

- 14
- アウトサイドヒッター
ベストアウトサイドヒッター賞 | 石川祐希選手 |
---|---|
ベストオポジット賞 | 宮浦健人選手 |
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 0 | 25 | 22 | 29 | – | – |
イラン | 3 | 27 | 25 | 31 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【第1セット】
序盤は、日本のキャプテン・石川祐希選手と、イランのオポジット、ザベル・カゼミ選手が互いに点を取り合い、開始直後から決勝にふさわしいエース同士の打ち合いとなった。しかし、日本のサーブミスからイランが頭一つ抜けると、さらにクイック攻撃やカゼミ選手のスパイクなどで連続得点を許し、6-11と離されたところで日本は1回目のタイムアウトを要求した。中盤、石川選手のインナースパイクや宮浦健人選手のバックアタックで反撃すると、日本の武器であるディフェンスが機能し、14-14と同点に追いついた。両チームともに20点を越えてもなおシーソーゲームが続き、デュースへ突入。日本は石川選手のパイプ攻撃や宮浦選手のスパイクで得点したが、最後はイランにブロックを決められ25-27。イランに第1セットを先取された。
【第2セット】
日本は序盤、髙橋藍選手のスパイクや小野寺太志選手のクイック攻撃で得点するが、イランもクイック攻撃を軸に攻撃を組み立て応戦、6-8とこのセットもイランのリードで進行した。しかし中盤、日本は宮浦選手のスパイクで得点すると、石川選手のパイプ攻撃と髙橋選手のダイレクトスパイクで3連続得点を挙げ、12-11と逆転に成功。さらに小野寺選手のクイック攻撃などで16-13と3点差をつけて2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。一気に畳みかけたい日本であったが、中盤以降打数が増えてきたカゼミ選手のスパイクが決まり出し、20-22と再びイランにリードを奪われた。大宅真樹選手と大竹壱青選手を2枚替えで投入するも、最後はカゼミ選手のスパイクが決まり22-25。セットカウントを0-2とされ後がなくなった。
【第3セット】
日本は、石川選手のブロックやこのセットスタートから起用された山内晶大選手のCクイックで得点するが、イランのクイック攻撃やサーブに苦戦し、5-8と3点ビハインドで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、山内選手のクイック攻撃で1点を返すと、髙橋選手の相手コート奥深くへのスパイク、李博選手の気迫のこもったブロックなどで4連続得点を挙げ、中盤には13-13で並んだ。その後はともに一歩も譲らないサイドアウトの応酬となり、再びデュースにもつれ込んだ。日本は髙橋選手のスパイクを中心に得点を重ねたが、最後はイランチームのチャレンジの末、日本のタッチネットで29-31。セットカウント0-3でイランに敗れた日本は、本大会を準優勝で終え、2大会ぶりの優勝とはならなかった。
「いつもアジア選手権は肉体的に非常に厳しいトーナメントで、選手たちが最後まで持つかと心配したが、何とか最後まで集中力を切らさないプレーを見せてくれたのは収穫であり、非常に嬉しかった。確かにイランは飛び抜けて強いチームで、一方的な展開になるということも正直あるかと思っていた。そんな中選手たちはよく食い下がって、最後までハラハラとさせるような、見応えのある試合にできたと思う。勝ち切れなかったことについては、今後色々な改善点が出てくると思うが、(そこは一番)選手たちがよく感じているのではないか。(イランは)まず彼らの平均身長だけを見ても、もうアジアの選手ではなくヨーロッパのチームだと思う。高さ、パワーにしても、今までのアジアにはないレベルにいると感じている。ユース世代からずっと世界で勝ってきたチーム、そこから上がってきた選手が中心になっているが、正直なところ末恐ろしいチームになっていると思う。そんなチームを相手に、我々ができることというのは、ディフェンスでつないで隙を見て得点するという、我々がこの試合でしたこと、という気はする。ただシャットアウトは食らいすぎてしまった。これはイラン戦だけではなく、中国戦もそうだし、もっというとネーションズリーグからその傾向は出ていると思う。少しシャットアウトを食らいすぎている、要は得点を与えてしまっていると思う。そこの部分の工夫と、しっかりした訓練を積めば(イランとも)戦っていける、と今日対戦して感じた」
「優勝を目指していたのでこのような結果で終わってしまい非常に悔しい。今日の試合に関しては、3セットとも最初にリードされたところを途中で追い付いて逆転し、それでも最後取り切れずに負けるという内容だったので、最後に取り切る力がなかったと思った。このような(タイトな)スケジュールでコンディションがベストではない中でも、最後に1点、2点と取り切る力がつかないと、世界では勝っていけないと思う。イランとは、サーブとブロックディフェンスで差があった。イランの5番の選手は徹底して前に打ってきて、ミスもなく、こちらのミドルブロッカーを遅らせたり、パイプ(攻撃の機会)を減らしたり、サイドにブロックしたりと、しっかりシステム化していた。一方で自分たちはサーブのミスが多く、この試合に関しては特にミドルブロッカーが戦術的なサーブを打てていなかったと思う。自分自身もサーブミスが多かった。なかなかコンディションを作るのは難しいが、安定した質の高いサーブを打たなければいけないし、もっとタフにならなければとも感じた。自分たちはブロックを強化してきたがそれを発揮することができなかった。ブロックに対する意識はさらなる課題だと感じている」
「悔しい結果となってしまったが、イランに対してスパイクやレシーブで日本のいいバレーが出せたと思うし、自身も相手のブロックに対する打ち方や、ディグで相手にプレッシャーをかける場面もあったので、手応えはあった。ただ最終セットの終盤で取り切れなかったことは今後の日本バレーの課題になってくる、と試合を終えて感じた。今シーズン石川(祐希)選手と対角を組んだことで、石川選手のスキルや精神面の部分など、まだ自分には足りないものが多いと実感した。苦しい状況・苦しいセットの時に強打だけではなく、プッシュなどで1点を取るスキルが自分にはまだ足りないと感じた。海外に挑戦したいという気持ちはもちろんある。高さに対するスパイクのスキルは海外でしか経験できないことだし、それに慣れるという意味でも、海外に行くことでさらにつきつめられると思う。ブロックに捕まっても割り切ることは大事。相手のブロックとの駆け引きや、打つ瞬間に思考を変えることなどは本大会で意識してやっていた。ただ、甘いコースに打ってしまいシャットアウトを食らうことがあったので、まだまだ常に意識することができていない、と感じた。今日のイラン戦は(自身の)コンディションも良く、相手のブロックをよく見てしっかりとコースに打ち切れていたので、冷静に状況判断して打てていたと思う。東京チャレンジから始まって、世界の高さに対するスパイクの打ち方が甘かったと感じた。レセプションなどレシーブの部分では世界に通用すると感じたので、レシーブ力をさらに磨くのはもちろんのこと、高いブロックに対して(スパイクを)打つということも意識してやってきた。イランと試合をして(以前に比べて)成長を感じはしたが、連戦が続く中でセット終盤のメンタリティーを追求していかないといけない、と思った。パリオリンピックを目標にやっていくのはもちろんだが、世界と戦っていくためにまずは対角を組んでいる石川選手など、レベルの高い選手のスキルから学び、バレーボールの技術を磨いていきたいと思う。世界には自分と同じ年代でトップレベルで戦っている選手がいるし、身長が高くてスキルのある選手が多い。今日のイラン戦では年齢の近い選手が多く、とても刺激を受けたし、負けられないという気持ちはより一層強くなった」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 3 | 25 | 22 | 25 | 25 | – |
チャイニーズタイペイ | 1 | 16 | 25 | 21 | 20 | – |
【第1セットのスタメン】
【第1セット】
勝利した方が世界選手権の切符を手に入れる大一番、日本は宮浦健人選手のバックアタックや高梨健太選手のパイプ攻撃などでチャイニーズタイペイのディフェンスを圧倒し、8-3と一気に主導権を握った。さらに高梨選手のキレのあるスパイクで得点すると、中盤はセッター・藤井直伸選手とミドルブロッカー・李博選手のホットラインが機能し、3連続クイック攻撃などで18-10とさらにリードを広げた。終盤も2枚替えで大宅真樹選手と大竹壱青選手を投入し、危なげなく試合を運ぶと、最後は李選手のクイック攻撃が決まり25-16。日本が大差をつけて第1セットを先取し、決勝進出に向け好スタートを切った。
【第2セット】
序盤はサイドアウトの応酬となり、2点以上点差のつかないシーソーゲームが繰り広げられた。中盤、山内晶大選手のクイック攻撃や宮浦選手の相手コート奥深くに突き刺さるバックアタックなどで連続得点し、11-10と日本が流れを掴みかけたところでチャイニーズタイペイがタイムアウトを要求した。その策が功を奏したか、チャイニーズタイペイはタイムアウト直後にブロックなどで3連続得点し、11-13と日本からリードを奪った。ここで日本はキャプテンの石川祐希選手をベンチに下げ、大塚達宣選手を投入。その大塚選手のスパイクや宮浦選手の相手の意表を突くプッシュ攻撃などで15-14と逆転に成功、日本がこのまま押し切るかに思われた。しかし、チャイニーズタイペイにブロックやサービスエースを決められて17-19と再びリードを許すと、最後はネット上の押し合いで競り負け22-25。第2セットを奪われセットカウントを1-1とされた。
【第3セット】
最初の1点目を石川選手のスパイクでものにすると、李選手のクイック攻撃とブロックなどで7-4とリードを奪い、チャイニーズタイペイは早くも1回目のタイムアウトを要求した。日本はチャイニーズタイペイに立て直しを図る隙を与えず、その後も山内選手のクイック攻撃や高梨選手のパイプ攻撃などで得点を重ね、16-12とリードしたまま2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。終盤、3連続失点を喫し1点差まで迫られた日本であったが、日本の大黒柱・石川選手の奮闘がチームを鼓舞し、最後は大竹選手のバックアタックで25-21。第3セットをものにし、勝利に王手をかけた。
【第4セット】
チャイニーズタイペイのサービスエースで始まった第4セット、日本のスパイクミスや強烈なパイプ攻撃などでチャイニーズタイペイにペースを握られ、6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その直後に相手のサーブミスで得点した日本は、石川選手の3連続スパイクで10-8と逆転に成功、さらに李選手のクイック攻撃などで得点し、13-11でこのセットを折り返した。その後、チャイニーズタイペイの猛攻により再びリードを奪われたが、このセットから入った小野寺太志選手のクイック攻撃で反撃の狼煙を上げると、石川選手のブロックやスパイク、李選手のブロックなどで7連続得点を挙げ、21-16と一気にゲームを支配した。終盤、チャイニーズタイペイにブロックなどで点差を縮められたが、最後は大竹選手のブロックが決まり25-20。セットカウント3-1でチャイニーズタイペイに勝利した日本は、来年ロシアで開催される世界選手権の切符を獲得するとともに、2大会ぶりの本大会決勝進出を決めた。
「我々が思うようなプレーができなかったということもあったが、チャイニーズタイペイもかなりレベルが上がっていた。セルビア出身の監督を招聘して強化して、年々着実に力をつけているし、面白い選手もいる。サーブがきっちりと機能しないところに我々がペースを掴めない原因があると思う。決してサーブを練習してこなかった訳ではないが、どうもしっくりきていない。第4セットの小野寺(太志選手)のような安定したサーブが入ると、その途端に我々のペースで試合が進むが、なかなかそうならないところにもどかしさを感じる。(ブロックについては)今日は相手が打ってくるところがわかってはいたが止めきれなかった。最後は連続で止めることができたが、ストレスの溜まる試合だった。今日は髙橋(藍選手)の足の調子がいまひとつだったので、高梨(健太選手)をスタートから起用した。高梨はネーションズリーグの時から、ピンチの時に出場して多くのケースで活躍している。スーパーサブ的な働きをずっとしてくれている。厳しい中でサーブレシーブにディフェンスと、何本もいいプレーがあった。よく頑張りながら耐えている、という印象。ブロックも非常によく、シャットアウトを得るプレーが多い。課題のサーブレシーブも日々向上している。今日は真ん中にいて、何本かいいディグが立て続けにあった。そこに救われた感がある」
「世界選手権の切符を勝ち取れてよかった。この大会で僕たちが目標としているのは優勝なので、明日は勝ち切って優勝したい。今日の試合については、1セット目はいい流れで入ることができて、最後まで自分たちのペースでプレーできたが、2セット目はミスが増えて相手のペースになり、修正ができなかった。3、4セットは少しミスがあった中、なんとか勝つことができた。この大会は3連戦して1日休んでまた4連戦、というタイトなスケジュールで、集中力を切らさないことが非常に難しい。すごくいいプレーがそれほど出ているわけではなく、中国戦も負けてしまったが、それでも勝ち切って決勝まで進み、最低限の目標である世界選手権の切符を獲ることができた。選手のみんなは本当によくやっていると思う」
「非常に苦しい展開で、全セットで相手を追う形になったが、集中を切らさずチーム一丸となって戦えたことで、勝つことができた。世界選手権の切符を取れたことは非常に嬉しい。来年開催される大会だが、そこでもいいパフォーマンスができるようにコンディションを整えていきたい。(チームでどんな役割を担うかについては)こだわりはなく、いつ出てもいいようにしっかりと準備はしている。途中から出たら流れを変えること、スタートからならどれだけ苦しい展開になっても勝ち切れるような選手になりたいと思っている。今日の出来は悪くはなかったが、途中でレセプションが乱れたり、ブレイクを取られたりしたので、そこを1本で切れれば違う展開になっていたと思う。試合に出られないときは悔しいし、出られた時は最大のパフォーマンスを出す準備をしている。中国戦は負けてしまい、オーストラリア戦は出番がなかった。そういう意味で今日はしっかり結果を出していかなければいけないと思っていたのでよかった」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 2勝1敗 |
3 | 25 | 25 | 25 | – | – |
オーストラリア 1勝2敗 |
0 | 23 | 17 | 23 | – | – |
※勝敗数は順位決定予備戦同組で、予選グループリーグ戦で対戦済のチームとの成績も含む
(日本はカタール、オーストラリアは中国)
【第1セットのスタメン】
【第1セット】
世界選手権の切符を狙う日本にとって絶対に落とせないこの試合、日本は序盤、宮浦健人選手のバックアタックや李博選手のサービスエースなどで得点するが、ミスが続き7-8とオーストラリアのリードで試合が進んだ。中盤もオーストラリアの絶対的エースであるトーマス・エドガー選手の高い打点から繰り出されるスパイクに苦戦し、13-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、2枚替えで大宅真樹選手と大竹壱青選手が投入されると悪い流れが一転、キャプテン・石川祐希選手のパイプ攻撃や大竹選手のスパイクが決まり、18-18と同点に。さらに大宅選手のディグから石川選手が得点に結びつけるなど怒涛の6連続得点で21-18と一気に逆転に成功した。この流れのまま終盤も日本が着実に得点を重ね、最後は相手のスパイクミスで25-23。日本が第1セットを先取した。
【第2セット】
第1セットを逆転に導いた大宅選手と大竹選手をスタートから起用し臨んだ第2セット、髙橋藍選手のブロックアウトで先制点を挙げると、続けて石川選手の相手前衛を狙ったサーブがオーストラリアの守備を崩し、4-0と幸先良いスタートを切った。その後も小野寺太志選手のクイック攻撃や、大竹選手のブロックを弾き飛ばす豪快なスパイク、エドガー選手を仕留めるキルブロックなどで得点を重ね、12-10と日本がリードをキープ。さらに13点目を李選手のスパイクでものにすると、小野寺選手のブロック、石川選手のスパイクなどで5連続得点し、18-10と一気に点差を広げた。20点を越えても日本は主導権を手放すことなく、最後は相手のサーブミスで25-17。セットカウントを2-0とした。
【第3セット】
準決勝進出に王手をかけ臨んだ第3セット、李選手のクイック攻撃で先制点を挙げると、大竹選手や髙橋選手のスパイクなどで得点を重ね8-6と、日本が2点リードで1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。しかし中盤、オーストラリアはエドガー選手のサーブから3連続得点で息を吹き返し、13-14と逆に日本が追う展開となった。その後もオーストラリアのリードで試合が進んだが、日本は石川選手のパイプ攻撃で相手の流れを断ち切ると、終盤には小野寺選手のBクイックで20-19と逆転に成功した。ここでオーストラリアはたまらずタイムアウトを要求するが、その後も日本の勢いは止まらず、最後はエドガー選手のバックアタックを李選手がシャットアウトし、25-23。セットカウント3-0のストレートでオーストラリアを下し、日本が準決勝進出を決めた。
「1セット目序盤から(トーマス・)エドガー選手を中心にオーストラリアにいい調子で進められたが、エドガーは(スパイクの)本数が増えると疲れてくるのはわかっていたので、1セット目の後半からは我々のペースで進められた。そのきっかけを作ったのは山本(智大選手)のディグであり、大宅(真樹選手)のディグでもあった。大宅や大竹(壱青選手)が入ったことで、いい調子になり自分たちのペースになった。そういう意味では大宅は今日の試合で頑張っていた。2セット目もいいサーブが入っていた。ただ、クイックがなくなり攻撃が単調になるのはまだ課題点。昨日の試合で選手たちは相当なフラストレーションを抱えたので、それを払拭させるような話がそれぞれからあった。我々が話をするということではなく選手自身が今日に向けてメンタルを整え、しっかりと気持ちを持って取り組むことができた。昨日は中国が最高にいい調子で、我々が最低の調子という試合になった。そういう試合もたまにはある。今日は違うスタートになるだろうという思いも非常に強かったし、自信を持って取り組みさえすれば我々のペースで進むと確信していた。選手たちには我々が東京オリンピックで得たプライド、自信をしっかりとコートで出していこう、と伝えた」
「しっかり3-0で勝って、順位決定予備戦E組を1位通過することができてよかった。1セット目は昨日の悪い流れが少しあったが、途中から入った大宅(真樹選手)、大竹(壱青選手)に流れを変えてもらったと思うし、その後の第2、3セットも彼らのいいプレーに助けられた。また、山本(智大)選手のディフェンスが今日は機能していて、ディフェンスで繋いで相手のミスを誘うことができた。攻撃でもチャンスが多かったことが今日の勝因だと思う。大宅選手が入ったことで流れが変わったと感じた。大宅選手とは日本代表でともに活動する期間は少ないが、ユース、ジュニアからトスをよく合わせていた。彼との信頼関係であったり、欲しい球が上がってくるということはわかっていたので心配はしていなかった。大宅選手はトスだけでなく、ブロックタッチを取ったり、ディフェンスやディグもすごくいい選手なので、今日の1セット目はそれに助けられた」
「なかなかチャンスが少ない中、チャンスをいただけたのもすごく嬉しかったし、勝てたことで自分に自信が持てる試合になった。昨日の中国戦であのような試合展開になったにもかかわらず、2枚替えでも起用されなかったことで、まだスタッフから信頼を得られていないと肌で感じたし、正直自分に対して苛立ちもあったが、今日はそれをモチベーションに変えた。使ってもらえて思い切りプレーができた。特に何かを意識してということではなく、スパイカーは優秀な選手が揃っているので、とにかく丁寧に上げることを意識して試合に入った。(今日の試合では)チームに火をつけたいという意図を持ってコートに入ったので、まずは石川(祐希)選手に託してリズムを作っていく、という流れが頭の中でできていた。(石川選手は)同期でキャプテンでもあるので信頼している。打ちづらいトスも多かったが軟打やブロックに当てて決めてくれたのですごく助かった。(スパイクが決まらなかったあとすぐに同じ選手にトスを上げたのは)自分のトスのせいで潰してしまったという気持ちがあったので、もう1度挑戦して、自分に自信を付けるためにももう1度使って、勢いを持っていけるようにということを意識していた」
E組
1位 日本(2勝1敗、勝点6、セット率2.333)
2位 中国(2勝1敗、勝点6、セット率1.333)
3位 カタール(1勝2敗、勝点4)
4位 オーストラリア(1勝2敗、勝点2)
F組
1位 イラン(3勝0敗)
2位 チャイニーズタイペイ(2勝1敗)
3位 パキスタン(1勝2敗)
4位 韓国(0勝3敗)
G組
1位 バーレーン(3勝0敗)
2位 インド(2勝1敗)
3位 クウェート(1勝2敗)
4位 ウズベキスタン(0勝3敗)
H組
1位 サウジアラビア(3勝0敗)
2位 カザフスタン(2勝1敗)
3位 タイ(1勝2敗)
4位 ホンコンチャイナ(0勝3敗)
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 1勝1敗 |
1 | 19 | 29 | 21 | 19 | – |
中国 1勝1敗 |
3 | 25 | 27 | 25 | 25 | – |
※勝敗数は順位決定予備戦同組で、予選グループリーグ戦で対戦済のチームとの成績も含む
(日本はカタール、中国はオーストラリア)
【第1セットのスタメン】
【第1セット】
李博選手のクイック攻撃や宮浦健人選手のバックアタックなどで得点し、幸先良いスタートを切ったかに思われた日本だったが、序盤にサーブミスが続いてしまい、7-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後は中国のリードで試合が進む中、キャプテン・石川祐希選手の奮闘によりなんとか点差を離されず13-13の同点に。しかし、クイック攻撃で中国に得点を許すと、日本は長身選手を揃える中国の高い壁とサーブに苦戦、6連続失点を喫し14-21と一気に引き離された。終盤、途中出場の高梨健太選手がスパイクで応戦するも、最後はサーブミスにより19-25で中国に第1セットを奪われた。
【第2セット】
日本は第1セット終盤からコートに入った高梨選手をスタートから起用。その高梨選手のスパイクで得点すると、中国のミスや宮浦選手のサービスエースなどで5連続得点を挙げ6-2と、日本のペースで試合が進むかに思われた。しかし、日本のミスと中国のサービスエースで今度は5連続失点を喫し、8-10と逆転を許した。中盤、宮浦選手のバックアタックや石川選手のスパイクなどで得点する日本に対し、レフトからのスパイクとクイック攻撃を織り交ぜ、淡々と得点を重ねる中国が、互いに一歩も譲らないサイドアウトの応酬となった。終盤もシーソーゲームは続き、ゲームはデュースに突入。石川選手のサービスエースや藤井直伸選手の強気なトス回しなどでついに逆転に成功すると、最後は中国のスパイクミスで29-27。第2セットを取り返し試合を振り出しに戻した。
【第3セット】
序盤、セッター・藤井選手が相手ブロックを0枚にする巧みなセットから宮浦選手の強烈なスパイクが決まるなどしたが、中国のサーブとブロックが日本の勢いを封じ、4-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、中国のミスと李選手の空中でブロックをかわすクイック攻撃で3連続得点し8-10まで点差を詰めたが、それ以降はサイドアウトを奪い合いながら終盤へ。一歩前に出てこのセットを奪いたい日本であったが、要所でミスが出てしまい、最後はスパイクミスで21-25。第3セットを取られ、セットカウント1-2とされた。
【第4セット】
後がない日本は、藤井選手がセンター線とサイドからの攻撃を絶妙に操り3連続得点を挙げると、8-5と幸先良いスタートを切った。しかし、テクニカルタイムアウトが明けた直後、日本のサーブミスから中国の強烈なスパイクとサーブを決められて、8-10と逆転を許した。中盤、李選手や高梨選手のスパイクで応戦するが、中国の高さのあるブロックに連続失点を喫するなどでさらに点差を広げられ、12-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。日本は途中出場のオポジット・大竹壱青選手のブロックアウトなどで得点したものの、終盤中国はクイック攻撃を中心に攻撃を組み立て、つけ入る隙を与えない。最後も強烈なBクイックを決められ、19-25。日本は第4セットも落とし、セットカウント1-3で中国に敗れた。
「完敗だった。我々のスタートがよくなかったというのもあるが、中国はプレーがアグレッシブだった。5月に(東京オリンピックの)テストマッチをしたときより、サーブ、ディフェンス、ブロックもかなりよくなっている印象を受けた。新しい監督、スタッフの下で強化されていると感じた。日本のブロックが1本だったのに対して、中国は17本あった。相当ブロックの差が大きかった。中国のブロックは穴が少なく、前に出てくる、よく相手を見ていると感じた。ディフェンスに関しても、以前は床に落ちるときに目で追うような、単調、淡白なものが多かったが、身を挺してボールに突っ込んで繋げるシーンが多かったように思った。それでも競ったときには中国もミスを出してくれるが、取ったセット以外は競るところまで行けず、終始中国ペースで試合が進み、のびのびプレーさせてしまったところに今日我々が完敗した理由があると思う。今日はサーブが鍵で、いいサーブが22番の選手に入っていければ十分チャンスがあると思ったが、1セット目はサーブミスからスタートしたこともあり、自分たちのペースで試合が進んでいかなかったように思う」
「特にブロックされるケースが非常に多かった。そこで僕たちが流れを掴めず、逆に中国に流れを渡してしまった。負けるケースとしてはオリンピックでもそうだったが、被シャットアウトが増えると僕たちは流れを作れず、なかなかブレイクを取れなくてこのような展開になってしまう。それが今日の敗因。(オリンピック後最初の敗戦を受けて)勝つのはどの相手でも簡単ではない。自分たちのプレーができなければどこのチームにも負けてしまう。常にベストプレーを出さなければ世界では勝てないと感じた。すぐ明日試合があり、勝たなければ準決勝に進出することができない。明日の試合でベストを尽くせるようにこのあと準備をしていこうと話した。全員がベストコンディションで臨むと思うので心配はしていないが、今日はリズムをうまく作れなかったのでそこが課題点。明日はリズム、試合の入りを僕が意識的に作っていく必要があると思う」
「相手の高いブロックに阻まれてしまう場面が多く、終始相手のペースで攻められる展開になってしまった。(中国のブロックは)高さに加えて、ブロックがしっかり(ネットの)前に出てきていて、空中での駆け引きがうまく、やりづらさがあった。まずは厳しいコースに、(サイド)ライン(上のコース)が締められてしまったらクロスにしっかり叩くこと、あとはブロックアウトや相手のブロックの指先を狙おうとしていた。それができた場面もあれば、下に打ってしまい、相手の腕に当ててブロックに捕まることもあった」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 3勝 |
3 | 25 | 25 | 25 | – | – |
インド 3敗 |
0 | 15 | 15 | 18 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【第1セット】
最初の2戦を欠場したキャプテン・石川祐希選手がスタートから出場。その石川選手の3連続サービスエースなどで6-1と序盤から大きなリードを奪った日本は、その後も大塚達宣選手のブロックアウトなどで得点を重ね、8-4で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤からはオポジット・宮浦健人選手がサービスエースやバックアタックで得点を量産し、日本が主導権を握ったまま終盤へ。20点以降、セッターの藤井直伸選手がクイック攻撃を果敢に使い、ブロッカーに的を絞らせないトスワークでインドを翻弄すると、最後は山内晶大選手のコート奥を狙ったクイック攻撃で25-15。日本が第1セットを先取した。
【第2セット】
序盤はクイック攻撃を多用するインドに、日本は大塚選手や石川選手のスパイクで応戦し、サイドアウトの応酬となった。しかし、宮浦選手が相手の意表を突くフェイントで得点すると、リベロ・山本智大選手の体を張ったディグから石川選手の強烈なスパイクなどで4連続得点し、11-7とリードを広げた。中盤以降、小野寺太志選手のクイック攻撃や大塚選手のパイプ攻撃、宮浦選手のバックアタックなどで日本が19-12とリードを広げると、たまらずインドはタイムアウトを要求した。しかし、このセットでスタートから起用された李博選手のスピードのあるクイック攻撃とサービスエースで、日本が終盤も着実に得点を重ね、最後は石川選手からの難しいトスを大塚選手が決めきり25-15。日本がセットを連取しセットカウントを2-0とした。
【第3セット】
李選手と藤井選手のコンビネーションで幸先良いスタートを切った日本は、この試合で安定したプレーを見せる大塚選手のスパイクや、宮浦選手の豪快なバックアタックでリードを保ち、8-5で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤は宮浦選手のブロックや大塚選手のパイプ攻撃、サービスエースなどで17-12とすると、その後は石川選手がブロックとスパイクでさらに勢いをもたらし、終盤に突入した。インドはこの試合で決定率の高いクイック攻撃で応戦するが、日本は宮浦選手のブロックや大塚選手のコート奥いっぱいを狙ったスパイクで得点し、最後はインドのサーブミスで25-18。インドに20点を取らせることなく勝利した日本は、予選グループリーグ戦A組を1位で通過した。
「石川(祐希選手)がチームに復帰して、若い選手も安心したのか、終始我々のペースでのびのびやれたと思う。特に宮浦(健人選手)、大塚(達宣選手)は安定したプレーをしていた。大塚は初戦であまりいい活躍ができず、次の試合は出場機会がなかったので、なんとかその力を見せたい、活躍したいという思いが強かったと思う。宮浦に関してはブロックもスパイクも、ディフェンスも非常によくやれていた。今日は石川、宮浦、大塚が3人揃って8割5分くらいのスパイク決定率があった。そういう意味では楽なゲームだったと思う」
「しっかりと勝ち切るべき相手に、3-0で1セットも取られずに勝つことができたのは良かった。怪我で2試合休ませてもらい、3戦目で復帰した。これからに繋がる試合ができたと思っている。(先の2試合で)チームにあまり締まりがないと感じていた。楽しむことも笑顔を見せることも必要ではあるが、そこを切り替えようと、メリハリをつけようと意識してコートに入った。新しく入った選手やオリンピックで出場機会のなかった大塚選手はこの大会からだと思っている。(大塚選手は)1戦目は思うようなプレーができなかったと思うので、彼の持っているものを引き出せるような環境作りや、宮浦選手ら新しく入ってきた選手がプレーしやすい雰囲気(作り)だったりと、責任を持ってプレーしてもらうことを考えながらこの試合に入った」
「予選グループリーグ戦の最終戦なので、試合に出る、出ないに関わらず、チームで勝ちにいこうと話していた。今日はここまでの3試合で、チームとして1番いい戦い方ができたのではないかと思う。3-0で勝ち切ることができてよかった。初戦は自分のいいプレーと悪いプレーがはっきり出た。それをネガティブに捉えず、次のプレーのことを意識した。昨日の試合前の練習などで、プレーだけでなく気持ちの面でも『次に次に』という気持ちでやったことが、今日はいい方向に出たのではないかと思う。東京オリンピックではなかなか出場機会がなく、率直に悔しかった。アジア選手権は今シーズン最後の大会であるものの、次のパリオリンピックに向けたチームとしての初めての大会という位置づけにあると考えているので、この1年やってきたことをまず全部出して、色々なことにどんどん挑戦していきたいと思っている」
A組
1位 日本(3勝0敗)
2位 カタール(2勝1敗)
3位 バーレーン(1勝2敗)
4位 インド(0勝3敗)
B組
1位 イラン(3勝0敗)
2位 パキスタン(2勝1敗)
3位 タイ(1勝2敗)
4位 ホンコンチャイナ(0勝3敗)
C組
1位 オーストラリア(3勝0敗)
2位 中国(2勝1敗)
3位 クウェート(1勝2敗)
4位 ウズベキスタン(0勝3敗)
D組
1位 チャイニーズタイペイ(3勝0敗)
2位 韓国(2勝1敗)
3位 サウジアラビア(1勝2敗)
4位 カザフスタン(0勝3敗)
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 2勝 |
3 | 23 | 25 | 25 | 25 | – |
バーレーン 1勝1敗 |
1 | 25 | 17 | 23 | 16 | – |
【第1セットのスタメン】
【第1セット】
昨日のカタール戦から大きくスターティングメンバーを入れ替えた日本、序盤は髙橋藍選手のスパイクや大竹壱青選手のフェイントなどで得点を重ねたが、バーレーンのクイック攻撃に対応できずサイドアウトの応酬となった。8-7でテクニカルタイムアウトを迎えた後も、互いにスパイクで得点を奪い合う展開となった。高梨健太選手や髙橋選手のスパイク、福山汰一選手のブロックなどでバーレーンに対し僅差ながらもリードを守っていたが、セット終了間際に互いが24点目を争う場面でスパイクミスが出てしまい、23-24と逆転を許した。1点を返しデュースに持ち込みたい日本であったが、最後はバーレーンのブロックに掴まり、23-25で第1セットを落とした。
【第2セット】
序盤は、シーソーゲームの展開となった。髙橋選手や大竹選手のスパイクで得点を重ねたが、サーブミスによる失点で流れを引き寄せることができない。しかし、8-7でテクニカルタイムアウトを迎えた後、髙橋選手のブロックや福山選手のサービスエースなどで3連続得点し、11-7と4点のリードを奪った。立て直しを図るため、ここでタイムアウトを要求したバーレーンであったが、日本は大竹選手の連続得点でさらに勢いを増し、16-9とリードを大きく広げた。その後も髙橋選手のパイプ攻撃や大竹選手のライトからのスパイクで着実に得点を重ねた日本、最後は相手のサーブミスで25-17。1セットを取り返し、試合を振り出しに戻した。
【第3セット】
序盤から髙橋選手の豪快なブロックアウトで連続得点した日本だったが、相手もブロックアウトで対抗し、このセットもサイドアウトの応酬となった。日本は、ミドルブロッカー・李博選手と福山選手のスピードと幅を効かせたクイック攻撃でバーレーンのディフェンスを翻弄するも、なかなか点差を広げられない。さらにバーレーンも時間差攻撃を織り交ぜるなど多彩な攻撃で日本ブロックに的を絞らせないバレーを展開し、10-10と1点を争う展開が続いた。しかし、メンバーチェンジで宮浦健人選手がコートに投入されると、セッター・大宅真樹選手は宮浦選手にボールを集め連続得点。そして先に20点台に乗った日本は、髙橋選手のサイドラインを狙ったサービスエースや途中出場した小野寺太志選手のBクイックで得点を重ねた。最後は髙橋選手がスパイクを決め、25-23。セットカウントを2-1とし、この試合での勝利に王手をかけた。
【第4セット】
バーレーンのクイック攻撃やブロックアウトで0-3と3点ビハインドでスタートした第4セット、日本は序盤、髙橋選手のブロックアウトや宮浦選手のバックアタックなどで得点したが、サーブミスやスパイクミスで思うように主導権を握れず、6-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。しかしその後、宮浦選手、髙橋選手のスパイクや李選手のブロックなどで4連続得点し、一気に逆転。その後も高梨選手のスパイクなどでリードを保ち、16-13で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。さらに、小野寺選手の強烈なクイック攻撃で得点を20点台に乗せると、髙橋選手のブロックとサービスエース、李選手・藤井直伸選手の息の合ったコンビネーションで24点目に到達。最後は高梨選手のプッシュ攻撃で25-16。第1セットは落としたものの、第2セット以降立て直しに成功した日本がセットカウント3-1でバーレーンに勝利した。
「(第1セットは)真ん中からのクイックが使えず、髙橋(藍選手)、高梨(健太選手)中心のバレーボールになってしまった。単調なバレーボールをしたことが、バーレーンの良さを引き出してしまった。最後に山本(智大選手)が入ってディグ(強打レシーブ)までつながり、速いラリーから藤井(直伸選手)がトスを散らして、ようやく我々のバレーボールになった。終始調子のいい両アウトサイドヒッターに助けられた試合だった。序盤は髙橋、高梨の個の力で、中盤以降はチームとして戦えていたという認識。アウトサイドヒッターの2人が非常によく頑張れたことは、我々にとってはいいニュースだが、(アウトサイドヒッターに頼る)単調なバレーボールは我々の目指すものではない。もっと複雑に絡み合う、ディフェンスから速い展開をしていくのが我々のバレーボール。それをスタートからできなかったことが、今日1セットを落とした原因でもある。一方で西田(有志選手)や石川(祐希選手)がいないなかで、両アウトサイドヒッターの2人が頑張れたことは、選手層を厚くするという意味でこの大会において評価できる点である」
「(今日の試合でスタートから出場することは)早い段階から教えてもらっていたので、その準備ということで、昨日の試合より今日の試合に向けて相手のデータを確認し、どういうバレーをするのかを自分の中に落とし込もうと準備をしていた。1セット目にブロックはできたが、(トスが)上がるところを分かっていながらクロスに抜かれる場面が多く、その結果最後の方で交代になってしまった。そこが最大の課題だと思うので、また精進していきたい。ブロックを1番苦手としていたが、それを磨いたことで攻撃とブロックを評価されてここにいると思う。身長がない分相手を分析して追いかけて、ブロックタッチでもシャットアウトでも、1本でも多くできるように頑張りたい」
「1セット目を取られてしまったことは反省しないといけない。リズムを作れなかったこと、サーブからディフェンスができずブレイクに繋がらなかったことが1番の原因であると思う。明日に向けて修正して、1セット目から自分たちのリズムでバレーボールをできるようにしたい。頼れるエースである石川(祐希)選手がいないので、取りたい点数の時に誰が決め切るのかが大事になる。それがこの試合でもあった。拮抗した場面で1点取られたときに自分たちがやり返すことが勝つために必要だと思う。(メンバーを入れ替えて臨む本大会で)自分はチームがしんどい時の1点目を取ることを意識してやっているので、そういう場面で点が取れたことは自信にしてもいいのではないかと思う」
チーム | セットカウント | 第1セット | 第2セット | 第3セット | 第4セット | 第5セット |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 1勝 |
3 | 25 | 25 | 25 | – | – |
カタール 1敗 |
0 | 20 | 23 | 21 | – | – |
【第1セットのスタメン】
【第1セット】
東京オリンピック後最初の大会での初戦、日本はスターティングメンバーに大塚達宣選手や日本代表戦デビューの宮浦健人選手を起用。序盤から李博選手のクイック攻撃や宮浦選手のバックアタックなどで得点を重ねた日本は、藤井直伸選手のサービスエースで8-5とリードして1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後も宮浦選手のコート奥いっぱいを狙ったスパイクや、小野寺太志選手の鋭いBクイックでリードをキープし、18-8で大竹壱青選手と大宅真樹選手を2枚替えで投入。その大竹選手のストレートを狙った強烈なスパイクで得点し、この流れのままセットを先取したいところであったが、カタールに4連続失点を喫するなど、23-18まで詰め寄られた。しかし、最後は途中出場の高梨健太選手がしっかりと決め、25-20で第1セットを先取した。
【第2セット】
第1セットの勢いのまま攻撃を仕掛けてくるカタールに対し互角の争いとなった。髙橋藍選手の連続パイプ攻撃で得点するも、相手もサービスエースなどで対抗し、1回目のテクニカルタイムは7-8とカタールのリードで迎えた。小野寺選手のブロックやBクイック、大塚選手が自らのサーブレシーブから攻撃を仕掛けるなど、多彩な攻撃で先手を取るが、カタールもレフトからの強烈なスパイクなどで対抗し、2回目のテクニカルタイムも16-15の僅差で迎えた。しかし、2枚替えで入った大竹選手のスパイクで得点すると、高梨選手が相手のレフトからのスパイクをブロックでシャットアウトするなど23-21と日本が一歩前に出た。最後は高梨選手のブロックアウトで25-23。2セットを連取し、セットカウントを2-0とした。
【第3セット】
第3セット、日本は大塚選手に代わり高梨選手をスターティングメンバーに起用。序盤は両チームとも一歩も譲らずサイドアウトの応酬となったが、李選手のブロックで均衡状態から抜け出すと、宮浦選手の意表を突いたフェイントなどで連続得点を挙げ、9-5とリードした。中盤以降、セッターの藤井選手が途中出場の大竹選手にボールを集めると、大竹選手は高い打点から繰り出されるスパイクで日本をさらに勢いづかせた。終盤、日本は髙橋選手のスパイクや相手のミスで得点を重ね、最後は大竹選手の豪快なブロックアウトで25点目を取り、25-21。セットカウント3-0のストレートでカタールに勝利し、本大会初白星を獲得した。
「久しぶりのお客さんの前での試合だったためか、押し込まれた感がある。スタートはすごくよかったが、いいジャンプフローターサーブで久しぶりに崩されたという印象。バレーボールネーションズリーグ、オリンピックでは(ジャンプフローターサーブに)そうそう苦しめられた感はなかったが、今日は1セット目の終わりから2セット目にやられた感じがある。しかし、高梨(健太選手)がサーブレシーブで安定感を発揮してくれたことが大きく、勝利の一因だと思っている。(石川祐希選手が欠場することで)もっと苦労すると思っていた。カタールにはスパイクをブロックの上から打たれるなど、強豪チームと大差のないプレーが随所に見られた。一方でディフェンスに粗さがあり、そういうところに我々が付け込む隙があると思った。相手ペースになるとセットを落とすこともあるかと思ったが何とか耐えきることができたのは、高梨の安定したプレーが大きかった。やはり石川は大黒柱であり、コートでは安定したポイントゲッターであるため、石川不在の中、追い込まれた時にどうなるかと不安はあったが、一方で自分たちの展開、ラリーを続けたり、早いテンポに持ち込んでいけば相手のミスを誘えると思った。ディフェンスからしつこいバレーに持ち込んでいけば、我々のプレースタイルで試合ができると思っていた。そう意味では最後は自分たちのペースにできたと思う」
「入りはすごく緊張したが、最後まで戦って1勝できてほっとしている。今日は自分の中でベストを尽くすことを意識して試合に入り、それができたと思う。アンダーカテゴリーとシニアの大会を比較すると、相手のブロックが高く、ミドルはブロックの動きが早いと感じた。相手ブロックが1枚だと思ってクロスに打っても2枚目が出てくるし、高さも身体能力もあると感じた。高いブロックに対しては、自分の中に選択肢をたくさん持つことを意識して試合に臨んだ。ハイセットで3枚ブロックがある局面で、できるだけミスを減らすことや相手の嫌なところに返そうと心掛けた。相手の嫌なところに返すのはいいとは思うが、勝負する時はもっと勝負してもいいと思った」
「まずはこの大会を運営してくださる関係者、本日応援してくださった方に感謝しています。お客さんが近くで応援してくださることで、いままでと違った力が出てくるし、心強いと感じた。(フロントで相手ブロックが3枚並ぶ場面でのリバウンドや攻撃に対する意識について)最初は少し様子を見てシャットアウトを食らうことがあったが、試合中に映像を見て通過点が下がっていることを確認し、修正することができた。(ブロックが)3枚来ても通過点を下げずにスパイクを打ったり、プッシュでリバウンドを取ることで、失点しないようにと常に意識していた」