力の試しどころ。まだまだ上に行ける可能性はあるのでそこだけを見据えて一戦一戦戦っていきたいと思う。(1セット目取られた後も)特に気持ちの切り替えは(必要)なかった。1セット目も1点の取り合いで、連続失点や、連続得点という試合展開ではなかった。サイドアウトの取り合いで、自分がプレーしていてこれがバレーボールなのだなと思うような試合展開だった。それができている自分たちに自信を持っていたので、何かを変えるというよりは今の状態をキープして今よりもクオリティを貪欲に上げていこうと話していた。気持ちの面ではすっきりしていたと思うし、何よりも今日はバレーボールを楽しんでいたと思う。(イタリアは)とても質が高く、自分としてはフルメンバーと試合するのは初めてなのでどうなるか分からないが、今日のようなバレーボールをできれば良い勝負はできると思う。一方的な展開になることは絶対にないと思うので、そこでどう我慢して取りきるかだと思う。今日のような試合内容の濃い展開を次の試合でもできたらなと思う。まだまだ(自分は)完璧な状態ではなく、自分の体と相談してうまくコントロールしていきたい。全員が自分の仕事を全うしていると思うし、(石川)祐希さんが言っていた個の力というのはそこだと思う。自分のプレーを全うできるチームが強いと思うし、それがだんだんできてきている。できていないときは苦しい場面が続くと思う。もっとクオリティを上げて良いチームを作り上げていきたいと思う。

7月24日 日本×ベネズエラ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
1勝
3 25 25 25
ベネズエラ
1敗
0 21 20 15

【第1セットのスタメン】

試合結果詳細はこちら(東京2020オリンピック公式サイト)

【コメント】
中垣内祐一監督

想定通りの試合であったと思う。セットを取られることはないと思っていたし、どの大会も1試合目の1セット目は硬くなったスタートになるので、多少ミスが先行するようなスタートになるのではないかという危惧はあったが、何かのプレーをきっかけにすぐに追いつけると思っていた。関田(誠大選手)の得点や、カメラの前に飛び込んだ気迫のこもったプレーがよかった。ああいったプレーがチームに勇気を与えてくれる。
(キルブロックについて)山内(晶大選手)は何本もブロックしてくれたので、素直に喜びたい。いいところに出てくれて、チームが活気づき、非常に意味のあるブロックだった。願わくはもう少し相手の7番の選手(エドソン アルベルト・バレンシア ゴンサレス選手)を攻略してほしかった。これからよりレベルの高いスパイカーを相手にしていくので、データ通りの対策を実行していかないと次からは厳しい。サーブについては改善の余地が大いにある。
(オリンピックでの日本の男子バレーボール競技の最後の勝利は29年前で、選手として出場した試合以来だが)最後に勝った後の試合にも自分が出ていたし(最後に勝ってから今日まで)、あまり長かったとは思っていない。男子日本代表が(オリンピックに)出られなかったのも事実。日本がオリンピックで久しぶりに勝ったということは、正直なところ私も選手もあまり気にはなっていないと思う。あくまでも予選ラウンドを突破することが目標なので、まだ先は長い。
振り返れば色々なことがあった5年間で、そういったことがあって今ここに立てていることを嬉しく思う。チームスタッフや関係者など、多くの方々に感謝している。

清水邦広選手

(福澤達哉選手は)悔しい思いをしていると思うが、これは勝負の世界なので(自分が)結果を残して、福澤選手には良い報告ができれば、と思う。今回は「福澤の思いを乗せてスパイクを打ったよ」とすぐに伝えたい。
このオリンピックには色々な思いがあると思うが、応援してくれる人もいるんだと実感したし、そういう人のために、オリンピックのこの一勝が少しでも喜びや希望に変わり活気づけられると思うので、一つひとつの思いをプレーに乗せて戦いたいと思う。
(オリンピックのコートに)立てたことに対して、すごく嬉しい思いでいっぱいだが、まだまだ勝負は続くので、終わった後に良い大会だったと言えるようにしたい。これからが勝負だと思うので、日本の目標は予選通過であり、決勝トーナメントでは何が起こるかわからない勝負が始まる。強豪相手に1勝もしくは2勝することが条件だと思うので、その条件をまずクリアできるよう、挑戦していきたい。
(チーム最年長として、支えていかないとという気持ちは)当初あったが、今の若い選手はそのようなことを言う必要がないくらいメンタルが強く、頼もしい選手ばかりなので、これからの日本がすごく楽しみで有望だと思う。
自分は得点を重ねるポジションなので、しっかりと点数に絡めたプレーができるようにこれからもやっていきたい。
次のカナダ戦はカギとなる。「FIVBバレーボールネーションズリーグ2021」でもストレート負けしている、因縁の相手。相手も日本には絶対勝つ、という気持ちでくるので、どうやったら勝てるのか、相手がどのようにやってくるのかをデータで駆け引きしながら、いい分析をして試合に臨みたい。
最後のオリンピックなので、膝が壊れてもいいくらいこのオリンピックに懸けていきたいと思う。
なかなか地元には帰れていないが、いつも帰った時にパワーをもらってるので、(試合は)自分がパワー、希望、元気を与えられる唯一の時間だと思うので、国民の皆さんに思いを伝えられるようにプレーしていきたい。

小野寺太志選手

(チーム)のサーブ(も好調で)レシーブ陣もうまく返してくれ、セッターも良いところで使ってくれたので、気持ちよく打つことができた。無観客ということで、正直観客がいないのは寂しい部分はあるが、オリンピックという舞台で、オリンピックのマークのついたコートでプレーできたのは感慨深かったし、そんな中でも緊張せずに自分らしいプレーができたのは良かった。次戦のカナダ戦は予選を突破するためには落とせない試合であり、これから続いていくトーナメントに向けて、勢いをつけていきたい。特に自分たちの(ポジションの)仕事はブロックなので、そこでチームに貢献できるように、修正点を見つけながらチームで改善に取り組んでいきたい。

西田有志選手

自分たちにとって初めてのオリンピックが無観客であったが、色々な状況を踏まえて、今スポーツができることのありがたさを感じた。ファンの方々が会場に来てくださるというのが自分たちが求めていた状況ではあったかもしれないが、今そういったことをなかなか言えない中で、自分たちに何を求められているのかというと、スポーツでもっと元気に、世間に(その姿を)見せられるように、ということだと思う。今日は、まずはオリンピック(初戦)をしっかり戦うことができた、というのが自分にとってはすごく嬉しかった。普段あまり緊張はしないが今回の大会では若干緊張した部分はあったので、やはり特別な大会なのだと肌で感じた。その分自分たちも気合が入ったところがあったので、最初は空回りしてしまったかもしれないが徐々に大会に慣れてきた。(序盤は)ネガティブになったというわけではなく、単純にバレーボールを早くやりたい、という気持ちが強く前にいきすぎて、空回りしただけ。今日の良かったところは、ブロックでタッチやポイントをしっかり取れて、そこで波に乗れたこと。色々見直さないといけないプレーがあるかと思うが、1日、2日で何かが変わるわけではないので、自分の気持ちの持ち方や考え方を改善して、セッターとも話し合い、周りとコミュニケーションを取って、自分のできることを精一杯やっていきたいと思う。