FIVBワールドグランプリ2014

RESULTS

試合結果

ファイナル東京大会 最終順位

  1. ブラジル
  2. 日本
  3. ロシア
  1. トルコ
  2. 中国
  3. ベルギー

ファイナル東京大会 個人賞

ウィングスパイカー賞第1位 リュウ,ギョウトン選手(中国)
ウィングスパイカー賞第2位 長岡望悠(日本)
ミドルブロッカー賞第1位 イリナ・フェティソワ(ロシア)
ミドルブロッカー賞第2位 ファビアナ・クラウジノ(ブラジル)
ベストセッター賞 ダニエル・リンス(ブラジル)
ベストオポジット賞 シェイラ・カストロ(ブラジル)
ベストリベロ賞 佐野優子(日本)
MVP 佐野優子(日本)

FIVBワールドグランプリ2014 最終順位

  1. ブラジル
  2. 日本
  3. ロシア
  4. トルコ
  5. 中国
  6. アメリカ
  7. セルビア
  8. 韓国
  9. イタリア
  10. ドイツ
  11. タイ
  12. ドミニカ共和国
  13. ベルギー
  14. オランダ
  1. プエルトリコ
  2. ポーランド
  3. アルゼンチン
  4. ペルー
  5. カナダ
  6. キューバ
  7. ブルガリア
  8. チェコ
  9. クロアチア
  10. カザフスタン
  11. ケニア
  12. メキシコ
  13. オーストラリア
  14. アルジェリア

日本の試合結果

8月24日 日本×ブラジル 決勝ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本 0 15 18 25
ブラジル 3 25 25 27

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014ファイナル東京大会最終5日目、FIVB世界ランキング3位の日本は同ランキング1位のブラジルと金メダルをかけて対戦した。試合前の時点で、日本はブラジルから2セットを取った時点で優勝、ブラジルはセットカウント3-0か3-1で日本に勝てば優勝、という状況だった。昨シーズン披露した「MB1(ミドルブロッカー1人の位置にウィングスパイカーが入る戦術)」をさらに進化させた新戦術「Hybrid6」で今大会に挑んだ日本は、22日中国戦、23日ベルギー戦と同じスタメンで試合開始。第1、第2セットは攻守にわたり険しく立ちふさがるブラジルを追う展開で失ったが、第3セットは一歩も譲らぬ奮闘を見せてデュースへ。しかし、あと一歩が届かずこのセットも失い、セットカウント0-3でブラジル敗れた。この結果、日本は準優勝となり、22回目の出場となった本大会において、初めてのメダルとなる銀メダルを獲得した。

第1セット、日本は立ち上がりこそ石井優希や大野果奈のスパイクで先行したが、その後はネット際で強さを発揮するブラジルに対しミスが多い展開となった。5-8、11-16とテクニカルタイムアウトでもリードを許した日本。その後は得点源の1人としてマークされていた長岡望悠に代えて石田瑞穂を投入したほか、セッターにも宮下遥に代え中道瞳を送り込むなど手を尽くしたが、15-25で第1セットを落とした。

第2セット、リードして試合を進めたい日本は、第1セット最初のメンバーに戻しスタート。しかし、ブラジルのシェイラ・カストロに次々と得点を決められて、4-8と苦しい状態でテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、さらに点差が離れたが、木村沙織が気迫あるスパイクを決め、途中出場の石田や江畑幸子らも得点。13-14とブラジルに1点差にまで迫ったが、反撃の勢いは続かず。木村に代わった高田ありさや山口舞が奮闘するも、要所でミスが出てしまい、18-25で第2セットを落とした。

第3セット、セット始めよりセッターに中道、そして石田と山口をスタメンに起用して挑んだ。長岡のバックアタックで先制すると、相手のミスや長岡のブロック、新鍋理沙のスパイクが決まってスタートダッシュに成功した。日本のミスやブラジルの好プレーもあって逆転される場面も見られたが、8-7と日本はこの試合で初めてリードして1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後も木村のスパイクなどで、10-7までリードを広げたが、すぐにブラジルのタイーザ・メネセスのクイックなどで得点を奪われると、日本のミスも出た中でブラジルに逆転を許した。その後は一進一退となったが、ファビアナ・クラウジノの連続ブロックでブラジルが一歩抜け出せば、日本は高田ありさの連続サービスエースで得点。セット終盤にも石井の強打で連続得点を挙げ、勝負はデュースへともつれ込んだ。しかし堅いディフェンスから最後に決めたのはブラジル。粘りを見せた日本だったが、25-27で第3セットを落とした。

【コメント】

眞鍋政義監督
「銀メダルは非常に悔しい。(本大会は予選ラウンドの)5連敗からスタートしたが、選手はこの(決勝ラウンドでの)5連戦よくやった。背の低い選手たちが5試合を戦うというのは、恐らくほかのチームより遥かに疲れたと思う。でも今日(24日)の反省点をしっかり次の試合につなげていかなければならない。5月から『ワールドグランプリで結果を出し、さらに1カ月後の世界選手権(2014女子世界選手権)で世界一を目指そう』と選手たちには話をしていた。9月23日に始まる世界選手権に向けてしっかり調整していきたい。本大会、予選ラウンドからここまで、強豪のセルビア、ロシア、中国にも勝って、かなり手応えはあった。あと1カ月、今日の悔しさを胸に秘めて挑戦していくだけ」

キャプテン・木村沙織選手
「世界一のブラジルを相手に、まだまだ足りないところが多かった。初めての銀メダル獲得だが、すごく歯がゆくて悔しい。リオデジャネイロオリンピックで金メダルを取るためにもいい経験になったし、勉強になった。今日は負けたが、本大会を通してチームワークや仲間同士の絆が強くなった。(試合にも)すごくいい状態で臨めた。予選ラウンドで負け続けていた時、諦めずに全員が気持ちを強く持ち続けて今回銀メダルという結果になった。新戦力も加わり、誰が出ても自分たちらしいバレーができるようになってきた。いい部分もあったが、悪い部分も多くあったので、大いに反省し、次の試合に備えたい。試合の流れによって皆がそれぞれの役割をこなしていた。それが、チームが崩れそうになった時に立ち直ることにつながった」

佐野優子選手
「決勝ラウンドの第4戦まではいい戦いをしてきたが、その戦いぶりが今日はできなかったことが心残り。MVPとベストリベロを受賞できたことは嬉しいが、できれば金メダルを獲って受賞したかった。自分のコンディションが良くなったのは決勝ラウンドに入ってから。ブラジルに全ての面で研究されていると感じたが、自分自身は手応えがあったと思う」

8月23日 日本×ベルギー 決勝ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
4勝
3 26 25 25
ベルギー
4敗
0 24 16 15

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014ファイナル東京大会4日目、FIVB世界ランキング3位の日本は、同ランキング22位で、ファイナルラウンドグループ優勝国のベルギーと対戦。昨年、披露した「MB1(ミドルブロッカー1人の位置にウィングスパイカーが入る戦術)」をさらに進化させた新戦術「Hybird6」で今大会に挑む日本は、昨日(22日、中国戦)と同じスタメンで試合開始。第1セット、相手のディフェンスにも苦しんでデュースとなったが、このセットを奪うと、第2セット、第3セットも奪取。3日連続でのストレート勝ちとなった。次戦は 大会最終日の8月24日19 時5分より、同ランキング1位で第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)女子バレーボール競技、金メダルのブラジルと金メダルを賭けて対戦する。明日日本が勝利すれば金メダル獲得、負けてもセットカウント2-3のフルセットに持ち込んでの敗戦であれば金メダルが決まる。

第1セット、最初のプレーで選んだのは今日も大野果奈のクイック。しかし、これをブロックされると、連続失点。追いかける展開となり、7-8で最初のテクニカルタイムアウトを迎えた。タイムアウト明け、木村沙織のサービスエース2本で逆転すると、新鍋理沙もアタックを決めて16-14、2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。また、この間、日本は早くもセッターを宮下遥から、中道瞳と交代。日本はその後、ベルギーの両エース、リセ・ファンヘッケ、エレーヌ・ルソーに苦しみ、3連続失点。18-19と逆転を許すが、すぐに木村もブロックアウトを2本決めて再逆転した。その後はサイドアウトが続き、デュースにもつれるが、24-24から木村がレフトから2本、ブロックアウトを奪って第1セットを奪った。

第2セット、日本は第1セットに途中交代で入った中道、江畑幸子をスタートから起用した。点を取り合う立ち上がりとなったが、日本が先に抜け出した。新鍋、江畑のアタックや相手のミスなどで5連続得点、10-6とリードを広げた。その後も、江畑、大野のサーブから連続得点をあげていくと、20-11と大量リードを奪った。最後は新鍋のライト攻撃で25点目を奪い、25-16でセットを連取した。

そして第3セット、立ち上がりはサイドアウトが続く展開となったが、長岡望悠、江畑のスパイクで得点を奪うと、8-6でテクニカルタイムアウトに到達する。その後、大野、木村、ピンチサーバー高田ありさなど日本のサーブが相手を崩しだすと、好レシーブも飛び出して最大9点のリードを作った。そして24-15とマッチポイントを迎えると、最後は相手のスパイクがアウトとなり、25-15。3日連続でのストレート勝利を収めた。

【コメント】

眞鍋政義監督
「今日は立ち上がり苦しんだが、2セット目以降はサーブとサーブレシーブが決まり出した。第1セットはサーブがターゲットの正面を突いてしまい、相手の10番の選手にはじかれ、ディフェンスがうまくいかなかった。その後はターゲットの所へいくようになり、ディフェンスもブロックもいい展開になったと思う。今年初め、選手、スタッフ全員で、この大会で世界一に挑戦しようという目標を立てた。今年の目標が世界一だから、いよいよ明日それに挑めるなという気持ちだ。昨秋のグラチャン(ワールドグランドチャンピオンズカップ)で優勝を争う最終日に3-0か3-1で勝てば世界一のチャンスがあった時に、一方的に負けてしまった。次の目標を2016年で金メダルを取れるという目標でやっていこうと心に決めた。オリンピックではファイナルで勝たないと金メダルを取れない。そういう意味で、昨年ファイナリストを経験しており、今年で2回目の世界一挑戦。ブラジルが強いのは重々承知しているが、オリンピックで金メダルを取るためには明日、14人の選手たちが必死になって戦い、新しい戦術がどこまで通用するか、いい経験をしたい」

キャプテン・木村沙織選手
「試合序盤、なかなかリズムが作れなくて、難しい試合だったが、今日もチーム力で最後まで戦って、勝ててよかったと思う。序盤は相手のレシーブがすごくよかった。いつもなら決まるボールがつながって、逆に相手に点数を取られることがすごく多かった。そのため、なかなか自分たちのリズムを作ることが難しかった。(明日、金メダルを賭けたブラジル戦)今までのいろんな大会を戦ってきたが、全日本女子で金メダルをかけた戦いはそんなにないこと。14人全員のチーム力で頑張りたいと思う」

中道瞳選手
「ここまでチームがいい流れできていたので、自分も早く乗りたいと思っていた。今日勝ったことで、明日につながったと思う。今日は、レセプション(サーブレシーブ)が悪いとは感じていなかった。自分自身が勝手に焦ってトスを上げている部分があったので、江畑選手を始め、今まで悩んで苦しんできた選手に決めさせてあげたいと思い、トスを上げていた。(明日、金メダルを賭けたブラジル戦)明日の試合は、本当に貴重な経験ができる一戦だと思う。個人的にワールドグランプリの予選ラウンドが始まってから、チームに貢献できてなかったので、明日は役割を果たしたい」

江畑幸子選手
「今日の試合は途中からコートに入ったが、ほかにも途中から入る人が多かったこともあって、いいリズムで戦うことができた。ストレート勝利することで、いい雰囲気が作れたと思う。私はポイントゲッターだが、スパイクに力が全然入らず、今まで思うようなスパイクが打ててなかった。今日は、コートに入った時に、とにかく思い切り打ち込もうと思ってプレーした。明日もしっかり打ち込みたいと思う。(明日、金メダルを賭けたブラジル戦)今まで、ワールドグランプリではメダルを取ったことがなかったが、明日は、金メダルをかけてブラジルと対戦できる。そのことを本当にうれしく思うし、今までやってきたからには、勝って金メダルが欲しい」

8月22日 日本×中国 決勝ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
3勝
3 25 25 25
中国
1勝2敗
0 21 17 21

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014ファイナル東京大会3日目、FIVB世界ランキング3位の日本は、同ランキング5位で、本大会予選ラウンドでは1勝1敗とタイの中国と対戦した。昨年披露した、「MB1(ミドルブロッカー1人の位置にウィングスパイカーが入る戦術)」をさらに進化させた新戦術、「Hybrid6」で本大会に挑む日本は、昨日(21日、トルコ戦)と同じスタメンで試合開始。この試合、スパイク決定率72.73%と高確率を記録した長岡望悠を中心に、「Hybrid6」らしい多彩な攻撃を披露。セットカウント3-0のストレートで勝利し、ファイナル東京大会3勝目を挙げた。次戦は 8月23日19 時5分より、「2014女子世界選手権」の1次ラウンドで同じD組に入るベルギーと対戦する。

第1セット、先取点は昨日同様に大野果奈のクイックから生まれた。その後は両チームがサイドアウトを奪い合ったが、先に中国にミスが出た。曾春蕾(ソ,シュンライ)のスパイクがアウトとなると、日本は石井優希がライトからスパイクを決めて8-6、最初のテクニカルタイムアウトを奪った。その後も、新鍋理沙の技ありのブロックアウト、長岡のクロススパイクなどで4連続得点し、リードを広げていった。2度目のテクニカルタイムアウト後、佐野優子の好レシーブが飛び出すとチームのディフェンスがさらに堅固になり、リードを広げた。終盤の連続失点を木村のスパイクで断ち切ると、長岡、石井の得点で25-21、まず第1セットを奪った。

第2セット、石井のサーブからスタートすると、いきなり4連続得点を挙げ、主導権を握った。その後はサイドアウトが続いたが、木村のサーブから流れを掴んだ日本。サービスエースなどで3連続得点を挙げてリードを広げると、終盤には高田ありさ、石田瑞穂、内瀬戸真実を次々とピンチサーバーに送った。これが奏功してさらにリードを広げると、最後は長岡の得点で25-17、第2セットも日本が奪った。

第3セット、開始から互いに持ち味を発揮。日本は「Hybrid6」らしく、多彩な攻撃で着実に得点を重ねた。その後も、佐野を中心に相手のスパイクを次々と上げてみせた。そして13-12の場面から、木村の2本のサービスエースなどで16-12とリードを広げてテクニカルタイムアウトを迎えた。タイムアウト明け、新鍋のブロック、スパイクでリードを広げた日本。マッチポイントを迎えてから連続失点したが、最後はこの試合、大活躍の長岡がライトからの攻撃でブロックアウト。25-21で第3セットも奪い、中国にセットカウント3-0でストレート勝ちを収めた。これで3勝0敗、勝点を9とし、暫定首位の座を守った。

○FIVBワールドグランプリ2014ファイナル東京大会 順位表(8月22日終了時点)

1位:日本(勝点9/3勝0敗)

2位:ブラジル(勝点7/2勝1敗)

3位:ロシア(勝点5/2勝1敗)

4位:トルコ(勝点3/1勝2敗、セット率=0.625)

5位:中国(勝点3/1勝2敗、セット率=0.429)

6位:ベルギー(勝点0/0勝3敗)

【コメント】

眞鍋政義監督
「ブロックが高い中国に対して、サーブレシーブも安定していたし、攻撃陣がブロックの間をよく狙って打っていた。中盤から後半、サーブも非常に効果的に打てたと思う。長岡(望悠選手)は、トスが上がったら全部決まるという感じだった。これだけのスパイク決定率、効果率は驚異的な数字だ。また、2年ぶりの全日本復帰の佐野(優子選手)も、予選ラウンドは調子がいまひとつだったが、決勝ラウンドになってから、モチベーションも高く本当に素晴らしいプレーをしている。木村(沙織選手)、新鍋(理沙選手)のポジションの選手が、数多くアタックを打っていっているが、佐野がいなかったら、もっと苦しんでいるはず。宮下(遥選手)に関しても、初めての全日本だった昨年に比べて、精神的に安定している。ブロックのよさも相まって、トスの安定につながっていると思う」

キャプテン・木村沙織選手
「中国は同じアジアのチームということもあり、負けられない戦いだったので、チーム力で勝ててよかった。やはり自分たちが勝つためには、サーブで相手を崩すことが必要だと思う。サーブは長く練習時間を取っているし、個々がコーチの意見を聞いてしっかり練習していることが、結果につながっていると思う。明日のベルギー戦に集中して、勝てるようにしたい」

長岡望悠選手
「5連戦の3試合目、しっかり勝てたことがうれしい。明日、明後日、勢いに乗っていくためにも勝ててよかった。今日の試合も、自分の中ではいつもと同じような気持ち、いつもと同じ意識でプレーしていたが、いつもより決まっているなとちょっとびっくりした。佐野選手、木村選手、新鍋(理沙)選手がいいサーブレシーブを返してくれたので、いい状態で打てることが多かった。『Hybird6』という新戦術で挑み、選手、スタッフがこの大会に賭けている。世界選手権(2014女子世界選手権)に向けてもいい形で大会を締めくくりたい。ただし、宮下選手も言ったとおり、細かいところで課題もたくさんあるので、そこをクリアしながら、結果を残していきたいと思う」

宮下遥選手
「試合開始直後は、チームのサーブがよくなく、相手の攻撃に対応できなかったが、終盤にいいサーブが入るようになり、ディフェンスもよくなった。(明日の試合の結果でワールドグランプリ史上初のメダルが決まることについて)あまりそういうことは考えてないが、絶対1点を取れるという状況で、取れなかった脆さもあるので、そういう部分に目を向けて戦っていけば、よいいい色のメダルに近づくと思う」

8月21日 日本×トルコ 決勝ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
2勝
3 25 25 25
トルコ
1勝1敗
0 13 17 17

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014ファイナル東京大会2日目、FIVB世界ランキング3位の日本は、同ランキング11位で、予選ラウンドトルコ大会初戦で敗れたトルコと対戦した。昨年披露した、「MB1(ミドルブロッカー1人の位置にウィングスパイカーが入る戦術)」をさらに進化させた新戦術、「Hybrid6」で本大会に挑む日本は、昨日(20日、ロシア戦)のスタメンから石田瑞穂に代え大野果奈、江畑幸子に代え石井優希を起用。各セットとも開始直後に連続失点してしまったものの、相手のスパイクをブロック、レシーブで防いで流れを引き寄せると、多彩な攻撃が機能。セットカウント3-0のストレート勝ちを収め、ファイナル東京大会2勝目を挙げた。次戦は 8月22日19 時5分より、予選ラウンドで2度対戦し、1勝1敗とタイの中国と対戦する。

第1セット、開始直後にミスが続き1-3とリードされた日本は、新鍋理沙の技ありブロックアウト、宮下遥のサービスエースなどで連続得点を挙げ、8-6で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、木村沙織のサービスエース、新鍋のブロック、石井のバックアタックと得点を稼いで16-11と5点のリードを奪った。2回目のテクニカルタイムアウト明け、日本は石井のバックアタックをきっかけに3連続得点。ギョズデ・ソンスルマとネリマン・オズソイの両エースを中心にサイド攻撃を展開したトルコを寄せけない。その後も大野のクイックなどで得点を重ね、25-13で第1セットを奪った。

続く第2セット、日本は木村のアタックを中心に得点を重ねて7-5としたが、ここから3連続失点を喫し、7-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後、先に流れを掴んだのは日本。12-12の場面で石井のバックアタックが決まると、ディフェンスでも粘って相手のスパイクを上げた。そして木村、長岡望悠、新鍋などが活躍。6連続得点、4連続得点とリードを広げると、最後は相手のサーブが外れて、25-17で2セットを連取した。

第3セット、またも開始直後に連続失点を喫した日本だったが、長岡のアタック、木村のサービスエースなどで盛り返して逆転し、8-6で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後も、日本はディフェンスで粘って得点するいい展開で連続得点を奪った。23-13と勝利目前で3連続失点を喫したものの、トルコの反撃もここまで。木村がその流れを断ち切ってマッチポイントを握ると、最後は相手のミスで25-17。セットカウント3-0のストレートでトルコを下した。

○FIVBワールドグランプリ2014ファイナル東京大会 順位表(8月21日終了時点)

1位: 日本(勝点6/2勝0敗)

2位: ブラジル(勝点4/1勝1敗)

3位: ロシア(勝点3/1勝1敗/セット率=1.333)

4位: 中国(勝点3/1勝1敗/セット率=0.750)

5位: トルコ(勝点2/1勝1敗)

6位: ベルギー(勝点0/0勝2敗)

【コメント】

眞鍋政義監督
「久しぶりにミーティングどおりのゲーム展開になった。まず、サーブでトルコチームを崩すことができたのと、そのボールをブロックとレシーブで切り返すことができ、思い通りの展開だった。(今日のディフェンスについて)特別なことは何もしていない。選手たちの集中力は今年1番だった。ブロックに関しては、1人1人の約束事がしっかりできていたと思う」

佐野優子選手
「各セットともスタートがよかったし、各ポジションがいい仕事ができたと思う。予選ラウンド第1週のトルコ戦はサーブレシーブが崩れてしまったことが敗因だったが、今日はサーブレシーブが重要になると思って高い意識で臨んだ。2年ぶりの全日本女子チーム復帰で、スタート当時は気持ちが追い付かなくて今までどおりのプレーができなかったが、ファイナル東京大会になって気持ちも追いついてきた。チームに貢献できているのではないかと思う」

石井優希選手
「レシーブとブロックの関係がよかったのと、レフト、センター、ライトと幅広く攻撃ができた。(予選ラウンドからの好調ぶりについて)きっかけがあったわけではないが、不調だと思い込んでいる気持ちの面で問題があったので、(その思い込みを止めて)何も考えず、今できることをやろうと考えて臨んでいる」

大野果奈選手
「出だしからサーブで攻めることができた。そこから、ブロックとディグ(スパイクレシーブ)が機能したと思う。(自分の仕事は)ライトからも打たなければいけない。主な仕事はクイックなので、セッターとコミュニケーションを取ってやりたいと思う。トランジション(相手の攻撃から)の時も、クイックに入って、トスを上げてもらおうと思っている。(宮下)遥(選手)との関係もうまくいっており、早い展開で攻められた。世界一になることを目標に置いているので、チーム皆で1つになって努力していきたい」

8月20日 日本×ロシア 決勝ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
1勝
3 22 25 25 25
ロシア
1敗
1 25 20 21 17

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014ファイナル東京大会初日、FIVB世界ランキング3位の日本は、同ランク6位で今シーズン3連敗中のロシアと対戦。昨年披露した、ミドルブロッカーの位置にウィングスパイカーが入ったMB1をさらに進化させた新戦術「Hybrid6」で今大会に挑む日本は、ロシアの高さに苦しみ、第1セットを奪われたものの、第2セットから、3セット連取。セットカウント3-1で、大会初戦で勝利を収めた。次戦は8月21日19時5分より、本日20日の初戦でブラジルを破り勢いに乗るトルコと対戦する。

第1セット、佐野優子を中心にディフェンスで粘りを見せた日本は、得点を重ねた。キャプテン・木村沙織のサービスエース、長岡望悠のストレートスパイクなどで、8-6で最初のテクニカルタイムアウトを奪った。その後も、石田瑞穂のクイック、新鍋理沙、木村のアタックなどで16-14とし、2回目のテクニカルタイムアウトへ。しかし、ここから流れが変わった。ロシアは、ナタリア・マリフ、タチアナ・コシェレワとサイドを中心に攻撃。さらにその高いブロックに日本のアタックが捕まりだし、逆転を許した。日本は、石井優希、中道瞳をピンチサーバーに送り、挽回を狙ったものの、22-25で第1セットを失った。

第2セット、日本は江畑幸子に代えて石井をスタートから投入。最初のテクニカルタイムを8-5で迎えたあと、ミスが続くシーンもあったが、新鍋、長岡、石井の活躍でリズムを取り戻してリードを作ると、25-20でセットを取り返した。

勢いのままに迎えた第3セット、日本は序盤から5連続得点、6連続得点と攻守のバランスが取れて12-2と大量リードを作った。ここで2回目のタイムアウトを取ったロシアだったが、その直後にコシェレワを中心に10連続得点。12-12と振り出しに戻ってしまった。日本はその間に宮下に代え中道、石井に代え江畑を投入。その後は、互いに点を取り合う展開となったが、守備で粘りを見せた日本がリードを奪い、最後は新鍋のライト攻撃で25-17とし、第3セットを奪った。

第4セット、序盤に連続失点してしまった日本だが、木村の得点をきっかけに江畑、石田、新鍋らが連続得点を挙げた。16-11で2度目のテクニカルタイムアウトを迎えると、その後も新鍋、江畑、木村が次々と得点を奪っていき、最大7点差のリードを作った。最後25点目は、この試合でクイック攻撃も見せた石田がサービスエース。25-17で第4セットを取った日本がセットカウント3-1で勝利し、本大会初戦をものにした。

【コメント】

眞鍋政義監督

「欧州チャンピオンに勝てて正直嬉しい。『世界一に挑戦』という目標を持ち、『Hybrid6』という新しい戦術に賭けているだけに、選手たちの誰を出しても活躍できるという形に感謝している。(ロシアには)予選リーグで負けており、高さのある相手だったので、まずはサーブレシーブをセッターに回し、真ん中のゾーンから攻めたいと思っていた。ロシアも日本をかなり研究していた。選手たちにはチームで団結すること、結束で助け合うことを前日(19日)に説明した。(本大会)あと4戦、バックアタックの効果率と決定率を上げることが大事」

キャプテン・木村沙織選手

「初戦は絶対に勝って次につなげようと思っていたので、全員で結果を出せて良かった。序盤はブロックに引っかかりつまずいたが、(長岡)望悠(選手)が入ることで修正でき、江畑(幸子選手)も回してくれてうまくいった。本当に『世界一に挑戦する』という意識で全員が目の前の試合を勝っていきたいと思っている。『Hybrid6』の意味を監督から昨日(19日)聞いて、皆が意識して全員の力でまとまらないと世界では勝てないと思った。次は私が所属していた(チームがある)トルコと戦うが、(ブラジルに勝利し、勢いに)乗っているチームなので、(トルコの)両エースに仕事をさせないようにしたい」

長岡望悠選手
「初戦が大事だと思っていたので勝てて良かった。自分のポジションは従来と違い、ローテションの半分だけコートに入っているが、その中でも色々な所から攻めて点を取ることが1番の仕事。チームが苦しい時に1点を取れる選手が多いほど、チームは強いということ」

宮下遥選手

「勝てて良かった。サーブで攻めていけたのが良かった。中盤から徐々に工夫が見られた。第3セットの12-2から10連続失点した時、監督からの指示が多すぎてその迷いがプレーにでてしまった。どんな指示かは作戦上言えない」

8月17日 日本×中国 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
4勝5敗
3 25 25 18 28
中国
5勝4敗
1 20 22 25 26

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014予選ラウンド第3週マカオ大会最終日。FIVB世界ランキング3位の日本は、同ランキング5位の中国にセットカウント3-1で快勝し、4連勝で予選ラウンドを終えた。第1セットから石井優希、内瀬戸真実、高田ありさ、セッターに中道瞳など、スタメン6人全員を16日の韓国戦のメンバーから代えて起用した。序盤からスピードで中国のブロックを上回り、第1セットを25-20で先制すると、続く第2セットも25-22で奪った。第3セットは18-25で失ったが、第4セットでデュースにもつれこんだ接戦を28-26でものにし、9日の香港大会でストレート負けを喫した中国に雪辱を果たした。日本は有明コロシアム(東京都江東区)で20日から行われる決勝ラウンドに出場する。

第1セット、日本は内瀬戸がスパイクを決め好調な滑り出しとなった。8-8からは石井、内瀬戸が躍動し、5連続得点と試合の主導権を握った。その後は互いに得点を奪う展開が続いたが、22-20から高田の技ありの一打、石井の好サーブなどで25-20と第1セットを先取した。

第2セットは序盤に中国に4連続得点を許すなど苦しいスタートとなった。それでも大野果奈のサービスエースなどで反撃。高さを誇る中国を相手に正確なサーブで崩しにかかり、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後5連続失点と崩れかけた日本だが、内瀬戸のレフトからの一打で流れを引き寄せ、最後は石井のスパイクなど4連続得点で第2セットも25-22で連取した。

第3セット、前半は中国のブロックが威力を発揮し4-8で1回目のテクニカルタイムアウトとなった。その後も高さで強引に攻める相手に連続失点を喫する場面が続いた日本。高田の一打で流れを切ろうとするが、最後は18-25で押し切られ、第3セットを失った。

第4セット、立ち上がりから4連続得点と石井のスパイク、高田のブロックで波に乗った。8-4と優勢のまま1回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、そこからは一進一退の攻防が続き、16-13で2回目のテクニカルタイムアウト。このまま逃げ切りたい日本は、21-17から4連続失点を喫し同点に追い付かれたが、石井、大野のスパイクで得点を奪うと、デュースとなってから内瀬戸がライトから狭いところを打ち抜き25-24に。最後は中国のミスにも助けられ28-26で粘る相手を振り切った。

この結果、セットカウント3-1で中国に勝利した日本。マカオ大会を3戦全勝、予選ラウンドを4勝5敗で終えた。

【コメント】

眞鍋政義監督

「予選ラウンド最終戦で、今までなかなか試合に出なかった選手をスターティングメンバーで起用した。来週からの決勝ラウンドは5連戦。背の低い選手で5連戦を戦うには、14名をフルに使わないと勝てない。試合勘などを踏まえて起用した。チームがまとまり、スパイク、ディフェンスと思い通りのバレーができた。高田(ありさ選手)はサーブレシーブするパスヒッター。何回か狙われて苦しいところもあったが、持ちこたえてブロックをかわし決めてくれた。中道(瞳選手)はなかなか勝てずに悩んでいたけど、中道で勝ったことは本当に大きい。中道、宮下(遥選手)2人のセッターがスパイカーと息が合ってきた。うまく併用したい」

キャプテン・木村沙織選手

「香港大会でタイに勝って勢いに乗り、マカオ大会では全部勝って東京(での決勝ラウンド)に行こうという気持ちをみんなが強く持っていた。今日の試合は丁寧なゲーム運びができた。個人個人がみんなコンディションを上げ、日本らしいオリジナルなバレーも出てきている。この勢いで決勝ラウンドに乗り込みたい。丁寧に、いやらしいバレーをしていけば、海外のどのチームも嫌がる。丁寧に、細かく、日本らしくやりたい」

石井優希選手

「控えだったメンバーがスタートからいくという話があり、『勢いで勝ちにいこう』と話していた。いい流れ、リズムで試合を進められた。『ミスが目立ったかな』と感じた部分はあるが、いつも試合後に課題、反省点ばかり言っているから、今日だけは良かったかなと思いたい。ブロックが2枚きても、(ブロックの間が)空いていた。眞鍋監督に言われてから打ち出したというのもあるが、決め切れてよかった。チームもまとまっていると思うし、日本に帰ったら決勝ラウンドなので、マカオ大会で3連勝できたのはプラス。いい流れで決勝ラウンドに入れると思う」

8月16日 日本×韓国 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
3勝5敗
3 22 25 20 27 15
韓国
3勝5敗
2 25 21 25 25 13

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014予選ラウンド第3週マカオ大会2日目。FIVB世界ランキング3位の日本は、エース、キム・ヨンギョン率いる同ランキング10位の韓国を相手にフルセットの末、セットカウント3-2で競り勝った。第1セットは相手の高さに苦戦し22-25と競り負けたが、第2セットを25-21で奪い返す。第3セットを失うも、第4セットに長岡望悠の強打が光り27-25でセットカウント2-2とすると、最後の第5セットでも勝負強さを発揮し15-13で3連勝とした。日本は8月17日(現地時間)15時30分より、予選ラウンド最終戦として9日にストレート負けを喫した中国と対戦する。

第1セット、互いに得点を重ね一進一退の攻防が続く。日本は10-8とリードした場面で相手に好サーブを決められるなど4連続失点し、流れを奪われた。その後もキャプテン・木村沙織のスパイクなどで追いすがるも、最後は4連続失点でこのセットを落とした。

第2セット、序盤から互いに得点を続けていく。ラリーの続いた場面で江畑幸子がレフトからブロックをはじく強烈な一打を決めるなど、互いに譲らない試合展開で後半へ突入。15-17とされたところで日本がタイムアウトを取ると、相手のミスと木村のスパイクで同点とし、なおも江畑が3連続得点、25-21で第2セットを奪った。

第3セット、序盤はキム・ヨンギョンの連打などで韓国が優位に立ち、5連続失点もあり日本はリズムをつかめない。その後は浮いたボールをすかさず打ち込んだ江畑の好判断などで5連続得点するも、12-16とリードされ2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。差を詰めたい日本だが、韓国に追い付くことができず20-25でこのセットを落とす。

第4セット、後がなくなった日本は大野果奈をこの試合初めて、セットの初めから起用する。期待に応える大野のクイック攻撃や、鋭い長岡望悠のスパイクなどで攻撃が活性化し、16-12で2回目のテクニカルタイムアウトとした。緊迫した試合運びが続くが、韓国に得点を奪われた直後長岡が続けて得点、主導権を譲らない。24-25からは木村の活躍などで3連続得点を決め、27-25で第4セットを奪った。

第5セット、長岡が左右から決めてチームを勢いづく日本。勝負どころで韓国にサーブミスが出て、日本は12-8とリードを奪った。そこから3連続失点するも、長岡が踏ん張り、最後は新鍋理沙がライトからクロスを放ち、15-13で熱戦に終止符を打った。

【コメント】

眞鍋政義監督

「かなり苦しめられが、久しぶりに結束力で勝てた。(香港大会3戦目の)タイに勝ってから、勢いがついた。戦術が先にきて、チームとして結集することがなかなかなく、新しいことばかり気になって負けが続いていたが、タイの勝ち星がカンフル剤になって大きかった。どこの国の選手を見ても(日本と)身長の差は歴然。背の高い190センチメートルの選手を揃えて、男子バレーのような高さとパワーを発揮する選手が多い。その中で世界に勝つ、世界一を追求するには総合力で上回っていなければ勝てない。試合を長く、ラリーを長くし、守備で拾った1点に重みを持たせて、ムード良くいかないといけない。最終戦は中国。前回負けており、韓国より身長が高いので、何とか先行したい。先行しないとサーブを強く打たれ、ブロックでプレッシャーをかけられる」

キャプテン・木村沙織選手

「競った試合をなかなか取れていなかった。フルセットまでもっていくが、勝ちまでいかないのがグランプリの中で多かった。チーム力はどのチームにも負けてはいけないと思うし、スタッフ、選手を含め全員で、目の前の一本のボールで点数を取っていくことを意識してやっていきたいと思っている。最後まで諦めずに、全員で食らいつくことができ、チームにとっても大きかった」

長岡望悠選手

「勝てていなかった中で、厳しい戦いをして、全員で最後に勝てたのは良かった。少しずつやってきたことが形になってきている。まだもろいところもあるが、それは東京(での決勝ラウンド)につなげたい。ブロックや簡単なプレーでチームの足を引っ張っていた。何とか点数を取らないと、と思っていたので今日は良かった」

8月15日 日本×セルビア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
2勝5敗
3 25 10 25 25
セルビア
3勝4敗
1 17 25 17 19

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014予選ラウンド第3週マカオ大会第1日。この第3週を終えると、8月20日から東京で行われる決勝ラウンドの顔ぶれが決まる。FIVB世界ランキング3位の日本は、同ランキング7位で昨年2013年のワールドグランプリ銅メダルのセルビアにセットカウント3-1で快勝した。前週のタイ戦から2連勝で、日本は2勝5敗の勝ち点8とした。第1セットからサイド攻撃が決まり25-17で先手を取ると、第2セットは落としたが、第3、4セットと江畑幸子のスパイクが威力を発揮し25-17、25-19と連取して試合を決めた。3連勝を目指す日本は、8月16日(現地時間)14時30分より韓国と対戦する。

第1セット、日本はセルビアの強打をブロックで封じ先制すると、そこから4連続得点と波に乗った。その後もリズム良く攻め8-2で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。相手に5連続得点を許す場面もあったが、江畑、新鍋理沙の躍動感あふれる攻撃でセルビアにリードを譲らず、25-17と幸先よく第1セットを取った。

第2セット、前セットから一転、日本は防戦に回った。立ち上がりから新鍋、江畑の強打が捕まり5連続失点を喫した。その後も5連続失点が2度と、サーブローテーションを回せずに失点が続く場面があり、10-25でこのセットを失った。

第3セット、江畑の勢いあるスパイクで先制点を奪った。新鍋の好サーブや山口舞の移動攻撃を織り交ぜ、セルビアを翻弄。長岡望悠がレフトから中央に打ち下ろすと、キャプテン・木村沙織もサービスエースを決め、代わる代わる得点を重ねてセルビアのブロックに的を絞らせない。16-9と優勢のまま2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた日本。終盤も勢いは持続し、最後は木村がレフトからクロスを打ち込み、25-17で第3セットを奪い返した。

第4セット、序盤から3連続得点で好スタートを切った。江畑がライトから難しい体勢でクロスを打ち切ると、8-8からは長岡のアタック、宮下遥のブロックなどで5連続得点とセルビアを突き放した。終盤には江畑が2連続でバックアタックを決めた。チームトップの24得点と復調を強く印象づける活躍の江畑は、最後も強打で締めくくり、25-19で予選ラウンド2勝目を手にした。

【コメント】

眞鍋政義監督
「セルビアと対戦するといつも力強いスパイク、高いブロックにやられ、勉強させられることが多い。今日(15日)は試合をすることができて良かった。前半は、久しぶりにサーブがミーティング通り(上手く)いった。江畑(幸子選手)がずっと不調だったが、今日は久しぶりに復活した。苦しいところでいい点を取ってくれて非常に良かった。チームにとって明るい材料が増えた。ムードメーカーの筒井(さやか選手)もサーブレシーブにミスが少なく、ディフェンスを頑張っていた」

キャプテン・木村沙織選手
「ちょっとずつ、チームとして1つになってきている。(第2週)香港(大会)でタイに1勝して連勝できて良かった。日に日に良くなっているので、チームとしてそういう部分を増やしていきたい。私も含めて、個人個人が自分のプレーをできていなかった。新戦術として全員がいろいろなポジションをやらなければいけないので、個人が自分のプレーをできないとガタがきてしまう。攻撃面に関しては、ちょっとずつ上がってきた 」

江畑幸子選手
「自分らしいスパイクが打てていなくて、練習でもスパイクのフォームを一新してやってきた。最低限、他の選手より(スパイクの)打数が多くないといけないし、得点は誰よりも多くなくてはいけない。ミーティングでも真ん中からの攻撃を決めようとは話していた。(自分のポジションは)新戦術どうのこうのではなく、どの戦術でも点を取ることが大事なポジション。次につながる試合ができた」

8月10日 日本×タイ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
1勝5敗
3 25 25 19 25
タイ
1勝5敗
1 18 15 25 20

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014予選ラウンド第2週香港大会最終戦。FIVB世界ランキング3位の日本は、同ランキング12位で近年成長著しいタイをセットカウント3-1で破り、連敗を5で止めた。第1セットの序盤からキャプテン・木村沙織らのブロックが有効に決まり25-18で先手を奪うと、続く第2セットも25-15で連取。第3セットこそタイのサーブに手を焼いたが、第4セットは新鍋理沙のスパイクなどで得点し、最後は木村のサービスエースが決まり待望の白星を手にした。

第1セット、セッター・宮下遥を本大会で初めてスタメンで起用。ウィングスパイカーも9日の中国戦から入れ替えて、石井優希、新鍋がスタメンに名を連ねた。日本は立ち上がりからブロックが決まり、2-2から4連続得点と波に乗る。その後タイに追い上げられ8-7で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えたが、タイのスパイクをブロックで封じるなど、6連続得点で14-8とリードを奪うと、そのまま逃げ切り25-18で日本が第1セットを取った。

第2セット、勢いそのままに山口舞のブロックなどで3連続得点と好スタートを切ると、石井、新鍋がコート上で躍動しスパイクを決め、16-7とリードを奪って2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後も危なげないプレーぶりでタイを寄せつけず、25-15と日本が2セット連取した。

第3セット、立ち上がり、サーブから攻めてくるタイに主導権を握られてしまった。連係が乱れ、ブロックを崩された日本は、3連続失点とリズムを掴めず、5-8で1回目のテクニカルタイムアウトを折り返した。雰囲気を変えたい日本だったが、相手にスパイクを決められる場面が多く、リードするまでに至らなかった。その後石井のスパイクが連続で止められるなどした日本。19-25で第3セットを失った。

第4セット、ラリーで粘れずタイに先制点を奪われた。しかし木村のスパイク、長岡のクロスなど日本の強打が決まりだし、7-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後もタイに3連続得点を許したが、10-13から木村、新鍋の強打が冴え5連続得点で逆転。山口の移動攻撃も効果的で、タイに逆転を許さなかった。最後は木村のこのセット2本目となるサービスエースで25-20。

この結果、セットカウント3-1でタイに勝利した日本。香港大会最終戦でワールドグランプリ初勝利を挙げた。

【コメント】

眞鍋政義監督
「まずは6戦目にして、やっと1勝できたのが大きい。選手が集中して、ブロック(の得点)が連続した。本大会では宮下(遥選手)を初めて先発で起用した。長岡(望悠選手)、石井(優希選手)、宮下と若い選手の勢いが良かった。江畑(幸子選手)も途中活躍し、久しぶりにチームが1つになった。まだまだコンビネーションのミスは多いが、予選ラウンドはあと3試合あるので、決勝ラウンドにはベストな状態で臨みたい」

キャプテン・木村沙織選手
「ブロックでポイントを稼ぐことができた。ずっと勝てていなくて、今日1勝できて良かったと思う。『今日は絶対に』という気持ちが、ミーティングからあった。目指すバレーにはほど遠いけど、とりあえずほっとしている。試合をしていく中で不安があり、こういうバレーでいいのかなと個人個人が思っていたと思う。きつい時もあるけど、継続するのが一番だと思う」

宮下遥選手
「技術面やコンビ(ネーション)は改善して次につなげないといけない。第3セットはサーブで崩して(日本の攻めを)単調にさせようというタイの狙いを感じた。みんなで1点を取りに行った。最後までいい集中力でできたと思う。この1勝が偶然だと思われないように、来週の3試合でいい戦いをしたい。技術もまだまだだけど、ウィングスパイカー1人1人とのコミュニケーションを大事にして、いい信頼関係を築けるようにしたい」

8月9日 日本×中国 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
5敗
0 16 14 22
中国
3勝2敗
3 25 25 25

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014予選ラウンド第2週香港大会。FIVB世界ランキング3位の日本は、昨季のFIVBワールドグランプリ2013で銀メダルを獲得した同ランキング5位の中国と対戦し、ストレートで敗れた。第1、2セットは中国の高さに苦しみ連取を許した。第3セットは終盤までリードしたが、中国の強打に連続失点しこのセットを落とした。次戦は、8月10日(現地時間)13時15分より同ランキング12位のタイと対戦する。

第1セット、中国は身長190センチメートル台の選手を4人スタメンに並べた。日本は第4戦のイタリア戦から山口舞、内瀬戸真実を新たに起用した。3-3から中国が強打に任せて4連続得点し、13-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた日本。山口の移動攻撃が決まり、何とか食らいつきたい日本だったが、相手のフェイントやネット際でレシーブを譲り合ってしまう連係ミスが生まれ4連続失点、最後は16-25で第1セットを落とした。

第2セット、立ち上がり3連続失点と波に乗れないが、内瀬戸がスパイクを決め、木村沙織もクロスを打ち切るなどリズムに乗るかに思えた。しかし7-10から5連続失点、中国のスパイクミスを挟み、さらに4連続失点と立て続けに崩れてしまう日本。後半山口のクイック攻撃、木村のフェイント気味の攻撃などで反撃を試みるも、サーブがアウトになるなど重要な場面でのミスもあり、14-25と大差で2セット目も失った。

第3セット、日本は石井優希、新鍋理沙をこの試合初めてセット初めより起用した。立ち上がり日本のブロックが効果的に決まり3連続得点と好スタート、リードを保ち8-5で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後も石井のバックアタックなどで得点、接戦の展開となり16-14で後半に突入。このまま逃げ切りたかったが、18-16から中国の高さが威力を発揮し5連続失点を喫し、逆転を許した。その後も相手の波状攻撃を止められず、22―25第3セットを落とした。

この結果、ストレートで中国に敗れ5連敗となった。

【コメント】

眞鍋政義監督
「中国に一方的にやられた。連敗が続いており勢いがなく、(雰囲気は)あまりよくない。ある程度、点を取られるのは仕方ないと思っていたが、サーブレシーブが乱れたのが大きい。この戦術をするためには、リスクは承知でやっている。1人の選手が複数のポジションを担当すると負担がかかる。(次戦の)タイは、チームがまとまっていて強い。去年も対戦しており厳しい試合になると思うが、いままでやってきたことを追求してやりたい」

キャプテン・木村沙織選手
「中国は(ブロックの)上から打ってくる高さのあるチーム。ディフェンスの部分で上げていかないと、勝つのは難しい。まだ1勝もできていないので、全員が基本に返り自分がやることを一人一人が考えて、個人が調子を上げていけば、チームプレーにも出てくる。勝ってくるとリズムも変わるので勝ちに貪欲にいきたい」

石井優希選手
「最後まで相手のペースだった。今日の試合で手応えを感じたものはないと思う。一方的にやられてしまった。中国の選手は高身長で、去年も戦って日本の一番高い選手の上からでも打ってくる。スパイクレシーブで対応しないといけなかったが、位置取りで対応できなかった。(第3セットは)スタートから雰囲気良く始められたと思う。最後の最後で決めきれなかった」

8月8日 日本×イタリア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
4敗
2 20 17 25 25 11
イタリア
3勝1敗
3 25 25 21 20 15

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014の予選ラウンド第4戦。トルコから香港に舞台を移し、FIVB世界ランキング3位の日本は、同4位のイタリアを相手に迎えた。立ち上がりからイタリアの高さに苦しみ、セッターとの連係が乱れる場面もあり連続してセットを失った。第3セットから若手の石井優希、内瀬戸真実、宮下遥を先発に起用すると攻撃に流動性が生まれ、第3、4セットを奪い返した。迎えた最終セット、日本も粘りを見せたが一歩及ばず4連敗となった。次戦は8月9日(現地時間)15時45分より同ランキング5位の中国と対戦する。

第1セット、日本は長岡望悠が先取点を奪うが、強打にフェイントを織り交ぜるイタリアに得点を奪われ、5-4から4連続得点を許し、1回目のテクニカルタイムアウトを迎える。しかし日本もキャプテン木村沙織のバックアタックなどで4連続得点するなど、14-16で後半へ突入。しかし終盤、相手の強打にレシーブが乱れ、20-25で第1セットを落とした。

第2セット、日本は立ち上がりから3連続失点。2-4からイタリアが5連続得点と流れを切れず、8-16で2回目のタイムアウト。このまま一方的な展開になるかと思われたが、9-20から石井優希のブロック、大野果奈のスパイクなどで4連続得点。しかし反撃が続かず、17-25で第2セットを落とした。

第3セット、日本は若手中心のメンバーに変更。序盤は2-5とリードを許したが、長岡の強打で9-9とする。一進一退の攻防が続いたが、19-18から石井の3連続得点で一気に主導権を握ると最後は宮下遥が押し込み、25-21と第3セットを奪取した。

第4セット、立ち上がりに4連続失点と苦しいスタートになるが、内瀬戸真実の勢いのあるスパイクなどで徐々にと差を縮め、8-9からは石井の3連続得点で11-9とし、イタリアがたまらずタイムアウトを取る。それでも日本の勢いは止まらず、後半、4連続、3連続と立て続けに得点を決めてイタリアを突き放し、25-20と第4セットを連取した。

第5セット、立ち上がり長岡のバックアタックがブロックされるなど、4連続失点と相手にペースを握られ劣勢の展開。点差の開いた6-11から内瀬戸の強打などで10-11と一気に差を詰めたが、最後は相手の強打に屈し、11-15で第5セットを落とした。

この結果、フルセットでイタリアに敗れた日本、予選ラウンドは4連敗となった。

【コメント】

眞鍋政義監督
「第1、2セットと苦しい展開になったが、若い選手が第3、4セットを取って良いリズムだったが、負けて残念。また明日から頑張りたい。(次戦は中国だが)相手チームどうこうじゃなく、我々のチームの立て直しが必要。中国のチームは背が高いが、今はチーム内の問題が大きい。6月6日に(選手が)集まり、まだ2カ月。攻撃は一歩一歩進歩している」

キャプテン・木村沙織選手
「リズムに乗りきれず、途中に出た選手が頑張ってくれた。後半は替わった選手がゲームを立て直し、速いバックアタックなどのコンビで相手のブロックを分散させることができ良かった。(次戦の中国は)背の高い選手が多いので、どの選手に対しても、粘り強い守備から攻撃につなげられればいい」

宮下遥選手
「自分の力の無さを感じた。苦しい試合展開で流れを変えること。それが自分の役割だと強く思っていた。勝っていないので勝ちたかった。自分の中で吹っ切れていない部分がある。今は、できることを精一杯やることを心掛けたい。(第3セットは)みんな何とかしたいという思いがあり、その気持ちに動かされた」

8月3日 日本×アメリカ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
3敗
2 27 17 22 26 11
アメリカ
1勝2敗
3 25 25 25 24 15

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014予選ラウンド第1週トルコ大会。FIVB世界ランキング3位の日本は同2位のアメリカと対戦し、セットカウント2-3のフルセットで敗れた。第1セットは初戦(8月1日)のトルコ戦と同じスタメンで、ミドルブロッカーに山口舞を入れ、木村沙織や長岡望悠の強打、山口の移動攻撃などで27-25と競り勝った。第2セットはアメリカの速攻やブロックに苦しみ、第3セットはアメリカに8本のサーブミスがあったが、競り負けた。第4セットは途中の大量リードを10連続失点で逆転されながら粘って奪い返したが、最終第5セットで振り切られた。次戦は8月8日(現地時間)18時30分より、イタリアと予選ラウンド第2週香港大会で対戦する。

第1セット、日本は一進一退の立ち上がりで、木村や長岡以外にも江畑幸子や新鍋理沙が効果的に得点に絡んだ。さらに山口の移動攻撃なども織り交ぜて、16-14で2回目のテクニカルタイムアウトを折り返した。ここから互いにミスを重ねて接戦となったが、終盤に石井優希の好サーブから相手レシーブを崩し、最後は江畑のアタック、新鍋のブロックで27-25と競り勝った。

続く第2セットはスピードを求めるセッターとアタッカーのコンビネーションが微妙に合わず、サイドに偏った攻撃から立て続けにアメリカのブロックに捕まる展開となった。10-16で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、宮下遥や内瀬戸真実を入れて打開を図ったが、その後もサーブミスやブロックに阻まれ、17-25で突き放された。

第3セット、序盤からアメリカがサーブミスを連発する展開となったが、なかなか突き放せない。日本にもサーブミスが増え、12-16で2回目のテクニカルタイムアウトを折り返した。ミドルブロッカー・大野果奈のクイック攻撃も交え、終盤に20-20に追い付く場面もあったが、勝負どころで伝統のサーブレシーブが乱れ、22-25でアメリカにセットを連取された。

第4セット、ブロックがさえて攻守のリズムを取り戻した日本は、16-10で2回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。中盤、17-10からレシーブの乱れやスパイクミスでまさかの10連続失点。しかし、そこから長岡の得点などで息を吹き返し、終盤に粘りを見せると、26-24で競り勝った。

最後の第5セットは立ち上がりでいきなり3失点。大野のブロックや好サーブで巻き返し、5-4としたが、相手の速攻やブロックに苦しみ、8-10とされた。終盤は江畑や大野が意地を見せたが、11-15でアメリカに逃げ切られた。

この結果、セットカウント2-3のフルセットでアメリカに敗れた日本。トルコ大会を3連敗(勝点1)で終えた。

【コメント】

眞鍋政義監督
「最後は勝ちたかった。昨日までの試合(8月1日・トルコ戦、2日・ロシア戦)より少しは良かった。(ウィングスパイカー陣は)少しセッターとコンビ(ネーション)が合ってきた。攻撃のミスが昨日までに比べると少ない気がする。ただ連続失点が多かった。特に4セット目の連続失点が大きかった。(3連敗について)全く違ったことをしているので、ある程度リスクを覚悟している。次のオリンピックで勝つために新しいことに挑戦したいと思っているし、(今大会の)決勝ラウンドに照準を合わせている。次のオリンピックでこの新しい戦術をやらないと間違いなく上に行けない。非常に厳しいとは重々承知している。でもこれはやり通そうと思っている」

キャプテン・木村沙織選手
「3試合終わってちょっとずつチームが形になっている。今は難しいことをやろうとしているが、自分たちのオリジナルのバレーを継続していくことが大切。次のラウンドで1勝すると乗ってくると思う。(トルコ大会では)試合、試合でいいところと悪いところがはっきり出た。反省して次のラウンドにいけたらいい。ちょっとずつ完成度も上がっていくといいなと思う」

新鍋理沙選手
「すごくいい流れできていたのに、自分たちのミスでいい流れを切ってしまうところがある。ミスはもったいなかった。ブロックの関係はセットを重ねるごとに良くはなっている。相手のブロックがすごく高いのでまともにいっても(相手が)楽なだけだし、今日も何本かブロックされたのがあった。新戦術の1戦目は「本当に大丈夫かな」と不安しかなかった。しかし、試合を重ねるごとにいい部分もたくさん出てきた。課題もたくさんあるし、それは1人1人違う。残りの試合でもう少しいい部分を増やしたい」

長岡望悠選手
「負けてしまったけど、少しずつチームとして形になってきている。点数を取ることが今のポジションでの役割。セッターにもっと要求して点数をとっていきたい。今回(トルコ大会)の3戦の反省をしっかりして、次は勝利できるように全員で頑張りたい」

8月2日 日本×ロシア 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
2敗
1 23 13 26 18
ロシア
2勝
3 25 25 24 25

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014予選ラウンド第1週トルコ大会。第2戦は世界ランキング3位の日本は同6位のロシアと対戦した。初戦のトルコ戦からスタメンを入れ替えて臨んだが、ロシアの高く組織立ったブロックに捕まり苦戦。最初の2セットを連取され、山口舞や大野果奈を起用した第3セットを奪い返したが、セットカウント1-3でロシアに敗れ日本は2敗となった。次戦は8月3日(現地時間)16時より、アメリカと対戦する。

第1セット、日本は木村沙織や長岡望悠が着実に得点を重ねて一進一退の展開に持ち込む。江畑幸子のバックアタックなども効果的に織り交ぜ得点を重ねた。2回目のテクニカルタイムアウトを終えた14-16からサーブレシーブの乱れなどで突き放され、要所でスパイクミスも響いた。内瀬戸真実の投入で好サーブから終盤に粘りを見せたが、23-25で第1セットを競り負けた。

第2セット、序盤から勢いに乗ったロシアにペースを握られた。ロシアの打点の高いスパイクで日本のレシーブが乱れ、4-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えると、その後も江畑や石井優希がブロックに捕まり、9-16で後半に突入。終盤、相手との差を詰めきれず、そのまま13-25で第2セットを落とした。

第3セット、山口と大野を起用したが、序盤は連続失点で4-8とリードを許した。その後、長岡望悠の強打などで12-12と追い上げを見せるも13-16で後半に突入。持ち前の粘り強いレシーブで流れを引き戻し、大野の好サーブや山口のブロックも効果的な場面で決まった。20-22で迎えた終盤、木村がネット際の巧打で連続得点、26-24で第3セットを奪った。

第4セット、内瀬戸や長岡の強打で7-8とした。中盤日本はサーブミスが響き追う展開となるも、15-16と1点差に詰め寄った。再び突き放されると、終盤はコンビネーションが微妙に合わず失点に繋がり、第4セットを18-25で落とした。

この結果、セットカウント1-3でロシアに敗れた。

【コメント】

眞鍋政義監督
「19本の被ブロックにスパイクミスが11本。計30点とスパイクのところで失点がある。勝っている時は被ブロックも失点も少ない。最終的には個人技になるが、より質の高いブロックを意識していかないと厳しい。空いているスペースはあるのでそこに打てるかどうか。全員がある程度の数字を残さないと勝つのは厳しい。途中出場の内瀬戸選手は相手のブロックのスペース、また相手のディフェンスをよく見ており状態は良かった。明日は世界ランキング2位のアメリカとの対戦となる。今日以上にブロックは組織だっている。世界でも一番良いチーム。明日に向けセッターとスパイカーと話し合い修正したい」

キャプテン・木村沙織選手
「コートに入っている全員が同じように攻撃を仕掛けないといけない。理想としているバレーにはまだまだ遠い。連敗し、チームとしては乗っていけない状況だが、まだ試合がある。1試合、1試合、少しでも理想とするバレーに近付けるよう継続することが大事。チームとしてコンビがまだまだできていない。AクイックやBクイックが少ない分、コンビネーションを考えることが難しいが、ロシアのようにあまり動かない高いブロックを組織するチームにはコンビネーションが有効だと思った」

大野果奈選手
「自分の速いクイックでブロックのスペースを狙って打つことだったり、サーブを回転かけずにターゲット狙って打つことだったりを意識した。やっぱり被ブロックが多くて、ロシアは高い。最後は個人の技術になるが、フォローに入るのもそうだし、もう少しラインに打ったり相手のスペースに打ったりというのができた。(新戦術の完成度について)不安はあると思うが、気持ち切り替えてチームが一つになってやっていきたい。相手ブロッカーからすると日本はクイックを使わないと言うことでマークされやすい状況になっている。まだまだ課題はあるが、自分が入った時は速いクイックを打つことと、ワンタッチでも良いのでブロックにかけていたきい」

内瀬戸真実選手
「流れを変えることが役目だったが、あまり変えられなかった。身長が低いので相手に真正面からぶつかっても相手が上。テクニックなどで相手が嫌がることをしようと思った。新戦術は世界一を狙うにはもっと徹底して1人1人が確認し合いながらやらないといけない」

江畑幸子選手
「個人としては思い切りよいスパイクを打てなく、持ち味を出せないで終わってしまった。しっかりコンビがまだ合っていないので調整していきたい」

8月1日 日本×トルコ 予選ラウンド
チーム セットカウント 第1セット 第2セット 第3セット 第4セット 第5セット
日本
1敗
0 27 19 21
トルコ
1勝
3 29 25 25

【第1セットのスタメン】

【戦評】

FIVBワールドグランプリ2014予選ラウンド第1週トルコ大会。FIVB世界ランキング3位の日本は同ランキング11位のトルコと対戦した。昨年のワールドグランドチャンピオンズカップ2013(グラチャンバレー2013)で成果を上げたウィングスパイカーが4人入る戦術「MB1」でスタメンを組んだ。さらに進化型の新戦術を試す場面もあったが、ウィングスパイカーとセッターのコンビネーションがやや精彩を欠き、試合を通して持ち味のスピードを生かした攻撃が出せなかった日本。セットカウント0-3のストレートでトルコに敗れ、今大会黒星スタートとなった。次戦は8月2日(現地時間)16時より、同ランキング6位のロシアと対戦する。

第1セット、日本は長岡望悠の強打やフェイント、中道瞳の好サーブでまずまずのスタートを切った。しかし、8-6から木村沙織や江畑幸子の強打が高さのあるトルコのブロックに捕まるなど4連続失点。そこから盛り返し、一進一退の展開とするも、抜群の決定力を誇った長岡頼みの攻撃が続いた。終盤、石井優希が投入されると好サーブから流れを掴みかけたが、24-23の局面から相次ぐサーブミスなどでリズムを手放し、最後は27-29で第1セットを落とした。

第2セット、序盤から勢いに乗ったトルコにペースを握られた。攻撃の連係がかみ合わず、4-8で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。その後も単調な攻撃で相手のブロックに捕まり、8-16で2回目のテクニカルタイムアウトへ。日本は好調の石井と長岡にトスを集め、得点を重ねたが、余裕を持った相手との差を詰め切れず、そのまま19-25でトルコに振り切られた。

第3セットはメンバーを入れ替え、反撃を開始。ミドルブロッカーを1人も置かず、5人のウィングスパイカーを入れた超攻撃的な新戦術をテストした。セッターに宮下遥が入り、石田瑞穂や石井の強打で序盤から大量リードを奪い、8-3で1回目のテクニカルタイムアウトを迎えた。流れを完全に掴んだが、やはりセッターとアタッカーのコンビネーションが微妙に合わない。ミスからじわじわと差を詰められると、15-12から再びブロックに捕まり、連続失点を喫し逆転された。日本は持ち前のサーブで崩す攻めの展開に持ち込めず、緩急自在の攻撃で逆にトルコに崩され、最後は21-25で第3セットを落とした。

この結果セットカウント0-3のストレートでトルコに敗れた日本。アタックでのミスは14、相手ブロックに捕まったのは13を数え、緻密な攻撃が影を潜めた。

【コメント】

眞鍋政義監督
「やはり背の低い日本がこれだけミスをすると勝てない。特にアタックの失点が非常に多い。それに尽きる。トルコチームのブロックは素晴らしかった。我々のミスが多かったこと、セッターからのコンビネーションが合っていなかったことが大きな敗因。戦術という前にコンビネーションが問題かなと思う。(第1セットは接戦だったが)全体的にはじめから最後までセッターとのコンビネーションがよくなかった。日本はスピードが売り。スパイカーとのコンビネーションがうまくいかなかったのは今日の大きな敗因」

キャプテン・木村沙織選手
「初戦ということもあって、勝って明日(8月2日、ロシア戦)につなげたかった。自分たちの持ち味であるサーブで崩して、そこからディフェンスという展開をとりたかった。ポイントを取っている選手がすごく限られていたので、やっぱり相手からもマークされやすかったと思う。もっとバックアタックを打ちたかった。練習してきたことが全然出せず、オーソドックスなバレーになってしまった」

中道瞳選手
「コンビネーションが合っていなかった部分はある。(接戦となった)1セット目をとっていれば、流れが変わったかなと思う。しっかり修正して明日は頑張りたい。アタッカーがしっかり打てた場面が少なかった。トルコに入ってからちょっとコンビネーションが合っていない感じがあったが、それを修正しきれなかった。コミュニケーションをもっと増やしていきたい」

長岡望悠選手
「(接戦となった)1セット目を取れなかったのが大きかった。点数は取れていたが、ブロックで機能できなかった。すごく悔しい。アタッカーとしては最後に託される部分もあるので応えたいと思う。新戦術は少しずつ形になってきているが、ここぞという場面でもろさが出てしまった。バックアタックも今日は少なかった。もっとチームの結束力を高めて点を取りに行きたい」